JPH062884A - 換気エアコン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 暖房運転と換気運転を同時に行っても冷風感
がなく、快適性が損なわれない換気エアコンを提供する
ことにある。 【構成】 空気調和機２の近傍に吸排気が可能な換気扇
３が設けられた換気エアコンにおいて、換気扇３に用い
られるファンの回転数と、空気調和機２に用いられる室
内ファンの回転数と同期させて駆動する同期回路を設け
たことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、空気調和機の近傍に吸
排気が可能な換気扇が設けられた換気エアコンに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、空気調和機等のエアコンの運転
は、部屋を閉め切った状態で行うので、室内の空気が汚
れて好ましくない状態となる。このため部屋の窓やドア
等を開けて空気を入れ替えたり、室内に換気扇が取り付
けられているときは換気扇を運転して空気の入れ替えを
行ったりしている。

【０００３】また、エアコンの中には空気調和機と換気
扇とが一体化された換気エアコンがあり、この換気エア
コンは換気扇を運転すると空気調和機の室内ファンが自
動的に「弱」から「強」に切り替わるようになっている
（特開平２−１４０５５１号公報）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た換気エアコンには以下のような問題点がある。

【０００５】(1) 換気扇の風量が一定のため、換気扇の
風量を、空気調和機の室内側のファンの風量変化に追従
して制御することができない。

【０００６】(2) 空気調和機で暖房運転を開始した直後
は、冷風吹出防止制御装置が作動し、室内熱交温度が所
定の温度（３２℃）以上にならないと室内機のファンが
回転しないのに、換気扇のファンは回転するようになっ
ているため、暖房運転と換気運転とを同時に行うと冷風
感があり快適な空調制御ができない。

【０００７】(3) 換気扇は空気調和機と連動していない
ため、空気調和機の運転を停止しても操作者が換気扇の
停止を忘れた場合、吸排気動作を続けるので電気の無駄
使いとなってしまう。

【０００８】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、暖房運転と換気運転を同時に行っても冷風感がな
く、快適性が損なわれない換気エアコンを提供すること
にある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、空気調和機の近傍に吸排気が可能な換気扇
が設けられた換気エアコンにおいて、換気扇に用いられ
るファンの回転数と、空気調和機に用いられる室内ファ
ンの回転数とを同期させて駆動する同期回路を設けたも
のである。

【００１０】

【作用】上記構成によれば、空気調和機の室内側のファ
ンの回転数が高いときには同期回路が換気扇の回転数を
高くし、空気調和機の室内側のファンの回転数が低いと
きには換気扇の回転数を低くする。従って、空気調和機
の風量変化に追従して換気扇の風量が変化する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。

【００１２】図２は本発明の換気エアコンの室内機の外
観斜視図である。

【００１３】換気エアコンは室内の冷房、暖房、除湿、
換気などの空調を行う室内機１と、室内機１に配管及び
配線（図示せず）等を介して接続されると共に室外に配
置され、室内の熱を外部に排出するか又は外部の熱を室
内に吸入するための室外機（図示せず）とで形成されて
いる。

【００１４】室内機１は空気調和機２と換気扇３とが一
体化されて形成されており、空気調和機２は、室内熱交
換器４、室内ファン（図示せず）及び室内ファン用モー
タ８（図１参照）等から形成され、室外機はこの室内機
１に配管及び配線を介して接続される室外熱交換器、室
外ファン、室外ファン用モータ及びコンプレッサ等から
形成される。

【００１５】空気調和機２の上側には室内熱交換器４が
設けられ、室内熱交換器４の下側には冷風又は温風を吹
き出すための吹き出し口５が設けられている。室内ファ
ンはこの吹き出し口の奥に設けられ、換気扇ファンは換
気扇３の内部に設けられている。空気調和機２及び換気
扇３の前面には二点鎖線で示すグリル６が設けられてい
る（図では開いているが使用時には閉じられる）。この
グリル６は空気調和機２及び換気扇３を覆うものであ
る。

【００１６】図１は図２に示した換気エアコンに用いら
れる駆動回路及び同期回路周辺の一実施例のブロック図
である。

【００１７】同図において駆動回路は、換気扇３のファ
ンモータ７及び室内機１のファンモータ８に接続され両
ファンモータ７、８への電圧の印加を制御するリレー９
〜１１と、リレー９〜１１を駆動するためのトランジス
タＴｒ１〜Ｔｒ３と、トランジスタＴｒ１〜Ｔｒ３を制
御するためのマイクロコンピュータ（以下マイコン）１
２とで構成され、マイコン１２に接続され室内の温度を
検出する熱交センサ１３に接続されている。

【００１８】マイコン１２には図示しないリモコンスイ
ッチが接続され、操作者がオンオフ制御やタイマー制
御、温度や風量等の設定を行うことができるようになっ
ている。

【００１９】換気扇３は換気用のファンモータ７と、フ
ァンモータ７を回転させるためのコンデンサ１４とを有
している。

【００２０】ファンモータ７には、主巻線ＬＭ１と補助
巻線ＬＡ１とを有するコンデンサ運転型の単相交流モー
タが用いられ、補助巻線ＬＡ１には２つの中間タップＴ
ａ１、Ｔｂ１が設けられ、タップＴａ１，Ｔｂ２を切り
替えることで例えば回転数を「強」，「中」，「弱」と
切り替えることができる。

【００２１】ファンモータ８もファンモータ７と同様に
主巻線ＬＭ２と補助巻線ＬＡ２とを有するコンデンサ運
転型の単相交流モータが用いられ、補助巻線ＬＡ２には
２つの中間タップＴａ２、Ｔｂ２が設けられ、タップＴ
ａ２，Ｔａ２を切り替えることで例えば回転数を
「強」，「中」，「弱」と切り替えることができる。１
５はファンモータ８を回転させるためのコンデンサであ
る。

【００２２】これら両ファンモータ７、８は並列に接続
され同期回路を構成する。すなわち主巻線ＬＭ１、ＬＭ
２、補助巻線ＬＡ１、ＬＡ２及び中間タップＴａ１、Ｔ
ａ２、Ｔｂ１、Ｔｂ２同志しがそれぞれ接続され、リレ
ー９〜１１に接続されている。従ってリレー９〜１１を
切り替えることでファンモータ７，８の回転を「強」，
「中」，「弱」の３段階に切り替えることができるので
同期運転を行うことができる。

【００２３】トランジスタＴｒ１〜Ｔｒ３には例えばＮ
ＰＮ型バイポーラトランジスタが用いられ、トランジス
タＴｒ１〜Ｔｒ３のコレクタはリレー９〜１０のコイル
を介してリレー９〜１０を駆動できる電圧にプルアップ
されている。これらトランジスタＴｒ１〜Ｔｒ３とリレ
ー９〜１０とでスイッチング回路を形成しており、例え
ばマイコン１２からいずれか一つのトランジスタ（Ｔｒ
１〜Ｔｒ３）のベースに所定の電圧Ｖが印加されると、
コレクタ−エミッタ間が遮断状態から導通状態に切り替
わり、対応するリレーのｃ接点はａ側からｂ側に切り替
わるようになっている。

【００２４】熱交センサ１３にはサーミスタが用いられ
ているが、これに限定されず例えばポジスタや熱電対等
の温度を検出することができれば他の素子を用いてもよ
い。

【００２５】リレー１１のｃ接点と、ファンモータ７の
主巻線ＬＭ１及びファンモータ８の主巻線ＬＭ２と間に
はファンモータ７、８を回転させるのに必要な電圧を供
給する交流電源１６が印加されている。

【００２６】次に実施例の作用を述べる。

【００２７】操作者のスイッチ操作により暖房運転を開
始すると、マイコン１２はコンプレッサ等を作動して室
内熱交換器４と室外熱交換器との間で冷媒を循環させ
る。

【００２８】熱交センサ１３の温度が一定の温度に上昇
するまでの間、各トランジスタＴｒ１〜Ｔｒ３には所定
の電圧Ｖは印加されないので、各トランジスタＴｒ１〜
Ｔｒ３は遮断状態のままであり、各リレー９〜１１のｃ
接点はａ側のままとなっている。すなわち熱交センサ１
３の温度が一定の温度に上昇するまで交流電源１６から
両ファンモータ７、８へは電流は流れない。

【００２９】室内熱交換器４の温度が一定の温度に上昇
した後、リモコンスイッチの風量が「強」に設定されて
いるときは、マイコン１２からトランジスタＴｒ₁ のベ
ースにのみ所定の電圧Ｖが印加され、リレー９のｃ接点
のみａ側からｂ側に切り替わる。

【００３０】リレー９のｃ接点のみａ側からｂ側に切り
替わることにより交流電源１６、リレー１１のｃ接点
（ａ側）、リレー１０のｃ接点（ａ側）、リレー９のｃ
接点（ｂ側）及びファンモータ７、８、交流電源１６の
間が接続状態となる。すなわち、交流電源１６の電圧
が、主巻線ＬＭ１、ＬＭ２の両端と、補助巻線ＬＡ１、
コンデンサ１４間、補助巻線ＬＡ２、コンデンサ１５間
に印加されるので、両ファン７、８は同時に最大回転数
で回転する。

【００３１】リモコンスイッチの風量が「中」に設定さ
れているときは、マイコン１２からトランジスタＴｒ₂
のベースにのみ所定の電圧Ｖが印加され、リレー１０の
ｃ接点のみａ側からｂ側に切り替わる。

【００３２】リレー１０のｃ接点のみａ側からｂ側に切
り替わることにより交流電源１６、リレー１１のｃ接点
（ａ側）、リレー１０のｃ接点（ｂ側）、ファンモータ
７（中間タップＴａ１）、ファンモータ８（中間タップ
Ｔａ２）、交流電源１６間が接続状態になる。すなわ
ち、交流電源１６の電圧が、ファンモータ７の中間タッ
プＴａ１と、接続点Ａ間との間に印加されると共に、中
間タップＴａ２と、接続点Ｂ間との間に印加されるの
で、両ファン７、８は同時に中間の回転数で回転する。

【００３３】同様にしてリモコンスイッチの風量が
「弱」に設定されているときは、マイコン１２からトラ
ンジスタＴｒ₃ のベースにのみ所定の電圧Ｖが印加さ
れ、リレー９のｃ接点がａ側からｂ側に切り替わる。

【００３４】リレー９のｃ接点がａ側からｂ側に切り替
わることにより、交流電源１６、リレー９のｃ接点（ａ
側）、ファンモータ７（中間タップＴｂ１）、ファンモ
ータ８（中間タップＴｂ２）、交流電源１６の間が接続
状態となる。すなわち、交流電源１６の電圧がファンモ
ータ７の中間タップＴｂ１と、接続点Ａ間との間に印加
されると共に、中間タップＴｂ２と、接続点Ｂ間との間
に印加されるので、両ファン７、８は同時に最小の回転
数で回転する。

【００３５】従って、空気調和機２の室内側のファンの
回転数が高いときには同期回路が換気扇の回転数を高く
し、空気調和機２の室内側のファンの回転数が低いとき
には換気扇３の回転数を低くするようになっており、空
気調和機２の風量変化に追従して換気扇３の風量が変化
する。

【００３６】以上において、本実施例によれば換気扇３
に用いられるファンの回転数と、空気調和機２に用いら
れる室内ファンの回転数と同期させて駆動する同期回路
を設けたので、暖房運転と換気運転を同時に行っても冷
風感がなく、快適性が損なわれない換気エアコンを提供
することができる。

【００３７】尚、本実施例ではスプリット型の換気エア
コンで説明したが、これに限定されるものではなく室外
機と室内機とが一体化したウインド型や、天井に埋め込
むビルトイン型に適用してもよい。

【００３８】また、同期運転する例としてタップ切り替
えで行なうようにしているが、双方を同一のインバータ
で駆動するように形成してもよい。

【００３９】さらに、ファンモータにコンデンサ始動型
モータを用いたが、これに限定されるものではなく、他
の種類のモータを用いて形成してもよい。

【００４０】

【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。

【００４１】(1) 換気エアコンの室内機の風量の変化に
追従して換気扇の風量も変化するため快適性が損なわれ
ることがない。

【００４２】(2) 室温が設定温度に近付くと換気エアコ
ンの風量が低下するが、換気扇の風量も低下するため、
快適性が損なわれることがない。

【００４３】(3) 暖房運転時においては換気エアコンの
冷風防止制御により換気扇の動作も換気エアコン側に追
従するため冷風感を与えることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の換気エアコンに用いられる同期回路周
辺の一実施例のブロック図である。

【図２】本発明の換気エアコンの室内機の外観斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ 室内機 ２ 空気調和機 ３ 換気扇 ４ 室内熱交換器 ５ 吹き出し口 ６ グリル ７、８ ファンモータ ９〜１１ リレー １２ マイクロコンピュータ １３ 熱交センサ １４、１５ コンデンサ １６ 交流電源 Ｔｒ１〜Ｔｒ３ トランジスタ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気調和機の近傍に吸排気が可能な換気
   扇が設けられた換気エアコンにおいて、前記換気扇に用
   いられるファンの回転数と、前記空気調和機に用いられ
   る室内ファンの回転数とを同期させて駆動する同期回路
   を設けたことを特徴とする換気エアコン。