JPH09124057A - 飲料用容器の蓋体及びその製造方法 - Google Patents

飲料用容器の蓋体及びその製造方法

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JPH09124057A
JPH09124057A JP7285229A JP28522995A JPH09124057A JP H09124057 A JPH09124057 A JP H09124057A JP 7285229 A JP7285229 A JP 7285229A JP 28522995 A JP28522995 A JP 28522995A JP H09124057 A JPH09124057 A JP H09124057A
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lid
opening
cap
mold
gas barrier
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Oruson Paa
オルソン パー
Motsuku Erumaa
モック エルマ−
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス遮断性に優れ、容易に開封が行なえ、高
級感があり、開封後も容易に密封することができ、飲料
の無菌充填に好適な飲料用容器の熱可塑性樹脂製蓋体及
びその簡易な製造法の提供。 【解決手段】 飲み口用の開口11を設けた蓋本体10
と、開口11を密封するキャップ部21とキャップ部2
1に連結したプルタブ部22とを有するプルキャップ2
0とを具備する。開口11の周縁部14とキャップ部2
1間には隙間があり、キャップ部21の上部外周部に周
縁部14と嵌合し得る突出部24が設けられ、蓋体1の
下面がガス遮断性フィルム23で被覆されている。蓋体
1はフィルム23を射出成形機の金型にインサートし、
上記樹脂を射出した後、成形体を温い内に金型から取り
出し、成形体の外周縁部15を熱成形して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲料用容器の蓋体
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、筒状の容器の上端開口部を蓋体で
覆って封止する構造の飲料用容器が使用されている。こ
の種の飲料用容器は、その内部を滅菌して無菌状態とし
た後に飲料が充填される。
【0003】従来この種の蓋体しては、以下のような構
造のものがあった。
【0004】アルミ箔等の表面にPET(ポリエチレ
ンテレフタレート)延伸フィルムをラミネートし、かつ
容器と接触する側の面にイージーピール層を設けたシー
トからなるいわゆるピーラブルシールタイプ(以下、メ
ンブレンタイプという。)の蓋体。この蓋体はこれを筒
状の容器の上端開口部を塞ぐように取り付けられて加熱
溶着される。
【0005】容器の上端開口部をシート等で覆い、該
シート等の中に飲み口となる開口を設け、該開口をイー
ジーピール層を備えたPET/アルミ箔フィルムの小片
からなるプルタブで塞いでなる蓋体。
【0006】アルミ箔を絞り成形することによって形
成される蓋体。
【0007】アルミ箔にPE(ポリエチレン)等をコ
ートしたものを予め金型内にインサートし、射出成形に
よって該アルミ箔中に所定の開封手段を有する蓋体を成
形するいわゆるインサート射出成形技術によって製造さ
れる蓋体。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の蓋体にあっては、以下のような問題点があった。
【0009】(1)前記のようなメンブレンタイプの
蓋体では、製品輸送中の荷扱いに耐えるために、蓋体と
容器とのシール強度を強くしておかなければならない反
面、蓋体を容器から取り外すときの開封強度を過度に弱
くしておかなければならないという面があり、両者のバ
ランスをとることが困難である。
【0010】又、容器から蓋体を取り外したときの開口
が大きくなりすぎるので、例えば、歩行しながら容器内
の飲料を飲むような場合、該飲料をこぼしてしまうなど
の不便さがあった。
【0011】(2)前記のようにブルタブを取り付け
てなる蓋体の場合は、上記(1)の問題点は解決される
ものの、ブルタブをメンブレンタイプのシートで構成し
ているので、該蓋体に対して高級感のない、いわゆる安
っぽい印象を与えてしまう。 (3)前記のアルミ箔を絞り成形したものは、コスト
の高いものとなってしまう。
【0012】(4)前記の方法によるものは、ガス遮
断性を有するものの、アルミ箔へのPEのコートが複雑
で、それらは剥離し易いという問題がある。
【0013】(5)上記従来の蓋体は、開封後に飲料容
器から取り外されるものが殆どであって、その処分に問
題があり、又、容器から取り外されないとしても、開封
後その蓋体で開口部を密封することができるものは無い
という状況である。
【0014】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、製品輸送中の荷扱いに耐え、開封は
容易に行なえ、ガス遮断性に優れ、しかも高級感があ
り、開封後もその蓋体で開口部を密封することができ、
更に飲料の無菌充填に好適な飲料用容器の蓋体を提供す
ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであり、(1)筒状の容器の
上部開口部を覆う形状に成形され、その内部に飲み口と
なる開口を設けた蓋本体と、該開口を密封するように取
り付けたキャップ部と該キャップ部に連結したプルタブ
部とを有するプルキャップとを具備する飲料用容器の熱
可塑性樹脂製蓋体において、上記開口の周縁部と上記キ
ャップ部との間に隙間を有し、上記キャップ部の上部外
周部に上記開口の周縁部と嵌合する突出部が設けられ、
かつ上記蓋体の下面がガス遮断性フィルムで被覆されて
いることからなる飲料用容器の熱可塑性樹脂製蓋体、並
びに(2)ガス遮断性フィルムを射出成形装置の金型の
キャビティにインサートし、該キャビティに熱可塑性樹
脂を射出して上記蓋体の略成形体を成形し、該略成形体
が未だ温い内に型開きを行って該金型から該略成形体を
取り出した後、該略成形体の周縁部を熱成形することか
らなる上記(1)の蓋体の製造方法を要旨とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面により詳細に
説明する。
【0017】図1は、本発明の一実施例にかかる蓋体を
飲料用容器の上部開口部に取り付けた際の分解斜視図で
ある。
【0018】図示するように、筒状の容器40の上部開
口部41に、その内部に飲み口となる開口11を設けた
蓋本体10とその開口11を密封するように取付けたキ
ャップ部21とキャップ部21に連結したプルタブ部2
2とを有するプルキャップ20とからなる蓋体1が、容
器40の上端辺42と蓋体1のフランジ12とが嵌合し
て覆うように構成されている。
【0019】又、蓋体1は、その側面図である図2及び
図1のA−A線で切断して、矢印方向に見た拡大図であ
る図3に示すように、開口11の周縁部14とキャップ
部21との間には隙間25がある。周縁部14はどのよ
うな形状でも良いが、特に容器40の方向に広がった断
面形状、すなわち図示するように、その上部が尖った3
角形状とするのが望ましい。
【0020】更に、キャップ部21の上部外周部には、
開口11の周縁部14と嵌合するための突出部24が設
けられている。
【0021】そして、蓋体1の下面が、ガス遮断性(特
に、酸素に対する遮断性)を有するフィルム23で被覆
されている。
【0022】図1においては、開口11は扇形をしてい
るが、その形状は扇形に限定されるものではなく任意で
ある。従って、プルキャップ20のキャップ部21の形
状も、それに応じて変化することは言うまでもない。
【0023】本発明の蓋体1において、プルキャップ2
0は、そのキャップ部21が開口11に挿入され、キャ
ップ部21の突出部24と開口11の周縁部14とが嵌
口される構造になっているが、これは容器1を開封した
後に、開口11を密封する際に機能する。
【0024】すなわち、容器40の開封後、内容物であ
る飲料を飲んでいる途中、或いは飲料を飲み終った後
に、プルキャップ20のキャップ部21を開口11に挿
入して、突出部24を開口11の周縁部14に嵌合せし
めて、開口11を密封するものである。
【0025】蓋体1は、熱可塑性樹脂からなるが、該熱
可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)、ポリアミド(PA)、ポリスチレン(P
S)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂(EVA)、アクリロニトリル−スチレン
共重合樹脂(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン共重合樹脂(ABS)、メタクリル樹脂(PM
A)、ポリカーボネート(PC)、アイオノマー、環状
オレフィン−α−オレフィン共重合樹脂等が使用し得る
が、これらの中でも、特にポリオレフィンが好適であ
る。
【0026】ポリオレフィンとしては、ポリエチレン
(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、線状低密度ポリエチレン等)(PE)、ポ
リプロピレン(ホモポリプロピレン、エチレン−プロピ
レンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック
共重合体等)(PP)、ポリブデン−1、ポリヘキセン
−1、ポリメチルペンテン−1等を挙げることができ
る。これらは、一種に限らず、二種以上用いることがで
きる。
【0027】上記のポリオレフィンの中でも、特に、P
E、PP又はそれらの混合物が望ましい。
【0028】又、蓋体1の一部を構成するガス遮断性フ
ィルム23は、ガス(特に、酸素)を遮断する性質を有
する材料である必要がある。該材料としては、エチレン
−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビ
ニリデン等が挙げられるが、特にEVOHが望ましい。
ガス遮断性フィルム23は、上記材料からなるフィルム
単独を用いても良く、他の材料、例えば上記熱可塑性樹
脂との二層又はそれ以上の積層体を用いても良い。
【0029】特に、ガス遮断性フィルム23を積層体と
し、該積層体の蓋体1の下面と接する層が、蓋体1と同
質の熱可塑性樹脂からなる層となる構成にすると、本発
明の蓋体1を製造する際に、その下面と容易に融着する
ことができ、有利である。その具体例として、PP/E
VOH/PPの積層からなるフィルムが挙げられる。
又、これらの樹脂層間に接着層を設けること等は自由で
ある。
【0030】ガス遮断性フィルム23の厚さは、飲料が
飲料用容器に充填され、該容器が開封される迄の期間、
ガスを遮断できる最小の厚さ以上であれば良く、従っ
て、飲料の種類や該容器の取扱い等によって任意に設定
されるものであって、一概に規定されるものではない。
【0031】上記構成からなる本発明の蓋体1は、容器
40中に飲料が充填された後、蓋本体10のフランジ1
2が、容器40の上端辺42に封止するように嵌合、取
り付けられる。この後、この容器40は通常滅菌処理が
施される。
【0032】容器40に充填された飲料を飲むときは、
プルキャップ20のキャップ部21を上方に持ち上げれ
ば良い。これは前記のように、ガス遮断性フィルム23
を構成している積層体の蓋体1側の層が、望ましい態様
である蓋体1と同質の材料、例えば双方共にポリプロピ
レンからなっていると、接合が強力に行われるために、
例えば両者の接合面で剥離が生じて、ガス遮断性フィル
ム23のみが開口11を覆ったまま残留してしまうよう
なおそれがないからである。
【0033】すなわち、ガス遮断性フィルム23が周縁
部14に沿った部分で確実に破断され、開口11が形成
・開放される。なお、プルタブ20を押し下げた場合、
ガス遮断性フィルム23は周縁部14に沿った僅かの部
分のみに引っ張り応力が生じ、これによって開封を行っ
ても飲料を飲むことができる。
【0034】この開口11は、前記の通り、飲料を飲ん
でいる途中や飲み終った後に、プルキャップ20のキャ
ップ部21を開口11に挿入して、突出部24と周縁部
14を嵌合させて封止される。
【0035】次に、上記蓋体1の製造法の一具体例を説
明する。
【0036】まず、予めガス遮断性フィルム23を準備
する。このフィルム23を射出成形装置の金型のキャビ
ティにインサートする。次いで、該キャビティに射出成
形機から蓋体となる熱可塑性樹脂を溶融、射出して、そ
の側面が図4に示す形状のフィルム23が融着して一体
となった成形体(略成形体)を成形する。
【0037】金型を冷却して、該略成形体が未だ温い内
に、金型の型開きを行って、該略成形体を金型から取り
出す。この際、該略成形体が温い内に金型から取り出す
ことが重要であり、該略成形体が固化してからでは、プ
ルキャップ20のプルタブ部22となる部分の金型から
の取り出しが非常に困難となり、作業性が大幅に低下す
る。
【0038】射出成形装置から取り出された図4に示す
上記略成形体は、次いでその外周縁部15を熱成形し
て、図2に示すフランジ12を持つ本発明の蓋体1とす
る。
【0039】又、本発明は、図5に示すように、長尺の
ガス遮断性フィルム23を用いることにより、上記略成
形体を連続して製造することができる。このような、連
続成形法を採ることによって、蓋体製造の作業性を大幅
に向上することができる。
【0040】
【発明の効果】上記構成を採る本発明は、以下の優れた
効果を奏する。
【0041】製品輸送中の荷扱いに耐える強度を有す
ると共にガス遮断性に優れ、しかも、ガス遮断性フィル
ムが内層となっていることから、該フィルムを薄くする
ことができ、容器の開封に要する該フィルムの破断、剥
離は小さい力で済むことができる。
【0042】飲料を飲むことを途中で中断した場合で
も、取り外したプルキャップで開口部を塞ぐことがで
き、残った飲料の保存や容器の持ち運びが容易となる。
【0043】飲料を飲み終えて、容器を廃棄する場合
も、取り外したプルキャップを開口に挿入、嵌合するこ
とにより、容器と一体として処分することができる。
【0044】見た目に高級感があり、又飲料充填後の
容器の滅菌が容易である。
【0045】蓋本体の射出成形と同時に、ガス遮断性
フィルムと一体成形することができ、成形した蓋本体と
ガス遮断性フィルムとを熱融着する製造法に比べ、蓋体
の製造コストを大幅に減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の飲料用容器の蓋体1の分解斜視図であ
る。
【図2】蓋体1の側面図である。
【図3】蓋体1の部分切断拡大図(図1のA−A線切
断)である。
【図4】本発明の方法の前段で得られる成形体の側面図
である。
【図5】本発明の方法の前段を連続して行った場合の成
形体の側面図である。
【符号の説明】
1 蓋体 10 蓋本体 11 開口 12 フランジ 13 蓋本体上面 14 開口周縁部 15 外周縁部 20 プルキャップ 21 キャップ部 22 プルタブ部 23 ガス遮断性フィルム 24 突出部 25 隙間 40 容器 41 上部開口部 42 上端辺

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の容器の上部開口部を覆う形状に成
    形され、その内部に飲み口となる開口を設けた蓋本体
    と、該開口を密封するように取り付けたキャップ部と該
    キャップ部に連結したプルタブ部とを有するプルキャッ
    プとを具備する飲料用容器の熱可塑性樹脂製蓋体におい
    て、 上記開口の周縁部と上記キャップ部との間に隙間を有
    し、上記キャップ部の上部外周部に上記開口の周縁部と
    嵌合する突出部が設けられ、かつ上記蓋体の下面がガス
    遮断性フィルムで被覆されていることからなる飲料用容
    器の熱可塑性樹脂製蓋体。
  2. 【請求項2】 上記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィンで
    ある請求項1に記載の蓋体。
  3. 【請求項3】 上記ガス遮断性フィルムが、少なくとも
    エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層を有す
    る積層体である請求項1又は2に記載の蓋体。
  4. 【請求項4】 上記積層体の上記蓋体側の層が、上記蓋
    体と同質の熱可塑性樹脂からなるものである請求項3に
    記載の蓋体。
  5. 【請求項5】 ガス遮断性フィルムを射出成形装置の金
    型のキャビティにインサートし、該キャビティに熱可塑
    性樹脂を射出して上記蓋体の略成形体を成形し、該略成
    形体が未だ温い内に型開きを行って該金型から該略成形
    体を取り出した後、該略成形体の周縁部を熱成形するこ
    とからなる請求項1に記載の蓋体の製造方法。
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