JPH06289635A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH06289635A
JPH06289635A JP14433293A JP14433293A JPH06289635A JP H06289635 A JPH06289635 A JP H06289635A JP 14433293 A JP14433293 A JP 14433293A JP 14433293 A JP14433293 A JP 14433293A JP H06289635 A JPH06289635 A JP H06289635A
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JP
Japan
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copper phthalocyanine
sulfuric acid
weight
type
squarylium compound
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Application number
JP14433293A
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English (en)
Inventor
Mizue Fujimori
瑞▲恵▼ 藤森
Takeshi Nagasawa
健 永沢
Yorinobu Yamada
▲頼▼信 山田
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 電子写真用感光体は電荷輸送層上に電荷発生
層が積層されて構成される。電荷発生層には電荷発生物
質として、化1で表されるテトラニトロ銅フタロシアニ
ン(A)と銅フタロシアニンとを同時に処理して結晶形
をα型に変化させたα型銅フタロシアニン組成物、およ
び光導電性のスクエアリウム化合物が含有され、各物質
の配合割合がそれぞれ特定範囲内に調製されている。 【化1】 (ただし、式中ニトロ基は1位もしくは4位、8位もし
くは11位、15位もしくは18位、および22位もし
くは25位にそれぞれ一つずつ置換している。) 【効果】 可視域から赤外域の広い波長域において高い
感光体特性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定構造を有するテト
ラニトロ銅フタロシアニンと銅フタロシアニンとからな
るα型銅フタロシアニン組成物に、光導電性のスクエア
リウム化合物を加えた混合物を電荷発生物質として含有
し、パンクロマチックな分光感度を示す正帯電型の電子
写真用感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、電子写真用感光体として、光源の
波長に光感度を有する電荷発生物質と、電荷移動速度の
速い電荷輸送物質とを含有する機能分離型感光体が多く
用いられている。この場合、電荷輸送物質としては、低
分子導電性物質であるヒドラゾン化合物、スチリル化合
物、ピラゾリン化合物、トリフェニルアミン化合物等が
使用されている。
【0003】一方、光源波長に光感度を有する顔料をバ
インダー樹脂に分散した単層型感光体もあり、これには
アゾ顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、アンスラ
キノン顔料、フタロシアニン顔料等が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】機能分離型感光体の場
合、電荷輸送物質の多くが正孔輸送型であることからそ
のほとんどが負帯電型である。負帯電型の場合、オゾン
の発生による感光体の劣化、および環境、人体に対する
影響等に課題があった。
【0005】顔料をバインダー樹脂中に分散した単層型
感光体ではフタロシアニン等の顔料を光導電性物質とし
て用いる。これらは正帯電型の感光体であるが光感度が
低い、あるいは繰り返し使用による帯電能劣化、感度シ
フト、耐久性が十分でない等の課題があった。
【0006】一方、情報の多様化により、複写機、およ
びプリンタにおいても黒一色ではなく、多色あるいはフ
ルカラー化の要求が高まっている。フルカラー電子写真
には幾つかの方法があるが、フィルターあるいはトナー
をフィルターとして用いる場合、感光体としては可視光
全域に分光感度を示すパンクロマチックなものが要求さ
れる。しかし、現在のところ分光感度、光減衰速度とも
に満足するものは得られていない。
【0007】本発明者らはα型銅フタロシアニン組成物
を光導電性物質として含有する電子写真用感光体を既に
提案している。この電子写真用感光体は正帯電型であ
り、顔料分散型の感光体の課題であった光感度、耐久性
に優れたものである。しかし、分光感度はパンクロマチ
ックではなく、フルカラー電子写真に応用することはで
きなかった。
【0008】そこで本発明の目的は、α型銅フタロシア
ニン組成物を含有する電子写真用感光体において、パン
クロマチックな分光感度を有し、かつ耐久性に優れた正
帯電型の電子写真用感光体を提供することである。
【0009】また、本発明の他の目的は、特定の処理を
施した光導電性のスクエアリウム化合物を使用すること
により、光感度の高い電子写真用感光体を提供すること
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の電子写真用感光
体は、電荷輸送層上に電荷発生層が積層されてなり、電
荷発生物質としてα型銅フタロシアニン組成物と光導電
性のスクエアリウム化合物が電荷発生層に含有され、α
型銅フタロシアニン組成物は化3で表されるテトラニト
ロ銅フタロシアニン(A)と銅フタロシアニンとを同時
に処理して結晶形をα型に変化させたものであり、α型
銅フタロシアニン組成物に対するテトラニトロ銅フタロ
シアニン(A)の割合が2重量%以上20重量%以下で
あり、電荷発生物質に対するスクエアリウム化合物の割
合が1重量%以上30重量%以下であることを特徴とす
るものである。
【0011】
【化3】
【0012】(ただし、式中ニトロ基は1位もしくは4
位、8位もしくは11位、15位もしくは18位、およ
び22位もしくは25位にそれぞれ一つずつ置換してい
る。)
【0013】また本発明の電子写真用感光体は、電荷輸
送層上に電荷発生層が積層されてなり、電荷発生物質と
してα型銅フタロシアニン組成物と光導電性のスクエア
リウム化合物が電荷発生層に含有され、α型銅フタロシ
アニン組成物は化4で表されるテトラニトロ銅フタロシ
アニン(B)と銅フタロシアニンとを同時に処理して結
晶形をα型に変化させたものであり、α型銅フタロシア
ニン組成物に対するテトラニトロ銅フタロシアニン
(B)の割合が1重量%以上10重量%以下であり、電
荷発生物質に対するスクエアリウム化合物の割合が1重
量%以上30重量%以下であることを特徴とするもので
ある。
【0014】
【化4】
【0015】(ただし、式中ニトロ基は2位もしくは3
位、9位もしくは10位、16位もしくは17位、およ
び23位もしくは24位にそれぞれ一つずつ置換してい
る。)
【0016】さらに本発明の電子写真用感光体は、電荷
輸送層上に電荷発生層が積層されてなり、電荷発生物質
としてα型銅フタロシアニン組成物と光導電性のスクエ
アリウム化合物が電荷発生層に含有され、α型銅フタロ
シアニン組成物はテトラニトロ銅フタロシアニン
(A)、テトラニトロ銅フタロシアニン(B)、および
銅フタロシアニンを同時に処理して結晶形をα型に変化
させたものであり、α型銅フタロシアニン組成物に対す
るテトラニトロ銅フタロシアニン(A)の割合が15重
量%以下であり、テトラニトロ銅フタロシアニン(B)
の割合が8重量%以下であり、かつテトラニトロ銅フタ
ロシアニン(A)とテトラニトロ銅フタロシアニン
(B)の和が20重量%以下であり、電荷発生物質に対
するスクエアリウム化合物の割合が1重量%以上30重
量%以下であることを特徴とするものである。
【0017】本発明で使用するα型銅フタロシアニン組
成物としては、銅フタロシアニンとテトラニトロ銅フタ
ロシアニン(A)、銅フタロシアニンとテトラニトロ銅
フタロシアニン(B)、または銅フタロシアニンとテト
ラニトロ銅フタロシアニン(A)とテトラニトロ銅フタ
ロシアニン(B)を同時にアシッドペースト法により処
理して結晶形をα型に変化させたものが好ましい。
【0018】本発明で使用する光導電性のスクエアリウ
ム化合物は、光導電性のスクエアリウム化合物を硫酸に
溶解し硫酸溶液とした後に、硫酸に不活性な水溶性有機
溶剤と硫酸溶液とを混合し、混合液中で水添することに
より得られるものを使用することが好ましい。
【0019】また、光導電性のスクエアリウム化合物と
しては、光導電性のスクエアリウム化合物を硫酸に溶解
し硫酸溶液とした後に、硫酸に不活性な水溶性有機溶剤
の水溶液と硫酸溶液とを混合することにより得られるも
のも使用することができる。
【0020】さらに光導電性のスクエアリウム化合物と
しては、光導電性のスクエアリウム化合物を硫酸に溶解
し硫酸溶液とした後に、硫酸溶液を水添することにより
得られるものも使用することができる。
【0021】
【作用】本発明の電子写真用感光体に用いられるα型銅
フタロシアニン組成物は、特願平4−103818号に
記載したように、α型銅フタロシアニン組成物に対する
テトラニトロ銅フタロシアニン(A)、(B)の割合を
変化させることにより分光感度を変化させることが可能
である。テトラニトロ銅フタロシアニン(A)、(B)
の含有量が上述の範囲より少ない場合には感光体として
の光感度が低くなり、多い場合には帯電能が極端に低下
してしまい、どちらの場合にも実用に適さない。
【0022】本発明に用いられる銅フタロシアニン、お
よびテトラニトロ銅フタロシアニン(A)、(B)は通
常の銅フタロシアニン合成法により得ることができる。
【0023】本発明に使用するα型銅フタロシアニン組
成物を作製する方法としてはアシッドペースト法、アシ
ッドスラリー法、低温昇華法などが挙げられる。本発明
では得られたα型銅フタロシアニン組成物中で、テトラ
ニトロ銅フタロシアニンがα型銅フタロシアニンの結晶
中に均一に分布して存在することが重要であり、この点
でアシッドペースト法が最も好ましい方法である。な
お、テトラニトロ銅フタロシアニンを単にα型銅フタロ
シアニンと混合しても目的とする感光体特性は得られな
い。
【0024】また、銅フタロシアニンとテトラニトロ銅
フタロシアニン(A)、銅フタロシアニンとテトラニト
ロ銅フタロシアニン(B)、または銅フタロシアニンと
テトラニトロ銅フタロシアニン(A)とテトラニトロ銅
フタロシアニン(B)のそれぞれに光導電性のスクエア
リウム化合物を加え、上記アシッドペースト法、アシッ
ドスラリー法、低温昇華法などの処理を施すことによ
り、α型銅フタロシアニン組成物を作製するとともに電
荷発生物質を作製してもよい。
【0025】本発明で使用するα型銅フタロシアニン組
成物のX線回折図を図1に示す。それぞれのピークの位
置は通常のα型銅フタロシアニンのそれと一致する。
【0026】本発明で使用するスクエアリウム化合物
は、光導電性のものであれば使用することができる。そ
の一例を化5に示す。また、スクエアリウム化合物の電
荷発生物質に対する割合は1重量%以上30重量%以
下、好ましくは2重量%以上15重量%以下であり、こ
の範囲内で好ましい感度特性、および耐久性が得られ
る。
【0027】
【化5】
【0028】(ただし、式中Xは水素、フッ素、水酸
基、アルキル基、アルコキシ基等を示す。)
【0029】また、光導電性のスクエアリウム化合物と
しては、通常の方法で精製することにより得られるもの
以外に、スクエアリウム化合物を硫酸に溶解し硫酸溶液
とした後に、硫酸に不活性な水溶性有機溶剤と硫酸溶液
とを混合し混合液中で水添することにより得られるも
の、硫酸に不活性な水溶性有機溶剤の水溶液と硫酸溶液
とを混合することにより得られるもの、または硫酸溶液
を水添することにより得られるものも使用することがで
きる。硫酸に不活性な水溶性有機溶剤としては、水に可
溶な低級アルコール、グリコール、グリコールエーテ
ル、カルボン酸等が挙げられる。このように硫酸に溶解
させる処理を施すことにより処理前のものに比べてスク
エアリウム化合物の粒径を非常に細かくすることがで
き、また分散性も向上させることができる。この処理を
施したスクエアリウム化合物を使用することによって、
より光感度の高い電子写真用感光体を得ることができ
る。
【0030】本発明の電子写真用感光体を構成する電荷
発生層は、スクエアリウム化合物およびα型銅フタロシ
アニン組成物の混合物をバインダー樹脂中に分散させ、
これを電荷輸送層上に塗布して作製する。バインダー樹
脂としては、体積固有抵抗が高く接着性に優れたもので
あれば使用することができ、ポリウレタン樹脂、エポキ
シ樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ホルマリン樹脂、
フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱硬化性樹脂で機
械的強度の高い樹脂を用いることが好ましい。
【0031】本発明の電子写真用感光体の電荷輸送層
は、電荷輸送物質をバインダー樹脂等に分散させ、これ
を導電支持体等の上に塗布して形成する。電荷輸送物質
としては、それ自身が電荷輸送能を有する導電性高分子
または低分子導電性物質が使用できる。導電性高分子と
してはたとえばポリビニルカルバゾール等が、低分子導
電性物質としてはたとえばヒドラゾン誘導体、スチリル
誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリフェニルアミン
誘導体等が挙げられる。
【0032】本発明の電荷輸送層に用いられるバインダ
ー樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂等の熱可塑性の樹脂のほか
に、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、
ホルマリン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の
熱硬化性樹脂等で体積固有抵抗が高く、接着性に優れた
ものが用いられる。
【0033】本発明の電子写真用感光体の形態の一例を
図2に示す。図2は本発明の電子写真用感光体の断面図
である。この電子写真用感光体は、電荷輸送物質をバイ
ンダー樹脂に分散させ、これを導電支持体1上に塗布し
て電荷輸送層2を形成し、さらにこの上に、α型銅フタ
ロシアニン組成物とスクエアリウム化合物とをバインダ
ー樹脂に分散させたものを塗布し、電荷発生層6を形成
して作製したものである。
【0034】電荷輸送層2、電荷発生層6には、感光体
特性を損なわない範囲で可とう性、接着性、機械的強度
を向上させるための可塑剤、あるいは化学的強度向上の
ための酸化防止剤等を用いても良い。また必要に応じて
導電支持体1との密着性向上、導電支持体1からの電子
注入の阻止等を目的とした中間層、あるいは機械的特性
向上のための表面保護層を設けても良い。
【0035】電荷輸送層2、電荷発生層6、中間層およ
び表面保護層の塗布には、通常ドクターブレード、ワイ
ヤーバー、ロールコータ等が用いられる。本発明の電子
写真用感光体の場合、電荷輸送層2の膜厚は5〜50μ
m、好ましくは10〜20μmであり、電荷発生層6の
膜厚は5μm以下、好ましくは0.5〜2μmである。
さらに、中間層、表面保護層を設ける場合、膜厚は1μ
m以下が好ましい。
【0036】導電支持体1としては従来使用されている
ものを用いることができる。具体的には、アルミニウ
ム、ステンレス、銅、黄銅等の金属支持体、あるいは絶
縁性支持体にアルミニウム、酸化インジウム等を蒸着し
たものなどが挙げられる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って説明する。
【0038】(合成例1)スクエアリック酸とN,N−
ジメチルアニリンをn−ブタノールとトルエンの混合溶
媒中加熱し、共沸反応にて脱水することにより化6に示
すスクエアリウム化合物を合成した。
【0039】
【化6】
【0040】(実施例1)ポリカーボネート樹脂10g
をシクロヘキサノン90gに溶解させたポリマ溶液に、
電荷輸送物質として化7で示されるヒドラゾン化合物を
10g溶解させた。得られた溶液をAl蒸着ポリエステ
ルフィルム上にワイヤーバーで塗布し、膜厚が17μm
の電荷輸送層を形成した。
【0041】
【化7】
【0042】銅フタロシアニン9.2gとテトラニトロ
銅フタロシアニン(A)0.8g(8重量%)とを硫酸
100gに溶解し、この溶液を2lの氷水中にあけα型
銅フタロシアニン組成物を得た。次にα型銅フタロシア
ニン組成物4.5g、合成例1で作製したスクエアリウ
ム化合物0.5g、固形分50重量%のフッ素樹脂32
g、および不揮発分80重量%のメラミン樹脂10gと
シクロヘキサノン140gを混合し、振とう式分散機で
3時間分散した。得られた溶液を電荷輸送層上にワイヤ
ーバーで塗布し、電荷輸送層と電荷発生層の膜厚の和が
硬化後に18μmの電子写真用感光体を作製した。
【0043】このようにして作製した電子写真用感光体
を、まず暗所にて+6kVでコロナ帯電し、次いで照度
2.5μW/cm2 、550nmの単色光で20秒間露
光し感光体特性を調べた。感光体特性としては、帯電後
初期帯電電位V0 、表面電位が620Vから600Vま
で暗減衰するのに要する時間tD 、600Vから300
Vに光減衰するのに必要な露光量E1/2 、20秒光照射
後の残留電位Vrを測定した。更に、この電子写真用感
光体に同様な操作を繰り返し1000回後のV0 (10
00)、tD (1000)、E1/2 (1000)、Vr
(1000)を測定し、耐久性を調べた。結果は下記の
通りであった。分光感度特性については可視域から赤外
域にかけて照度2.5μW/cm2 の単色光を用い評価
した。その結果を図3の曲線bに示す。図3から本発明
の電子写真用感光体は可視域から赤外域にかけて高感度
であることがわかる。さらに、この感光体をドラム上に
巻き付け実機テストを行った。1000枚印刷後も感光
体表面に傷等はなく印字品質にも変化はみられなかっ
た。
【0044】V0 =761V tD =17秒 E1/2 =1.8μJ/cm2 Vr=50V V0 (1000)=738V tD (1000)=15秒 E1/2 (1000)=1.6μJ/cm2 Vr(1000)=61V
【0045】(実施例2)テトラニトロ銅フタロシアニ
ン(B)2重量%、および銅フタロシアニンからなるα
型銅フタロシアニン組成物、電荷発生層のバインダー樹
脂としてエポキシ樹脂を用いたほかは、実施例1と同様
の条件で電子写真用感光体を作製した。感光体特性は以
下の通りであった。分光感度特性、および実機テストの
結果は実施例1と同様であった。
【0046】V0 =748V tD =14秒 E1/2 =1.6μJ/cm2 Vr=48V V0 (1000)=732V tD (1000)=12秒 E1/2 (1000)=1.6μJ/cm2 Vr(1000)=53V
【0047】(比較例1)電荷発生物質としてテトラニ
トロ銅フタロシアニン(B)2重量%、および銅フタロ
シアニンからなるα型銅フタロシアニン組成物のみを電
荷発生物質として用いたほかは、実施例1と同様の条件
で電子写真用感光体を作製した。分光感度特性を図3の
曲線cに示す。550nm以下、および750nm以上
の波長域において分光感度が低下することが分かる。感
光体特性の以下の通りであった。
【0048】V0 =788V tD =16秒 E1/2 =6.6μJ/cm2 Vr=47V V0 (1000)=762V tD (1000)=13秒 E1/2 (1000)=6.0μJ/cm2 Vr(1000)=55V
【0049】(比較例2)実施例1と同様の材料を用
い、Al蒸着ポリエステルフィルム上に電荷発生層を、
その上に電荷輸送層を積層し負帯電型感光体を作製し
た。感光体特性は以下の通りであった。
【0050】V0 =−775V tD =18秒 E1/2 =1.6μJ/cm2 Vr=−57V V0 (1000)=−316V Vr(1000)=−201V
【0051】(合成例2)合成例1で得られた光導電性
のスクエアリウム化合物1gを硫酸10gに加え、得ら
れた硫酸溶液をジエチレングリコールジメチルエーテル
中に氷浴下で滴下した。その後、水100gをゆっくり
添加することによりスクエアリウム化合物を調製した。
【0052】(実施例3)合成例2で得られたスクエア
リウム化合物を使用したほかは実施例1と同様の条件で
電子写真用感光体を作製した。実施例1と同様にして分
光感度特性を評価したところ、図3の曲線aのような結
果が得られた。曲線aから本発明の電子写真用感光体は
可視域から赤外域にかけて高感度であり、実施例1のも
のに比べて感度がさらに高くなっていることがわかる。
感光体特性は下記の通りであった。さらに、この感光体
をドラム上に巻き付け実機テストを行った。1000枚
印刷後も感光体表面に傷等はなく印字品質にも変化はみ
られなかった。
【0053】V0 =776V tD =16秒 E1/2 =1.2μJ/cm2 Vr=53V V0 (1000)=762V tD (1000)=15秒 E1/2 (1000)=1.1μJ/cm2 Vr(1000)=59V
【0054】(実施例4)スクエアリウム化合物として
合成例2で調製したもの、α型銅フタロシアニン組成物
としてテトラニトロ銅フタロシアニン(B)2重量%お
よび銅フタロシアニンからなるもの、電荷発生層のバイ
ンダー樹脂としてエポキシ樹脂を用いたほかは、実施例
1と同様の条件で電子写真用感光体を作製した。感光体
特性は以下の通りであった。分光感度特性、および実機
テストの結果は実施例3と同様であった。
【0055】V0 =753V tD =15秒 E1/2 =1.1μJ/cm2 Vr=56V V0 (1000)=750V tD (1000)=13秒 E1/2 (1000)=1.0μJ/cm2 Vr(1000)=52V
【0056】(比較例3)実施例3と同様の材料を用
い、Al蒸着ポリエステルフィルム上に電荷発生層を、
その上に電荷輸送層を積層し負帯電型感光体を作製し
た。感光体特性は以下の通りであった。
【0057】V0 =−786V tD =17秒 E1/2 =1.1μJ/cm2 Vr=−53V V0 (1000)=−328V Vr(1000)=−234V
【0058】(合成例3)合成例1で得られた光導電性
のスクエアリウム化合物1gを硫酸10gに加え、得ら
れた硫酸溶液をジエチレングリコールジメチルエーテル
の水溶液に滴下することによりスクエアリウム化合物を
調製した。
【0059】(実施例5)合成例3で得られたスクエア
リウム化合物を使用するほかは、実施例1と同様の条件
で電子写真用感光体を作製した。分光感度特性、実機テ
ストの結果、および感光体特性は実施例3と同様であっ
た。
【0060】(合成例4)合成例1で得られた光導電性
のスクエアリウム化合物1gを硫酸10gに加え、得ら
れた硫酸溶液を水中に滴下することによりスクエアリウ
ム化合物を調製した。
【0061】(実施例6)合成例4で得られたスクエア
リウム化合物を使用するほかは、実施例1と同様の条件
で電子写真用感光体を作製した。分光感度特性、実機テ
ストの結果、および感光体特性は実施例3と同様であっ
た。
【0062】(実施例7)合成例1で得られた光導電性
のスクエアリウム化合物1.0g(電荷発生物質に対し
て5重量%)、銅フタロシアニン18.4g、およびテ
トラニトロ銅フタロシアニン(A)1.6g(α型銅フ
タロシアニン組成物に対して8重量%)を硫酸100g
に溶解し、この溶液を2lの氷水中にあけ、得られたも
のを電荷発生物質として用いたほかは実施例1と同様に
して電子写真用感光体を作製した。分光感度特性、実機
テストの結果、および感光体特性は実施例3と同様であ
った。
【0063】
【発明の効果】α型銅フタロシアニン組成物とスクエア
リウム化合物の混合物を電荷発生物質として用いた本発
明の電子写真用感光体は可視域から赤外域の広い波長域
において高い感光体特性を示す。特に特定の処理を施し
た光導電性のスクエアリウム化合物を用いた場合には可
視域から赤外域の広い波長域においてより高い分光感度
特性を示す。また電荷発生層に熱硬化性樹脂を用いるこ
とにより機械的強度を向上させることも可能である。正
帯電型電子写真用感光体であることから帯電によるオゾ
ン発生量も少なく、高感度、かつ耐久性に優れた高耐刷
性の電子写真用感光体を提供することができる。さら
に、本発明の電子写真用感光体は、可視域から赤外域の
広い波長域において高い感光体特性を示すことからフル
カラー電子写真システムに用いられるほか、光源として
レーザー、液晶シャッター、LEDなど様々なものを用
いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるα型銅フタロシアニン組成物の
X線回折の図である。
【図2】本発明の電子写真用感光体の断面図である。
【図3】本発明および比較例の電子写真用感光体の分光
感度特性を表す図である。
【符号の説明】
1 導電支持体 2 電荷輸送層 6 電荷発生層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電荷輸送層上に電荷発生層が積層されて
    なる電子写真用感光体において、電荷発生物質としてα
    型銅フタロシアニン組成物と光導電性のスクエアリウム
    化合物が前記電荷発生層に含有され、前記α型銅フタロ
    シアニン組成物は化1で表されるテトラニトロ銅フタロ
    シアニン(A)と銅フタロシアニンとを同時に処理して
    結晶形をα型に変化させたものであり、前記α型銅フタ
    ロシアニン組成物に対する前記テトラニトロ銅フタロシ
    アニン(A)の割合が2重量%以上20重量%以下であ
    り、前記電荷発生物質に対する前記スクエアリウム化合
    物の割合が1重量%以上30重量%以下であることを特
    徴とする電子写真用感光体。 【化1】 (ただし、式中ニトロ基は1位もしくは4位、8位もし
    くは11位、15位もしくは18位、および22位もし
    くは25位にそれぞれ一つずつ置換している。)
  2. 【請求項2】 電荷輸送層上に電荷発生層が積層されて
    なる電子写真用感光体において、電荷発生物質としてα
    型銅フタロシアニン組成物と光導電性のスクエアリウム
    化合物が前記電荷発生層に含有され、前記α型銅フタロ
    シアニン組成物は化2で表されるテトラニトロ銅フタロ
    シアニン(B)と銅フタロシアニンとを同時に処理して
    結晶形をα型に変化させたものであり、前記α型銅フタ
    ロシアニン組成物に対する前記テトラニトロ銅フタロシ
    アニン(B)の割合が1重量%以上10重量%以下であ
    り、前記電荷発生物質に対する前記スクエアリウム化合
    物の割合が1重量%以上30重量%以下であることを特
    徴とする電子写真用感光体。 【化2】 (ただし、式中ニトロ基は2位もしくは3位、9位もし
    くは10位、16位もしくは17位、および23位もし
    くは24位にそれぞれ一つずつ置換している。)
  3. 【請求項3】 電荷輸送層上に電荷発生層が積層されて
    なる電子写真用感光体において、電荷発生物質としてα
    型銅フタロシアニン組成物と光導電性のスクエアリウム
    化合物が前記電荷発生層に含有され、前記α型銅フタロ
    シアニン組成物は前記テトラニトロ銅フタロシアニン
    (A)、前記テトラニトロ銅フタロシアニン(B)、お
    よび銅フタロシアニンを同時に処理して結晶形をα型に
    変化させたものであり、前記α型銅フタロシアニン組成
    物に対する前記テトラニトロ銅フタロシアニン(A)の
    割合が15重量%以下であり、前記テトラニトロ銅フタ
    ロシアニン(B)の割合が8重量%以下であり、かつ前
    記テトラニトロ銅フタロシアニン(A)と前記テトラニ
    トロ銅フタロシアニン(B)の和が20重量%以下であ
    り、前記電荷発生物質に対する前記スクエアリウム化合
    物の割合が1重量%以上30重量%以下であることを特
    徴とする電子写真用感光体。
  4. 【請求項4】 α型銅フタロシアニン組成物がアシッド
    ペースト法で処理することにより結晶形をα型に変化さ
    せたものであることを特徴とする請求項1、請求項2、
    または請求項3記載の電子写真用感光体。
  5. 【請求項5】 光導電性のスクエアリウム化合物が、光
    導電性のスクエアリウム化合物を硫酸に溶解し硫酸溶液
    とした後に、前記硫酸に不活性な水溶性有機溶剤と前記
    硫酸溶液とを混合し、該混合液中で水添することにより
    得られるものであることを特徴とする請求項1、請求項
    2、または請求項3記載の電子写真用感光体。
  6. 【請求項6】 光導電性のスクエアリウム化合物が、光
    導電性のスクエアリウム化合物を硫酸に溶解し硫酸溶液
    とした後に、前記硫酸に不活性な水溶性有機溶剤の水溶
    液と前記硫酸溶液とを混合することにより得られるもの
    であることを特徴とする請求項1、請求項2、または請
    求項3記載の電子写真用感光体。
  7. 【請求項7】 光導電性のスクエアリウム化合物が、光
    導電性のスクエアリウム化合物を硫酸に溶解し硫酸溶液
    とした後に、該硫酸溶液を水添することにより得られる
    ものであることを特徴とする請求項1、請求項2、また
    は請求項3記載の電子写真用感光体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11681217B2 (en) 2018-11-06 2023-06-20 Samsung Sdi Co., Ltd. Photosensitive resin composition, photosensitive resin layer using the same and color filter

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