JPH06285864A - 型のベント構造及びベント部材 - Google Patents

型のベント構造及びベント部材

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JPH06285864A
JPH06285864A JP10504993A JP10504993A JPH06285864A JP H06285864 A JPH06285864 A JP H06285864A JP 10504993 A JP10504993 A JP 10504993A JP 10504993 A JP10504993 A JP 10504993A JP H06285864 A JPH06285864 A JP H06285864A
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Kiyomi Tatezawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 型の成形面にベント部材組込用の穴を容易に
後加工できるようにするとともに、ベント部材の目詰ま
りの洗浄を短時間で容易に行えるようにする。 【構成】 八つの円筒部材2a,…,2hが同軸状に重
ねられてなるベント部材1を、可動型22の成形面24
に設けた丸穴25に挿入するとともに、成形面24側か
ら取付用ボルト28により可動型22に取り付けた。円
筒部材2a,…,2hの一端部Aの外径を他端部Bの外
径より僅かに小さく形成したため、円筒部材2a,…,
2hの一端部Aの隣接相互間には僅かな隙間7が生成さ
れる。また、円筒部材2a,…,2hのそれぞれに貫設
した係止孔に、抜け止めピンを挿入した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、型による合成樹脂又は
ゴムの成形時に、型内(キャビティとコアとの間等)の
空気や揮発ガス等を型外へ排出するためのベント構造
と、同構造に使用するベント部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】型による樹脂又はゴムの成形の分野にお
いて、ウェルドラインや欠肉等の成形不良の発生は大き
な問題である。例えば、図7に示すような自動車用の樹
脂バンパー50を射出成形する場合、金型(図示略)に
樹脂を射出注入すると、キャビティ内の凹凸形状等の障
害により、樹脂の流れが同図に矢印で示すように二つに
分かれる。この二つの流れがぶつかり合う融合部分51
では、樹脂温度が低くなるため、樹脂が完全に融合しな
いことによるウェルドライン52が発生しやすい。ま
た、樹脂から発生する揮発ガスやキャビティ内の空気等
が樹脂により圧縮されて集まり、樹脂バンパー50に欠
肉53が発生することもある。これらの成形不良は一般
に目立ち、樹脂バンパー50は不良品となることが多
い。
【0003】上記問題を改善しようとして、樹脂の射出
圧力を上げて成形することが多く試みられるが、金型の
寿命が短くなるばかりで、ウェルドラインや欠肉等の対
策にはなりにくい。
【0004】そこで、成形品のウェルドラインや欠肉等
の発生部位に対応する金型の成形面の問題部位(例えば
前記融合部)にベント構造を設け、樹脂の流動速度を早
めることにより樹脂の融合性を高めてウェルドラインを
見えにくくしたり、ガス抜きをして欠肉を防止したりす
ることが行われている。従来のベント構造としては、次
のようなものが代表的である。
【0005】図8に示すように、金型55の成形面56
に丸穴57を加工し、この丸穴57に円柱状の多孔質焼
結ベント58を圧入して取り付けた構造。多孔質焼結ベ
ント58の網目状多孔を通してガス抜きが行われる。
【0006】図9に示すように、金型55の成形面56
に四角穴59を加工し、この四角穴59に平板61を重
ねてなる直方体形状の積層ベント60を挿入し、この積
層ベント60を金型55の裏側からボルト62で締め付
けて取り付けた構造。積層ベント60の平板61の隣接
相互間に生成される僅かな隙間を通してガス抜きが行わ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図8のベン
ト構造では、多孔質焼結ベント58の網目状多孔の目詰
まりが早期に起こり、ガス抜き寿命が非常に短いという
問題があった。この目詰まりを洗浄するには非常に時間
がかかり、成形作業に支障をきたすこともあった。ま
た、多孔質焼結ベント58を圧入していたため、取り付
け及び取り外しが困難で、その際の破損も多かった。そ
こで、現実には、目詰りした多孔質焼結ベント58を故
意に破損させて取り外し(つまり使い捨てとし)、新し
い多孔質焼結ベント58に交換することがほとんどであ
り、コストがかさんでいた。
【0008】また、図9のベント構造には次のような問
題があった。すなわち、金型は、設計段階でベント構造
も併せて設計し、製作段階でベント構造を同時に組み込
んでしまうのが一つの理想である。
【0009】しかし、設計段階において、ゲート位置、
肉厚、型温、表面粗さ、成形条件等の数多くの要件を計
算に入れて、樹脂の流れを完全に予測・コントロールす
ることは非常に難しく、従ってベント構造を設けるべき
金型の問題位置を決定することも非常に難しい。敢えて
このベント構造の設計と同時組み込みとを行おうとする
と、大変な時間とコストがかかり、また、それができる
金型製作業者は限られていた。また、成形業者において
は、一つの成形品(特に大型成形品は)にかかる樹脂の
量、コスト、時間等に大きなウエイトがおかれており、
金型のコストアップは歓迎されない。
【0010】そこで、現実には、ベント構造を組み込ま
ないで金型を製作した後、その金型を使用して試作成形
品を成形し、その試作成形品に現れたウェルドラインや
欠肉等の発生部位に対応する成形面56の問題部位に前
記四角穴59を後加工し、この四角穴59に積層ベント
60を埋め込んでいた。
【0011】ところが、この四角穴59の後加工は、丸
穴と異なり切削加工の適用が非常に難しいため、放電加
工等の手間のかかる方法により行なう必要があり、かな
りの時間とコストがかかっていた。また、積層ベント6
0自体は目詰まりの洗浄が容易であるが、この積層ベン
ト60は金型55の裏側からボルト62で締め付けられ
ていたため、洗浄時にはボルト62を外すために金型5
5を成形機(図示略)から取り外して分解しなければな
らず、結局は洗浄を安易に行うことができなかった。
【0012】大型重量物である金型55を取り外して分
解することや、積層ベント60を洗浄するたびに成形を
長時間中断することは、成形効率の面においても、労働
面においても大変効率の悪いものであった。
【0013】本発明の目的は、上記課題を解決し、型の
成形面にベント部材組込用の穴を容易に後加工すること
ができ、また、目詰まりが起こりにくいためガス抜き寿
命が長く、目詰まりが起こってもその洗浄を短時間で容
易に行うことができ、その洗浄により何回も繰り返して
使用することができ、成形効率の向上や型及びベント構
造のコストダウンが可能となるベント部材を提供するこ
とにある。
【0014】また、本発明の別の目的は、ベント部材を
成形面側から取り付け及び取り外しすることで、ベント
部材の洗浄をさらに短時間で容易に行えるようにでき、
また、型の取り外しや分解が不要になり、成形効率の向
上や労働負担の軽減が可能となるベント構造を提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の型のベント部材は、二以上の円筒部材が同
軸状に重ねられ、円筒部材の隣接相互間に僅かな隙間が
生成され、円筒部材の相対的抜けを止める抜け止め手段
が設けられてなる構成とした。
【0016】より具体的には、例えば、前記円筒部材の
一端部の外径が他端部の外径より僅かに小さく形成さ
れ、円筒部材の外周面の一端部と他端部との間に周溝が
設けられ、外周面の他端部に周溝を円筒部材の他端に連
通させる連通溝が設けられた構成とすることができる。
【0017】前記抜け止め手段としては、円筒部材のそ
れぞれに貫設された係止孔と、係止孔に挿入された抜け
止めピンとから構成されるものを例示できる。
【0018】また、本発明の型のベント構造は、二以上
の円筒部材が同軸状に重ねられ、円筒部材の隣接相互間
に僅かな隙間が生成され、円筒部材の相対的抜けを止め
る抜け止め手段が設けられてなるベント部材を、型の成
形面に設けた丸穴に挿入するとともに、成形面側から型
に取り付けてなる構成とした。
【0019】より具体的には、例えば、前記丸穴の底部
に雌ねじが刻設され、最内部に重ねられた円筒部材の内
周面に取付用ボルトを通し、該取付用ボルトを雌ねじに
螺着することにより、ベント部材を金型に取り付けた構
成とすることができる。
【0020】
【作用】本発明のベント部材によれば、形状が円筒形状
なので、金型に加工する組込用の穴は丸穴でよく、その
丸穴はたとえ後加工であっても、ドリル等を用いた切削
加工により短時間で容易に加工できる。また、円筒部材
の隣接相互間に生成された単純な隙間からガス抜きを行
うので、目詰まりが起こりにくく、ガス抜き寿命が長
い。また、目詰まりが起こっても、抜け止め手段を解除
して二以上の円筒部材を分解すれば、その洗浄を短時間
で容易に行うことができ、その洗浄により何回も繰り返
して使用することができる。また、抜け止め手段によ
り、成形時又はベント部材の取外時における円筒部材の
相対的抜けが防止される。
【0021】前記円筒部材の一端部の外径が他端部の外
径より僅かに小さく形成され、円筒部材の外周面の一端
部と他端部との間に周溝が設けられ、外周面の他端部に
周溝を円筒部材の他端に連通させる連通溝が設けられた
構成とすれば、一端部と隣接する円筒部材の内周面との
間には僅かな隙間が生成する。そして、他端部は芯出し
作用を奏し、前記隙間の偏りを防止して一定にする。こ
のため、隙間の一部が大きくなり過ぎて樹脂漏れを起こ
す、というような心配がない。また、隙間を通ったガス
は、さらに周溝及び連通溝を通って円筒部材の他端へス
ムーズに流れる。
【0022】前記抜け止め手段として、円筒部材のそれ
ぞれに貫設された係止孔と、係止孔に挿入された抜け止
めピンとから構成されるもの使用すれば、円筒部材の相
対的抜けを止めるとともに、円筒部材の相対的回転をも
止めることができる。
【0023】また、本発明のベント構造によれば、ベン
ト部材を、型の成形面に設けた丸穴に挿入するととも
に、成形面側から型に取り付けているので、金型を成形
機から取り外したり分解したりしなくても、ベント部材
のみを容易に取り外して短時間に洗浄することができ
る。このため、成形の中断を最少限に抑えられ、成形効
率の向上と労働負担の軽減を図ることができる。
【0024】前記丸穴の底部に雌ねじが刻設され、最内
部に重ねられた円筒部材の内周面に取付用ボルトを通
し、該取付用ボルトを雌ねじに螺着することにより、ベ
ント部材を金型に取り付けた構成とすれば、ベント部材
の取り付け及び取り外しを最も簡単な構成で行うことが
できる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を図5に示すような自動車用樹
脂バンパー15を射出成形するための金型のベント構造
及びベント部材に具体化した実施例について、図1〜図
6を参照して説明する。
【0026】まず、本実施例のベント部材1は、図2〜
図4に示すように、八つの円筒部材2a,2b,2c,
2d,2e,2f,2g,2hが同軸状に重ねられてな
るものである。
【0027】最内部に重ねられた円筒部材2aは、高さ
20mm、内径5mmであり、さらにその内周面には雌
ねじ3が刻設され、該内周面には後述する取付用ボルト
28を螺合することなく通せる一方、該雌ねじ3には後
述する取外用ボルト30を螺合できるようになってい
る。また、その内周面の一端部(図において上側)には
取付用ボルト28の頭部が入り込む凹所4が設けられて
いる。
【0028】円筒部材2aの外径は部位によって異な
り、図において下側に現れる他端部Bでは10mm[+
0mm,−0.008mm](括弧内の許容誤差を加算
した値を示す。以下同じ。)であるが、図において上側
に現れる一端部Aではそれより僅かに小さい10mm
[−0.016mm,−0.027mm]である。ま
た、円筒部材2aの外周面の一端部Aと他端部Bとの間
には周溝5が設けられ、その幅は2mm、深さは0.7
mmである。同外周面の他端部Bには、周溝5を円筒部
材2aの他端へ連通させる連通溝6が軸平行方向に設け
られている。
【0029】最内部から2番目に重ねられた円筒部材2
bは、高さ20mm、内径10mm[+0.006m
m,+0.014mm]で一定であり、従って、前記最
内部の円筒部材2aの外径に対し、他端部Bとは0.0
09〜0.01mm程度の微小な差で緊密に嵌合し、一
端部Aとの間には0.02〜0.03mm程度の僅かな
隙間7が生成するようになっている。この隙間7は、図
2に示すように、一端部Aの端面において平面環状に一
定に現われる。つまり、他端部Bには芯出し作用があ
り、隙間7の偏りを防止して一定にする。このため、隙
間7の一部が大きくなり過ぎて樹脂漏れを起こすという
ような心配はない。
【0030】円筒部材2bの外径は部位によって異な
り、他端部Bでは13mm[+0mm,−0.008m
m]であるが、一端部Aではそれより僅かに小さい13
mm[−0.016mm,−0.027mm]である。
また、前記円筒部材2aと同様に、円筒部材2bの外周
面には周溝5と連通溝6とが設けられている。
【0031】最内部から3番目以降に重ねられた円筒部
材2c,2d,2e,2f,2g,2hは、それぞれの
内径及び外径が、前記円筒部材2bに対し内側から順に
3mmずつ大きくなる(従って、円筒部材2bの外径は
他端部Bで31mm[+0mm,−0.008mm]、
一端部Aで31mm[−0.016mm,−0.027
mm]である。)ことを除いて、円筒部材2bと同様に
構成されている。すなわち、円筒部材2c,…,2hに
は周溝5と連通溝6とが設けられ、円筒部材2b,…2
hの一端部Aにおける隣接相互間には0.02〜0.0
3mm程度の僅かな隙間7が生成される。
【0032】各円筒部材2a,…2hの一端部Aの縁部
は面取りされていないが、他端部Bの縁部は面取りされ
ている。従って、これらの面取りは、図3及び図4に示
すように、他端部Bの端面に複数本の環状溝8を形成し
ており、これらの環状溝8に各連通溝6の下端が連通し
ている。また、他端部Bの端面であって連通溝6とは1
80度離れた部位には、一本の集合溝9が軸直角方向に
設けられ、この集合溝9に各環状溝8が連通している。
従って、隙間7→周溝5→連通溝6→環状溝8→集合溝
9の順に流れるガス流路が形成されている。
【0033】また、各円筒部材2a,…2hの他端部B
の周壁であって180度離れた2箇所には係止孔10が
貫設され、該係止孔10が軸直角方向に連通された状態
で、該係止孔10には2本の抜け止めピン11が挿入さ
れている。これらの係止孔10及び抜け止めピン11
は、円筒部材2a,…,2hの相対的抜けを止める抜け
止め手段であるとともに、円筒部材2a,…,2hの相
対的回転を止める回り止め手段でもある。この回り止め
により、集合溝9のずれが防止される。
【0034】以上のように構成されたベント部材1は、
図1に示すように、射出成形用金型20に組込まれてベ
ント構造を構成する。金型20は上側の固定型21と下
側の可動型22とからなり、成形機(図示略)に取り付
けられている。図1は、図5に示す樹脂バンパー15の
融合部分16を成形する金型20の部分断面を示してい
る。融合部分16を成形するキャビティ23に面した可
動型22の成形面24には、内径約31mm、深さ約2
0mmの丸穴25が加工されている。また、丸穴25の
底部中心には雌ねじ26が刻設され、丸穴25の底部外
縁には排出路27が貫設され、排出路27の内端は丸穴
25に開口し、外端は金型20外に開口している。
【0035】なお、この金型20は、ベント構造を組込
まないで製作した後、試作成形品を成形し、その試作成
形品に現れたウェルドラインや欠肉等の発生部位に対応
する金型の問題部位に丸穴25を後加工したものであ
る。その丸穴25は、形状が丸であることから、ドリル
等を用いた切削加工により短時間で容易に加工されてい
る。従って、従来の四角穴の加工に比べて、加工に要す
る時間、手間、コスト等を低減することができる。
【0036】丸穴25には前記ベント部材1がその他端
部B側から挿入され、一端部Aの端面は成形面24と略
面一になっている。そして、成形面24側から最内部の
円筒部材2aの内周面に取付用ボルト28が通され、該
取付用ボルト28が前記雌ねじ26に螺着されることに
より、ベント部材1が可動型22に取り付けられてい
る。なお、取付用ボルト28の頭部29は円筒部材2a
の凹所4に入り込んで一端部Aの端面と略面一になって
いる。
【0037】以上のように構成されたベント部材1及び
ベント構造は、次のような作用を奏する。型閉じした金
型20に樹脂を射出注入すると、キャビティ23内の凹
凸形状等の障害により、樹脂の流れが、図5の樹脂バン
パー15中に矢印で示すように二つに分かれる。この二
つの流れがぶつかり合う融合部分16では、一般に樹脂
温度が低くなるとともに、樹脂から発生する揮発ガスや
キャビティ23内の空気等が樹脂により圧縮されて集ま
りやすい。
【0038】しかし、本実施例では、融合部分16の対
応部位にベント部材1が設けられており、前記揮発ガス
や圧縮空気等は、ベント部材1の隙間7→周溝5→連通
溝6→環状溝8→集合溝9の順のガス流路を経て、排出
路27から型外へスムーズに排出される。そのため、キ
ャビティ23内における樹脂の流動速度が早くなり、樹
脂温度の低下が緩和されて樹脂が十分に融合し、ウェル
ドラインを防止又は見えにくくすることができる。ま
た、前記揮発ガスや圧縮空気等による欠肉の発生も防止
でき、不良品の発生率を低減できる。
【0039】また、ベント部材1は平面環状の単純で一
定した隙間7を有しており、従来の複雑な網目状多孔を
有した多孔質焼結ベントと比べて、目詰まりが起こりに
くいため、ガス抜き寿命が長い。
【0040】また、長時間の使用によりベント部材1に
目詰まりが起こり、その洗浄をしたいときには、成形機
に取り付いた状態の金型20を単に型開きして、成形面
24側から取付用ボルト28を緩めて外し、それに代え
て、図6に示すように取外用ボルト30を円筒部材2a
の雌ねじ3に螺合して把持し、ベント部材1を丸穴25
から引き抜いて取り外す。そして、係止孔10から抜け
止めピン11を抜き、各円筒部材2a,…,2hを互い
に抜き外して分解すれば、隙間7、周溝5、連通溝6、
環状溝8、集合溝9等の各部を短時間で容易に洗浄する
ことができる。洗浄後のベント部材1は、組み立て直し
て何回も繰り返し使用することができる。なお、抜け止
めピン11は、成形時又はベント部材1の取外時におけ
る円筒部材2a,…,2hの相対的抜けを防止する。
【0041】このように、本実施例によれば、ベント部
材1が可動型22の成形面24側から取り付けられてい
るため、金型20を取り外したり分解したりしなくて
も、ベント部材1のみを容易に取り外して短時間に洗浄
することができる。このため、成形の中断を最少限に抑
えられ、成形効率の向上と労働負担の軽減を図ることが
できる。なお、ベント部材1を取り外した後、直ちに、
スペアのベント部材1を取り付ければ、成形の中断をさ
らに短縮することができる。
【0042】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適
宜変更して具体化することもできる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1記載のベン
ト部材によれば、型の成形面にベント部材組込用の穴を
容易に後加工することができ、また、目詰まりが起こり
にくいためガス抜き寿命が長く、目詰まりが起こっても
その洗浄を短時間で容易に行うことができ、その洗浄に
より何回も繰り返して使用することができ、成形効率の
向上や型及びベント構造のコストダウンが可能となる。
【0044】さらに、請求項2記載のベント部材によれ
ば、隙間の偏りを防止して一定にし、樹脂漏れを防止す
ることができるとともに、ガス抜きをスムーズに行うこ
とができる。
【0045】また、請求項3記載のベント部材によれ
ば、円筒部材の相対的抜けと相対的回転とを止めること
ができる。
【0046】次に、請求項4記載のベント構造によれ
ば、ベント部材を成形面側から取り付け及び取り外しす
ることで、ベント部材の洗浄をさらに短時間で容易に行
えるようにでき、また、型の取り外しや分解が不要にな
り、成形効率の向上や労働負担の軽減が可能となる。
【0047】さらに、請求項5記載のベント構造によれ
ば、ベント部材の取り付け及び取り外しを最も簡単な構
成で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を射出成形用金型のベント構造に具体化
した実施例の要部断面図である。
【図2】同ベント構造に使用するベント部材を一部分解
して示す斜視図である。
【図3】同ベント部材の底面図である。
【図4】同ベント部材の拡大断面図である。
【図5】同金型により成形した自動車用樹脂バンパーの
斜視図である。
【図6】同金型からのベント部材を取り外すときの断面
図である。
【図7】従来の欠陥を含む樹脂バンパーの斜視図であ
る。
【図8】従来のベント構造の要部断面図である。
【図9】従来の別のベント構造の要部断面図である。
【符号の説明】
1 ベント部材 2a〜2h 円
筒部材 5 周溝 6 連通溝 7 隙間 10 係止孔 11 抜け止めピン 20 金型 22 可動型 24 成形面 25 丸穴 26 雌ねじ 28 取付用ボルト 30 取外用ボ
ルト A 一端部 B 他端部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二以上の円筒部材が同軸状に重ねられ、
    前記円筒部材の隣接相互間に僅かな隙間が生成され、前
    記円筒部材の相対的抜けを止める抜け止め手段が設けら
    れてなる型のベント部材。
  2. 【請求項2】 前記円筒部材の一端部の外径が他端部の
    外径より僅かに小さく形成され、前記円筒部材の外周面
    の一端部と他端部との間に周溝が設けられ、前記外周面
    の他端部に前記周溝を前記円筒部材の他端に連通させる
    連通溝が設けられた請求項1記載の型のベント部材。
  3. 【請求項3】 前記抜け止め手段は、前記円筒部材のそ
    れぞれに貫設された係止孔と、前記係止孔に挿入された
    抜け止めピンとから構成される請求項1記載の型のベン
    ト部材。
  4. 【請求項4】 二以上の円筒部材が同軸状に重ねられ、
    前記円筒部材の隣接相互間に僅かな隙間が生成され、前
    記円筒部材の相対的抜けを止める抜け止め手段が設けら
    れてなるベント部材を、型の成形面に設けられた丸穴に
    挿入するとともに、前記成形面側から前記型に取り付け
    てなる型のベント構造。
  5. 【請求項5】 前記丸穴の底部中心に雌ねじが刻設さ
    れ、最内部に重ねられた前記円筒部材の内周面に取付用
    ボルトを通し、該取付用ボルトを前記雌ねじに螺着する
    ことにより、前記ベント部材を前記型に取り付けた請求
    項4記載の型のベント構造。
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