JPH06284738A - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JPH06284738A
JPH06284738A JP5071383A JP7138393A JPH06284738A JP H06284738 A JPH06284738 A JP H06284738A JP 5071383 A JP5071383 A JP 5071383A JP 7138393 A JP7138393 A JP 7138393A JP H06284738 A JPH06284738 A JP H06284738A
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voltage
circuit
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switching signal
reactor
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JP5071383A
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Inventor
Kentaro Eguchi
健太郎 江口
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 入力力率を高くし、電源高調波を減少させ、
さらに、小型で効率が良く安価にすることができるイン
バータ装置を得ることを目的とする。 【構成】 整流回路1の出力をパルス波に変換するチョ
ッパ回路30と、インバータ回路5から出力されたスイ
ッチング信号を1次側リアクトルを介してチョッパ回路
30のスイッチング素子11に入力し、2次側リアクト
ルの一方の端子に、スイッチング信号と同じ電圧の直流
電圧を与えておき、他方の端子に整流回路1の出力電圧
を分圧した分圧電圧とスイッチング信号の電圧をダイオ
ードを介して入力しておき、分圧電圧と直流電圧との差
に応じたリセット電流を流す過飽和リアクトル13とを
備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば放電灯を点灯させ
るインバータ装置、特に、簡単な回路構成で入力力率が
高く、低周波リップルの少ない高周波電圧を出力するこ
とができるインバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は従来のインバータ装置の構成図で
ある。図において、41は商用電源、42は商用電源4
1の交流を整流するダイオードブリッジ等からなる整流
回路、43は整流回路42の出力端子間に接続された充
電コンデンサ43である。互いに直列接続されたスイッ
チング素子44、45は充電コンデンサ43に対して並
列に接続されている。これらスイッチング素子44、4
5には回生電流を流す目的で、それぞれ等価的に逆並列
にダイオード46、47が接続されている。48はスイ
ッチング素子44、45を高周波により交互に駆動する
スイッチ制御回路である。スイッチング素子44、45
の接続点と整流回路42の接地部との間にはカップリン
グコンデンサ49、電流制限用インダクタンス素子50
及び放電灯52が直列に接続されている。放電灯52に
は並列にコンデンサ51が接続されている。
【0003】従来のインバータ装置は上記のように構成
され、例えば、スイッチング素子44、45はスイッチ
制御回路48により、あるスイッチング周波数で交互に
ON・OFFされ、スイッチング素子44、45の接続
点から高周波電力をカップリングコンデンサ49及び電
流制限用インダクタンス素子50を介して、負荷素子で
ある放電灯52に供給する。そして、放電灯52に対し
て並列に接続されたコンデンサ51とインダクタンス素
子50とコンデンサ49により直列共振回路を構成し、
コンデンサ51の両端から放電に必要な高電圧を発生さ
せ、放電灯52を点灯させている。上記従来例と実質的
に同一の技術が特開昭58−20989号公報に開示さ
れ、従来例を基本回路とするものが特開平3−2832
97号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のインバータ装置
は上記のようにコンデンサ入力型で構成されており、電
源入力電流は図6に示すようなパルス状の尖ったものと
なるため、入力力率の低下及び電源高調波の増加が起こ
るという問題点があった。ところで、整流平滑回路にお
いて入力を高力率にするには、チョーク入力型の平滑回
路にする方法があるが、チョーク入力型にするとチョー
クの大きさが大きく重いものとなる。また、このチョー
クによる損失も大きく装置の高効率化及び小形化に適さ
ないという新たな問題点が生じていた。
【0005】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、入力力率を高くし、電源高調
波を減少させ、さらに、小型で効率が良く、簡易な構成
にすることができるインバータ装置を得ることを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るインバ
ータ装置は、交流電源の交流を全波整流する整流回路
と、インダクタンス素子、ダイオード及びスイッチング
素子から構成され、整流回路の出力をパルス波に変換す
るチョッパ回路と、チョッパ回路からの出力を充電する
充電コンデンサと、充電コンデンサの直流電荷を高周波
に変換するインバータ回路と、インバータ回路から出力
された高周波が供給される負荷回路と、インバータ回路
から出力されたスイッチング信号をチョッパ回路のスイ
ッチング素子に入力させる1次側リアクトルと、一方の
端子にインバータ回路のスイッチング信号と同じ電圧値
の直流電圧が印加され、他方の端子に整流回路の出力電
圧を分圧したスイッチング信号の電圧値より小さい分圧
電圧及びインバータ回路からのスイッチング信号がダイ
オードを介して入力され、分圧電圧と直流電圧との差に
応じたリセット電流が流される2次側リアクトルとを有
する可飽和リアクトルとを備えたものである。
【0007】第2の発明に係るインバータ装置は、交流
電源の交流を全波整流する整流回路と、インダクタンス
素子、ダイオード及びスイッチング素子から構成され、
整流回路の出力をパルス波に変換するチョッパ回路と、
チョッパ回路からの出力を充電する充電コンデンサと、
充電コンデンサの直流電荷を高周波に変換するインバー
タ回路と、インバータ回路から出力された高周波が供給
される負荷回路と、インバータ回路から出力されたスイ
ッチング信号をチョッパ回路のスイッチング素子に入力
させる1次側リアクトルと、一方の端子に充電コンデン
サの出力電圧を分圧したインバータ回路のスイッチング
信号と同じ電圧値の直流電圧が印加され、他方の端子に
整流回路の出力電圧を分圧したスイッチング信号の電圧
値より小さい分圧電圧及びインバータ回路からのスイッ
チング信号がダイオードを介して入力され、分圧電圧と
直流電圧との差に応じたリセット電流が流される2次側
リアクトルとを有する可飽和リアクトルとを備えたもの
である。
【0008】第3の発明に係るインバータ装置は、第1
または第2の発明において、インバータ回路のスイッチ
ング信号の周波数に応じて出力電圧を変化させる積分回
路と、積分回路の出力電圧を反転増幅し、可飽和リアク
トルの2次側リアクトルに印加される直流電圧に重畳さ
せる反転増幅回路とを備えたものである。
【0009】
【作用】第1の発明においては、整流回路により交流電
源の交流が全波整流され、整流回路の出力は、インダク
タンス素子、ダイオード及びスイッチング素子から構成
されるチョッパ回路によりパルス波に変換される。チョ
ッパ回路からの出力は、充電コンデンサにより充電さ
れ、充電コンデンサの直流電荷は、インバータ回路によ
り高周波に変換される。負荷回路には、インバータ回路
から出力された高周波が供給される。
【0010】ところで、可飽和リアクトルの2次側リア
クトルの一方の端子には、インバータ回路のスイッチン
グ信号と同じ電圧値の直流電圧が印加され、他方の端子
には、整流回路の出力電圧を分圧した、スイッチング信
号の電圧値より小さい分圧電圧及びインバータ回路から
のスイッチング信号がダイオードを介して入力されてい
る。そして、スイッチング信号が”H”の時は、2次側
リアクトルにリセット電流は流れず、スイッチング信号
が”L”の時は、2次側リアクトルに、分圧電圧と直流
電圧との差に応じたリセット電流が流れる。例えば、分
圧電圧が小さい時はリセット電流が多くなり、分圧電圧
が大きい時はリセット電流が少なくなる。 可飽和リア
クトルの1次側リアクトルにより、インバータ回路から
出力されたスイッチング信号がチョッパ回路のスイッチ
ング素子に入力され、その入力される波形は、可飽和リ
アクトルの2次側リアクトルに流れるリセット電流に応
じてパルス幅が変化する。例えば、可飽和リアクトルの
2次側リアクトルに流れるリセット電流が少ない時は、
パルス幅が広くなり、リセット電流が多い時は、パルス
幅が狭くなる。
【0011】チョッパ回路のスイッチング素子は可飽和
リアクトルの1次側リアクトルから入力される波形によ
りスイッチングされる。このスイッチングにより、スイ
ッチングのパルス幅が狭い時は、整流回路から流れるリ
セット電流は少なくなり、スイッチングのパルス幅は広
い時は、整流回路から流れるリセット電流は多くなる。
したがって、分圧電圧が小さい時は流れるリセット電流
が少なくなり、分圧電圧が大きい時は流れるリセット電
流が多くなり、入力電流は入力交流電圧波形に合わせた
正弦波状の高周波電流となる。
【0012】第2の発明においては、整流回路により交
流電源の交流が全波整流され、整流回路の出力は、イン
ダクタンス素子、ダイオード及びスイッチング素子から
構成されるチョッパ回路によりパルス波に変換される。
チョッパ回路からの出力は、充電コンデンサにより充電
され、充電コンデンサの直流電荷は、インバータ回路に
より高周波に変換される。負荷回路には、インバータ回
路から出力された高周波が供給される。
【0013】可飽和リアクトルの2次側リアクトルの一
方の端子には、充電コンデンサのにかかる平滑電圧を分
圧した、インバータ回路のスイッチング信号と同じ電圧
値の直流電圧が印加され、他方の端子には、整流回路の
出力電圧を分圧した、スイッチング信号の電圧値より小
さい分圧電圧及びインバータ回路からのスイッチング信
号がダイオードを介して入力される。そして、2次側リ
アクトルには、分圧電圧と直流電圧との差に応じたリセ
ット電流が流れる。例えば、充電コンデンサの平滑電圧
が一定であれば、分圧電圧が小さい時はリセット電流が
多くなり、分圧電圧が大きい時はリセット電流が少なく
なる。また、充電コンデンサの平滑電圧が上がれば全体
的にリセット電流は多くなり、平滑電圧が下がれば全体
的にリセット電流は少なくなる。
【0014】可飽和リアクトルの1次側リアクトルによ
り、インバータ回路から出力されたスイッチング信号が
チョッパ回路のスイッチング素子に入力され、その入力
される波形は、可飽和リアクトルの2次側リアクトルに
流れるリセット電流に応じてパルス幅が変化する。例え
ば、可飽和リアクトルの2次側リアクトルに流れるリセ
ット電流が少ない時は、パルス幅が広くなり、リセット
電流が多い時は、パルス幅が狭くなる。
【0015】チョッパ回路のスイッチング素子は可飽和
リアクトルの1次側リアクトルから入力される波形によ
りスイッチングされる。このスイッチングにより、スイ
ッチングのパルス幅が狭い時は、整流回路から流れるリ
セット電流は少なくなり、スイッチングのパルス幅は広
い時は、整流回路から流れるリセット電流は多くなる。
さらに、スイッチングのパルス幅が全体的に広くなる
と、充電コンデンサの平滑電圧が上り、スイッチングの
パルス幅が全体的に狭くなると、充電コンデンサの平滑
電圧が下がる。
【0016】したがって、分圧電圧が小さい時は流れる
リセット電流が少なくなり、分圧電圧が大きい時は流れ
るリセット電流が多くなり、入力電流は入力交流電圧波
形に合わせた正弦波状の高周波電流となり、さらに、充
電コンデンサの平滑電圧が一定に保たれる。
【0017】第3の発明においては、積分回路によりイ
ンバータ回路のスイッチング信号の周波数に応じて変化
する電圧が出力される。反転増幅回路により積分回路の
出力電圧が反転増幅され、第1または第2の発明におけ
る可飽和リアクトルの2次側コイルに印加される直流電
圧に重畳される。直流電圧に重畳される反転増幅回路の
出力電圧は、例えばインバータ回路のスイッチング信号
の周波数が高くなると、出力電圧は高くなる。
【0018】そして、可飽和リアクトルの2次側リアク
トルに印加される電圧は、インバータ回路のスイッチン
グ信号の周波数を高くすると高くなり、可飽和リアクト
ルの2次側リアクトルに流れるリセット電流が全体的に
多くなる。したがって、チョッパ回路のスイッチング素
子に入力される波形のパルス幅が全体的に狭くなり、充
電コンデンサの平滑電圧が下がる。
【0019】
【実施例】実施例1.図1は本発明の一実施例に係るイ
ンバータ装置の回路図である。図において、1は交流電
源を整流する整流回路、4は整流回路1の出力をインダ
クタンス素子2とダイオード3を介して充電する充電コ
ンデンサである。インダクタンス素子2とダイオード3
との接続点には充電コンデンサ4に対して並列にスイッ
チング素子11が接続され、スイッチング素子11のベ
ースとエミッタとの間には抵抗10が接続されている。
インダクタンス素子2、ダイオード3、スイッチング素
子11及び抵抗10でチョッパ回路30を構成してい
る。
【0020】5はスイッチング素子とスイッチング素子
を高周波のスイッチング信号で駆動する駆動回路からな
り、充電コンデンサ4の直流電荷を高周波に変換するイ
ンバータ回路、7はインダクタンス素子6と直列接続さ
れ、インバータ回路の出力により点灯する放電灯であ
り、インダクタンス素子6と放電灯7とで負荷回路を構
成している。整流回路1の出力端子間には直列接続され
た抵抗8、9が接続されている。
【0021】13はチョッパ回路30のスイッチング素
子11を制御する制御信号を発生させる可飽和コアを持
つ可飽和リアクトルであり、この可飽和リアクトル13
は高周波で使用するため小さいものを使用することが可
能である。可飽和リアクトル13の1次側リアクトルの
一端はスイッチング素子11のベースに接続され、1次
側リアクトルの他端はインバータ回路5で使用している
スイッチング信号の出力端子に接続されている。可飽和
リアクトル13の2次側リアクトルの一端はインバータ
回路5で使用しているスイッチング信号と同じ電圧値を
持つ直流電源14に接続され、2次側リアクトルの他端
は抵抗8と抵抗9との接続点に接続され、さらに、イン
バータ回路5で使用しているスイッチング信号の出力端
子がダイオード12を介して接続されている。
【0022】図4の(a)〜(d)は図1における各部
の電圧波形及び電流波形を示した波形図であり、図4の
(a)は電源電圧の波形図、図4の(b)はインバータ
回路5が発生しているスイッチング信号の出力電圧波形
図、図4の(c)は可飽和リアクトル13の2次側リア
クトルに流れる電流波形図、図4の(d)はスイッチン
グ素子11のベースにかかる電圧波形図である。まず、
図4bに示されるインバータ回路5で使用しているスイ
ッチング信号の電圧は”H”の時はV1、”L”の時は
0であり、直流電源14の電圧はインバータ回路5で使
用しているスイッチング信号の”H”の時の電圧と同じ
V1である。抵抗8と抵抗9との接続点の電圧は整流回
路1の出力電圧が分圧された電圧V2となり、この電圧
V2は整流回路1の出力電圧に対応した電圧になるので
脈流となる。この電圧V2のピーク電圧値はV1>V2
となるように設定されている。
【0023】次に、この実施例の動作について説明す
る。スイッチング信号が”H”の時、ダイオード12は
導通し、ダイオード12のカソードの電圧はV1とな
り、図4の(c)に示すように可飽和リアクトル13の
2次側リアクトルにはリセット電流は流れない。また、
スイッチング信号が”L”の時、ダイオード12は不通
になり、直流電源14の電圧V1と抵抗8、9の接続点
の電圧V2との電位差に応じて、可飽和リアクトル13
の2次側リアクトルにはリセット電流が流れる。すなわ
ち、抵抗8、9の接続点の電圧V2は整流回路1の出力
電圧に対応した電圧であり、直流電源14の電圧V1と
抵抗8、9の接続点の電圧V2の関係はV1>V2とな
っているので、スイッチング信号が”L”の時に可飽和
リアクトル13の2次側リアクトルに流れるリセット電
流は、整流回路1の出力電圧が高い時は小さいリセット
電流が流れ、逆に整流回路1の出力電圧が低い時は大き
いリセット電流が流れる。
【0024】したがって、可飽和リアクトル13の2次
側リアクトルには図4の(c)に示す電流波形のリセッ
ト電流が流れる。可飽和リアクトル13はリセット電流
の大きさに応じてリセットされ、1次側リアクトルに電
圧をかけた時、可飽和リアクトル13が飽和するまでの
時間が、リセット電流が大きい時は長くなり、逆にリセ
ット電流が小さい時は短くなる。また、可飽和リアクト
ル13の1次側リアクトルには図4の(b)に示す電圧
波形のスイッチング信号がかかっている。このスイッチ
ング信号が”L”の時は1次側リアクトルにかかる電圧
は0であり、スイッチング素子11のベースにかかる電
圧は0となる。この時、可飽和リアクトル13の1次側
リアクトルにはリセット電流が流れている。
【0025】次に、スイッチング信号が”H”になると
1次側リアクトルにはV1の電圧がかかるが、スイッチ
ング信号が”L”の時に1次側リアクトルに流れたリセ
ット電流によりリセットされているため、可飽和リアク
トル13が飽和するまで、スイッチング素子11のベー
スにかかる電圧は0となっている。そして、可飽和リア
クトル13が飽和すると、可飽和リアクトル13のイン
ダクタンスがたいへん小さくなり、スイッチング素子1
1のベースにはV1の電圧がかかる。次にスイッチング
信号が”L”になれば、スイッチング素子11のベース
にかかる電圧は0となる。以上の動作を繰り返すこと
で、スイッチング素子11のベースにパルス状の電圧が
かかる。また、上述のように、整流回路1の出力電圧が
高い時はリセット電流は小さくなり、逆に、整流回路1
の出力電圧が低い時は、リセット電流は大きくなるの
で、スイッチング素子11のベースにかかる電圧波形の
パルス幅は、図4の(d)に示すように、整流回路1の
出力電圧が高い時は広くなり、逆に、整流回路1の出力
電圧が低い時は狭くなる。
【0026】そして、スイッチング素子11は図4の
(d)に示す電圧波形によりスイッチング制御され、そ
のスイッチングにより整流回路1から電流が流れる。こ
のスイッチング素子11のスイッチングが図4の(a)
に示す電源電圧波形の全周期期間にわたっているため、
電圧の一周期を360°とした時の電流が流れている角
度である導通角を非常に大きくすることができる。さら
に、流れる電流の大きさは、スイッチング素子11に図
4の(d)に示す電圧波形のパルス幅に応じて変化し、
その電流の大きさはパルス幅が広い時は多く流れ、パル
ス幅が狭い時は少なく流れる。
【0027】したがって、整流回路1の出力電圧が高い
時は電流が多く流れ、整流回路1の出力電圧が低い時は
電流が少なく流れるようになり、入力電流を入力電圧に
合わせて流すことができ、入力力率を向上させ、電源高
調波を低減させることが可能となる。さらに、スイッチ
ング素子11のスイッチング制御を可飽和リアクトル1
3により行い、このトランスは高周波で使用するので、
小さいものでよく、装置を小型、安価にすることが可能
となる。
【0028】実施例2.図2は本発明の他の実施例に係
るインバータ装置の回路図である。図において、充電コ
ンデンサ4の両端には直列接続された抵抗15、16が
並列に接続されている。また、実施例1の可飽和リアク
トル13の2次側リアクトルの一端に接続された直流電
源14に代えて、可飽和リアクトル13の2次側リアク
トルの一端に抵抗15、16の接続点がダイオード17
を介して接続されている。他の構成は実施例1と同様で
ある。
【0029】図4の(e)は図2のe部における電圧波
形を示したものである。実施例1と同様に、インバータ
回路5で使用しているスイッチング信号の電圧は”H”
の時はV1、”L”の時は0であり、抵抗8と抵抗9と
の接続点の電圧は整流回路1の出力電圧が分圧された電
圧V2となり、この電圧V2は整流回路1の出力電圧に
対応した電圧になるので脈流となる。この電圧V2のピ
ーク電圧値はV1>V2となるように設定されている。
さらに、抵抗15と抵抗16との接続点の電圧は充電コ
ンデンサ4の平滑電圧に対応した電圧であり、この電圧
は、充電コンデンサ4の平滑電圧が基準電圧の時は、イ
ンバータ回路5で使用しているスイッチング信号の”
H”の時と同じ電圧V1である。
【0030】次に、この実施例の動作について説明す
る。この実施例では、充電コンデンサ4の平滑電圧が基
準電圧の時は、抵抗15と抵抗16との接続点の電圧が
V1となり、可飽和リアクトル13の2次側リアクトル
にはV1の電圧がかかり、実施例1と同様の動作をす
る。そこで、充電コンデンサ4の平滑電圧が基準電圧よ
り下がると、抵抗15と抵抗16との接続点の電圧はV
1より下がり、可飽和リアクトル13の2次側リアクト
ルにかかる電圧が下がる。可飽和リアクトル13の2次
側リアクトルには、この電圧と抵抗8と抵抗9との接続
点の電圧との電位差によりリセット電流が流れるので、
充電コンデンサ4の電圧が基準電圧の時と比べて、可飽
和リアクトル13の2次側リアクトルに流れるリセット
電流が全体的に小さくなる。
【0031】したがって、可飽和リアクトル13のリセ
ット電流が全体的に小さくなる。実施例1で述べたよう
に、リセット電流が大きいと、スイッチング素子11の
ベースにかかる電圧波形のパルス幅が狭くなり、逆に、
リセット電流が小さいと、パルス幅が広くなるので、ス
イッチング素子11のベースにかかる電圧は、図4の
(e)に示す電圧波形のように、各パルス幅が図4の
(d)に示す充電コンデンサ4の平滑電圧が基準電圧の
時と比べて、全体的に広くなる。そして、各パルス幅が
全体的に広くなるため、充電コンデンサ4の平滑電圧は
上がる。また、逆に充電コンデンサ4の平滑電圧が基準
電圧より上がると、抵抗15と抵抗16との接続点の電
圧がV1より大きくなり、スイッチング素子11のベー
スにかかる電圧の各パルス幅は全体的に狭くなり、充電
コンデンサ4の平滑電圧は下がる。
【0032】以上のように、充電コンデンサ4の平滑電
圧が変化しても、基準電圧を保つように動作するので、
充電コンデンサ4の平滑電圧を一定に保つことができ、
各部品の過電圧への保護及び負荷電流の安定供給が可能
となる。
【0033】実施例3.図3は本発明の他の実施例に係
るインバータ装置の回路図である。図において、18は
抵抗、19はコンデンサであり、抵抗18とコンデンサ
19とでインバータ回路5で使用しているスイッチング
信号の周波数に応じて出力が変化する積分回路31を構
成している。20はスイッチング素子、21、22は抵
抗であり、スイッチング素子20と抵抗21、22とで
積分回路31の出力電圧を反転増幅する反転増幅回路3
2を構成している。23は抵抗であり、可飽和リアクト
ル13とダイオード17の接続点と反転増幅回路32の
出力端子との間に接続され、抵抗15と抵抗16の接続
点の電圧に反転増幅回路32の出力電圧を重畳させてい
る。24は反転増幅回路32の電源である直流電源であ
る。他の構成は実施例2と同様である。
【0034】実施例2と同様に、インバータ回路5で使
用しているスイッチング信号の電圧は”H”の時はV
1、”L”の時は0であり、抵抗8と抵抗9との接続点
の電圧は整流回路1の出力電圧が分圧された電圧V2と
なり、この電圧V2は整流回路1の出力電圧に対応した
電圧になるので脈流となる。この電圧V2のピーク電圧
値はV1>V2となるように設定されている。また、抵
抗15と抵抗16との接続点の電圧は充電コンデンサ4
の平滑電圧に対応した電圧である。
【0035】さらに、積分回路31の出力電圧は、イン
バータ回路5で使用しているスイッチング信号の周波数
に応じて変化する。積分回路31の出力電圧は反転増幅
回路32で反転増幅され、抵抗23を介して、可飽和リ
アクトル13とダイオード17の接続点に印加され、抵
抗15と抵抗16との接続点の電圧に重畳されている。
【0036】この時、可飽和リアクトル13の2次側リ
アクトルにかかる電圧は、抵抗15と抵抗16との接続
点の電圧に反転増幅回路32の出力電圧が重畳された電
圧となり、充電コンデンサ4の電圧が基準電圧で、スイ
ッチング信号の周波数が基準周波数の時は、スイッチン
グ信号の”H”の時と同じ電圧V1である。
【0037】次にこの実施例の動作について説明する。
この実施例では、充電コンデンサ4の平滑電圧が基準電
圧及びインバータ回路5で使用しているスイッチング信
号の周波数が基準周波数の時は、可飽和リアクトル13
の2次側リアクトルにはV1の電圧がかかり、スイッチ
ング信号の周波数を変化させない時は、実施例2と同様
の動作をする。
【0038】そこで、スイッチング信号の周波数を上げ
ると、積分回路の出力電圧が下がり、反転増幅回路の出
力電圧は上がるので、抵抗15と抵抗16との接続点の
電圧に重畳される電圧が上がる。そして、可飽和リアク
トル13の2次側リアクトルにかかる電圧が上がる。可
飽和リアクトル13の2次側リアクトルには、この電圧
と抵抗8と抵抗9との接続点の電圧との電位差によりリ
セット電流が流れるので、スイッチング信号の周波数が
基準周波数の時と比べて、可飽和リアクトル13の2次
側リアクトルに流れるリセット電流が全体的に大きくな
る。
【0039】実施例1で述べたように、リセット電流が
大きいと、スイッチング素子11のベースにかかる電圧
波形のパルス幅が狭くなり、逆に、リセット電流が小さ
いと、パルス幅が広くなるので、スイッチング素子11
のベースにかかる電圧波形の各パルス幅は、スイッチン
グ信号の周波数が基準周波数の時に比べて、全体的に狭
くなる。そして、各パルス幅が全体的に狭くなるため、
充電コンデンサ4の平滑電圧は下がることになる。放電
灯の調光には、放電灯に流す電流を減らしてやることが
必要であるが、このスイッチング周波数を上げること
と、平滑電圧を下げることは共に放電灯に流す電流値を
少なくする効果があり、これらを同時に行うことによ
り、調光時のスイッチング周波数の変化の幅を少なくす
ることが可能となる。
【0040】なお、この実施例では、反転増幅回路32
の出力電圧は、抵抗15と抵抗16との接続点の電圧に
重畳させているが、実施例1における直流電源14の直
流電圧に重畳させるか、または、可飽和リアクトル13
の2次側リアクトルに印加される直流電源14の直流電
圧の代わりに、増幅回路32の出力電圧を可飽和リアク
トル13の2次側リアクトルに印加してもよい。この場
合も、実施例3と同様にスイッチング周波数を上げる
と、充電コンデンサの平滑電圧が下がり、調光時のスイ
ッチング周波数の変化の幅を少なくすることが可能とな
る。
【0041】
【発明の効果】以上のように第1の発明によれば、整流
回路の出力をチョッパ回路によりパルス波に変換する時
に、可飽和リアクトルを用い、インバータ回路から出力
されたスイッチング信号を可飽和リアクトルの1次側リ
アクトルを介してチョッパ回路のスイッチング素子に入
力し、可飽和リアクトルの2次側リアクトルの一方の端
子には、スイッチング信号と同じ電圧の直流電圧を与え
ておき、2次側リアクトルの他方の端子には整流回路の
出力電圧を分圧したスイッチング信号の電圧値より小さ
い分圧電圧とインバータ回路からのスイッチング信号の
電圧をダイオードを介して入力しておき、分圧電圧と直
流電圧との差に応じたリセット電流を流すことにより、
そのリセット電流に応じてスイッチング信号のパルス幅
を整流回路の出力電圧が大きい時には広く、小さい時に
は狭くし、整流回路の出力電圧が大きい時は大きい電流
を流し、小さい時は小さい電流を流すようにしたので、
入力電流は入力電圧波形に合わした正弦波状の高周波電
流となり、導通角を非常に大きくすることができ、ま
た、入力交流電圧波形と入力電流波形を合わせることが
でき、入力力率が向上し、電源高周波電流が低減し、さ
らに、可飽和リアクトルによりチョッパ回路のスイッチ
ング素子を制御するので、回路構成を簡単にでき、装置
を小型、簡易な構成にすることができるという効果を有
する。
【0042】第2の発明によれば、整流回路の出力をチ
ョッパ回路によりパルス波に変換する時に、可飽和リア
クトルを用い、インバータ回路から出力されたスイッチ
ング信号を可飽和リアクトルの1次側リアクトルを介し
てチョッパ回路のスイッチング素子に入力し、可飽和リ
アクトルの2次側リアクトルの一方の端子には、充電コ
ンデンサにかかる平滑電圧を分圧した、インバータ回路
のスイッチング信号と同じ電圧値の直流電圧を与えてお
き、2次側リアクトルの他方の端子には整流回路の出力
電圧を分圧したスイッチング信号の電圧値より小さい分
圧電圧とインバータ回路からのスイッチング信号の電圧
をダイオードを介して入力しておき、分圧電圧と直流電
圧との差に応じたリセット電流を流すことにより、その
リセット電流に応じてスイッチング信号のパルス幅を整
流回路の出力電圧が大きい時には広く、小さい時には狭
くし、整流回路の出力電圧が大きい時は大きい電流を流
し、小さい時は小さい電流を流すようにし、また、充電
コンデンサの平滑電圧が上がると、分圧電圧が上り、リ
セット電流を全体的に多く流し、下がると分圧電圧が下
がり、リセット電流を全体的に少なく流すようにしたの
で、入力電流は入力電圧波形に合わした正弦波状の高周
波電流となり、導通角を非常に大きくすることができ、
また、入力交流電圧波形と入力電流波形を合わせること
ができ、入力力率が向上し、電源高周波電流が低減し、
さらに、充電コンデンサの平滑電圧が一定に保たれ、各
部品の過電圧への保護、負荷電流の安定供給ができ、可
飽和リアクトルによりチョッパ回路のスイッチング素子
を制御するので、回路構成を簡単にでき、装置を小型、
簡易な構成にすることができるという効果を有する。
【0043】第3の発明によれば、積分回路により、イ
ンバータ回路のスイッチング信号の周波数に応じて変化
する電圧を出力し、反転増幅回路により積分回路の出力
電圧を反転増幅し、その反転増幅出力を、第2の発明に
おける可飽和リアクトルの2次側リアクトルに与えられ
た、充電コンデンサにかかる平滑電圧を分圧したインバ
ータ回路のスイッチング信号と同じ電圧値の直流電圧に
重畳し、可飽和リアクトルの2次側リアクトルに印加さ
れる電圧を、インバータ回路のスイッチング信号の周波
数を高くすると小さくし、可飽和リアクトルの2次側リ
アクトルに流れる電流が全体的に少なくなるようにした
ので、インバータ回路のスイッチング信号の周波数を高
くすると、チョッパ回路のスイッチング素子に入力され
る波形のパルス幅が全体的に狭くなり、充電コンデンサ
の平滑電圧が下がるので、放電灯の調光時にインバータ
回路のスイッチング周波数を変化させると、充電コンデ
ンサの電圧も同時に変化し、インバータ回路のスイッチ
ング周波数の変化幅が小さくても、負荷電流の変化幅を
大きくすることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るインバータ装置の回路
図である。
【図2】本発明の実施例2に係るインバータ装置の回路
図である。
【図3】本発明の実施例3に係るインバータ装置の回路
図である。
【図4】本発明の実施例の各部の電圧波形及び電流波形
を示した波形図である。
【図5】従来のインバータ装置の回路図である。
【図6】従来のインバータ装置の入力電圧、電流波形図
である。
【符号の説明】
1 整流回路 2 インダクタンス素子 3、12 ダイオード 4 充電コンデンサ 5 インバータ回路 6 インダクタンス素子(負荷回路) 7 放電灯(負荷回路) 8、9 抵抗 11 スイッチング素子 13 可飽和コアを持つ可飽和リアクトル 14 直流電源 30 チョッパ回路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 インバータ装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば放電灯を点灯させ
るインバータ装置、特に、簡単な回路構成で入力力率が
高く、低周波リップルの少ない高周波電圧を出力するこ
とができるインバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は従来のインバータ装置の構成図で
ある。図において、41は商用電源、42は商用電源4
1の交流を整流するダイオードブリッジ等からなる整流
回路、43は整流回路42の出力端子間に接続された充
電コンデンサ43である。互いに直列接続されたスイッ
チング素子44、45は充電コンデンサ43に対して並
列に接続されている。これらスイッチング素子44、4
5には回生電流を流す目的で、それぞれ等価的に逆並列
にダイオード46、47が接続されている。48はスイ
ッチング素子44、45を高周波により交互に駆動する
スイッチ制御回路である。スイッチング素子44、45
の接続点と整流回路42の接地部との間にはカップリン
グコンデンサ49、電流制限用インダクタンス素子50
及び放電灯52が直列に接続されている。放電灯52に
は並列にコンデンサ51が接続されている。
【0003】従来のインバータ装置は上記のように構成
され、例えば、スイッチング素子44、45はスイッチ
制御回路48により、あるスイッチング周波数で交互に
ON・OFFされ、スイッチング素子44、45の接続
点から高周波電力をカップリングコンデンサ49及び電
流制限用インダクタンス素子50を介して、負荷素子で
ある放電灯52に供給する。そして、放電灯52に対し
て並列に接続されたコンデンサ51とインダクタンス素
子50とコンデンサ49により直列共振回路を構成し、
コンデンサ51の両端から放電に必要な高電圧を発生さ
せ、放電灯52を点灯させている。上記従来例と実質的
に同一の技術が特開昭58−20989号公報に開示さ
れ、従来例を基本回路とするものが特開平3−2832
97号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のインバータ装置
は上記のようにコンデンサ入力型で構成されており、電
源入力電流は図6に示すようなパルス状の尖ったものと
なるため、入力力率の低下及び電源高調波の増加が起こ
るという問題点があった。ところで、整流平滑回路にお
いて入力を高力率にするには、チョーク入力型の平滑回
路にする方法があるが、チョーク入力型にするとチョー
クの大きさが大きく重いものとなる。また、このチョー
クによる損失も大きく装置の高効率化及び小形化に適さ
ないという新たな問題点が生じていた。
【0005】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、入力力率を高くし、電源高調
波を減少させ、さらに、小型で効率が良く、簡易な構成
にすることができるインバータ装置を得ることを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るインバ
ータ装置は、交流電源の交流を全波整流する整流回路
と、インダクタンス素子、ダイオード及びスイッチング
素子から構成され、整流回路の出力をパルス波に変換す
るチョッパ回路と、チョッパ回路からの出力を充電する
充電コンデンサと、充電コンデンサの直流電荷を高周波
に変換するインバータ回路と、インバータ回路から出力
された高周波が供給される負荷回路と、インバータ回路
から出力されたスイッチング信号をチョッパ回路のスイ
ッチング素子に入力させる1次側リアクトルと、一方の
端子にインバータ回路のスイッチング信号の最大値と同
じ電圧値の直流電圧が印加され、他方の端子に整流回路
の出力電圧を分圧したスイッチング信号の電圧値より小
さい分圧電圧及びインバータ回路からのスイッチング信
号がダイオードを介して入力され、分圧電圧と直流電圧
との差に応じたリセット電流が流される2次側リアクト
ルとを有する可飽和リアクトルとを備えたものである。
【0007】第2の発明に係るインバータ装置は、交流
電源の交流を全波整流する整流回路と、インダクタンス
素子、ダイオード及びスイッチング素子から構成され、
整流回路の出力をパルス波に変換するチョッパ回路と、
チョッパ回路からの出力を充電する充電コンデンサと、
充電コンデンサの直流電荷を高周波に変換するインバー
タ回路と、インバータ回路から出力された高周波が供給
される負荷回路と、インバータ回路から出力されたスイ
ッチング信号をチョッパ回路のスイッチング素子に入力
させる1次側リアクトルと、一方の端子に充電コンデン
サの出力電圧を分圧したインバータ回路のスイッチング
信号の最大値と同じ電圧値の直流電圧が印加され、他方
の端子に整流回路の出力電圧を分圧したスイッチング信
号の電圧値より小さい分圧電圧及びインバータ回路から
のスイッチング信号がダイオードを介して入力され、分
圧電圧と直流電圧との差に応じたリセット電流が流され
る2次側リアクトルとを有する可飽和リアクトルとを備
えたものである。
【0008】第3の発明に係るインバータ装置は、第1
または第2の発明において、インバータ回路のスイッチ
ング信号の周波数に応じて出力電圧を変化させる積分回
路と、積分回路の出力電圧を反転増幅し、可飽和リアク
トルの2次側リアクトルに印加される直流電圧に重畳さ
せる反転増幅回路とを備えたものである。
【0009】
【作用】第1の発明においては、整流回路により交流電
源の交流が全波整流され、整流回路の出力は、インダク
タンス素子、ダイオード及びスイッチング素子から構成
されるチョッパ回路によりパルス波に変換される。チョ
ッパ回路からの出力は、充電コンデンサにより充電さ
れ、充電コンデンサの直流電荷は、インバータ回路によ
り高周波に変換される。負荷回路には、インバータ回路
から出力された高周波が供給される。
【0010】ところで、可飽和リアクトルの2次側リア
クトルの一方の端子には、インバータ回路のスイッチン
グ信号の最大値と同じ電圧値の直流電圧が印加され、他
方の端子には、整流回路の出力電圧を分圧した、スイッ
チング信号の電圧値より小さい分圧電圧及びインバータ
回路からのスイッチング信号がダイオードを介して入力
されている。そして、スイッチング信号が”H”の時
は、2次側リアクトルにリセット電流は流れず、スイッ
チング信号が”L”の時は、2次側リアクトルに、分圧
電圧と直流電圧との差に応じたリセット電流が流れる。
例えば、分圧電圧が小さい時はリセット電流が多くな
り、分圧電圧が大きい時はリセット電流が少なくなる。
可飽和リアクトルの1次側リアクトルにより、インバー
タ回路から出力されたスイッチング信号がチョッパ回路
のスイッチング素子に入力され、その入力される波形
は、可飽和リアクトルの2次側リアクトルに流れるリセ
ット電流に応じてパルス幅が変化する。例えば、可飽和
リアクトルの2次側リアクトルに流れるリセット電流が
少ない時は、パルス幅が広くなり、リセット電流が多い
時は、パルス幅が狭くなる。
【0011】チョッパ回路のスイッチング素子は可飽和
リアクトルの1次側リアクトルから入力される波形によ
りスイッチングされる。このスイッチングにより、スイ
ッチングのパルス幅が狭い時は、整流回路からチョッパ
回路に流れる電流は少なくなり、スイッチングのパルス
幅が広い時は、整流回路からチョッパ回路に流れる電流
は多くなる。したがって、分圧電圧が小さい時はチョッ
パ回路に流れる電流が少なくなり、分圧電圧が大きい時
はチョッパ回路に流れる電流が多くなり、入力電流は入
力交流電圧波形に合わせた正弦波状の高周波電流とな
る。
【0012】第2の発明においては、整流回路により交
流電源の交流が全波整流され、整流回路の出力は、イン
ダクタンス素子、ダイオード及びスイッチング素子から
構成されるチョッパ回路によりパルス波に変換される。
チョッパ回路からの出力は、充電コンデンサにより充電
され、充電コンデンサの直流電荷は、インバータ回路に
より高周波に変換される。負荷回路には、インバータ回
路から出力された高周波が供給される。
【0013】可飽和リアクトルの2次側リアクトルの一
方の端子には、充電コンデンサのにかかる平滑電圧を分
圧した、インバータ回路のスイッチング信号の最大値と
同じ電圧値の直流電圧が印加され、他方の端子には、整
流回路の出力電圧を分圧した、スイッチング信号の電圧
値より小さい分圧電圧及びインバータ回路からのスイッ
チング信号がダイオードを介して入力される。そして、
2次側リアクトルには、分圧電圧と直流電圧との差に応
じたリセット電流が流れる。例えば、充電コンデンサの
平滑電圧が一定であれば、分圧電圧が小さい時はリセッ
ト電流が多くなり、分圧電圧が大きい時はリセット電流
が少なくなる。また、充電コンデンサの平滑電圧が上が
れば全体的にリセット電流は多くなり、平滑電圧が下が
れば全体的にリセット電流は少なくなる。
【0014】可飽和リアクトルの1次側リアクトルによ
り、インバータ回路から出力されたスイッチング信号が
チョッパ回路のスイッチング素子に入力され、その入力
される波形は、可飽和リアクトルの2次側リアクトルに
流れるリセット電流に応じてパルス幅が変化する。例え
ば、可飽和リアクトルの2次側リアクトルに流れるリセ
ット電流が少ない時は、パルス幅が広くなり、リセット
電流が多い時は、パルス幅が狭くなる。
【0015】チョッパ回路のスイッチング素子は可飽和
リアクトルの1次側リアクトルから入力される波形によ
りスイッチングされる。このスイッチングにより、スイ
ッチングのパルス幅が狭い時は、整流回路からチョッパ
回路に流れる電流は少なくなり、スイッチングのパルス
幅は広い時は、整流回路からチョッパ回路に流れる電流
は多くなる。つまり、スイッチングのパルス幅が全体的
に広くなると、充電コンデンサの平滑電圧が上り、スイ
ッチングのパルス幅が全体的に狭くなると、充電コンデ
ンサの平滑電圧が下がる。
【0016】したがって、分圧電圧が小さい時はチョッ
パ回路に流れる電流が少なくなり、分圧電圧が大きい時
はチョッパ回路に流れる電流が多くなり、入力電流は入
力交流電圧波形に合わせた正弦波状の高周波電流とな
り、さらに、充電コンデンサの平滑電圧が一定に保たれ
る。
【0017】第3の発明においては、積分回路によりイ
ンバータ回路のスイッチング信号の周波数に応じて変化
する電圧が出力される。反転増幅回路により積分回路の
出力電圧が反転増幅され、第1または第2の発明におけ
る可飽和リアクトルの2次側コイルに印加される直流電
圧に重畳される。直流電圧に重畳される反転増幅回路の
出力電圧は、例えばインバータ回路のスイッチング信号
の周波数が高くなると、出力電圧は高くなる。
【0018】そして、可飽和リアクトルの2次側リアク
トルに印加される電圧は、インバータ回路のスイッチン
グ信号の周波数を高くすると高くなり、可飽和リアクト
ルの2次側リアクトルに流れるリセット電流が全体的に
多くなる。したがって、チョッパ回路のスイッチング素
子に入力される波形のパルス幅が全体的に狭くなり、充
電コンデンサの平滑電圧が下がる。
【0019】
【実施例】実施例1.図1は本発明の一実施例に係るイ
ンバータ装置の回路図である。図において、1は交流電
源を整流する整流回路、4は整流回路1の出力をインダ
クタンス素子2とダイオード3を介して充電する充電コ
ンデンサである。インダクタンス素子2とダイオード3
との接続点には充電コンデンサ4に対して並列にスイッ
チング素子11が接続され、スイッチング素子11のベ
ースとエミッタとの間には抵抗10が接続されている。
インダクタンス素子2、ダイオード3、スイッチング素
子11及び抵抗10でチョッパ回路30を構成してい
る。
【0020】5はスイッチング素子とスイッチング素子
を高周波のスイッチング信号で駆動する駆動回路からな
り、充電コンデンサ4の直流電荷を高周波に変換するイ
ンバータ回路、7はインダクタンス素子6と直列接続さ
れ、インバータ回路の出力により点灯する放電灯であ
り、インダクタンス素子6と放電灯7とで負荷回路を構
成している。整流回路1の出力端子間には直列接続され
た抵抗8、9が接続されている。
【0021】13はチョッパ回路30のスイッチング素
子11を制御する制御信号を発生させる可飽和コアを持
つ可飽和リアクトルであり、この可飽和リアクトル13
は高周波で使用するため小さいものを使用することが可
能である。可飽和リアクトル13の1次側リアクトルの
一端はスイッチング素子11のベースに接続され、1次
側リアクトルの他端はインバータ回路5で使用している
スイッチング信号の出力端子に接続されている。可飽和
リアクトル13の2次側リアクトルの一端はインバータ
回路5で使用しているスイッチング信号の最大値と同じ
電圧値を持つ直流電源14に接続され、2次側リアクト
ルの他端は抵抗8と抵抗9との接続点に接続され、さら
に、インバータ回路5で使用しているスイッチング信号
の出力端子がダイオード12を介して接続されている。
【0022】図4の(a)〜(d)は図1における各部
の電圧波形及び電流波形を示した波形図であり、図4の
(a)は電源電圧の波形図、図4の(b)はインバータ
回路5が発生しているスイッチング信号の出力電圧波形
図、図4の(c)は可飽和リアクトル13の2次側リア
クトルに流れる電流波形図、図4の(d)はスイッチン
グ素子11のベースにかかる電圧波形図である。まず、
図4bに示されるインバータ回路5で使用しているスイ
ッチング信号の電圧は”H”の時はV1、”L”の時は
0であり、直流電源14の電圧はインバータ回路5で使
用しているスイッチング信号の”H”の時の電圧と同じ
V1である。抵抗8と抵抗9との接続点の電圧は整流回
路1の出力電圧が分圧された電圧V2となり、この電圧
V2は整流回路1の出力電圧に対応した電圧になるので
脈流となる。この電圧V2のピーク電圧値はV1>V2
となるように設定されている。
【0023】次に、この実施例の動作について説明す
る。スイッチング信号が”H”の時、ダイオード12は
導通し、ダイオード12のカソードの電圧はV1とな
り、図4の(c)に示すように可飽和リアクトル13の
2次側リアクトルにはリセット電流は流れない。また、
スイッチング信号が”L”の時、ダイオード12は不通
になり、直流電源14の電圧V1と抵抗8、9の接続点
の電圧V2との電位差に応じて、可飽和リアクトル13
の2次側リアクトルにはリセット電流が流れる。すなわ
ち、抵抗8、9の接続点の電圧V2は整流回路1の出力
電圧に対応した電圧であり、直流電源14の電圧V1と
抵抗8、9の接続点の電圧V2の関係はV1>V2とな
っているので、スイッチング信号が”L”の時に可飽和
リアクトル13の2次側リアクトルに流れるリセット電
流は、整流回路1の出力電圧が高い時は小さいリセット
電流が流れ、逆に整流回路1の出力電圧が低い時は大き
いリセット電流が流れる。
【0024】したがって、可飽和リアクトル13の2次
側リアクトルには図4の(c)に示す電流波形のリセッ
ト電流が流れる。可飽和リアクトル13はリセット電流
の大きさに応じてリセットされ、1次側リアクトルに電
圧をかけた時、可飽和リアクトル13が飽和するまでの
時間が、リセット電流が大きい時は長くなり、逆にリセ
ット電流が小さい時は短くなる。また、可飽和リアクト
ル13の1次側リアクトルには図4の(b)に示す電圧
波形のスイッチング信号がかかっている。このスイッチ
ング信号が”L”の時は1次側リアクトルにかかる電圧
は0であり、スイッチング素子11のベースにかかる電
圧は0となる。この時、可飽和リアクトル13の1次側
リアクトルにはリセット電流が流れている。
【0025】次に、スイッチング信号が”H”になると
1次側リアクトルにはV1の電圧がかかるが、スイッチ
ング信号が”L”の時に1次側リアクトルに流れたリセ
ット電流によりリセットされているため、可飽和リアク
トル13が飽和するまで、スイッチング素子11のベー
スにかかる電圧は0となっている。そして、可飽和リア
クトル13が飽和すると、可飽和リアクトル13のイン
ダクタンスがたいへん小さくなり、スイッチング素子1
1のベースにはV1の電圧がかかる。次にスイッチング
信号が”L”になれば、スイッチング素子11のベース
にかかる電圧は0となる。以上の動作を繰り返すこと
で、スイッチング素子11のベースにパルス状の電圧が
かかる。また、上述のように、整流回路1の出力電圧が
高い時はリセット電流は小さくなり、逆に、整流回路1
の出力電圧が低い時は、リセット電流は大きくなるの
で、スイッチング素子11のベースにかかる電圧波形の
パルス幅は、図4の(d)に示すように、整流回路1の
出力電圧が高い時は広くなり、逆に、整流回路1の出力
電圧が低い時は狭くなる。
【0026】そして、スイッチング素子11は図4の
(d)に示す電圧波形によりスイッチング制御され、そ
のスイッチングにより整流回路1から電流が流れる。こ
のスイッチング素子11のスイッチングが図4の(a)
に示す電源電圧波形の全周期期間にわたっているため、
電圧の一周期を360°とした時の電流が流れている角
度である導通角を非常に大きくすることができる。さら
に、流れる電流の大きさは、スイッチング素子11に図
4の(d)に示す電圧波形のパルス幅に応じて変化し、
その電流の大きさはパルス幅が広い時は多く流れ、パル
ス幅が狭い時は少なく流れる。
【0027】したがって、整流回路1の出力電圧が高い
時は電流が多く流れ、整流回路1の出力電圧が低い時は
電流が少なく流れるようになり、入力電流を入力電圧に
合わせて流すことができ、入力力率を向上させ、電源高
調波を低減させることが可能となる。さらに、スイッチ
ング素子11のスイッチング制御を可飽和リアクトル1
3により行い、このトランスは高周波で使用するので、
小さいものでよく、装置を小型、安価にすることが可能
となる。
【0028】実施例2.図2は本発明の他の実施例に係
るインバータ装置の回路図である。図において、充電コ
ンデンサ4の両端には直列接続された抵抗15、16が
並列に接続されている。また、実施例1の可飽和リアク
トル13の2次側リアクトルの一端に接続された直流電
源14に代えて、可飽和リアクトル13の2次側リアク
トルの一端に抵抗15、16の接続点がダイオード17
を介して接続されている。他の構成は実施例1と同様で
ある。
【0029】図4の(e)は図2のe部における電圧波
形を示したものである。実施例1と同様に、インバータ
回路5で使用しているスイッチング信号の電圧は”H”
の時はV1、”L”の時は0であり、抵抗8と抵抗9と
の接続点の電圧は整流回路1の出力電圧が分圧された電
圧V2となり、この電圧V2は整流回路1の出力電圧に
対応した電圧になるので脈流となる。この電圧V2のピ
ーク電圧値はV1>V2となるように設定されている。
さらに、抵抗15と抵抗16との接続点の電圧は充電コ
ンデンサ4の平滑電圧に対応した電圧であり、この電圧
は、充電コンデンサ4の平滑電圧が基準電圧の時は、イ
ンバータ回路5で使用しているスイッチング信号の”
H”の時と同じ電圧V1である。
【0030】次に、この実施例の動作について説明す
る。この実施例では、充電コンデンサ4の平滑電圧が基
準電圧の時は、抵抗15と抵抗16との接続点の電圧が
V1となり、可飽和リアクトル13の2次側リアクトル
にはV1の電圧がかかり、実施例1と同様の動作をす
る。そこで、充電コンデンサ4の平滑電圧が基準電圧よ
り下がると、抵抗15と抵抗16との接続点の電圧はV
1より下がり、可飽和リアクトル13の2次側リアクト
ルにかかる電圧が下がる。可飽和リアクトル13の2次
側リアクトルには、この電圧と抵抗8と抵抗9との接続
点の電圧との電位差によりリセット電流が流れるので、
充電コンデンサ4の電圧が基準電圧の時と比べて、可飽
和リアクトル13の2次側リアクトルに流れるリセット
電流が全体的に小さくなる。
【0031】したがって、可飽和リアクトル13のリセ
ット電流が全体的に小さくなる。実施例1で述べたよう
に、リセット電流が大きいと、スイッチング素子11の
ベースにかかる電圧波形のパルス幅が狭くなり、逆に、
リセット電流が小さいと、パルス幅が広くなるので、ス
イッチング素子11のベースにかかる電圧は、図4の
(e)に示す電圧波形のように、各パルス幅が図4の
(d)に示す充電コンデンサ4の平滑電圧が基準電圧の
時と比べて、全体的に広くなる。そして、各パルス幅が
全体的に広くなるため、充電コンデンサ4の平滑電圧は
上がる。また、逆に充電コンデンサ4の平滑電圧が基準
電圧より上がると、抵抗15と抵抗16との接続点の電
圧がV1より大きくなり、スイッチング素子11のベー
スにかかる電圧の各パルス幅は全体的に狭くなり、充電
コンデンサ4の平滑電圧は下がる。
【0032】以上のように、充電コンデンサ4の平滑電
圧が変化しても、基準電圧を保つように動作するので、
充電コンデンサ4の平滑電圧を一定に保つことができ、
各部品の過電圧への保護及び負荷電流の安定供給が可能
となる。
【0033】実施例3.図3は本発明の他の実施例に係
るインバータ装置の回路図である。図において、18は
抵抗、19はコンデンサであり、抵抗18とコンデンサ
19とでインバータ回路5で使用しているスイッチング
信号の周波数に応じて出力が変化する積分回路31を構
成している。20はスイッチング素子、21、22は抵
抗であり、スイッチング素子20と抵抗21、22とで
積分回路31の出力電圧を反転増幅する反転増幅回路3
2を構成している。23は抵抗であり、可飽和リアクト
ル13とダイオード17の接続点と反転増幅回路32の
出力端子との間に接続され、抵抗15と抵抗16の接続
点の電圧に反転増幅回路32の出力電圧を重畳させてい
る。24は反転増幅回路32の電源である直流電源であ
る。他の構成は実施例2と同様である。
【0034】実施例2と同様に、インバータ回路5で使
用しているスイッチング信号の電圧は”H”の時はV
1、”L”の時は0であり、抵抗8と抵抗9との接続点
の電圧は整流回路1の出力電圧が分圧された電圧V2と
なり、この電圧V2は整流回路1の出力電圧に対応した
電圧になるので脈流となる。この電圧V2のピーク電圧
値はV1>V2となるように設定されている。また、抵
抗15と抵抗16との接続点の電圧は充電コンデンサ4
の平滑電圧に対応した電圧である。
【0035】さらに、積分回路31の出力電圧は、イン
バータ回路5で使用しているスイッチング信号の周波数
に応じて変化する。積分回路31の出力電圧は反転増幅
回路32で反転増幅され、抵抗23を介して、可飽和リ
アクトル13とダイオード17の接続点に印加され、抵
抗15と抵抗16との接続点の電圧に重畳されている。
【0036】この時、可飽和リアクトル13の2次側リ
アクトルにかかる電圧は、抵抗15と抵抗16との接続
点の電圧に反転増幅回路32の出力電圧が重畳された電
圧となり、充電コンデンサ4の電圧が基準電圧で、スイ
ッチング信号の周波数が基準周波数の時は、スイッチン
グ信号の”H”の時と同じ電圧V1である。
【0037】次にこの実施例の動作について説明する。
この実施例では、充電コンデンサ4の平滑電圧が基準電
圧及びインバータ回路5で使用しているスイッチング信
号の周波数が基準周波数の時は、可飽和リアクトル13
の2次側リアクトルにはV1の電圧がかかり、スイッチ
ング信号の周波数を変化させない時は、実施例2と同様
の動作をする。
【0038】そこで、スイッチング信号の周波数を上げ
ると、積分回路の出力電圧が下がり、反転増幅回路の出
力電圧は上がるので、抵抗15と抵抗16との接続点の
電圧に重畳される電圧が上がる。そして、可飽和リアク
トル13の2次側リアクトルにかかる電圧が上がる。可
飽和リアクトル13の2次側リアクトルには、この電圧
と抵抗8と抵抗9との接続点の電圧との電位差によりリ
セット電流が流れるので、スイッチング信号の周波数が
基準周波数の時と比べて、可飽和リアクトル13の2次
側リアクトルに流れるリセット電流が全体的に大きくな
る。
【0039】実施例1で述べたように、リセット電流が
大きいと、スイッチング素子11のベースにかかる電圧
波形のパルス幅が狭くなり、逆に、リセット電流が小さ
いと、パルス幅が広くなるので、スイッチング素子11
のベースにかかる電圧波形の各パルス幅は、スイッチン
グ信号の周波数が基準周波数の時に比べて、全体的に狭
くなる。そして、各パルス幅が全体的に狭くなるため、
充電コンデンサ4の平滑電圧は下がることになる。放電
灯の調光には、放電灯に流す電流を減らしてやることが
必要であるが、このスイッチング周波数を上げること
と、平滑電圧を下げることは共に放電灯に流す電流値を
少なくする効果があり、これらを同時に行うことによ
り、調光時のスイッチング周波数の変化の幅を少なくす
ることが可能となる。
【0040】なお、この実施例では、反転増幅回路32
の出力電圧は、抵抗15と抵抗16との接続点の電圧に
重畳させているが、実施例1における直流電源14の直
流電圧に重畳させるか、または、可飽和リアクトル13
の2次側リアクトルに印加される直流電源14の直流電
圧の代わりに、増幅回路32の出力電圧を可飽和リアク
トル13の2次側リアクトルに印加してもよい。この場
合も、実施例3と同様にスイッチング周波数を上げる
と、充電コンデンサの平滑電圧が下がり、調光時のスイ
ッチング周波数の変化の幅を少なくすることが可能とな
る。
【0041】
【発明の効果】以上のように第1の発明によれば、整流
回路の出力をチョッパ回路によりパルス波に変換する時
に、可飽和リアクトルを用い、インバータ回路から出力
されたスイッチング信号を可飽和リアクトルの1次側リ
アクトルを介してチョッパ回路のスイッチング素子に入
力し、可飽和リアクトルの2次側リアクトルの一方の端
子には、スイッチング信号の最大値と同じ電圧の直流電
圧を与えておき、2次側リアクトルの他方の端子には整
流回路の出力電圧を分圧したスイッチング信号の電圧値
より小さい分圧電圧とインバータ回路からのスイッチン
グ信号の電圧をダイオードを介して入力しておき、分圧
電圧と直流電圧との差に応じたリセット電流を流すこと
により、そのリセット電流に応じてスイッチング信号の
パルス幅を整流回路の出力電圧が大きい時には広く、小
さい時には狭くし、整流回路の出力電圧が大きい時は大
きい電流を流し、小さい時は小さい電流を流すようにし
たので、入力電流は入力電圧波形に合わした正弦波状の
高周波電流となり、導通角を非常に大きくすることがで
き、また、入力交流電圧波形と入力電流波形を合わせる
ことができ、入力力率が向上し、電源高周波電流が低減
し、さらに、可飽和リアクトルによりチョッパ回路のス
イッチング素子を制御するので、回路構成を簡単にで
き、装置を小型、簡易な構成にすることができるという
効果を有する。
【0042】第2の発明によれば、整流回路の出力をチ
ョッパ回路によりパルス波に変換する時に、可飽和リア
クトルを用い、インバータ回路から出力されたスイッチ
ング信号を可飽和リアクトルの1次側リアクトルを介し
てチョッパ回路のスイッチング素子に入力し、可飽和リ
アクトルの2次側リアクトルの一方の端子には、充電コ
ンデンサにかかる平滑電圧を分圧した、インバータ回路
のスイッチング信号の最大値と同じ電圧値の直流電圧を
与えておき、2次側リアクトルの他方の端子には整流回
路の出力電圧を分圧したスイッチング信号の電圧値より
小さい分圧電圧とインバータ回路からのスイッチング信
号の電圧をダイオードを介して入力しておき、分圧電圧
と直流電圧との差に応じたリセット電流を流すことによ
り、そのリセット電流に応じてスイッチング信号のパル
ス幅を整流回路の出力電圧が大きい時には広く、小さい
時には狭くし、整流回路の出力電圧が大きい時は大きい
電流を流し、小さい時は小さい電流を流すようにし、ま
た、充電コンデンサの平滑電圧が上がると、分圧電圧が
上り、リセット電流を全体的に多く流し、下がると分圧
電圧が下がり、リセット電流を全体的に少なく流すよう
にしたので、入力電流は入力電圧波形に合わした正弦波
状の高周波電流となり、導通角を非常に大きくすること
ができ、また、入力交流電圧波形と入力電流波形を合わ
せることができ、入力力率が向上し、電源高周波電流が
低減し、さらに、充電コンデンサの平滑電圧が一定に保
たれ、各部品の過電圧への保護、負荷電流の安定供給が
でき、可飽和リアクトルによりチョッパ回路のスイッチ
ング素子を制御するので、回路構成を簡単にでき、装置
を小型、簡易な構成にすることができるという効果を有
する。
【0043】第3の発明によれば、積分回路により、イ
ンバータ回路のスイッチング信号の周波数に応じて変化
する電圧を出力し、反転増幅回路により積分回路の出力
電圧を反転増幅し、その反転増幅出力を、第2の発明に
おける可飽和リアクトルの2次側リアクトルに与えられ
た、充電コンデンサにかかる平滑電圧を分圧したインバ
ータ回路のスイッチング信号の最大値と同じ電圧値の直
流電圧に重畳し、可飽和リアクトルの2次側リアクトル
に印加される電圧を、インバータ回路のスイッチング信
号の周波数を高くすると大きくし、可飽和リアクトルの
2次側リアクトルに流れる電流が全体的に多くなるよう
にしたので、インバータ回路のスイッチング信号の周波
数を高くすると、チョッパ回路のスイッチング素子に入
力される波形のパルス幅が全体的に狭くなり、充電コン
デンサの平滑電圧が下がるので、放電灯の調光時にイン
バータ回路のスイッチング周波数を変化させると、充電
コンデンサの電圧も同時に変化し、インバータ回路のス
イッチング周波数の変化幅が小さくても、負荷電流の変
化幅を大きくすることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るインバータ装置の回路
図である。
【図2】本発明の実施例2に係るインバータ装置の回路
図である。
【図3】本発明の実施例3に係るインバータ装置の回路
図である。
【図4】本発明の実施例の各部の電圧波形及び電流波形
を示した波形図である。
【図5】従来のインバータ装置の回路図である。
【図6】従来のインバータ装置の入力電圧、電流波形図
である。
【符号の説明】 1 整流回路 2 インダクタンス素子 3、12、17 ダイオード 4 充電コンデンサ 5 インバータ回路 6 インダクタンス素子(負荷回路) 7 放電灯(負荷回路) 8、9、10、15、16、18、21、22、23
抵抗 11、20 スイッチング素子 13 可飽和コアを持つ可飽和リアクトル 14、24 直流電源 19 コンデンサ 30 チョッパ回路 31 積分回路 32 反転増幅回路 41 商用電源 42 整流回路 43 充電コンデンサ 44、45 スイッチング素子 46、47 ダイオード 48 スイッチ制御回路 49 カップリングコンデンサ 50 電流制限用インダクタンス素子 51 コンデンサ 52 放電灯

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源の交流を全波整流する整流回路
    と、 インダクタンス素子、ダイオード及びスイッチング素子
    から構成され、整流回路の出力をパルス波に変換するチ
    ョッパ回路と、 チョッパ回路からの出力を充電する充電コンデンサと、 充電コンデンサの直流電荷を高周波に変換するインバー
    タ回路と、 インバータ回路から出力された高周波が供給される負荷
    回路と、 前記インバータ回路から出力されたスイッチング信号を
    前記チョッパ回路のスイッチング素子に入力させる1次
    側リアクトルと、一方の端子に前記インバータ回路のス
    イッチング信号と同じ電圧値の直流電圧が印加され、他
    方の端子に前記整流回路の出力電圧を分圧した前記スイ
    ッチング信号の電圧値より小さい分圧電圧及び前記イン
    バータ回路からのスイッチング信号がダイオードを介し
    て入力され、前記分圧電圧と前記直流電圧との差に応じ
    たリセット電流が流される2次側リアクトルとを有する
    可飽和リアクトルとを備えたことを特徴とするインバー
    タ装置。
  2. 【請求項2】 交流電源の交流を全波整流する整流回路
    と、 インダクタンス素子、ダイオード及びスイッチング素子
    から構成され、整流回路の出力をパルス波に変換するチ
    ョッパ回路と、 チョッパ回路からの出力を充電する充電コンデンサと、 充電コンデンサの直流電荷を高周波に変換するインバー
    タ回路と、 インバータ回路から出力された高周波が供給される負荷
    回路と、 前記インバータ回路から出力されたスイッチング信号を
    前記チョッパ回路のスイッチング素子に入力させる1次
    側リアクトルと、一方の端子に前記充電コンデンサの平
    滑電圧を分圧した前記インバータ回路のスイッチング信
    号と同じ電圧値の直流電圧が印加され、他方の端子に前
    記整流回路の出力電圧を分圧した前記スイッチング信号
    の電圧値より小さい分圧電圧及び前記インバータ回路か
    らのスイッチング信号がダイオードを介して入力され、
    前記分圧電圧と前記直流電圧との差に応じたリセット電
    流が流される2次側リアクトルとを有する可飽和リアク
    トルとを備えたことを特徴とするインバータ装置。
  3. 【請求項3】 前記インバータ回路のスイッチング信号
    の周波数に応じて出力電圧を変化させる積分回路と、 積分回路の出力電圧を反転増幅し、前記可飽和リアクト
    ルの2次側リアクトルに印加される前記直流電圧に重畳
    させる反転増幅回路とを備えたことを特徴とする請求項
    1または請求項2記載のインバータ装置。
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