JP3456788B2 - スイッチング電源 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する分野】本発明は商用入力の力率改善用ス
イッチング電源に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より図１に示すようなスイッチング
電源が提案されている。図１において、商用電源１に接
続された全波整流器２の出力にコンデンサ３を接 （２） 続し、前記コンデンサ３の両端にトランス４の１次巻線
５とオン、オフ動作を行うスイッチング素子１０の直列
回路を接続し、トランス４の３次巻線６の両端にダイオ
−ド７とコンデンサ８を直列に接続して、前記コンデン
サ８の両端には負荷９を接続して直流電圧を供給する。

【０００３】誤差増幅器１２はコンデンサ８の両端の直
流電圧を一方の入力とし、予め定められた基準電圧１３
を他方の入力として、それらの誤差電圧を増幅し、その
出力はパルス発生器１１に接続されている。

【０００４】パルス発生器１１は、誤差増幅器１２の出
力信号を入力とし、直流電圧が基準電圧１３より大きく
なった時には、スイッチング素子１０のオン時間を短く
し反対に、直流電圧が基準電圧１３より小さくなった時
にはスイッチング素子１０のオン時間を長くするような
パルスを発生して直流電圧を安定化するように動作す
る。

【０００５】駆動回路１４は、パルス発生器１１の出力
を増幅し、スイッチング素子１０を駆動する。

【０００６】しかし、上記従来例のようなスイッチング
電源においては、全波整流器を構成するダイオ−ドが２
個直列に接続された回路に入力電流が流れることになる
ので、１次側の整流に伴いダイオ−ド２個分の損失を生
じる結果、効率が悪い欠点がある。又入力コンデンサ３
により入力力率も悪くなる欠点もある。

【０００７】

【発明の目的】本発明は、スイッチング電源の入力側を
交流電源とし、入力整流回路のロス及び入力平滑回路に
よる力率低下を低減した、高効率かつ力率改善を図った
スイッチング電源を提供する事を目的とする。

【０００８】 （３）

【実施例】図２は本発明の第１の実施例を示す。図２の
回路の構成と動作について図３の動作波形を用いて説明
する。尚図２において、図１で説明したものと同じ部品
は同じ符号を付けてある。

【０００９】図２において商用電源１にコンデンサ３′
を並列接続し、前記コンデンサ３′の両端に、第１のダ
イオ−ド２６、トランス４の１次巻線５及び第１のスイ
ッチング素子１９が、商用電源１が正の半サイクル時に
順方向となる様に直列に接続され、これを第１のスイッ
チング回路とする。

【００１０】次にコンデンサ３′の両端に、第２のダイ
オ−ド２７、トランス４の２次巻線１４及び第２のスイ
ッチング素子１８が、商用電源１が負の半サイクル時に
順方向となる様に直列に接続し、これを第２のスイッチ
ング回路として構成する。

【００１１】そしてトランス４の３次巻線６の出力にダ
イオ−ド７とコンデンサ８を直列に接続し、前記コンデ
ンサ８の両端には負荷を接続して直流電圧を供給する。

【００１２】ここで前記トランス４の各々の巻線は、図
２においてそれぞれ黒丸を付した側を同一の極性とし、
トランス４の１次巻線５と２次巻線１４は、同じ巻数と
する。

【００１３】誤差増幅器１２は、前記コンデンサ８の両
端の直流出力電圧を一方の入力とし、予め定められた基
準電圧１３を他方の入力として、それらの誤差電圧を増
巾し、その出力はパルス発生器１１に接続されている。

【００１４】パルス発生器１１は、誤差増巾器１２の出
力信号を入力とし、前記コンデンサ８の両端電圧（出力
電圧）が基準電圧１３より大きくなった時には、第１及
び第２のスイッチング素子１８、１９のオン時間を短く
し、反対に出力電圧が基準電圧１３より小さくなった時
には、第１及び第２のスイッチング素子１８、１９の （４） オン時間を長くするようにパルス制御をして、出力電圧
を安定化するように動作する。

【００１５】各駆動回路２０と２１は、パルス発生器１
１の出力を増幅し、第１及び第２のスイッチング素子１
８と１９をそれぞれ駆動する。

【００１６】コンデンサ３′は入力電流から上記スイッ
チングによって発生する高周波成分を除去するために設
けたものである。

【００１７】以上の回路構成に於いて、定常動作を図３
の波形を用いて説明する。（Ａ）の商用電源が正の半サ
イクル時、第１のスイッチング回路により、トランス４
の１次巻線に（Ｂ）の様なスイッチング電圧が発生す
る。

【００１８】次に（Ａ）の商用電源が負の半サイクル
時、第２のスイッチング回路により、トランス４の２次
巻線１４に（Ｃ）の様なスイッチング電圧が発生する。

【００１９】尚この時、第１及び第２のスイッチング素
子１８、１９を駆動する駆動回路２０、２１の駆動出力
波形は、図３（Ｅ）の様になっており、それぞれのスイ
ッチング回路は同期された波形が出力される。又駆動回
路２０、２１は、各々電気的に絶縁されているものとす
る。

【００２０】この結果、トランス４の３次巻線６には
（Ｄ）の様な波形が出力され、トランス４の３次巻線６
の電圧はダイオ−ド７で整流されて、コンデンサ８によ
り平滑されて直流電圧になり負荷９に供給される。

【００２１】以上のように、図２に示す構成例のような
スイッチング電源においては、等価的に１次側の整流に
伴う損失をダイオ−ド１個分の損失とすることができる
結果、従来例に比べて効率を改善することができる。 （５）

【００２２】図４は、本発明の第２の実施例を示す。図
４の回路の構成と動作について説明する。図４において
図３で説明したものと同じものは、同じ符号を付けてい
る。

【００２３】図４において、パルス発生器１６は、誤差
増幅器１２の出力を第１の入力とし、入力電流検出回路
２５の出力を第２の入力として、直流電圧が基準電圧１
３より大きくなった時には、スイッチング素子１８と１
９のオン時間を短くし、直流電圧が基準電圧１３より小
さくなった時には、スイッチング素子１８と１９のオン
時間を長くするようなパルスを発生して、直流電圧を安
定化するように動作すると共に、入力電流の波形が入力
電圧に相似するように、スイッチング素子のオン・オフ
時間を制御する。

【００２４】このように動作するスイッチング電源は、
力率を高くできることが知られているので、図４のよう
な回路構成とすることで、前述のように、１次側の整流
に伴う損失減らすことができる結果、従来の高力率型の
スイッチング電源よりも、力率及び効率を改善すること
が出来る。

【００２５】

【発明の効果】本発明により、スイッチング回路を交流
電源で動作させる事が出来、入力側の整流回路や直流平
滑コンデンサが不要となり、力率改善及び効率アップを
図ったスイッチング電源を提供出来るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のスイッチング電源基本回路図

【図２】本発明のスイッチング電源第１の実施例

【図３】 （６） 本発明のスイッチング電源の各部波形

【図４】本発明のスイッチング電源第２の実施例

【符号の説明】

１ 商用電源 ２ 全波整流器 ３、３′ コンデンサ ４ トランス ７、１５ 整流用ダイオ−ド ８ 平滑用コンデンサ ９ 負荷 １０、１８、１９ スイッチング素子 １１、１６ パルス発生器 １２ 誤差増幅器 １３ 基準電圧 ２６、２７ ダイオ−ド ２０、２１ 駆動回路 ２５ 電流検出回路

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンデンサが並列接続された商用電源を
   入力とし、前記商用電源が正の半サイクルの時順方向と
   なる第１のダイオードとトランスの１次巻線と第１のス
   イッチング素子とを直列に接続して成る第１のスイッチ
   ング回路と、前記商用電源が負の半サイクルの時順方向
   となる第２のダイオードとトランスの２次巻線と第２の
   スイッチング素子とを直列に接続して成る第２のスイッ
   チング回路から構成され、前記トランスの３次巻線より
   整流回路及び平滑回路を通して負荷に直流出力を供給す
   る事を特徴とするスイッチング電源。
2. 【請求項２】 前記第１のスイッチング素子及び前記第
   ２のスイッチング素子のスイッチング周波数は、商用電
   源周波数より高い事を特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載のスイッチング電源。
3. 【請求項３】 スイッチング電源の入力電流波形が、入
   力電圧波形と相似形に成る様に、前記第１及び第２のス
   イッチング素子をオン、オフ制御する事を特徴とする特
   許請求の範囲第１項又は第２項記載のスイッチング電
   源。
4. 【請求項４】 前記第１のスイッチング素子の制御信号
   が前記商用電源の正の半サイクルと同期し、前記第２の
   スイッチング素子の制御信号が前記商用電源の正の半サ
   イクルと同期して、オン、オフ制御する事を特徴とする
   特許請求の範囲第１項乃至第３項のいずれかに記載のス
   イッチング電源。