JPH06286831A - 板状材料の流体による支持方法及びその装置 - Google Patents

板状材料の流体による支持方法及びその装置

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JPH06286831A
JPH06286831A JP24891192A JP24891192A JPH06286831A JP H06286831 A JPH06286831 A JP H06286831A JP 24891192 A JP24891192 A JP 24891192A JP 24891192 A JP24891192 A JP 24891192A JP H06286831 A JPH06286831 A JP H06286831A
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  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 噴流を板材に衝突させて空中支持する際に、
板材の剛性があまりなくかつ板材の支持高さが低くしか
も衝突後の流体が排除される方向と直角の方向の複数噴
流間の間隔が狭い場合にも、極めて安定な板材支持を可
能とする。 【構成】 複数個の流体噴出口1,…,1から噴出する
流体を支持しようとする板材5の表面に衝突させてこの
流体の動圧で板材5を空中に支持するに際して、流体噴
出口1,…,1が設けられる固体面2と板材5との間の
空間7における噴出流体の圧力分布を固体面2に形成さ
れた外の空間8とは連通しない導通溝6によって相互に
連通させるようにし、導通溝6の長さ及び幅の範囲内で
異なる圧力が発生しても、それが導通効果により均一化
されて圧力差を小さくし、均一な圧力分布並びに中央部
と周辺部における噴出流体の噴出流量の差を少なして板
材5を安定支持できるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は板状材料(本明細書では
単に板材と略称する)を空中に支持する方法及びその装
置に関する。更に詳述すると、本発明は、噴出する流体
の動圧で例えば板ガラスや鉄板などの板材を浮遊させて
空中に支持する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】固体面に接触させると傷付く虞のある材
料例えば加熱中の板ガラスや鉄板などの板材の移動時や
熱処理中の支持には流体の噴射圧力を利用した支持方法
が一般に採用されている。
【0003】この板材の空中支持技術としては、従来、
例えば図11に示すように、固体面101に多数の小孔
(流体噴出口)102,…,102を設け、固体面10
1を構成するブロック103の内部に一定の圧力で供給
された流体を小孔102,…,102から噴出させて板
材に衝突させ、その衝突圧により板材を支持する方式が
ある。
【0004】また、図12に示すように、ブロック20
3の固体面201の流体を噴出する多数の小孔(流体噴
出口)202,…,202の列の間に排気孔204をあ
けると共にこの排気孔204と連通する排気系(管)2
05を設け、板材に衝突した直後の噴出流体の一部を排
気孔204から強制的に排気するようにしている。即
ち、流体噴出口202,…,202の近傍の板材206
と固体面201との間の空間207を外の空間(大気)
208と連通させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これら従来の方法は、
板材が充分剛性を有しかつ板材の支持高さが充分高くし
かも衝突後の流体が排除される方向と直角の方向の複数
噴流間の間隔が充分広い場合、即ち板材に衝突した後の
流体の流れる方向(板材の表面と平行な方向)における
噴射口の間隔が十分広い場合には全く問題なかった。
【0006】ところが、板材を安定に支持するためには
板材の広い範囲にわたって鉛直方向に上向きの一様な力
を形成することが必要である。また、板材を浮揚させる
圧力を分散させるために噴出する噴流の数をできるだけ
多くすることが従来から行われている。このため、板材
と噴流の噴き出し位置にあたる固体面との距離(隙間)
Sが小さくなると、固体面の中央部分の流体噴出口から
の流体噴出量が周辺の流体噴出口からの流体噴出量に比
べ減少してしまう。
【0007】本発明者等による研究の結果、板材と固体
面のつくる隙間S(板材の支持高さ)が噴出口径と同程
度以下になると、流体が板材との間に形成する支持圧力
及び複数の噴出口からの噴出流量が急激に不均一にな
り、支持状態が不安定になることが判明した。このとき
の板材と固体面との間の隙間は実質的に密閉された空間
として機能するため、中央部分の流体噴出口付近の流体
圧力を急激に上昇させる。この圧力上昇は、中央部分の
流体噴出口からの流体の噴出量(流量)を低下させると
同時に板材浮揚高さを一旦増加させる。しかし、板材が
高く浮揚されると、隙間が広がり噴出流体が周辺に流出
するため再び圧力が低下し板材が降下する。そして、板
材が元の高さに戻ると再び圧力が上昇し上述の板材の浮
揚を繰返すという振動的不安定性が生じることが知見さ
れた。このことは、板材と固体面との間の隙間があまり
狭くなくとも、板材の剛性があまり強くない場合には、
噴射口と板材との間隔に変動が生ずるため起こる。ま
た、板材の空中支持と同時に熱移動(例えば加熱や冷却
など)も進行させる場合には、複数の噴流孔から噴出す
る流体の噴出量が均等でなくなることは、加熱が不均一
となり好ましくない。
【0008】また、図12に示すように、流体噴出口2
02の近くに排気孔204を設けて噴出流体の一部を直
ちに板材206と固体面201との間の外の空間208
に排出させようとする場合にも、固体面201の端部に
近づくに従って漸次その口径を縮小させるようにして排
気量を中央と周辺とで異ならせるようにしていたが、そ
れが十分でない場合には中央部の支持圧が高くなる。こ
のため、板ガラスのような軟かい材料の支持に適用する
と、中央部だけが部分的にドーム状に盛り上がる(ドー
ミング)現象がしばしば生じている。そこで、これを防
止しようとして中央部の排気孔204を周辺部の排気孔
204よりも過大にした場合には、流体が噴き出す部分
とその周りの部分とにおける圧力差がかなり大きくなる
ので、局部的にえくぼ状の変形(ディンプル現象)が発
生するなどの問題が伴う。斯様に、排気孔204の適切
な関係は板材206と固体面201との間の隙間の大き
さの変化によって変動するため、一定に定めることがで
きないことから改善が望まれていた。
【0009】本発明は、板材の剛性があまりなくかつ板
材の支持高さが低くしかも衝突後の流体が排除される方
向と直角の方向の複数噴流間の間隔が狭い場合にも、極
めて安定な板材支持を可能とする方法及び装置を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明の板状材料の流体による支持方法は、複数個
の流体噴出口から噴出する流体を板状材料の表面に衝突
させて該流体の動圧で前記板材を空中に支持する方法に
おいて、前記流体噴出口が設けられる固体面と前記板状
材料との間の空間における噴出流体の圧力分布を前記固
体面に形成された前記空間の外の空間とは連通しない溝
によって相互に連通させることによって、噴出流体が前
記板状材料との間に形成する支持圧および複数の噴出口
からの噴出流量を均一化するようにしている。
【0011】また、本発明は、固体面の複数の流体噴出
口から噴出される多数の噴出流体を衝突させることによ
って板状材料を支持する装置において、前記固体面に前
記板状材料の鉛直方向の投影面の内側に配置され該固体
面と前記板状材料との間の空間の外の空間とは連通しな
い導通溝を設けるようにしている。
【0012】また、本発明において、導通溝は前記噴出
流体が主に排出される方向に長手方向を配置するように
している。
【0013】また、本発明において、導通溝は支持しよ
うとする板状材料の幅よりも短くかつ板状材料の幅に近
いことを特徴とする。
【0014】また、本発明において、導通溝は長手方向
に複数本に分断されるようにしている。
【0015】また、本発明において、流体噴出口は複数
列に整列して配置され、かつ導通溝が前記流体噴出口の
列の間に形成されるようにしている。
【0016】
【作用】したがって、固体面に設けられた導通溝はその
長さ及び幅の範囲内で異なる圧力が存在しているとき導
通効果により圧力を均一化する。このため、板材と固体
面とで挾まれる空間内に生じる圧力偏差が導通によって
均一化され、適度な圧力流量分布状態、即ち適正支持状
態を実現できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基
づいて詳細に説明する。
【0018】図1に本発明の板材空中支持装置の一実施
例を示す。この板材空中支持装置は、複数の流体噴出口
1,…,1を設けた固体面2を形成するブロック3と、
これに一定圧力で圧力流体例えば空気を供給する噴出流
体供給系(図示省略)とから構成されている。
【0019】ブロック3には、支持しようとする板材5
と向い合う面(固体面2)に流体噴出口1,…,1が多
数穿孔され噴出流体供給系が接続される。本実施例の場
合、ブロック3の内部に1つの空間4を形成し、該空間
4と各流体噴出口1,…,1とを連通させている。そし
て、ブロック3の空間4には、一定圧力の噴出流体例え
ば空気を大量に安定供給し、各噴出口1,…,1から等
しく噴出させるように設けられている。したがって、噴
出口の口径は全ての噴出口から噴出される流体が同一圧
力でかつ同一流量となるように全て同一径で構成されて
いる。また、流体噴出口1,…,1は、板材5を安定に
支持するために、板材5の広い範囲にわたって鉛直方向
に上向きの一様な力を形成することが必要であることか
ら、固体面2の全域にわたって均等に配置されている。
また、流体で板材5を浮揚させるために流体が板材5に
衝突することにより発生する圧力(動圧)を利用する
が、その圧力を分散させるため噴出する噴流の数をでき
るだけ多くすることが好ましい。このため、流体噴出口
1,…,1はできるだけ多数設けられている。また、噴
出口1,…,1から噴射される流体の板材5に対する衝
突角は特に限定されるものではなく、板材例えばガラス
板に対し垂直に衝突しても良いし、斜めに衝突しても良
い。また、垂直と斜めの衝突の組合せでも良い。
【0020】また、固体面2には流体噴出口1,…,1
の他に導通溝6が設けられている。この導通溝6は固体
面2と板材5との間に形成される空間7における噴出流
体の圧力分布を相互に導通させるためのもので、固体面
2上に載置される支持しようとする板材5の垂直方向の
投影面の内側に設けられている。即ち、この導通溝6は
固体面2と板材5との間の空間7と、該空間7の外の空
間(外気)8とを連通させることがない。この導通溝6
はその長さの範囲内で異なる圧力が存在しているときに
は導通効果により圧力を均一化できる。したがって、導
通溝6は、板材5の幅内で可能な限り長くすること、即
ち板材5の幅に限りなく近い長さを採ることが好まし
い。更に、この溝は好ましくは流体が主に排除される方
向に長手方向が配置される。しかし、この導通溝6の深
さ及び幅については特に限定を受けるものではなく、実
用上板材5の水平面内における移動・振動等および支持
材料板幅の変化を考慮すると、安全上は支持しようとす
る板材5の幅よりもかなり短いものとすることが好まし
い。本実施例の場合、流体噴出口1,…,1の列と列と
の間に導通溝6を設けている。そして、この導通溝6は
列に沿って形成されている。
【0021】図2に他の実施例を示す。この実施例は比
較的短い長さの導通溝6を用いたもので、図1に示す導
通溝に比べてはるかに短い溝を噴出流体が主に排出され
る方向に複数本設けるようにしている。本実施例の場
合、噴出口1,…,1の列と列との間に比較的短めの溝
6,…,6を千鳥状に複数本ずつ配置して成る。この導
通溝6の場合、互いに独立した短い長さの溝の群から成
るので、周辺部分の一部の導通溝6が固体面2と板材5
との間の外の空間8に導通したとしても、他の導通溝6
の働きには変りないので、支持しようとする板材5の静
止時の鉛直方向投影面の限界の近くまで導通溝6を設置
できる。
【0022】また、短い導通溝6と長い導通溝6とを組
合せて1つの固体面2に形成することも可能である。例
えば図3に示すように、支持しようとする板材5の最小
幅よりも僅かに短いが比較的長い導通溝6とそれよりも
はるかに短い導通溝6とを、支持しようとする板材5の
最大幅の範囲内で長い導通溝6の両端に短い導通溝6を
それぞれ1本以上配置するように組合せても良い。
【0023】以上のように構成された板材空中支持装置
によると、板材5が流体噴出口1を設けた固体面2から
わずかに浮上している状態では噴出流体の量のアンバラ
ンス及び支持の不安定性・振動の点について次のように
改善が認められた。尚、本実験では、支持しようとする
板材並びに噴出口の数や配置、寸法などを同一条件と
し、かつ固体面と板材との間の隙間Sを0.5mm、噴
出流体圧を30.0mmAqとして行なわれた。
【0024】まず、図4に示すように、従来の板材空中
支持装置では、支持しようとする板材(固体面と等価)
の中央部と周辺部分とでは噴出口から噴出される流体の
量に相当なばらつきが生ずる。例えば、排気孔を有さな
い従来の支持装置の場合、周辺部の流量が0.27m3
/hなのに対し中央部が0.08m3 /hであり、かな
りの流量差が生じてしまう。しかも、この場合における
圧力分布は、図5に示すように、中央部分が高く周辺に
向かうにしたがって低下するような全体に凸形の分布を
なしている。これに対し排気孔を設けた従来の支持装置
の場合、周辺部での噴出量はほとんど変らないが、中央
部では0.1m3 /hとなり、噴出流量の差が幾分改善
される。また、圧力分布も中央部並びに周辺部での圧力
ピーク値がほぼ変わらないが、圧力差の幅が周辺に向か
うにしたがって増大し許容範囲を越えてしまう問題があ
った。依って、噴出流体の流量バランス及び圧力分布の
点において未だ不十分なものである。
【0025】また、排気孔を設けた従来の支持装置に対
し外気(固定面と板材との外の空間8)と導通する溝を
固体面に設けた場合を比較すると、図6に示すように、
流量のバランスの点においてかなりの改善性が認められ
た。即ち、外気導通溝を設けた場合、中央部分において
0.18m3 /hまで流量が増加し、中央部と周辺部で
の流量差がかなり少なくなっている。しかし、圧力分布
を観察すると、図7に示すように、外気導通溝を設けた
場合には、排気孔を設けた従来の支持装置の場合よりも
圧力差が増大し、はるかに許容値を越えてしまう問題が
ある。即ち、外気導通溝を設けると、流体の噴出流量の
アンバランスを改善することはできるが、圧力分布の点
において却って悪化してしまう問題がある。このことか
ら、固体面に単に溝を設けるだけでは流体の噴出流量の
アンバランスと圧力分布の不均一を改善することはでき
ないことが理解できる。
【0026】これに対し、固体面2と支持しよとする板
材5との間の空間7にのみ連通し外の空間8とは連通し
ない内部導通溝6を設けた本発明の場合、図8に示すよ
うに噴出流量のバランスに関しては外気導通溝を設けた
場合よりもわずかに改善の点においては劣るものの、そ
の圧力バランスの点については外気導通溝を設けた場合
に比べてはるかに改善されている。即ち、中央部と周辺
部での噴出口部分における圧力がほぼ同一の値を示して
全体に平坦となる一方、各噴出口の周辺における圧力が
僅かにしか低下せず圧力差が小さく抑えられている。波
状の圧力分布を評価する場合、平均圧力に対して±5%
以上、±15%以下の範囲内であることが目安であり、
また流量分布も同様に平均流量に対して±20%以下で
あることが一つの目安である。これを満たしていれば板
材の流体による支持状態は適正条件にあると判断して良
い。更に、ディンプル現象に影響する圧力分布において
も、平均圧力に対して±5%以上、±15%以下の範囲
であれば評価ができる。このいずれの点においても、本
発明の支持装置は上述の範囲内に収まることから、適正
支持圧並びに流量を確保しているものと評価できる。特
に、板材に与えられる流体の噴出圧の差が小さくなるの
で板材としてガラス板等を用いた場合には局部的な凹部
や窪みが発生することがない。
【0027】以上のように構成された本発明は、例えば
ガラスのような板状材料に効率的に熱を移動する際に流
体を供給しかつその変形を防止しながらそれが軟化変形
する温度以上で板状材料を支えるための装置に好適に応
用可能である。特にガラス板材を変形することなく変形
温度において支えるという目的において、板材は非常に
広い範囲にわたって一様な力で支えられることが必要で
ある。更に支えられるガラス板材下部の複数個の噴孔か
ら供給される流体例えば空気噴流は柔らかいガラスに凹
凸を発生させるので極力平坦な分布を持つ圧力を形成し
なければならない。しかも、この場合は熱移動も同時に
進行しているので複数噴流孔から噴出する噴出量は均等
であらねばならないので、本発明は品質改善等に有効な
手段を提供するであろう。
【0028】図10に、本発明の板材の空中支持装置
を、板ガラスを加熱し所望の形状に変形させた後急速に
冷却するための空中支持装置として実施した例を示す。
この装置は、断熱構造の加熱炉10の天井部分に板ガラ
ス(板材)5の上面をふく射加熱するための複数のルー
フバーナ11,…,11を備えると共に、側壁に板ガラ
ス5を空中支持させるための噴出流体を循環供給させる
ためのファン12とダクト13とを備えている。また、
図示していない冷却ゾーンの空中支持装置を除いて、加
熱ゾーンの空中支持装置の底部にはバーナ14を備え
る。このバーナ14の燃焼ガスと循環ファン12からの
風とは混合されて所定温度の熱風とされてから熱風吹出
し箱15に供給される。この熱風吹出し箱15は、熱風
を導入する内部空間16を形成するダクト17部分の上
方に固体面2を構成するブロック例えばセラミック等の
耐熱材料から成るブロック18を載置し、このブロック
18に流体噴出口1を多数設けて成る。ここで、セラミ
ックブロック18は、例えば図1に示すように、噴出口
1,…,1の列の間に固体面2と支持しようとする板材
5との間の空間7の外の空間8と連通しない導通溝6を
設けている。この導通溝6は、支持しようとする板材が
固体面に対して垂直方向に投影する面の内側に配置する
ことが必要であることから、例えば支持しようとする板
材の幅よりも短い長さに形成し、板材の幅方向(この場
合、幅方向が噴出流体の主な排出方向となる)に配置さ
れている。また、この導通溝6は連続した1本の溝で形
成する必要はなく、例えば図2に示すように、流体の排
出方向に適宜に分断された比較的短い導通溝6を流体の
主に排除される方向に沿って複数配置しても良いし、図
3に示すように、長さの異なる複数種の導通溝6を組合
せて配置しても良い。導通溝6の幅及び深さは固体面と
板材との間の空間内の圧力偏差を導通するように、即ち
噴出口から噴出される流体の圧力とその周辺の圧力とが
連通するような関係に設定されている。また、噴出口
1,…,1の口径はすべての噴出口から噴出される流体
が同一圧力でかつ同一流量となるようにすべて同一径で
構成されている。
【0029】斯様に構成されているので、次のようにし
て板ガラスが空中支持され加熱される。まず、循環用フ
ァン12によって循環する加熱炉10内の空気をバーナ
14で所定温度に加熱した後、ダクト17に供給してか
らセラミックブロック18の各噴出口1,…,1から噴
出させるように設けられている。セラミックブロック1
8から噴出される熱風はその上に載置されるガラス板5
を浮上させ空中に支持する。このガラス板5は上面をル
ーフバーナ11,…,11からのふく射熱によって、下
面を吹きつける熱風からの対流熱によって加熱される。
ここで、板ガラスの加熱処理設備は、複数種のセラミッ
クブロックを連結して成る。セラミックブロック18
は、平坦な面のブロックから最終製品形状の曲面のブロ
ックまで、次第に曲率を小さくした曲面のブロックを組
合せて成り、平坦な板ガラスを空中支持している間に加
熱し、かつ移動の最中にその形状をブロック面に合せて
変形させ、曲面にしてから最終製品形状に変形させるよ
うにしている。そして、最終の形状に変形させた後、冷
却空気を噴出するブロック上に移って急速に常温まで冷
却される。
【0030】尚、上述の実施例は本発明の好適な実施の
一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の
要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、本実施例では固体面2即ちブロックの表面
は平坦な面に限定されず、例えば曲面や球面などで構成
されていても良い。また、本実施例では自動車用ガラス
のようにガラス板を加熱処理しかつ変形させる場合につ
いて主に説明したが、これに特に限定されるものではな
く鋼板などの熱処理などに用いても良い。この場合、板
ガラスの場合に起こるディンプル現象などは問題となら
ないが、隙間を小さくしても安定支持できるので、板材
の浮上に要する動力を低減でき、省エネルギーを可能と
する。また、本実施例では、気体雰囲気中において気体
噴流で板材を支持する場合について主に説明したが、こ
れに特に限定されるものではなく液体中において液体噴
流で浮遊させて支持することも可能である。更に、窒素
などの不活性ガスの使用も可能である。更に、本明細書
でいう板材とは平坦な板は勿論のこと、曲面から成る板
材をも含む。
【0031】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
は、複数個の流体噴出口から噴出する流体を板材の表面
に衝突させてこの流体の動圧で板材を空中に支持するに
際して、流体噴出口が設けられる固体面と板材との間の
空間における噴出流体の圧力分布を固体面に形成された
空間の外の空間とは連通しない導通溝によって相互に連
通させるようにしたので、導通溝の長さ及び幅の範囲内
で異なる圧力が発生しても、それが導通効果により均一
化されて圧力差を小さくし、均一な圧力分布で板材を安
定支持できる。しかも、噴出流体を利用して板材を空中
支持しながら加熱する場合には、中央部と周辺部におけ
る噴出流体の噴出流量の差が少ないので、加熱がほぼ均
一に行ない得る。
【0032】また、本発明において、噴出流体が主に排
出される方向に長手方向を配置するように、あるいは支
持しようとする板状材料の幅よりも短くかつ板状材料の
幅に近い長さの導通溝を固体面に形成すれば、圧力偏差
の存在し易い領域において広範囲に圧力の導通が行わ
れ、圧力差の小さな圧力分布となり、より支持が安定す
ると共に噴出流量をより均一化できる。
【0033】特に、本発明において、流体噴出口を複数
列に整列して配置し、かつ導通溝を流体噴出口の列の間
に形成した場合、導通溝による導通効果が効果的に得ら
れるので、流体噴出口を狭い間隔で多数設けるときにも
板材の安定支持と流体の噴出流量の均一化を実現でき
る。
【0034】更に、本発明において、長手方向に複数本
に分断されている導通溝を形成した場合、何等からの原
因により板材が水平方向に振動ないし移動を行っても、
端に近い一方の導通溝のみが外気と導通し残りの多くが
外気と導通するのを防ぐことができるので、導通溝を設
けることの効果を大きく損なうことがない。しかも、支
持しようとする板状材料の幅内変化に対応すること、即
ち一定の範囲内で板材の幅が変化しても支持状態に大き
な変化を与えることは支持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体支持方法を実施するブロックの一
例を示す図で、(A)は斜視図、(B)はIB-IB 断面図
である。
【図2】本発明の流体支持方法を実施するブロックの他
の実施例を示す図で、(A)は斜視図、(B)はIIB-II
B 断面図、(C)はIIC-IIC 断面図である。
【図3】本発明の流体支持方法を実施するブロックの更
に他の実施例を示す平面図である。
【図4】従来の板材空中支持装置において、排気孔があ
る場合とない場合の噴出位置と噴出流体の流量変化との
関係を示すグラフである。
【図5】従来の板材空中支持装置において、排気孔があ
る場合とない場合の噴出位置と噴出流体圧力変化との関
係を示すグラフである。
【図6】排気孔を有する従来の板材空中支持装置と外気
に導通する溝を固体面に設けた板材空中支持装置とにつ
いて、噴出位置と噴出流体の流量変化との関係を示すグ
ラフである。
【図7】排気孔を有する従来の板材空中支持装置と外気
に導通する溝を固体面に設けた板材空中支持装置とにつ
いて、噴出位置と噴出流体圧力変化との関係を示すグラ
フである。
【図8】通気導通溝を設けた板材空中支持装置と内部導
通溝を設けた本発明の板材空中支持装置とについて、噴
出位置と噴出流体の流量変化との関係を示すグラフであ
る。
【図9】通気導通溝を設けた板材空中支持装置と内部導
通溝を設けた本発明の板材空中支持装置とについて、噴
出位置と噴出流体圧力変化との関係を示すグラフであ
る。
【図10】本発明の流体支持方法を適用したガラス板の
加熱冷却装置の一例を示す説明図である。
【図11】従来の板材空中支持装置の一例を示す図で、
(A)は斜視図、(B)はXIB-XIB 断面図である。
【図12】従来の板材空中支持装置の他の例を示す図
で、(A)は斜視図、(B)はXIIB-XIIB 断面図であ
る。
【符号の説明】
1 流体噴出口 2 固体面 3 ブロック 5 支持しようとする板状材料(板材) 6 導通溝 7 固体面と板材との間の空間 8 固体面と板材との間の外の空間

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の流体噴出口から噴出する流体を
    板状材料の表面に衝突させて該流体の動圧で前記板材を
    空中に支持する方法において、前記流体噴出口が設けら
    れる固体面と前記板状材料との間の空間における噴出流
    体の圧力分布を前記固体面に形成された前記空間の外の
    空間とは連通しない溝によって相互に連通させることに
    よって、噴出流体が前記板状材料との間に形成する支持
    圧および複数の噴出口からの噴出流量を均一化すること
    を特徴とする板状材料の流体による支持方法。
  2. 【請求項2】 固体面の複数の流体噴出口から噴出され
    る多数の噴出流体を衝突させることによって板状材料を
    支持する装置において、前記固体面に前記板状材料の鉛
    直方向の投影面の内側に配置され該固体面と前記板状材
    料との間の空間の外の空間とは連通しない導通溝を設け
    たことを特徴とする板状材料の流体による支持装置。
  3. 【請求項3】 前記導通溝は前記噴出流体が主に排出さ
    れる方向に長手方向を配置したことを特徴とする請求項
    2記載の板状材料の流体による支持装置。
  4. 【請求項4】 前記導通溝は支持しようとする板状材料
    の幅よりも短くかつ板状材料の幅に近いことを特徴とす
    る請求項3記載の板状材料の流体による支持装置。
  5. 【請求項5】 前記導通溝は長手方向に複数本に分断さ
    れていることを特徴とする請求項3記載の板状材料の流
    体による支持装置。
  6. 【請求項6】 前記流体噴出口が複数列に整列して配置
    され、かつ前記導通溝が前記流体噴出口の列の間に形成
    されていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれ
    かに記載の板状材料の流体による支持装置。
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