JP4467818B2 - 内燃機関の直動式動弁装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カムプロフィールの異なる複数のカムが設けられたカム部を有するカム駒を、カム軸の回転軸線方向に移動させて、カム部と内燃機関の吸気または排気を司る機関弁との間に配置されたリフタに摺接するカムを選択的に切り換える切換手段を備えた内燃機関の直動式動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の吸気弁または排気弁の弁作動特性を変更するために、カムプロフィールが異なる複数のカムを選択的に切り換える切換手段を備えた動弁装置において、該切換手段の切換動作開始時期を設定するトリガーレバを備えたものが特開昭61−201804号公報に開示されている。この動弁装置は、カム軸に設けられ、カムプロフィールが異なる中・低速用カムと高速用カムとが隣接して設けられたカム筒(カム駒)と、前記両カムのいずれかに当接するロッカアームと、カム筒をカム軸の回転軸線方向に移動させる切換機構(切換手段)と、カム軸に平行に配置されたトリガーレバ支持軸に揺動自在に支持されるトリガーレバとを備える。そして、トリガーレバは、その一端がカム軸に形成されたトリガーカムと係合状態にあり、他端が切換機構のピストンの溝に嵌入し得るようにされ、トリガーレバがトリガーカムにより揺動されて前記溝との係合が解除されることで、切換動作開始時期が設定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の動弁装置では、トリガーレバ支持軸およびトリガーレバは、カム軸の上方に配置されるため、動弁装置が大型化し、ひいては該動弁装置を収容する動弁室、そして内燃機関が大型化する難点があった。また、前記従来の動弁装置では、吸気弁はロッカーアームに摺接するカムにより作動されるため、カム軸の周辺には、前記トリガーレバ支持軸の他にロッカーアーム支持軸も配置されるため、両者にそれぞれ支持されるトリガーレバおよびロッカーアームの揺動範囲を確保する必要があって、この点でも動弁装置が大型化する傾向があった。さらに、前記従来の動弁装置では、トリガーレバを作動させるために、カム軸上にカム筒と並んでトリガーカムが設けられることから、トリガーレバを備えた動弁装置がカム軸の回転軸線方向に大型化すると共に、トリガーレバを作動させるための部材であるトリガーカムを設ける必要があって、その作動機構が複雑化する難点があった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1ないし請求項5記載の発明は、トリガ機構を備えた動弁装置の小型化、ひいては内燃機関の小型化を図ることを目的とする。そして、請求項3記載の発明は、さらに、トリガ機構を作動させるための作動機構を単純化することを目的とし、請求項5記載の発明は、さらに、部品点数および組付け工数の削減を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の発明は、シリンダヘッドに回転自在に支持されたカム軸にその回転軸線方向に移動自在にかつ該カム軸と共に回転するように装着されたカム駒であって、前記回転軸線方向に隣接して設けられた第1および第2のカム部を有し、各カム部がカムプロフィールの異なる複数のカムを含むカム駒と、前記カム部と内燃機関の吸気または排気を司る機関弁との間に配置されてリフタホルダ部に上下動自在に保持されたリフタと、
前記カム駒を前記回転軸線方向に移動させる当接部を有する駆動機構と、前記機関弁の閉弁時におけるカム切換動作開始時期を設定すべく前記当接部の移動を制限するトリガ機構とを有し、前記カム部の、前記リフタに摺接する前記カムを選択的に切り換える切換え手段とを備え、前記機関弁が前記リフタに摺接する前記カムのカムプロフィールに応じて作動される内燃機関の直動式動弁装置において、
前記第1および第2のカム部は、前記回転軸線方向に直列にかつ間隔をおいて設けられた第1カム部および第2カム部を含み、前記機関弁は、同一のシリンダに対して設けられた第1機関弁および第2機関弁を含み、前記リフタは、前記第1機関弁と前記第1カム部との間に配置された第1リフタ、および前記第2機関弁と前記第2カム部との間に配置された第2リフタを含み、前記トリガ機構は、前記リフタの上下動の方向から見て前記リフタと重なる位置に配置されて該リフタに当接可能なトリガ部材と、該トリガ部材を前記リフタに当接するように付勢する弾性体と、前記トリガ部材に弾性的に支持された規制部材とにより構成され、前記トリガ部材は、前記カム軸と前記リフタとの間であって、かつ、前記回転軸線方向で前記第1リフタと前記第2リフタとの間に配置されたことを特徴とする内燃機関の直動式動弁装置である。
【0006】
この請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、機関弁は、リフタ保持部材に上下動自在に保持されてカムが摺接するリフタを介して作動されるので、動弁装置の上方への寸法が小さくなっているうえに、カム駒を回転軸線方向に移動させて機関弁の作動特性を切り換える切換手段の切換動作開始時期を設定するトリガ機構は、カム軸よりも下方に、すなわちシリンダブロック寄りの位置に配置されるので、カム軸の下方のスペースを利用することで、トリガ機構を備えた動弁装置が小型化され、ひいては動弁室そして内燃機関が小型化される。
【0007】
さらに、請求項1記載の発明によれば、トリガ機構は、カム軸とリフタとの間に配置されるから、トリガ機構はカム軸とリフタとの間のスペースを利用して配置できるため、動弁装置を小型化することができる。また、トリガ機構は、リフタの上下動の方向から見てリフタと重なる位置に設けられ、リフタの移動に連動して作動する。すなわち、トリガ機構は、摺接するカムにより移動させられるリフタに連動して作動されるため、トリガ機構を動作させるための部材を新たに設ける必要がないので、トリガ機構を作動させるための作動機構が単純化され、しかもトリガ機構を備えた動弁装置を小型化することができる。そして、動弁装置が、1つのシリンダに対して共通のカム駒により作動される少なくとも2つの機関弁を備え、それら機関弁に対応して少なくとも2つのリフタを備えるとき、トリガ機構は、回転軸線方向で、2つのリフタである第1および第2リフタの間に配置されるので、トリガ機構を備えた動弁装置を回転軸線方向で小型化することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の内燃機関の直動式動弁装置において、前記トリガ部材は、前記リフタのリフトの変化に伴い、前記駆動機構の前記当接部に対し離れる方向および近付く方向へ変位可能であり、前記トリガ部材に支持される前記規制部材は、前記トリガ部材の前記変位に伴い、前記駆動機構の前記当接部が前記カム駒を前記回転軸線方向に移動させるように変位する経路外または経路内に変位可能であることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の内燃機関の直動式動弁装置において、前記トリガ部材および前記規制部材は平たい板材から形成されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の内燃機関の直動式動弁装置において、前記トリガ部材は、前記リフタホルダ部に摺動自在に嵌合される筒部に形成された平板状のフランジ部を有し、前記規制部材は、前記筒部内に摺動自在に嵌合するピストン部から突出する規制部であることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の内燃機関の直動式動弁装置において、前記リフタホルダ部は、前記内燃機関のシリンダヘッドとは別体の部材で構成され、前記トリガ機構は、前記リフタホルダ部を前記シリンダヘッドに固定する固定部材により前記リフタホルダ部に固定されることを特徴とする。
【0014】
この請求項5記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、トリガ機構は、リフタホルダ部をシリンダヘッドに固定する固定部材を利用してリフタホルダ部に固定されるので、部品点数および組付け工数を削減できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1ないし図23を参照して説明する。
図1ないし図15は、本発明の第1実施例を示すもので、本発明に係る直動式動弁装置が適用される内燃機関Eは、車両に搭載されるDOHC型の直列4気筒4サイクル内燃機関であり、図1に示されるように、内燃機関Eは、4つのシリンダ1(図1ではその1つが示されている)が一体化されたシリンダブロック2の上面にシリンダヘッド3が、さらにシリンダヘッド3の上面にヘッドカバー4がそれぞれ組み付けられる。
なお、この明細書において、「上下」は、便宜上、図1に示される状態で内燃機関Eを見たときの「上下」を意味するものとする。
【0016】
各シリンダ1のボア内に往復動自在に嵌合されたピストン5は、コンロッド6を介してクランク軸(図示されず)を回転駆動する。該クランク軸に同期してその1/2の回転数で回転駆動される吸気カム軸7および排気カム軸8が、前記クランク軸と平行に配置されて、シリンダヘッド3にボルトにより固定される複数の吸気カムホルダ9および複数の排気カムホルダ10(図1ではそれらの1つが示されている)にそれぞれ回転自在に支持される。それらカムホルダ9,10は、シリンダ配列方向の両端部および隣り合う2つのシリンダ1の間に配置され、各カムホルダ9,10は、上下に分割された上カムホルダ9U,10Uおよび下カムホルダ9U,10Uからなる。
【0017】
シリンダヘッド3には、シリンダ1毎に、ピストン5との間に燃焼室11が形成されると共に、燃焼室11に開口する1対の吸気口を有する吸気ポート12および1対の排気口を有する排気ポート13が設けられ、さらに前記両吸気口をそれぞれ開閉して、内燃機関Eの吸気を司る機関弁である1対の吸気弁14と、前記両排気口をそれぞれ開閉して、内燃機関Eの排気を司る機関弁である1対の排気弁15とが弁ガイド16,17に摺動自在に設けられる。そして、各吸気弁14および各排気弁15は、上端がばね受け26,27により支持される弁ばね18,19のばね力により、吸気口および排気口をそれぞれ閉じる方向に付勢される。また、シリンダヘッド3には、各燃焼室11に臨む点火栓20が設けられる。
【0018】
シリンダヘッド3とヘッドカバー4との間に形成された動弁室21には、吸気弁14および排気弁15を開閉するための直動式動弁装置が収納される。この動弁装置は、吸気側動弁装置VINと排気側動弁装置VEXとからなり、吸気側動弁装置VINは、カム軸7、カム駒22、リフタ24、およびカム軸7上でその回転軸線L1の方向(以下、「回転軸線方向A1」という)にカム駒22を移動させる切換手段としての油圧式の吸気側駆動機構MINを備え、排気側動弁装置VEXは、カム軸8、カム駒23、リフタ25、およびカム駒23をカム軸8上で回転軸線方向A1に移動させる切換手段としての油圧式の排気側駆動機構MEXを備える。そして、吸気側動弁装置VINおよび排気側動弁装置VEXは、基本的に同一の構成を有するものであるので、以下の説明では、吸気側動弁装置VINを中心に説明する。
【0019】
図2も併せて参照すると、カム軸7には、シリンダ1毎に、カム軸7が貫通する軸孔を有するカム駒22が、カム軸7に対してその回転軸線方向A1に摺動して移動自在に、かつ回転方向にカム軸7と共に一体に回転するように、カム駒22の内周面に、回転軸線方向A1の全長に渡って設けられた3条の凹溝26と、カム軸7の外周面に、回転軸線方向A1にカム駒22の移動範囲に渡って設けられた3条の突条27とによりスプライン結合されて装着される。
【0020】
カム駒22には、回転軸線方向A1に直列にかつ間隔をおいて第1カム部30aおよび第2カム部30bが設けられ、第1,第2カム部30a,30bには、それぞれカムプロフィールの異なる低速カム31a,31bと高速カム32a,32bとが回転軸線方向A1に隣接して一体に設けられる。すなわち、各低速カム31a,31bは、カム軸7の径方向(以下、単に「径方向」という)に比較的小さい突出量で、その周方向に所定の作動角を有するノーズ部31a1,31b1と、ベース円部31a2,31b2とから構成されるカムプロフィールを有し、各高速カム32a,32bは、径方向の突出量が低速カム31a,31bのノーズ部31a1,31b1の突出量より大きく、かつ低速カム31a,31bの作動角よりも大きい作動角を有するノーズ部32a1,32b1と、低速カム31a,31bのベース円部31a2,31b2と等しい径方向の突出量を有するベース円部32a2,32b2とから構成されるカムプロフィールを有する。
【0021】
さらに、カム駒22には、第1カム部30aと第2カム部30bとの回転軸線方向A1での間に、円筒部33が設けられ、円筒部33には、円筒部33の外周面を底面とする円環状の案内溝34を形成する1対の円形の外周を有する鍔状の第1係合部35および第2係合部36が設けられる。そして、第1,第2係合部35,36の外径は、低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bのベース円部31a2,31b2,32a2,32b2がリフタ24に摺接した状態で、該リフタ24と接触しない大きさに設定される。
【0022】
また、シリンダ1毎に、カム駒22よりも下方において、第1カム部30aと第1吸気弁14aとの間には第1リフタ24aが配置され、第2カム部30bと第2吸気弁14bとの間には第2リフタ24bが配置される。そして、シリンダヘッド3には、各シリンダ1に対応して4つのホルダ部37を有し、隣接するホルダ部37が相互に連結部38(図6参照)により連結されたリフタホルダが固定される。図6を併せて参照すると、リフタ保持部材を構成する前記リフタホルダの各ホルダ部37は、3つのボス部37aに形成された貫通孔37bに挿通される固定部材であるボルトBでシリンダヘッド3に固定され、同一形状で円筒状の第1,第2リフタ24a,24bは、ホルダ部37において第1,第2リフタ24a,24bとそれぞれ同軸に設けられた1対の第1案内孔39aおよび第2案内孔39bに、第1,第2リフタ24a,24bの中心軸線方向A2に往復動自在、すなわち上下動自在に摺動し得るように嵌合される。したがって、中心軸線方向A2は第1,第2リフタ24a,24bの上下動の方向でもある。
【0023】
第1,第2リフタ24a,24bは、下端が開放し、上端に頂壁を有する円筒を、中心軸線L2(図1参照)を含み、かつカム軸7の回転軸線L1と直交する平面に関して面対称となるように、頂壁から回転軸線方向A1(図2参照)での両側で側壁の一部を切り欠くことにより形成される1対の切欠部40a1,40a2,40b1,40b2を有する。そして、頂壁の残された部分は、前記円筒の直径方向に延びて、低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bが摺接するブリッジ形状のスリッパ部42a,42bを形成する。低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bが摺接するスリッパ部42a,42bの上面は、回転軸線方向A1から見たとき、第1,第2カム部30a,30bに向かって凸となる円弧になっている。
【0024】
さらに、図7も参照すると、スリッパ部42a,42bに連なる第1,第2リフタ24a,24bの側壁の外面には、中心軸線方向A2に延びて半円形の横断面を有すると共に中心軸線方向A2の上端および下端に端壁面を有する挿入溝24a1,24b1が形成され、一方、第1,第2案内孔39a,39bの周壁面には、該挿入溝24a1,24b1と径方向に対向する位置に、該挿入溝24a1,24b1と同様に半円形の横断面を有すると共に中心軸線方向A2の上端が開放し、下端に端壁面を有する係止溝39a1,39b1が形成される。そして、挿入溝24a1,24b1には、挿入溝24a1,24b1の長さよりもやや短い長さを有する回止め用のピン43が挿入され、該ピン43が、挿入溝24a1,24b1と、第1,第2リフタ24a,24bの中心軸線方向A2での移動、すなわち上下動を可能とする長さを有する係止溝39a1,39b1とに跨って配置されることで、該ピン43により第1,第2リフタ24a,24bのホルダ部37に対する回動が阻止される。
【0025】
それゆえ、吸気側駆動機構MINが回転軸線方向A1にカム駒22を移動させることにより、第1,第2カム部30a,30bの低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bがスリッパ部42a,42bに選択的に摺接し、その摺接するカム31a,31b,32a,32bにより押圧される第1,第2リフタ24a,24bを介して、第1,第2吸気弁14a,14bが、それぞれのカムプロフィールで作動されて前記吸気口を開閉する。
【0026】
図3および図4を併せて参照すると、シリンダ1毎に設けられる吸気側駆動機構MINは、回転軸線方向A1でのカム駒22の両側方にそれぞれ位置して、隣り合う上カムホルダ9Uの互いに対向するボス部に設けられた円柱状の凹部を有する第1シリンダ部45aおよび第2シリンダ部45bと、第1,第2シリンダ部45a,45bにそれぞれ摺動自在に嵌合される第1ピストン部46aおよび第2ピストン部46bを有する複動型の駆動ピストン46と、第1,第2ピストン部46a,46bを連結する連結部46cにおいて、該連結部46cと共に第1,第2ピストン部46a,46bと一体成形されて連結部46cからカム駒22の案内溝34に向かって延びる操作部材であるアーム47と、第1シリンダ部45aと第1ピストン部46aとの間に形成される第1油圧室48aと、第2シリンダ部45bと第2ピストン部46bとの間に形成される第2油圧室48bとを備える。
【0027】
そして、駆動ピストン46は、第1,第2油圧室48a,48bに供給される作動油の油圧に応じた駆動力を受けて回転軸線方向A1に往復動する。この駆動力は、低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bのベース円部31a2,31b2,32a2,32b2が両スリッパ部42a,42bにそれぞれ摺接しているとき、すなわち第1,第2吸気弁14a,14bの閉弁時に、弁ばね18のばね力に基づいて低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bと両スリッパ部42a,42bとの間に発生する摩擦力よりも僅かに大きく、かつ低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bのノーズ部31a1,31b1,32a1,32b1が両スリッパ部42a,42bにそれぞれ摺接しているとき、すなわち第1,第2吸気弁14a,14bの開弁時に、弁ばね18のばね力に基づいて低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bと両スリッパ部42a,42bとの間に発生する摩擦力以下に設定されて、吸気側駆動機構MINによる低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bの間での切換えが、実質的に第1,第2吸気弁14a,14bの閉弁時に行われるようにされる。
【0028】
また、第1カム部30aと第2カム部30bとの回転軸線方向A1での間に配置されるアーム47は、円筒部33を円弧状に囲む二股となったフォーク状の第1当接部47aおよび第2当接部47bを有し、第1,第2当接部47a,47bは、案内溝34に入り込んだ状態で、カム駒22の第1,第2係合部35,36に回転軸線方向A1で当接する。第1係合部35と第2係合部36との間の回転軸線方向A1での間隔d1は、第1,第2当接部47a,47bの回転軸線方向A1での幅W1よりも大きく、第1,第2当接部47a,47bが第1,第2係合部35,36のいずれか一方と当接した状態で、第1,第2当接部47a,47bと第1,第2係合部35,36のいずれか他方のとの間に、回転軸線方向A1での所定幅の間隙G1を形成する。さらに、第1,第2当接部47a,47bのうち、少なくとも、後述するトリガ片52と接触する第1当接部47aは、第1,第2係合部35,36から径方向に突出するように、その径方向での幅が設定される。
【0029】
次に、吸気側駆動機構MINの油圧系統について説明すると、内燃機関Eに設けられて前記クランク軸の動力により駆動されるオイルポンプの吐出路に、シリンダブロック2、シリンダヘッド3およびカムホルダ9に設けられて第1油圧室48aに開口部49aを有する作動油路(図示されず)が連通され、該作動油路に設けられた第1制御弁(図示されず)により、第1油圧室48aの作動油圧が高油圧または低油圧に制御される。同様に、第2油圧室48bに開口部49bを有する第2作動油路(図示されず)に設けられた第2制御弁(図示されず)により、第2油圧室48bの作動油圧が高油圧または低油圧に制御される。
【0030】
そして、前記第1,第2制御弁は、図示されない機関運転状態センサである回転速度センサにより検出された信号が入力される制御装置(図示されず)によりその作動が制御される。すなわち、内燃機関Eの所定回転速度以下の低速回転域において、前記第1制御弁は、第1油圧室48aの作動油が低油圧となるように作動油の油圧を制御し、前記第2制御弁は、第2油圧室48bの作動油が高油圧となるように作動油の油圧を制御して、駆動ピストン46は、図3に示される低速位置を占める。また、内燃機関Eの回転速度が前記所定回転速度を越える高速回転域になると、前記第1制御弁は、第1油圧室48aが高油圧となるように作動油の油圧を制御し、前記第2制御弁は、第2油圧室48bが低油圧となるように作動油の油圧を制御して、駆動ピストン46は、図4に示される高速位置を占める。
【0031】
また、隣り合うシリンダ1の間に位置するカムホルダ9には、該カムホルダ9の回転軸線方向A1での中央点を通り、かつ回転軸線L1に直交する平面に関して、図3および図4の右側にあるシリンダ1に属する第2油圧室48bと、上カムホルダ9Uを挟んでその左側にあるシリンダ1に属する第2油圧室48bとが、面対称となるように配置され、両第2油圧室48bで作動油路が共用されている。このことは、隣り合うシリンダ1間に位置する他のカムホルダ9およびシリンダ1に属する動弁装置Vの構成要素についても同様である。
【0032】
なお、排気側動弁装置VEXの排気側駆動機構MEXの作動油系統も、前述の吸気側駆動機構MINと同様にして、制御された作動油が供給されるようになっている。
【0033】
次に、図5ないし図7を参照して、駆動ピストン46がアーム47を介してカム駒22を移動させて、スリッパ部42a,42bに摺接する低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bの切換え動作の開始時期を設定するトリガ機構Tについて説明する。図5および図6に示されるように、トリガ機構Tは、ホルダ部37を、シリンダ1の中心軸線寄りでシリンダヘッド3に固定する2つのボルトBによりホルダ部37に固定されるトリガブラケット50と、トリガブラケット50に対してに揺動自在に支持されるトリガベース51と、トリガベース51に対して揺動自在に支持されるトリガ片52と、トリガブラケット50とトリガ片52との間に設けられた圧縮コイルばねからなるトリガばね53とを備え、トリガブラケット50、トリガベース51およびトリガ片52は、いずれも回転軸線方向A1に沿って平たい板材から形成される。
【0034】
トリガブラケット50には、第1,第2リフタ24a,24bの中心軸線L2を含む平面から等距離に1対の係合孔50aが形成され、両係合孔50aの間の回転軸線方向A1での中央に、上方に突出して、トリガばね53の一端を支持するばね受け部50bが設けられる。
【0035】
全体としてY字状のトリガベース51は、中心軸線方向A2と直交する平面上で、回転軸線方向A1と直交する方向に長辺を有する長方形状の支持部51aと、支持部51aから分岐して中心軸線方向A2に屈曲した1対の基端部51bとを有する。両基端部51bが、トリガブラケット50の下方から両係合孔50aに挿入されて、トリガブラケット50の上面で当接するようにしてトリガブラケット50と係合することで、トリガベース51は、トリガブラケット50に対して両基端部51bを支点として中心軸線方向A2に揺動自在に支持され、その状態で、図7によく示されるように、支持部51aは、回転軸線方向A1で第1リフタ24aと第2リフタ24bとの間に配置される。そして、支持部51aの回転軸線方向A1での幅は、第1,第2カム部30a,30bの回転経路の外側において、支持部51aの、回転軸線方向A1での両側縁部の一部分が、第1,第2リフタ24a,24bの回転軸線方向A1で互いに近接して対向する第1側壁上面24a2および第2側壁上面24b2に当接する第1当接部51cおよび第2当接部51dを構成するように設定される。また、支持部51aの基端部51b側には、後述するトリガ片52のばね受け部52aが挿通される挿通溝51e(図5参照)が形成され、該挿通溝51eの回転軸線方向A1での両側で、トリガ片52の当接部52bがトリガベース51の上面に当接し、さらに支持部51aの先端部には、トリガ片52の先端部が嵌る係合溝51fが形成される。
【0036】
図5および図7に示されるように、第1カム部30aと第2カム部30bとの回転軸線方向A1での間に配置されるトリガ片52は、トリガベース51の下方に向けて屈曲して形成されて、ばね受け部50bに対して中心軸線方向A2で対向すると共にその下方に位置してトリガばね53の他端を支持するばね受け部52aと、当接部52bと、トリガベース51の上方に位置して、アーム47の第1当接部47aが当接する回転軸線方向A1での第1側面52c1および第2側面52c2を有し、中心軸線方向A2と直交する平面上で、回転軸線方向A1と直交する方向に延びる規制部52cと、係合溝51fに嵌った状態での先端部から支持部51aの下方に回り込むように屈曲して形成されたストッパ部52dとを有する。規制部52cの回転軸線方向A1での幅は、後述する間隙G1,G3が生じるように、駆動ピストン46の最大移動量、第1,第2係合部35,36間の間隔d1および第1当接部47aの幅W1に基づいて設定される。
【0037】
トリガ機構Tがホルダ部37に組み付けられた状態で、トリガ機構Tは、図1によく図示されるように、カム軸7の下方であって、中心軸線方向A2で該カム軸7と第1,第2リフタ24a,24bとの間に形成されるスペースに配置される。そして、低速カム31a,31bまたは高速カム32a,32bのベース円部31a2,31b2,32a2,32b2が両スリッパ部42a,42bに摺接する第1,第2吸気弁14a,14bの閉弁時に、トリガベース51は、両ばね受け部50b,52aの間に中心軸線方向A2に配置されたトリガばね53のばね力により、両基端部51bを支点にして、その第1,第2当接部51c,51dが第1,第2側壁上面24a2,24b2に当接するように付勢され、トリガ片52は、支持部51aに当接する当接部52bを支点にして、ストッパ部52dがトリガベース51の下面に当接するように付勢される。この状態で、第1,第2リフタ24a,24b側からカム軸7に向かって突出した位置を占めるトリガ片52の規制部52cの第1,第2側面52c1,52c2は第1当接部47aの移動経路内に位置する。
【0038】
そして、トリガベース51およびトリガ片52は、第1,第2リフタ24a,24bが低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bのノーズ部31a1,31b1,32a1,32b1により押圧される第1,第2吸気弁14a,14bのリフト時(開弁時)に、トリガベース51の第1,第2当接部51c,51dが第1,第2側壁上面24a2,24b2に当接した状態で基端部51bを支点として揺動し、第1,第2リフタ24a,24bが最大リフト量移動する前の所定リフト量だけ移動したときに、ストッパ部52dがホルダ部37の上面37cに当接して、それよりも下方へのトリガベース51およびトリガ片52の移動を阻止するため、前記所定リフト量を超えるリフト量では、第1,第2当接部51c,51dは第1,第2側壁上面24a2,24b2と非接触状態になる。そして、前記所定リフト量は、該所定リフト量において、トリガ片52の規制部52cがアーム47の第1当接部47aよりも下方の位置を占めることを条件として、適宜設定される。したがって、トリガベース51は、第1,第2リフタ24a,24bの移動に連動してトリガ片52の移動を制御する制御部材として機能する。
【0039】
次に、図3、図4、図8ないし図15を参照して、前述のように構成された第1実施例の動作について説明する。なお、以下では、吸気側駆動機構MINの動作を中心に説明するが、排気側駆動機構MEXの動作も、基本的に吸気側駆動機構MINの動作と同様である。
【0040】
内燃機関E運転されてオイルポンプが駆動されると、内燃機関Eの回転速度が前記所定回転速度以下の低速回転域にあるとき、吸気側動弁装置VINでは、前記制御装置からの指令により、前記第1制御弁は、第1油圧室48a内の作動油が低油圧となるように作動し、同時に第2制御弁は、第2油圧室48bの作動油が高油圧となるように作動する。そのため、吸気側駆動機構MINの駆動ピストン46は、内燃機関Eの運転開始前の状態でもある図3に示される低速位置を占めて、カム駒22の第1,第2カム部30a,30bの低速カム31a,31bが、第1,第2リフタ24a,24bのスリッパ部42a,42bにそれぞれ摺接し、第1,第2吸気弁14a,14bが低速カム31a,31bのカムプロフィールにより定められる開閉時期およびリフト量で開閉される。そして、排気側駆動機構MEXも吸気側駆動機構MINと同様に、低速位置を占めるので、各シリンダ1における吸気弁14、排気弁15は、低速回転域の弁作動特性に適合した小リフト量、開閉時期および短い開弁期間で開閉される。
【0041】
このとき、図11に示されるように、第1リフタ24a寄りに位置するアーム47の第1当接部47aおよび第1,第2係合部35,36、さらには高速カム32a,32bは、低速カム31a,31bのベース円部31a2,31b2よりも径方向に突出しているにも拘わらず、切欠部40a1,40a2,40b1があることにより、第1,第2リフタ24a,24bと接触することがない。そして、第1,第2当接部47a,47bが第1係合部35に当接する一方、第1,第2当接部47a,47bと第2係合部36との間に回転軸線方向A1で所定幅の間隙G1(図3参照)が形成され、さらに規制部52cの第1側面52c1と第1当接部47aとの間にも、前記間隙G1よりも小さい所定幅の回転軸線方向A1での間隙G2が形成される。そして、トリガベース51の第1,第2当接部51c,51dが第1,第2側壁上面24a2,24b2に当接している。また、このとき、第2係合部36は、トリガ片52に対して中心軸線方向A2で対向する位置を占めると同時に、トリガ片52は、カム駒22と非接触状態にある。
【0042】
そして、内燃機関Eの回転速度が前記所定回転速度を越えて、高速回転域に移行すると、前記制御装置からの指令により、前記第1制御弁は、第1油圧室48aの作動油が高油圧となるように作動し、同時に前記第2制御弁は、第2油圧室48bの作動油が低油圧となるように作動する。そのため、吸気側駆動機構MINの駆動ピストン46は、低速位置から、図4に示される高速位置に移動する前記駆動力を受けて、該駆動力がアーム47に作用する。
【0043】
このとき第1,第2吸気弁14a,14bが閉弁していると、すなわちアーム47への前記駆動力の作用開始後において、第1,第2吸気弁14a,14bの最初の閉弁時には、図12に示されるように、駆動ピストン46の前記駆動力が作用するアーム47の第1,第2当接部47a,47bは低速位置から第2カム部30b寄りに移動するが、図8にも示されるように、第1当接部47aが、第1当接部47aの移動経路内に留まっている規制部52cの第1側面52c1に当接して、アーム47は、それ以上の回転軸線方向A1での移動が阻止される待機位置を占める。このとき、第1当接部47aと第2係合部36との間には、回転軸線方向A1に、間隙G1よりも間隙G2分小さい間隙G3が形成される。
【0044】
その後、カム軸7が回転して、低速カム31a,31bのノーズ部31a1,31b1により第1,第2リフタ24a,24bが押圧されて第1,第2吸気弁14a,14bが開弁すると、第1,第2側壁上面24a2,24b2に第1,第2当接部51c,51dで当接しているトリガベース51は、トリガばね53のばね力により第1,第2リフタ24a,24bと接触した状態で下方に移動し、トリガ片52も同様に下方に移動する。第1,第2リフタ24a,24bがさらに移動して、第1,第2吸気弁14a,14bが所定リフト量で開弁されると、ストッパ部52dがホルダ部37の上面37cに当接し、それを越えるリフト量では、トリガベース51およびトリガ片52の下方への移動が阻止され、第1,第2当接部51c,51dは第1,第2側壁上面24a2,24b2と非接触状態になる。このとき、規制部52cは第1当接部47aよりも下方に位置し、第1当接部47aと第1側面52c1との当接が解除されて、アーム47は前記駆動力により隙間G3分だけ第2カム部30b寄りに移動して第2係合部36と当接し、第1当接部47aの一部が規制部52cの真上に位置する移動可能位置を占める。この状態で、アーム47は、カム駒22に前記駆動力を作用させるが、第1,第2吸気弁14a,14bが開弁していて弁ばね18のばね力が大きくなっている一方で、前記駆動力は前述の大きさに設定されているため、各低速カム31a,31bとスリッパ部42a,42bとの間の摩擦力が駆動力よりも大きく、第1,第2当接部47a,47bは、第2係合部36に当接したままとなって、カム駒22が回転軸線方向A1に移動することはない。図9および図13には、第1,第2吸気弁14a,14bが最大リフト量で開弁したときの、第1当接部47a、第1,第2側壁上面24a2,24b2、トリガベース51の第1,第2当接部51c,51dおよびトリガ片52の規制部52cの位置関係が示されている。
【0045】
第1,第2吸気弁14a,14bが最大リフト量に達した後、両低速カム31a,31bがさらに回転してリフト量が減少して前記所定リフト量になり、第1、第2側壁上面24a2,24b2がトリガベース51の第1,第2当接部51c,51dに当接し、さらに両低速カム31a,31bが回転してリフト量が減少して第1,第2リフタ24a,24bが上方に移動すると、トリガベース51およびトリガ片52が共に上方に移動して、規制部52cの上面がその真上に位置する第1当接部47aの外周面と中心軸線方向A2で当接する。このとき、第1,第2吸気弁14a,14bは開弁状態にあって、各低速カム31a,31bとスリッパ部42a,42bとの間の摩擦力が前記駆動力よりも大きいため、駆動ピストン46がカム駒22を回転軸線方向A1に移動させることはない。
【0046】
各低速カム31a,31bがさらに回転すると、規制部52cは第1当接部47aと中心軸線方向A2で当接した状態を維持して、トリガベース51のみが第1,第2リフタ24a,24bと共に上方に移動して、各低速カム31a,31bのベース円部31a2,31b2が両スリッパ部42a,42bに摺接する直前の状態が図10および図14に示されている。
【0047】
そして、各低速カム31a,31bがさらに回転して、各低速カム31a,31bのベース円部31a2,31b2が両スリッパ部42a,42bに摺接して、第1,第2吸気弁14a,14bが閉弁した直後、駆動ピストン46の前記駆動力が、両低速カム31a,31bと両スリッパ部42a,42bとの間に発生する摩擦力に打ち勝って、第1,第2当接部47a,47bが第2係合36を押圧して、カム駒22を回転軸線方向A1に移動させ、図4および図15に示されるように、両高速カム32a,32bのベース円部32a2,32b2が両スリッパ部42a,42bにそれぞれ摺接する高速位置を占めて、低速カム31a,31bから高速カム32a,32bへの切換えが完了する。このとき、図15に示されるように、第1当接部47aは、第2リフタ24b寄りの位置を占め、第1当接部47aとトリガ片52の第2側面52c2との間に、図11での間隙G2に等しい大きさの回転軸線方向A1での間隙G2が形成される。そして、第1係合部35は、トリガ片52に対して中心軸線方向A2で対向する位置を占めると同時に、トリガ片52は、カム駒22と非接触状態にある。
【0048】
これにより、第1,第2吸気弁14a,14bが高速カム32a,32bのカムプロフィールにより定められる開閉時期およびリフト量で開閉される。そして、排気側駆動機構MEXも吸気側駆動機構MINと同様に、高速位置を占めるので、各シリンダ1における第1,第2吸気弁14a,14b、排気弁15は、高速回転域の弁作動特性に適合した大リフト量、開閉時期および長い開弁期間で開閉される。
【0049】
そして、内燃機関Eの回転速度が低下して前記所定回転速度以下になって、高速回転域から低速回転域に移行すると、前記第1,第2制御弁により、第1油圧室48aの作動油が低油圧となり、第2油圧室48bの作動油が高油圧となるので、吸気側駆動機構MINの駆動ピストン46が、前述の移動方向とは反対方向にカム駒22を移動させて、トリガ機構Tのトリガ片52と第1当接部47aとの間で前述の動作と同様の動作が、今度は回転軸線方向A1の反対方向からなされ、高速カム32a,32bのベース円部32a2,32b2で低速カム31a,31bへの切換えが行われる。そして、排気側動弁装置VEXにおいても、前述の吸気側動弁装置VINと同様の移行がなされる。
【0050】
なお、第1,第2吸気弁14a,14bが開弁しているときに、内燃機関Eの運転域が低速回転域と高速回転域との間で移行して、前記制御装置が前記第1,第2制御弁に指令を出して第1,第2油圧室48a,48bの油圧が変化したとしても、駆動ピストン46の駆動力の大きさが前述のように設定されているため、駆動ピストン46がカム駒22を移動させることはなく、カム軸7がさらに回転して、第1,第2吸気弁14a,14bが閉弁したときから、すなわちアーム47への前記駆動力の作用開始後において、第1,第2吸気弁14a,14bの最初の閉弁時から、前述と同様の経過を経て、低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bの切換動作が行われる。
【0051】
次に、前述のように構成されている第1実施例の作用および効果について説明する。なお、以下では、吸気側動弁装置VINに関して記すが、排気側動弁装置VEXについても同様である。
【0052】
内燃機関Eの運転域に応じてカム駒22を回転軸線方向A1に移動させて第1,第2吸気弁14a,14bの作動特性を切り換える吸気側駆動機構MINが切換動作を開始する時期が、トリガ機構Tにより、第1,第2吸気弁14a,14bの閉弁直後に設定されるので、低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bのベース円部31a2,31b2,32a2,32b2における切換時間が十分に確保されて、第1,第2リフタ24a,24bに摺接する低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bの切換えを確実に行うことができ、低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bと第1,第2リフタ24a,24bとの衝突および第1,第2リフタ24a,24bの偏摩耗が防止されて、第1,第2リフタ24a,24bの円滑な摺動運動が確保されると共に、異音の発生や第1,第2リフタ24a,24bおよび低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bの耐久性の低下が防止される。
【0053】
第1,第2吸気弁14a,14bは、前記リフタホルダに上下動自在に保持されて低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bがそれぞれ摺接する第1,第2リフタ24a,24bを介して作動されるので、吸気側動弁装置VINの上方への寸法、すなわちシリンダ1の中心軸線方向での寸法が小さくなっているうえに、カム駒22を回転軸線方向A1に移動させて第1,第2吸気弁14a,14bの弁作動特性を切り換える吸気側駆動機構MINの切換動作開始時期を設定するトリガ機構Tは、カム軸7よりも下方に、すなわちカム軸7よりもシリンダブロック2寄りに配置されるので、カム軸7の下方のスペースを利用することで、トリガ機構Tを備えた吸気側動弁装置VINが小型化され、ひいては動弁室21そして内燃機関Eが小型化される。さらに、軸状の部材としてロッカーアーム支持軸およびトリガーレバ支持軸およびカム切換機構がカム軸の周囲に配置される前記従来技術とは異なり、カム軸7の周囲には、軸状の部材として吸気側駆動機構MINが配置されるだけでるので、この点でもトリガ機構Tを備えた吸気側動弁装置VINが小型化される。
【0054】
吸気側駆動機構MINが切換動作状態にないときの内燃機関の運転時には、図11および図15に図示されるように、アーム47の第1当接部47aがトリガ機構Tのトリガ片52に接触しないため、両者の摩耗が抑制されて、その耐久性が向上する。また、トリガ機構Tは回転するカム駒22と接触しないため、トリガ機構Tの摩耗が抑制される。
【0055】
トリガ機構Tによるトリガ片52の第1当接部47aの当接および当接解除は、第1,第2リフタ24a,24bの上方および下方への移動を利用して行われるので、トリガ機構Tは、第1,第2リフタ24a,24bに連動して作動されることになって、トリガ機構Tを動作させるための部材を新たに設ける必要がないことから、トリガ機構Tを作動させるための作動機構が単純化され、しかもトリガ機構Tを備えた吸気側駆動機構MINを小型化することができる。また、トリガ機構Tのトリガベース51が、第1,第2側壁上面24a2,24b2に当接するように、トリガ機構Tは、中心軸線方向A2から見て第1,第2リフタ24a,24bと重なるように配置されるので、トリガ機構Tを備えた吸気側駆動機構MINを、カム軸7の回転軸線方向A1でも小型化することができる。
【0056】
トリガ機構Tのトリガベース51およびトリガ片52は、第1リフタ24aと第2リフタ24bとの回転軸線方向A1での間であって、しかもカム駒22の第1カム部30aと第2カム部30bとの回転軸線方向A1での間に配置されるので、トリガ機構Tを備えた吸気側動弁装置VINを回転軸線方向A1で小型化することができる。
【0057】
さらに、低速カム31a,31bのベース円部31a2,31b2よりも径方向に突出しているアーム47の第1当接部47aおよび第1,第2係合部35,36、さらには高速カム32a,32bは、切欠部40a1,40a2,40b1を利用して配置されるので、カム駒22の回転軸線方向A1での幅を小さくすることができる。
【0058】
トリガ機構Tは、中心軸線方向A2で該カム軸7と第1,第2リフタ24a,24bとの間に形成されたスペースに配置されることで、吸気側動弁装置VINを中心軸線方向A2で小型化することができる。さらに、トリガベース51は、切欠部40a2,40b1を設けることにより形成された第1,第2側壁上面24a2,24b2に当接することから、トリガ機構Tも切欠部40a2,40b1を利用して配置されるため、吸気側動弁装置VINを回転軸線方向A1および中心軸線方向A2で、さらに小型化することができる。
【0059】
回転軸線方向A1に沿って平たい板材からなるトリガ片52は、第1,第2リフタ24a,24b側からカム軸7に向かって突出して配置されて、回転軸線方向A1に往復動をするアーム47の第1当接部47aの移動経路内に留まって、その規制部52cの回転軸線方向A1の縁部である第1,第2側面52c1,52c2において、第1当接部47aに当接するため、トリガ片52の回転軸線方向A1方向での剛性が高く、所定の位置で確実に吸気側駆動機構MINのアーム47の移動を規制できる。
【0060】
また、トリガ片52は第1当接部47aの移動経路内に留まることができさえすればよいため、その形状や配置等の自由度が大きく、種々の構造の吸気側動弁装置VINに柔軟に対応して、吸気側動弁装置VINの小型化に寄与できる。さらに、吸気側駆動機構MINのアーム47の一部である第1当接部47aがトリガ片52と当接するので、トリガ片52と当接する部材を別途設ける必要がなく、吸気側動弁装置VINの構造を簡素化できる。
【0061】
トリガ機構Tは、ホルダ部37をシリンダヘッド3に固定するボルトBを利用してホルダ部37に固定されるので、部品点数および組付け工数を削減できる。しかも、トリガ機構Tは、第1,第2リフタ24a,24bを保持するために高剛性とされた前記リフタホルダに固定されるので、強固に固定することができる。
【0062】
カム駒22を回転軸線方向A1に移動させるアーム47のフォーク状の第1,第2当接部47a,47bが収容される案内溝34は、トリガ機構Tのトリガ片52に対して中心軸線方向A2で対向する位置を占める第1,第2係合部35,36により形成されるので、案内溝34の回転軸線方向A1の幅を極力小さくできて、トリガ機構Tを回転軸線方向A1で小型化できる。
【0063】
次に、図16ないし図22を参照して、本発明の第2実施例を説明する。この第2実施例は、主に、トリガ機構Tの構造が第1実施例とは相違し、その他は基本的に同一の構成を有するものである。そのため、同一の部分についての説明は省略または簡略にし、異なる点を中心に説明する。なお、第1実施例の部材と同一の部材または対応する部材については、同一の符号を使用した。
【0064】
図16ないし図18を参照すると、リフタホルダの各ホルダ部60は、ホルダ部60において、中心軸線方向A2と直交する平面上で、回転軸線方向A1と直交する方向に間隔をおいて形成された2つの貫通孔60aに挿通されるボルトBによりシリンダヘッド3に固定される。そして、トリガ機構Tは、第1,第2案内孔39a,39bの間で、ホルダ部60のシリンダ1の中心軸線寄りの位置に形成されて、中心軸線方向A2の中心軸線を有する円孔からなる収容孔60bに摺動自在に嵌合されるトリガボディ61と、トリガボディ61に摺動自在に嵌合される円柱状のトリガ片62と、引張コイルばねからなる第1トリガばね63と、圧縮コイルばねからなる第2トリガばね64と、ホルダ部60に固定されるプレート65とを備える。
【0065】
トリガボディ61は、収容孔60bに嵌合する円筒状の筒部61aと、該筒部61aの上端に一体成形された平板状のフランジ部61bとを有する。該フランジ部61bは、中心軸線方向A2から見て、回転軸線方向A1と直交する直交方向で対向する第1円弧部61b1および第2円弧部61b2とを有し、第1,第2円弧部61b1,61b2にそれぞれ前記直交方向での両端で接続する第1,第2直線部61b3,61b4とからなる形状である。そして、フランジ部61bが、ホルダ部60に形成されて該フランジ部61bと中心軸線方向A2から見て同一形状の凹部60cに摺動自在に嵌合することで、トリガボディ61の回り止めがなされる。
【0066】
フランジ部61bの回転軸線方向A1の幅は、第1実施例の支持部51aと同様に、第1,第2カム部30a,30bの回転経路の外側において、フランジ部61bの、第1,第2直線部61b3,61b4をそれぞれ有する回転軸線方向A1での両側縁部の一部分が、第1,第2リフタ24a,24bにおいて回転軸線方向A1で互いに近接して対向する第1,第2側壁上面24a2,24b2に当接する第1当接部61cおよび第2当接部61dを構成するように設定される。したがって、第1,第2当接部61c,61dの範囲で、凹部60cは、案内孔39a,39bと交差しており、その部分が切り欠かれた状態になっている。そして、筒部61aに圧入された係止ピン66とホルダ部60に圧入された係止ピン67との間に張設された第1リフタばね63のばね力により、フランジ部61bの第1,第2当接部61c,61dが第1,第2リフタ24a,24bの第1,第2側壁上面24a2,24b2に当接するように付勢される。
【0067】
第1カム部30aと第2カム部30bとの回転軸線方向A1での間に配置されるトリガ片62は、頂壁62a1を有すると共に、筒部61aの内孔61eに摺動自在に嵌合する円筒状のピストン部62aと、ピストン部62aの上面から上方に突出する板状の規制部62bとを有する。トリガ片62は、筒部61aの係止ピン66が圧入される部分に形成された内側に突出する鍔部で構成されるばね受け部61fに一端が当接して支持され、他端が頂壁62a1の下面に当接する第2トリガばね64のばね力により上方に向かって付勢される。そして、トリガ片62の最大上方位置は、筒部61aの上部に装着された止め輪68に、頂壁62a1の上面が当接することにより規定される。また、規制部62bの回転軸線方向A1の幅は、第1実施例の規制部52cの幅と同様にして設定される。
【0068】
そして、トリガ機構Tが、ホルダ部60に組み付けられた後、トリガ片62には規制部62bが挿入される案内孔65aが形成されたプレート65が被せられる。該プレート65は、シリンダ1の中心軸線寄りの貫通孔60aに挿通されるボルトBによりホルダ部60に固定される。また、案内孔65aは、規制部62bの横断面積よりも僅かに大きな面積を有しており、トリガ片62の回り止めの機能を有する。
【0069】
第1,第2案内孔39a,39bの周壁面には、中心軸線方向A2に延びて半円形の横断面を有すると共に中心軸線方向A2の上端が開放し、下端に端壁面を有する挿入溝39a2,39b2が形成され、一方、スリッパ部42a,42bに連なる第1,第2リフタ24a,24bの側壁の外面には、該挿入溝39a2,39b2と径方向に対向する位置に、該挿入溝39a2,39b2と同様に半円形の横断面を有すると共に中心軸線方向A2の上端が開放し、下端に端壁面を有する係止溝24a3,24b3が形成される。そして、挿入溝39a2,39b2には、挿入溝39a2,39b2の長さよりもやや短い長さを有する回止め用のピン69が挿入され、該ピン69が、挿入溝39a2,39b2と、第1,第2リフタ24a,24bの中心軸線方向A2での移動を可能とする長さを有する係止溝24a3,24b3とに跨って配置されることで、該ピン69により第1,第2リフタ24a,24bのホルダ部60に対する回動が阻止される。そして、プレート65には、ピン69が抜けるのを防止するために、ピン69の端面の一部を被う位置に抑え部65bが形成される。また、このプレート65は、トリガボディ61のフランジ部61bが当接することにより、トリガボディ61が、内燃機関Eの振動等によりカム軸7側に突出するのを防止する。
【0070】
一方、吸気側駆動機構MINのアーム47には、図19に示されるように、アーム47の一部として、駆動ピストン46寄りの位置に下方に向けて突出する第3当接部47cが形成され、この第3当接部47cが、規制部62bの第1側面62b1に当接して、第1実施例と同様の待機位置を占める。ここで、第1,第2当接部47a,47bの径方向の幅は、図22を参照すると(図22には第1当接部47aのみが示されている)、第1,第2係合部35,36の径方向での幅とほぼ等しくされて、第3当接部47cの下方への突出量が、第1,第2当接部47a,47bの下方への突出量よりも大きく設定され、第3当接部47cの回転軸線方向A1の幅は、少なくとも、規制部62bの第1,第2側面62b1,62b2と当接する部分で、第1実施例の第1当接部47aの対応する部分と等しく設定される。
【0071】
そのため、トリガ機構Tが、ホルダ部60に組み付けられて、プレート65が被せられた状態で、第1,第2吸気弁14a,14bの閉弁時に、第1トリガばね63のばね力により、トリガボディ61は、フランジ部61bの第1,第2当接部61c,61dが、第1,第2側壁上面24a2,24b2に当接するように付勢され、トリガ片62は、第2トリガばね64のばね力により、頂壁62a1が止め輪68に当接するように付勢される。この状態で、規制部62bの第1,第2側面62b1,62b2は第3当接部47cの移動経路内に位置する。
【0072】
そして、トリガボディ61およびトリガ片62は、第1,第2吸気弁14a,14bの開弁時に、フランジ部61bの第1,第2当接部61c,61dが第1,第2側壁上面24a2,24b2に当接した状態で内孔61e内を下方に移動し、第1,第2リフタ24a,24bが最大リフト量移動する前の前記所定リフト量だけ移動したときに、フランジ部61bがホルダ部60の凹部60cの底面に当接して、それよりも下方へのトリガ片62の移動が阻止されるため、前記所定リフト量を超えるリフト量では、第1,第2当接部61c,61dは第1,第2側壁上面24a2,24b2と非接触状態になる。それゆえ、フランジ部61bは、第1実施例のストッパ部52dの機能も有しており、さらにトリガボディ61は、第1,第2リフタ24a,24bの移動に連動してトリガ片62の移動を制御する制御部材として機能する。そして、前記所定リフト量は、該所定リフト量において、トリガ片62の規制部62bがアーム47の第3当接部47cよりも下方の位置を占めることを条件として、適宜設定される。
【0073】
前述の第2実施例の動作について、図19ないし図22を参照して説明するが、低速位置、待機位置および高速位置における吸気側駆動機構MINの動作状態およびカム駒22の位置は、第1実施例と同様であるので、トリガ機構Tと第3当接部47cとの関係を中心に説明する。
【0074】
図22(A)に示されるように、内燃機関Eの運転域が低速回転域であるとき、第1当接部47aが第係合部35に当接する一方、第1当接部47aと第2係合部36との間に回転軸線方向A1で所定幅の間隙G1が形成され、さらに規制部62bの第1側面62b1と第3当接部47cとの間にも、間隙G1よりも小さい所定幅の回転軸線方向A1での間隙G2が形成される。そして、フランジ部61bの第1,第2当接部61c,61dが第1,第2側壁上面24a2,24b2に当接している。
【0075】
そして、内燃機関Eの運転域が高速回転域に移行すると、駆動ピストン46の前記駆動力がアーム47に作用する。このとき第1,第2吸気弁14a,14bが閉弁していると、すなわちアーム47への前記駆動力の作用開始後において、第1,第2吸気弁14a,14bの最初の閉弁時には、図22(B)に示されるように、アーム47が第2カム部30b寄りに移動して、第3当接部47cは、第3当接部47cの移動経路内に留まっている規制部62bの第1側面62b1に当接し、アーム47はそれ以上の回転軸線方向A1の移動が阻止される待機位置を占める。このとき、第1当接部47aと第2係合部36との間には、回転軸線方向A1に、間隙G1よりも間隙G2分小さい間隙G3が形成される。
【0076】
その後、カム軸7が回転して、低速カム31a,31bのノーズ部31a1,31b1により第1,第2リフタ24a,24bが押圧されて第1,第2吸気弁14a,14bが開弁すると、第1,第2側壁上面24a2,24b2に第1,第2当接部61c,61dで当接しているトリガボディ61は、第1トリガばね63のばね力により第1,第2リフタ24a,24bと接触した状態で、トリガ片62と共に下方に移動する。第1,第2リフタ24a,24bがさらに下方に移動して、第1,第2吸気弁14a,14bが前記所定リフト量だけリフトされると、フランジ部61bが凹部60cの底面に当接し、それを越えるリフト量では、トリガボディ61およびトリガ片62の下方への移動が阻止される。このとき、規制部62bは第3当接部47cよりも下方に位置し、第3当接部47cと第1側面62b1との当接が解除されて、アーム47は前記駆動力により隙間G3分だけ第2カム部30b寄りに移動して第2係合部36と当接し、第3当接部47cの一部が規制部62bの真上に位置する移動可能位置を占める。この状態で、アーム47はカム駒22に前記駆動力を作用させるが、第1,第2吸気弁14a,14bが開弁しているため、各低速カム31a,31bとスリッパ部42a,42bとの間の摩擦力が前記駆動力によりも大きく、第1,第2当接部47a,47bは、第2係合部36に当接したままとなって、カム駒22が回転軸線方向A1に移動することはない。図20および図22(C)には、第1,第2吸気弁14a,14bが最大リフト量で開弁したときの、第3当接部47c、第1,第2側壁上面24a2,24b2、フランジ部61bの第1,第2当接部61c,61dおよびトリガ片62の規制部62bの位置関係が示されている。
【0077】
第1,第2吸気弁14a,14bが最大リフト量に達した後、両低速カム31a,31bがさらに回転してリフト量が減少して前記所定リフト量になると、第1、第2側壁上面24a2,24b2がフランジ部61bの第1,第2当接部61c,61dに当接し、さらに両低速カム31a,31bが回転してリフト量が減少して第1,第2リフタ24a,24bが上方に移動すると、トリガボディ61およびトリガ片62が共に上方に移動して、規制部62bの上面がその真上に位置する第3当接部47cの下面と中心軸線方向A2で当接する。このとき、第1,第2吸気弁14a,14bは開弁状態にあって、各低速カム31a,31bとスリッパ部42a,42bとの間の摩擦力が前記駆動力よりも大きいため、カム駒22は回転軸線方向A1に移動しない。
【0078】
各低速カム31a,31bがさらに回転すると、規制部62bは第3当接部47cと中心軸線方向A2で当接した状態を維持して、トリガボディ61のみが第1,第2リフタ24a,24bと共に上方に移動して、各低速カム31a,31bのベース円部31a2,31b2が両スリッパ部42a,42bに当接する直前の状態が図21および図22(D)に示されている。
【0079】
そして、各低速カム31a,31bがさらに回転して、第1,第2吸気弁14a,14bが閉弁した直後、駆動ピストン46の前記駆動力が、両低速カム31a,31bと両スリッパ部42a,42bとの間に発生する摩擦力に打ち勝って、第1,第2当接部47a,47bが第2係合部36を押圧して、カム駒22を回転軸線方向A1に移動させ、図22(E)に示されるように、両高速カム32a,32bのベース円部32a2,32b2が両スリッパ部42a,42bにそれぞれ摺接する高速位置を占めて、低速カム31a,31bから高速カム32a,32bへの切換が完了する。このとき、第3当接部47cは、第2リフタ24b寄りの位置を占め、第3当接部47cと規制部62bの第2側面62b2との間に、図22(A)での間隙G2に等しい大きさの回転軸線方向A1での間隙G2が形成される。
【0080】
また、内燃機関Eの回転速度が低下して前記所定回転速度以下になって、高速回転域から低速回転域に移行すると、第1実施例と同様にして、トリガ機構Tのトリガ片62と第3当接部47cとの間で前述の動作と同様の動作が、今度は回転軸線方向A1の反対方向からなされ、高速カム32a,32bのベース円部32a2,32b2で低速カム31a,31bへの切換えが行われる。
【0081】
なお、第1,第2吸気弁14a,14bが開弁しているときに、内燃機関Eの運転域が低速回転域と高速回転域との間で移行するときも、第1実施例と同様に、駆動ピストン46がカム駒22を移動させることはなく、カム軸7がさらに回転して、第1,第2吸気弁14a,14bが閉弁したときから、すなわちアーム47への前記駆動力の作用開始後において、第1,第2吸気弁14a,14bの最初の閉弁時から、前述と同様の経過を経て、低速カム31a,31bおよび高速カム32a,32bの切換動作が行われる。
この第2実施例によれば、第1実施例のトリガ機構Tが板材から形成されることによる作用効果を除いて、第1実施例と同様の作用効果が奏される。
【0082】
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
第1実施例において、図23に示されるように、トリガブラケット50にピン43の上面を覆って、その抜け止めを行う抜止め部50cを一体形成することもできる。この場合、第2実施例と同様に、第1,第2案内孔39a,39bの周壁面には、中心軸線方向A2に延びて半円形の横断面を有すると共に中心軸線方向A2の上端が開放し、下端に端壁面を有する挿入溝39a3,39b3が形成され、一方、スリッパ部42a,42bに連なる第1,第2リフタ24a,24bの側壁の外面には、該挿入溝39a3,39b3と径方向に対向する位置に、該挿入溝39a3,39b3と同様に半円形の横断面を有すると共に中心軸線方向A2の上端が開放し、下端に端壁面を有する係止溝24a4,24b4が形成される。そして、挿入溝39a3,39b3には、挿入溝39a3,39b3の長さよりもやや短い長さを有する回止め用のピン70が挿入され、該ピン70が、挿入溝39a3,39b3と、第1,第2リフタ24a,24bの中心軸線方向A2での移動を可能とする長さを有する係止溝24a4,24b4とに跨って配置されることで、該ピン70により第1,第2リフタ24a,24bのホルダ部37に対する回動が阻止される。さらに、ピン43自体をトリガブラケット50と一体形成することで、部品点数の削減ができる。
【0083】
前記各実施例では、リフタが中心軸線方向A2に摺動自在に嵌合される部材は、シリンダヘッド3に固定されるリフタホルダであったが、リフタホルダを省いて、シリンダヘッド3に該リフタが嵌合される案内孔を形成してもよく、この場合にはシリンダヘッド3がリフタ保持部材を構成する。
【0084】
吸気弁および排気弁は、1つのシリンダに対して1つずつ設けられる内燃機関でもよいし、または吸気弁および排気弁の少なくとも一方が、1つのシリンダに対して3以上設けられる内燃機関であってもよく、さらにリフタは切欠部が形成されない頂壁を有するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示し、本発明の直動式動弁装置が適用された内燃機関の部分縦断面図である。
【図2】吸気側動弁装置の一部分解図である。
【図3】内燃機関の運転域が低速回転域であるときの吸気側駆動機構とカム駒との位置関係を説明する図である。
【図4】内燃機関の運転域が高速回転域であるときの吸気側駆動機構とカム駒との位置関係を説明する図である。
【図5】図1の直動式動弁装置のトリガ機構の分解斜視図である。
【図6】図5のトリガ機構が図1の直動式動弁装置のリフタホルダに組み付けられる前の状態を示す要部斜視図である。
【図7】図5のトリガ機構が組み付けられたリフタホルダの要部平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線での断面図である。
【図9】吸気弁の最大リフト時での図8と同様の図である。
【図10】吸気弁の閉弁直前の図8と同様の図である。
【図11】トリガ機構の動作を説明するためのもので、内燃機関の運転域が低速回転域であるときの閉弁時の図7のXI−XI線での要部断面図である。
【図12】内燃機関の運転域が低速回転域から高速回転域へ移行した直後で、アームへの駆動力の作用開始後の最初の閉弁時での図11と同様の図である。
【図13】図12の状態から、吸気弁が最大リフト量で開弁されたときの図11と同様の図である。
【図14】吸気弁の閉弁直前の図11と同様の図である。
【図15】低速カムから高速カムへの切換えが完了したときの図11と同様の図である。
【図16】本発明の第2実施例を示し、直動式動弁装置のトリガ機構の分解斜視図である。
【図17】図16のトリガ機構が直動式動弁装置のリフタホルダに組み付けられときの状態を示す要部斜視図である。
【図18】図16のトリガ機構が組み付けられたリフタホルダの要部平面図である。
【図19】図18のXIX−XIX線での断面図である。
【図20】吸気弁の最大リフト時での図19と同様の図である。
【図21】吸気弁の閉弁直前の図19と同様の図である。
【図22】第2実施例のトリガ機構の動作を説明するためのもので、第1実施例での第11〜15図に対応する要部断面図である。
【図23】本発明の第3実施例を示し、トリガ機構が組み付けられたリフトホルダの要部斜視図である。
【符号の説明】
1…シリンダ、2…シリンダブロック、3…シリンダヘッド、4…ヘッドカバー、5…ピストン、6…コンロッド、7,8…カム軸、9,10…カムホルダ、11…燃焼室、12…吸気ポート、13…排気ポート、14…吸気弁、15…排気弁、16,17…弁ガイド、18,19…弁ばね、20…点火栓、21…動弁室、22,23…カム駒、24,25…リフタ、26,27…ばね受け、
30a,30b…カム部、31a,31b…、32a,32b…高速カム、33…円筒部、34…案内溝、35,36…係合部、37…ホルダ部、38…連結部、39a,39b…案内孔、40a1,40a2,40b1,40b2…切欠部、42a,42b…スリッパ部、43…ピン、
45a,45b…シリンダ部、46…駆動ピストン、47…アーム、47a,47b,47c…当接部、48a,48b…油圧室、49a,49b…開口部、
50…トリガブラケット、51…トリガベース、52…トリガ片、52c…規制部、
60…ホルダ部、61…トリガボディ、62…トリガ片、63,64…トリガばね、65…プレート、66,67…係止ピン、68…止め輪、69,70…ピン、
E…内燃機関、VIN,VEX…動弁装置、MIN,MEX…駆動機構、T…トリガ機構、L1…回転軸線、L2…中心軸線、A1…回転軸線方向、A2…中心軸線方向、d1…間隔、W1…幅、G1〜G3…間隙、B…ボルト。

Claims (5)

  1. シリンダヘッドに回転自在に支持されたカム軸にその回転軸線方向に移動自在にかつ該カム軸と共に回転するように装着されたカム駒であって、前記回転軸線方向に隣接して設けられた第1および第2のカム部を有し、各カム部がカムプロフィールの異なる複数のカムを含むカム駒と、
    前記カム部と内燃機関の吸気または排気を司る機関弁との間に配置されてリフタホルダ部に上下動自在に保持されたリフタと、
    前記カム駒を前記回転軸線方向に移動させる当接部を有する駆動機構と、前記機関弁の閉弁時におけるカム切換動作開始時期を設定すべく前記当接部の移動を制限するトリガ機構とを有し、前記カム部の、前記リフタに摺接する前記カムを選択的に切り換える切換え手段と
    を備え、
    前記機関弁が前記リフタに摺接する前記カムのカムプロフィールに応じて作動される内燃機関の直動式動弁装置において、
    前記第1および第2のカム部は、前記回転軸線方向に直列にかつ間隔をおいて設けられた第1カム部および第2カム部を含み、
    前記機関弁は、同一のシリンダに対して設けられた第1機関弁および第2機関弁を含み、
    前記リフタは、前記第1機関弁と前記第1カム部との間に配置された第1リフタ、および前記第2機関弁と前記第2カム部との間に配置された第2リフタを含み、
    前記トリガ機構は、前記リフタの上下動の方向から見て前記リフタと重なる位置に配置されて該リフタに当接可能なトリガ部材と、該トリガ部材を前記リフタに当接するように付勢する弾性体と、前記トリガ部材に弾性的に支持された規制部材とにより構成され、
    前記トリガ部材は、前記カム軸と前記リフタとの間であって、かつ、前記回転軸線方向で前記第1リフタと前記第2リフタとの間に配置されたことを特徴とする内燃機関の直動式動弁装置。
  2. 前記トリガ部材は、前記リフタのリフトの変化に伴い、前記駆動機構の前記当接部に対し離れる方向および近付く方向へ変位可能であり、
    前記トリガ部材に支持される前記規制部材は、前記トリガ部材の前記変位に伴い、前記駆動機構の前記当接部が前記カム駒を前記回転軸線方向に移動させるように変位する経路外または経路内に変位可能であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の直動式動弁装置。
  3. 前記トリガ部材および前記規制部材は平たい板材から形成されることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の直動式動弁装置。
  4. 前記トリガ部材は、前記リフタホルダ部に摺動自在に嵌合される筒部に形成された平板状のフランジ部を有し、前記規制部材は、前記筒部内に摺動自在に嵌合するピストン部から突出する規制部であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の内燃機関の直動式動弁装置。
  5. 前記リフタホルダ部は、前記内燃機関のシリンダヘッドとは別体の部材で構成され、前記トリガ機構は、前記リフタホルダ部を前記シリンダヘッドに固定する固定部材により前記リフタホルダ部に固定されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の内燃機関の直動式動弁装置。
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