JPH06289915A - ディジタルサーボ制御装置 - Google Patents

ディジタルサーボ制御装置

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JPH06289915A
JPH06289915A JP9858493A JP9858493A JPH06289915A JP H06289915 A JPH06289915 A JP H06289915A JP 9858493 A JP9858493 A JP 9858493A JP 9858493 A JP9858493 A JP 9858493A JP H06289915 A JPH06289915 A JP H06289915A
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current
target
angle
angular velocity
moment
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Application number
JP9858493A
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English (en)
Inventor
Takao Yoneda
孝夫 米田
Toshio Takano
寿男 高野
Katsuhiro Komuro
克弘 小室
Akira Shimogoe
昭 下越
Shingo Kamiya
新吾 神谷
Norihisa Sugiura
功久 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】加速時、減速時における追随遅れを防止するこ
と 【構成】 位置フィードバックループ、速度フィードバ
ックループを有したサーボ制御装置において、制御軸の
回りの慣性モーメントを制御軸の角度に対応して演算
し、角加速度とその時の慣性モーメントに基づいて演算
される補正角だけ位置フィードバックループに対して加
算補正する第1補正手段(408)、角加速度とその時
の慣性モーメントに基づいて目標電流を加算補正する第
2補正手段(420)を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加速時又は減速時にお
いて、サーボモータ軸と負荷軸との間に発生するねじれ
に起因する角度の追随遅れや、慣性モーメントによる角
度の追随遅れを防止するようにしたディジタルサーボ制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多関節ロボットにおいては、ロボットの
姿勢変化に伴って、各軸の回りの慣性モーメント及び重
力トルクが変化する。このため、位置及び速度フィード
バックループのゲインを一定とすると、ロボットの全作
動領域において位置決め誤差や位置決め速度を一定にす
ることは困難である。例えば、位置や速度のフィードバ
ックループのゲインを慣性モーメントや重力トルクが最
大となる姿勢の時に所定の位置決め誤差及び位置決め速
度が得られるように設定した場合には、慣性モーメント
や重力トルクが小さくなる姿勢では、フィードバックル
ープのゲインが高くなり過ぎ、振動が発生し、位置決め
時間が長くなるという問題がある。逆に、フィードバッ
クループのゲインを慣性モーメントや重力トルクが最小
となる姿勢の時に所定の位置決め誤差及び位置決め速度
が得られるように設定した場合には、慣性モーメントや
重力トルクが大きくなる姿勢では、フィードバックルー
プのゲインが不足し、位置決め誤差が増大したり、追随
遅れが増大し、位置決め時間が長くなるという問題があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この課題を解決するた
めに、目標角度を微分して角速度を演算し、その角速度
を位置のフィードバックループにフィードフォワードさ
せることが行われている。しかしながら、このような制
御の場合には、慣性モーメントが大きくなると、アーム
の先端が大きく揺れて、長い残留振動が発生するという
問題がある。又、サーボモータ軸と負荷軸との間は弾性
的に結合しているので、加速時及び減速時に、ねじれに
よる追随遅れが発生する。又、慣性モーメントの存在に
より、加速時及び減速時に追随遅れが発生するという問
題がある。
【0004】本発明は上記の課題を解決するために成さ
れたものであり、その目的は、加速時、減速時における
追随遅れを防止することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1に記載の発明の構成は、位置フィードバック
ループ、速度フィードバックループを有し、電流の制御
を行うサーボ制御装置において、制御軸の回りの慣性モ
ーメントを前記制御軸の角度に対応して演算し、角加速
度とその時の慣性モーメントに基づいて演算される補正
角だけ位置フィードバックループに対して加算補正する
第1補正手段を設けたことである。また、請求項2に記
載の発明は、角加速度とその時の慣性モーメントに基づ
いて目標電流を加算補正する第2補正手段を設けたこと
である。
【0006】
【作用及び発明の効果】目標角度出力手段からは制御軸
が時々刻々とるべき目標角度が出力され、現在角度検出
手段により制御軸の時々刻々の現在角度が検出される。
又、角加速度演算手段により目標角度の時間変動から角
加速度が演算され、モーメント演算手段により目標角度
に対応して各軸の回りの慣性モーメントが演算される。
次に、請求項1の発明では、第1補正手段により、角加
速度とその時の慣性モーメントに基づいて補正角が演算
され、その角度だけ位置フィードバックループに対する
指令値が加算補正される。即ち、角加速度及び慣性モー
メントが大きい程、目標角度は前進補正される。これに
より、加速時及び減速時における、ねじれ及び慣性モー
メントによる追随遅れが防止される。
【0007】次に、請求項1の発明では、目標角度及び
第1補正手段の出力する補正角と、検出された現在角度
との角度偏差に応じて、速度フィードバックループに対
する目標角速度が演算される。一方、請求項2の発明で
は、目標角度及び現在角度との角度偏差に応じて目標角
速度が演算される。そして、その目標角速度と検出され
た現在角速度との角速度偏差に対する比例・積分演算に
より目標電流が演算される。また、請求項2の発明で
は、第2補正手段により、角加速度とその時の慣性モー
メントに基づいて目標電流が加算補正される。即ち、角
加速度及び慣性モーメントが大きい程、目標電流は前進
補正される。これにより、加速時及び減速時における、
ねじれ及び慣性モーメントによる追随遅れが防止され
る。
【0008】
【実施例】以下本発明を具体的な実施例に基づいて説明
する。本実施例は、本発明のサーボ制御装置を多関節ロ
ボットの各軸の制御装置に応用した例である。図1は6
軸多関節ロボットの機構を示した機構図である。10が
ロボット本体であり、フロアに本体10を固定するベー
ス13が配設され、ベース13上にはコラム12が固設
されており、コラム12はボディ14を回転自在に配設
している。ボディ14はアッパーアーム15を回動自在
に軸支し、アッパーアーム15は、フォアアーム16を
回動自在に軸支している。ボディ14、アッパーアーム
15、フォアアーム16は、それぞれ、サーボモータSm
1,Sm2,Sm3(図2参照)によって、軸a,b,cの
回りに回転駆動される。この回転角はエンコーダE1,
E2,E3によって検出される。フォアアーム16の先
端部にはツイストリスト17がd軸の周りに回転可能に
軸支され、ツイストリスト17にはベンドリスト9がe
軸の周りに回動自在に軸支されている。ベンドリスト9
には先端にフランジ18aを有するスイベルリスト18
がf軸の回りに回転可能に軸支されている。また、フラ
ンジ18aにはハンド19が取り付けられている。d
軸、e軸、f軸はサーボモータSm4、Sm5、Sm6によっ
て駆動され、その回転角はエンコーダE4,E5,E6
によって検出される。ハンド19の開閉動作は工具駆動
回路23により制御される。
【0009】図2は、本発明のロボットの制御装置の電
気的構成を示したブロックダイヤグラムである。CPU
20には、メモリ25、サーボモータを駆動するための
サーボCPU22a〜22f、動作開始指令、ジョグ運
転の指令、教示点の指示等を行う操作盤26が接続され
ている。ロボットに取付けられた各軸a〜f駆動用のサ
ーボモータSm1〜Sm6は、それぞれサーボCPU22a
〜22fによって駆動される。
【0010】サーボCPU22a〜22fのそれぞれ
は、CPU20から出力される各軸の角度指令値θ1
θ6 、慣性モーメントDi 、重力トルクTi に基づい
て、サーボモータSm1〜Sm6の出力トルクを制御する。
各駆動軸に連結されたエンコーダE1〜E6の出力する
検出角度α1 〜α6 はCPU20及びサーボCPU22
a〜22fに入力しており、CPU20による各軸の慣
性モーメント及び重力トルクの演算及びサーボCPU2
2a〜22fによる位置フィードバック制御、速度フィ
ードバック制御、電流フィードバック制御に用いられ
る。
【0011】メモリ25にはロボットを教示点データに
従って動作させるためのプログラムが記憶されたPA領
域とハンド19の位置と姿勢を表す教示点データを記憶
するPDA領域とフランジ18aから先の重量物、即
ち、ハンド19、又は、ハンド19とそれにより握持さ
れた物体を総合した物体の重心座標(a,b,c)とそ
の質量mL を記憶するSDA領域とサーボパラメータを
記憶するITA領域と補間演算により求められた補間点
における各軸の角度指令値θ1 〜θ6 を記憶するINA
領域とエンコーダE1〜E6から出力された検出角度α
1 〜α6 を記憶するANG領域とが形成されている。
【0012】各軸のサーボCPU22a〜22fは、図
3に示す回路の機能をシーケンシャルなディジタル制御
により達成するものである。即ち、各回転軸の位置のフ
ィードバックループと速度のフィードバックループとで
アンプの指令電流を制御するための制御ループが構成さ
れている。そして、この制御ループは角速度のフィード
フォワードループ、角加速度のフィードフォワードルー
プ及び重力トルクのフィードフォワードループを有して
いる。そして、角加速度γi と慣性モーメントDi に基
づいて目標位置が加算補正されており、角加速度γi
び慣性モーメントDi'、重力トルクTi に基づいてアン
プに対する目標電流が加算補正されている。さらに、角
速度βi に基づいて速度フィードバックループに対する
目標速度が加算補正されている。
【0013】次に、本装置の作動について説明する。図
5はRAM25のPA領域に記憶されている動作プログ
ラムである。行番号10、50、90がデータ設定手段
を構成する重量物の重心座標(a,b,c)とその質量
L とを設定するための命令語である。この命令語の実
行により重心座標(a,b,c)と質量mL のデータが
RAM25のSDA領域に記憶される。命令語の領域A
が重心座標rを表し、領域Bが質量mL を表す。重心座
標(a,b,c)はスイベルリスト18のフランジ18
aの中心に固定されたリンク座標系から見た座標、即
ち、ノーマル、オリエント、アプローチの各座標(mm単
位) で与えられる。又、質量はkg単位で表記される。行
番号10、90は、フランジ18aから先の重量物がハ
ンド19だけの場合のデータ設定に関する命令語であ
り、行番号50はハンド19により物体が握持された場
合のデータ設定に関する命令語である。又、行番号20
及び80のHAND OFF命令語は、ハンド19を開
く命令語であり、行番号40のHAND ON命令語は
ハンド19を閉じる命令語である。さらに、行番号3
0、60、70、100、110のMOVE命令語は指
定された教示点Pnに移動させるための命令語である。
【0014】図5の動作プログラムにより、ロボット
は、ハンド19を開いて、P1点に移動し、その後、ハ
ンド19を閉じて物体を握持し、P2点を経由してP3
点に移動して、ハンド19を開いて、物体を放置し、P
4点を経由してP5点に移動することが可能である。
【0015】図4は、CPU20による動作プログラム
を解読するための主プログラムのフローチャートであ
る。ステップ100において、MOVE命令語が解読さ
れると、ステップ102において、現在位置から指定さ
れた教示点までハンド19を移動させるための補間演算
が実行される。そして、補間演算により求められた各軸
の角度指令値θ1 〜θ6 はサーボCPU22a〜22f
に出力される。又、ステップ104において、LOAD
命令語が解読されると、ステップ106において、その
命令語に表記されているハンドから先の重量物の重心座
標と質量のデータがRAM25のSDA領域に記憶され
る。又、ステップ108でHAND OFF命令語が解
読されると、ステップ110において、工具駆動回路2
3にハンド19を開く指令を与える。又、ステップ11
2でHAND ON命令語が解読されると、ステップ1
14において、工具駆動回路23にハンド19を閉じる
指令を与える。
【0016】ステップ102における教示点間の補間演
算は、図6に示すフローチャートに従って実行される。
補間演算は、良く知られたように、回転主軸法等を用い
て行うことができる(例えば、特開昭62−15400
6号)。ステップ200において、ワールド座標系で表
記された教示データとして与えられた開始点の位置及び
姿勢と次の位置決め目標点の位置及び姿勢から回転主軸
の方向ベクトルが演算され、ステップ202において、
その回転主軸回りの回転角Θが演算される。次に、ステ
ップ204において、開始点の位置及び姿勢を基準とし
た補間角ΔΘが演算され、次のステップ206におい
て、その補間角ΔΘを用いて開始点の位置及び姿勢を補
間点における位置及び姿勢に変換するための姿勢変換行
列Rが演算される。そして、ステップ208において、
開始点の位置及び姿勢を表す同次座標行列に姿勢変換行
列を作用させて、補間点における位置及び姿勢を表す同
次座標行列が演算される。次に、ステップ210におい
て、その補間点におけるワールド座標系で表記された位
置及び姿勢の同次座標行列からジョイント座標系での
値、即ち、各軸の回転角が演算され、この値はRAM2
5のINA領域に記憶される。この状態で、本補間プロ
グラムは終了し、ステップ212で、後述する優先度が
低いレベルに設定された慣性モーメント及び重力トルク
演算プログラムの再開処理(中断した命令語の記憶アド
レスへの分岐命令及び状態レジスタ等の復元処理)が行
われた後、そのプログラムが継続起動される。
【0017】一方、8msec毎のタイマ割り込みが発生す
ると(ステップ214)、ステップ216において、優
先度の低いレベルに設定された慣性モーメント及び重力
トルク演算プログラムへの割込処理(中断した命令語が
記憶されているアドレスの記憶、状態レジスタ等のスタ
ック処理等)が行われる。そして、ステップ218、2
20において、RAM25のINA領域に記憶された補
間点の角度指令値θ1〜θ6 、慣性モーメント及び重力
トルク演算プログラムにより演算されRAM25のIT
A領域に記憶されているサーボパラメータDi,i がサ
ーボCPU22a〜22fに出力される。この結果、各
軸はその時の位置及び姿勢に対応した慣性モーメント及
び重力トルクを補償したフィードフォワード制御により
それらの角度指令値θ1 〜θ6 に位置決め制御される。
そして、ステップ222において、補間点が教示データ
として与えられた目標位置に達したか否かが判定され、
補間が終了していない場合に、次の補間点の位置及び姿
勢の演算のために、ステップ206以下が実行される。
一方、補間が終了した場合には、次の命令語を解読する
ために図4のメインプログラムに戻る。
【0018】次に、優先度の低いレベルに設定されてい
る慣性モーメント及び重力トルクの演算手順について、
図7に示すフローチャートを参照して説明する。ステッ
プ300において、ロボットの軸を特定する軸変数iが
1に初期設定され、ステップ302においてエンコーダ
E1〜E6から各軸の現在の回転角α1〜α6 が検出さ
れ、その値はRAM25のANG領域に記憶される。次
に、ステップ304において、i軸の回りの慣性行列D
i ( α1,…, α6)( 慣性モーメントの行列表現)が演算
され、ステップ306において、i軸の回りの重力トル
クTi ( α1,…, α6)が演算される。尚、i軸の回りの
トルクτi は、次式で良く知られたように、ロボットア
ームに関するラグランジュ関数の微分から求めることが
できる。
【0019】
【数1】τi =Σj=i nΣk=i jTr(Ujkjji T)D2θk -
ΣmjgUji jj 但し、コリオリ力と遠心力の成分は小さいとして上式で
は除外した。Jj はj軸を構成する部材だけによるリン
ク慣性行列、Trは行列式の対角成分の和、mj はj軸リ
ンクの質量、gは重力加速度、 jj はj軸リンク座標
系で表されたj軸リンクの重心のベクトルであり、D2θ
k は角度の時間に関する2次微分、即ち、角加速度であ
る。又、上式の第1項の展開式において、D2θi の係数
が慣性行列Di となり、第2項がi軸の回りの重力トル
クTi となる。又、Ujkは、
【0020】
【数2】0 (j<iの時)
【数3】δ(0A1 1A2j-1Aj )/δθi =Πs=1 j s-1A s
・δi-1Ai / δθi (j≧iの時) 但し、s≠iである。又、j-1Aj はj軸リンク座標をj
−1軸リンク座標へ変換する同次座標変換行列であり、
0A1 は1軸リンク座標をワールド座標に変換する同次座
標変換行列である。
【0021】Jj は慣性テンソルIijを用いて次の様に
表現することができる。
【数4】
【0022】但し、rix、riy、rizはj軸リンク座標
から見たj軸リンクの重心の座標であり、miはその質
量である。又、
【数5】 Iij=∫〔δij〔Σxk 2 〕−xii 〕dm である。
【0023】尚、LOAD命令語によって設定される重
心座標(a,b,c)及び質量mLにより、J6 が変化
する。J6 は、数4において、(rix,riy,riz)=
(a,b,c)、mi =mL とおくことにより求めるこ
とができる。
【0024】数1から、現在の検出角度(α1 ,…,α
6 )における各軸の回りの慣性行列Di と重力トルクT
i とが演算される。本実施例では、演算時間を短縮する
ために、他軸との相互作用は小さいとして、(i,i) 対角
成分のみを考慮している。請求の範囲の慣性モーメント
の用語は、対角成分だけでなく慣性行列を含む意味で用
いているが、以下の記載では、便宜上、慣性行列Di
(i,i) 対角成分を、慣性モーメントDi と記す。次に、
ステップ308において、慣性モーメントDiと重力ト
ルクTi がサーボパラメータとしてRAM25のITA
領域に更新記憶される。この値が図6のステップ220
においてサーボCPU22a〜22fに出力される。次
に、ステップ310において、軸変数iが最大値6に達
したか否かが判定され、その値に達していない場合に
は、ステップ312において、軸変数iが1だけ加算さ
れて、ステップ302に戻り、次の軸に関する慣性モー
メント及び重力トルクの演算が繰り返し実行される。
又、軸変数iが最大値6になれば、ステップ300に戻
り、軸変数iを1に初期設定して、1軸から演算が繰り
返し実行される。
【0025】この図7に示すプログラムは、図4、図6
に示すプログラムよりも優先度が1ランク低く設定され
ているので、図4、図6に示すプログラムが実行されて
いない時に実行される。このようにして、補間演算手段
(図6に示す手順を実行する手段)の空き時間におい
て、図7に示す慣性モーメント及び重力トルクの演算が
実行される。従って、図7のプログラムは、連続されて
実行されるのではなく、8msecの補間演算毎に中断さ
れ、中断された次の命令語から再開される。このため、
補間周期とは別の遅い周期で各軸毎に慣性モーメント及
び重力トルクが順次、最新の値に更新されていくことに
なる。
【0026】次に、i軸のサーボCPUの動作手順を図
8、図9のフローチャートに従って説明する。ステップ
400において、エンコーダEiから現在の検出角度α
i が読み取られ、ステップ402において検出角度αi
の時間変化率から角速度βi 、角速度βi の時間変化率
から角加速度γi が演算される。次に、ステップ404
において、RAM25の領域ITAに記憶されている最
新の重力トクルTi と慣性モーメントDi がCPU20
を介して受信され、ステップ406において、RAM2
5の領域INAに記憶されている角度指令値θi がCP
U20を介して受信される。次に、ステップ408にお
いて、角加速度γi と、慣性モーメントDi とバネ定数
c と定数K2 に基づいて、次式により、角度指令値θ
i のフィードフォワード補正が行われる。
【0027】
【数6】θinew=θi+γii2/Kc
【0028】次に、ステップ410において、補正され
た角度指令値θinewの検出角度αiに対する角度偏差Δ
θi (=θinew−αi )が演算される。次に、ステップ
412において、角度偏差Δθi 、位置ループゲインK
p を用いて、次式により、角速度指令値ωi が演算され
る。
【0029】
【数7】ωi =KpΔθi
【0030】次に、ステップ414において、検出され
た角速度βi 、ゲインKf を用いて、角速度のフィード
フォワード補正が次式により行われる。
【数8】ωinew=ωi+βif 次に、ステップ416において、補正された角速度指令
値ωinewの検出された角速度βi に対する角速度偏差Δ
ωi (=ωinew−βi )が演算される。
【0031】次に、ステップ417において、慣性モー
メントDi に定数であるi軸のサーボモータのロータの
慣性モーメントを加算した全慣性モーメントDi 'を用い
て、ROM24の特性記憶領域に記憶されている図10
に示す特性のマップを検索して、対応するゲインK(D
i ' )が求められる。この特性は、図10に示すよう
に、全慣性モーメントDi 'の10倍の最大変動範囲に対
してゲインは4倍だけ変動するように圧縮されている。
【0032】次に、ステップ418において、電流指令
値Ii が、演算されたゲインK(Di ' )を用いて、次
式により、演算される。
【数9】Ii =K(Di ')〔Δωi +(ΣΔωi ・Δ
t)/Ti 〕 但し、Ti は積分時定数、Δtは、速度制御周期、即
ち、電流指令値Ii を求める制御周期である。このよう
に電流指令値を求めるための速度フィードバックループ
のゲインが全慣性モーメントDi 'の変動範囲に対して圧
縮された変動範囲を有するゲインK(Di ')により補償
されることになる。即ち、慣性モーメントが大きな姿勢
では、追随性を向上させるために速度フィードバックル
ープのゲインが大きくなるように制御される。この時、
慣性モーメントの変動範囲に対して、ゲインの変動範囲
は圧縮されているので、系の状態量の発振、電流波形の
ハネが抑制され、モータの過負荷が防止される。従っ
て、サーボ制御の安定性が向上する。
【0033】次に、ステップ420において、角加速度
γi と、全慣性モーメントDi 'とトルク定数Ktnと定数
a を用いて、次式により、電流指令値に対するフィー
ドフォワード値If が演算される。
【数10】If =γiai '/Ktn
【0034】次に、ステップ421において、フィード
フォワード値If の過去一定期間の値、If (n),If (n
-1),…, If (n-j) を用いて、ローパスフィルタによる
ディジタルフィルタ処理により、現時刻のフィルタリン
クされたフィードフォワード値If (n)`が演算される。
このフィルタリング処理には、高速フーリエ変換の手法
を用いても良い。即ち、上記の過去一定期間のフィード
フォワード値If (n),If (n-1),…, If (n-j) に対し
てフーリエ変換を行う。次に、その周波数成分のうち、
遮断周波数fc以上の周波数成分を除去する。その後、高
速フーリエ逆変換を行って、実時間の波形を求め、その
波形から現在のフィルタリングされたフィードフォワー
ド値If (n)`を求めても良い。
【0035】次に、ステップ422において、ステップ
418で演算された電流指令値Iiに、ステップ420
で演算されたフィードフォワード値If ` が加算(I
inew=Ii +If ` )されて、電流値Iinewが電流フィ
ードバックループに対する補正された目標電流となる。
【0036】次に、ステップ423において、最新の重
力トルクTi と、ゲインKT とを用いて、次式により、
電流指令値の重力トルクによる補正値が演算される。
【数11】Iinnew =Iinew+TiT
【0037】次に、ステップ424において、最終的に
演算された電流指令値Iinnew に基づいて、i軸のサー
ボモータに対する電流制御が実行され、このサーボモー
タは慣性モーメント及び重力トルクの補償がされた状態
で角度指令値θi に向けて位置決めされる。
【0038】以上の処理が微小時間間隔で繰り返し実行
されることにより、図3に示す回路機能と等価な処理が
実行される。尚、上記実施例では、慣性行列Di の対角
成分だけで慣性モーメントの補償を行ったが、他の軸と
の相互作用を表した非対角成分を含めた補償を行うよう
にしても良い。又、慣性モーメントとゲインとの対応関
係を示す特性は、図10に示す特性を用いたが、図11
おいて、曲線A、B、Cで示す特性を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な実施例装置で使用されるロボ
ットを示した構成図。
【図2】ロボットの制御装置の構成を示したブロック
図。
【図3】図2におけるサーボCPUの処理を示したブロ
ック図。
【図4】ロボットの位置及び姿勢制御のための主プログ
ラムを示したフローチャート。
【図5】ロボットの位置及び姿勢制御のための動作プロ
グラムを示した説明図。
【図6】補間演算の手順を示したフローチャート。
【図7】慣性モーメントの演算手順を示したフローチャ
ート。
【図8】サーボCPUによる角度制御の処理手順を示し
たフローチャート。
【図9】サーボCPUによる角度制御の処理手順を示し
た図8に続くフローチャート。
【図10】慣性モーメントとゲインとの関係を示した特
性図。
【図11】慣性モーメントとゲインとの他の関係を示し
た特性図。
【符号の説明】
10…ロボット 18…スイベルリスト 18a…フランジ 19…ハンド 20…CPU(目標角度出力手段、モーメント演算手
段) 22a〜22f…サーボCPU(角加速度演算手段、第
1補正手段、第2補正手段、目標電流演算手段) 25…RAM E1〜E6…エンコーダ(角度検出手段) ステップ200〜222…目標角度出力手段 ステップ300〜312…モーメント演算手段 ステップ402…角加速度演算手段 ステップ408…第1補正手段 ステップ410〜413…目標電流演算手段 ステップ420…第2補正手段 ステップ421…ローパスフィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下越 昭 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 神谷 新吾 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 杉浦 功久 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置フィードバックループ、速度フィー
    ドバックループを有して、電流を制御し、指令値及び帰
    還値をディジタル量で与えて、制御軸をサーボ制御する
    ディジタルサーボ制御装置において、 前記制御軸が時々刻々とるべき目標角度を出力する目標
    角度出力手段と、 前記目標角度の時間微分から求められる角加速度を演算
    する角加速度演算手段と、 前記制御軸の回りの慣性モーメントを前記制御軸の角度
    に対応して演算するモーメント演算手段と、 前記角加速度演算手段により演算された角加速度と前記
    モーメント演算手段により演算され更新されているその
    時の慣性モーメントに基づいて演算される補正角だけ前
    記位置フィードバックループに対して加算補正する第1
    補正手段と、 前記制御軸の現在角度を検出する現在角度検出手段と、 前記目標角度出力手段の出力する前記目標角度及び前記
    第1補正手段の出力する補正角と、前記現在角度検出手
    段の出力する現在角度との角度偏差に応じて、前記速度
    フィードバックループに対する目標角速度を演算する目
    標角速度演算手段と、 前記制御軸の現在角速度を検出する現在角速度検出手段
    と、 前記目標角速度演算手段により演算された前記目標角速
    度と前記現在角速度検出手段により検出された現在角速
    度との角速度偏差に対する比例・積分演算により目標電
    流を演算する目標電流演算手段と、 を有することを特徴とするディジタルサーボ制御装置。
  2. 【請求項2】 位置フィードバックループ、速度フィー
    ドバックループを有して、電流を制御し、指令値及び帰
    還値をディジタル量で与えて、制御軸をサーボ制御する
    ディジタルサーボ制御装置において、 前記制御軸が時々刻々とるべき目標角度を出力する目標
    角度出力手段と、 前記目標角度の時間微分から求められる角加速度を演算
    する角加速度演算手段と、 前記制御軸の回りの慣性モーメントを前記制御軸の角度
    に対応して演算するモーメント演算手段と、 前記制御軸の現在角度を検出する現在角度検出手段と、 前記目標角度出力手段の出力する前記目標角度と、前記
    現在角度検出手段の出力する現在角度との角度偏差に応
    じて、前記速度フィードバックループに対する目標角速
    度を演算する目標角速度演算手段と、 前記制御軸の現在角速度を検出する現在角速度検出手段
    と、 前記目標角速度演算手段により演算された前記目標角速
    度と前記現在角速度検出手段により検出された現在角速
    度との角速度偏差に対する比例・積分演算により目標電
    流を演算する目標電流演算手段と、 前記角加速度演算手段により演算された角加速度と前記
    モーメント演算手段により演算され更新されているその
    時の慣性モーメントに基づいて前記電流フィードバック
    ループへの目標電流を加算補正する第2補正手段とを有
    することを特徴とするディジタルサーボ制御装置。
JP9858493A 1993-03-31 1993-03-31 ディジタルサーボ制御装置 Pending JPH06289915A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4820014A (en) * 1987-02-25 1989-04-11 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Optical cable
JP2009101444A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Okuma Corp 回転構造物の位置制御方法
JP2020041970A (ja) * 2018-09-13 2020-03-19 株式会社ミツトヨ レーザ追尾装置およびレーザ追尾装置の制御方法
CN113267995A (zh) * 2021-04-27 2021-08-17 长春同泽科技有限公司 一种驱动控制装置、控制方法及矿井运输车

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