JPH06285479A - 浄水剤および浄水方法 - Google Patents

浄水剤および浄水方法

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JPH06285479A
JPH06285479A JP15061492A JP15061492A JPH06285479A JP H06285479 A JPH06285479 A JP H06285479A JP 15061492 A JP15061492 A JP 15061492A JP 15061492 A JP15061492 A JP 15061492A JP H06285479 A JPH06285479 A JP H06285479A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 残留塩素の簡便迅速除去とともにpH変動抑
制および高耐久性を可能にした一般家庭飲料用水の浄水
剤および浄水方法を提供する。 【構成】 天然珊瑚石、珊瑚化石、石灰石などの炭酸カ
ルシウムを主成分とする多孔質体と、粘土鉱物と(さら
に所望の場合には石膏もしくはゼオライトと)の湿式混
合粉砕物を、成形加工工程、乾燥工程を経て焼成(75
0〜1050℃)することによりアルカリ成分の徐放剤
を形成し、該アルカリ成分徐放剤と亜硫酸カルシウムと
(さらに所望の場合には永久磁石と)を組み合わせるこ
とにより、亜硫酸カルシウムの残留塩素高処理能力およ
び安価という利点を保持しつつ、残留塩素の簡便迅速除
去とともにpH変動抑制および高耐久性を可能にし、一
般家庭においても安定した品質のおいしい飲料用水が恒
常的に入手できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遊離塩素を含有する
水、特に塩素殺菌された飲料用水の浄水剤および浄水方
法に関し、さらに詳細には、炭酸カルシウムを主成分と
する多孔質体と、粘土鉱物と(さらに所望の場合には石
膏もしくはゼオライトと)を混合して焼成することによ
りアルカリ成分の徐放剤(セラミック)を形成し、該ア
ルカリ成分徐放剤と、遊離塩素を還元除去する亜硫酸塩
とを組み合わせることにより、残留塩素の簡便除去とと
もにpH調整および高耐久性を可能にした一般家庭飲料
用水の浄水剤および浄水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】物質文明の進展や消費者ニーズの多様化
とともに産業構造は変遷し、多品種少量生産が浸透して
多種多様の化学物質が庶民生活全般にわたって氾濫して
いる。
【0003】このため、化学工業をはじめとした製造業
における工業排水のみならず、生活雑排水においても必
然的に化学物質含有量が大きくなり、地下水や河川・湖
沼の汚染が深刻になっている。
【0004】したがって、庶民生活ひいては人間の生命
活動に必須の飲料水に、前記化学物質が混入するととも
に該化学物質を栄養源とした微生物が繁殖する危険性が
高くなり、水質汚濁防止法や水道六法、化審法などの法
的規制によって化学物質や微生物による飲料水汚染の防
止が図られている。
【0005】その飲料水汚染防止の一環として、浄水場
においては、そこから配水される一般家庭末端水道水で
の残留塩素濃度が0.1ppm以上となるように塩素投
入をすることが行われており、これにより各家庭で使用
する水道水の微生物汚染防止ひいては伝染病防止が図ら
れている。
【0006】一方、一般家庭の食生活の多様化とグルメ
志向により、カルキ臭のないおいしい水が飲料水として
要望され、ミネラルウォーターやナチュラルウォータ
ー、名水等の商品としての水の市場が拡大するととも
に、水道水中のカルキ臭を除去する浄水器等の需要が増
大している。
【0007】この浄水器の需要増大は、前記浄水場での
塩素殺菌により発ガン性物質のトリハロメタンや有害な
有機塩素化合物が生成することが確認されたことにより
一層拍車がかかっているのが現状である。
【0008】現在、水道水や飲料水中の前記残留塩素を
除去するために、以下に記すような吸着剤、化学的分解
剤などが浄水器や浄水装置に使用されており、また、浄
水用に開発されている。
【0009】活性炭は、炭素を主成分とした、大きな比
表面積を有する多孔質体であり、その表面にある水酸基
やカルボニル基などの極性基により、無機イオンや有機
酸などの極性化学物質を主として物理吸着するものであ
る。
【0010】また、その汎用性故に、一般家庭から工業
的規模にいたるまで広範囲に渡って使用されている。
【0011】イオン交換樹脂は、イオン交換樹脂の表面
に保持されているイオンを水道水中のイオンと交換する
所謂イオン交換能により水道水中の残留塩素(次亜塩素
酸イオン)を除去するもので、水の軟化・脱塩や精製に
広く使用されているものである。
【0012】亜硫酸カルシウムは、その還元性を利用し
て残留塩素を分解するものである。また、亜硫酸カルシ
ウムは残留塩素と速やかに反応するため、除去に要する
時間が極めて短く、また、酸化されて消費されていって
も亜硫酸カルシウム製剤が残っている限り効果は持続
し、安価なことと単位量あたりの処理水量が大きいとい
う種々の利点を有する。適宜、取扱い易さの向上と有効
成分の徐放性の付与のためエチルセルロース等を用いて
錠剤に成型されて浄水器に応用されている。なお、この
ことは、特開昭54ー105844に開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の浄水剤や浄水方法においては、以下に記すような様
々な問題点があった。
【0014】すなわち、残留塩素の除去において、活性
炭を使用すると除去効率の低下が著しく早く、また、活
性炭が吸着した有機物を栄養源として微生物が繁殖し、
浄化どころかかえって水が汚染されてしまうという問題
点があった。
【0015】また、イオン交換樹脂は、次亜塩素酸イオ
ンの交換能率が低くて除去に時間を要するとともに高価
であるという問題点があり、特にこのことは一般家庭で
の使用においては顕著であった。
【0016】また、亜硫酸カルシウムは前記したような
種々の利点を有するが、亜硫酸カルシウムと残留塩素と
の反応により処理後の水が酸性化してしまうという問題
点があり、特に夏の暑い季節においては大量の塩素投入
が浄水場で行われるため残留塩素濃度が高くなり(一般
家庭の水道水で10ppm以上になることもしばしばで
ある。)処理後の酸性度が極端に高くなってしまって飲
料に適さないほどになるという問題点があった。
【0017】このため、残留塩素濃度の大幅な変動を伴
う場合すなわち一般家庭における浄水器の浄水剤として
亜硫酸カルシウムを使用した場合には、処理水のpHの
変動が大きくなって安定した品質の飲料水が得られない
とともに場合によっては衛生・健康上好ましくないもの
となり、浄水剤本来の目的が損なわれる危険性が大きい
という問題点があった。
【0018】また、前記したような問題点のため、亜硫
酸カルシウムは前記他の浄水剤にはない優れた利点を有
するにもかかわらず、一般家庭での浄水剤としての使用
は制約が伴い広く普及していないのが現状であった。
【0019】そのため、亜硫酸カルシウムの有する残留
塩素高処理能力かつ安価という利点を保持しつつ、被処
理水の残留塩素濃度変動による処理水のpH変動をなく
して衛生的で安定した品質の飲料水が一般家庭において
も恒常的に入手できるような浄水剤の出現が待ち望まれ
ていた。
【0020】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、炭酸カルシウムを主成分とする多孔質体と、粘
土鉱物と(さらに所望の場合には石膏もしくはゼオライ
トと)を混合して焼成することによりアルカリ成分の徐
放剤を形成し、該アルカリ成分徐放剤(セラミック)と
亜硫酸カルシウムとを組み合わせることにより、亜硫酸
カルシウムの前記利点を保持しつつ、残留塩素の簡便迅
速除去とともにpH変動抑制および高耐久性を可能にし
た一般家庭飲料用水の浄水剤および浄水方法を提供する
ものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明は、 (1) 炭酸カルシウムを主成分とする多孔質体と、粘
土鉱物とを含有する混合物を焼成してなるセラミック。
【0022】(2) 炭酸カルシウムを主成分とする多
孔質体と、石膏もしくはゼオライトと、粘土鉱物と、を
含有する混合物を焼成してなるセラミック。
【0023】(3) 炭酸カルシウムを主成分とする多
孔質体が50〜80重量%、粘土鉱物が20〜50重量
%であることを特徴とする(1)記載のセラミック。
【0024】(4) 炭酸カルシウムを主成分とする多
孔質体が30〜70重量%、石膏もしくはゼオライトが
10〜35重量%、粘土鉱物が10〜50重量%である
ことを特徴とする(2)記載のセラミック。
【0025】(5) 750〜1050℃で焼成したこ
とを特徴とする(1)ないし(4)記載のセラミック。
【0026】(6) (1)ないし(5)のいずれかに
記載されたセラミックと、亜硫酸塩と、を含有すること
を特徴とする浄水剤。
【0027】(7) (6)記載の浄水剤と永久磁石を
充填せしめたことを特徴とする浄水器。
【0028】(8) 遊離塩素を含有する被処理水を
(6)記載の浄水剤に接触させることを特徴とする浄水
方法。
【0029】すなわち、本発明は、天然珊瑚石、珊瑚化
石、石灰石などの炭酸カルシウムを主成分とする多孔質
体と、粘土鉱物(カオリン系もしくはモンモリロナイト
系など)と(さらに所望の場合には石膏もしくはゼオラ
イトと)の湿式混合粉砕物を、成形加工工程、乾燥工程
を経て焼成することによりアルカリ成分の徐放剤を形成
し、該アルカリ成分徐放剤と亜硫酸カルシウムとを組み
合わせることにより、亜硫酸カルシウムの前記利点を保
持しつつ、残留塩素の簡便迅速除去とともにpH変動抑
制および高耐久性を可能にした一般家庭飲料用水の浄水
剤および浄水方法を提供し、上記課題を達成するもので
ある。
【0030】
【実施例】以下本発明を実施例によって更に具体的に説
明する。
【0031】まず最初に、アルカリ成分の徐放剤(セラ
ミック)の製造・調製法についての実施例を示す。
【0032】実施例1 天然珊瑚石6.5kgと、カオリン系粘土鉱物3.5k
gと、を湿式混合して粉砕し、粗粒を細粒とするととも
に粘土状にする。
【0033】つぎに、これを押し出し成形機により、略
円筒状(底面直径1.5mm、高さ4mm)に成形加工
した。
【0034】さらに、乾燥後、830℃で焼成し、アル
カリ成分の徐放剤(セラミック)を得た。
【0035】実施例2 あらかじめ炭酸ガス放出の熱処理を施した天然珊瑚石7
kgと、モンモリロナイト系粘土鉱物3kgと、を湿式
混合して粉砕し、粗粒を細粒とするとともに粘土状にす
る。
【0036】つぎに、これを押し出し成形機により、略
円筒状(底面直径1.5mm、高さ4mm)に成形加工
した。
【0037】さらに、乾燥後、870℃で焼成し、アル
カリ成分の徐放剤(セラミック)を得た。
【0038】実施例3 あらかじめ炭酸ガス放出の熱処理を施した珊瑚化石6k
gと、カオリン系粘土鉱物4kgと、を湿式混合して粉
砕し、粗粒を細粒とするとともに粘土状にする。
【0039】つぎに、これを押し出し成形機により、略
円筒状(底面直径1.5mm、高さ4mm)に成形加工
した。
【0040】さらに、乾燥後、900℃で焼成し、アル
カリ成分の徐放剤(セラミック)を得た。
【0041】実施例4 天然珊瑚石10kgと、石膏4.5kgと、カオリン系
粘土鉱物7kgと、を湿式混合して粉砕し、粗粒を細粒
とするとともに粘土状にする。
【0042】つぎに、これを押し出し成形機により、略
円筒状(底面直径1.5mm、高さ4mm)に成形加工
した。
【0043】さらに、乾燥後、830℃で焼成し、アル
カリ成分の徐放剤(セラミック)を得た。
【0044】実施例5 あらかじめ炭酸ガス放出の熱処理を施した天然珊瑚石3
0kgと、ゼオライト13kgと、モンモリロナイト系
粘土鉱物15kgと、を湿式混合して粉砕し、粗粒を細
粒とするとともに粘土状にする。
【0045】つぎに、これを押し出し成形機により、略
円筒状(底面直径2mm、高さ5mm)に成形加工し
た。
【0046】さらに、乾燥後、900℃で焼成し、アル
カリ成分の徐放剤(セラミック)を得た。
【0047】実施例6 あらかじめ炭酸ガス放出の熱処理を施した珊瑚化石10
kgと、石膏5kgと、モンモリロナイト系粘土鉱物7
kgと、を湿式混合して粉砕し、粗粒を細粒とするとと
もに粘土状にする。
【0048】つぎに、これを押し出し成形機により、略
円筒状(底面直径2mm、高さ5mm)に成形加工し
た。
【0049】さらに、乾燥後、850℃で焼成し、アル
カリ成分の徐放剤(セラミック)を得た。
【0050】つぎに、実施例1ないし実施例6で得られ
たセラミック及び天然珊瑚石の性質試験結果を表1に示
す。該試験は、1Lビーカーに各試料50gをとり、そ
れに蒸留水1Lを静かに注ぎ込み静置したときのpHの
経時変化を測定したものである。
【0051】
【表1】
【0052】また、実施例5で得られたセラミック試料
10gを蒸留水100mL中に入れ、よく撹拌し分散さ
せて30分間放置したあとの上澄み液のpH及び電気伝
導度を測定したところ、pHは10.11であり、電気
伝導度は285(μS/cm)であった。
【0053】これらの測定結果より、本発明のセラミッ
クがアルカリ成分の徐放性を有することが明らかにされ
た。
【0054】なお、本発明のセラミックの製造・調製に
おいて、焼成温度を1050℃以上とした場合にはセラ
ミックがコンクリート化してしまってアルカリ成分の徐
放性が小さくなり、また、750℃以下で焼成すると水
中で各成形個体が接着融合してしまったり、細かい粒子
が水中に浮遊する現象がみられるため、焼成温度は75
0℃〜1050℃の範囲が好ましい。
【0055】つぎに、上記実施例において得られたセラ
ミックを、亜硫酸カルシウムと組み合わせて使用する場
合の使用方法、使用状況を説明する。
【0056】まず、粉状の亜硫酸カルシウムを特開昭5
4ー105844に記載されているように取扱いの容易
さと長期使用を可能にするため粒状の徐放製剤とする。
【0057】つぎに、この亜硫酸カルシウム徐放製剤2
0と、上記実施例のセラミック18とを混合して混合製
剤とし、図1の分解斜視図に従って下記のように浄水器
を構成する。
【0058】まず、底面に孔を設けた混合製剤容器14
の底に該底面よりやや大きいスポンジ16を敷き、該混
合製剤容器14に前記混合製剤を充満してその上にスポ
ンジ22を載せ、孔を設けた蓋24をする。
【0059】つぎに、合成樹脂フィルター12を底部に
敷いた本体容器10に、前記混合製剤容器14を挿入し
て本体蓋26を閉めて浄水器とする。
【0060】この浄水器は、図2のように本体蓋26の
ゴム製部分28に水道蛇口30を差し込むことにより取
り付けられ使用される。
【0061】つぎに、この浄水器を用いて残留塩素濃度
除去及びpH安定性試験をした結果を表2に示す。この
試験は、夏の暑いときに塩素投入量が増え、一般家庭末
端における残留塩素濃度が10ppm程度に上昇するこ
とがあることを想定して行ったもので、浄水器に一定流
速で被処理液を流したときの処理前と処理後の残留塩素
濃度およびpHを測定したものである。
【0062】本試験においては、前記実施例5で得られ
たセラミック50gと亜硫酸カルシウム徐放製剤50g
で混合製剤を調製し、前記混合製剤容器14に充填し
た。また、比較対照として、亜硫酸カルシウム徐放製剤
50gを前記混合製剤容器14に充填したものを使用し
た。
【0063】なお、残留塩素濃度は、オルトトリジン比
色法を用いて測定し、pHはガラス電極法を用いて測定
した。
【0064】
【表2】
【0065】この表2から、本発明のセラミックと亜硫
酸カルシウムを組み合わせることにより、亜硫酸カルシ
ウムの残留塩素分解による水の酸性化が防止され、pH
変動が抑えられることが明らかにされた。
【0066】また、前記試験に使用した本発明の浄水器
で1日あたり200Lの水道水を処理した場合、210
日間に渡って残留塩素除去効果とpH変動抑制効果が維
持され、長期にわたる使用が可能であるとともに、亜硫
酸カルシウムの有する単位量あたりの処理水量が大きい
という利点が保持されていることが確認された。
【0067】このことは、市販の活性炭を使用した浄水
器が、1日あたり20Lの水道水の処理で3カ月しか残
留塩素除去効果が持続しないことを考慮すれば、本発明
の浄水器が優れたものであることは歴然である。
【0068】また、本発明の浄水器は、6カ月間不使用
であっても、残留塩素除去効果とpH変動抑制効果の減
少はみられなかった。
【0069】なお、残留塩素除去効果とpH変動抑制効
果が減少した場合は、混合製剤容器14の蓋24を開け
て、亜硫酸カルシウム徐放製剤20を再び充填し、ま
た、セラミックは新しいものと交換するかもしくは使用
済セラミックの表面を削り落としたものを充填すれば、
再び浄水器として使用することができる。
【0070】また、前記実施例で得られたセラミックの
うち、実施例4〜実施例6で得られたセラミックすなわ
ち石膏もしくはゼオライト(吸着媒体)を使用した場合
においては、無機イオンの吸着性能が増しているため、
人体に有害な重金属イオンたとえばCr3+やPb2+など
の吸着がなされ、水道水浄化の目的に一層適したものと
なる。
【0071】つぎに、上記実施例において得られたセラ
ミックを、亜硫酸カルシウムおよび永久磁石とを組み合
わせて使用する場合の使用方法、使用状況を説明する。
【0072】この場合の浄水器は、セラミックと亜硫酸
カルシウムとの組み合わせにおける浄水器と同要領で組
み立てるのであるが、混合製剤容器14中に永久磁石を
挿入するという条件が付加されている。
【0073】本発明においては、1200Gのドーナツ
型永久磁石(浄水器からの水の流出が悪くならない大き
さ及び内輪径)を混合製剤中に埋没させて使用した。
【0074】この永久磁石は、水道水の水分子集団(ク
ラスター)を小さくするという働きを有するものであ
り、これにより、おいしい水に要求される(1)カルキ
臭がないこと(2)水分子集団(クラスター)が小さい
こと(3)弱アルカリ性(ミネラル成分が多い)という
三条件がすべて満たされた飲料水が、水道水を用いて簡
便にかつ一般家庭において入手可能となった。
【0075】もちろん、本発明の浄水器においては炭酸
カルシウムを主成分とする多孔質体を使用しているので
Ca成分の溶出がみられ、慢性的にCaが不足している
日本人の成人病予防に一役買うことができるものであ
る。
【0076】以上実施例に基づいて本発明を説明してき
たが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0077】例えば、本発明に係るセラミックの製造・
調製に使用する粘土鉱物は、カオリン系やモンモリロナ
イト系に限定されず、粘着性があって成形に適する可塑
性原料となるものであればよい。
【0078】また、本発明に係わるセラミックの形状
も、略円筒状に限定されるものではなく、球状でも平板
状でもなんら差し支えないことはいうまでもない。
【0079】また、上記実施例で使用した亜硫酸カルシ
ウムの代替として、還元力を有する他の亜硫酸塩を使用
することもできる。
【0080】また、本発明に係るセラミックと亜硫酸カ
ルシウムの使用量は、等量である必要はなく、残留塩素
濃度の変動幅や水温等によって適宜変えることができる
ものであって、また、浄水器を継続して使用していれば
亜硫酸カルシウムは消費されていくので、その比は常に
変動していくものである。さらには、該セラミックと亜
硫酸カルシウムは、混合製剤とする必要もなく、容器内
の下層にセラミック、上層に亜硫酸カルシウムといった
具合にもすることができ、各別に充填容器を使用しても
よい。すなわち、どちらで先に処理をするかはなんら問
題とならないものである。
【0081】また、本発明で使用した永久磁石も、12
00Gに限定されるものではなく、水のクラスターを小
さくする磁気効果が発揮されるものであればよいのであ
って、使用個数も1個に限定されず複数使用しても差し
支えないものである。さらには、設置場所も混合製剤中
に埋没させる必要はなく、水の磁気処理がされるところ
則ち磁力線が水に作用するところに設置すればよいもの
である。
【0082】また、本発明を浄水器に使用する場合にお
ける該浄水器の形状・構造等は、図に示されるようなも
のに限定されるわけではなく、本発明に係るセラミック
のアルカリ成分徐放効果と亜硫酸カルシウムの残留塩素
除去効果が適切に発揮されるものであればよい。
【0083】さらに、本発明のセラミック、浄水剤およ
び浄水方法は、一般家庭水道水の浄化に限定されて使用
されるものではなく、工業用水等の浄化にも使用するこ
とができるものである。
【0084】
【発明の効果】本発明に係わるセラミック、浄水剤およ
び浄水方法は、上記のように構成されているので、以下
に記載するような効果を有する。
【0085】(1)本発明に係わるセラミックは、豊富
かつ安価に入手できる、炭酸カルシウムを主成分とする
多孔質体と粘土鉱物を使用し、また、特殊技術を要する
ものではないので、安価なアルカリ成分徐放剤であると
いう優れた効果を有する。
【0086】(2)本発明に係わる浄水剤および浄水方
法は、亜硫酸カルシウムの有する残留塩素高処理能力か
つ安価という利点を保持し、かつ、残留塩素と亜硫酸カ
ルシウムの反応後の水が酸性化してしまうという問題点
を克服するとともにその効果が長期に渡って持続すると
いう優れた効果を有する。
【0087】(3)本発明に係わる浄水剤および浄水方
法を使用すれば、夏の暑い季節に大量の塩素投入が浄水
場で行われて残留塩素濃度が高くなっても(一般家庭の
水道水で10ppm以上になっても)処理後の酸性度が
極端に高くなってしまって飲料に適さないほどになると
いうことがないという優れた効果を有する。すなわち、
残留塩素濃度の大幅な変動を伴う場合すなわち一般家庭
における浄水器の浄水剤として使用した場合において
も、処理水のpHの変動がない安定した品質の飲料水が
恒常的に得られるという浄水剤本来の目的が達成され、
衛生・健康上優れた効果を有する。
【0088】(4)本発明に係わる浄水剤および浄水方
法を使用すれば、おいしい水の3条件(カルキ臭がない
こと、クラスターが小さいこと、弱アルカリ性)が充足
され、また、Ca成分が溶出するため、一般家庭末端の
水道水から容易においしいミネラルウォーターが製造で
きるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる浄水器の分解斜視図
【図2】本発明に係わる浄水器の設置例を示す正面図。
【符号の説明】
10 本体容器 12 合成樹脂フィルター 14 混合製剤容器 16 スポンジ 18 セラミック 20 亜硫酸カルシウム徐放製剤 22 スポンジ 24 蓋 26 本体蓋 28 ゴム製部分 30 水道蛇口
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正内容】
【0083】さらに、本発明のセラミック、浄水剤およ
び浄水方法は、一般家庭水道水の浄化に限定されて使用
されるものではなく、一般家庭での温水や熱湯水はもち
ろんのこと工業用水等の浄化にも使用することができる
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/66 1/70 Z 9045−4D

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸カルシウムを主成分とする多孔質体
    と、粘土鉱物とを含有する混合物を焼成してなるセラミ
    ック。
  2. 【請求項2】 炭酸カルシウムを主成分とする多孔質体
    と、石膏もしくはゼオライトと、粘土鉱物と、を含有す
    る混合物を焼成してなるセラミック。
  3. 【請求項3】 炭酸カルシウムを主成分とする多孔質体
    が50〜80重量%、粘土鉱物が20〜50重量%であ
    ることを特徴とする請求項1記載のセラミック。
  4. 【請求項4】 炭酸カルシウムを主成分とする多孔質体
    が30〜70重量%、石膏もしくはゼオライトが10〜
    35重量%、粘土鉱物が10〜50重量%であることを
    特徴とする請求項2記載のセラミック。
  5. 【請求項5】 750〜1050℃で焼成したことを特
    徴とする請求項1ないし請求項4記載のセラミック。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載されたセラミックと、亜硫酸塩と、を含有することを
    特徴とする浄水剤。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の浄水剤と永久磁石を充填
    せしめたことを特徴とする浄水器。
  8. 【請求項8】 遊離塩素を含有する被処理水を請求項6
    記載の浄水剤に接触させることを特徴とする浄水方法。
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