JPH06290340A - 自動販売機の商品搬出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 商品を一定の向きのまま搬出することのでき
ると共に安価で場所をとらない自動販売機の商品搬出装
置を提供する。 【構成】 案内レール１３ａ，１３ｂにて商品シュート
９を商品収納コラム３ａ，３ｂの下方で略水平状態とな
る待機位置と、前方に傾斜した状態で迫り出して商品販
売口６に臨む搬出位置とに移動自在に案内支持する。ま
た、モータ１０と、リンク１１と、可動アーム１２とか
らなる駆動装置により、商品シュート９を待機位置と搬
出状位置とを往復動させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、商品を商品販売口まで
滑り落とす商品シュートを備えた自動販売機の商品搬出
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の自動販売機においては、図８に示
すように本体１の商品収納室２に前後方向に複数並設さ
れた商品収納コラム（以下コラムという）３ａ，３ｂに
商品４を多数積み重ねて収納する一方、販売指令に応じ
てコラム３ａ，３ｂの下部に設けられた図示しない商品
落下規制部材を作動させてコラム３ａ，３ｂの最下位商
品４ａを順次コラム３ａ，３ｂの下方に配設された商品
シュート５に落下させ、前扉１ａの下部に設けられてい
る商品販売口６まで滑り落とすようにしたものがある。

【０００３】なお、同図において、７ａは凝縮器、７ｂ
は圧縮器、７ｃは蒸発器、７ｄは冷却ファン部であり、
６ａは商品販売口６を開閉する商品取出扉、６ｂは商品
シュート５から滑り落ちてきた商品４ａを受ける商品受
け部である。

【０００４】ところで、販売する商品４がケーキやアイ
スクリーム等の軟らかなものや使い捨てのカメラ等の衝
撃に弱いものである場合には、商品４が逆転したり転倒
したりすると変形を起こしたり壊れたりすることがある
ため、収納時にはこのような商品４は常に一定の向きに
なるようにコラム３ａ，３ｂ内に収納するようにしてい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
商品を収納しても、商品がコラムから商品シュートに落
下する際、空中で逆転し、このように逆転した状態のま
まで商品シュートを滑り落ちてしまうことにより商品が
変形等を起こし、商品として販売することができなくな
ることがある。

【０００６】このため、従来の自動販売機の商品搬出装
置においては、ベルトコンベア等を配設して商品を一定
の向きのまま搬出するようにしていたが、このようにベ
ルトコンベア等を用いた場合には、ベルトコンベアを周
回運動させるためのスペースが必要となり、収納効率が
悪くなると共にコストが高くなるという問題点があっ
た。

【０００７】本発明は、商品を一定の向きのまま搬出す
ることのできると共に安価で場所をとらない自動販売機
の商品搬出装置を提供することを目的とするものであ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、商品を収納す
る商品収納コラムと、この商品収納コラムの下方に配設
された商品シュートとを備え、前記商品収納コラムから
落下してきた商品を前記商品シュートにて商品販売口ま
で滑り落とすようにした自動販売機の商品搬出装置にお
いて、前記商品シュートを前記商品収納コラムの下方で
略水平状態となる待機位置と、前方に傾斜した状態で迫
り出して前記商品販売口に臨む搬出位置とに移動自在に
案内支持する案内レールと、駆動部及びこの駆動部の動
力を前記商品シュートに伝達して該商品シュートを前記
待機位置と前記搬出状位置とを往復動させる動力伝達部
とからなる駆動装置とを備えたものである。

【０００９】

【作用】これにより、案内レールにて商品シュートを商
品収納コラムの下方で略水平状態となる待機位置と、前
方に傾斜した状態で迫り出して商品販売口に臨む搬出位
置とに移動自在に案内支持することができる。また、駆
動部と動力伝達部とからなる駆動装置により、商品シュ
ートを待機位置と搬出状位置とを往復動させることがで
きる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。

【００１１】図１は、本発明の一実施例に係る自動販売
機の構成を示した概略正面断面図、図２はその概略側面
断面図である。なお、図１，２において、図８と同一符
号は同一又は相当部分を示している。

【００１２】図１，２において、８はコラム３ａ，３ｂ
の下方に設けられた商品搬出装置であり、この商品搬出
装置８は、前後方向に迫り出し可能な移動式の商品シュ
ート（以下移動シュートという）９と、この移動シュー
ト９を移動させる駆動部であるモータ１０及びこのモー
タ１０の回転を移動シュート９に伝達する動力伝達部で
あるモータ１０の回転軸１０ａに固定されたリンク１１
及び可動アーム１２とからなる駆動装置を有している。

【００１３】ここで、この移動シュート９は、図３及び
図４に示すように後端上部及び略中央部の下部に左右一
対のローラ９ａ，９ｂを突設しており、このローラ９
ａ，９ｂを、商品搬出装置８の両側板８ａの内壁側に取
り付けられた、ほぼ水平に延びた上部案内レール１３ａ
と、商品販売口６に向かって斜め下方に延びた下部案内
レール１３ｂとにそれぞれ嵌入することにより、これら
の案内レール１３ａ，１３ｂに後述する待機位置と、搬
出位置とに移動自在に案内支持されている。

【００１４】そして、この移動シュート９は、販売待機
時には前後のコラム３ａ，３ｂの下方で略水平状態で延
在する待機位置にあるが、販売指令が発せられると、販
売指令に応じて前後の各コラム３ａ，３ｂの一方から落
下してきた最下位商品４ａを受けた後、モータ１０の回
転に連動して最下位商品４ａを載置した状態で上部案内
レール７ａ及び下部案内レール７ｂに案内されて前方に
傾斜した状態で迫り出して商品販売口６に臨む搬出位置
に移動するようになっている。

【００１５】なお、このように販売待機時には、移動シ
ュート９が前後のコラム３ａ，３ｂの下方に延在してい
ることにより、商品販売口６から手を入れてもコラム３
ａ，３ｂの商品４を不正に取り出すことができないよう
になっている。また、商品販売時には移動シュート９を
商品販売口６に臨ませるようにすることにより、商品４
ａを一定の向きのまま確実に商品販売口６に滑り落とす
ことができるようになっている。

【００１６】一方、可動アーム１２は下端がシャフト１
２ａにより回転自在に軸支されると共に、その長手方向
には長孔１４が形成されたものである。そして、この長
孔１４の上部には、移動シュート９の下部に、かつロー
ラ９ａ，９ｂの間に突設された左右一対の第１ガイドピ
ン９ｃが摺動自在に挿入されている。

【００１７】また、この長孔１４の下部には、リンク１
１の先端部に設けられた第２ガイドピン１１ａが摺動自
在に挿入されている。これにより、モータ１０によりリ
ンク１１が矢印Ａに示すように回転すると、リンク１１
の第２ガイドピン１１ａが可動アーム１２の長孔１４内
を上方に摺動し、これに伴い可動アーム１２はシャフト
１２ａを支点として矢印Ｂに示すように回動するように
なっている。

【００１８】さらに、このように可動アーム１２が回動
すると、これに伴い移動シュート９の第１ガイドピン９
ｃが商品販売口６に向かう方向に押圧され、これにより
第１ガイドピン９ｃは長孔１４内を下方に摺動しながら
可動アーム１２と共に回動するようになっている。

【００１９】そして、このように第１ガイドピン９ｃが
可動アーム１２と共に回動すると、後述する図５に示す
ように移動シュート９が上部案内レール１３ａ及び下部
案内レール１３ｂに案内されて商品販売口６に向かって
斜め前方に迫り出すようになっている。

【００２０】なお、このようにして迫り出された移動シ
ュート９が所定の位置に達すると、それまで可動アーム
１２の長孔１４内を上方に摺動しながら可動アーム１２
を回動させていた第２ガイドピン１１ａは、逆に長孔１
４内を下方に摺動しながら可動アーム１２を回動させる
ようになる。一方、第１ガイドピン９ｃも、可動アーム
１２の回動に伴い逆に長孔１４内を上方に摺動するよう
になっている。

【００２１】そして、この後、後述する図６に示すよう
に移動シュート９が最も傾いた状態で前方に迫り出して
商品販売口６に臨む搬出位置と移動すると、移動シュー
ト９に載置されている商品４ａが商品販売口６に向かっ
て商品シュート５上を滑り落ちるようになっている。

【００２２】ところで、このようにして商品４ａを搬出
した後もリンク１１は回転を続けるため、これに伴い第
２ガイドピン１１ａは長孔１４内をさらに下方に向かっ
て摺動し、これにより可動アーム６は後述する図７の矢
印に示すように移動シュート９を迫り出す方向と逆方向
に回動を始めるようになっている。

【００２３】そして、リンク１１が一回転すると、移動
シュート９は図２に示す待機位置に戻るようになってい
る。なお、例えばリンク１１には、図示しない検知スイ
ッチが配されており、このスイッチによりリンク１１が
一回転したことを検知してモータ１０を停止させるよう
にすることにより、商品４ａを１個づつ搬出することが
できるようにしている。

【００２４】ところで、移動シュート９を待機位置から
搬出位置まで移動させるには、本実施例においてはリン
ク１１を約３／４回転させる必要があるが、搬出位置か
ら待機位置に戻すには約１／４回転させるだけでよい。
このため、迫り出しの際の移動シュート９の移動速度は
ゆっくりとしたものとなり、商品４ａを安定した状態で
搬出することができるようになっている。

【００２５】次に、このように構成された商品搬出装置
における商品搬出動作について説明する。

【００２６】販売指令が発せられるまでは、移動シュー
ト９は図２に示すように前後のコラム３ａ，３ｂの下方
に略水平状態で延在した待機位置にある。なお、この
際、移動シュート９のローラ９ａ，９ｂは、上部案内レ
ール１３ａ及び下部案内レール１３ｂの後端部に位置
し、また移動シュート９の第１ガイドピン９ｃは可動ア
ーム１２の長孔１４の上端部に位置している。

【００２７】この状態で販売指令が発せられると、商品
落下規制部材の商品落下動作により、例えば後方のコラ
ム３ｂから最下位商品４ａが移動シュート９に落下し、
この後モータ１１が回転を始める。

【００２８】そして、モータ１０が回転すると、これに
連動してリンク１１の第２ガイドピン１１ａが可動アー
ム１２の長孔１４内を上方に摺動し、これに伴い可動ア
ーム１２はシャフト１２ａを支点として回動を始める。
また、商品シュート５の第１ガイドピン９ｃは可動アー
ム１２の長孔１４内を下方に摺動しながら可動アーム１
２と共に回動する。

【００２９】これにより、移動シュート９は、図５に示
すように最下位商品４ａを載置した状態で上部案内レー
ル１３ａ及び下部案内レール１３ｂに案内されて商品販
売口６に向かって斜め前方に迫り出してゆく。なお、移
動シュート９が所定の位置まで迫り出した後は、第２ガ
イドピン１１ａは長孔１４内を下方に摺動し、また第１
ガイドピン９ｃは長孔１４内を上方に摺動するようにな
る。

【００３０】そして、移動シュート９が、やがて図６に
示すような最も傾いた状態で前方に迫り出した搬出位置
に達すると、商品４ａが商品販売口６に向かって商品シ
ュート５上を滑り落ちて商品受け部６ｂに載置される。
この後、この商品４ａは商品取出扉６ａを開放すること
により取り出される。

【００３１】一方、このように商品４ａを搬出した後も
リンク１１は回転を続けるため、これに伴い第２ガイド
ピン１１ａは可動アーム６の長孔１４内をさらに下方に
向かって摺動し、可動アーム６は図７の矢印に示すよう
にシャフト１２ａを支点として移動シュート９を迫り出
す方向と逆方向に回動を始める。

【００３２】これにより、移動シュート９は、上方に引
き戻され、やがて図２に示す待機位置に戻る。そして、
これをリンク１１に配された検知スイッチにより検知す
るとモータ１０が停止する。

【００３３】このように、移動シュート９が待機位置に
ある時に商品４ａを受け、この後、商品４ａを載置した
まま移動シュート９を搬出位置に移動させて商品４ａを
商品販売口６に滑り落とすことができる。また、商品搬
出後は、移動シュート９を再び待機位置に戻すことがで
きる。

【００３４】なお、このようにモータ１０の回転方向が
一方向でも移動シュート９を往復動させることができる
ので、モータ１０の回転方向を制御するための回転方向
制御手段を必要とせず装置の構造を簡単にすることがで
きる。

【００３５】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、商品シュ
ートを商品を載置したままで前方に傾斜した状態で迫り
出して商品販売口に臨むように移動させるようにしたの
で、商品を一定の向きのまま搬出することができる。ま
た、商品シュート及び駆動装置をコラムの下方に収める
ことができる一方、ベルトコンベア等の大きな機構を必
要としないので場所をとらず、安価とすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る自動販売機の構成を示
した概略正面断面図。

【図２】上記自動販売機の概略側面断面図。

【図３】上記自動販売機の商品搬出装置の正面図。

【図４】上記商品搬出装置の側面図。

【図５】移動シュートが迫り出し始める様子を示す側面
図。

【図６】移動シュートが搬出位置に到達した時の様子を
示す側面図。

【図７】移動シュートが待機位置に戻り始める様子を示
す側面図。

【図８】従来の自動販売機の構成を示した概略正面断面
図。

【符号の説明】

３ａ，３ｂ コラム ６ 商品販売口 ９ 商品シュート １０ モータ １１ リンク １３ａ，１３ｂ 案内レール

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 商品を収納する商品収納コラムと、この
   商品収納コラムの下方に配設された商品シュートとを備
   え、前記商品収納コラムから落下してきた商品を前記商
   品シュートにて商品販売口まで滑り落とすようにした自
   動販売機の商品搬出装置において、 前記商品シュートを前記商品収納コラムの下方で略水平
   状態となる待機位置と、前方に傾斜した状態で迫り出し
   て前記商品販売口に臨む搬出位置とに移動自在に案内支
   持する案内レールと、 駆動部及びこの駆動部の動力を前記商品シュートに伝達
   して該商品シュートを前記待機位置と前記搬出状位置と
   を往復動させる動力伝達部とからなる駆動装置とを備え
   たことを特徴とする自動販売機の商品搬出装置。