JPH06190750A - ロボットの制御装置 - Google Patents

ロボットの制御装置

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Publication number
JPH06190750A
JPH06190750A JP35762292A JP35762292A JPH06190750A JP H06190750 A JPH06190750 A JP H06190750A JP 35762292 A JP35762292 A JP 35762292A JP 35762292 A JP35762292 A JP 35762292A JP H06190750 A JPH06190750 A JP H06190750A
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JP
Japan
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moment
robot
axis
inertia
feedback loop
Prior art date
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Application number
JP35762292A
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English (en)
Inventor
Akira Shimogoe
昭 下越
Koji Yoshimi
光二 吉見
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Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】動作時において教示データの補間周期を長くす
ることがなくハンドから先の重量物体が変化しても位置
及び姿勢制御の性能を低下させないこと。 【構成】ロボットが物体を握持したり開放する時に、LO
AD命令語により重量物の重心座標とその質量とを設定す
る。重心座標と質量とを用いて、各軸の回りの慣性モー
メント及び重力トルクが教示データの補間演算の空き時
間に演算され、演算が完了したものから順に、それらの
最新値が更新される。この慣性モーメント及び重力トル
クを用いて、速度ループのゲインや各種のフィードフォ
ワード値が補正される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロボットの各軸の回り
の慣性モーメント及び重力トルクがロボットの姿勢の変
化に伴って変化することによって生じる軌跡制御性能の
低下を防止した装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多関節ロボットにおいては、ロボットの
姿勢変化に伴って、各軸の回りの慣性モーメント及び重
力トルクが変化する。このため、位置及び速度フィード
バックループのゲインを一定とすると、ロボットの全作
動領域において位置決め誤差や位置決め速度を一定にす
ることは困難である。例えば、位置や速度のフィードバ
ックループのゲインを慣性モーメントや重力トルクが最
大となる姿勢の時に所定の位置決め誤差及び位置決め速
度が得られるように設定した場合には、慣性モーメント
や重力トルクが小さくなる姿勢では、フィードバックル
ープのゲインが高くなり過ぎ、振動が発生し、位置決め
時間が長くなるという問題がある。逆に、フィードバッ
クループのゲインを慣性モーメントや重力トルクが最小
となる姿勢の時に所定の位置決め誤差及び位置決め速度
が得られるように設定した場合には、慣性モーメントや
重力トルクが大きくなる姿勢では、フィードバックルー
プのゲインが不足し、位置決め誤差が増大したり、追随
遅れが増大し、位置決め時間が長くなるという問題があ
る。
【0003】この課題を解決するために、教示データ間
を補間して各軸の指令角度を演算すると共にその指令角
度における各軸の回りの慣性モーメント及び重力トルク
を演算して、それらの値に基づいて位置及び速度フィー
ドバックループのゲインを変化させることが考えられ
る。しかしながら、教示データの補間には多大な時間が
かかる上に、各補間点における慣性モーメント及び重力
トルクを演算するとすると、CPUの演算時間が長くな
り、教示データの補間周期が長くなる。この結果、ロボ
ットの姿勢変化速度を大きくすることができないという
問題が発生する。
【0004】又、慣性モーメント及び重力トルクの演算
量を減少させる方法として、特開昭59−220806
号公報に記載のものが存在する。この方法は、位置及び
姿勢の教示時に、教示点での慣性モーメント及び重力ト
ルクを演算して、教示データと共に記憶しておき、ロボ
ットの動作時には、教示点間の補間演算と共に慣性モー
メント及び重力トルクも補間演算するという方法であ
る。この方法によれば、教示点での慣性モーメント及び
重力トルクを各軸の角度から演算する必要がないことか
ら、CPUの演算時間は短縮され、教示データの補間周
期が長くならないという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、教示時に教示点における慣性モーメント及び重
力トルクを演算するという方法は、教示時において、ロ
ボットの手首部先端に取り付けられるハンドやこのハン
ドが把持する工具の重心や質量が既知であることが必要
となるため、工具を動作時と同一工具にしておかなけれ
ばならないという問題がある。又、別の工具を用いて同
一教示データで加工する場合には、各教示点における慣
性モーメント及び重力トルクが異なるため精度の高い制
御を行うことが困難である。さらに、異なる重量の物体
をロボットにより握持して同一経路で移動させる様な場
合には、重量が異なれば、同一姿勢でも慣性モーメント
及び重力トルクが異なるので、それぞれの教示データを
作成する必要がある。又、重量物の握持前と握持後で
は、同一姿勢でも慣性モーメント及び重力トルクが異な
るため、単一の教示データでは対応できないという問題
がある。
【0006】本発明は上記の課題を解決するために成さ
れたものであり、その目的は、動作時において教示デー
タの補間周期を長くすることがなく、手首部先端から先
の重量物体の変化に容易に対応できるようにすることで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の発明の構成は、教示データを記憶する教示データ記憶
手段と、補間データを求める補間演算手段と、補間デー
タに従って各軸の回転角の制御を行う角度制御手段と、
各軸の回転角を検出する角度検出手段とを有したロボッ
トの制御装置であって、ロボットの手首部先端より先の
重量物体の重心座標及び質量のデータを設定するデータ
設定手段と、補間演算手段による補間演算終了後から次
の補間演算開始までの間に、検出された各軸の回転角と
ロボットの各リンクの長さ及び質量とデータ設定手段に
よりその時に設定されている重心座標及び質量とから、
順次、各軸の回りの慣性モーメント及び重力トルクを繰
り返し演算することで、各軸の回りの慣性モーメント及
び重力トルクを順次更新するモーメント/トルク演算手
段と、モーメント/トルク演算手段により演算され更新
されているその時の慣性モーメントに基づいて速度フィ
ードバックループのゲインを変化させる第1補正手段
と、モーメント/トルク演算手段により演算され更新さ
れているその時の重力トルクに基づいて電流フィードバ
ックループへの指令値を加算補正する第2補正手段とを
設けたことを特徴とする。
【0008】
【作用】ロボットの動作手順を指定するプログラムにお
いて、ロボットの手首部先端より先の部分が所定の重量
物となる位置で、データ設定手段によりその重量物の重
心座標と質量が設定される。もしも、動作経路の途中に
おいて、手首部先端より先の重量物が変化するような場
合には、動作プログラム中のその位置において、重量物
の重心座標及び質量が改めて設定される。ロボットの動
作時には、動作プログラムに従って指定の教示点への指
定された移動が行われる。この時、教示点間における各
軸の角度の指令値は、教示データの補間によってある周
期毎に演算される。
【0009】一方、補間演算手段による補間演算終了後
から次の補間演算開始までの間に、検出された各軸の回
転角とロボットの各リンクの長さ及び質量とデータ設定
手段によりその時に設定されている重心座標及び質量と
から、順次、各軸の回りの慣性モーメント及び重力トル
クが繰り返し演算される。この順次繰り返される演算に
より、その時の各軸の回りの慣性モーメント及び重力ト
ルクが順次更新される。そして、順次、更新されている
その時の各軸の慣性モーメントに基づいて速度フィード
バックループのゲインが変化される。又、順次、更新さ
れているその時の重力トルクに基づいて電流フィードバ
ックループへの指令値が加算補正される。
【0010】
【発明の効果】このように、モーメント/トルク演算手
段による演算は、補間演算手段による補間演算終了後か
ら次の補間演算開始までの間に実行されるので、慣性モ
ーメント及び重力トルクの演算のために補間演算の周期
が長くなるということが防止される。又、ロボットによ
って物体を握持して、その物体を他の位置に移動させる
ような場合には、物体を握持している時の状態と、物体
を握持していない時の状態とでは、各軸の慣性モーメン
ト及び重力トルクが異なる。この場合においては、物体
を握持する命令の直後に、物体を握持した状態での手首
部先端から先の重量物の重心座標と質量を指定し、物体
を放置する指令の直後で、物体を握持していない状態で
のフランジ端から先の重量物の重心座標と質量とを指定
することで、それぞれの状態において最適な制御が可能
となる。又、動作経路が同一で工具や握持する物体の質
量が異なった場合にも、データ設定手段によりその状態
での手首部先端から先の重量物の重心座標と質量とを設
定することで、手首部先端から先の重量物に対応した最
適な位置及び姿勢制御が可能となる。
【0011】
【実施例】以下本発明を具体的な実施例に基づいて説明
する。図1は6軸多関節ロボットの機構を示した機構図
である。10がロボット本体であり、フロアに本体10
を固定するベース13が配設され、ベース13上にはコ
ラム12が固設されており、コラム12はボディ14を
回転自在に配設している。ボディ14はアッパーアーム
15を回動自在に軸支し、アッパーアーム15は、フォ
アアーム16を回動自在に軸支している。ボディ14、
アッパーアーム15、フォアアーム16は、それぞれ、
サーボモータSm1,Sm2,Sm3(図2参照)によって、
軸a,b,cの回りに回転駆動される。この回転角はエ
ンコーダE1,E2,E3によって検出される。フォア
アーム16の先端部にはツイストリスト17がd軸の周
りに回転可能に軸支され、ツイストリスト17にはベン
ドリスト9がe軸の周りに回動自在に軸支されている。
ベンドリスト9には先端にフランジ18aを有するスイ
ベルリスト18がf軸の回りに回転可能に軸支されてい
る。また、フランジ18aにはハンド19が取り付けら
れている。d軸、e軸、f軸はサーボモータSm4、Sm
5、Sm6によって駆動され、その回転角はエンコーダE
4,E5,E6によって検出される。ハンド19の開閉
動作は工具駆動回路23により制御される。
【0012】図2は、本発明のロボットの制御装置の電
気的構成を示したブロックダイヤグラムである。CPU
20には、メモリ25、サーボモータを駆動するための
サーボCPU22a〜22f、動作開始指令、ジョグ運
転の指令、教示点の指示等を行う操作盤26が接続され
ている。ロボットに取付けられた各軸a〜f駆動用のサ
ーボモータSm1〜Sm6は、それぞれサーボCPU22a
〜22fによって駆動される。
【0013】サーボCPU22a〜22fのそれぞれ
は、CPU20から出力される各軸の角度指令値θ1
θ6 、慣性モーメントDi 、重力トルクTi に基づい
て、サーボモータSm1〜Sm6の出力トルクを制御する。
各駆動軸に連結されたエンコーダE1〜E6の出力する
検出角度α1 〜α6 はCPU20及びサーボCPU22
a〜22fに入力しており、CPU20による各軸の慣
性モーメント及び重力トルクの演算及びサーボCPU2
2a〜22fによる位置フィードバック制御、速度フィ
ードバック制御、電流フィードバック制御に用いられ
る。
【0014】メモリ25にはロボットを教示点データに
従って動作させるためのプログラムが記憶されたPA領
域とハンド19の位置と姿勢を表す教示点データを記憶
するPDA領域とフランジ18aから先の重量物、即
ち、ハンド19、又は、ハンド19とそれにより握持さ
れた物体を総合した物体の重心座標(a,b,c)とそ
の質量mL を記憶するSDA領域とサーボパラメータを
記憶するITA領域と補間演算により求められた補間点
における各軸の角度指令値θ1 〜θ6 を記憶するINA
領域とエンコーダE1〜E6から出力された検出角度α
1 〜α6 を記憶するANG領域とが形成されている。
【0015】各軸のサーボCPU22a〜22fは、図
3に示す回路の機能をシーケンシャルなディジタル制御
により達成するものである。即ち、各回転角の位置のフ
ィードバックループと速度のフィードバックループとで
電流のフィードバックループと速度のフィードフォワー
ドループと加速度のフィードフォワードループとを有し
ている。
【0016】次に、本装置の作動について説明する。図
5はRAM25のPA領域に記憶されている動作プログ
ラムである。行番号10、50、90がデータ設定手段
を構成する重量物の重心座標(a,b,c)とその質量
L とを設定するための命令語である。この命令語の実
行により重心座標(a,b,c)と質量mL のデータが
RAM25のSDA領域に記憶される。命令語の領域A
が重心座標rを表し、領域Bが質量mL を表す。重心座
標(a,b,c)はスイベルリスト18のフランジ18
aの中心に固定されたリンク座標系から見た座標、即
ち、ノーマル、オリエント、アプローチの各座標(mm単
位) で与えられる。又、質量はkg単位で表記される。行
番号10、90は、フランジ18aから先の重量物がハ
ンド19だけの場合のデータ設定に関する命令語であ
り、行番号90はハンド19により物体が握持された場
合のデータ設定に関する命令語である。又、行番号20
及び80のHAND OFF命令語は、ハンド19を開
く命令語であり、行番号40のHAND ON命令語は
ハンド19を閉じる命令語である。さらに、行番号3
0、60、70、100、110のMOVE命令語は指
定された教示点Pnに移動させるための命令語である。
【0017】図5の動作プログラムにより、ロボット
は、ハンド19を開いて、P1点に移動し、その後、ハ
ンド19を閉じて物体を握持し、P2点を経由してP3
点に移動して、ハンド19を開いて、物体を放置し、P
4点を経由してP5点に移動することが可能である。
【0018】図4は、CPU20による動作プログラム
を解読するための主プログラムのフローチャートであ
る。ステップ100において、MOVE命令語が解読さ
れると、ステップ102において、現在位置から指定さ
れた教示点までハンド19を移動させるための補間演算
が実行される。そして、補間演算により求められた各軸
の角度指令値θ1 〜θ6 はサーボCPU22a〜22f
に出力される。又、ステップ104において、LOAD
命令語が解読されると、ステップ106において、その
命令語に表記されているハンドから先の重量物の重心座
標と質量のデータがRAM25のSDA領域に記憶され
る。又、ステップ108でHAND OFF命令語が解
読されると、ステップ110において、工具駆動回路2
3にハンド19を開く指令を与える。又、ステップ11
2でHAND ON命令語が解読されると、ステップ1
14において、工具駆動回路23にハンド19を閉じる
指令を与える。
【0019】ステップ102における教示点間の補間演
算は、図6に示すフローチャートに従って実行される。
補間演算は、良く知られたように、回転主軸法等を用い
て行うことができる(例えば、特開昭62−15400
6号)。ステップ200において、ワールド座標系で表
記された教示データとして与えられた開始点の位置及び
姿勢と次の位置決め目標点の位置及び姿勢から回転主軸
の方向ベクトルが演算され、ステップ202において、
その回転主軸回りの回転角Θが演算される。次に、ステ
ップ204において、開始点の位置及び姿勢を基準とし
た補間角ΔΘが演算され、次のステップ206におい
て、その補間角ΔΘを用いて開始点の位置及び姿勢を補
間点における位置及び姿勢に変換するための姿勢変換行
列Rが演算される。そして、ステップ208において、
開始点の位置及び姿勢を表す同次座標行列に姿勢変換行
列を作用させて、補間点における位置及び姿勢を表す同
次座標行列が演算される。次に、ステップ210におい
て、その補間点におけるワールド座標系で表記された位
置及び姿勢の同次座標行列からジョイント座標系での
値、即ち、各軸の回転角が演算され、この値はRAM2
5のINA領域に記憶される。この状態で、本補間プロ
グラムは終了し、ステップ212で、後述する優先度が
低いレベルに設定された慣性モーメント及び重力トルク
演算プログラムの再開処理(中断した命令語の記憶アド
レスへの分岐命令及び状態レジスタ等の復元処理)が行
われた後、そのプログラムが継続起動される。
【0020】一方、8msec毎のタイマ割り込みが発生す
ると(ステップ214)、ステップ216において、優
先度の低いレベルに設定された慣性モーメント及び重力
トルク演算プログラムへの割込処理(中断した命令語が
記憶されているアドレスの記憶、状態レジスタ等のスタ
ック処理等)が行われる。そして、ステップ218、2
20において、RAM25のINA領域に記憶された補
間点の角度指令値θ1〜θ6 、慣性モーメント及び重力
トルク演算プログラムにより演算されRAM25のIT
A領域に記憶されているサーボパラメータDi,i がサ
ーボCPU22a〜22fに出力される。この結果、各
軸はその時の位置及び姿勢に対応した慣性モーメント及
び重力トルクを補償したフィードフォワード制御により
それらの角度指令値θ1 〜θ6 に位置決め制御される。
そして、ステップ222において、補間点が教示データ
として与えられた目標位置に達したか否かが判定され、
補間が終了していない場合に、次の補間点の位置及び姿
勢の演算のために、ステップ206以下が実行される。
一方、補間が終了した場合には、次の命令語を解読する
ために図4のメインプログラムに戻る。
【0021】次に、優先度の低いレベルに設定されてい
る慣性モーメント及び重力トルクの演算手順について、
図7に示すフローチャートを参照して説明する。ステッ
プ300において、ロボットの軸を特定する軸変数iが
1に初期設定され、ステップ302においてエンコーダ
E1〜E6から各軸の現在の回転角α1〜α6 が検出さ
れ、その値はRAM25のANG領域に記憶される。次
に、ステップ304において、i軸の回りの慣性行列D
i ( α1,…, α6)( 慣性モーメントの行列表現)が演算
され、ステップ306において、i軸の回りの重力トル
クTi ( α1,…, α6)が演算される。尚、i軸の回りの
トルクτi は、次式で良く知られたように、ロボットア
ームに関するラグランジュ関数の微分から求めることが
できる。
【0022】
【数1】τi =Σj=i nΣk=i jTr(Ujkjji T)D2θk -
ΣmjgUji jj 但し、コリオリ力と遠心力の成分は小さいとして上式で
は除外した。Jj はj軸を構成する部材だけによるリン
ク慣性行列、Trは行列式の対角成分の和、mj はj軸リ
ンクの質量、gは重力加速度、 jj はj軸リンク座標
系で表されたj軸リンクの重心のベクトルであり、D2θ
k は角度の時間に関する2次微分、即ち、角加速度であ
る。又、上式の第1項の展開式において、D2θi の係数
が慣性行列Di となり、第2項がi軸の回りの重力トル
クTi となる。又、Ujkは、
【0023】
【数2】0 (j<iの時)
【数3】δ(0A1 1A2j-1Aj )/δθi =Πs=1 j s-1A s
・δi-1Ai / δθi (j≧iの時) 但し、s≠iである。又、j-1Aj はj軸リンク座標をj
−1軸リンク座標へ変換する同次座標変換行列であり、
0A1 は1軸リンク座標をワールド座標に変換する同次座
標変換行列である。
【0024】Jj は慣性テンソルIijを用いて次の様に
表現することができる。
【数4】
【0025】但し、rix、riy、rizはj軸リンク座標
から見たj軸リンクの重心の座標であり、miはその質
量である。又、
【数5】Iij=∫〔δij〔Σxk 2 〕−xii 〕dm である。
【0026】尚、LOAD命令語によって設定される重
心座標(a,b,c)及び質量mLにより、J6 が変化
する。J6 は、数4において、(rix,riy,riz)=
(a,b,c)、mi =mL とおくことにより求めるこ
とができる。
【0027】数1から、現在の検出角度(α1 ,…,α
6 )における各軸の回りの慣性行列Di と重力トルクT
i とが演算される。本実施例では、演算時間を短縮する
ために、他軸との相互作用は小さいとして、(i,i) 対角
成分のみを考慮している。請求の範囲の慣性モーメント
の用語は、対角成分だけでなく慣性行列を含む意味で用
いているが、以下の記載では、便宜上、慣性行列Di
(i,i) 対角成分を、慣性モーメントDi と記す。次に、
ステップ308において、慣性モーメントDiと重力ト
ルクTi がサーボパラメータとしてRAM25のITA
領域に更新記憶される。この値が図6のステップ220
においてサーボCPU22a〜22fに出力される。次
に、ステップ310において、軸変数iが最大値6に達
したか否かが判定され、その値に達していない場合に
は、ステップ312において、軸変数iが1だけ加算さ
れて、ステップ302に戻り、次の軸に関する慣性モー
メント及び重力トルクの演算が繰り返し実行される。
又、軸変数iが最大値6になれば、ステップ300に戻
り、軸変数iを1に初期設定して、1軸から演算が繰り
返し実行される。
【0028】この図7に示すプログラムは、図4、図6
に示すプログラムよりも優先度が1ランク低く設定され
ているので、図4、図6に示すプログラムが実行されて
いない時に実行される。このようにして、補間演算手段
(図6に示す手順を実行する手段)の空き時間におい
て、図7に示す慣性モーメント及び重力トルクの演算が
実行される。従って、図7のプログラムは、連続されて
実行されるのではなく、8msecの補間演算毎に中断さ
れ、中断された次の命令語から再開される。このため、
補間周期とは別の遅い周期で各軸毎に慣性モーメント及
び重力トルクが順次、最新の値に更新されていくことに
なる。
【0029】次に、i軸のサーボCPUの動作手順を図
8のフローチャートに従って説明する。ステップ400
において、エンコーダEiから現在の検出角度αi が読
み取られ、ステップ402において検出角度αi の時間
変化率から角速度βi 、角速度βi の時間変化率から角
加速度γi が演算される。次、ステップ404におい
て、RAM25の領域ITAに記憶されている最新の重
力トクルTi と慣性モーメントDi がCPU20を介し
て受信され、ステップ406において、RAM25の領
域INAに記憶されている角度指令値θi がCPU20
を介して受信される。次に、ステップ408において、
角加速度γi と、慣性モーメントDi とバネ定数Kc
定数K2 に基づいて、次式により、角度指令値θi のフ
ィードフォワード補正が行われる。
【0030】
【数6】θinew=θi+γii2/Kc
【0031】次に、ステップ410において、補正され
た角度指令値θinewの検出角度αiに対する角度偏差Δ
θi (=θinew−αi )が演算される。次に、ステップ
412において、角度偏差Δθi 、位置ループゲインK
p を用いて、次式により、角速度指令値ωi が演算され
る。
【0032】
【数7】ωi =KpΔθi
【0033】次に、ステップ414において、検出され
た角速度βi 、ゲインKf を用いて、角速度のフィード
フォワード補正が次式により行われる。
【数8】ωinew=ωi+βif 次に、ステップ416において、補正された角速度指令
値ωinewの検出された角速度βi に対する角速度偏差Δ
ωi (=ωinew−βi )が演算される。
【0034】次に、ステップ418において、電流指令
値Ii が、定数K、慣性モーメントDi を用いて、次式
により、演算される。
【数9】Ii =KDi 'Δωi 但し、Di ' は上記の慣性モーメントDi にi軸のサー
ボモータのロータの慣性モーメントを加算した全慣性モ
ーメントである。このように電流指令値を求めるための
速度フィードバックループのゲインが全慣性モーメント
i 'により補償されることになる。即ち、慣性モーメン
トが大きな姿勢では、追随性を向上させるために速度フ
ィードバックループのゲインが大きくなるように制御さ
れる。
【0035】次に、ステップ420において、角加速度
γi と、全慣性モーメントDi 'とトルク定数Ktnと定数
a を用いて、次式により、電流指令値がフィードフォ
ワード補正される。
【数10】Iinew=Ii+γiai '/Ktn 次に、ステップ422において、最新の重力トルクTi
と、ゲインKT とを用いて、次式により、電流指令値の
重力トルクによる補正値が演算される。
【数11】Iinnew =Iinew+TiT
【0036】次に、ステップ424において、最終的に
演算された電流指令値Iinnew に基づいて、i軸のサー
ボモータに対する電流制御が実行され、このサーボモー
タは慣性モーメント及び重力トルクの補償がされた状態
で角度指令値θi に向けて位置決めされる。
【0037】以上の処理が微小時間間隔で繰り返し実行
されることにより、図3に示す回路機能と等価な処理が
実行される。尚、上記実施例では、慣性行列Di の対角
成分だけで慣性モーメントの補償を行ったが、他の軸と
の相互作用を表した非対角成分を含めた補償を行うよう
にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な実施例装置で使用されるロボ
ットを示した構成図。
【図2】ロボットの制御装置の構成を示したブロック
図。
【図3】図2におけるサーボCPUの処理を示したブロ
ック図。
【図4】ロボットの位置及び姿勢制御のための主プログ
ラムを示したフローチャート。
【図5】ロボットの位置及び姿勢制御のための動作プロ
グラムを示した説明図。
【図6】補間演算の手順を示したフローチャート。
【図7】慣性モーメント/重力トルクの演算手順を示し
たフローチャート。
【図8】サーボCPUによる角度制御の処理手順を示し
たフローチャート。
【符号の説明】
10…ロボット 18…スイベルリスト 18a…フランジ 19…ハンド 20…CPU(データ設定手段、補間演算手段、モーメ
ント/トルク演算手段) 22a〜22f…サーボCPU(角度制御手段、第1補
正手段、第2補正手段) 25…RAM(データ設定手段、教示データ記憶手段) E1〜E6…エンコーダ(角度検出手段) ステップ106…データ設定手段 ステップ200〜222…補間演算手段 ステップ300〜312…モーメント/トルク演算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05D 3/12 305 L 9179−3H

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置フィードバックループ、速度フィー
    ドバックループ及び電流フィードバックループを有し、
    ロボットの工具の位置及び姿勢を指令された位置及び姿
    勢に追随させる制御装置において、 ロボットの動作時における手首部先端より先の重量物体
    の重心座標及び質量を設定するデータ設定手段と、 複数の教示点における位置及び姿勢を規定した教示デー
    タを記憶する教示データ記憶手段と、 2つの教示点間を結ぶ経路上の補間点における位置及び
    姿勢を規定した補間データを、2つの教示データから補
    間演算により求める補間演算手段と、 前記補間演算手段により演算された補間データに従っ
    て、ロボットの各軸の回転角の制御を行う角度制御手段
    と、 ロボットの各軸の回転角を検出する角度検出手段と、 前記補間演算手段による補間演算終了後から次の補間演
    算開始までの間に、検出された各軸の回転角とロボット
    の各リンクの長さ及び質量と前記データ設定手段により
    その時に設定されている重心座標及び質量とから、順
    次、各軸の回りの慣性モーメント及び重力トルクを繰り
    返し演算することで、各軸の回りの慣性モーメント及び
    重力トルクを順次更新するモーメント/トルク演算手段
    と、 前記モーメント/トルク演算手段により演算され更新さ
    れているその時の慣性モーメントに基づいて前記速度フ
    ィードバックループのゲインを変化させる第1補正手段
    と、 前記モーメント/トルク演算手段により演算され更新さ
    れているその時の重力トルクに基づいて前記電流フィー
    ドバックループへの指令値を加算補正する第2補正手段
    とから成るロボットの制御装置。
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