JPH0629354B2 - 耐衝撃性を有する樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性を有する樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0629354B2
JPH0629354B2 JP60297937A JP29793785A JPH0629354B2 JP H0629354 B2 JPH0629354 B2 JP H0629354B2 JP 60297937 A JP60297937 A JP 60297937A JP 29793785 A JP29793785 A JP 29793785A JP H0629354 B2 JPH0629354 B2 JP H0629354B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
carboxylic acid
vinyl acetate
resin composition
acrylic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP60297937A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62153332A (ja
Inventor
敏幸 赤沢
卓司 岡谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP60297937A priority Critical patent/JPH0629354B2/ja
Publication of JPS62153332A publication Critical patent/JPS62153332A/ja
Publication of JPH0629354B2 publication Critical patent/JPH0629354B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明はエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂を
主体とした耐衝撃性にすぐれた樹脂組成物を提供するこ
とにある。
B.従来技術およびその問題点 エチレン成分含有率20〜55モル%、けん化度90%
以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂は他
の樹脂に比べて耐油性、剛性、硬度、耐摩耗性などの極
めて良好な熱可塑性樹脂であり、かつ気体遮断性に優れ
た樹脂としてフィルム、シートあるいはボトルなどの成
形物として用いられている。ところがこの樹脂は耐衝撃
性が悪く、固くて脆い欠点を有している。従来エチレン
−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂の耐衝撃性を改良す
る方法にはゴム状物質をブレンドする方法が公知であ
り、その一つにエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とか
エチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂をブレンド
する方法はよく知られており、、更には、それら樹脂と
エチレン性不飽和カルボン酸もしくは該カルボン酸無水
物をグラフト重合した樹脂の両者をブレンドする方法も
試みられているが、この組成物は一般に均一混合性、成
形性が悪く、押出成形によりフィルム、シートあるいは
ボトルなどを成形すると、不均一な相分離異物を生じる
とか、樹脂特にエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
樹脂が不溶化してゲル状物が発生しやすく、とくに長時
間運転によりこの異物が増加して成形物の外観を損ねる
事が知られている。こうして各種ゴム状樹脂とエチレン
−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂とのブレンド組成物
はその優れた特徴にもかかわらず、押出成形が実用的に
全く実施出来ないか、出来ても極く短時間しか運転でき
ないのが実情であった。
C.本発明が解決しようとする問題点 本発明らは、このような均一混合性不良、成形性不良を
解消し、かかるブレンド組成物の優れた特徴を実用化す
る事を目的として、外観の美しいしかも耐衝撃性の優れ
た成形物を得んとするものである。
D.問題を解決するための手段 本発明は(A)エチレン性不飽和カルボン酸もしくは該
カルボン酸無水物をグラフトしたエチレン−アクリル酸
エステルもしくは酢酸ビニル共重合体にエチレン性不飽
和カルボン酸もしくは該カルボン酸無水物成分に対し
0.02〜0.3当量の周期律表第第IaもしくはIIa
族の金属の水酸化物、炭酸塩もしくは酢酸塩からなる金
属化合物を配合するか、または該金属化合物とエチレン
−アクリル酸エステルもしくは酢酸ビニル共重合体を配
合した混合物および、(B)エチレン成分含有率20〜
55モル%、けん化度90%以上のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体けん化物樹脂からなり、かつ(A)と(B)
の重量比が1:99〜50:50である耐衝撃性を有す
る樹脂組成物である。
E.発明の効果 上記本発明の樹脂組成物を用いて成形した場合には均一
混合性不良、成形性不良が顕著に改善され、外観が美し
く、かつ気体遮断性と耐衝撃性に優れた成形物が得られ
る。
F.本発明のより詳細な説明 本発明に用いられるエチレン−アクリル酸エステル共重
合体としては、例えばエチレン−アクリル酸メチルエス
テル共重合体、エチレン−アクリル酸エチルエステル共
重合体、エチレン−アクリル酸ブチルエステル共重合
体、エチレン−アクリル酸n−ヘキシルエステル共重合
体、エチレン−アクリル酸2メチル−ヘキシルエステル
共重合体等があるが、中でもエチレン−アクリル酸エチ
ルエステル共重合体が好適に用いられる。アクリル酸エ
ステル成分の含有率は5〜45重量%が用いられるが、
中でも耐衝撃性、相溶性、成型性の面で10〜30重量
%がさらに好適である。
エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル成分の含有
率は5〜55%が用いられるが、中でも耐衝撃性、均一
混合性、成形性の面で15〜40重量%がさらに好適で
ある。
グラフト重合に用いられるエチレン性不飽和カルボン酸
もしくは該カルボン酸無水物としてはマレイン酸、アク
リル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無
水イタコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸もしくは
該カルボン酸無水物等があるが中でも無水マレイン酸が
好適である。さらに、共重合可能な他の共単量体を同時
に共グラフトする事ができる。グラフト量は0.001
〜6重量%が用いられるが、中でも(A)成分と(B)
成分の相溶性、組成物の成形性とか耐衝撃性の改良の面
で0.01〜5重量%が更に好適である。
グラフト重合の方法に特に制限は無いが、エチレン−ア
クリル酸エステル共重合体にエチレン性不飽和カルボン
酸もしくは該カルボン酸無水物と、ジベンゾイルパーオ
キサイド、ジブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキ
サイド、t−ブチルパーベンゾエイト、t−ブチルヒド
ロパーオキサイド、クロンヒドロパーオキサイド等の有
機過酸化物とを共存させて、両者に化学的結合が生じる
ように加熱反応させる。反応は例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロルベンゼン、t−ブチルベンゼン、
クメン等の溶媒の存在下もしくは無存在下に100〜2
40℃の温度で行なう事が出来るが、トルエンとかキシ
レン等の溶媒の存在下に110〜200℃で行なうほう
が均一な製品が得られるのでより好適である。
周期律表第第IaもしくはIIa族の金属水酸化物、炭酸
塩もしくは酢酸塩からなる金属化合物としては、炭酸ナ
トリウム、炭酸リチウム、炭酸マグネシウム、酢酸ナト
リウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化
マグネシウム、水酸化カリウム等があるが、中でも炭酸
ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム等の周期律表第第Iaの金属化合物が好適に
用いられる。とりわけ、金属水酸化物、とくに水酸化ナ
トリウムが好適に用いられる。金属化合物の配合量が
0.02当量以下であると成形体の全体に波状の模様が
できるとか、凹凸ができるなど本発明のごとき工業的に
有用な成形体は得られない。0.3当量を越えて配合す
ると樹脂組成物が着色するとか、流動性が不良となり、
成形材料としては不適当な物となり好ましくない。より
好適には0.03〜0.2当量が用いられる。
本発明においてエチレン−アクリル酸エステルもしくは
酢酸ビニル共重合体にエチレン性不飽和カルボン酸もし
くは該カルボン酸無水物をグラフト重合した後、エチレ
ン性不飽和カルボン酸もしくは該カルボン酸無水物成分
に対し0.02〜0.3当量の周期律表第第Iaもしく
はIIa族の金属水酸化物、炭酸塩もしくは酢酸塩からな
る金属化合物を配合した樹脂組成物はそのままで好適に
使用できるが、該金属化合物およびエチレン−アクリル
酸エスルテもしくは酢酸ビニル共重合体を配合して用い
ることもできる。その場合配合割合は該樹脂組成物の特
性にもよるがエチレン性不飽和カルボン酸もしくは該カ
ルボン酸無水物をグラフト重合したエチレン−アクリル
酸エステルもしくは酢酸ビニル共重合体とエチレン−ア
クリル酸エステルもしくは酢酸ビニル共重合体との比は
1:99〜80:20で良いが2:98〜50:50が
成型性、耐衝撃性等の面でさらに好適である。
本発明の組成物を構成する(B)成分は、エチレン成分
含有率20〜55モル%、酢酸ビニル成分のけん化度9
0%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物であ
る。エチレン成分が20モル%以下であると成形性が低
下するのみらなず、該エチレン−酢酸ビニル共重合体け
ん化物の剛性が増加する事と関連があると見られるが、
本発明の効果が減殺され、またエチレンの含有率が55
モル%を越えると、剛性は減少するものの該樹脂の最も
特徴とする所のガスバリヤー性が低下して不満足なもの
となる。該エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂
は20〜55モル%の領域内のエチレン含有率を持つ2
種またはそれ以上のエチレン成分含有率の異なる該樹脂
のブレンド物であって良い。該樹脂の酢酸ビニル成分の
けん化度は90%以上が好適であり、90%未満では該
バリヤー性が低下するので好ましくない。さらにホウ
酸、ホウ砂などのホウ素化合物で処理したエチレン−酢
酸ビニル共重合体けん化物、ケイ素含有オレフィン性不
飽和単量体、α−オレフィン、Nビニルピロリドン等の
第三成分をエチレンおよび酢酸ビニルと共重合体し、け
ん化して得られる変性樹脂についても溶融成形性、気体
遮断性、耐衝撃性などの諸物性を害しない範囲のもので
あれば、本発明の効果を享受できる。
本発明の組成物を構成する(A)エチレン性不飽和カル
ボン酸もしくは該カルボン酸無水物をグラフトしたエチ
レン−アクリル酸エステルもしくは酢酸ビニル共重合体
にエチレン性不飽和カルボン酸もしくは該カルボン酸無
水物成分に対し0.02〜0.3当量の金属化合物を配
合するか、または該金属化合物とエチレン−アクリル酸
エステルもしくは酢酸ビニル共重合体を配合した混合
物、(B)エチレン成分含有率20〜55モル%、けん
化度90%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化
物樹脂、の各成分の配合割合は目的に応じて任意に選択
ができる。但し、実質的な見地からは(A)および
(B)の組成比としては(B)の樹脂の量が多い組成が
耐衝撃性の改善さらには力学的あるいは気体遮断性など
特徴ある物性が発揮される点で特に重要である。
(A):(B)の重量比として1:99〜50:50、
とりわけ5:95〜40:60、さらには10:90〜
30:70の範囲のものが本発明効果の点でとくに重要
である。
本発明の組成物を得るためにのブレンド方法に特に制限
は無く、両者をドライブレンドする方法、あるいは
(A)成分を(B)エチレン成分含有率20〜55モル
%、けん化度90%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合
体けん化物樹脂の一部にあらかじめ配合しておく方法が
任意に選ばれる。
本発明において(A)エチレン性不飽和カルボン酸もし
くは該カルボン酸エステルもしくは酢酸ビニル共重合体
にエチレン性不飽和カルボン酸もくしは該カルボン酸無
水物成分に対し0.02〜0.3当量の周期律表第第I
aもしくはIIa族の金属の水酸化物、炭酸塩もしくは酢
酸塩からなる金属化合物を配合するか、または該金属化
合物とエチレン−アクリル酸エステルもしくは酢酸ビニ
ル共重合体を配合した混合物が(B)エチレン成分含有
率20〜55モル%、けん化度90%以上のエチレン−
酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂の耐衝撃性、成型性を
かくも顕著に向上させる機構は充分に明らかではない
が、(B)エチレン成分含有率20〜55モル%、けん
化度90%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化
物樹脂と(A)を構成するエチレン−アクリル酸エステ
ルもしくは酢酸ビニル共重合体にエチレン性不飽和カル
ボン酸もしくは該カルボン酸無水物をグラフト重合した
化合物または該化合物とエチレン−アクリル酸エステル
もしくは酢酸ビニル共重合体の混合物をグラフトされた
エチレン性不飽和カルボン酸もしくは該カルボン酸無水
物に対し0.02〜0.3当量の金属水酸化物、炭酸塩
もしくは酢酸塩からなる金属化合物と混合することによ
り、溶融系におけるレオロジー的効果、不純物の化学的
作用等が複雑に組合わさり、その結果得られた組成物の
モルフォロジー的性質が耐衝撃性を発揮する上で好まし
い状態になったのではないかと推定される。
本発明の組成物にたいしては熱可塑性樹脂に慣用される
他の添加剤を配合することができる。このように添加剤
の例としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯
電防止剤、滑剤、充填剤を挙げる事ができ、これらを本
発明の作用効果が阻害されない範囲内でブレンドするこ
とができる。添加剤の具体的な例としては次の様なもの
が挙げられる。酸化防止剤:2,5−ジ−t−ブチルハ
イドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、4,4′−チオビス−(6−t−ブチルフェノー
ル、2,2′メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノール、テトラキス−[メチレン−3−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−
(3′,5−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、4,4′−チオビス−(6−t−
ブチルフェノール)等。紫外線吸収剤:エチル−2−シ
アノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−(2′−
ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−クロロベン
ゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′−t−ブ
チル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベゾフェノン
等。可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フ
タル酸ジオクチル、ワックス、流動パラフィン、リン酸
エステル等。帯電防止剤:ペンタエリスリットモノステ
アレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化オレイ
ン酸、ポリエチレンオキシド、カーボワックス等。滑
剤:エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレート
等。着色剤:カーボンブラック、フタロシアニン、キナ
クリドン、インドリン、アゾ系顔料、酸化チタン、ベン
ガラ等。充填剤:グラスファイバー、アスベスト、マイ
カ、バラストナイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミ
ニウム、炭酸カルシウム等。
本発明の組成物を得るための各成分の配合手段として
は、リボンブレンダー、高速ミキサー、ニーダー、ミキ
シングロール、バンバリーミキサー、押し出し機等が例
示される。
本発明の組成物は、周知の溶融押し出し成形機、圧縮成
形機、トランスファー成形機、射出成形機、吹き込み成
形機、熱成形機、回転成形機、ディップ成形機などを使
用して、フィルム、シート、チューブ、ボトル等の任意
の成形品に成形することができる。成形に際しての押し
出し温度は樹脂の種類、分子量、組成物の配合割合ある
いは押し出し機の性質等により適宜選択されるが、多く
の場合170℃〜250℃の範囲である。また本発明の
組成物は多層構造体の一層として使用する事もでき、そ
の時は熱可塑性樹脂層をP、エチレン成分含有率20〜
55モル%、けん化度90%以上のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体けん化物樹脂層をE、接着性樹脂層をD、本
発明の組成物の層をMとする時、P/D/M/D/P、
M/E/M、M/D/E、M/D/E/D/M、P/D
/E/D/M、P/E/P/M、P/M/D/E/D/
M/P、P/M/D/E/D/P等の層構成をとること
ができる。多層成型方法としては、一般的に樹脂の種類
に対応する数の押し出し機を使用し、この押し出し機内
で溶融された樹脂の流れを重ねあわせた層状態で同時押
し出し成形するいわゆる共押し出し成形により実施され
る。別の方法として、エキストルージョンコーチング、
ドライラミネーション等の多層成形方法も採用されう
る。また本発明の組成物の単独成形品、あるいは本発明
の組成物を含む多層成形物を一軸あるいは二軸延伸、深
絞り、ブロー成形等の工程を経る事によってより有用な
物とする事ができる。また本発明で得られた積層体を更
に合成樹脂フィルム、金属、紙等とラミネートすること
もできる。こうして本発明の組成物で得られた成形物
は、ブレンド組成物が均一で外観が美しいだけで無く、
相溶性が良好で均一であることから強度物性、気体遮断
性など多くの優れた特性を有しており、その工業的意義
は誠に大きい。
以下、実施例をもって更に具体的に説明するが、これら
の実施例によって本発明は何等限定されるものではな
い。尚実施例と比較例における試験および評価方法は次
の通りである。
メルトインデックス(MI) ASTM D−1238に従い、メルトインデクサーを
使用して2160gの荷重をかけたときの10分間の樹
脂の流量を示す。測定温度は190℃である。
アイゾット衝撃強度 ASTM D−256に従いノッチ付きの衝撃強度を示
す。試料は絶乾状態の物を用い、測定は20℃で行なっ
た。
G.実施例 実施例1〜4、比較例1〜5 アクリル酸エチルエステル成分の含有率が25重量%、
MI(190℃、2160g)が6.3g/10分、融
点70℃であるエチレン−アクリル酸エチルエステル共
重合体(EEA)215重量部及び無水マレイン酸1.
8重量部を精製したトリエン648重量部に溶解し、1
80℃に保った。この溶液に攪拌下に無水マレイン酸の
15重量部を溶解した精製トルエン溶液180重量部を
2.0時間で連続的に添加した。それと同時にクメンヒ
ドロパーオキサイド1.0重量を溶解した精製トルエン
溶液100重量部を2.0時間で連続的に添加した。添
加終了後も引続き30分の後反応をおこなった。冷却
後、大量のメチルアルコール中に反応液を投入してポリ
マーを析出させた。得られたポリマーを精製したトルエ
ンを溶剤とし、メチルアルコールを非溶剤として再沈精
製を行なった。このものは無水マレイン酸成分を2.9
重量%含有し、MIは3.4g/10分であった。
このようにして得られたポリマー100重量部に所定量
の水酸化ナトリウム(NaOH)を含有する水溶液20
部を均一に添加し、一部乾燥後に、ベントつき押し出し
機で減圧下に揮発物を追い出しながら、溶融混練ペレッ
ト化し、変性共重合樹脂を得た。
上記に得た変性共重合樹脂の所定量を上記のエチレン−
アクリル酸エチルエステル共重合体とドライブレンド
し、次いで押し出し機で溶融混練ペレット化し、ブレン
ド組成物(A)を得た。
一方、酢酸ビニル成分の含有率が67モル%であるエチ
レン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル成分の99.6
%をけん化する事によってMI=1.4g/10分のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂(B)を得
た。
上記に得た(A),(B)の両成分の混合比率を変えて
ドライブレンドし、ラボプラストミル(東洋精機社製)
を用いて、230℃で20分間混練した。この混合組成
物を標準鋳型中で220℃で加圧成形して得られた成形
物(2.5インチ×0.5インチ×0.125インチ)
のアイゾット衝撃エチレンを測定した。結果は第一表に
示す。
NaOHの添加量が0.1当量である実施例1〜4にお
いては(A)成分の添加量に応じて高いアイゾット衝撃
値を示す、着色の無い組成物得られていることが比較例
1〜2との対比において良くわかる。NaOHを添加し
ない比較例3〜4では、組成物が着色するだけでなく極
めて流動性の悪い物となり、成形材料として不適当なも
のであった。またNaOHを1.0当量添加したときは
比較例5に示すごとく、変性共重合体自体が着色し、か
つ流動性が極めて不良であり、それ以後の試験は行なわ
なかった。
実施例5〜8、比較例6〜10 エチレン−アクリル酸エチルエステル共重合体に代え
て、酢酸ビニル成分が33重量%、MIが1.0g/1
0分のエチレン−酢酸ビニル共重合体を用い、かつクメ
ンヒドロパーオキシドと無水マレイン酸の使用量を変更
し、NaOHに代えて、Na2CO3を用いる以外は実施
例1と同様にして無水マレイン酸成分を1.4重量%含
有する変性共重合体を得た。
上記変性共重合体と酢酸ビニル成分が40重量%、MI
が2.3g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体と
の所定量をドライブレンドして(A)成分とする。
一方、酢酸ビニル成分の含有率が56モル%であるエチ
レン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル成分の99.5
%をけん化する事によってMI=5.6g/10分のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂(B)を得
た。
上記に得た(A)および(B)両成分の所定量を内径4
0mmΦ、L/D=25の一軸スクリュウを備えた押し出
し機にて混練ペレット化した。このペレットを用いて2
20℃で射出成形を行ない、アイゾット衝撃試験用サン
プル(2.5インチ×0.5インチ×0.125イン
チ)を作成し、衝撃強度を測定した。結果は第二表に示
す。
炭酸ナトリウムを0.05および0.1当量含有する実
施例5〜8は優れた耐衝撃強度を有する事が比較例6に
示した所の(B)成分のみの例、比較例7に示した所の
(A)成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体のみを
用いた例において明白である。また(A)成分の変性共
重合体として炭酸ナトリウムを全く用いない比較例8、
(A)成分の変性共重合体として炭酸ナトリウムを0.
01当量だけ用いる比較例9においては組成物が着色
し、かつ成形性の悪いものであり、また炭酸ナトリウム
を1.0当量添加する比較例10では変性共重合体自身
が着色し、かつ成形性の悪いものであり、炭酸ナトリウ
ムを特定の範囲で添加するという本発明の効果は明白で
ある。
比較例11 実施例1において、(B)成分90重量部の代りに(B)
成分6重量部{(B)成分37.5重量%}を使用した
以外は実施例1と同様にして組成物を得た。このように
して得た組成物を押出し法により厚み20μのフィルム
を得た。
得られたフィルムの酸素透過度は45cc・20μ/m
24hr・atm(20℃、65%RH)を示し、一方実施例
1で得られた組成物を押出し法により厚み20μのフィ
ルムを得、酸素透過度を測定したところ2.0cc・20
μ/m・24hr・atm(20℃、65%RH)を示し
た。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エチレン性不飽和カルボン酸もしく
    は該カルボン酸無水物をグラフトしたエチレン−アクリ
    ル酸エステルもしくは酢酸ビニル共重合体にエチレン性
    不飽和カルボン酸もしくは該カルボン酸無水物成分に対
    し0.02〜0.3当量の周期律表第IaもしくはIIa族の金
    属の水酸化物、炭酸塩もしくは酢酸塩からなる金属化合
    物を配合した混合物、 および (B)エチレン成分含有率20〜55モル%、けん化度90%
    以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂、 からなり、かつ(A)と(B)の重量比が1:99〜50:
    50である耐衝撃性を有する樹脂組成物。
  2. 【請求項2】共重合体がエチレン−アクリル酸エステル
    共重合体である特許請求の範囲第1項に記載の樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】アクリル酸エステルがアクリル酸エチルエ
    ステルである特許請求の範囲第2項に記載の樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】エチレン性不飽和カルボン酸もしくは該カ
    ルボン酸無水物が無水マレイン酸である特許請求の範囲
    第1項に記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】アクリル酸エステルがアクリル酸エチルエ
    ステルであり、エチレン性不飽和カルボン酸もしくは該
    カルボン酸無水物が無水マレイン酸である特許請求の範
    囲第1項に記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】金属化合物が周期律表Ia族の水酸化物、
    炭酸塩もしくは酢酸塩である特許請求の範囲第1〜5項
    のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】金属化合物が水酸化ナトリウムである特許
    請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】エチレン−アクリル酸エステルもしくは酢
    酸ビニル共重合体を、前記共重合体とエチレン性不飽和
    カルボン酸もしくは該カルボン酸無水物をグラフトした
    エチレン−アクリル酸エステルもしくは酢酸ビニル共重
    合体の重量比が99:1〜20:88になるように配合した特
    許請求の範囲第1〜第7項のいずれかに記載の樹脂組成
    物。
JP60297937A 1985-12-27 1985-12-27 耐衝撃性を有する樹脂組成物 Expired - Fee Related JPH0629354B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60297937A JPH0629354B2 (ja) 1985-12-27 1985-12-27 耐衝撃性を有する樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60297937A JPH0629354B2 (ja) 1985-12-27 1985-12-27 耐衝撃性を有する樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62153332A JPS62153332A (ja) 1987-07-08
JPH0629354B2 true JPH0629354B2 (ja) 1994-04-20

Family

ID=17853024

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60297937A Expired - Fee Related JPH0629354B2 (ja) 1985-12-27 1985-12-27 耐衝撃性を有する樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0629354B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0649816B2 (ja) * 1987-09-11 1994-06-29 株式会社クラレ 内装材

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57172939A (en) * 1981-04-17 1982-10-25 Asahi Chem Ind Co Ltd Polyolefin resin composition

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62153332A (ja) 1987-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4645695A (en) Resinous composition and molded article and container made thereof
US4818793A (en) Impact-resistant nylon molding materials which are less susceptible to stress cracking
JPH0564170B2 (ja)
US6077906A (en) Nylon modifiers hauling enhanced flow properties
US4228250A (en) Blends of hydrolyzed ethylene-vinyl acetate resins having increased impact strength
JP2612034B2 (ja) 樹脂組成物
JPH0543753A (ja) 極性重合体とのポリプロピレンブレンド
JPH0629354B2 (ja) 耐衝撃性を有する樹脂組成物
US5589541A (en) Process for producing modified propylene polymer and modified propylene polymer composition
JPH0715035B2 (ja) 樹脂組成物
JPS62177047A (ja) 樹脂組成物
JPS61163956A (ja) 成形用ポリエステル系樹脂組成物
JPH0657780B2 (ja) 樹脂組成物
JP2588688B2 (ja) 樹脂組成物
JPH0757542B2 (ja) 多層構造体
JPH10120864A (ja) 変性樹脂組成物及びそれを用いた積層体
JP2534463B2 (ja) 多層構造体の製法
JPH0480263A (ja) Ppsを含有する樹脂組成物
JP3010516B2 (ja) 改質プロピレン系重合体の製造法
JPH06106685A (ja) 変性プロピレン系重合体を用いた樹脂積層物
JPH0770378A (ja) 樹脂組成物
JPH0372539A (ja) 樹脂組成物
JP2653774B2 (ja) 相溶化方法
JPH073081A (ja) 樹脂組成物および成形物の製法
JPH0826179B2 (ja) 成形物の製法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees