JPH06292083A - 乳房ｘ線撮影装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乳房内の患部の位置を極めて迅速にかつ容易
に割り出す。 【構成】 Ｘ線管装置と、このＸ線管装置と対向して配
置されるＸ線撮影部と、このＸ線撮影部と前記Ｘ線管装
置とを支持する支持アームと、この支持アームを支持す
る支持台とを備え、前記Ｘ線撮影部上に乳房を載置して
Ｘ線管装置からのＸ線照射によるＸ線フィルム撮影を行
う乳房Ｘ線撮影装置において、前記Ｘ線撮影部に配置さ
れたイメージインテンシファイアと、このイメージイン
テンシファィアによって得られる光学像をモニタできる
モニタ手段と、前記Ｘ線管装置からの乳房を介するＸ線
像の結像を前記イメージインテンシファィアおよびＸ線
フィルムのいずれかに切り換える切換手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は乳房Ｘ線撮影装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】乳房を専用の対象とする乳房Ｘ線撮影装
置は、従来、次のように構成されている。

【０００３】すなわち、高電圧装置等を内蔵する支持台
にコ字状のアームが取り付けられている。このアーム
は、その各端部が鉛直方向上に位置づけられ、ほぼ中央
部が前記支持台に固定されている。

【０００４】アームの上端部は、Ｘ線管を内蔵させたＸ
線管装置を構成し、また、下端部は撮影フイルムを配置
させたＸ線撮影部を構成している。

【０００５】このように構成される乳房Ｘ線撮影装置
は、被検者の乳房をＸ線撮影部に載置させた状態で、該
乳房を透過するＸ線管装置からのＸ線像を前記撮影フィ
ルムに結像させることによって、該乳房のＸ線撮影像を
得ることができる。

【０００６】なお、前記Ｘ線撮影部には、乳房を撮影フ
ィルム側に押圧するための圧迫板が備えられていること
が通常である。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成された乳房Ｘ線撮影装置において、それによる
撮影の後、その撮影によって乳房内の患部の位置を割り
出し、該乳房の患部に穿刺針を入れることによって該患
部の細胞を取り出すとすることが通常行われる。

【０００８】そして、この場合、乳房内の患部の位置の
割り出しは、一枚の撮影フィルムに対して二回の写真撮
影を行い、その現像後にコンピュータ測定機により演算
して行っている。

【０００９】したがって、撮影から穿刺針による細胞抽
出まで長時間を要し、この間被検者にそのままの状態
（乳房が圧迫板で圧迫された状態）を微動だにせず維持
させることを強要しなければならず、被検者にかなりの
苦痛を与えなければならないことになる。

【００１０】それ故、本発明は、このような事情に基づ
いてなされたものであり、その目的とするところのもの
は、乳房内の患部の位置を極めて迅速に、かつ容易に割
り出すことのできる乳房Ｘ線撮影装置を提供することに
ある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、基本的には、Ｘ線管装置と、この
Ｘ線管装置と対向して配置されるＸ線撮影部と、このＸ
線撮影部と前記Ｘ線管装置とを支持する支持アームと、
この支持アームを支持する支持台とを備え、前記Ｘ線撮
影部上に乳房を載置してＸ線管装置からのＸ線照射によ
るＸ線フィルム撮影を行う乳房Ｘ線撮影装置において、
前記Ｘ線撮影部に配置されたイメージインテンシファイ
アと、このイメージインテンシファィアによって得られ
る光学像をモニタできるモニタ手段と、前記Ｘ線管装置
からの乳房を介するＸ線像の結像を前記イメージインテ
ンシファィアおよびＸ線フィルムのいずれかに切り換え
る切換手段とを備えることを特徴とするものである。

【００１２】

【作用】このように構成した乳房Ｘ線撮影装置によれ
ば、前記切換手段によって、Ｘ線撮影とは別に、イメー
ジインテンシファイアを介して乳房の透視像をモニタす
ることができるようになる。

【００１３】このため、乳房内の患部の細胞を穿刺針に
よって抽出する際は、該モニタによって該細胞と穿刺針
との位置を容易に認識できるようになり、それに要する
時間は極めて短時間で済むことになる。

【００１４】したがって、被検者に微動だにしない状態
を長時間そのまま持続させることなく、乳房内の患部の
位置を極めて迅速にかつ容易に割り出すことができるよ
うになる。

【００１５】

【実施例】図１は、本発明による乳房Ｘ線撮影装置の一
実施例を示す外観構成図である。

【００１６】同図において、支持台３０があり、この支
持台３０にはＸ線高電圧装置３１およびＸ線管装置昇降
部３２等を内蔵し、さらに、Ｘ線被ばく防護板３３が取
り付けられている。

【００１７】そして、このような支持台３０には、特に
そのＸ線管装置昇降部３２に、コ字状のアーム３４が固
定され、このアーム３４の各端部は鉛直方向上に位置付
けられている。

【００１８】アーム３４の上端部は、Ｘ線管を内蔵させ
たＸ線管装置３５を構成し、また、下端部は撮影フィル
ム３６を配置させたＸ線撮影部３７を構成している。

【００１９】Ｘ線撮影部３７の上部には圧迫板３８がア
ーム３４に支持されて配置され、この圧迫板３８とＸ線
撮影部３７との間に前記圧迫板３８によって圧迫された
乳房が載置されるようになっている。

【００２０】また、前記撮影フィルム３６は、そのフィ
ルム本体はカセッテホルダに収納されているものであ
り、Ｘ線撮影の段階では配置され、それ以外の段階では
配置されていないのが通常となっている。

【００２１】一方、撮影フィルム３６が配置されるＸ線
撮影部３７の下方には、イメージインテンシファィア３
９が配置され、前記撮影フィルム３６がＸ線撮影部３７
に配置されていない状態では、前記Ｘ線管装置３５から
のＸ線がこのイメージインテンシファィア３９に照射さ
れるようになっている。

【００２２】このイメージインテンシファイア３９は、
前記撮影フィルム３６が配置されていない状態で、これ
に照射されるＸ線を光に変換するものである。たとえ
ば、このイメージインテンシファイア３９上に圧迫板３
８によって圧迫された乳房が載置され、Ｘ線管装置３５
からＸ線の照射がなされれば、その裏面に該乳房の透視
された光学像が得られることになる。

【００２３】そして、このイメージインテンシファイア
３９の下方には、Ｘ線テレビカメラ４０が配置され、前
記光学像を電気信号に変換するようになっている。

【００２４】さらに、Ｘ線テレビカメラ４０からの電気
信号はモニタテレビ４１に入力されるようになってお
り、このモニタテレビ４１に該乳房の透視像が表示され
るようになっている。

【００２５】図２は、上述した乳房Ｘ線撮影装置の動作
機構を示した構成図であり、図１と同符号のものは同一
物を示している。

【００２６】同図において、まず、高電圧発生装置７が
あり、この高電圧発生装置７による高電圧の印加によっ
てＸ線管８からＸ線が照射されるようになっている。

【００２７】前記高電圧発生装置７は制御回路によって
制御され、この制御回路は、透視条件制御回路１および
撮影条件制御回路２から構成されている。透視条件制御
回路１および撮影条件制御回路２は、そのいずれにおい
ても、管電圧制御信号３、管電流制御信号４、および時
間制御信号５が入力され、それらの各出力の一方のいず
れかは切換スイッチ６を介して前記高電圧発生装置７に
入力されるようになっている。

【００２８】そして、この切換スイッチ６は圧迫板スイ
ッチ１７およびカセッテ挿入スイッチ１８によって切り
換えられるようになっている。

【００２９】すなわち、圧迫板スイッチ１７は、アーム
３４に対して取外しのできる圧迫板３８がアーム３４に
取り付けられているか否かを検知し、アームに取り付け
られている場合、透視条件制御回路１からの出力が高電
圧発生装置３１に入力されるようになっている。

【００３０】また、カセッテ挿入スイッチ１８は、撮影
フィルム３６の配置によってＸ線撮影部３７を構成して
いるか否かを検知し、該撮影フィルム３６が配置されて
いる場合、撮影条件制御回路２からの出力が高電圧発生
装置３１に入力されるようになっている。

【００３１】撮影の場合においては、撮影フィルム３５
が配置され、しかも圧迫板３８が取り付けられないこと
から、このことを前記圧迫板スイッチ１７およびカセッ
テ挿入スイッチ１８が検知し、この検知によって高電圧
発生装置７は撮影条件で駆動されるようになる。

【００３２】同様に、撮影以外の場合（透視）において
は、圧迫板３８が取り付けられ、しかも撮影フィルム３
５が配置されないことから、このことを前記圧迫板スイ
ッチ１７およびカセッテ挿入スイッチ１８が検知し、こ
の検知によって高電圧発生装置７は透視条件で駆動され
るようになる。

【００３３】図３（ａ）、（ｂ）は、それぞれ上述した
圧迫板３８の詳細を示す平面図、および側面図である。

【００３４】同図において、アーム３４に固定されるス
テー１０の先端に平板部１１を備え、この平板部１１は
Ｘ線を透過する材料で構成されている。そして、この平
板部１１には、一定の規則で配列された透孔１２が形成
さている。

【００３５】透視の際において、乳房のＸ線透視像がテ
レビモニタ４１に映像される際に、同時に前記平板部１
１の透孔１２も映像され、乳房内の患部に位置づけられ
る特定された透孔１１から穿刺針（図示せず）を通過さ
せることにより、該穿刺針は該患部の位置に正確に穿刺
できるようになる。

【００３６】以上、実施例のように構成した乳房Ｘ線撮
影装置によれば、Ｘ線撮影とは別に、イメージインテン
シファイア３９を介して乳房の透視像をテレビモニタ４
１によりモニタすることができるようになる。

【００３７】このため、乳房内の患部の細胞を穿刺針に
よって抽出する際は、該テレビモニタ４１によって該細
胞と穿刺針との位置を容易に認識できるようになり、そ
れに要する時間は極めて短時間で済むことになる。

【００３８】したがって、被検者に微動だにしない状態
を長時間そのまま持続させることなく、乳房内の患部の
位置を極めて迅速にかつ容易に割り出すことができるよ
うになる。

【００３９】

【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明による乳房Ｘ線撮影装置によれば、乳房内の患部
の位置を極めて迅速にかつ容易に割り出すことができる
ようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による乳房Ｘ線撮影装置の一実施例を示
す全体構成図である。

【図２】本発明による乳房Ｘ線撮影装置の動作機構の説
明図である。

【図３】（ａ）、（ｂ）は、本発明による乳房Ｘ線撮影
装置に用いられる圧迫板の説明図で、（ａ）は平面図、
（ｂ）は側面図である。

【符号の説明】

３４ アーム ３５ Ｘ線管装置 ３６ 撮影フィルム ３７ Ｘ線撮影部 ３９ イメージインテンシファィア ４０ Ｘ線テレビカメラ ４１ テレビモニタ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｘ線管装置と、このＸ線管装置と対向し
   て配置されるＸ線撮影部と、このＸ線撮影部と前記Ｘ線
   管装置とを支持する支持アームと、この支持アームを支
   持する支持台とを備え、前記Ｘ線撮影部上に乳房を載置
   してＸ線管装置からのＸ線照射によるＸ線フィルム撮影
   を行う乳房Ｘ線撮影装置において、 前記Ｘ線撮影部に配置されたイメージインテンシファイ
   アと、このイメージインテンシファィアによって得られ
   る光学像をモニタできるモニタ手段と、前記Ｘ線管装置
   からの乳房を介するＸ線像の結像を前記イメージインテ
   ンシファィアおよびＸ線フィルムのいずれかに切り換え
   る切換手段とを備えることを特徴とする乳房Ｘ線撮影装
   置。