JPH06286635A - 車両の後輪操舵装置の組立方法 - Google Patents

車両の後輪操舵装置の組立方法

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JPH06286635A
JPH06286635A JP9707193A JP9707193A JPH06286635A JP H06286635 A JPH06286635 A JP H06286635A JP 9707193 A JP9707193 A JP 9707193A JP 9707193 A JP9707193 A JP 9707193A JP H06286635 A JPH06286635 A JP H06286635A
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JP
Japan
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lever
rear wheel
wheel steering
displacement
rod
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Application number
JP9707193A
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English (en)
Inventor
Koji Fujio
浩治 藤尾
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 後輪操舵ロッドを変位させるための機械系統
と油圧系統とが変位伝達手段により連結された後輪操舵
装置において、特に複雑な手立てを講じることなく簡単
な方法で、上記機械系統と油圧系統との中立位置を一致
させてその両者を変位伝達手段により適正に連結する。 【構成】 出力ロッドユニット16と後輪操舵ロッド1
3とを中立位置に調整したうえで、これらの部材に変位
伝達部材14の第1レバー14aの係合端部A,Bを係
合させると共に、ハウジング25に形成された挿通孔5
6に嵌合されたレバー固定治具60により、上記変位伝
達部材14の第2レバー14bを中立位置に位置決めし
た状態で該第2レバー14bの一方の係合端部Cをハウ
ジング25に連結した後、上記レバー固定治具60を取
り外して第2レバー14bの他方の係合端部Dと油圧切
換バルブ15とを係合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、前輪と共に左右の後輪
を操舵する車両の後輪操舵装置の組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の操舵装置として、前輪の操舵に
応じて左右の後輪を操舵する4輪操舵装置が知られてお
り、この4輪操舵装置は、従来周知のラック&ピニオン
式の前輪操舵装置と、左右の後輪を前輪の操舵量および
操舵方向に応じて該前輪と逆位相にあるいは同位相に操
舵する後輪操舵装置とで構成されている。そして、この
種の後輪操舵装置として、例えば特開平1−27377
2号公報に記載されているように、左右の後輪を操舵す
る後輪操舵ロッドを変位させる機械系統が、前輪の舵角
量を入力する入力シャフトと、該入力シャフトからの入
力を受けて軸方向にストロークする出力ロッドユニット
と、該出力ロッドユニットに連結されると共にハウジン
グに揺動可能に支承され、且つその揺動角度によって上
記入力シャフトの回転による出力ロッドユニットのスト
ローク量を制御するヨークユニットとを備え、上記出力
ロッドユニットと後輪操舵ロッドとハウジング側とに連
結された変位伝達手段により該出力ロッドユニットのス
トローク量を後輪操舵ロッドに伝達すると共に、上記後
輪操舵ロッドの変位をアシストする油圧系が、該後輪操
舵ロッドの変位を油圧アシストするパワーステアリング
手段と、該パワーステアリング手段を制御する油圧切換
バルブとを備え、該油圧切換バルブが上記変位伝達手段
に連結されて上記機械系統と油圧系統とが接続された形
式の後輪操舵装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に左右の後輪を操舵する後輪操舵ロッドを変位伝達手段
を介して連結された機械系統と油圧系統とにより変位さ
せるように構成された後輪操舵装置において、上記機械
系統と油圧系統との中立位置に位置ずれがある状態でそ
の両者が変位伝達手段により連結された場合には、後輪
の操舵時に左右差が生じて制御性が低下することなる。
このため、上記機械系統の中立位置と油圧系統の中立位
置とを確実に一致させた状態でその両者を変位伝達手段
により連結することが極めて重要となるが、この場合、
特に複雑な手立てを講じることなく機械系統と油圧系統
とを如何にして適正に連結するかが課題とされていた。
【0004】本発明は、後輪操舵ロッドを変位させるた
めの機械系統と油圧系統とが変位伝達手段により連結さ
れた形式の後輪操舵装置の組立時における上記のような
不具合に対処するもので、特に複雑な手立てを講じるこ
となく簡単な方法で、上記機械系統の中立位置と油圧系
統の中立位置とを一致させた状態でその両者を変位伝達
手段により適正に組み付けることのできる車両の後輪操
舵装置の組立方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0006】即ち、左右の後輪を操舵する後輪操舵ロッ
ドを変位させる機械系統が、前輪の舵角量を入力する入
力シャフトと、該入力シャフトからの入力を受けて軸方
向にストロークする出力ロッドユニットと、該出力ロッ
ドユニットに連結されると共にハウジングに揺動可能に
支承され、且つその揺動角度によって上記入力シャフト
の回転による出力ロッドユニットのストローク量を制御
するヨークユニットとを有し、上記出力ロッドユニット
と後輪操舵ロッドとに両端部がそれぞれ連結される第1
レバーと該第1レバーに直交して一端が上記ハウジング
の所定位置に連結される第2レバーとでなる変位伝達手
段により該出力ロッドユニットのストローク量を後輪操
舵ロッドに伝達すると共に、上記後輪操舵ロッドの変位
をアシストする油圧系統が、該後輪操舵ロッドの変位を
油圧アシストするパワーステアリング手段と、該パワー
ステアリング手段を制御する油圧切換バルブとを有し、
該油圧切換バルブが上記変位伝達手段における第2レバ
ーの他端に連結されて上記機械系統と油圧系統とが接続
された車両の後輪操舵装置の組立方法において、上記出
力ロッドユニットおよびヨークユニットと後輪操舵ロッ
ドとを中立位置に調整したうえで、該出力ロッドユニッ
トと後輪操舵ロッドとに上記変位伝達手段の第1レバー
の両端部をそれぞれ連結すると共に、上記ハウジングに
形成されて変位伝達手段の第2レバーが挿通され且つ該
ハウジングと油圧切換バルブのバルブボディとの間をシ
ールするシール部材が装着される挿通孔にレバー固定治
具を嵌合し、該レバー固定治具により上記第2レバーの
他端を中立位置に位置決めした状態で該第2レバーの一
端をハウジングに連結した後、上記レバー固定治具を取
り外して第2レバーの他端と油圧切換バルブとを連結す
ることを特徴とする。
【0007】
【作用】上記の組立方法によれば、まず、出力ロッドユ
ニットおよびヨークユニットと後輪操舵ロッドとを中立
位置に調整したうえで、後輪操舵ロッドを変位させるた
めの機械系統と油圧系統とを連結する変位伝達手段の第
1レバーの両端部が、上記のように中立位置に調整され
た出力ロッドユニットと後輪操舵ロッドとに対して連結
されることになる。
【0008】そして、この状態で、上記変位伝達手段の
第2レバーの他端と油圧切換バルブとを連結するために
ハウジングに形成され且つシール部材が装着される挿通
孔に嵌合されたレバー固定治具により、第2レバーの他
端を中立位置に位置決めした状態で該第2レバーの一端
がハウジングに連結された後、上記レバー固定治具が取
り外されて第2レバーの他端と油圧切換バルブとが連結
されることになる。これにより、上記後輪操舵ロッドを
変位させるための機械系統と油圧系統とを連結する変位
伝達手段が、機械系統と油圧系統との中立状態を維持し
た状態でその両者間に連結されることになって、後輪操
舵装置の組立時における機械系統と油圧系統との中立位
置の位置ずれが確実に防止されることになる。
【0009】特に、上記ハウジングに形成された挿通孔
を有効利用して該挿通孔にレバー固定治具を嵌合させる
だけの簡単な方法により、機械系統と油圧系統との中立
位置を一致させた状態でその両者が変位伝達手段により
連結されることになる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0011】まず、本発明に係る組立方法を用いて組み
立てられる後輪操舵装置の全体構成を説明すると、図1
に示すように、この後輪操舵装置1は、転舵比可変機構
11と、パワーステアリング機構12と、車幅方向に配
置され、且つ両端部に左右の後輪(図示せず)が連結さ
れた後輪操舵ロッド13と、該後輪操舵ロッド13を車
幅方向(左右方向)に変位させる変位伝達部材14と、
油圧アシスト手段としての油圧切換バルブ15とを有
し、該後輪操舵装置1は、予め設定された所定の転舵比
特性に応じて左右の後輪を操舵すると共に、その転舵比
を車速に応じて変化させるように構成されている。
【0012】そして、上記後輪動作ロッド13は、車幅
方向に延長されてその両端部がタイロッドおよびナック
ルアームを介して左右の後輪に連結され、該後輪操舵ロ
ッド13の車幅方向へ変位により左右の後輪が所定方向
に操舵されるようになっており、該後輪操舵ロッド13
の車幅方向への変位は、上記転舵比可変機構11および
パワーステアリング機構12により行われるようになっ
ている。
【0013】また、上記転舵比可変手段11は、左右の
後輪を操舵する際の転舵比を変化させるものであって、
前輪の舵角量に応じて車幅に変位する出力ロッドユニッ
ト16を有し、前輪の舵角量に対する出力ロッドユニッ
ト16の変位量の比(舵角比に対応)は、後述するよう
に、ステッピングモータ17により揺動されるヨークユ
ニット18の揺動角度に応じて変化するように構成され
ており、該ステッピングモータ17の回転量は、車速セ
ンサ(図示せず)からの車速信号に基づき適宜制御さ
れ、且つそのステッピングモータ17の実際の回転量は
転舵比センサ(図示せず)によって検出され、その検出
信号に基づいて該ステッピングモータ17がフィードバ
ック制御されるようになっている。
【0014】そして、上記転舵比可変機構11における
出力ロッドユニット16の変位量に応じて油圧切換バル
ブ15が切換え制御され、該油圧切換バルブ15によっ
て油圧を利用して操舵力を発生させるパワーステアリン
グ機構12を制御し、上記後輪操舵ロッド13の変位に
従って後輪の操舵がアシストされるようになっている。
更に、上記転舵比可変機構11は、出力ロッドユニット
16、ステッピングモータ17およびヨークユニット1
8(揺動軸部材22、振り子アーム23、揺動ギヤ3
1)の他に、ベベルギヤ21と連結ロッド24とを備え
ており、これらの部材16,17,18,21および2
4は、図2ないし図6に示すように、後輪操舵装置のハ
ウジング25に収納されている。
【0015】また、上記転舵比可変機構11の出力ロッ
ドユニット16は、その軸線方向に摺動可能にハウジン
グ25に支持されており、該軸線方向に変位することに
より、後述するように、変位伝達部材14を介して後輪
操舵ロッド13をその軸方向(車幅方向)に変位させ、
これにより、該後輪操舵ロッド13の両端部にそれぞれ
連結された左右の後輪を操舵するようになっている。
【0016】一方、上記ベベルギヤ21は、出力ロッド
ユニット16と共に且つ該出力ロッドユニット16の軸
線L3回りに回転可能に、該出力ロッド部材16に対し
て筒状の支持部材52を介して支持されていると共に、
該ベベルギヤ21に対して左右の前輪の舵角量を入力す
る入力シャフト26の端部に設けられたピニオンギヤ2
7が噛合されており、ハンドル操舵に応じて上記ピニオ
ンギヤ27が所定方向に回転するのに伴ってベベルギヤ
21が上記軸線L3回りに回転するようになっている。
【0017】また、上記ヨークユニット18を構成する
揺動軸部材22は、出力ロッドユニット16と同軸とな
る位置を取り得る軸線L1を有し、上記揺動ギヤ31に
固設されていると共に、この揺動ギヤ31は、上記ステ
ッピングモータ17の駆動により回転するウォームギヤ
32と噛合して、揺動軸部材22の軸線L1と交差する
揺動軸31a(図4参照)の軸線回りに回動し、これに
より、揺動軸部材22が揺動されるようになっている。
【0018】なお、図6に示すように、上記ウォームギ
ヤ32の軸32aは、カップリング54を介して上記ス
テッピングモータ17の出力軸17aに結合されてい
る。
【0019】更に、上記振り子アーム23は、揺動軸部
材22の軸線L1回りに揺動可能に該揺動軸部材22に
外嵌されており、該振り子アーム23の軸線L2が、上
記揺動軸部材22の回動軸線と該揺動軸部材22の軸線
L1との交点を通るように揺動軸部材22に対する嵌合
位置が設定されている。
【0020】また、上記連結ロッド24は、後輪操舵ロ
ッド13と同様に、上記出力ロッド部材ユニット16の
軸線L3と平行な軸線を有し、出力ロッドユニット1
6、ベベルギヤ21および振り子アーム23に連結され
て該出力ロッドユニット16とヨークユニット18とを
連結している。上記出力ロッドユニット16に対する連
結は、該出力ロッドユニット16の端部に固設されたレ
バー28に連結ロッド24の中間部を分割結合すること
によってなされ、上記ベベルギヤ21に対する連結は、
該ベベルギヤ21が取り付けられる支持部材52の延長
部52aに形成された挿通孔に連結ロッド24の一端を
挿通させることによってなされ、上記振り子アーム23
に対する連結は、連結ロッド24の他端に全方向回転可
能に設けられたボールジョイント33の挿通孔に振り子
アーム23を挿通することによってなされている。
【0021】従って、上記連結ロッド24は、出力ロッ
ドユニット16に対しては固定されているが、上記ベベ
ルギヤ21に対しては該ベベルギヤ21と一体回転する
と共に、上記振り子アーム23に対しては軸線L2方向
に揺動可能である。なお、該振り子アーム23の軸線L
2は、上記揺動軸部材22の回動により軸線L3の直交
方向に対して傾き、この傾いた方向に振り子アーム23
が揺動することになるのであるが、この場合において
も、軸線L2と軸線L4との狭角変化が吸収されるの
で、振り子アーム23から連結ロッド24へ伝達される
力のうち出力ロッドユニット16の軸線L3の直交方向
の成分は上記連結点において吸収され、該直交方向の相
対移動が可能となる。
【0022】以上のように、上記転舵比可変機構11に
おけるヨークユニット18を構成する振り子アーム23
と上記連結ロッド24とが、軸線L3の直交方向に相対
移動可能となるように連結されているので、上記振り子
アーム23が回動したときの該振り子アーム23と連結
ロッド24との連結点の軌跡は、軸線L3を中心とする
所定半径の円筒の外周面上の円軌跡または楕円軌跡とな
ると共に、上記連結ロッド24の軸線L4と出力ロッド
ユニット16の軸線L3とのなす角度を一定にすること
ができ、これにより、出力ロッドユニット16の変位に
左右の偏差が生じることが防止されることになる。
【0023】また、上記出力ロッドユニット16は、一
端が連結ロッド24にレバー28を介して連結される出
力ロッド36の他端が、軸線L3方向に変位可能に筒状
のロッドガイド35内に嵌合されており、該ガイドロッ
ド35と出力ロッド36との端部がハウジング25に支
持されていると共に、該ガイドロッド35は、変位伝達
部材14の係合端部Aと係合する係合部35aを有する
第1筒部材35bと、該第1筒部材35bに螺合された
第2筒部材35cとを有し、上記出力ロッド36との間
にはコイルバネ37が介装されている。
【0024】従って、上記連結ロッド24により出力ロ
ッド36に軸線L3方向の変位が伝達された場合、通常
は、該出力ロッド36からコイルバネ37を介してロッ
ドガイド35に伝達され、このロッドガイド35から係
合部35aに係合された変位伝達部材14の係合端部A
に伝達される。しかしながら、該変位伝達部材14の係
合端部Aの動きが規制され、そのため、上記出力ロッド
36の変位時にコイルバネ37のバネ力以上の負荷がロ
ッドガイド35に作用した場合には、該出力ロッド36
の変位はこのコイルバネ37の収縮によって吸収されて
ロッドガイド35には伝達されることがないように構成
されている。
【0025】一方、上記油圧切換バルブ15は、ハウジ
ング25に一体的に取り付けられたバルブボディ41
と、該バルブボディ41内に上記出力ロッドユニット1
6の軸線L3と平行な軸線L5方向に変位可能に収納さ
れたスプール42とで構成されており、該スプール42
は、以下に詳述する変位伝達部材14を介して出力ロッ
ドユニット16および後輪操舵ロッド13により変位さ
れ、このスプール42の変位によりパワーステアリング
機構12への油圧の給排が制御されるようになってい
る。
【0026】なお、図1,2に示すように、上記後輪操
舵ロッド13の所定位置にはセンタリングバネ45が設
けられており、上記油圧切換バルブ15やパワーステア
リング機構12における油圧が消失した場合や当該後輪
操舵装置1の機械系統に失陥や故障が生じ、それによっ
て上記油圧系統をドレン開放してパワーステアリング機
構12のシリンダにおける油圧を消失させた場合に、こ
のセンタリングバネ45により後輪操舵ロッド13を中
立位置、即ち、左右の後輪がいずれの方向にも操舵され
ず直進状態に維持される位置に位置決めされるようにな
っている。
【0027】また、上記パワーステアリング機構12の
シリンダは、油圧によって後輪操舵ロッド13を車幅方
向に変位させるものであり、図1に示すように、ピスト
ン46が直接、後輪操舵ロッド13に固設され、該ピス
トン46の左右に一対のシリンダ室43,44が形成さ
れいる。
【0028】更に、上記変位伝達部材14は、図1およ
び図5に示すように、出力ロッドユニット16(ロッド
ガイド35)の他に、上記油圧切換バルブ15を構成す
るスプール42と後輪操舵ロッド13とハウジング25
とにそれぞれ係合され、上記出力ロッドユニット16の
変位により上記スプール42を所定方向に変位させる方
向に作動されると共に、該スプール42の変位により生
じる上記後輪操舵ロッド13の変位によって上記スプー
ル42を上記と反対方向に変位させる方向に作動される
ように構成されている。
【0029】具体的には、上記変位伝達部材14は、第
1レバー14aとこれに直交する第2レバー14bとか
らなる十字形状とされ、上記第1レバー14aの一端の
係合端部Aが出力ロッド部材16のロッドガイド35
に、他端の係合端部Bが後輪操舵ロッド13に係合され
ていると共に、上記第2レバー14bの一端の係合端部
Cが支持サポート38を介してハウジング25に、他端
の係合端部Dが上記スプール42にそれぞれ係合されて
いる。
【0030】なお、上記ハウジング25における変位伝
達部材14の第2レバー14bが挿通される挿通孔56
には、シール部材57が装着されている。また、図2に
示すように、上記支持サポート38のボルト挿通孔38
h、38hは長穴状に形成されており、この長穴38h
の範囲内でスライド調整しながら、支持サポート38を
車体に対して締結固定することができるようになってい
る。
【0031】そして、上記変位伝達部材14における第
1レバー14aの係合端部AおよびBは出力ロッドユニ
ット16のガイドロッド35と後輪操舵ロッド13に対
して対して軸線方向に移動不可能に、その他の方向には
移動可能に且つ回転可能に係合され、また、第2レバー
14bの係合端部Dはスプール42に対して軸線方向に
移動不可能に、その他の方向には移動可能に且つ回転可
能に係合されていると共に、該第2レバー14bの係合
端部Cはボールジョイント(図示せず)を介して回転は
可能に且つ移動は不可能に係合されている。
【0032】従って、上記スプール42および後輪操舵
ロッド13が共に中立位置にある状態から出力ロッドユ
ニット16が例えば右方向に変位した場合には、上記変
位伝達部材14の第1レバー14aの一方の係合端部A
は出力ロッドユニット16と共に右方向に変位し、該係
合端部Aの変位時に後輪操舵ロッド13にはタイヤ反力
やセンタリングバネ45による反力が作用しているの
で、他方の係合端部Bは軸方向に不動であり、且つ係合
端部Cも支持サポート38に固定されて不動であるた
め、上記変位伝達部材14は係合端部Bと係合端部Cと
を結ぶ直線を中心として傾くことになる。即ち、該変位
伝達部材14はスプール42を所定方向である右方向に
変位させる方向に作動されることになって、第2レバー
14bの係合端部Dによりスプール42を右方向に変位
させることになる。
【0033】このようにして、上記スプール42が中立
位置から右方向に変位すると、右油室43の油圧が増大
し、左油室44の油圧が減少し、パワーステアリング機
構12には後輪操舵ロッド13を左方向に変位させる油
圧力が生じることになる。この後輪操舵ロッド13を左
方向に変位させる油圧力は、上記スプール42の右方向
変位の増加に対応して増大してバランス位置となる。
【0034】そして、上記スプール42が中立位置から
バランス位置まで所定量右方向に変位されると、それに
よって生じるパワーステアリング機構12の上記油圧力
が後輪操舵ロッド13に作用する外力(センタリングバ
ネ45のバネ力やタイヤ反力)とバランスして釣り合う
ことになる。この状態から、上記スプール42が更に右
方向に変位されると、それに伴って、上記パワーステア
リング機構12に生じる油圧力は、上記後輪操舵ロッド
13に作用する外力より大きくなり、これにより、該後
輪操舵ロッド13は油圧力により左方向のい変位される
ことになる。
【0035】そして、上記後輪操舵ロッド13が左方向
に変位されると、上記変位伝達部材14の第1レバー1
4aの一方の係合端部Bは、この後輪操舵ロッド13と
共に左方向に変位されることになると共に、そのとき出
力ロッドユニット16にはハンドルの操舵力や前輪のタ
イヤ反力などが作用しているので、他方の係合端部Aは
不動であり、また、係合端部Cも不動であるために、該
変位伝達部材14は係合端部Aと係合端部Cとを結ぶ直
線を中心として傾き、バランス位置に戻ることにより後
輪操舵ロッド13の変位が停止する。
【0036】更に、上記の状態から、上記出力ロッドユ
ニット16が右方向に変位してスプール42が右方向に
変位すると、上記と同様に後輪操舵ロッド13が左方向
に変位し、スプール42がバランス位置に戻ったところ
で停止し、この作動を繰り返すことにより出力ロッドユ
ニット16の変位量に対応した量だけ後輪操舵ロッド1
3が変位し、その変位量に応じて左右の後輪が操舵され
るようになっている。
【0037】なお、上記出力ロッドユニット16は左方
向に変位した場合には、上記変位伝達部材14、スプー
ル42および後輪操舵ロッド13の動きが上記の場合と
逆となるだけであり、作動原理は同様であるので説明は
省略する。また、上記スプール42の作動は、前述した
先行技術(特開平1−273772号公報)のものと基
本的に同一である。
【0038】また、上記転舵比可変機構11による転舵
比の制御は種々の要因に基づいて行うことが可能であ
り、また、その制御パターンも種々のものが考えられ、
本実施例においては、例えば車速に基づいて低速走行領
域では後輪をハンドル操舵および前輪に対して逆位相に
転舵させて旋回性の向上を図り、高速走行領域では後輪
をハンドル操舵および前輪に対して同位相に転舵させて
走行安定性の向上を図るように制御されるようになって
いる。
【0039】なお、図3ないし図5に示すように、上記
ハウジング25の一側部がカバー53により覆われるよ
うになっている。
【0040】次に、上記のような構成とされた後輪操舵
装置1における機械系統と油圧系統との中立位置を合致
させた状態でその両者を上記変位伝達部材14により連
結する方法について説明すると、まず、上記出力ロッド
ユニット16およびヨークユニット18の全体と後輪操
舵ロッド13とを中立位置に調整したうえで、該後輪操
舵ロッド13を変位させるための機械系統と油圧系統と
を連結する変位伝達部材14の第1レバー14aの両係
合端部A,Bを、上記出力ロッドユニット16と後輪操
舵ロッド13とに対して係合させる。
【0041】そして、この状態で、図7に示すように、
上記変位伝達部材14の第2レバー14bの係合端部D
と油圧切換バルブ15とを連結するためにハウジング2
5に形成され且つシール部材57が装着される挿通孔5
6にレバー固定治具60を嵌合させると共に、このレバ
ー固定治具60の中心孔60aにより第2レバー14b
を中立位置に位置決めした状態で該第2レバー14bの
係合端部Cをハウジング25の所定位置に支持サポート
38を介して係合した後、上記レバー固定治具60を取
り外して、第2レバー14bの係合端部Dと油圧切換バ
ルブ15のバルブボディ41に収納されたスプール41
とを係合させる。そして、上記バルブボディ41に形成
されたボルト挿通孔41a,41aに取付ボルト61,
61を挿通すると共に、各ボルト61,61を上記ハウ
ジング25に形成されたネジ穴62,62に螺合させる
ことにより組立が完了する。
【0042】これにより、上記後輪操舵ロッド13を変
位させるための出力ロッドユニット16やヨークユニッ
ト18等でなる機械系統と、油圧切換バルブ15でなる
油圧系統とが共に中立位置に調整された状態で変位伝達
部材14により連結されることになって、当該後輪操舵
装置1の組立時における機械系統と油圧系統との中立位
置の位置ずれを確実に防止することができる。
【0043】特に、上記ハウジング25に形成された挿
通孔56を有効利用して該挿通孔56にレバー固定治具
60を嵌合させるだけの簡単な方法により、上記機械系
統と油圧系統との中立位置を一致させた状態でその両者
が変位伝達部材14により連結されることになって、操
舵時において左右差なく左右の後輪を操舵することが可
能となり、制御性が向上することなる。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、後輪操
舵ロッドを変位させるための機械系統と油圧系統とを連
結する変位伝達手段が、これらの機械系統と油圧系統と
の中立状態を維持した状態でその両者に連結されること
になって、後輪操舵装置の組立時における機械系統と油
圧系統との中立位置の位置ずれを確実に防止することが
できる。
【0045】特に、ハウジングに予め形成されて上記変
位伝達手段の第2レバーが挿通される挿通孔を有効利用
して該挿通孔にレバー固定治具を嵌合させるだけの簡単
な方法により、上記機械系統と油圧系統との中立位置を
一致させた状態でその両者が変位伝達手段により連結さ
れることになり、これにより、左右の後輪が左右差なく
操舵されることなって、制御性が向上することなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る組立方法により組み立てられる
車両の後輪操舵装置の全体概略構成図。
【図2】 後輪操舵装置を構成する転舵比可変機構の断
面図。
【図3】 図2におけるa−a線に沿ってみた要部拡大
断面図。
【図4】 図2におけるb−b線に沿ってみた要部拡大
断面図。
【図5】 図2におけるc−c線に沿ってみた要部拡大
断面図。
【図6】 図2におけるd−d線に沿ってみた要部拡大
断面図。
【図7】 変位伝達部材の組立状態を説明する要部拡大
断面図。
【符号の説明】
1 後輪操舵装置 12 パワーステアリング機構 13 後輪操舵ロッド 14 変位伝達部材 14a 第1レバー 14b 第2レバー 15 油圧切換バルブ 16 出力ロッドユニット 18 ヨークユニット 25 ハウジング 26 入力シャフト 56 挿通孔 57 シール部材 60 レバー固定治具
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に左右の後輪を操舵する後輪操舵ロッドを変位伝達手段
を介して連結された機械系統と油圧系統とにより変位さ
せるように構成された後輪操舵装置において、上記機械
系統と油圧系統との中立位置に位置ずれがある状態でそ
の両者が変位伝達手段により連結された場合には、後輪
の操舵時に左右差が生じて制御性が低下すること
る。このため、上記機械系統の中立位置と油圧系統の中
立位置とを確実に一致させた状態でその両者を変位伝達
手段により連結することが極めて重要となる。また、上
記変位伝達手段と油圧系統との連結部においては、該伝
達手段の軸部に嵌合された状態で油圧系統からの作動油
の漏出を防止するためのシール部材が装着されるのであ
るが、例えば油圧系統側にその中立位置を確保するため
の取り付け位置の自由度がある場合に、その自由度の範
囲内での調整により、仮に上記のように機械系統の中立
位置と油圧系統の中立位置とを一致させた状態でその両
者を変位伝達手段により連結できたとしても、その調整
によって生じる上記変位伝達手段の軸部の偏りや傾斜等
により、該軸部が嵌挿された上記シール部材に偏荷重が
作用し、該シール部材が偏った状態で装着される可能性
があり、この場合、そのシール部材のシール性や耐久性
が低下することになる。そこで、この変位伝達手段によ
り、特に複雑な手立てを講じることなく機械系統と油圧
系統とを如何にして適正に連結するかが課題とされてい
た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】本発明は、後輪操舵ロッドを変位させるた
めの機械系統と油圧系統とが変位伝達手段により連結さ
れた形式の後輪操舵装置の組立時における上記のような
不具合に対処するもので、特に複雑な手立てを講じるこ
となく簡単な方法で、上記機械系統の中立位置と油圧系
統の中立位置とを一致させ、しかも油圧系統の操作部に
装着されるシール部材に偏りを生じさせることなく、両
系統を変位伝達手段により適正に組み付けることのでき
る車両の後輪操舵装置の組立方法を提供することを目的
とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】そして、この状態で、上記変位伝達手段の
第2レバーの他端と油圧切換バルブとを連結するために
ハウジングに形成され且つシール部材が装着される挿通
孔に嵌合されたレバー固定治具により、第2レバーの他
端を中立位置に位置決めした状態で該第2レバーの一端
がハウジングに連結された後、上記レバー固定治具が取
り外されて第2レバーの他端と油圧切換バルブとが連結
されることになる。これにより、上記後輪操舵ロッドを
変位させるための機械系統と油圧系統とを連結する変位
伝達手段が、機械系統と油圧系統との中立状態を維持し
た状態でその両者間に連結されることになって、後輪操
舵装置の組立時における機械系統と油圧系統との中立位
置の位置ずれが確実に防止され、また上記シール部材が
装着される第2レバーの他端がレバー固定治具によって
中立位置に位置決めされるので、該シール部材の偏った
状態での装置も防止されることになる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】特に、上記ハウジングに形成された挿通孔
を有効利用して該挿通孔にレバー固定治具を嵌合させる
だけの簡単な方法により、機械系統と油圧系統との中立
位置を一致させ、且つシール部材を適正に装着した状態
で上記両系統が変位伝達手段により連結されることにな
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】また、上記転舵比可変機構11は、左右の
後輪を操舵する際の転舵比を変化させるものであって、
前輪の舵角量に応じて車幅方向に変位する出力ロッドユ
ニット16を有し、前輪の舵角量に対する出力ロッドユ
ニット16の変位量の比(舵角比に対応)は、後述する
ように、ステッピングモータ17により揺動されるヨー
クユニット18の揺動角度に応じて変化するように構成
されており、該ステッピングモータ17の回転量は、車
速センサ(図示せず)からの車速信号に基づき適宜制御
され、且つそのステッピングモータ17の実際の回転量
は転舵比センサ(図示せず)によって検出され、その検
出信号に基づいて該ステッピングモータ17がフィード
バック制御されるようになっている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】また、上記連結ロッド24は、後輪操舵ロ
ッド13と同様に、上記出力ロッドユニット16の軸線
L3と平行な軸線を有し、出力ロッドユニット16、ベ
ベルギヤ21および振り子アーム23に連結されて該出
力ロッドユニット16とヨークユニット18とを連結し
ている。上記出力ロッドユニット16に対する連結は、
該出力ロッドユニット16の端部に固設されたレバー2
8に連結ロッド24の中間部を分割結合することによっ
てなされ、上記ベベルギヤ21に対する連結は、該ベベ
ルギヤ21が取り付けられる支持部材52の延長部52
aに形成された挿通孔に連結ロッド24の一端を挿通さ
せることによってなされ、上記振り子アーム23に対す
る連結は、連結ロッド24の他端に全方向回転可能に設
けられたボールジョイント33の挿通孔に振り子アーム
23を挿通することによってなされている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】 そして、上記スプール42が中立位置か
らバランス位置まで所定量右方向に変位されると、それ
によって生じるパワーステアリング機構12の上記油圧
力が後輪操舵ロッド13に作用する外力(センタリング
バネ45のバネ力やタイヤ反力)とバランスして釣り合
うことになる。この状態から、上記スプール42が更に
右方向に変位されると、それに伴って、上記パワーステ
アリング機構12に生じる油圧力は、上記後輪操舵ロッ
ド13に作用する外力より大きくなり、これにより、該
後輪操舵ロッド13は油圧力により左方向変位される
ことになる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】そして、この状態で、図7に示すように、
上記変位伝達部材14の第2レバー14bの係合端部D
と油圧切換バルブ15とを連結するためにハウジング2
5に形成され、且つ該第2レバー14bの端部D側の軸
部が嵌挿されるシール部材57が装着された挿通孔56
にレバー固定治具60を嵌合させると共に、このレバー
固定治具60の中心孔60aにより第2レバー14bを
中立位置に位置決めした状態で該第2レバー14bの係
合端部Cをハウジング25の所定位置に支持サポート3
8を介して係合した後、上記レバー固定治具60を取り
外して、第2レバー14bの係合端部Dと油圧切換バル
ブ15のバルブボディ41に収納されたスプール41と
を係合させる。そして、上記バルブボディ41に形成さ
れたボルト挿通孔41a,41aに取付ボルト61,6
1を挿通すると共に、各ボルト61,61を上記ハウジ
ング25に形成されたネジ穴62,62に螺合させるこ
とにより組立が完了する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】これにより、上記後輪操舵ロッド13を変
位させるための出力ロッドユニット16やヨークユニッ
ト18等でなる機械系統と、油圧切換バルブ15でなる
油圧系統とが共に中立位置に調整された状態で変位伝達
部材14により連結されることになって、当該後輪操舵
装置1の組立時における機械系統と油圧系統との中立位
置の位置ずれを確実に防止することができる。また、こ
のとき、上記変位伝達部材14の第2レバー14bにお
ける係合端部D側の軸部がレバー固定治具60により挿
通孔56の中心に位置決めされるので、上記軸部に嵌挿
され且つ該挿通孔56内に嵌合されたシール部材57に
偏荷重が作用することがなく、該シール部材57が偏り
のない状態で装着されることになる。つまり、図7に示
すバルプボディ41のボルト挿通孔41a,41aが取
付ボルト61,61の径に対して十分大径であると、レ
バー固定治具60を用いずに、シール部材57のみで変
位伝達部材14における第2レバー14bの係合端部D
側を仮に位置決めし、この状態で係合端部Cを支バルブ
ポート38により固定した上で、バルブボディ41を中
立状態が得られるように調整しながら上記ボルト61,
61により固定することができるのであるが、この場
合、上記支持サポート38による第2レバー14bの係
合端部C側の固定時に、係合端部D側が偏ったり傾斜し
たりすることがある。そして、このまま、バルブポディ
41を中立状態が得られるように上記ボルト61,61
により固定すると、機械系統と油圧系統との中立位置の
位置ずれは生じないが、上記シール部材57に偏りが生
じることになる。しかし、上記のようにレバー固定治具
60を用いることにより、このようなシール部材57の
偏りも防止されることになるのである。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】特に、上記ハウジング25に形成された挿
通孔56を有効利用して該挿通孔56にレバー固定治具
60を嵌合させるだけの簡単な方法により、上記機械系
統と油圧系統との中立位置を一致させ且つシール部材に
偏りが生じない状態で両系統が変位伝達部材14により
連結されることになって、操舵時において左右差なく左
右の後輪を操舵することが可能となり、制御性が向上す
ることなる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、後輪操
舵ロッドを変位させるための機械系統と油圧系統とを連
結する変位伝達手段が、これらの機械系統と油圧系統と
の中立状態を維持し且つシール部材に偏りを生じさせな
いで両系統に連結されることになって、後輪操舵装置の
組立時における機械系統と油圧系統との中立位置の位置
ずれやシール部材の偏りを確実に防止することができ
る。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】特に、ハウジングに予め形成されて上記変
位伝達手段の第2レバーが挿通される挿通孔を有効利用
して該挿通孔にレバー固定治具を嵌合させるだけの簡単
な方法により、上記機械系統と油圧系統との中立位置を
一致させ且つシール部材を適正に装着した状態で上記両
系統が変位伝達手段により連結されることになり、これ
により、左右の後輪が左右差なく操舵されることなっ
て、制御性が向上し、また上記シール部材の良好なシー
ル性や耐久性が確保されることなる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の後輪を操舵する後輪操舵ロッドを
    変位させる機械系統が、前輪の舵角量を入力する入力シ
    ャフトと、該入力シャフトからの入力を受けて軸方向に
    ストロークする出力ロッドユニットと、該出力ロッドユ
    ニットに連結されると共にハウジングに揺動可能に支承
    され、且つその揺動角度によって上記入力シャフトの回
    転による出力ロッドユニットのストローク量を制御する
    ヨークユニットとを有し、上記出力ロッドユニットと後
    輪操舵ロッドとに両端部がそれぞれ連結される第1レバ
    ーと該第1レバーに直交して一端が上記ハウジングの所
    定位置に連結される第2レバーとでなる変位伝達手段に
    より該出力ロッドユニットのストローク量を後輪操舵ロ
    ッドに伝達すると共に、上記後輪操舵ロッドの変位をア
    シストする油圧系統が、該後輪操舵ロッドの変位を油圧
    アシストするパワーステアリング手段と、該パワーステ
    アリング手段を制御する油圧切換バルブとを有し、該油
    圧切換バルブが上記変位伝達手段における第2レバーの
    他端に連結されて上記機械系統と油圧系統とが接続され
    た車両の後輪操舵装置の組立方法であって、上記出力ロ
    ッドユニットおよびヨークユニットと後輪操舵ロッドと
    を中立位置に調整したうえで、該出力ロッドユニットと
    後輪操舵ロッドとに上記変位伝達手段の第1レバーの両
    端部をそれぞれ連結すると共に、上記ハウジングに形成
    されて変位伝達手段の第2レバーが挿通され且つ該ハウ
    ジングと油圧切換バルブのバルブボディとの間をシール
    するシール部材が装着される挿通孔にレバー固定治具を
    嵌合し、該レバー固定治具により上記第2レバーの他端
    を中立位置に位置決めした状態で該第2レバーの一端を
    ハウジングに連結した後、上記レバー固定治具を取り外
    して第2レバーの他端と油圧切換バルブとを連結するこ
    とを特徴とする車両の後輪操舵装置の組立方法。
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