JPH0628623B2 - 電気掃除機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、吸口などの応用部品を収納できる電気掃除機
に関する。

〔従来の技術〕

この種の電気掃除機では、実公昭49−29404 号公報及び
実公昭47−10448 号公報にあるように、掃除機本体に、
直接、吸口などの応用部品を取り付けるとともに、その
応用部品をおおう蓋体を掃除機本体に取り付けるように
したものが知られている。

また、実公昭44−25658 号公報にあるように、掃除機本
体の両側面に、応用部品を収納した蓋体を設けるように
したものが知られている。

そして、上記の実公昭49−29404 号公報及び実公昭47−
10448 号公報及び実公昭44−25658 号公報に記載されて
いる電気掃除機は、掃除機本体の下面にキヤスターと大
車輪を設け、床移動形として使用するものである。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記実公昭49−29404 号公報，実公昭47−10448 号公報
及び実公昭44−25658 号公報に記載されている電気掃除
機では、掃除機本体に応用部品を取り付けて、その応用
部品を収納した蓋体でおおっても、あるいは応用部品を
収納した蓋体を閉じた状態にしても、掃除機本体の下面
にキャスター及び大車輪が露出した状態となっているの
で、見栄えが悪いものであった。

しかも、上記実公昭49−29404 号公報，実公昭47−1044
8 号公報及び実公昭44−25658 号公報に記載されている
電気掃除機では、縦置き形あるいは床移動形としか使用
できない欠点を有していた。

本発明の目的とするところは、掃除機本体，吸口などの
応用部品を収納することができ、しかも見栄えのよい外
観となるとともに、いろいろな用途に応じた掃除機使用
形態を安定してとることのできる使い勝手のよい電気掃
除機を提供するにある。

〔課題を解決するための手段〕

集塵室，電動送風機室及び排気室をユニット化してなる
掃除機本体と、この掃除機本体及び掃除機付属品を収納
する鞄状の収納ケースとを有し、前記収納ケースは、前
記掃除機本体を着脱可能に装着してなる横長の本体ケー
スと、この本体ケースにヒンジによる開閉自在に結合さ
れ、かつ、前記本体ケースの開口を閉塞する蓋ケースと
からなり、前記本体ケースのヒンジ側に前記掃除機本体
をずらして配設し、かつ、前記掃除機本体の外郭と前記
蓋ケースとを、前記蓋ケースの閉蓋時に至近対向させる
とともに、前記収納ケースの一側面には、その側面の、
前記蓋ケースと前記本体ケースとの接合面の一部を凹ま
せて形成してなる吸気用開口を設け、かつ、前記収納ケ
ースの他側面には、その他側面の、前記蓋ケースと前記
本体ケースとの接合面の一部を凹ませて形成してなる縦
長の排気用開口を設け、前記排気室の外郭を前記排気用
開口に沿う大きさとし、かつ、前記排気用開口に、前記
排気室の外郭を嵌合させ、しかも、前記集塵室に連通す
るところの吸込ホースを、前記本体ケースの開口を前記
蓋ケースでおおった状態で、前記吸気用開口から引き出
し可能としてなる電気掃除機において、前記掃除機本体
は、前記本体ケースのヒンジ部側にずらして配設し、さ
らに、前記本体ケースの外側面に、小車輪となるボール
状の回動体を複数個設け、しかも、ショルダーバンドを
取り付ける係合部を、前記本体ケースの外上面中央部
と、前記本体ケースの外上面の両端近傍と、前記本体ケ
ースの外下面の両端近傍とに設けることにより、達成さ
れる。

〔作用〕

鞄状の収納ケースを構成している本体ケースと蓋ケース
を開き、その両ケース内に、掃除機本体や掃除機付属部
品を収納した後、本体ケースと蓋ケースを閉じれば、本
体ケースと蓋ケースの外面には大きなキャスターと大車
輪がないので、鞄のごとき外観となり、見栄えがよいも
のとなる。

収納ケースのヒンジ側を床上に置けば、縦置き形の掃除
形態が得られる。本体ケースの、ボール状の回動体を設
けた外側両側を床上に置けば、床移動形の掃除形態が得
られる。

本体ケースの外上面の両端近傍に設けた係合部に、ショ
ルダーバンドを取り付ければ、ショルダー形の掃除形態
が得られる。本体ケースの外上面中央部に設けた係合部
と本体ケースの外下面の両端近傍に設けた係合部とに、
ショルダーバンドを取り付ければ、背負子形の掃除形態
が得られる。

縦置き形，ショルダー形及び背負子形のいずれの掃除形
態においても、最も重量のある掃除機本体が、本体ケー
スのヒンジ側にずれた位置に設けられているので、それ
ぞれの掃除形態が安定して保持されるとともに、蓋ケー
スの開閉動作を円滑に行うことができる。特に、ショル
ダー形及び背負子形の掃除形態のとき、万一、蓋ケース
と本体ケースとが開くようなことがあっても、ショルダ
ーバンドが取り付けられる本体ケース側に重量のある掃
除機本体があるので、静止している本体ケースに対して
蓋ケースが開くようになるにすぎず、静止している蓋ケ
ースに対して、重量のある掃除機本体を設けた本体ケー
スが開くような動作が生じないため、蓋ケースと本体ケ
ースのヒンジ部に無理な力が加わることがなく安全であ
る。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面を用いるところにより説
明する。掃除機本体１を付属部品とともに内蔵する鞄状
の収納ケース２は、蓋ケース３と掃除機本体１を固定す
る本体ケース４で構成され、上部にハンドル部５を一体
的に有し、その両側に蓋ケース３と本体ケース４を係合
させるクランプ６ａ，６ｂを、側面にホース７の出口と
なる吸気用開口８を有するとともに、ホース７の収納時
に吸気用開口８を閉じるホース蓋９を有しており、蓋ケ
ース３と本体ケース４とは下方のヒンジ部３８を介して
一体的に接続している。掃除機本体１は、本体ケース４
のヒンジ部３８側にずれた位置に、ねじ１１により着脱
自在に装着されている。ここで、本実施例では、ホース
蓋９を２品にて構成、すなわち、ホース蓋上側９ａとホ
ース蓋下側９ｂとで構成し、上下にスライドさせること
により吸気用開口８を開閉する形態としているが、ホー
ス蓋９を収納ケース２に対して回動自在に構成すること
により、吸気用開口８の開放時は収納ケース２内に収納
する形態とすることもできる。収納ケース２には上方両
端及び上方中央にショルダーバンド１０を取り付けるた
めの係合片１１を有している。この係合片は、ショルダ
ーバンド１０を使用しない場合は収納ケース２内へ収納
できるように収納ケース２に対して回動自在に取り付け
ている。第２図において、係合片１１を一点鎖線にて表
したのが、ショルダーバンド１０取付時の係合片１１の
位置である。また、収納ケース２の下方両端に同じくシ
ョルダーバンド１０を取り付けるための係合片１２を本
体ケース４に一体的に設けており、さらに下方片側には
電源コード１３の出口となるコード開口１４がある。係
合片１１及び係合部１２は、収納ケース２の本体ケース
４に設けており、ショルダーバンド１０は本体ケース４
に取り付く形態となっている。収納ケース２の内側に
は、掃除機本体１の上方に延長管１５ａ，１５ｂ及び隙
間用吸口１６を着脱自在に配設するとともに、その上に
ホース７を配置し、さらに、紙袋フィルタ１９のスペア
袋２０を収納している。ホース７は、曲り継手（延長管
側）１７と、曲り継手（本体側）１８を伸縮自在のホー
ス７の両端に接続した形で構成しており、収納時は縮め
て収納性をよくし、かつ、掃除時は伸ばして使用できる
ものである。また、曲り継手（本体側）１８は、掃除機
本体１に回動自在で、かつ、着脱自在に取り付けている
もので、掃除時と収納時に反転させて用いる形態となっ
ている。蓋ケース３には、床用吸口２１及び棚用吸口２
２を着脱容易に保持するとともに、電源コード１３とシ
ョルダーバンド１０の収納部となるポケット部２３を有
している。掃除機本体１は、内部に紙袋フィルタ１９を
有する集塵室２４と電動送風機２５を内蔵する電動送風
機室２６及び排気室２７がユニット化されたものであ
る。掃除機本体１の外郭と蓋ケース３とは、蓋ケース３
の閉蓋時に、至近対向するようにしてある。集塵室２４
には、集塵ケース蓋２８を有するとともに吸気用開口８
に面する位置に電源スイッチ２９及び紙袋フィルタ１９
の交換時期を知らせるダストメータ３０を設けている。
電動送風機室２６には、電源コード１３を取り付けるソ
ケット３１が設けられているとともに、電動送風機２５
からの排気を排気室２７へ導く円筒状の連通部３２が一
体に形成されている。ここで、電動送風機室２６に比べ
径小である連通部３２を構成しているので、開いた空間
にスペア袋１９を配置するなどして、収納ケース２の内
部容積を有効に活用できるとともに、電動送風機２５か
らの排気を連通部３２で圧縮し、排気室２７で膨張さ
せ、分散させて排気するため、圧縮膨張効果及び低速分
散排気効果により、騒音が低減している。

排気室２７の外郭は、第１図，第２図及び第４図に示す
ように、縦長の排気用開口３９に嵌合させている。そし
て、排気室２７の外郭は、排気用開口３９に沿う大きさ
としてある。

排気用開口３９及び吸気用開口８は、蓋ケース３と本体
ケース４との接合面の一部を凹ませることにより形成し
てある。

また、本実施例では、第５図から第８図に示すような形
態に容易に変換できる構成となっている。すなわち、第
５図は、縦置き形で比較的狭い範囲を掃除するのに適す
る。第６図は、床移動形で比較的広い範囲に渡り掃除す
るのに適する。移動のために、第８図に示すように収納
ケース２の一方の表側側面に出張りの少ないボール状の
キャスター３３を設けている。第７図は、ショルダー形
で前述の係合片１１を反転させて収納ケース２の外側に
配置し、ショルダーバンド１０の係止部３４を係止させ
て用いるもので、壁や机の上などを含めた比較的広い範
囲を掃除するのに適する。第８図は背負子形で、ショル
ダーバンド１０の係止部３４を１ケ遊ばせる形でショル
ダーバンド１０に全部で３ケ設け、収納ケース２の係止
部１２を、上方中央の係合片１１に係止部３４をそれぞ
れ係止させて用いるもので、比較的長い時間掃除する場
合で、ショルダー形では肩に負担がかかりすぎて使いづ
らいという場合に適する。ショルダーバンド１０は、第
９図に示すように、前述の如く両端に係止部３４ａがあ
る。さらに、１ケ係止部３４ｂがショルダーバンド１０
の中間に移動自在に位置している。また、肩への負担を
軽減するための肩当て部３５と、ショルダーバンド１０
の長さを調節するための調節部３６及び調節片３７を有
している。ここで係止部３４ｂは肩当て部３５の右側に
位置しているが、左側にあっても差し支えないものであ
る。

以上述べてきたところにより、本実施例によれば、手さ
げ形はもちろんのこと縦置き形，床移動形，ショルダー
形、そして背負子形と様々な使用形態で掃除でき、その
際に、掃除機本体１が本体ケース４のヒンジ部３８側に
ずれてねじ止めされているため、どの形態の場合でも位
置的に安定しており、安全でかつ取扱性が良好である。
すなわち、第１０図に示すように、収納ケース２の開閉
動作を行う場合に、内蔵物で重量が最も大きい掃除機本
体１がヒンジ側３８にずれて取り付けられているため、
安定している。また、第１１図と第１２図に示すよう
に、各使用形態において、掃除機本体１の位置が下側に
なるようになっており、安定しているため、安全で取扱
性がよい。ここで、第１２図に示す床移動形の場合は、
掃除機本体１のほぼ下側にキャスター３３が位置するた
め、安定するものである。さらに、第１４図に示すよう
に、ショルダー形や背負子形として使用時に、不意に蓋
ケース３が開いても掃除機本体１は本体ケース４に取り
付いているため、飛び出す恐れもなく、これにより、け
がをする恐れもないものである。また、第１４図に示す
ように掃除機本体１を構成する３つの室の位置を収納ケ
ース２とのバランスをとるために、収納ケース２の重心
と掃除機本体１の重心がほぼ一致するように決定してい
るので、ショルダー形や背負子形として使用する場合に
も、傾くことなく使用できる効果を有するものである。
ここで、掃除機本体１と収納ケース２との重心合わせ
は、連通路３２の長さを調整することにより容易に行え
るものである。

〔発明の効果〕

本発明によれば、次のような効果を奏し得るものであ
る。

(1) 掃除機本体の組立，他の付属応用部品の製造、及び
収納ケースの製造を、それぞれ分離して生産管理し、最
終工程で収納ケースに、各組立後部品を収納すればよ
く、それぞれ最適製造部署での生産可能化，最終工程で
の取りまとめ部品点数の低減等の、生産管理面及び経済
面で大幅な合理化が可能となる。

(2) 性能試験等の、品質管理面からも、各収納部品で行
うことができ、特に掃除機本体は、収納ケースに組込前
に品質確認できることから品質向上に大きな効果があ
る。

(3) 上記の如く、各部品は、完成までそれぞれに関係す
る最小関連部品のみを組立てればよく、組立性を大幅に
向上できる。

(4) 掃除機本体は、収納ケースにより保護されるので、
薄肉化，軽量化が可能となる。また外観意匠部品でない
ので、不要空間部や削除や有効利用も可能となり小型化
が可能となる。

(5) 掃除機本体は、組立体としてユニット化されている
ので、収納ケースの形状は、掃除機本体取り付けのため
に細部形状を制約されることなく、外観意匠形状を決定
できることから、自由度の大きな形状選択ができる。

(6) 収納ケースの形状の異なる機種への展開も、掃除機
本体を共通のユニットとして収納すればよく、収納ケー
スのみを設計すればよいことから、開発に要する労力は
大幅に軽減できる。

(7) 掃除機本体の排気室の外郭が収納ケースの排気用開
口に嵌合しており、その嵌合分、収納ケースの横長方向
の寸法が小さくなるとともに、蓋ケースの閉蓋時に、掃
除機本体と蓋ケースが至近対向しており、収納ケースの
厚さ寸法が小さくなるので、収納ケースが小型化され、
かつ、軽量化される。

(8) 付属部品を見栄えよく収納できるとともに、縦置き
形，床移動形，ショルダー形及び背負子形の、４つの掃
除形態を安全で、かつ取扱性よく行えるところの電気掃
力向が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示し蓋ケースを取り除いた
ホース収納状態を表わす正面図、第２図は、第１図のホ
ース使用状態を表わす正面図、第３図は、付属部品収納
状態での外観斜視図、第４図は、第３図の収納ケース開
放状態図、第５図から第８図は使用状態例で、第５図は
縦置き形斜視図、第６図は床移動形斜視図、第７図はシ
ョルダー形斜視図、第８図は背負子形斜視図を示す。第
９図は、ショルダーバンドの外観図、第１０図は、収納
ケースの開放動作説明図、第１１図は、第５図，第７
図，第８図における使用形態時の掃除機本体の位置を示
す説明図、第１２図は床移動形として使用する際の掃除
機本体の位置を示す説明図、第１３図は、背負子形及び
ショルダー形として使用する際の説明図、第１４図は第
１３図と同様に、背負子形及びショルダー形として使用
する際の説明図である。 １……掃除機本体、２……収納ケース、３……蓋ケー
ス、４……本体ケース、８……吸気用開口、１０……シ
ョルダーベルト、１１……係合片、１２……係止部、２
４……集塵室、２６……電動送風機室、２７……排気
室、３３……キャスター、３４……係止部、３８……ヒ
ンジ部、３９……排気開口。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実公 昭49−29404（ＪＰ，Ｙ１) 実公 昭47−10448（ＪＰ，Ｙ１) 実公 昭47−14375（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】集塵室，電動送風機室及び排気室をユニッ
   ト化してなる掃除機本体と、この掃除機本体及び掃除機
   付属品を収納する鞄状の収納ケースとを有し、 前記収納ケースは、前記掃除機本体を着脱可能に装着し
   てなる横長の本体ケースと、この本体ケースにヒンジに
   より開閉自在に結合され、かつ、前記本体ケースの開口
   を閉塞する蓋ケースとからなり、 前記本体ケースのヒンジ側に前記掃除機本体をずらして
   配設し、かつ、前記掃除機本体の外郭と前記蓋ケースと
   を、前記蓋ケースの閉蓋時に至近対向させるとともに、 前記収納ケースの一側面には、その側面の、前記蓋ケー
   スと前記本体ケースとの接合面の一部を凹ませて形成し
   てなる吸気用開口を設け、かつ、前記収納ケースの他側
   面には、その他側面の、前記蓋ケースと前記本体ケース
   との接合面の一部を凹ませて形成してなる縦長の排気用
   開口を設け、 前記排気室の外郭を前記排気用開口に沿う大きさとし、
   かつ、前記排気用開口に、前記排気室の外郭を嵌合さ
   せ、しかも、前記集塵室に連通するところの吸込ホース
   を、前記本体ケースの開口を前記蓋ケースでおおった状
   態で、前記吸気用開口から引き出し可能としてなる電気
   掃除機において、前記本体ケースの外側面に、小車輪と
   なるボール状の回動体を複数個設け、しかも、ショルダ
   ーバンドを取り付ける係合部を、前記本体ケースの外上
   面中央部と、前記本体ケースの外上面の両端近傍と、前
   記本体ケースの外下面の両端近傍とに設けてなる電気掃
   除機。