JPH06286A - 電気洗濯機などの排水浄化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗濯機等の排水中の有機物を捕捉し微生物に
より分解し、環境への有機物の排出を軽減する。 【構成】 略円筒形状の排水浄化装置16は、排水ホース
14を挿入固定する流入口18と、第２の排水ホース17を挿
入固定する流出口19を有し、流入口18と流出口19を結ぶ
通水路20を形成する仕切り板21を有し、バイパス部22を
形成する。仕切り板21の流入口18近辺にフィルター部流
入口23を有する。フィルター部24は、略円筒形状の外側
ネット25と内側ネット26を有し、この間にセラミック等
の粒状体を詰めろ過層27を形成する。内側ネット26の内
側は、ろ過された排水のフィルター部通水路29となり、
仕切り板21に設けたフィルター部流出口30につながる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一般家庭において使用
する洗濯機や食器洗い乾燥機等の汚れた水を排出する機
器の排水浄化装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般家庭において使用する洗濯機や食器
洗い乾燥機等の汚れた水を排出する機器では、現在その
まま排水を下水へ流している。近年、環境の汚染が大き
な問題になっているが、文献によれば洗濯から出る排水
は、生活雑排水中のおよそ13％を占める。

【０００３】以下に電気洗濯機を例として説明をする。

【０００４】従来の洗濯兼脱水機は、図４の縦断面図に
示すように、洗濯時の水を溜める水槽１の内部に洗濯兼
脱水槽２を有する。この洗濯兼脱水槽２は、側壁には水
抜き用の多数の小穴３を有し、中央底部に衣類撹袢用の
パルセータ４を有する。５は軸受け箱で、洗濯時にはパ
ルセータ４を、脱水時には洗濯兼脱水槽２を回転駆動す
るようにモータ６の駆動力を伝達する機構を有してい
る。また、モータ６はベルト７、およびプーリ８により
軸受け箱５に駆動力を伝達している。９は補強板で、水
槽１、モータ６、軸受け箱５等が配設され、支持竿10に
より、サスペンション11を介して本体12の角隅より垂下
支持されている。

【０００５】洗濯する場合は、洗濯兼脱水槽２内に洗濯
物と洗剤を入れ、運転を開始すると、給水され一定の水
が貯められ、モータ６の駆動によりパルセータ４が回転
し洗濯物を攪拌する。洗濯が終わると、水槽１の下部に
設けた排水弁13を開き、排水ホース14を介して建物等の
排水口15へ排水を排出する。

【０００６】洗濯物の脱水は、排水弁13を開いた状態
で、軸受け箱５内のクラッチの切り替えでモータ６の駆
動により洗濯兼脱水槽２を回転させ、回転の遠心力で行
う。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上述した電気洗濯機に
見られるように、従来は洗濯したあとの汚れや洗剤を含
む排水は、家庭の下水へ排出されるが、下水道が完備し
ていない地域では、排水はそのまま河川等に排出され、
これが原因で環境を汚染するという問題がある。

【０００８】本発明は上記問題に鑑み、環境汚染を僅か
でも軽減するため、洗濯機等から排出される排水を、少
しでも浄化してから環境へ排出するための排水浄化装置
を提供することを目的とする。

【０００９】また、長期間使用しても洗濯機等の機能を
低下させず、かつ環境を汚染する有機物を捕捉する使用
時の信頼性の高い排水浄化装置を提供することにある。

【００１０】さらに、フィルター部のろ過能力を充分発
揮し、フィルター部に大きなゴミが詰まったときに補修
を容易に出来る構成を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、電気洗濯機等
の機器から排出させる排水の排水路に、フィルター部と
バイパス部を併設し、前記バイパス部の通水路にフィル
ター部からの流出口を設けたものである。

【００１２】また、フィルター部の全体に排水が行き渡
るように、フィルター部流入口に対応したフィルター部
流入口ガイドをフィルター部に設ける。さらに、フィル
ター部とバイパス部を併設し、フィルター部とバイパス
部を隔離する仕切り板を、前記フィルター部と一体に形
成する。

【００１３】

【作用】本発明の排水浄化装置は、上記構成により排水
中の有機物の一部を捕捉し、時間をかけて分解すること
により、環境へ排出される有機物量を減少させる。

【００１４】

【実施例】図１は本発明の第１の実施例の排水浄化装置
の断面図を示し、図１に示す排水浄化装置16は略円筒状
で、排水ホース14を挿入固定する流入口18と、第２の排
水ホース17を挿入固定する流出口19を有する。流入口18
と流出口19を結ぶ通水路20を形成する仕切り板21を有し
バイパス部22を形成する。

【００１５】上記バイパス部22を形成した理由は、この
バイパス部22が無い場合には、フィルター部24の外側ネ
ット25あるいはろ過層27の表層部に捕捉された糸屑等の
大きなゴミが詰まり、水が流れなくなると洗濯機から排
水されなくなり、洗濯機が正常に動作しなくなる。その
対応策としてバイパス部22を形成してある。

【００１６】仕切り板21の流入口18近辺にフィルター部
流入口23を設ける。またフィルター部24は、略円筒形状
の外側ネット25と内側ネット26を設け、この間にセラミ
ック等の粒状体を詰めろ過層27を形成する。フィルター
部24は、仕切り板21と蓋28で固定されている。内側ネッ
ト26の内側は、ろ過された排水のフィルター部通水路29
となる。このフィルター部通水路29は、仕切り板21に設
けたフィルター部流出口30につながる。

【００１７】仕切り板21から通水路20へ突き出した開口
部を有し通水路20の流水の先側へ開口したフィルター部
流出口ガイド31を形成する。このフィルター部流出口ガ
イド31は、たとえば略１／４球状をしており、フィルタ
ー部流出口ガイド31は、通水路20へ突き出しているた
め、通水路20はフィルター部流出口ガイド31周辺では、
断面積が小さくなっており、ここを流れる排水の流速は
その前の面積が広い部分より速くなり、フィルター部流
出口30に吸引力が作用する。このことにより、流入口18
から流入した排水がバイパス部22とフィルター部24とに
うまく分配して流れるようになる。

【００１８】図２は本発明の第２の実施例の排水浄化装
置の断面図を示し、フィルター部流入口23の近くに外側
ネット25があると、フィルター部流入口23からフィルタ
ー部24に流入した排水中の糸屑等の大きなゴミが、フィ
ルター部流入口23近傍の外側ネット25あるいはろ過層27
の表層部に引っかかりフィルター部流入口23近傍で詰ま
りを生じるため、フィルター部24全体の機能がうまく働
かない。

【００１９】図２に示すように、フィルター部24におい
て、フィルター部流入口23に対応したフィルター部流入
口ガイド32を設ける。穴がなく引っかかりが無いような
フィルター流入口ガイド32を設けることにより、フィル
ター部24全体が有効に機能するような構成にする。

【００２０】フィルター部24の構成は前述の通りである
が、排水中の糸屑のような大きなゴミは外側ネット25あ
るいはろ過層27の表層部に捕捉される。この際、捕捉さ
れた糸屑などが多すぎるとろ過層27が詰まり排水が良く
流れなくなることがある。また、バイパス部22において
も糸屑等が引っかかり補修を要する場合がある。

【００２１】この場合は、蓋28を外し、フィルター部24
と仕切り板21を外し清掃あるいは交換する。バイパス部
22の清掃が必要なとき、仕切り板21とフィルター部24が
別体の場合は、フィルター部24と仕切り板21の両方を取
り出す必要がある。

【００２２】また実用上で詰まりが発生した場合、フィ
ルター部24で発生したのかバイパス部22で発生したのか
は外からは分かりにくい。フィルター部24とバイパス部
22を確実に清掃してもらうため、フィルター部24と仕切
り板21とを一体に形成し、フィルター部24を外すと仕切
り板21も外れるようにする。

【００２３】洗濯の排水液中には、自然界に存在するバ
クテリア等の微生物が存在し、フィルター部24の、外側
ネット25と内側ネット26の間に形成したろ過層27のセラ
ミック等の粒状体の多孔質部にそれが生息するようにな
る。微細な有機物はこのバクテリア等に吸着捕捉され、
時間をかけて分解される。

【００２４】図３は図４の洗濯機の排水ホース14の先端
に図１または図２に示す排水浄化装置16を設けた状態図
を示し、これから第２の排水ホース17を介し、建物等の
排水口15へと排水を排出する。

【００２５】図３では、洗濯機から機外へ出た排水ホー
ス14の先端に排水浄化装置16を設けた例を示したが、排
水ホース14の途中の洗濯機の機内に排水浄化装置16を設
ける構造であってもよい。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の電気洗濯
機などの排水浄化装置は、洗濯機等から排出される排水
中の有機物汚れの一部を除去できる。本発明者の実験で
は、排水中の有機物汚れのうち、およそ10％の有機物
（ＣＯＤ：化学的酸素要求量で測定）の除去ができた。

【００２７】このように、従来たれ流していた排水中の
一部とはいえ有機物汚れを除去できるという大きな効果
を奏することができる。

【００２８】さらに、糸屑等の大きなゴミが大量に流れ
てきても洗濯機の機能を失うことが無く、フィルター部
のろ過機能が有効に働く。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の排水浄化装置の断面図
である。

【図２】本発明の第２の実施例の排水浄化装置の断面図
である。

【図３】本発明の排水浄化装置を洗濯機に設けた状態を
示す図である。

【図４】洗濯機の縦断面図である。

【符号の説明】

14…排水ホース、 16…排水浄化装置、 17…第２の排
水ホース、 18…流入口、 19…流出口、 20…通水
路、 21…仕切り板、 22…バイパス部、 23…フィル
ター部流入口、 24…フィルター部、 25…外側ネッ
ト、 26…内側ネット、 27…ろ過層、 28…蓋、 29
…フィルター部通水路、 30…フィルター部流出口、
31…フィルター部流出ガイド、 32…フィルター部流入
口ガイド。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ０１Ｄ 24/40 29/90 35/027 6953−4Ｄ Ｂ０１Ｄ 35/02 Ｐ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気洗濯機等の機器から排出される排水
   の排水路にフィルター部とバイパス部を併設し、前記バ
   イパス部の通水路にフィルター部からの流出口を設けた
   ことを特徴とする排水浄化装置。
2. 【請求項２】 フィルター部流入口に対応したフィルタ
   ー部流入口ガイドをフィルター部に設けたことを特徴と
   する請求項１記載の排水浄化装置。
3. 【請求項３】 フィルター部とバイパス部を併設し、フ
   ィルター部とバイパス部を隔離する仕切り板を、前記フ
   ィルター部と一体に形成したことを特徴とする請求項１
   記載の排水浄化装置。