JPH062873A - 給湯システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 貯水槽及び、その水を給湯器に圧送する加圧
手段を備える給湯システムにおいて、わずかな手段を付
加するだけで死水を出湯口から出すことなく、且つ、捨
てずに回収できるようにする。 【構成】 貯水槽１から給湯器３へ水を圧送する加圧手
段２と、給湯器３から給湯路５を介して供給される湯と
給水路４から供給される水とを混合して出湯路７へ供給
する湯水混合手段６とを備える給湯システムにおいて、
湯水混合手段６からの混合湯を貯水槽１に戻すための還
元路１５と、混合湯を出湯路７と還元路１５とのいずれ
かに流すための流路切換手段１４と、給湯温検出手段１
６にて検出される給湯路５の湯温が設定温度以下であれ
ば、混合湯を還元路１５に流すように流路切換手段１４
を操作する制御手段１２とが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、貯水槽から給湯器へ水
を圧送する加圧手段と、前記給湯器から給湯路を介して
供給される湯と給水路から供給される水とを混合して出
湯路へ供給する湯水混合手段とを備える給湯システムに
関する。

【０００２】

【従来の技術】長時間の出湯停止の後に出湯を再開した
場合、給湯路に溜まっている湯の温度が低く、いわゆる
死水状態となっている。出湯開始時にこの死水がシャワ
ー等から出ると使用者に不快感を与える。そこで、出湯
開始時に給湯路に溜まっている湯の温度をチェックし、
設定温度以下であれば死水であると判断してシャワー等
の出湯口から出さずに、別途設けた排出口から排水する
ようにした給湯システムがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、死水を捨てて
しまうのは水資源を節約する観点からは好ましくない。
ポンプを用いて死水を給湯器の入水管に戻すことも考え
られるが、専用のポンプを必要とすることや、その制御
が複雑になるといった難点がある。

【０００４】本発明は、かかる実情に鑑みて為されたも
のであって、その目的は、上記のような貯水槽及び、そ
の水を給湯器に圧送する加圧手段を備える給湯システム
において、わずかな手段を付加するだけで死水を出湯口
から出すことなく、且つ、捨てずに回収できるようにす
ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明による給湯システ
ムは、貯水槽から給湯器へ水を圧送する加圧手段と、前
記給湯器から給湯路を介して供給される湯と給水路から
供給される水とを混合して出湯路へ供給する湯水混合手
段とを備えるものであって、その特徴構成は、前記湯水
混合手段からの混合湯を前記貯水槽に戻すための還元路
と、前記混合湯を前記出湯路と前記還元路とのいずれか
に流すための流路切換手段と、給湯温検出手段にて検出
される前記給湯路の湯温が設定温度以下であれば、前記
混合湯を前記還元路に流すように前記流路切換手段を操
作する制御手段とが設けられている点にある。

【０００６】

【作用】上記の特徴構成によれば、制御手段が、給湯温
検出手段の検出情報に基づいて、給湯路の湯温が設定温
度以下であれば、湯水混合手段からの混合湯を出湯路に
流さずに還元路に流すように流路切換手段を操作する。
従って、給湯路に溜まっていた死水はシャワー等の出湯
口からは出ずに、加圧手段により加圧された状態で還元
路を通って貯水槽に還元される。

【０００７】

【発明の効果】従って、上記のような貯水槽及び加圧手
段を備える給湯システムにおいて、混合湯を貯水槽に戻
すための還元路、混合湯を出湯路と還元路とのいずれか
に流すための流路切換手段、及び制御手段の付加によ
り、死水を出湯口から出すことなく、且つ、捨てずに回
収できるようになった。即ち、使用者に不快感を与え
ず、且つ、水資源の有効活用に資するものとなった。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１に示すように、上水道給水管から供給される
水が貯水槽１に溜められる。貯水槽１から出た水は、加
圧手段としての加圧ポンプ２にて給湯器３に圧送される
と共に給水路４を通って湯水混合手段（以下、混合部と
いう）６に圧送される。給湯器３を通る水は加熱されて
高温湯となり、給湯路５を通って混合部６に供給され
る。

【０００９】給水路４からの水と給湯路５からの湯は混
合部６で混合されて混合湯となり、出湯路７へ供給され
る。混合部６には、給水路４から供給される水の流入量
を調節する水側弁８と、給湯路５から供給される湯の流
入量を調節する湯側弁９が設けられている。これら両弁
８，９の開度を各別に調節することにより、混合湯の温
度及び流量を調節することができる。混合部６には、混
合湯の温度を検出する湯温センサ１０と混合湯の流量を
検出する流量センサ１１が設けられ、これらの検出情報
はマイクロコンピュータ等で構成される制御手段１２に
入力されている。

【００１０】制御手段１２には、目標温度や目標流量等
を設定するための操作パネル１３が接続されている。目
標温度や目標流量は、アップダウンキー１３ａ，１３ｂ
及びレベル表示器１３ｃ，１３ｄを用いて５段階に設定
することができる。即ち、アップダウンキー１３ａ，１
３ｂを押せば、レベル表示器１３ｃ，１３ｄに５段階表
示された目標温度又は目標流量が増減変更され、その設
定値は、制御手段１２のメモリに記憶される。

【００１１】制御手段１２は、湯温センサ１０にて検出
された混合湯温度が目標温度になるように、且つ、流量
センサ１１にて検出された混合湯流量が目標流量になる
ように水側弁８及び湯側弁９を開閉操作する温度・流量
制御を実行する。水側弁８は弁体８ａとパルスモータ８
ｂからなり、同様に湯側弁９は弁体９ａとそれを駆動す
るパルスモータ９ｂからなる。制御手段１２は、パルス
モータ８ｂ，９ｂを正逆転制御することにより水側弁８
及び湯側弁９を開閉操作し、その回転速度を制御するこ
とにより両弁８，９の開閉速度を制御する。

【００１２】上記の温度・流量制御は、湯温センサ１０
の検出温度と目標温度の偏差が小さくなるように、且
つ、流量センサ１１の検出流量と目標流量の偏差が小さ
くなるようにするフィードバック制御であり、ファジイ
推論により両弁８，９の操作量を決定している。つま
り、各偏差（及びその変化量）を前件部のファジイ変数
とし、操作量であるパルスモータ８ｂ，９ｂの回転速度
（方向及び速さ）を後件部とするファジイ推論により操
作量を算出している。

【００１３】操作パネル１３には、出湯の開始又は停止
を指示する「出湯」キー１３ｅ、「停止」キー１３ｆが
設けられている。又、出湯口としてカラン７ａ又はハン
ドシャワー７ｂのいずれかを選択するための「カラン」
キー１３ｇ、及び、「ハンドシャワー」キー１３ｈが設
けられている。制御手段１２は、いずれかのキーが押さ
れると電磁弁ユニット１４を操作して、押されたキーに
対応する出湯路７を開き、他を閉じる。

【００１４】図１に示すように、電磁弁ユニット１４に
は混合湯を貯水槽１に戻すための還元路１５も接続され
ている。従って、電磁弁ユニット１４は、混合湯を出湯
路７と還元路１５とのいずれかに流すための流路切換手
段として働く。還元路１５は、出湯開始時において、い
わゆる死水が給湯路５に溜まっていたときに、これを出
湯路７に供給せずに貯水槽１に戻すために設けられてい
る。

【００１５】給湯路５に溜まっている湯の温度を検出す
る給湯温検出手段（以下、給湯温センサという）１６が
設けられ、その検出情報が制御手段１２に入力されてい
る。制御手段１２は、給湯温センサ１６の検出情報に基
づいて、給湯路５の湯温が設定温度（例えば３５℃）以
下であれば死水状態であると判断して、出湯路７を閉じ
還元路１５を開くように電磁弁ユニット１４を操作す
る。この結果、混合湯は出湯路７に供給されずに還元路
１５を通って貯水槽１に戻される。

【００１６】この状態は、給湯路５の湯温が設定温度を
越えるまで継続され、この間、死水を速く排出するため
に湯側弁９は全開状態に維持される。又、操作パネルに
設けられた準備中ランプ１３ｉが点灯する。給湯路５の
湯温が設定温度を越えるに伴って、制御手段１２は還元
路１５を閉じ、カラン７ａ又はハンドシャワー７ｂに通
ずる出湯路７を開く。そして、前述の温度・流量制御を
実行する。

【００１７】以下別実施例について列記する。 上記実施例において、制御手段１２が、給湯温セン
サ１６の検出情報に基づいて、給湯路５の湯が死水状態
であると判断する設定温度をディップスイッチ等によ
り、季節に応じて変更できるようにしてもよい。又、給
湯路５の湯温が設定温度を越えるに伴って、還元路１５
を閉じ出湯路７を開く操作を行う際に遅延時間を設けて
もよい。

【００１８】 混合湯を出湯路７と還元路１５とのい
ずれかに流すための流路切換手段は、上記実施例のよう
に出湯口を切り換えるための電磁弁ユニット１４と兼用
させるのに限らず、例えば、出湯口の切換とは別個のも
のを混合部６に直接設けてもよい。

【００１９】 湯水混合手段は、上記実施例のよう
に、各別に開閉操作される水側弁及び湯側弁を備えるも
のに限らない。例えば、流量調節用の弁が別途設けられ
ている場合は、湯側弁と水側弁が一体に構成され、背反
的に開閉するように構成された混合比調整弁を備えるも
のであってもよい。

【００２０】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る給湯システムの構成図

【符号の説明】

１ 貯水槽 ２ 加圧手段 ３ 給湯器 ４ 給水路 ５ 給湯路 ６ 湯水混合手段 ７ 出湯路 １２ 制御手段 １４ 流路切換手段 １５ 還元路 １６ 給湯温検出手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 貯水槽（１）から給湯器（３）へ水を圧
   送する加圧手段（２）と、前記給湯器（３）から給湯路
   （５）を介して供給される湯と給水路（４）から供給さ
   れる水とを混合して出湯路（７）へ供給する湯水混合手
   段（６）とを備える給湯システムであって、前記湯水混
   合手段（６）からの混合湯を前記貯水槽（１）に戻すた
   めの還元路（１５）と、前記混合湯を前記出湯路（７）
   と前記還元路（１５）とのいずれかに流すための流路切
   換手段（１４）と、給湯温検出手段（１６）にて検出さ
   れる前記給湯路（５）の湯温が設定温度以下であれば、
   前記混合湯を前記還元路（１５）に流すように前記流路
   切換手段（１４）を操作する制御手段（１２）とが設け
   られている給湯システム。