JPH0628684A - 光学的情報記録装置及び光学的情報記録再生方法 - Google Patents

光学的情報記録装置及び光学的情報記録再生方法

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JPH0628684A
JPH0628684A JP924393A JP924393A JPH0628684A JP H0628684 A JPH0628684 A JP H0628684A JP 924393 A JP924393 A JP 924393A JP 924393 A JP924393 A JP 924393A JP H0628684 A JPH0628684 A JP H0628684A
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JP
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light
recording
recording medium
error signal
focus
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Withdrawn
Application number
JP924393A
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English (en)
Inventor
Yuichiro Akatsuka
祐一郎 赤塚
Toshio Horiguchi
敏夫 堀口
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 再生用と記録用との光スポットの間に相対的
なずれが発生しても記録媒体への正常な記録を可能とす
る。 【構成】 光カード2の記録材料を破壊しないパワーの
再生用光を再生用LD96から光カード2へ射出させ
る。再生用光の位置をコントロールユニット152で制
御する。記録用LD50から光カード2の記録材料を破
壊しないパワーの光を光カード2へ射出させる。この光
の位置を記録用PD78で検出し、検出された値をコン
トロールユニット152に記憶させる。再生用LD96
から再生用光を再び射出させると共に、光カード2に情
報記録可能な記録用光を記録用LD50から射出させ
る。記録用光の位置を、再生用光の反射光とコントロー
ルユニット152に記憶された値とを基にして制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録用光のサーボ制御
を行う光学的情報記録装置及び光学的情報記録再生方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に光記録媒体は、記録密度が磁気記
録媒体と比べて極めて高いことから大量の情報を記録す
る用途向けに応用が始まっている。その中で光カードは
磁気カードと比較して数千倍〜一万倍の記憶容量を有
し、WORM型光ディスクと同様に書換えはできない
が、その記憶容量が1〜2Mバイトと大きいところか
ら、個人の健康管理カードなど過去の来歴データを保存
するアプリケーションへの応用やプリペイドカード、顧
客管理等への応用も考えられ、一部では実験も始まって
いる。また、WORM型の光ディスクも文書ファイル等
で利用が拡大され始め、光磁気ディスクもパーソナルコ
ンピュータへの組み込み型が市場に出始めている。
【0003】光カード等の光学的情報記録再生装置にお
いては、情報の記録や再生を行うために光学ヘッドを光
カードに対して相対的に往復移動させている。記録速度
および/または再生速度は、光学ヘッドと光カードとの
相対速度によって決定される。このため、単一のトラッ
クを照明してそのトラックだけの記録および/または再
生を行うようにすると、記録速度および/または再生速
度をあまり速くすることができない。
【0004】そこで、例えば米国特許第4,730,2
93号公報に開示されているように、複数本のトラック
を同時に照明して、複数トラック分並行して情報を読み
出すことにより、読み出し速度を速めた情報記録再生装
置が知られている。
【0005】また、1989年電子通信学会秋季全国大
会予稿集C−325に記載されている「2光源方式光ヘ
ッドによる光カードリーダ/ライタの高速化」には、記
録用と再生用とに別々の光源を使用した情報記録再生装
置が開示されている。この文献の装置における光学ヘッ
ドの構成を、図1乃至図3を用いて説明する。
【0006】図1に示すように、この装置に用いられる
光カード2上には、カードの長手方向に延出し互いに平
行な複数本のトラックを有するデータ記録部4と、この
データ記録部4の両側に配置され、各トラックのアドレ
ス情報が記録されたID部6とが形成されている。
【0007】一方、この装置における光学ヘッドは、図
2に示すように、記録用の光源である記録用レーザダイ
オード(以下、単に記録用LDと称す)10と、再生用
の光源である再生用LED12とを有している。
【0008】記録用LD10によって射出された光はコ
リメートレンズ14によって平行光にされ、偏光ビーム
スプリッタ(PBS)16を透過した後、対物レンズ1
8によって光記録媒体である光カード2のトラック上に
集束される。
【0009】再生用LED12によって射出された光
は、コリメートレンズ20によって平行光にされた後、
PBS16によって反射され、対物レンズ18によって
光カード2のトラック上に収束される。
【0010】光カード2によって反射された再生用LE
D12からの光は、対物レンズ18によって平行光にさ
れ、PBS16によって部分的に反射される。この後、
ミラー22によって全反射され、結像レンズ24を経た
後、再びミラー26によって全反射される。この光は、
ビームスプリッタ(BS)28によって、このBS28
を透過する光と、このBS28のビームスプリット面で
反射される光とに分けられる。透過光はリード/トラッ
キングエラー用検出器(Tr−PD)30に入射し、反
射光は、フォーカスエラー用検出器(Fo−PD)32
に入射する。
【0011】このTr−PD30は、図3に示すよう
に、頂角が互いに向き合うように配置され、再生時のト
ラッキングエラーを検出する2個の3角形状の受光素子
(以下、「再生エラー用素子」と称する)34,36
と、これら再生エラー用素子34,36の上下に配置さ
れた2個の長方形状の情報検出素子38,40とによっ
て構成されている。
【0012】光カード2上に照射された光スポットは、
図3において符号42で示すようにTr−PD30上に
投影される。再生エラー用素子34,36上には、ガイ
ドトラック44の像44aが結ばれ、情報検出素子40
上には、データピット46の像46aが結ばれる。
【0013】トラッキングエラーの検出は、上側の再生
エラー用素子34と下側の再生エラー用素子36とにか
かる夫々の像の濃淡のバランスをとることによって行わ
れる。
【0014】その時に2つの情報検出素子38,40に
ガイドトラック44の上下のトラックの像を結像させる
ことにより、2トラックの情報を同時に得る事が可能と
なる。なお、データの記録は記録用LD10によって行
う。図3において符号48は、この記録用LD10によ
る光スポット、即ち記録用光スポットを示している。
【0015】フォーカスエラーの検出は、図2に示す再
生用LED12による再生用光スポットを利用して行わ
れる。この際には、再生用光スポットの光軸は対物レン
ズ18の光軸に対してずれている。このずれによって、
Fo−PD32上に形成されるスポットは対物レンズ1
8の動きに応じて移動する。対物レンズ18を図中上下
に移動させると、Fo−PD32上に形成されるスポッ
トは図中左右に移動する。Fo−PD32上でのスポッ
トの移動量は、対物レンズ18と光カード2との間の距
離に依存する。この移動をフォーカス制御に利用するこ
とができる。即ち、フォーカスが適正な状態においてス
ポットが形成される位置にFo−PD32を設置してお
く。この適正な位置にスポットが留まるように対物レン
ズ18を制御すれば、フォーカス制御を行うことができ
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この光学式情
報記録/再生装置では、記録時においても、トラッキン
グエラー検出及びフォーカスエラー検出を再生用LED
12による像を使って行っている。このため、記録用L
D10の光スポット48と、トラッキング制御及びフォ
ーカス制御に用いられる再生用LED12の光スポット
49との相対的な位置関係においてずれのないことが重
要となる。この様な両スポット48,49間の相対的な
位置関係は、記録用LD10及び再生用LED12自体
の位置関係に依存する。両光源の位置関係は、特に、温
度変化や経年変化等によって影響される。
【0017】記録用LDと再生用LEDとが取付られて
いる部分の材質の温度等による2つの光源間の相対的な
位置変化量が1μmから数μm程度しかなくても、デー
タ記録時において記録用LDによる光スポットのトラッ
クに直交する面内での位置が大きくずれてしまう。
【0018】例えば、トラッキングにおいては、記録用
LD10の光スポット48がトラック中央に位置せずに
上下にずれてしまう。記録用光スポット48がずれてし
まうと、ピットの記録位置も同様にずれてしまう。一般
的に、光記録においては、トラックの間隔は数μm〜1
0μm程度である。従って上記ずれがあまり大きくなく
ても、最悪の場合、記録データの再生時にピットの像が
再生用素子38,40からはみ出してしまい、データの
再生ができなくなる恐れが生じてくる。
【0019】フォーカスにおいては、記録用LDによる
光スポットの焦点位置が大きくずれてしまい、正常にピ
ットが記録できなかったり、記録したピットサイズが不
安定であったりする。これらは、記録したデータの信頼
性の低下を招き、記録/再生に大きな影響を及ぼす。
【0020】また、光学ヘッドの組立精度などにより、
光カード2上に収束される記録用と再生用との両光スポ
ット48,49の光軸がずれる場合もある。この場合に
は、光学ヘッド内の夫々の部材間の調整が必要となり、
コストアップや信頼性の低下につながる恐れがある。
【0021】この欠点を解消するために、データ記録時
に、記録用LDから照射され記録媒体によって反射され
た光によってフォーカス制御及びトラッキング制御を行
うことが考えられる。
【0022】この場合には、上述の反射光の光量は、記
録用LDの光スポットがピットを形成するために大きな
出力で発光する場合の平均光量が、記録を行わない場合
の光量に比べて10倍以上となる。また、記録媒体上で
のピット形成時には、ピットによって反射率変化が生じ
て反射光が大きく変化する。従って、AGC(Auto
Gain Control)回路や、ゲイン切り換え
回路等の複雑な回路をフォーカス制御回路及びトラッキ
ング制御回路に設ける必要が生じ、コストアップの原因
となる。本発明はこのような従来の問題点に着目してな
されたもので、その目的とするところは、再生用光スポ
ットと記録用光スポットとの間に相対的なずれが発生し
ても、記録媒体への正常な記録が可能で、かつ、構成の
簡単な光学的情報記録装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】従って本発明は、複数本
のトラックを有する記録媒体に光を照射し、前記記録媒
体に対し少なくとも情報の記録を行う光学式情報記録装
置であって、
【0024】記録用光を射出する第1の光源と、前記記
録用光よりも弱いパワーの光を射出する第2の光源と、
前記第2の光源からの光の前記記録媒体への照射位置と
前記トラックとの位置ずれを示すトラックエラー信号を
検出するトラックエラー信号検出手段および/又は、前
記第2の光源からの光の焦点位置と前記記録媒体との位
置ずれを示すフォーカスエラー信号を検出するフォーカ
スエラー信号検出手段を有するエラー信号検出手段と、
前記エラー信号検出手段で検出されたトラックエラー信
号及び/又はフォーカスエラー信号に基づいて前記記録
用光の前記記録媒体への照射位置及び/又は焦点位置を
制御する制御手段と、前記エラー信号検出手段で検出さ
れたトラックエラー信号及び/又はフォーカスエラー信
号のみに基づいて前記記録用光の前記記録媒体への照射
位置及び/又は焦点位置を制御した場合に発生する照射
位置及び/又は焦点位置ずれをキャンセルする補正値を
格納したメモリ手段とを具備し、前記補正値は前記制御
手段においてトラックエラー信号及び/又はフォーカス
エラー信号に加えられることを特徴としている。
【0025】また、本発明による光学式情報記録再生方
法は、2つある光源の片方を駆動して情報記録媒体を破
壊しないパワーの第1の光ビームを前記情報記録媒体に
照射し、その反射光に基づいて前記第1の光ビームの位
置制御を行う第1のステップと、前記第1のステップで
駆動されなかったほうの光源を駆動して情報記録媒体を
破壊しないパワーの第2の光ビームを前記情報記録媒体
に照射し、その反射光に基づいて第2の光ビームの位置
ずれ信号を検出する第2のステップと、前記第2のステ
ップで検出された位置ずれ信号をメモリ手段に記憶する
第3のステップと、前記第1のステップで駆動された光
源を駆動して前記情報媒体を破壊しないパワーの第1の
光ビームを前記情報記録媒体に照射すると共に、もう片
方の光源を駆動して前記記録媒体に情報が記録できるパ
ワーの第3の光ビームを前記情報記録媒体に照射する際
に、前記第1の光ビームの反射光と前記第3のステップ
で求めたメモリ手段の記憶値に基づいて前記第3の光ビ
ームの位置制御を行う第4のステップと、を含むことを
特徴としている。
【0026】
【作用】請求項1に記載された発明では、まず、エラー
検出手段によって、第2の光源からの光の前記記録媒体
への照射位置と前記トラックとの位置ずれを示すトラッ
クエラー信号および/又は、第2の光源からの光の焦点
位置と前記記録媒体との位置ずれを示すフォーカスエラ
ー信号が検出される。この検出信号に基づいて、記録用
光の記録媒体への照射位置及び/又は焦点位置が制御手
段によって制御される。このとき、記録用光に照射位置
及び/又は焦点位置ずれが発生した場合には、このずれ
をキャンセルする補正値がメモリ手段に格納される。こ
の補正値は、制御手段においてトラックエラー信号及び
/又はフォーカスエラー信号に加えられる。
【0027】また、請求項2に記載された発明の第1の
ステップにおいては、2つある光源の片方が駆動されて
情報記録媒体を破壊しないパワーの第1の光ビームが前
記情報記録媒体に照射され、その反射光に基づいて前記
第1の光ビームの位置制御が行われる。第2のステップ
では、第1のステップで駆動されなかったほうの光源が
駆動され情報記録媒体を破壊しないパワーの第2の光ビ
ームが前記情報記録媒体に照射され、その反射光に基づ
いて第2の光ビームの位置ずれ信号が検出される。第3
のステップでは、第2のステップで検出された位置ずれ
信号がメモリ手段に記憶される。第4のステップでは、
第1のステップで駆動された光源が駆動されて前記情報
媒体を破壊しないパワーの第1の光ビームが前記情報記
録媒体に照射されると共に、もう片方の光源が駆動され
て前記記録媒体に情報が記録できるパワーの第3の光ビ
ームが前記情報記録媒体に照射される際に、前記第1の
光ビームの反射光と前記第3のステップで求めたメモリ
手段の記憶値に基づいて前記第3の光ビームの位置制御
が行われる。
【0028】
【実施例】
1.第1実施例 以下に本発明による光学式情報記録/再生装置の第1実
施例を図4乃至図7を用いて説明する。 [光学ヘッド]本実施例の光学系の構成を光ビームの流
れに沿って説明する。
【0029】図4において、符号50は、記録用光源で
ある記録用半導体レーザダイオード(以下「記録用L
D」と称する)を示す。この記録用LD50で発生した
記録用光ビームはコリメートレンズ52でほぼ楕円形の
平行ビームとなる。この平行ビームは整形プリズム54
において楕円の長軸方向のみが縮少されてほぼ円形に整
形され、さらに円形の絞り56によって記録用光ビーム
のスポットサイズが所定の値になるようにその径が絞ら
れる。この後、回折格子58によって0次回折光と±1
次回折光との3本のビームに分割される。
【0030】これら3本の円形ビームは、記録用LD5
0の性質によりほぼS偏光成分より成っているので、偏
光ビームスプリッタ60の反射面で殆ど反射され、対物
レンズ62の中心位置から偏心した位置、即ち、対物レ
ンズ62の図中左側の半分に入射する。
【0031】これら光は対物レンズ62によって光カー
ド64上に集光され、図5に示すように3つの光スポッ
ト66,68,70となる。0次光によるスポット68
は中央に位置しており、±1次光による各々のスポット
66,70は、0次光によるスポット68の両側に位置
している。0次光によるスポット68は情報の記録及び
フォーカスエラー検出に用いられ、±1次光による各々
のスポット66,70はトラッキングエラー検出に用い
られる。なお、回折格子58は、±1次光の強度が0次
光に比べて十分に小さくなるように形成されている。
【0032】記録時には、ピット72を形成するのに十
分な強度で記録用LD50(図4に図示)が発光され
る。そして0次光である中央の光スポット68により、
光カード64は局所的にエネルギー密度が高められ、光
カード64の記録層に熱的不可逆変化を生じさせてピッ
ト72が形成される。±1次光によるスポット66,7
0は、0次光によるスポット68よりも十分に弱いの
で、ピットを形成しない。記録時には、光カード64は
トラックガイド74に沿った矢印aまたは矢印bの方向
に移動されており、記録すべき情報に従って変調された
パルスが与えられた状態で記録用LD50がパルス発光
するとき、光カード64上にピット72が次々に生成さ
れて、情報記録トラック76上に情報がピット列として
記録される。
【0033】記録光のフォーカスエラー検出及びトラッ
キングエラー検出は以下の様に行われる。即ち、図4に
示す光カード64で反射された3本の光は、対物レンズ
62の入射側とは逆の半分の領域を通って偏光ビームス
プリッタ60の反射面で反射されて結像レンズ77に入
射し、記録用光検出器(以下、単に「記録用PD」と称
する)78に結像される。
【0034】記録用PD78上には、図6に示すように
フォーカスエラー検出用の一対の受光素子(Fo素子)
80,82と、トラッキングエラー検出用の1対の受光
素子(Tr素子)84,88とが配設されている。Fo
素子80,82の境界線92はトラック76に垂直な方
向に延出しており、Tr素子84,88の境界線94は
トラック76と平行な方向に延出している。前述した0
次光によるスポットの像68aはFo素子80,82に
入射し、±1次光によるスポットの像66a,70aは
Tr素子84,88にそれぞれ入射する。
【0035】これら3つのスポット像66a,68a,
70aは、トラッキングエラー及びフォーカスエラーの
無い状態では、Fo素子80,82及びTr素子84,
88上の適正な位置にそれぞれ結像される。図6はこの
様な適正なスポット状態を示している。
【0036】本実施例の装置の光学系では、記録用光ビ
ームは対物レンズ62の中心軸から偏心した位置に入射
されるので、この結果、フォーカスずれが生じている場
合には、記録用光ビームスポットの像が、前記適正な位
置からトラックと平行な方向に移動する。
【0037】Fo素子80,82は、フォーカスずれに
よる記録用光ビームの位置ずれを各々の素子80,82
の出力差として検出し、記録用のフォーカスエラー信号
を生成する。このフォーカスエラー信号によって、記録
用光ビームが適正なフォーカス状態にあるか否かを知る
ことができる。
【0038】また、記録用光ビームにトラッキングずれ
が生じている場合には、記録用光ビームのスポットの像
は、前記適正な位置からトラックに対して垂直な方向に
移動する。
【0039】1対のTr素子84,88は、トラッキン
グずれによる記録用光ビームの位置ずれを各々の素子8
4,88の出力差として検出し、記録用のトラッキング
エラー信号を生成する。このトラッキングエラー信号に
よって、記録用光ビームが適正なトラッキング状態にあ
るか否かを知ることができる。
【0040】一方、再生用光ビームは、図4に示すよう
に、記録用LD50とは別に設けられた再生用光源であ
る再生用半導体レーザダイオード(以下、「再生用L
D」と称する)96から射出され、コリメートレンズ9
8でほぼ楕円形の平行ビームとなる。この平行ビームは
整形プリズム100で楕円の短軸方向のみが拡大されて
ほぼ円形に整形された後、さらに円形の絞り102によ
って再生用光ビームのスポットサイズが所定の値になる
ように平行ビーム径が絞られる。
【0041】この円形の平行ビームは、平凹シリンドリ
カルレンズ104により、ビームの光軸に垂直な面内の
一方向のみが屈折作用を受け、その方向に僅かに発散す
るビームとなり、さらに回折格子106で1本の0次回
折光と、2本の1次回折光との3本のビームに分けられ
る。この時、シリンドリカルレンズ104によるビーム
の発散方向と、回折格子106による回折方向とは、ほ
ぼ直交しているものとする。
【0042】これら3本のビームは、再生用LD96の
性質によりほぼP偏光成分から成っているので、偏光ビ
ームスプリッタ60を殆ど透過して対物レンズ62の中
心軸から偏心した位置、即ち、対物レンズ62の図中左
側の半分に入射する。これら3本のビームは対物レンズ
62の半分により光カード64上に集光され、シリンド
リカルレンズ104により発散性となって所定方向に拡
大された形状の3つのスポットとなる。
【0043】これら3つのスポットを、図5において、
符号108,符号110,符号112で夫々示す。これ
ら3つのスポットのうち、0次回折光によるスポット1
10が中央に位置しており、この両側に、±1次光によ
るスポット108,112が位置している。また、前述
した記録用光ビームによる3つのスポット66,68,
70は、再生用光ビームの0次回折光によるスポット1
10と、±1次回折光によるスポット108,112の
うち一方(図5においては+1次光によるスポット10
8)との間に位置している。
【0044】この様なスポットの相対的な位置関係は、
光学ヘッドの組立調整時に、対物レンズ62への入射前
の記録用光ビームの光軸と再生用光ビームの光軸との間
に相対的に角度差を与えることによって設定される。
【0045】前述したように、3つの再生用ビームスポ
ット108,110,112はシリンドリカルレンズ1
2(図4に図示)の屈折作用によって所定の方向に沿っ
て拡大されている。この方向は、図5に示すように、光
カード64のトラックガイドとほぼ直交している。かく
して、光カード64の複数のトラック76の情報を同時
に得ることができる。
【0046】3つのスポット108,110,112
は、トラックガイド74とピット72の有無とにより光
量変調をかけられた状態で光カード64によって正反射
される。この反射光は、図4に示す対物レンズ62を逆
方向に通過して、ほぼ平行光の状態で偏光ビームスプリ
ッタ60に導かれる。この反射光は、光カード64によ
る正反射のためほぼP偏光を保持しており、偏光ビーム
スプリッタ60を殆ど透過して、さらに反射ミラー11
4を経て集光レンズ116に導かれる。
【0047】この集光レンズ116で集光された光は、
再生用光検出器(以下、「再生用PD」と称する)11
8の受光面に光カード上のスポットの像を拡大投影す
る。この光学系は記録光と同様、軸はずし方式のフォー
カス検出を行うものである。
【0048】再生用PD118上には、フォーカスずれ
による再生用光ビームスポットの像の移動を検出するよ
うに、図7に示す4個の情報検出素子120,122,
124,126と、トラッキングエラー検出用の2対の
受光素子(Tr素子)128,130;132,134
と、フォーカスエラー検出用の1対の受光素子(Fo素
子)136,138とが配設されている。Tr素子12
8,130;132,134の境界線140はトラック
と平行に延出しており、Fo素子136,138の境界
線142はトラックに対して垂直に延出している。再生
光の3つのスポット像108,110,112は、トラ
ックずれ、フォーカスずれの無い状態では、これらの受
光素子上の適正な位置に結像される。
【0049】Tr素子128,130および132,1
34は、トラックずれによるトラックガイドの像の位置
変化を受光量の変化として検出しトラッキングエラー信
号を生成する。具体的には、 {(128 の出力)−(130 の出力)}+{(132 の出
力)−(134 の出力)} を演算する。Fo素子136,138はフォーカスずれ
による再生用ビームの位置ずれを素子136,138の
差として検出し、フォーカスエラー信号を生成する。ま
た、再生時には、情報検出素子120,122,124
により3つのトラックのピットの有無を光量の変化によ
り検出し、再生信号を出力する。以上説明した部材によ
って本実施例の装置の光学ヘッド143が構成されてい
る。 [制御系]
【0050】図4に示すように、再生用PD118と記
録用PD78との出力は、各々第1の演算回路250と
第2の演算回路252でフォーカス及びトラックエラー
信号とされ、フォーカス/トラッキング・エラー検出回
路(制御系)144内のセレクタ146に入力される。
フォーカス/トラッキング・エラー検出回路144は、
セレクタ146と、加算器148,149をそれぞれ有
する2個の差動アンプ150,151と、コントロール
ユニット152と、D/A変換器154,155と、A
/D変換器156,157と、第1及び第2の演算回路
250,252とで構成されている。
【0051】セレクタ146は、再生用光から得られる
フォーカス・トラッキングエラー信号FES1,TES
1と、記録用光から得られるフォーカス・トラッキング
エラー信号FES2,TES2とのうちどちらか一方の
組の出力を選択して差動アンプ150と差動アンプ15
1とに分けて出力する。差動アンプ150,151に
は、コントロールユニット152からD/A変換器15
4を介して所定の信号が入力される。
【0052】上記セレクタ146の出力と、加算器14
8,149に入力された所定の信号とを加算することに
よって、フォーカスエラー信号(以下「FES」と称す
る)及びトラッキングエラー信号(以下「TES」と称
する)を得ることができる。
【0053】このFES及びTESは、一方では、パワ
ーアンプ158によって増幅された後、対物レンズ62
を駆動するアクチュエータ160に入力される。他方で
は、A/D変換器156,157を介してコントロール
ユニット152に入力される。なお、セレクタ146の
切り換えは、コントロールユニット152によって行わ
れる。 [制御動作]次に、図4の制御系の動作を説明する。動
作は次の3つのモードに分かれる。
【0054】モード1.再生用光スポットから得られる
フォーカスおよびトラックエラー信号を用いた再生用光
スポットのフォーカシング制御およびトラッキング制御
のモード(一般的な再生用光スポットの制御)(この
時、記録用光ビームは消灯) モード2.オフセット量の測定モード モード3.モード2.で求めたオフセット量を加えて、
再生用光スポットから得られるフォーカスおよびトラッ
クエラー信号を用いた記録用光スポットのフォーカシン
グ制御およびトラッキング制御のモード [モード1.の説明]
【0055】光学式情報記録/再生装置に電源が投入さ
れるとまずモード1.に入る。コントローラユニット1
52は再生用LD96を制御して再生用光ビームに発光
させる。再生用光ビームは光カード64で反射されて再
生用PD118で電気信号に変換される。変換された信
号は第1の演算回路250で演算されてフォーカスおよ
びトラックエラー信号FES1,TES1となる。セレ
クタユニット146はコントローラユニット152の指
示で第1の演算回路250の出力であるFES1,TE
S1側を選択し、選択された出力はそれぞれ差動アンプ
150,151に接続される。このときコントローラユ
ニット152はD/A変換器154,155にオールゼ
ロを出力しているので、差動アンプ150,151はF
ES1,TES1のみを増幅して出力する。差動アンプ
150,151の出力はコントローラユニット152の
指示で閉じられたサーボON/OFFSWを通り、パワ
ーアンプ158を介して対物レンズ駆動部160に加え
られ、対物レンズ62を駆動する。つまり、再生用光ス
ポットから得られるフォーカスおよびトラックエラー信
号を用いた再生用光スポットのフォーカシング制御およ
びトラッキング制御が行われる。この状態では、再生用
光スポットは光カード64の記録媒体上のトラックに対
して正しく位置決めされている。また、第1の演算回路
250から得られるFES1,TES1の値はゼロとな
る。
【0056】パーソナルコンピュータなどのホストコン
ピュータから再生動作を行うコマンドをコントローラユ
ニット152が受けて実行される媒体からの情報の再生
動作時にもモード1.は行われる。 [モード2.の説明]
【0057】光学式情報記録/再生装置がホストコンピ
ュータから記録動作を行うコマンドを受信すると、装置
は光カード上の目的トラックまで光スポットの移動を行
い、目的位置まできたら実際の記録動作、すなわち、記
録信号により変調された記録用ビームの発光動作を行
う。モード2.はコントローラユニット152が記録コ
マンドを受けてから実際の記録動作が開始されるまでの
期間に行われる。従って、例えば、モード2.は 1.コマンド受信直後 2.目的トラックへの光学ヘッドのシーク制御中 3.光カード往復移動時のカード搬送速度が一定になる
までの間 4.光カードが駆動端で停止しているとき のいずれかのタイミングで行われる。
【0058】コントローラユニット152は1〜4の動
作の制御も行っているため、その実施タイミングも認識
可能となっている。そこで、コントローラユニット15
2は1〜4のタイミングを捕まえてモード2.を実行す
る。
【0059】モード2.では再生用LD96は再生用光
ビームを発光しており、対物レンズ62はモード1.と
同じく検出されたFES1,TES1に基づいてサーボ
制御されている。
【0060】この状態で、コントローラユニット152
は更に記録用LD50を駆動する。記録用LD50は媒
体を破壊するような強いパワーとならないように発光さ
れており、例えば再生用LD96からの再生用光ビーム
と同じパワーであれば良い。記録用LD50の光ビーム
は光カード64に照射され、その反射光は記録用PD7
8で検出される。記録用LD50の駆動と共にセレクタ
146は第2の演算回路252側を選択するように切替
えられる。記録用LD50からの光ビームに基づいて検
出されたフォーカスおよびトラックエラー信号FES
2,TES2は差動アンプ150,151、A/D変換
器156,157を介してデジタル信号とされてコント
ローラユニット152に入力される。
【0061】FES2,TES2の値はオフセットがな
ければFES1,TES1と同じくゼロであり、ゼロ以
外の値であればオフセット量を表す。コントローラユニ
ット152は入力されたFES2,TES2の値を一時
的に記憶しておく。なお、モード2.は記録コマンドが
発生してからではなく、電源ON時に行うようにしても
良い。 [モード3.の説明]
【0062】再生用光スポットが目標記録トラックに達
したことは、再生用PD118中の情報検出素子122
から得られる情報信号中のアドレス信号から検出でき
る。この検出がなされた時点で、図に示していない駆動
モータによりトラックを横切る方向に移動されていた光
学ヘッド143は停止される。次に、光カード64がト
ラック方向(FIG.6,7のa,b方向)に駆動され
る。通常は光カード64上のトラックは複数領域(セク
タ)に分割されて管理されているので、記録開始セクタ
に記録用LD50からの光ビームが達した時点から、記
録用LD50からの光ビームが記録信号により変調され
ると共に、信号が記録できるような大きな記録用パワー
で発光を開始する。
【0063】この時、コントロールユニット152は記
憶されていたFES2,TES2の値に応じた値をD/
A変換器154,155に出力する。そのため、差動ア
ンプ150,151の加算器148,149にはD/A
変換器154,155の出力が加算されることになる。
また、コントローラユニット152は同時にセレクタ1
46にFES1,TES1側を選択させるようにする。
かくして、記録用の光スポットは従来と同じく再生用の
光スポットから得られるフォーカスおよびトラックエラ
ー信号FES1,TES1に基づいてフォーカスおよび
トラッキング方向に制御されるが、オフセットをキャン
セルするための値をD/A変換器154,155を介し
てサーボ制御系に加算するようにしているので、記録用
スポットの位置が正しく補正される。このようにするこ
とにより、記録用の光スポットから得られるフォーカス
およびトラックエラー信号FES2,TES2に基づい
て記録用光スポットを制御するのと同等の制御を行うこ
とができる。 [記録動作]なお、本実施例では、上記のようにして記
録用光のフォーカス制御及びトラッキング制御を再生用
光を用いて行った後は、以下のように記録動作を行う。
【0064】図6及び図7に示すように、光カード64
が矢印aの方向に移動する際には、記録用光スポット6
8によって形成されたピット72は、再生用光ビームの
0次回折光によるスポット110の方向に移動する。そ
してそのスポット110の位置に達すると、再生用PD
118上の情報検出素子122にピット72の像による
光量変化を生じさせる。情報検出素子122はその光量
変化を検出し記録直後の再生信号を出力する。
【0065】また、光カードが矢印bの方向に移動する
際には、記録用光スポット68によって形成されたピッ
ト72は再生用光ビームの1次回折光によるスポット1
08の方向に移動するので、再生用PD118上の情報
検出素子126上にピット72の像による光量変化を生
じさせ、その光量変化から記録直後の再生信号が得られ
る。従って、光カードが矢印a,bどちらかの方向に移
動しても記録直後の再生信号が得られる。
【0066】すなわち、光学ヘッドに対して往復運動す
る光カードの移動方向によらず、再生用光ビームによっ
て記録の良否を直ちにチェックするいわゆるベリファイ
動作を行うことができ、一方向の移動に対してのみしか
ベリファイ動作のできなかった従来の2光源式情報記録
再生装置と比較し、実行記録速度をほぼ2倍にすること
ができる。
【0067】光カード64への記録動作が終了し、目的
トラック及び目的セクタへの記録動作が終了したとき、
すなわち、 1. 記録動作のための光カードと光学ヘッドとの相対
移動が終了して光カードが停止したとき、 2. 光カードが停止のために光カードの搬送速度が一
定速度から低下した時、 3. ホストコンピュータにコマンド実行結果を返した
後、 等のいずれかのタイミングにおいては、前記D/A変換
器の入力をゼロにセットして再生光のみによるFES及
びTESによって、再生用光スポットの位置制御を行う
ように戻す(モード1)。ただし、ホストコンピュータ
から複数トラックにわたって連続的に記録動作を行うよ
うに指示された場合には、モード1の動作に戻さず、モ
ード4の状態を維持したままで制御を行う。 [第1の変形例]
【0068】以下に第1実施例の変形例を説明する。第
1実施例では、再生光用のPDと記録光用のPDを分離
して構成したが、図8に示すように、これらを一体的に
したPD162に置き換えても良い。この場合には、2
枚のミラー166,168を光路に配置して、集光レン
ズ116によって集光された光束をPD162に導けば
良い。 [第2の変形例]
【0069】次に第2の変形例を説明する。この変形例
においては、図9に示すように、A/D変換器156の
入力が差動アンプ150の出力ではなく記録用PD78
の出力に接続されており、差動アンプ150の出力はそ
のまま対物レンズアクチュエータ160及び図示しない
光学ヘッドアクチュエータに接続されている。A/D変
換器156は、記録光によるFES及びTESをディジ
タル・データに変換し、コントロールユニット152に
出力する。なお、光学ヘッド143(図4に図示)の構
成は第1実施例と同じであるので、図示及び説明を省略
する。この変形例の装置の動作を以下に説明する。
【0070】まず、データ再生時には再生用PD118
の出力のみによってフォーカス制御及びトラッキング制
御を行うので、コントロールユニット152はD/A変
換器154にゼロを出力する。
【0071】次にデータ記録時には、第1実施例と同
様、記録動作直前に記録用LDを記録媒体にピットが形
成されない程度の強度で発光させる。そして記録用PD
78の出力をA/D変換し、この値をコントロールユニ
ット152内部に一時的に保持する。この時、再生光に
よってフォーカス制御及びトラッキング制御されている
ので、再生光によるFES及びTESはほぼゼロであ
る。従って、記録用PD78の出力が、再生用光ビーム
に対する記録用光ビームのずれ量を示していることにな
る。
【0072】従って、コントロールユニット152は記
録用PD78の出力がゼロになるようにD/A変換器1
54にデータを出力して記録用光ビームのフォーカス状
態及びトラッキング状態が最適になるように制御する。
これ以降の動作は第1実施例と同様である。
【0073】なお、本実施例及び2つの変形例では、フ
ォーカス検出の方式は軸はずし法としたが、非点収差法
や臨界角法等の他の方法でもよい。また、再生用の光ビ
ームは、光源にLDを用いて、シリンドリカルレンズに
よってトラックを横切る方向に広げて複数トラックを同
時に照明するようにしているが、従来例のように光源を
LEDを用いて円形状のビーム形状としてもよいし、1
本のトラックを照明して再生するようにしてもよい。 2. 第2実施例
【0074】次に第2実施例を図10乃至図12Bを用
いて説明する。本実施例は、フォーカス制御には一般的
な方法を用いており、トラッキング制御のみに本発明の
概念を適用したものである。 [光学ヘッド]
【0075】本実施例の光学ヘッドの構成は、図3及び
図4に示す従来の装置のものとほぼ同様である。従って
光学ヘッドのうち従来のものと異なる構成のみを説明す
るが、参照符号は第1実施例で用いたものを付けてい
る。
【0076】図10に示すように、記録用LD50の射
出光の光路上には、この射出光を回折する回折格子58
がコリメートレンズ52とPBS60との間に配置され
ている。この回折格子58は、記録時のトラッキングエ
ラー検出を3ビーム法で行うために使用されるものであ
る。この回折格子によって回折された結果生じる0次光
と±1次光とが、3ビーム法に利用される。
【0077】光カード64からの反射光路上には、2個
のミラー170,172と、これらミラー170,17
2の間に配置された結像レンズ174とが設けられてい
る。さらにミラー172の先の光路上には、ビームスプ
リッタ176が配置されており、このビームスプリッタ
176により光カード64からの反射光は分割され、一
方はトラッキング用PD(Tr−PD)178に入射
し、他方はフォーカス用PD(Fo−PD)180に入
射する。
【0078】Tr−PD178には、図11に示すよう
に、再生用の4個の受光素子182,184;186,
188が形成されている。このうちの2個の受光素子1
82,184は夫々三角形状に配置され、頂角が互いに
向き合うように配置された再生時のトラッキングエラー
信号を検出するための受光素子(以後、「再生エラー用
素子」と称する)である。これら再生エラー用素子18
2,184の上下には、夫々長方形状に形成された再生
信号用の2個の情報検出素子186,188が配置され
ている。
【0079】又、Tr−PD178には、記録用の3個
の受光素子190,192,194が形成されている。
これら3個の受光素子190,192,194は斜めに
アライメントした状態で配置されている。中央の受光素
子190は、記録信号用受光素子である。以下、「記録
用素子」と称する。上下の2個の受光素子192,19
4は、記録時のトラッキングエラー信号を検出するため
の受光素子(以後、「記録エラー用素子」と称する)で
ある。 [制御系]
【0080】このTr−PD178には、再生エラー用
素子182,184の差動出力をとる第1の演算増幅器
254と、記録エラー用素子192,194の差動出力
をとる第2の演算増幅器256とが接続され、図10に
示すように、各演算増幅器254,256の出力には、
セレクタ146が電気的に接続されている。セレクタ1
46は、第1又は第2の演算増幅器254,256の出
力のうちどちらかを選択して出力する。
【0081】このセレクタ146の出力は、加算器14
8と、電圧のサンプル・アンド・ホールド回路(以下、
「S/H回路」と称する)196の入力に夫々接続され
ている。S/H回路196の出力はスイッチ198に接
続されており、このスイッチ198の出力は加算器14
8に接続されている。このS/H回路196は、本実施
例では入力信号をアナログ的に保持しているが、入力さ
れてくる信号をA/D変換器などを設けてA/D変換
し、変換された信号をデジタル的に保持するものにして
もよい。
【0082】S/H回路196及びスイッチ198はコ
ントローラ200によって制御されている。S/H回路
196はそのホールドのタイミングとホールドした値を
出力するタイミングとがコントローラ200によって制
御され、スイッチ198はそのオン・オフのタイミング
が制御される。これらS/H回路196と、スイッチ1
98と、コントローラ200とは、コントロールユニッ
ト152を構成している。なお、図示していないが、セ
レクタ146も、コントローラ200によってその切り
替えのタイミングが制御されている。
【0083】加算器148は、対物レンズ62を駆動す
る対物レンズアクチュエータ160に接続されている。
また、この加算器148は、ロー・パス・フィルタ20
2を介して、光学ヘッド143全体を駆動する光学ヘッ
ドアクチュエータ204とに電気的に接続されている。 [制御動作]次に、本実施例の装置において、記録用の
光スポットと再生用の光スポットとのずれを検出する過
程を説明する。
【0084】まず、装置に記録の指示がなされたとする
と、セレクタ146が第2の演算増幅器256からの信
号を選択するように、コントローラ200によって切り
替えられる。この切り替えは、記録の指示コマンドが与
えられてから、記録ビームが光カードにピットを形成し
得るパワーで発光するまでの間に行われる。例えば、第
1実施例と同様に、 1. コマンド受信直後 2. 目的トラックへの光学ヘッドのシーク制御中 3. 光カード往復駆動時の搬送速度が一定になるまで
の間 4. 光カードが駆動端で停止しているとき 等のいずれかのタイミングでこの切り替えが行われる。
【0085】そして、記録用光スポットのトラッキング
ずれの補正を行うために、記録用LD50に再生用の弱
いパワーの光を射出させる。射出された光は、コリメー
トレンズ52を通過し、回折格子58によって回折され
る。この結果生じた0次光は記録信号に用いられ、±1
次光は記録信号光を所定位置に制御するのに用いられ
る。これらの光は、PBS60を通り、対物レンズ62
によって光カード64の所定のトラック上に夫々の記録
用光スポットを形成する。図11において、0次光によ
って形成され中央に位置する光スポット、即ち記録用光
スポットを符号206で示し、±1次光によって形成さ
れ上下に位置する光スポット、即ちエラー用光スポット
を符号208,210で夫々示す。中央の記録用光スポ
ット206は種々の光学系を介して記録用素子190に
入射し、両側の2本のエラー用光スポット208,21
0は2個の記録エラー用素子192,194に入射す
る。これら記録エラー用素子192,194によって、
記録用光スポット206のトラッキングずれが検出され
る。この検出には、前述したように、従来用いられてき
た3ビーム法を用いる。この検出方法は公知であるので
説明を省略する。ここで記録用光スポット206がトラ
ック76上の適性な位置からずれていた場合には、以下
の動作を行う。
【0086】即ち、第2の演算増幅器256からの信号
がセレクタ146に伝達される。この時、セレクタ14
6は、対物レンズアクチュエータ160と、光学ヘッド
アクチュエータ204とに電圧を供給し、対物レンズ6
2及び光学ヘッド143全体を移動させる。
【0087】記録用光スポットのトラッキングずれが生
じていない場合には、対物レンズ62及び光学ヘッド1
43は移動せず、光スポットの位置が維持される。かく
して、記録用光スポットのトラッキングずれが一時的に
補正される。このような、記録用光スポットのトラッキ
ングずれが補正された状態、即ち、記録用光スポットの
適性な位置を保持した状態は、再生用光スポットのトラ
ッキング制御を行うときに光学ヘッドヘッドアクチュエ
ータ204を駆動するまで維持される。
【0088】次に、再生用LDから再生用のパワーで光
を射出させ、セレクタ146の出力を再生エラー用素子
182,184側に切り替える。射出された光は、図1
0に示すように、コリメートレンズ98及びPBS60
を経た後、対物レンズ62によって光カード64上に照
射される。この照射された再生用の光スポットを図11
において符号212で示す。
【0089】この再生用光スポット212の像は、Tr
−PD178の再生エラー用素子182,184及び再
生用素子186,188上に投影される。この時、ガイ
ドトラック74の像74aは再生エラー用素子182,
184上に投影される。再生用の光スポットにトラッキ
ングずれがなければ、ガイドトラック74の像74aは
図12Aに示すように投影され、2個の再生エラー用素
子182,184の各々の出力は等しくなる。
【0090】しかし、再生用の光スポットにトラッキン
グずれがあった場合、ガイドトラック74の像74aは
図12Bに示すように投影され、2個の再生エラー用素
子182,184の各々の出力が異なる。
【0091】記録用光スポットはトラッキング制御され
ているので、再生エラー用素子182,184の出力の
差をCとすると、この差Cが、再生用光スポットと記録
用光スポットとのずれ量となる。この差Cを、再生エラ
ー用素子182,184の出力が等しい場合にも異なる
場合にも、S/H回路196が電圧によって保持する
(等しい場合には電圧値としてゼロを保持することにな
る)。
【0092】次に、この差Cを補正するような高さの電
圧を対物レンズアクチュエータ160及び光学ヘッドア
クチュエータ204に供給し、対物レンズ62及び光学
ヘッド143全体を移動させて、再生用光スポットのト
ラッキング制御を行う。この結果、再生用光スポットは
トラック上の適正な位置に移動され、トラッキングずれ
量が補正される。なお、差Cがゼロの場合には、アクチ
ュエータ160,204に電圧は加えられない。正確に
いうと、ゼロの電圧がアクチュエータ160,204に
加えられる。従ってトラッキングずれのない状態が維持
される。
【0093】再生用光スポットのトラッキングずれが補
正されたときには、記録用光スポットはトラックの中心
からはずれている。この記録用光スポットをトラックの
中心に位置させる場合には、コントローラ200がS/
H回路196にクロック信号(作動信号)を与えると共
にスイッチ198をオンにする。すると、S/H回路1
96にホールドされた値がオフセット値として図10に
示す加算器148に入力される。
【0094】このように、再生用光スポットのトラッキ
ング制御を行いながら、再生用光スポットと記録用光ス
ポットとのずれの分だけ記録用光スポットをずらすこと
により、記録用光スポットのトラッキングずれは補正可
能となる。ただしこの間、再生用光スポットは所定の位
置(データの読み取り位置)からはずれているので、記
録が終了した時にスイッチ198をオフにしてオフセッ
ト値を加える処理を終了させ、再び通常の再生用光スポ
ットのトラッキング制御に戻す。
【0095】なお、装置全体のスイッチがオンになり、
記録も再生も行わない場合、即ち装置が動作の待機中の
場合には、再生光のトラッキング制御を行っているもの
とする。
【0096】上記実施例とは反対に、記録用光スポット
のトラッキング制御を行いながら、両スポット間のずれ
量を基に再生用光スポットのトラッキングずれを補正し
ても良いが、記録用光スポットに比べ広域を照明する再
生用光スポットは、照射面積が広く、制御できる範囲が
大きいので、スポットが所望のトラックの中心から逸脱
しにくい。
【0097】また、本実施例では、ずれ量の補正を電気
的に行ったが、図10に示す記録用LD50にピエゾ素
子等の駆動素子をとりつけ、上述のずれ量に比例した差
信号Cを基に駆動し、カード上の記録用光スポットの位
置を動かすこともできる。このようにしてこの発明の目
的を達することもできる。
【0098】第1実施例及びその2つの変形例において
は、差電圧をA/D変換してコントロールユニット15
2に入力していた。しかし、A/D変換を行わず、図4
におけるコントロールユニット152を図10における
コントロールユニット152に置き換えても良い。この
場合、再生動作から見ると、再生光のフォーカス位置は
上記補正によって若干ずれるが、再生の場合のフォーカ
ス位置には余裕度が大きいため、問題なく再生動作を行
うことができる。なお、第2実施例とは逆に、フォーカ
ス制御に対してのみ本発明の考えを適用し、トラッキン
グ制御については従来の方法をとることも可能である。
【0099】また、前記実施例では、オフセット量の検
出手段を光学式記録再生装置内に設けているが、装置が
いに設けても良い。例えば、装置外にある検出手段を装
置に接続してオフセット量を検出して装置内のメモリに
格納し、その後、検出手段を外して出荷するようにして
も良い。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
周囲の温度変化や経年変化等によって生じる記録光と再
生光のフォーカス位置のずれ及びトラッキングの位置ず
れを簡単な回路の追加によって調整して記録を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の情報記録再生装置に用いられる光カード
の上面図。
【図2】従来の情報記録再生装置における光学ヘッドを
示す構成図。
【図3】従来の装置における光カードとトラッキング用
PDを示す概略的な斜視図。
【図4】本発明に従った第1実施例の光学的情報記録再
生装置に組み込まれた光学ヘッドの光学系と制御系とを
示す構成図。
【図5】光カード上の記録用光ビームスポットと再生用
光ビームの回折光による3つのスポットとを示す上面
図。
【図6】記録用PDに投影された記録用光ビームの0次
回折光及び±1次回折光のスポットを示す上面図。
【図7】再生用PDに投影された再生用光ビームの0次
回折光及び±1次回折光のスポットを示す上面図。
【図8】第1実施例の装置の変形例を示す部分的な構成
図。
【図9】第1実施例の装置の別の変形例を示す部分的な
構成図。
【図10】本発明に従った第2実施例の装置に組み込ま
れた光学ヘッドの光学系と制御系とを示す構成図。
【図11】図10に示す装置において光カードとTr−
PDとを示す概略的な斜視図。
【図12】(A)は、再生用光スポットにトラッキング
ずれがない場合においてガイドトラックの像が再生エラ
ー用素子上に投影されている状態を示す上面図、(B)
は、再生用光スポットにトラッキングずれがある場合に
おいてガイドトラックの像が再生エラー用素子上に投影
されている状態を示す上面図。
【符号の説明】
50…記録用LD、62…対物レンズ、64…光カー
ド、76…トラック、78…記録用PD、96…再生用
LD、118…再生用PD、143…光学ヘッド、14
6…セレクタ、150,151…差動アンプ、152…
コントロールユニット、154,155…D/A変換
器、156,157…A/D変換器、250,252…
第1及び第2の演算回路。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本のトラックを有する記録媒体に光
    を照射し、前記記録媒体に対し少なくとも情報の記録を
    行う光学式情報記録装置において、 記録用光を射出する第1の光源と、 前記記録用光よりも弱いパワーの光を射出する第2の光
    源と、 前記第2の光源からの光の前記記録媒体への照射位置と
    前記トラックとの位置ずれを示すトラックエラー信号を
    検出するトラックエラー信号検出手段および/又は、前
    記第2の光源からの光の焦点位置と前記記録媒体との位
    置ずれを示すフォーカスエラー信号を検出するフォーカ
    スエラー信号検出手段を有するエラー信号検出手段と、 前記エラー信号検出手段で検出されたトラックエラー信
    号及び/又はフォーカスエラー信号に基づいて前記記録
    用光の前記記録媒体への照射位置及び/又は焦点位置を
    制御する制御手段と、 前記エラー信号検出手段で検出されたトラックエラー信
    号及び/又はフォーカスエラー信号のみに基づいて前記
    記録用光の前記記録媒体への照射位置及び/又は焦点位
    置を制御した場合に発生する照射位置及び/又は焦点位
    置ずれをキャンセルする補正値を格納したメモリ手段と
    を具備し、前記補正値は前記制御手段においてトラック
    エラー信号及び/又はフォーカスエラー信号に加えられ
    ることを特徴とする光学式情報記録装置。
  2. 【請求項2】 2つある光源の片方を駆動して情報記録
    媒体を破壊しないパワーの第1の光ビームを前記情報記
    録媒体に照射し、その反射光に基づいて前記第1の光ビ
    ームの位置制御を行う第1のステップと、 前記第1のステップで駆動されなかったほうの光源を駆
    動して情報記録媒体を破壊しないパワーの第2の光ビー
    ムを前記情報記録媒体に照射し、その反射光に基づいて
    第2の光ビームの位置ずれ信号を検出する第2のステッ
    プと、 前記第2のステップで検出された位置ずれ信号をメモリ
    手段に記憶する第3のステップと、 前記第1のステップで駆動された光源を駆動して前記情
    報媒体を破壊しないパワーの第1の光ビームを前記情報
    記録媒体に照射すると共に、もう片方の光源を駆動して
    前記記録媒体に情報が記録できるパワーの第3の光ビー
    ムを前記情報記録媒体に照射する際に、前記第1の光ビ
    ームの反射光と前記第3のステップで求めたメモリ手段
    の記憶値に基づいて前記第3の光ビームの位置制御を行
    う第4のステップと、 を含むことを特徴とする光学式情報記録再生方法。
JP924393A 1992-01-24 1993-01-22 光学的情報記録装置及び光学的情報記録再生方法 Withdrawn JPH0628684A (ja)

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