JPH0629100Y2

JPH0629100Y2 - シートアジャスタ

Info

Publication number: JPH0629100Y2
Application number: JP10142288U
Authority: JP
Inventors: 晴志朗斉藤
Original assignee: Tachi S Co Ltd
Current assignee: Tachi S Co Ltd
Priority date: 1988-07-30
Filing date: 1988-07-30
Publication date: 1994-08-10
Anticipated expiration: 2003-07-30
Also published as: JPH0223228U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は自動車用シートにおけるシートの前後位置を調
節するためのシートアジャスタ、詳しくは、シート側の
アッパーレールと車床側のロアレールとからなり、その
アッパーレールにシートベルトを装着して、衝突等の緊
急時において、ロアレールからのアッパーレールの離脱
を防止する自動車用シートにおけるシートアジャスタに
関する。

（従来技術）従来のこの種シートアジャスタには、車床側に固定され
るロアレールに、シート側のアッパーレールを摺動自在
に装着し、該アッパーレールに設けたロック歯がロアレ
ールの係合孔内に係合してアッパーレールを所望の前後
位置に固定する前後ロック装置と、アッパーレールに加
わる衝撃荷重によって、アッパーレールに設けたロック
プレートの一部が前記ロアレールの上部に延設した逆Ｕ
字状屈曲部に係合する上下ロック装置を有するものが開
示されている。

（考案が解決しようとする課題）以上の従来品にあっては前後ロック装置と上下ロック装
置とが夫々別個にアッパーレール、ロアレールに取付け
られている。従って、特にアッパーレールには前記前後
ロック装置、上下ロック装置の主構成部品を溶接等で固
定するため、各部品の取付に所定の精度が必要であり、
生産性が頗る悪い不具合がある。

そこで、本考案は斯る不具合を除去すると同時に、自動
車の衝突時におけるアッパーレールに加わる衝撃荷重に
対するアッパーレールのロック状態をより完全にするこ
とを目的とするものである。

（課題を解決するための手段）以上の目的を達成するための本考案に係るシートアジャ
スタは、前記従来品における上下ロック装置のロックプ
レートの前方且つロアレールの底面に近接してロック補
強プレートを一体に設け、該ロック補強プレートに、ロ
アレールの底面に設けた係止孔に挿入したロック歯が係
合するロック孔を設けてなることを特徴とするものであ
る。

（作用）衝突時の緊急時に、着座者を前方に飛出させようとする
慣性力が生じるため、シートベルトを介してアッパーレ
ールの前端に下方への圧縮力、アッパーレールの後端に
上方への引張力とが作用する。この場合に、アッパーレ
ールと一体のロック補強プレートは前記圧縮力によって
ロアレールに対して面接触してロアレール全体に荷重を
分散させる。一方、ロックプレートには、ロック歯に噛
合されているロック補強プレートが一体に形成されてい
るため、前記引張力の一部はロック補強プレートを介し
てロアレールで負担する。そのため、衝突時などの衝撃
荷重に対するロック強度が向上する。

（実施例）以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案に係るシートアジャスタの後部を分解し
て示し、図中(1)はシートクッション側に固定するアッ
パーレールで、この図示するアッパーレール(1)はシー
トクッションのシートフレームと兼用するものであり、
右側板(11)と左側板(12)の上部を接合して一体に溶接し
てブラケット部(11)(12)を形成し、その両下部には外方
に膨出状に折曲するスライド部(13)(14)を形成してい
る。そして、前記ブラケット部(11)(12)の後部側には取
付孔(15)が開孔されており、この取付孔(15)に第２図に
示すようにシートベルト（不図示）のアンカー(16)が軸
着される。

また、スライド部(13)(14)の後部側上部には多数の通孔
(13a)・・・が定間隔あけて開穿されている。そして前
記左側板(11)の上部には取付片(51)(51)によって前後ロ
ック装置を構成する操作レバー(5)が回動自在に軸着さ
れ、該操作レバー(5)に、先端にロック歯(61)を有する
ロック片(6)が溶接にされる。

図中(2)は車床側に固定されるロアレールであり、この
ロアレール(2)は開口部を上向きにしたコ字状に形成し
て、前記スライド部(13)(14)を内部に嵌挿するようにす
ると共に、左右の上端部に夫々内側に端末を下向きにし
た逆Ｕ字状に延設した屈曲部(21)(22)を設け、この屈曲
部の後部側両縁には多数の係止溝(22a)・・・が設けて
ある。また、このロアレール(2)の前側底面に多数の係
止孔(23)(23)・・・が定間隔あけて開孔されている。

図中(3)は上下ロック装置を構成するロックプレート
で、このロックプレート(3)は、その上向きの左右両端
縁には前記アッパーレール(1)のスライド部(13)(14)に
設けた通孔(13a)から上方に突出して、アッパーレール
(1)に上向きの衝撃荷重が加わった場合に、前記ロアレ
ール(2)の係止溝(22a)に係合する多数の係止爪(31)が一
体に突設されている。そして、このロックプレート(3)
はアッパーレール(1)のスライド部(13)(14)の上部内面
に溶接によって固定される。

以上のロックプレート(3)の前方には、前後ロック装置
を構成するロック補強プレート(4)が一体に形成されて
いる。

このロック補強プレート(4)には、アッパーレール(1)の
摺動方向に多数のロック孔(41)・・・が、前記ロアレー
ル(2)の係止孔(23)・・・と同一の間隔で開孔して、こ
のロック孔(41)・・・と係止孔(23)・・・とが上下方向
に連通するようになっている。

そして、このロック補強プレート(4)はロアレール(2)の
底面に近接して配設する。

従って、以上の前後ロック装置は操作レバー(5)、ロッ
ク歯(61)付きのロック片(6)、ロアレール(2)に設けた係
止孔(23)・・・、ロック補強プレート(4)のロック孔(4
1)・・・から構成されている。また、上下ロック装置
は、係止爪(31)・・・付きのロックプレート(3)と、ロ
アレール(2)に設けた屈曲部(21)(22)と、その屈曲部(2
1)(22)の係止溝(22a)などから構成されている。

第２図は、ロアレール(2)をアッパーレール(1)に組付け
る前の状態を示し、シートフレーム(A)と一体の左右の
アッパーレール(1)(1)におけるスライド部(13)(14)の後
部側にはロックプレート(3)の係止爪(31)・・・が上方
に突出し、シートベルトのアンカー(16)を装着したアッ
パーレール(1)の内側に位置するブラケット部(12)には
前後ロック装置の操作レバー(5)と、この操作レバー(5)
と一体のロック片(6)が設けてあり、ロック片(6)のロッ
ク歯(61)はロアレール(2)の底面に設けた係止孔(23)・
・・に係合するようにばね（不図示）で付勢されてい
る。

第３図は、本考案に係るシートアジャスタを備えた自動
車用シートのフレーム構造体を示し、図中(B)はシート
バックのバックフレームを示し、該バックフレーム(B)
はリクライニング装置によってシートフレーム(A)側
に、前後方向に回動自在に取付けられている。

第４図は前後ロック装置の断面図で、前後ロック装置を
構成するロック片(6)におけるロック歯(61)が、ロアレ
ール(2)の係止孔(23)と、ロック補強プレート(4)のロッ
ク孔(41)とに挿通して係止しアッパーレール(1)を所定
位置に固定している。そして、操作レバー(5)を回動操
作すると、操作レバー(5)と一体のロック片(6)が矢印方
向に回動するため、ロック歯(61)が係止孔(23)、ロック
片(41)から脱出してロック状態が解除されるため、前後
方向に摺動自在となる。

第５図は上下ロック装置を示し、図示する状態は衝撃荷
重が加わる前の状態で、ロックプレート(3)の係止爪(3
1)・・・とロアレール(2)に設けた屈曲部(21)(22)及び
係止溝(22a)・・・との間には、少許の間隔があけられ
ている。しかし、シートベルトのアンカー(16)を介し
て、アッパーレール(1)に衝突時の衝撃荷重が加わる
と、係止爪(31)と屈曲部(21)が接合して係止爪(31)が係
止溝(22a)に噛合する。また、係止爪(31)のロックプレ
ート(3)には前後ロック装置のロック補強プレート(4)が
一体に形成され、このロック補強プレート(4)はロック
歯(61)によって前後方向の移動が規制されている。その
ため、アッパーレール(1)のロアレール(2)からの剥離を
防止することができる。

（効果）本考案によれば、上下ロック装置のロックプレートと、
前後ロック装置のロック補強プレートとが一体であるの
で、前後ロック装置及び上下ロック装置のロック強度が
向上する。また、ロックプレートをアッパーレール側に
固定することにより、ロック補強プレートが所定位置に
位置定めされて固定される。そのため、このロック補強
プレートに対する前後ロック装置の取付けを的確に行な
うことができるし、部品点数が減少し、低原価で提供で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るシートアジャスタの部分切欠分解
斜視図、第２図はロアレールを装着する前の状態の斜視
図、第３図は組付状態の斜視図、第４図は第３図におけ
るIV−IV線断面図、第５図は同Ｖ−Ｖ線断面図である。図中(1)はアッパーレール、(2)はロアレール、(3)はロ
ックプレート、(4)はロック補強プレートを夫々示す。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】車床側に固定し、開口部を上向きに形成し
たコ字状で、開口部に沿って端末を下向きに逆コ字状に
延設した屈曲部を有するロアレール、このロアレールに前後方向に摺動自在に装着し、後部に
シートベルトのアンカーを取付けると共にシート側に固
定するアッパーレール、このアッパーレール側に設けたロック歯がロアレールの
底面に設けた係止孔内に挿入することにより、アッパー
レールの前後位置を固定する前後ロック装置、前記アッパーレールの後部側にロックプレートを一体に
設けてアッパーレールに加わる衝撃荷重によってロック
プレートの一部が前記ロアレールの屈曲部に係合する上
下ロック装置、とを有するシートアジャスタにおいて、前記ロックプレートの前方且つロアレールの底面に近接
してロック補強プレートを一体に設け、該ロック補強プ
レートに前記ロアレールの係止孔に挿入したロック歯が
係合する孔を設けてなることを特徴とするシートアジャ
スタ。