JP3635698B2 - 自動車のシートスライドロック構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は自動車のシートスライドロック構造、特に車室後部に前後複数列にシートが設けられた自動車のシートスライドロック構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車室前部に運転席及び助手席を左右に配設する一方、車室後部に前後複数列にわたってシートを配設することにより、最大乗員数を多くした所謂ワンボックスカーと称される自動車が実用化されている(特開昭63−173736号公報、実開昭63−179247号公報、特開平2−81738号公報等参照)。
【0003】
この種の自動車においては、複数列の後部シートを前後に移動可能として、各シートを全て着座可能とすることにより上記のように最大乗員数を多くしたり、これらのシートを前席の直後方或は車室の最後部に収納して車室内に大きな積み荷用空間を形成したりすることができるようになっている。
【0004】
その場合に、本願出願人の先願(特願平6−45333号)に示すように、前後2列の後部シートを共通のガイドレール上に配置し、これらの後部シートをこのガイドレールに沿って前後に移動させるように構成することが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように前後2列の後部シートを共通のガイドレール上に配置すると共に、各後部シートを少なくとも着座可能な位置及び前後の収納位置にセット可能とする場合、上記ガイドレールの前部には、少なくとも前側の後部シートを着座位置で固定する固定部と、前側及び後側の後部シートを前方の収納位置で固定する固定部とを設け、また、該ガイドレールの後部には、少なくとも後側の後部シートを着座位置で固定する固定部と、前側及び後側の後部シートを後方の収納位置で固定する固定部とを設けなければならないことになる。
【0006】
そして、これらの固定部には、シート側に設けられた係合部材が係合される係合部がガイドレールに設けられることになるが、その場合に、次のような不具合の発生が考えられる。
【0007】
つまり、このような係合部材と係合部とにより上記の各固定部でシートを固定するようにした場合、例えば後側のシートの前方の収納位置で前側のシートを固定することも可能となり、この状態でそのシートに乗員が着座することも起こり得る。その場合に、前側のシートの着座位置には、そのシートに着座した乗員に装着可能なようにシートベルトが備えられるが、このシートベルトは後側のシートの前方の収納位置まではカバーできず、したがって、この後側のシートの前方の収納位置に前側のシートが固定されて乗員が着座すると、その乗員に対してはシートベルトの装着が不可能となるのである。
【0008】
また、これとは逆に、前側のシートの後方の収納位置で後側のシートを固定することも可能となって、このシートに乗員が着座することも起こり得るが、この場合、前側のシートがその直前方に位置することになって、前側のシートに着座した乗員がシート位置調節として当該シートを後方にスライドさせた場合等に、後側のシートとの間隔が著しく狭くなって、この後側のシートに着座している乗員の足を挟み付ける等の恐れが生じるのである。なお、これらの不具合は前側と後側とが逆の場合にも同様に起こりうる。
【0009】
そこで、本発明は、共通のガイドレール上に配置された少なくとも前後2列の後部シートがそれぞれの着座位置や収納位置等において固定される場合において、一方のシートの特定の固定位置では他方のシートの固定を阻止して、その位置での当該他方のシートへの乗員の着座を回避することにより、上記のような不具合を未然に防止することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では次のような手段を用いる。
【0011】
まず、本願の請求項1に係る発明(以下、第1発明という)は、共通のガイドレール上に2つのシートが前後にスライド可能に配置された自動車のシートスライド装置のロック構造において、上記ガイドレールには、前側のシートを前側シートベルト適用範囲内において固定する第1の係合部と、後側のシートを後側シートベルト適用範囲内において固定する第2の係合部と、前側のシートを上記前側シートベルト適用範囲より後方において固定する第3の係合部と、後側のシートを上記後側シートベルト適用範囲より前方でかつ上記第3の係合部よりも前方において固定する第4の係合部とが備えられており、かつ、上記第3の係合部は、上記後側のシートの係合部材とは係合しない形状とされていることを特徴とする。
【0012】
なお、上記第1発明における第1の係合部は、実施例においては、係合部60Bの前方に位置する4つの係合部60C…60Cに相当し、第2の係合部は、係合部60Aの後方に位置する4つの係合部Cのうちの最後方の係合部Cを除く3つの係合部60C…60Cに相当し、第3の係合部は係合部60Aに相当し、第4の係合部は係合部60Bに相当する
【0013】
一方、請求項2に係る発明(以下、第2発明という)は、共通のガイドレール上に少なくとも2つのシートが前後にスライド可能に配置された自動車のシートスライド装置のロック構造において、第1のシートと第2のシートとにそれぞれ形状の異なる係合部材を設けると共に、上記ガイドレールには、上記第1のシートの係合部材とは係合し、第2のシートの係合部材とは係合しない第1の係合部と、上記第1のシートの係合部材とは係合せず、第2のシートの係合部材とは係合する第2の係合部とを設けたことを特徴とする
【0014】
そして、請求項3に係る発明(以下、第3発明という)は、上記第2発明において、第1,第2のシートの係合部材のうち、一方の係合部には、中央の幅の広い突起とその両側の幅の狭い突起とを設け、他方の係合部材には、中央の幅の狭い突起とその両側の幅の広い突起とを設けると共に、上記一方の係合部材とは係合し、他方の係合部材とは係合しないガイドレール側の係合部を、一方の係合部材における上記各突起の幅に対応させて、中央の幅の広い穴とその両側の幅の狭い穴とで構成し、かつ、上記他方の係合部材とは係合し、一方の係合部材とは係合しないガイドレール側の係合部を、他方のシートの係合部材における上記各突起の幅に対応させて、中央の幅の狭い穴とその両側の幅の広い穴とで構成したことを特徴とする
【0015】
なお、上記第2発明における第1、第2の係合部は、実施例においては、第1のシートが第2のシートの前方に位置している場合は係合部60A、60Bに相当し,第2のシートが第1のシートの前方に位置している場合は係合部60B、60Aに相当する
【0017】
【作用】
まず、第1発明によれば、第3の係合部は、前側のシートの係合部材のみが係合可能とされており、したがって、この位置で後側のシートが固定されて、前側のシートと所定間隔以下となることによる上記のような不具合が未然に回避されることになる。すなわち、前側のシートがガイドレールの前部に固定されている状態では、後側のシートをガイドレールの中央部に位置させることが可能となり、この位置で該後側のシートが固定されると、前側のシートの固定位置によっては、該前側シートと後側シートとの間隔が著しく狭くなる。そのため、特に前側のシートに着座した乗員がシート位置調節のために固定位置を後側へ移動させようとした場合等に、後側のシートに着座している乗員の足を挟み付ける恐れが生じるが、本第1発明によれば、第3の係合部は、前側のシートの係合部材のみが係合可能とされており、上記のような不具合が未然に回避されることになる
【0020】
一方、第発明によれば、ガイドレールに、第1のシートの係合部材とは係合し、第2のシートの係合部材とは係合しない第1の係合部と、上記第1のシートの係合部材とは係合せず、第2のシートの係合部材とは係合する第2の係合部とが設けられるので、例えば第2のシートのシートベルトの適用範囲外における第1のシートの収納位置で第2のシートが固定されたり、第1のシートが第2のシートの前方で固定される場合に、この第1のシートと所定間隔以下に近接する位置で後側の第2のシートが固定される、といった不具合が回避されることになる
【0021】
そして、第発明によれば、上記のようにガイドレールの所定位置で一方のシートを固定し、他方のシートの固定を阻止するためのシート側の係合部材及びガイドレール側の係合部をそれぞれ所定寸法の幅を有する複数の突起と穴とで構成したので、極めて簡素な構成で、上記第発明の作用が確実に得られることになる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0023】
図1に示すように、この実施例に係る自動車1は所謂ワンボックスカーであって、車室前部に前部シート2として運転席及び助手席が左右に配設されていると共に、車室後部には、ベンチ型の2つの後部シート(以下、単に「シート」と記す)10,20が前後に配置されている。
【0024】
これらのシート10,20は、いずれも、基台11,21上にシートクッション12,22を設置すると共に、その後部に前倒可能にシートバック13,23を取り付けた構成とされている。そして、上記基台11,21の左右両端部の下面には左右一対のスライドユニット14,14及び24,24が取り付けられていると共に、これらのスライドユニット14,14,24,24が、車室フロア3に前後方向に配設された左右一対のガイドレール4,4に前後スライド可能に係合され、これにより、前側のシート10及び後側のシート20が車室後部で前後に移動可能とされている。
【0025】
ここで、上記ガイドレール4,4は両シート10,20で共用され、1本のレール4の前後に前側のシート10のスライドユニット14と後側のシート20のスライドユニット24とが係合されている。
【0026】
そして、後に詳しく説明するが、これらのスライドユニット14,24には、ガイドレール4に設けられた係合穴に係合することによりシート10,20を所定位置で固定するための係合部材が設けられていると共に、図1に示す両シート10,20の着座位置では、車室内側面に取り付けられたシートベルト5,5が装着可能とされている。
【0027】
次に、図2〜図4により上記スライドユニット14,24の構成を説明する。なお、前側及び後側のシート10,20のスライドユニット14,24は同一の構成であるので、ここでは、前側のシート10のスライドユニット14について説明する。
【0028】
このスライドユニット14の本体30は、正面と上面とを有する前後一対のベースプレート31,32を、所定の間隔を隔てて端部を対向させた状態で、正面視で略T字状をなす上部連結部材33と、断面形状が上開きコ字状の下部連結部材34とで連結した構成とされている。
【0029】
そして、この本体30の前後両端部、即ち前側のベースプレート31の前端部と後側のベースプレート32の後端部とには、左右一対の主ローラ35,35及び36,36が取り付けられており、また、後方の主ローラ36,36の後方には同じく左右一対の補助ローラ37,37が取り付けられている。
【0030】
さらに、前方の主ローラ35,35の後方及び後方の主ローラ36,36の前方には、上下方向の軸心回りに回転する横ガイドローラ38,38及び39,39が取り付けられており、さらに、上記下部連結部材34の前部及び後部には、該連結部材34の上開きコ字状断面を取り囲むように同じく上開きコ字状断面とされた合成樹脂製の摺動部材40,41がそれぞれネジ42,43を用いて取り付けられている(図7参照)。
【0031】
一方、図5〜図7に示すように、上記ガイドレール4は、断面形状が底面4aと両側面4b,4bとで上開きのコ字状とされ、かつ、両側面4b,4bの上端に内向きに折曲されたフランジ面4c,4cをそれぞれ設けると共に、さらにこれらのフランジ4c,4cの先端に下方への折曲部4d,4dを設けた構成とされている。そして、上記スライドユニット14の本体30の下部がこのガイドレール4に係合され、上記主ローラ35,35,36,36が該レール4の底面4a上に設置されて、スライドユニット14ないしシート10の全体を前後にスライド可能に支持するようになっている(図5参照)。
【0032】
また、上記横ガイドローラ38,38,39,39は、ガイドレール4の両側面4b,4bの内側に転接して、スライドユニット14ないしシート10の横方向の移動を規制し(図6参照)、さらに、摺動部材40,41は、上面が上記フランジ面4c,4cの下面に近接もしくは摺接してスライドユニット14ないしシート10の上下動を規制するようになっている(図7参照)。
【0033】
さらに、図2〜図4及び図8に示すように、上記本体30の中央部における両ベースプレート31,32の対向端部間には、下端部に下向きの3つの係合突起51,52,53を有し、かつ上部に上方へ延びるガイド用突起54が設けられた係合部材50が配置されていると共に、この係合部材50の下部及び上記ガイド用突起54が、上記下部連結部材34及び上部連結部材33にそれぞれ取り付けられたいずれも合成樹脂製の下部ガイド部材55及び上部ガイド部材56に嵌合され、これにより、該係合部材50が本体30の中央部で、上下に移動可能に支持されている。
【0034】
そして、図4に示す係合部材50の下方の位置では、上記係合突起51,52,53が、ガイドレール4の底面4aに設けられて係合部60を構成する3つ1組の係合穴61,62,63にそれぞれ突入することにより、該係合部材50を介してスライドユニット14ないしシート10の前後動が阻止され、その位置でシート10が固定されるようになっている。
【0035】
また、スライドユニット14の本体30における前側のベースプレート31には、操作レバー64の中央部がピン65を介して揺動可能に取り付けられていると共に、該レバー64の一端はピン66を介して上記係合部材50に連結されている。この操作レバー64は、その中央部と後側のベースプレート32に固着されたブラケット67との間に装着されたスプリング68によりX方向に付勢され、このとき、係合部材50が上記ピン66を介して下方に付勢されるようになっている。
【0036】
そして、該レバー64の他端は操作部とされ、該操作部に乗員の操作による力が下向きに加えられたときに、該レバー64が上記スプリング68の付勢力に抗して反X方向に揺動することにより係合部材50が上方に移動され、このとき、該係合部材50の係合突起51〜53がガイドレール4の底面4aの係合穴61〜63から上方に離脱することにより、スライドユニット14ないしシート10が前後に移動可能となるようになっている。
【0037】
ここで、図9及び図10に示すように、前側のシート10のスライドユニット14における係合部材50Aと、後側のシート20のスライドユニット24における係合部材50Bとは下端部の係合突起51A〜53A,51B〜3Bの幅が相違しており、ガイドレール4の所定位置に設けられた係合部60においては、該係合部60を構成する3つ1組の係合穴61〜63に一方のシートの係合部材における係合突起は係合するが、他方のシートの係合部材における係合突起は係合しないようになっている。
【0038】
つまり、前側のシート10の係合部材50Aにおける3つの係合突起51A,52A,53Aの幅をA1,A2,A3とし、後側の係合部材50Bにおける3つの係合突起51B,52B,53Bの幅をB1,B2,B3としたときに、両側の突起51A,53A,51B,53Bの寸法関係は、A1=A3<B1=B3とされ、また、中央の突起52A,52Bの寸法関係は、A2>B2とされている。
【0039】
そして、両シート10,20の所定の固定位置においてガイドレール4に設けられた各係合部60も、前側のシート10の係合部材50Aにおける係合突起51A〜53Aの幅A1〜A3に対応する幅a1〜a3を有する係合穴61A〜63Aで構成されて、前側のシート10の係合部材50Aとは係合するが、後側のシート20の係合部材50Bとは係合しない第1係合部60Aと、後側のシート20の係合部材50Bにおける係合突起51B〜53Bの幅B1〜B3に対応する幅b1〜b3を有する係合穴61B〜63Bで構成されて、後側のシート20の係合部材50Bとは係合するが、前側のシート10の係合部材50Aとは係合しない第2係合部60Bと、図11及び図12に示すように、両係合部材50A,50Bが共に係合可能なように、係合穴61C〜63Cの幅が上記係合部材50A,50Bにおける各係合突起のうち、幅の広い方の突起B1,A2,B3に対応する幅b1,a2,b3とされた第3係合部60Cとに区別され、これらが両シート10,20の各固定部毎に選択して設けられている。
【0040】
ここで、ガイドレール4における上記第1〜第3係合部60A〜60Cの配置を図13により説明すると、該ガイドレール4の前部に両係合部材50A,50Bとも係合可能な第3係合部60Cが4箇所設けられていると共に、これらのうちの最後方に位置する第3係合部60Cの直後方に後側のシート20の係合部材50Bのみが係合可能な第2係合部60Bが設けらている。また、ガイドレール4の後部にも、両係合部材50A,50Bとも係合可能な第3係合部60Cが4箇所設けられていると共に、これらのうちの最前方に位置する第3係合部60Cの直前方には、前側のシート10の係合部材50Aのみが係合可能な第1係合部60Aが設けらている。
【0041】
そして、ガイドレール4の前部における4箇所の第3係合部60Cのいずれかに前側のシート10の係合部材50Aが係合されている状態では、該シート10に対して図1に示す前側のシートベルト5が適用可能となり、また、ガイドレール4の後部における最部の係合部を除く3箇所の第3係合部60Cのいずれかに後側のシート20の係合部材50Bが係合されている状態、及びその直前方の第1係合部60Aに前側のシート10の係合部材50Aが係合されている状態では、該シート20または10に対して、図1に示す後側のシートベルト5が適用可能となるように、各係合部60A〜60Cとシートベルト5,5の位置関係が設定されている。
【0042】
なお、ガイドレール4の前部における4箇所の第3係合部60Cには、前側のシート10との関係で、実質上、後側のシート20の係合部材50Bを係合させることできず、同様に、ガイドレール4の後部における4箇所の第3係合部60Cには、後側のシート20との関係で、実質上、前側のシート10の係合部材50Aを係合させることはできない。
【0043】
次に、本実施例の作用を説明する。
【0044】
まず、図13に示すように、ガイドレール4の前部における4箇所の第3係合部60Cのいずれかに前側のシート10における係合部材50Aを係合させれば、その位置で該シート10が固定されると共に、図1に示す前側のシートベルト5の適用が可能となる。したがって、上記4箇所の第3係合部60Cのいずれかを適当に選択することにより、前側のシート10を乗員の体格等に応じた位置に固定し、かつ、該シート10に着座した乗員がシートベルト5を装着することが可能となる。
【0045】
また、ガイドレール4の後部における最後部の係合部を除く3箇所の第3係合部60Cのいずれかに後側のシート20における係合部材50Bを係合させれば、その位置で該後側のシート20が固定されると共に、図1に示す後側のシートベルト5の適用が可能となる。したがって、前側のシート10の場合と同様に、上記3箇所の第3係合部60Cのいずれかを適当に選択することにより、後側のシート20を乗員の体格等に応じた位置に固定し、かつ、該シート20に着座した乗員がシートベルト5を装着することが可能となる。
【0046】
次に、図14に示すように、前側のシート10を前方にスライドさせて、係合部材50Aをガイドレール4の最前部に位置する第3係合部60Cに係合させると共に、後側のシート20も前方にスライドさせて前側のシート10の直後方に位置させれば、この後側のシート20の係合部材50Bに対応する位置には第2係合部材60Bが設けられているので、該係合部材50Bをこの第2係合部60Bに係合させることが可能となる。これにより、前側及び後側のシート10,20がガイドレール4の最前部に収納状態として固定されることになり、車室後部に大きな積み荷用空間が形成されることになる。
【0047】
同様に、図15に示すように、後側のシート20を後方にスライドさせて、係合部材50Bをガイドレール4の最後部に位置する第3係合部60Cに係合させると共に、前側のシート10も後方にスライドさせて後側のシート20の直前方に位置させれば、この前側のシート10の係合部材50Aに対応する位置には第1係合部材60Aが設けられているので、該係合部材50Aをこの第1係合部60Aに係合させることが可能となる。これにより、前側及び後側のシート10,20がガイドレール4の最後部に収納状態として固定されることになり、これらのシート10,20の前方に大きな積み荷用空間が形成されることになる。
【0048】
なお、この図15に示すガイドレール4の後部への収納状態では、前側のシート10の固定位置で該シート10への後側のシートベルト5の適用が可能となるので、該シート10のシートバック13を起立させれば、リムジン状態、即ち前方に広いスペースを確保した状態での着座が可能となる。
【0049】
一方、図16に示すように、後側のシート20がガイドレール4の後部に固定されている状態では、前側のシート10を前後のシートベルト5,5がいずれも適用できないガイドレール4の中央部に位置させることが可能となり、この状態で、該前側のシート10が固定されると、シートベルト5の装着が不可能な状態で乗員が着座する可能性が生じる。
【0050】
しかし、図16に示す前側のシート10の位置で該シート10の係合部材50Aに対応する位置に設けられているガイドレール4の係合部は、後側のシート20の係合部材50Bのみが係合可能な第2係合部60Bとされており、したがって、この位置で前側のシート10が固定されて、シートベルト5を着用できない状態で乗員が着座するといった不具合が未然に回避されることになる。
【0051】
また、図17に示すように、前側のシート10がガイドレール4の前部に固定されている状態では、後側のシート20をガイドレール4の中央部に位置させることが可能となり、この位置で該後側のシート20が固定されると、前側のシート10の固定位置によっては、該前側シート10と後側シート20との間隔が著しく狭くなる。そのため、特に前側のシート10に着座した乗員がシート位置調節のために固定位置を後側へ移動させようとした場合等に、後側のシート20に着座している乗員の足を挟み付ける恐れが生じる。
【0052】
しかし、図17に示す後側のシート20の位置で該シート20の係合部材50Bに対応する位置に設けられているガイドレール4の係合部は、前側のシート10の係合部材50Aのみが係合可能な第1係合部60Aとされており、したがって、この位置で後側のシート20が固定されて、前側のシート10と所定間隔以下となることによる上記のような不具合が未然に回避されることになる。
【0053】
【発明の効果】
まず、第1発明によれば、第3の係合部は、前側のシートの係合部材のみが係合可能とされており、したがって、この位置で後側のシートが固定されて、前側のシートと所定間隔以下となることによる上記のような不具合が未然に回避されることになる。すなわち、前側のシートがガイドレールの前部に固定されている状態では、後側のシートをガイドレールの中央部に位置させることが可能となり、この位置で該後側のシートが固定されると、前側のシートの固定位置によっては、該前側シートと後側シートとの間隔が著しく狭くなる。そのため、特に前側のシートに着座した乗員がシート位置調節のために固定位置を後側へ移動させようとした場合等に、後側のシートに着座している乗員の足を挟み付ける恐れが生じるが、本第1発明によれば、第3の係合部は、前側のシートの係合部材のみが係合可能とされており、上記のような不具合が未然に回避されることになる
【0057】
一方、第発明によれば、ガイドレールに、第1のシートの係合部材とは係合し、第2のシートの係合部材とは係合しない第1の係合部と、上記第1のシートの係合部材とは係合せず、第2のシートの係合部材とは係合する第2の係合部とを設けたので、例えば第2のシートのシートベルトの適用範囲外における第1のシートの収納位置で第2のシートが固定されたり、第1のシートが第2のシートの前方で固定される場合に、この第1のシートと所定間隔以下に近接する位置で後側の第2のシートが固定される、といった不具合が回避されることになる
【0058】
そして、第発明によれば、上記のようにガイドレールの所定位置で一方のシートを固定し、他方のシートの固定を阻止するためのシート側の係合部材及びガイドレール側の係合部をそれぞれ所定の幅を有する複数の突起と穴とで構成したので、極めて簡素な構成で、しかも確実に上記第発明の効果が得られることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る自動車のシートの配置を示す概略側面図である。
【図2】 同実施例におけるシートのスライドユニットの側面図である。
【図3】 同スライドユニットの平面図である。
【図4】 同スライドユニットの要部拡大縦断正面図である。
【図5】 図2のa−a線による要部拡大断面図である。
【図6】 図2のb−b線による要部拡大断面図である。
【図7】 図2のc−c線による要部拡大断面図である。
【図8】 図2のd−d線による要部拡大断面図である。
【図9】 前側のシートの係合部材と第1、第2係合部との寸法関係を示す図である。
【図10】後側のシートの係合部材と第1、第2係合部との寸法関係を示す図である。
【図11】前側のシートの係合部材と第3係合部との寸法関係を示す図である。
【図12】後側のシートの係合部材と第3係合部との寸法関係を示す図である。
【図13】両シートの着座位置を示す概略側面図である。
【図14】両シートのガイドレール前部での収納位置を示す概略側面図である。
【図15】両シートのガイドレール後部での収納位置を示す概略側面図である。
【図16】前側のシートの固定が阻止される位置を示す概略側面図である。
【図17】後側のシートの固定が阻止される位置を示す概略側面図である。
【符号の説明】
4 ガイドレール
10,20 シート
50(50A,50B) 係合部材
51〜53 突起
60(60A,60B) 係合部
61〜63 穴

Claims (3)

  1. 共通のガイドレール上に2つのシートが前後にスライド可能に配置された自動車のシートスライド装置のロック構造であって、上記ガイドレールには、前側のシートを前側シートベルト適用範囲内において固定する第1の係合部と、後側のシートを後側シートベルト適用範囲内において固定する第2の係合部と、前側のシートを上記前側シートベルト適用範囲より後方において固定する第3の係合部と、後側のシートを上記後側シートベルト適用範囲より前方でかつ上記第3の係合部よりも前方において固定する第4の係合部とが備えられており、かつ、上記第3の係合部は、上記後側のシートの係合部材とは係合しない形状とされていることを特徴とする自動車のシートスライドロック構造。
  2. 共通のガイドレール上に少なくとも2つのシートが前後にスライド可能に配置された自動車のシートスライド装置のロック構造であって、第1のシートと第2のシートとにそれぞれ形状の異なる係合部材が設けられていると共に、上記ガイドレールには、上記第1のシートの係合部材とは係合し、第2のシートの係合部材とは係合しない第1の係合部と、上記第1のシートの係合部材とは係合せず、第2のシートの係合部材とは係合する第2の係合部とが設けられていることを特徴とする自動車のシートスライドロック構造。
  3. 第1、第2のシートの係合部材のうち、一方の係合部材は中央の幅の広い突起とその両側の幅の狭い突起とを有し、他方の係合部材は中央の幅の狭い突起とその両側の幅の広い突起とを有すると共に、上記一方の係合部材とは係合し、他方の係合部材とは係合しないガイドレール側の係合部は、一方の係合部材における上記各突起の幅に対応させて、中央の幅の広い穴とその両側の幅の狭い穴とで構成され、かつ、上記他方の係合部材とは係合し、一方の係合部材とは係合しないガイドレール側の係合部は、他方の係合部材における上記各突起の幅に対応させて、中央の幅の狭い穴とその両側の幅の広い穴とで構成されていることを特徴とする請求項に記載の自動車のシートスライドロック構造。
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