JPH0675009U - サーボ制御装置 - Google Patents

サーボ制御装置

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JPH0675009U
JPH0675009U JP2015593U JP2015593U JPH0675009U JP H0675009 U JPH0675009 U JP H0675009U JP 2015593 U JP2015593 U JP 2015593U JP 2015593 U JP2015593 U JP 2015593U JP H0675009 U JPH0675009 U JP H0675009U
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JP
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moment
gain
inertia
axis
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JP2015593U
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寿男 高野
裕司 大場
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Toyoda Koki KK
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Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】制御軸の回りの慣性モーメントが制御軸の角度
と共に大きく変化する場合にも、安定したサーボ制御を
可能とすること。 【構成】制御軸の回りの慣性モーメントを制御軸の角度
に対応して演算するモーメント演算手段と、慣性モーメ
ントを、その最大変動範囲に対して所定範囲に圧縮した
範囲のゲインに対応させる特性を記憶した特性記憶手段
と、特性記憶手段に記憶されている特性を用いて、モー
メント演算手段により演算され更新されているその時の
慣性モーメントに対応したゲインを求めるゲイン演算手
段417と、ゲイン演算手段により演算されたゲインに
基づいて、速度フィードバックループのゲインを変化さ
せる補正手段418とを設けた。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、制御軸の回りの慣性モーメントが制御軸の回転角と共に変化するサ ーボ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
制御軸の慣性モーメントが制御軸の回転角と共に変化するサーボ制御装置とし て、多関節ロボットの各軸を制御するサーボ制御装置がある。多関節ロボットで は、ロボットの姿勢変化に伴って、各軸の回りの慣性モーメントが変化する。こ のため、位置及び速度フィードバックループのゲインを一定とすると、ロボット の全作動領域において位置決め誤差や位置決め速度を一定にすることは困難であ る。例えば、位置や速度のフィードバックループのゲインを慣性モーメントが最 大となる姿勢の時に所定の位置決め誤差及び位置決め速度が得られるように設定 した場合には、慣性モーメントが小さくなる姿勢では、フィードバックループの ゲインが高くなり過ぎ、振動が発生し、位置決め時間が長くなるという問題があ る。逆に、フィードバックループのゲインを慣性モーメントが最小となる姿勢の 時に所定の位置決め誤差及び位置決め速度が得られるように設定した場合には、 慣性モーメントが大きくなる姿勢では、フィードバックループのゲインが不足し 、位置決め誤差が増大したり、追随遅れが増大し、位置決め時間が長くなるとい う問題がある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
この課題を解決するために、教示データ間を補間して各軸の指令角度を演算す ると共にその指令角度における各軸の回りの慣性モーメントを演算して、それら の値に基づいて位置及び速度フィードバックループのゲインを変化させることが 考えられる。しかしながら、この慣性モーメントの変化が、例えば、10倍もあ るような場合には、速度フィードバックループのゲインが10倍も変化すること になり、系の状態量の発振が生じる。具体的には、電流波形のハネが大きくなり 、モータが過負荷となるという問題が発生する。
【0004】 本考案は上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、制御 軸の回りの慣性モーメントが制御軸の角度と共に大きく変化する場合にも、安定 したサーボ制御を可能とすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための考案の構成は、位置フィードバックループ、速度フ ィードバックループを有したサーボ制御装置において、制御軸の回りの慣性モー メントを制御軸の角度に対応して演算するモーメント演算手段と、慣性モーメン トをゲインに対応させる特性を記憶した特性記憶手段と、特性記憶手段に記憶さ れている特性を用いて、モーメント演算手段により演算され更新されているその 時の慣性モーメントに対応したゲインを求めるゲイン演算手段と、ゲイン演算手 段により演算されたゲインに基づいて、速度フィードバックループのゲインを変 化させる補正手段とを設けたことである。
【0006】
【作用】
各制御軸の回りの慣性モーメントが制御軸の角度変化に伴って演算される。こ の演算された慣性モーメントから、特性記憶手段に記憶されている特性を用いて 、対応するゲインが求められる。そして、この値に基づいて、速度フィードバッ クループのゲインが変化させられる。
【0007】
【考案の効果】
このように、速度フィードバックループのゲインは、制御軸の回りのその時の 慣性モーメントに対して経験的に適切と考えられる値として与えられる。この結 果、慣性モーメントの変動範囲に対して、ゲインの変動範囲が規制されることに なり、系の状態量の発振、電流波形のハネが抑制され、モータの過負荷が防止さ れる。従って、サーボ制御の安定性が向上する。
【0008】
【実施例】
以下本考案を具体的な実施例に基づいて説明する。 本実施例は、本考案のサーボ制御装置を多関節ロボットの各軸の制御装置に応 用した例である。 図1は6軸多関節ロボットの機構を示した機構図である。10がロボット本体 であり、フロアに本体10を固定するベース13が配設され、ベース13上には コラム12が固設されており、コラム12はボディ14を回転自在に配設してい る。ボディ14はアッパーアーム15を回動自在に軸支し、アッパーアーム15 は、フォアアーム16を回動自在に軸支している。ボディ14、アッパーアーム 15、フォアアーム16は、それぞれ、サーボモータSm1,Sm2,Sm3(図2参 照)によって、軸a,b,cの回りに回転駆動される。この回転角はエンコーダ E1,E2,E3によって検出される。フォアアーム16の先端部にはツイスト リスト17がd軸の周りに回転可能に軸支され、ツイストリスト17にはベンド リスト9がe軸の周りに回動自在に軸支されている。ベンドリスト9には先端に フランジ18aを有するスイベルリスト18がf軸の回りに回転可能に軸支され ている。また、フランジ18aにはハンド19が取り付けられている。d軸、e 軸、f軸はサーボモータSm4、Sm5、Sm6によって駆動され、その回転角はエン コーダE4,E5,E6によって検出される。ハンド19の開閉動作は工具駆動 回路23により制御される。
【0009】 図2は、本考案のロボットの制御装置の電気的構成を示したブロックダイヤグ ラムである。CPU20には、メモリ25、サーボモータを駆動するためのサー ボCPU22a〜22f、動作開始指令、ジョグ運転の指令、教示点の指示等を 行う操作盤26が接続されている。ロボットに取付けられた各軸a〜f駆動用の サーボモータSm1〜Sm6は、それぞれサーボCPU22a〜22fによって駆動 される。
【0010】 サーボCPU22a〜22fのそれぞれは、CPU20から出力される各軸の 角度指令値θ1 〜θ6 、慣性モーメントDi 、重力トルクTi に基づいて、サー ボモータSm1〜Sm6の出力トルクを制御する。各駆動軸に連結されたエンコーダ E1〜E6の出力する検出角度α1 〜α6 はCPU20及びサーボCPU22a 〜22fに入力しており、CPU20による各軸の慣性モーメント及び重力トル クの演算及びサーボCPU22a〜22fによる位置フィードバック制御、速度 フィードバック制御、電流フィードバック制御に用いられる。
【0011】 メモリ25にはロボットを教示点データに従って動作させるためのプログラム が記憶されたPA領域とハンド19の位置と姿勢を表す教示点データを記憶する PDA領域とフランジ18aから先の重量物、即ち、ハンド19、又は、ハンド 19とそれにより握持された物体を総合した物体の重心座標(a,b,c)とそ の質量mL を記憶するSDA領域とサーボパラメータを記憶するITA領域と補 間演算により求められた補間点における各軸の角度指令値θ1 〜θ6 を記憶する INA領域とエンコーダE1〜E6から出力された検出角度α1 〜α6 を記憶す るANG領域とが形成されている。
【0012】 各軸のサーボCPU22a〜22fは、図3に示す回路の機能をシーケンシャ ルなディジタル制御により達成するものである。即ち、各回転軸の位置のフィー ドバックループと速度のフィードバックループとでアンプの指令電流を制御する ための制御ループが構成されている。そして、この制御ループは角速度のフィー ドフォワードループ、角加速度のフィードフォワードループおよび動トルクのフ ィードフォワードループを有している。
【0013】 次に、本装置の作動について説明する。 図5はRAM25のPA領域に記憶されている動作プログラムである。行番号 10、50、90がデータ設定手段を構成する重量物の重心座標(a,b,c) とその質量mL とを設定するための命令語である。この命令語の実行により重心 座標(a,b,c)と質量mL のデータがRAM25のSDA領域に記憶される 。命令語の領域Aが重心座標rを表し、領域Bが質量mL を表す。重心座標(a ,b,c)はスイベルリスト18のフランジ18aの中心に固定されたリンク座 標系から見た座標、即ち、ノーマル、オリエント、アプローチの各座標(mm単位 ) で与えられる。又、質量はkg単位で表記される。行番号10、90は、フラン ジ18aから先の重量物がハンド19だけの場合のデータ設定に関する命令語で あり、行番号50はハンド19により物体が握持された場合のデータ設定に関す る命令語である。又、行番号20及び80のHAND OFF命令語は、ハンド 19を開く命令語であり、行番号40のHAND ON命令語はハンド19を閉 じる命令語である。さらに、行番号30、60、70、100、110のMOV E命令語は指定された教示点Pnに移動させるための命令語である。
【0014】 図5の動作プログラムにより、ロボットは、ハンド19を開いて、P1点に移 動し、その後、ハンド19を閉じて物体を握持し、P2点を経由してP3点に移 動して、ハンド19を開いて、物体を放置し、P4点を経由してP5点に移動す ることが可能である。
【0015】 図4は、CPU20による動作プログラムを解読するための主プログラムのフ ローチャートである。ステップ100において、MOVE命令語が解読されると 、ステップ102において、現在位置から指定された教示点までハンド19を移 動させるための補間演算が実行される。そして、補間演算により求められた各軸 の角度指令値θ1 〜θ6 はサーボCPU22a〜22fに出力される。又、ステ ップ104において、LOAD命令語が解読されると、ステップ106において 、その命令語に表記されているハンドから先の重量物の重心座標と質量のデータ がRAM25のSDA領域に記憶される。又、ステップ108でHAND OF F命令語が解読されると、ステップ110において、工具駆動回路23にハンド 19を開く指令を与える。又、ステップ112でHAND ON命令語が解読さ れると、ステップ114において、工具駆動回路23にハンド19を閉じる指令 を与える。
【0016】 ステップ102における教示点間の補間演算は、図6に示すフローチャートに 従って実行される。補間演算は、良く知られたように、回転主軸法等を用いて行 うことができる(例えば、特開昭62−154006号)。ステップ200にお いて、ワールド座標系で表記された教示データとして与えられた開始点の位置及 び姿勢と次の位置決め目標点の位置及び姿勢から回転主軸の方向ベクトルが演算 され、ステップ202において、その回転主軸回りの回転角Θが演算される。次 に、ステップ204において、開始点の位置及び姿勢を基準とした補間角ΔΘが 演算され、次のステップ206において、その補間角ΔΘを用いて開始点の位置 及び姿勢を補間点における位置及び姿勢に変換するための姿勢変換行列Rが演算 される。そして、ステップ208において、開始点の位置及び姿勢を表す同次座 標行列に姿勢変換行列を作用させて、補間点における位置及び姿勢を表す同次座 標行列が演算される。次に、ステップ210において、その補間点におけるワー ルド座標系で表記された位置及び姿勢の同次座標行列からジョイント座標系での 値、即ち、各軸の回転角が演算され、この値はRAM25のINA領域に記憶さ れる。この状態で、本補間プログラムは終了し、ステップ212で、後述する優 先度が低いレベルに設定された慣性モーメント及び重力トルク演算プログラムの 再開処理(中断した命令語の記憶アドレスへの分岐命令及び状態レジスタ等の復 元処理)が行われた後、そのプログラムが継続起動される。
【0017】 一方、8msec毎のタイマ割り込みが発生すると(ステップ214)、ステップ 216において、優先度の低いレベルに設定された慣性モーメント及び重力トル ク演算プログラムへの割込処理(中断した命令語が記憶されているアドレスの記 憶、状態レジスタ等のスタック処理等)が行われる。そして、ステップ218、 220において、RAM25のINA領域に記憶された補間点の角度指令値θ1 〜θ6 、慣性モーメント及び重力トルク演算プログラムにより演算されRAM2 5のITA領域に記憶されているサーボパラメータDi,i がサーボCPU22 a〜22fに出力される。この結果、各軸はその時の位置及び姿勢に対応した慣 性モーメント及び重力トルクを補償したフィードフォワード制御によりそれらの 角度指令値θ1 〜θ6 に位置決め制御される。そして、ステップ222において 、補間点が教示データとして与えられた目標位置に達したか否かが判定され、補 間が終了していない場合に、次の補間点の位置及び姿勢の演算のために、ステッ プ206以下が実行される。一方、補間が終了した場合には、次の命令語を解読 するために図4のメインプログラムに戻る。
【0018】 次に、優先度の低いレベルに設定されている慣性モーメント及び重力トルクの 演算手順について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。 ステップ300において、ロボットの軸を特定する軸変数iが1に初期設定さ れ、ステップ302においてエンコーダE1〜E6から各軸の現在の回転角α1 〜α6 が検出され、その値はRAM25のANG領域に記憶される。次に、ステ ップ304において、i軸の回りの慣性行列Di ( α1,…, α6)( 慣性モーメン トの行列表現)が演算され、ステップ306において、i軸の回りの重力トルク Ti ( α1,…, α6)が演算される。尚、i軸の回りのトルクτi は、次式で良く 知られたように、ロボットアームに関するラグランジュ関数の微分から求めるこ とができる。
【0019】
【数1】 τi =Σj=i nΣk=i jTr(Ujkjji T)D2θk - ΣmjgUji jj 但し、コリオリ力と遠心力の成分は小さいとして上式では除外した。 Jj はj軸を構成する部材だけによるリンク慣性行列、Trは行列式の対角成分 の和、mj はj軸リンクの質量、gは重力加速度、 jj はj軸リンク座標系で 表されたj軸リンクの重心のベクトルであり、D2θk は角度の時間に関する2次 微分、即ち、角加速度である。又、上式の第1項の展開式において、D2θi の係 数が慣性行列Di となり、第2項がi軸の回りの重力トルクTi となる。 又、Ujkは、
【0020】
【数2】 0 (j<iの時)
【数3】 δ(0A1 1A2j-1Aj )/δθi =Πs=1 j s-1A s・δi-1Ai / δθi (j≧iの 時) 但し、s≠iである。 又、j-1Aj はj軸リンク座標をj−1軸リンク座標へ変換する同次座標変換行 列であり、0A1 は1軸リンク座標をワールド座標に変換する同次座標変換行列で ある。
【0021】 Jj は慣性テンソルIijを用いて次の様に表現することができる。
【数4】
【0022】 但し、rix、riy、rizはj軸リンク座標から見たj軸リンクの重心の座標で あり、miはその質量である。 又、
【数5】 Iij=∫〔δij〔Σxk 2 〕−xii 〕dm である。
【0023】 尚、LOAD命令語によって設定される重心座標(a,b,c)及び質量mL により、J6 が変化する。J6 は、数4において、(rix,riy,riz)=(a ,b,c)、mi =mL とおくことにより求めることができる。
【0024】 数1から、現在の検出角度(α1 ,…,α6 )における各軸の回りの慣性行列 Di と重力トルクTi とが演算される。本実施例では、演算時間を短縮するため に、他軸との相互作用は小さいとして、(i,i) 対角成分のみを考慮している。請 求の範囲の慣性モーメントの用語は、対角成分だけでなく慣性行列を含む意味で 用いているが、以下の記載では、便宜上、慣性行列Di の(i,i) 対角成分を、慣 性モーメントDi と記す。次に、ステップ308において、慣性モーメントDi と重力トルクTi がサーボパラメータとしてRAM25のITA領域に更新記憶 される。この値が図6のステップ220においてサーボCPU22a〜22fに 出力される。次に、ステップ310において、軸変数iが最大値6に達したか否 かが判定され、その値に達していない場合には、ステップ312において、軸変 数iが1だけ加算されて、ステップ302に戻り、次の軸に関する慣性モーメン ト及び重力トルクの演算が繰り返し実行される。又、軸変数iが最大値6になれ ば、ステップ300に戻り、軸変数iを1に初期設定して、1軸から演算が繰り 返し実行される。
【0025】 この図7に示すプログラムは、図4、図6に示すプログラムよりも優先度が1 ランク低く設定されているので、図4、図6に示すプログラムが実行されていな い時に実行される。このようにして、補間演算手段(図6に示す手順を実行する 手段)の空き時間において、図7に示す慣性モーメント及び重力トルクの演算が 実行される。従って、図7のプログラムは、連続されて実行されるのではなく、 8msecの補間演算毎に中断され、中断された次の命令語から再開される。このた め、補間周期とは別の遅い周期で各軸毎に慣性モーメント及び重力トルクが順次 、最新の値に更新されていくことになる。
【0026】 次に、i軸のサーボCPUの動作手順を図8、図9のフローチャートに従って 説明する。 ステップ400において、エンコーダEiから現在の検出角度αi が読み取ら れ、ステップ402において検出角度αi の時間変化率から角速度βi 、角速度 βi の時間変化率から角加速度γi が演算される。次、ステップ404において 、RAM25の領域ITAに記憶されている最新の重力トクルTi と慣性モーメ ントDi がCPU20を介して受信され、ステップ406において、RAM25 の領域INAに記憶されている角度指令値θi がCPU20を介して受信される 。次に、ステップ408において、角加速度γi と、慣性モーメントDi とバネ 定数Kc と定数K2 に基づいて、次式により、角度指令値θi のフィードフォワ ード補正が行われる。
【0027】
【数6】 θinew=θi+γii2/Kc
【0028】 次に、ステップ410において、補正された角度指令値θinewの検出角度αi に対する角度偏差Δθi (=θinew−αi )が演算される。次に、ステップ41 2において、角度偏差Δθi 、位置ループゲインKp を用いて、次式により、角 速度指令値ωi が演算される。
【0029】
【数7】 ωi =KpΔθi
【0030】 次に、ステップ414において、検出された角速度βi 、ゲインKf を用いて 、角速度のフィードフォワード補正が次式により行われる。
【数8】 ωinew=ωi+βif 次に、ステップ416において、補正された角速度指令値ωinewの検出された 角速度βi に対する角速度偏差Δωi (=ωinew−βi )が演算される。
【0031】 次に、ステップ417において、慣性モーメントDi にi軸のサーボモータの ロータの慣性モーメントを加算した全慣性モーメントDi 'を用いて、ROM24 の特性記憶領域に記憶されている図10に示す特性のマップを検索して、対応す るゲインK(Di ')が求められる。この特性は、図10に示すように、全慣性モ ーメントDi 'の10倍の最大変動範囲に対してゲインは4倍だけ変動するように 圧縮されている。
【0032】 次に、ステップ418において、電流指令値Ii が、演算されたゲインK(D i ' )を用いて、次式により、演算される。
【数9】 Ii =K(Di ')〔Δωi +(ΣΔωi ・Δt)/Ti 〕 但し、Ti は積分時定数、Δtは、速度制御周期、即ち、電流指令値Ii を求 める制御周期である。 このように電流指令値を求めるための速度フィードバックループのゲインが全 慣性モーメントDi 'の変動範囲に対して圧縮された変動範囲を有するゲインK( Di ')により補償されることになる。即ち、慣性モーメントが大きな姿勢では、 追随性を向上させるために速度フィードバックループのゲインが大きくなるよう に制御される。この時、慣性モーメントの変動範囲に対して、ゲインの変動範囲 は圧縮されているので、系の状態量の発振、電流波形のハネが抑制され、モータ の過負荷が防止される。従って、サーボ制御の安定性が向上する。
【0033】 次に、ステップ420において、角加速度γi と、全慣性モーメントDi 'とト ルク定数Ktnと定数Ka を用いて、次式により、電流指令値がフィードフォワー ド補正される。
【数10】 Iinew=Ii+γiai '/Ktn 次に、ステップ422において、最新の重力トルクTi と、ゲインKT とを用 いて、次式により、電流指令値の重力トルクによる補正値が演算される。
【数11】 Iinnew =Iinew+TiT
【0034】 次に、ステップ424において、最終的に演算された電流指令値Iinnew に基 づいて、i軸のサーボモータに対する電流制御が実行され、このサーボモータは 慣性モーメント及び重力トルクの補償がされた状態で角度指令値θi に向けて位 置決めされる。
【0035】 以上の処理が微小時間間隔で繰り返し実行されることにより、図3に示す回路 機能と等価な処理が実行される。 尚、上記実施例では、慣性行列Di の対角成分だけで慣性モーメントの補償を 行ったが、他の軸との相互作用を表した非対角成分を含めた補償を行うようにし ても良い。 又、慣性モーメントとゲインとの対応関係を示す特性は、図10に示す特性を 用いたが、図11おいて、曲線A、B、Cで示す特性を用いても良い。 さらに、図11のような複数の特性A,B,Cを予め選択できるようにしてお き、所望に応じて特性を変化できるようにしても良い。この場合は、図9に示さ れるフローチャートを図12に示すフローチャートのように改良する。即ち、図 9に示すステップ4170を予め選択しておいた特性マップを判別するステップ とし、特性マップをA,B,Cの内から判別した後、ステップ417a,417 b,417cにおいて、全慣性モーメントDi'に対応するゲインK(Di')を選択 された特性マップより求める。 このように特性マップを選択できるようにすることによって、より制御システ ムに適合したゲインK(Di')を選び出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の具体的な実施例装置で使用されるロボ
ットを示した構成図。
【図2】ロボットの制御装置の構成を示したブロック
図。
【図3】図2におけるサーボCPUの処理を示したブロ
ック図。
【図4】ロボットの位置及び姿勢制御のための主プログ
ラムを示したフローチャート。
【図5】ロボットの位置及び姿勢制御のための動作プロ
グラムを示した説明図。
【図6】補間演算の手順を示したフローチャート。
【図7】慣性モーメントの演算手順を示したフローチャ
ート。
【図8】サーボCPUによる角度制御の処理手順を示し
たフローチャート。
【図9】サーボCPUによる角度制御の処理手順を示し
た図8に続くフローチャート。
【図10】慣性モーメントとゲインとの関係を示した特
性図。
【図11】慣性モーメントとゲインとの他の関係を示し
た特性図。
【図12】他の変形例にかかるサーボCPUによる角度
制御の処理手順を示した図8に続くフローチャート。
【符号の説明】
10…ロボット 18…スイベルリスト 18a…フランジ 19…ハンド 20…CPU(モーメント演算手段) 22a〜22f…サーボCPU(ゲイン演算手段、補正
手段) 24a〜24f…RAM(特性記憶手段) 25…RAM E1〜E6…エンコーダ ステップ300〜312…モーメント演算手段 ステップ417…ゲイン演算手段 ステップ418…補正手段

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置フィードバックループ、速度フィー
    ドバックループを有したサーボ制御装置において、 前記制御軸の回りの慣性モーメントを前記制御軸の角度
    に対応して演算するモーメント演算手段と、 前記慣性モーメントをゲインに対応させる特性を記憶し
    た特性記憶手段と、 前記特性記憶手段に記憶されている特性を用いて、前記
    モーメント演算手段により演算され更新されているその
    時の慣性モーメントに対応したゲインを求めるゲイン演
    算手段と、 前記ゲイン演算手段により演算されたゲインに基づい
    て、前記速度フィードバックループのゲインを変化させ
    る補正手段とを有するサーボ制御装置。
JP2015593U 1993-03-27 1993-03-27 サーボ制御装置 Pending JPH0675009U (ja)

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