JP3754151B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍サイクルによって室内の空気調和を図る空気調和機に係り、コンプレッサを回転駆動するコンプレッサモータに印加される電圧から、機器へ供給される電力の異常の有無を判定することが可能な空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
室内の空気調和を図る空気調和機(以下「エアコン」という)は、冷凍サイクル中に設けているコンプレッサの能力を制御することにより、効率的に室内の冷房ないし暖房を行うと共に、省エネを図ることができるようになっている。
【0003】
エアコンには、省電力と共に効率的な空調運転を行うためにコンプレッサの運転周波数を制御する所謂インバータエアコンが一般的となっている。このようなエアコンのコンプレッサを運転(回転駆動)するコンプレッサモータには、回転数の正確な制御、スリップロスの低減及びノイズの発生を防止するために、ブラシレス直流モータを用いたものがある。
【0004】
一方、エアコンには、運転電力として電灯電力を用いた単相100V又は単相200Vの何れかで運転されるものがある。エアコンでは、運転電力として供給される100V又は200Vの交流電力をスイッチング電源回路等を用いて定電圧の直流に変換して、種々の制御回路の動作に用いる。また、コンプレッサモータを運転するときには、コンプレッサモータの回転位置に対応する固定子巻線が通電されるように直流電力の通電を制御している。
【0005】
ところで、エアコンに限らず、種々の電気用品では、例えば100Vで動作する機器に誤って200Vの電圧を印加してしまったときに、電気用品を保護するためにヒューズ等の保護部品が設けられている。このような保護部品によって高電圧に対する保護を行っている。
【0006】
しかしながら、ヒューズ等の保護部品は、所定以上の電圧が印加されたときに電気用品や内部の機器を保護するように作動するが、低電圧に対しては動作しない。一方、エアコンでは、スイッチング電源によって直流の定電圧を生成しているために、供給される交流電圧が低くとも、制御回路の動作が可能となる。また、コンプレッサモータも電圧が低くても駆動可能となっている。このため、例えば、定格電圧が単相200Vのエアコンに単相100Vの交流電力を供給すると、低能力でしか運転できないという問題がある。このような定格電圧よりも低い電圧で運転してしまうのを防止するためには、電圧検出のための部品を特別に設ける必要が生じてしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、電圧検出用の特別な部品を設けることなく、誤って定格電圧より低い電圧が供給されたときに、適切に運転を停止する空気調和機を提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、交流電力を整流した電力で各機器の制御を行い、運転環境条件及び設定された運転条件に基づいて、冷凍サイクルを形成する回転型のコンプレッサの回転数を制御して室内の空気調和を図る空気調和機であって、コンプレッサの回転数に対応する電圧を予め格納している記憶手段と、前記電力から前記コンプレッサの回転数に対応する電圧の電力を得るためのスイッチング信号を出力するスイッチング信号発生手段と、前記スイッチング信号に基づく電力を発生するインバータ回路と、前記インバータ回路から出力される電力によって駆動されて前記コンプレッサを回転駆動するコンプレッサモータと、前記コンプレッサの実回転数が目標回転数に至るように前記スイッチング信号発生手段の動作を補正する電圧制御手段と、前記インバータ回路によって出力が補正された後の電圧と前記記憶手段に格納された前記電圧とを比較し、その差が所定以上で、かつ、その所定以上の差が所定時間以上継続した場合に、機器へ供給される電源電圧が異常であると判定する異常判定手段と、前記異常判定手段の判定結果が異常である場合に、前記コンプレッサの運転を停止する手段と、を含むことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、コンプレッサの回転数のフィードバック制御を行うときに、スイッチング信号のデューテー比を変化させる。このとき、回転数に応じて予め定められたデューテー比と実際のデューテー比を比較することにより、規定の電圧の電力が供給されているか否かを判断する。
【0010】
PWM理論に基づいて制御される出力電圧は、供給される交流電力から得られる直流電圧と、スイッチング信号のONデューテーによって定まる。また、コンプレッサモータ内のコイルに誘起される逆起電力によって、コンプレッサモータの回転数が得られる。コンプレッサモータの回転数は、出力電圧を変えることによって変えられる。したがって、回転数が目標回転数に至るように出力電圧を変えるフィードバック制御が可能となる。
【0011】
このため、回転数が同じでも、供給電圧が所定の定格電圧の時と、異なる電圧の時では、スイッチング信号のデューテー比が変化する。
【0012】
異常判定手段は、このデューテー比を比較することにより規定の電圧が供給されているか否かを判定する。
【0013】
このような本発明によって検出する異常電圧は、規定の電圧より高い電圧の検出も可能であるが、特に規定の電圧より低いときには、電圧検出手段を用いることなく電圧異常を検出することができる。
【0014】
また、本発明では、異常判定手段の判定結果に基づいて、コンプレッサモータの運転を停止することが好ましく、さらに好ましくは、異常電圧を検出したために運転を停止した旨の表示を行うことである。このような表示は、室内ユニットに設けたランプの点滅ないしリモコンへの表示などが可能である。また、判定結果をさらに記憶する記憶手段を設けることがさらに好ましい。これによって、メンテナンス時に空気調和機が運転を停止した原因を明確にすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施の形態を説明する。
【0016】
図1には本実施の形態に適用した空気調和機(以下「エアコン10」という)の冷凍サイクルを示している。このエアコン10は、室内ユニット12と室外ユニット14によって構成されており、図示しないリモコンスイッチによって室内ユニット12へ操作信号を送出することにより、運転モード、運転条件等の設定が行われると共に、運転/停止操作が可能となっている。
【0017】
室内ユニット12と室外ユニット14の間には、冷媒を循環させる太管の冷媒配管16Aと、細管の冷媒配管16Bが対で設けられており、それぞれの一端が室内ユニット12に設けられている熱交換器18に接続されている。
【0018】
冷媒配管16Aの他端は、室外ユニット14のバルブ20Aに接続されている。このバルブ20Aは、マフラー22Aを介して四方弁24に接続されている。この四方弁24には、それぞれがコンプレッサ26に接続されているアキュムレータ28とマフラー22Bが接続されている。さらに、室外ユニット14には、熱交換器30が設けられている。この熱交換器30は、一方が四方弁24に接続され、他方が冷暖房用のキャピラリチューブ32、ストレーナ34、電動膨張弁36、モジュレータ38を介してバルブ20Bに接続されている。
【0019】
バルブ20Bには、冷媒配管16Bの他端が接続されており、これによって、室内ユニット12と室外ユニット14の間に冷凍サイクルを形成する冷媒の密閉された循環路が構成され、コンプレッサ26の回転により冷媒が循環され、冷凍サイクルによる運転が行われる。
【0020】
エアコン10では、四方弁24の切り換えによって、運転モードが冷房モード(ドライモード)と暖房モードとに切り換えられる。また、電動膨張弁36の弁開度を制御することにより、減圧量が調整される。なお、図1では、矢印で冷房モード(冷房運転)と暖房モード(暖房運転)におけるそれぞれの冷媒の流れを示している。
【0021】
図2には、室内ユニット12の概略断面を示している。この室内ユニット12には、図示しない室内の壁面に取り付けられる取付ベース40の上下(図2の紙面上下)に係止されるケーシング42によって内部が覆われている。このケーシング42内には、中央部にクロスフローファン44が配置されている。熱交換器18は、クロスフローファン44の前面側から上面側に渡って配置されている。図4にも示されるように、ケーシング42には、前面側から上面側にわたって吸込み口46が形成された開閉カバー42Aが設けられており、この開閉カバー42Aと熱交換器18の間にフィルタ48が配置されている。また、ケーシング42の下部には、吹出し口50が形成されている。
【0022】
これにより、室内ユニット12では、クロスフローファン44の回転によって、吸込み口46から室内の空気が吸込まれ、フィルタ48及び熱交換器18を通過した後、吹出し口50から室内へ向けて吹き出される。また、室内ユニット12では、冷凍サイクルによって熱交換器18が冷却または加熱されており、室内から吸込んだ空気が熱交換器18を通過するときに、熱交換器18によって所定の温度に冷却または加熱しており、この空気を室内へ吹出すことにより室内の空気調和を図っている。
【0023】
吹出し口50内には、左右フラップ52及び上下フラップ54が設けられており、左右フラップ52及び上下フラップ54によって、吹き出される空調風の向きが変えられるようになっている。
【0024】
図3に示されるように、室内ユニット12には、電源基板56、コントロール基板58及びパワーリレー基板60が設けられている。エアコン10を運転するための電力が供給される電源基板56には、モータ電源62、制御回路電源64、シリアル電源66及び駆動回路68が設けられている。また、コントロール基板58には、シリアル回路70、駆動回路72及びマイコン74が設けられている。
【0025】
電源基板56の駆動回路68には、クロスフローファン44を駆動するファンモータ76(例えばDCブラシレスモータ)が接続されており、コントロール基板58に設けられているマイコン74からの制御信号に応じてモータ電源62から駆動電力を供給する。このとき、マイコン74は、駆動回路68からの出力電圧を12V〜36Vの範囲で256ステップで変化させるように制御する。
【0026】
コントロール基板58の駆動回路72には、パワーリレー基板60及び上下フラップ54を操作する上下フラップモータ78が接続されている。パワーリレー基板60には、パワーリレー80と温度ヒューズ等が設けられており、マイコン74からの信号によって、パワーリレー80を操作し、室外ユニット14へ電力を供給するための接点80Aを開閉する。エアコン10は、接点80Aが閉じられることにより、室外ユニット14へ電力が供給されて運転される。
【0027】
また、上下フラップモータ78は、マイコン74の制御信号に応じて制御されて、上下フラップ54を操作する。上下フラップ54が、上下方向へスイングされることにより、室内ユニット12の吹出し口50から吹き出される空気の吹出し方向が上下方向へ変えられる。この上下フラップ54の操作は、吹出し風が任意の方向へ向けられるように固定できるが、自動モードでは、風向がランダムに変化するようにすることもできる。
【0028】
このように、エアコン10の室内ユニット12では、クロスフローファン44の回転と、上下フラップ54の操作が制御されることにより、所望の風量及び風向または室内を快適にするために制御された風量及び風向で空調された空気を室内へ吹出すことができるようになっている。
【0029】
マイコン74及び電源回路56のシリアル電源66に接続されているシリアル回路70は、室外ユニット14へ接続されており、マイコン74は、このシリアル回路70を介して室外ユニット14との間でシリアル通信を行い、室外ユニット14の作動を制御するようになっている。
【0030】
また、室内ユニット12には、図示しないリモコンスイッチからの操作信号を受信する受信回路及び運転表示用の表示LED82B等を備えた表示基板82が設けられており、この表示基板82がマイコン74に接続されている。図4に示されるように、表示基板82の表示部82Aは、ケーシング42の下部に露出されており、運転表示LED82Bが、この表示部82Aに設けられており、この運転表示LED82Bの点灯によりエアコン10が運転中であることを確認できるようになっている。また、この表示部82Aで、リモコンからの操作信号が受信されて、マイコン74に入力される。
【0031】
図3に示されるように、マイコン74には、室内温度を検出する室温センサ84及び熱交換器18のコイル温度を検出する熱交温度センサ86が接続され、さらに、コントロール基板58に設けられているサービスLED87及び運転切換スイッチ88が接続されている。図4に示されるように、サービスLED87及び運転切換スイッチ88は、開閉カバー42A内に設けられ、開閉カバー42Aを開くことにより露出されるようになっている。
【0032】
運転切換スイッチ88は、通常運転とメンテナンス時等に行う試験運転との切換用であると共に、電源スイッチ88A(図3参照)の接点を開放してエアコン10への運転電力の供給を遮断できるようになっている。通常、この運転切換スイッチ88は、通常運転に設定されている。また、サービスLED87は、メンテナンス時に点灯操作したときに、点灯及び点滅状態によってサービスマンに自己診断結果を知らせるようになっている。
【0033】
図3に示されるように、室内ユニット12には、端子板90が設けられており、この端子板90のターミナル90A、90B、90Cを介して室外ユニット14に接続されている。
【0034】
図5に示されるように、室外ユニット14には、端子板92が設けられ、この端子板92のターミナル92A、92B、92Cがそれぞれ、室内ユニット12の端子板90のターミナル90A、90B、90Cに接続されている。これにより、室外ユニット14には、室内ユニット12から運転電力が供給されると共に、室内ユニット12との間でシリアル通信が可能となっている。
【0035】
この室外ユニット14には、整流基板94、コントロール基板96が設けられている。コントロール基板96には、マイコン98共に、ノイズフィルタ100A、100B、100C、シリアル回路102及びスイッチング電源104等が設けられている。
【0036】
整流基板94には、ノイズフィルタ100Aを介して供給される電力を整流し、ノイズフィルタ100B、100Cを介して平滑化してスイッチング電源104へ出力する。スイッチング電源104は、マイコン98と共にインバータ回路106に接続されている。これにより、マイコン98から出力される制御信号に応じて電圧が制御された電力をインバータ回路106からコンプレッサモータ108へ出力され、コンプレッサ26が回転駆動される。
【0037】
コントロール基板96には、四方弁26と共に、電動膨張弁36の開度を調整するモータ120が接続されている。また、室外ユニット14には、外気温度を検出する外気温度センサ112、熱交換器30の温度を検出するコイル温度センサ114及びコンプレッサ26の温度を検出するコンプレッサ温度センサ116が設けられており、これらがマイコン98に接続されている。さらに、室外ユニット14には、熱交換器30に対向して送風ファン112(図1参照)が設けられており、コントロール基板96には、送風ファン112を回転駆動するファンモータ110が接続されている。このファンモータ110は、マイコン98で設定された回転数に応じて駆動されるようになっている。室外ユニット14では、送風ファン112が回転駆動されることにより、外気が熱交換器30へ向けて送風され、熱交換器30を冷却するようになっている。
【0038】
マイコン98は、運転モードに応じて四方弁24を切り換えると共に、室内ユニット12からの制御信号、外気温度センサ112、コイル温度センサ114及びコンプレッサ温度センサ116の検出結果に基づいて、コンプレッサモータ108の回転数(コンプレッサ26の能力)、ファンモータ110のオン・オフ等を制御するとようになっている。
【0039】
図6に示されるように、コンプレッサモータ108としては、三相のコイル140、142、144をY-結線(スター結線)したブラシレス直流モータを用いており、U、V、Wの三相のコイルに順次直流電圧を印加することにより、回転して所定の駆動トルクが得られるようになっている。マイコン98は、このコンプレッサモータ108を駆動するために、コイルに印加する直流電圧をPWM理論に基づいてスイッチング信号のONデューテー比を制御して所望の印加電圧としている。
【0040】
マイコン98で生成されたスイッチング信号は、スイッチング電源104から出力される直流電力と共にインバータ回路106へ入力される。
【0041】
インバータ回路106には、6個のスイッチング素子Xa、Xb、Ya、Yb、Za、Zbとダイオード124(フライバックダイオード)、及びそれぞれのスイッチング素子Xa〜Zbを駆動するスイッチング用アンプ122が設けられている。6個のスイッチング素子Xa〜Zbとしては、パワートランジスタ、パワーFET、IGBT等を用いることができる。
【0042】
マイコン98は、スイッチング素子Xa〜Zbのそれぞれに対するスイッチング信号をスイッチング用アンプ122へ出力する。スイッチング用アンプ122は、入力されるスイッチング信号に応じてスイッチング素子Xa〜Zbへ駆動電力を供給する。これにより、それぞれのスイッチング素子Xa〜Zbが、スイッチング信号に応じて駆動される。
【0043】
コンプレッサモータ108の回転位置は、二相通電とした場合、三相のコイルの端子電圧の和が、非通電コイルに生じる誘起電圧となるので、この誘起電圧の変化から検知することができる。なお、コンプレッサモータ108の回転位置に対するコイルの通電パターン(通電順序)は、汎用のパターンを用いることができるので、本実施の形態では詳細な説明を省略する。
【0044】
コイルへの電圧供給は、コンプレッサモータ108内の図示しない回転子の回転位置と整合させることが必要であり、このために回転子の検出が必要であるが、他の検出方法としては、InSb(インジウム・アンチモン)等を用いたn型半導体により構成されたホール素子を用いて回転子の位置を直接検出する方法がある。このホール素子は熱に弱く、コンプレッサモータ108では、コンプレッサ26によって圧縮される冷媒によって高温となるために誤動作等のおそれがある。このために、本実施の形態に適用したエアコン10では、2つの相間に供給される電圧によって残りの相のコイルに電磁誘導によって誘起される電圧を検出し、この誘起された電圧値から回転子の位置を検出するようになっている。
【0045】
一方、スイッチング信号を生成するときのONデューテーは、コンプレッサ26で必要とされる運転能力(運転周波数)に応じて設定される。コンプレッサモータ108では、コンプレッサ26の運転周波数に応じた駆動トルクを発生させる必要があるために、この電圧vは、コンプレッサモータ108の実回転数がコンプレッサ26を所定の運転周波数で駆動するための目標回転数に至るように制御される。
【0046】
すなわち、コンプレッサモータ108の目標回転数に対して検出される実回転数が高いときには、スイッチング信号のデューテー比(ONデューテー)を小さくするために、電圧vのステップを下げる。また、検出した実回転数が低いときには、スイッチング信号のデューテー比を大きくするために電圧vのステップを上げるようになっている。
【0047】
一方、マイコン98では、コンプレッサモータ108の目標回転数毎に予め記憶した電圧v(デューテー比)のステップと、フィードバック制御による実際の電圧v(デューテー比)のステップとを比較し、実際のデューテー比が設定したデューテー比より高い状態が継続しているときには、エアコン10に供給される電源電圧が低いと判断する。すなわち、エアコン10の200Vの電圧が供給されていなければならないときに、100Vの電圧が供給されると、周波数fに応じて設定したデューテー比のスイッチング信号では、コンプレッサモータ108への供給電圧が低くなる。このようにフィードバック制御を行うことにより、コンプレッサモータ108への供給電圧が上昇したままになる。このとき、デューテー比(ステップ数)を比較することにより、エアコン10に規定の電圧が供給されているか否かを判断することができる。
【0048】
室外ユニット14のマイコン98では、供給される電源電圧が低いと判断すると、コンプレッサ26の運転、すなわちコンプレッサモータ108の駆動を停止する。
【0049】
一方、室内ユニット12のマイコン74は、コンプレッサ26の運転が停止すると、電源電圧が異常に低いと判断して、表示基板82に設けている運転表示用の表示LED82Bを点滅させて、供給電圧が低いために運転を停止した旨の表示を行うと共に、自己診断回路に記憶して、メンテナンス時の表示できるようにしている。
【0050】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0051】
エアコン10では、冷房運転、暖房運転及びドライ運転に加えて空気清浄運転等が設定可能であり、設定された運転モードに基づいた運転を開始する。このとき、自動運転が設定されると、外気温度または室内温度と設定温度に基づいて運転モードが自動的に選択されて空調運転を行う。
【0052】
エアコン10は運転操作がなされて空調運転を開始すると、設定温度と室内温度を測定し、この測定結果に基づいて、コンプレッサ26の運転周波数、風量(クロスフローファン44の回転数)等を設定し、この設定結果に基づいて空調運転を行う。これにより、室内ユニット12が設けられている室内は、効率的に所望の空調状態とされ、さらにこの空調状態が維持される。
【0053】
一方、エアコン10の室外ユニット14では、コンプレッサ26の運転周波数が設定されると、この設定された運転周波数に基づいてコンプレッサモータ108を駆動するためのスイッチング信号を生成する。このために、マイコン98では、先ず、スイッチング信号の基本となる目標回転数nに応じた電圧v(デューテー比)のステップを設定する。マイコン98では、この設定結果に基づいて、スイッチング信号を生成してコンプレッサモータ98を駆動する。次いで、実回転数と目標回転数nの大小に応じて電圧(ONデューテー)を補正して、コンプレッサモータ108の実回転数が目標回転数nに至るようにする。
【0054】
ところで、マイコン98では、コンプレッサモータ108を駆動するためのスイッチング信号を生成するときに、コンプレッサモータ108に誘起される電圧の変化を検出し、この検出結果に基づいて、夫々のコイルへの通電を切り換える。このとき、通電中の電圧を所定のONデューテーでスイッチングして電圧vを変化させる。エアコン10に規定の電源電圧が供給されているか、すなわち、エアコン10に誤って低い電圧が供給されていないかの判断は、このONデューテーの値を比較して行われる。
【0055】
ここで、図7及び図8のフローチャートを参照しながら、異常電圧検出の一例を説明する。
【0056】
図7には、スイッチング信号により生成される電圧v(デューテー比)の制御の一例を示しおり、このフローチャートは、コンプレッサ26の運転周波数が設定されると実行され、最初のステップ200では、コンプレッサ26の運転周波数に基づいて設定されるコンプレッサモータ108を駆動するためのスイッチング信号のデューテー比を読込む(コンプレッサモータ108の目標回転数nを読込み)。
【0057】
次のステップ202では、設定された目標回転数nに基づいて電圧vを設定する。この電圧vは、回転数に応じて予めデューテー比のステップが記憶部に記憶されており、回転数に応じてデューテー比のステップが設定される。
【0058】
このようにして、目標回転数nに対して電圧vに相当するデューテー比のステップが設定されると、このステップに基づいてスイッチング信号が生成され、このスイッチング信号によってインバータ回路106から出力される直流電力が制御されてコンプレッサモータ108が駆動される。
【0059】
一方、ステップ206では、コンプレッサモータ108の図示しない回転子の位置検出のために、非通電のコイルに誘起される電圧の変化を検出すると、この検出電圧を読込む。この誘起電圧の変化に基づいて通電するコイルの組み合わせを制御する。このとき、コンプレッサモータ108の実回転数が検出される。
【0060】
次のステップ208では、実回転数と記憶している目標回転数nとを比較して、コンプレッサモータ108の実回転数が設定した目標回転数nよりも高いか低いかを判断する。
【0061】
ここで、検出した実回転数が高いときには、ステップ210へ移行し、設定しているデューテー比のステップを1ステップ下げる。これによって、次に1ステップ下げられたデューテー比に基づいてスイッチング信号が生成される。
【0062】
一方、検出した実回転数が低いときには、ステップ208からステップ212へ移行して、逆にデューテー比を高くするよう1ステップ上昇させる。これによって、スイッチング信号のデューテー比が大きくされ、インバータ回路106から出力される電圧が上昇する。
【0063】
このようにして、コンプレッサモータ108へ供給する電圧を制御することにより、コンプレッサモータ108に目標回転数nに応じた駆動トルクを発生させて、コンプレッサ26を安定させて運転することができる。なお、検出された電圧との比較結果によってデューテー比のステップを1ステップずつ上下させるように説明したが、これに限らず検出した電圧との差に応じたステップ数で変化させるようにしても良い。
【0064】
図8には、異常電圧を検出するための割込みルーチンを示している。このフローチャートは、電圧制御(回転数制御)と並行して実行され、最初のステップ220では、目標回転数nに応じて記憶されたデューテー比のステップと、実際のスイッチング信号の生成に用いられているデューテー比のステップを読込む。
【0065】
次のステップ222では、目標回転数nに応じて記憶されているデューテー比のステップと、現在のデューテー比のステップとを比較する。
【0066】
ここで、周波数に応じたデューテー比と実際のデューテー比との差が所定値以上であり、かつ、実際のデューテー比が大きいときには、エアコン10に供給される電圧に異常が生じているおそれがあるとして、このステップ222で肯定判定されてステップ224へ移行する。ステップ224では、異常検出用のタイマをリセット/スタートさせる。
【0067】
次にステップ226、228では、前記したステップ220、222と同様に実際のデューテー比のステップを読込んで目標回転数nに応じたデューテー比のステップと比較し、実際のデューテー比のステップが下がってインバータ回路106から出力される電圧が下げられているとき(否定判定)には、電圧異常が発生していないと判断して、ステップ230へ移行し、電圧異常検出用のタイマを停止させる。
【0068】
一方、実際のデューテー比が目標回転数nに応じたデューテー比よりも大きい状態が継続しているときには、ステップ228で肯定判定されてステップ232へ移行する。このステップ232では、電圧異常検出用のタイマがタイムアップしたか否かを判断する。なお、この電圧異常検出用のタイマによる計測時間は、30秒〜数分の間に設定されており、これによって、短時間のデューテー比の上昇を電圧異常と検出してしまうのを防止している。
【0069】
ここで、実際のデューテー比が目標回転数nに応じたデューテー比よりも大きい状態が所定時間(電圧異常検出用タイマの設定時間)以上継続されると、ステップ232で肯定判定される。これによって、マイコン98では、エアコン10に供給される電圧が異常に低いと判断し、ステップ234で、インバータ回路106からのコンプレッサモータ108への電力の供給を停止して、コンプレッサ26の運転を止める。また、ステップ236では、室内ユニット12のマイコン74へ電圧異常が生じている旨の信号を出力する。
【0070】
室内ユニット12のマイコン74では、室外ユニット14のマイコン98から電圧異常が発生している旨の信号を受信すると、表示基板82に設けている運転表示LED82Bを点滅させて報知すると共に、異常状態を図示しないメモリに記憶する。
【0071】
エアコン10の室内ユニット12では、運転中は点灯状態である運転表示LED82Bが点滅することにより、エアコン10に異常が生じていると判断できる。このとき、運転表示用LED82B以外の動作を停止させるようにしても良い。
【0072】
一方、マイコン74では、異常の発生をメモリに記憶しているので、メンテナンス時に、サービスLED87の点灯操作を行うことにより、サービスLEDの点灯ないし点滅状態から、電圧異常、すなわち、通常の運転電圧よりも低い電圧が供給されていることを検出して停止した旨の確認を行うことができる。
【0073】
このように、本実施の形態では、エアコン10に供給される電圧を検出するために特別に部品を追加することなく、誤って低い電圧が供給された時にも、この電圧異常を確実に検出して停止させることができる。これによって、例えば、低い電圧が供給された状態でコンプレッサ26が運転されてしまい、エアコン10に電力を供給する配線に過電流が流れてしまうのを確実に防止することができる。
【0074】
なお、以上の説明は、本発明の一例を示すものであり、本発明の構成を限定するものではない。本発明は、冷凍サイクルによって室内の空調を行う種々の構成の空気調和機に適用でき、電力消費量の上昇を抑えることができると共に、冷媒圧力を緻密に制御し、室内が快適となるように空調運転を行うことができる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明によれば、供給される電圧を検出するための特別な部品を設けることなく、定格よりも低い異常電圧の供給を判断することができると共に、短時間の電圧変動を電圧異常と検出してしまうのを防止できる。これにより、本発明では、供給される異常電圧を確実に検出して運転を停止させることができ、定格よりも低い電圧が供給された状態で運転されることによる過電流の発生を確実に防止し、空気調和機へ電力を供給するための配線を確実に保護することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用したエアコンの冷凍サイクルを示す概略図である。
【図2】室内ユニットを示す概略断面図である。
【図3】室内ユニットの回路構成の概略を示すブロック図である。
【図4】室内ユニットの要部を示す概略斜視図である。
【図5】室外ユニットの回路構成の概略を示すブロック図である。
【図6】インバータ回路の一例を示す概略構成図である。
【図7】スイッチング信号を生成するためのデューテー比の制御の概略を示すフローチャートである。
【図8】異常電圧検出の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 エアコン
12 室内ユニット
14 室外ユニット
18 熱交換器
26 コンプレッサ
74 マイコン
98 マイコン(スイッチング信号発生手段、電圧制御手段、異常判定手段)
106 インバータ回路(電力生成手段)
108 コンプレッサモータ
140、142、144 コイル

Claims (1)

  1. 交流電力を整流した電力で各機器の制御を行い、運転環境条件及び設定された運転条件に基づいて、冷凍サイクルを形成する回転型のコンプレッサの回転数を制御して室内の空気調和を図る空気調和機であって、
    コンプレッサの回転数に対応する電圧を予め格納している記憶手段と、
    前記電力から前記コンプレッサの回転数に対応する電圧の電力を得るためのスイッチング信号を出力するスイッチング信号発生手段と、
    前記スイッチング信号に基づく電力を発生するインバータ回路と、
    前記インバータ回路から出力される電力によって駆動されて前記コンプレッサを回転駆動するコンプレッサモータと、
    前記コンプレッサの実回転数が目標回転数に至るように前記スイッチング信号発生手段の動作を補正する電圧制御手段と、
    前記インバータ回路によって出力が補正された後の電圧と前記記憶手段に格納された前記電圧とを比較し、その差が所定以上で、かつ、その所定以上の差が所定時間以上継続した場合に、機器へ供給される電源電圧が異常であると判定する異常判定手段と、
    前記異常判定手段の判定結果が異常である場合に、前記コンプレッサの運転を停止する手段と、
    を含むことを特徴とする空気調和機。
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