JPH062915Y2 - 合成樹脂製のキャップ - Google Patents
合成樹脂製のキャップInfo
- Publication number
- JPH062915Y2 JPH062915Y2 JP1987032553U JP3255387U JPH062915Y2 JP H062915 Y2 JPH062915 Y2 JP H062915Y2 JP 1987032553 U JP1987032553 U JP 1987032553U JP 3255387 U JP3255387 U JP 3255387U JP H062915 Y2 JPH062915 Y2 JP H062915Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cap
- cap body
- synthetic resin
- tear piece
- piece
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Closures For Containers (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は食品用をはじめとして、医療用の容器等にも
適用できる合成樹脂からなるいわゆるプルトップタイプ
に係るキャップの改良に関するものである。
適用できる合成樹脂からなるいわゆるプルトップタイプ
に係るキャップの改良に関するものである。
[従来の技術] 従来のプルトップタイプのキャップは、第3図に示す如
くキャップ面上に例えば0.1〜0.2mm程度のV字状
の切れ込みを入れて切り取り部6を形成し、この切り取
り部6に区画された引裂き片7を物理的に引きちぎるこ
とにより、キャップ本体に開口部を形成する構成であっ
た(例えば特公昭61−49980号)。
くキャップ面上に例えば0.1〜0.2mm程度のV字状
の切れ込みを入れて切り取り部6を形成し、この切り取
り部6に区画された引裂き片7を物理的に引きちぎるこ
とにより、キャップ本体に開口部を形成する構成であっ
た(例えば特公昭61−49980号)。
[考案が解決しようとする課題] しかしこの種のキャップではV字状の切り取り部6を形
成しなければならないため、円滑に開栓するには一定の
切り込み量が要請されるが、切り込み量の差が製品の開
封力に大きく影響する欠点があった。すなわち切り取り
部6を形成するキャップ面の薄肉部8の厚みの設定具合
により、引裂き片7を物理的に引きちぎる力が大きく異
なるものである。このことは所望の開封力を得るために
は切り取り部を形成する突起部分における金型の精度に
かなり厳格な精度が要求されることを意味し、通常1/
100mm程度の精度が格別要求される。この精度の要求
は多数個取りの金型(例えば8〜16個)で同質のもの
を得るには精度上一層厳しくなる。
成しなければならないため、円滑に開栓するには一定の
切り込み量が要請されるが、切り込み量の差が製品の開
封力に大きく影響する欠点があった。すなわち切り取り
部6を形成するキャップ面の薄肉部8の厚みの設定具合
により、引裂き片7を物理的に引きちぎる力が大きく異
なるものである。このことは所望の開封力を得るために
は切り取り部を形成する突起部分における金型の精度に
かなり厳格な精度が要求されることを意味し、通常1/
100mm程度の精度が格別要求される。この精度の要求
は多数個取りの金型(例えば8〜16個)で同質のもの
を得るには精度上一層厳しくなる。
また薄肉部8を成形するためには、他の部分に比してか
なり樹脂の流れをよくしなければならず、成形上高温・
高圧の条件が必要となるが、その条件の幅が非常に狭く
製造上コントロールが困難である場合が多い。しかし樹
脂の流れが悪くなると薄肉部にピンホールが発生し、密
閉性が損なわれる点で好ましくない。
なり樹脂の流れをよくしなければならず、成形上高温・
高圧の条件が必要となるが、その条件の幅が非常に狭く
製造上コントロールが困難である場合が多い。しかし樹
脂の流れが悪くなると薄肉部にピンホールが発生し、密
閉性が損なわれる点で好ましくない。
この点切り取り部6において引裂き片7を容易に引きち
ぎり得るような材料や樹脂の流れがよい材料をキャップ
本体の材料として採用することも考えられるが、加熱殺
菌処理等の耐熱性の点で好ましくなく、材質上両立し難
い。
ぎり得るような材料や樹脂の流れがよい材料をキャップ
本体の材料として採用することも考えられるが、加熱殺
菌処理等の耐熱性の点で好ましくなく、材質上両立し難
い。
また特開昭47−5339号に開示された金属製キャッ
プにプラスチック製の挿入部を係合する嵌着タイプのキ
ャップは、物理的に嵌め込まなければならないため、全
体が合成樹脂製である一体成形のキャップに比して作業
性に欠け量産性に劣る。また嵌め込みタイプなのでシー
ル性に乏しく、かりにシール性を上げようとすると寸法
精度が格別要求される点で好ましくない。
プにプラスチック製の挿入部を係合する嵌着タイプのキ
ャップは、物理的に嵌め込まなければならないため、全
体が合成樹脂製である一体成形のキャップに比して作業
性に欠け量産性に劣る。また嵌め込みタイプなのでシー
ル性に乏しく、かりにシール性を上げようとすると寸法
精度が格別要求される点で好ましくない。
この考案の目的は従来のような薄肉部を形成せざるを得
ないV字状の切り取り部をなくし、金型に格別の精度を
要求せずに製造することができ、また円滑に開栓するこ
とができ、しかも耐熱性の点でも問題がなく、シール性
の点でもきわめてすぐれた量産性に富んだ一体成形物か
らなる合成樹脂製のキャップを提供する点にある。
ないV字状の切り取り部をなくし、金型に格別の精度を
要求せずに製造することができ、また円滑に開栓するこ
とができ、しかも耐熱性の点でも問題がなく、シール性
の点でもきわめてすぐれた量産性に富んだ一体成形物か
らなる合成樹脂製のキャップを提供する点にある。
[課題を解決するための手段] 上記の問題点を解決するためこの考案は、切り取り部に
沿って引きちぎり、開口部をキャップ本体に形成する引
裂き片を有する一体成形物の合成樹脂製のキャップにお
いて、キャップ本体及び引裂き片をそれぞれ樹脂相互間
の接着強度(剥離強度)が相対的に低い異質の合成樹脂
素材で構成し、当該キャップ本体及び引裂き片を切り取
り部において二色成形などで成形一体化し、当該切り取
り部を樹脂相互間の界面剥離によって引きちぎる弱接合
部としたものである。
沿って引きちぎり、開口部をキャップ本体に形成する引
裂き片を有する一体成形物の合成樹脂製のキャップにお
いて、キャップ本体及び引裂き片をそれぞれ樹脂相互間
の接着強度(剥離強度)が相対的に低い異質の合成樹脂
素材で構成し、当該キャップ本体及び引裂き片を切り取
り部において二色成形などで成形一体化し、当該切り取
り部を樹脂相互間の界面剥離によって引きちぎる弱接合
部としたものである。
[作用] 従ってこの考案は相互間で接着強度(剥離強度)の低い
異質の合成樹脂素材でキャップ本体及び引裂き片を構成
しているので、切り取り部を従来の様な薄肉部で形成す
ることなく二色成形などによって等肉状態で成形一体化
することができる。従って従来技術の様に金型に格別の
精度を要求せずに製造することができ、また従来の様な
嵌着タイプでもないので作業性及び量産性に優れている
ほか、切り取り部自体は成形一体化されているので密閉
性がきわめて優れている。一方、開封は、弱い接着強度
(剥離強度)で成形一体化された弱接合部の切り取り部
において、その接着強度(剥離強度)に抗して界面剥離
させることで引きちぎることができるので、簡単かつ円
滑に開封することができる。要するに一体成形物の合成
樹脂のキャップにおいて、完全な密閉性を確保すると同
時に、界面剥離により開封し易いという作用も発揮する
従来にない合成樹脂製のキャップである。またキャップ
本体及び引裂き片を別個の素材で選定できるのでキャッ
プ本体に耐熱性のある樹脂を採用することができるので
好ましい。
異質の合成樹脂素材でキャップ本体及び引裂き片を構成
しているので、切り取り部を従来の様な薄肉部で形成す
ることなく二色成形などによって等肉状態で成形一体化
することができる。従って従来技術の様に金型に格別の
精度を要求せずに製造することができ、また従来の様な
嵌着タイプでもないので作業性及び量産性に優れている
ほか、切り取り部自体は成形一体化されているので密閉
性がきわめて優れている。一方、開封は、弱い接着強度
(剥離強度)で成形一体化された弱接合部の切り取り部
において、その接着強度(剥離強度)に抗して界面剥離
させることで引きちぎることができるので、簡単かつ円
滑に開封することができる。要するに一体成形物の合成
樹脂のキャップにおいて、完全な密閉性を確保すると同
時に、界面剥離により開封し易いという作用も発揮する
従来にない合成樹脂製のキャップである。またキャップ
本体及び引裂き片を別個の素材で選定できるのでキャッ
プ本体に耐熱性のある樹脂を採用することができるので
好ましい。
[実施例] 第1図はこの考案に係るキャップの一実施例を示す断面
図で1はキャップ本体、2は引裂き片、3は切り取り部
である。キャップ本体1の材質はこの実施例では耐熱性
が良好であるポリプロピレンPPを採用しており、引裂
き片2の材質としてはPPとの間で接着強度(剥離強
度)が相対的に低く、キャップ本体1から界面剥離しや
すいポリエチレンPEを用いている。
図で1はキャップ本体、2は引裂き片、3は切り取り部
である。キャップ本体1の材質はこの実施例では耐熱性
が良好であるポリプロピレンPPを採用しており、引裂
き片2の材質としてはPPとの間で接着強度(剥離強
度)が相対的に低く、キャップ本体1から界面剥離しや
すいポリエチレンPEを用いている。
キャップ本体1と引裂き片2とは2色成形等で接合一体
化しており、特にこの実施例では引裂き片2の周側縁部
4を下向き外側方向にむかってテーパ状としており、成
形時の熱収縮に基づく作用を利用して、構造的にキャッ
プ本体1と引裂き片2との一体化を強化している。なお
このテーパ構造を採用しなくとも差し支えない。
化しており、特にこの実施例では引裂き片2の周側縁部
4を下向き外側方向にむかってテーパ状としており、成
形時の熱収縮に基づく作用を利用して、構造的にキャッ
プ本体1と引裂き片2との一体化を強化している。なお
このテーパ構造を採用しなくとも差し支えない。
この実施例は上記の構成であるので、引裂き片2を一定
の剥離強度を越える力で切り取り部3に沿って界面剥離
させて引きちぎることができるものである。
の剥離強度を越える力で切り取り部3に沿って界面剥離
させて引きちぎることができるものである。
第2図は他実施例を示すもので、医療用の容器に用いる
キャップに適用して場合の態様を示している。なお5は
ゴム栓である。
キャップに適用して場合の態様を示している。なお5は
ゴム栓である。
ところで引裂き片2の材質としては他に例えば酢酸ビニ
ル重合体EVA等が採用できるが、好ましくは開封容易
化の見地から柔軟性にすぐれた材質がよい。またキャッ
プ本体1の材質は既述のPPのほか、ポリ塩化ビニルP
VC等が採用できる。キャップ本体1及び引裂き片2の
材質上の組み合わせとしては、PE−PP、PP−EV
A、PVC−PEが最適である。
ル重合体EVA等が採用できるが、好ましくは開封容易
化の見地から柔軟性にすぐれた材質がよい。またキャッ
プ本体1の材質は既述のPPのほか、ポリ塩化ビニルP
VC等が採用できる。キャップ本体1及び引裂き片2の
材質上の組み合わせとしては、PE−PP、PP−EV
A、PVC−PEが最適である。
次表はキャップ本体1と引裂き片2との材質の組み合わ
せにおける剥離強度と成形性との評価結果を示したもの
である。成形は2色成形で行い、まず引裂き片2を成形
した後次にキャップ本体1を接合一体化した。測定は島
津製作所製オートグラフ引張り試験器を使用した。
せにおける剥離強度と成形性との評価結果を示したもの
である。成形は2色成形で行い、まず引裂き片2を成形
した後次にキャップ本体1を接合一体化した。測定は島
津製作所製オートグラフ引張り試験器を使用した。
第1表から既述の通り、PE−PP、PP−EVA、P
VC−PEが最適であることが認められた。すなわち剥
離強度が6.5Kgを越えると剥離に過大な力を必要と
し、また剥離強度が1Kgより少ないと直ぐに外れてしま
うものである。従って1〜6.5Kgの範囲内の強度がよ
いが、特に3〜4Kg程度が好ましく、PE−PP、PP
−EVA、PVC−PEの組み合わせはこの範囲によく
一致している。
VC−PEが最適であることが認められた。すなわち剥
離強度が6.5Kgを越えると剥離に過大な力を必要と
し、また剥離強度が1Kgより少ないと直ぐに外れてしま
うものである。従って1〜6.5Kgの範囲内の強度がよ
いが、特に3〜4Kg程度が好ましく、PE−PP、PP
−EVA、PVC−PEの組み合わせはこの範囲によく
一致している。
[考案の効果] 以上の通りこの考案は従来のV字状に切り込むタイプの
キャップとは異なり、接着強度(剥離強度)を利用して
引裂き片をキャップ本体から界面剥離により引きちぎる
構成であるので、金型に切り取り部を形成する突起部分
を形成する必要がなく、困って金型に格別の精度を要求
せずに製造することができるので、特に多数個取りの型
を使用しても開封強度が均質で密閉性がきわめて大きい
製品を大量に製造できる効果がある。また素材の組み合
わせを適宜選定することができるので耐熱性を有しかつ
開栓が容易に円滑にできるキャップとすることもでき、
実用性にきわめて優れている。
キャップとは異なり、接着強度(剥離強度)を利用して
引裂き片をキャップ本体から界面剥離により引きちぎる
構成であるので、金型に切り取り部を形成する突起部分
を形成する必要がなく、困って金型に格別の精度を要求
せずに製造することができるので、特に多数個取りの型
を使用しても開封強度が均質で密閉性がきわめて大きい
製品を大量に製造できる効果がある。また素材の組み合
わせを適宜選定することができるので耐熱性を有しかつ
開栓が容易に円滑にできるキャップとすることもでき、
実用性にきわめて優れている。
第1図はこの考案に係るキャップの一実施例を示す断面
図、第2図は他実施例を示す断面図、第3図は従来例を
示す断面図である。 1…キャップ本体、2…引裂き片 3…切り取り部
図、第2図は他実施例を示す断面図、第3図は従来例を
示す断面図である。 1…キャップ本体、2…引裂き片 3…切り取り部
Claims (1)
- 【請求項1】切り取り部に沿って引きちぎり、開口部を
キャップ本体に形成する引裂き片を有する一体成形物の
合成樹脂製のキャップにおいて、キャップ本体及び引裂
き片をそれぞれ樹脂相互間の接着強度が相対的に低い異
質の合成樹脂素材で構成し、当該キャップ本体及び引裂
き片を切り取り部において成形一体化し、当該切り取り
部を樹脂相互間の界面剥離によって引きちぎる弱接合部
としたことを特徴とする合成樹脂製のキャップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987032553U JPH062915Y2 (ja) | 1987-03-04 | 1987-03-04 | 合成樹脂製のキャップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987032553U JPH062915Y2 (ja) | 1987-03-04 | 1987-03-04 | 合成樹脂製のキャップ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63141171U JPS63141171U (ja) | 1988-09-16 |
JPH062915Y2 true JPH062915Y2 (ja) | 1994-01-26 |
Family
ID=30839339
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1987032553U Expired - Lifetime JPH062915Y2 (ja) | 1987-03-04 | 1987-03-04 | 合成樹脂製のキャップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH062915Y2 (ja) |
-
1987
- 1987-03-04 JP JP1987032553U patent/JPH062915Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63141171U (ja) | 1988-09-16 |
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