JPH06283731A - 空間光変調素子の製造方法 - Google Patents

空間光変調素子の製造方法

Info

Publication number
JPH06283731A
JPH06283731A JP5067897A JP6789793A JPH06283731A JP H06283731 A JPH06283731 A JP H06283731A JP 5067897 A JP5067897 A JP 5067897A JP 6789793 A JP6789793 A JP 6789793A JP H06283731 A JPH06283731 A JP H06283731A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
shielding layer
spatial light
light modulator
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5067897A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2798865B2 (ja
Inventor
Kuniharu Takizawa
國治 滝沢
Hiroshi Kikuchi
宏 菊池
Jiyungo Kondou
順悟 近藤
Yukihisa Osugi
幸久 大杉
Masaji Tange
正次 丹下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd, Nippon Hoso Kyokai NHK, Japan Broadcasting Corp filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP5067897A priority Critical patent/JP2798865B2/ja
Publication of JPH06283731A publication Critical patent/JPH06283731A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2798865B2 publication Critical patent/JP2798865B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空間光変調素子(SLM)の遮光層を形成
するのに際し、抵抗率が高くかつ光透過率の低い遮光層
を安定して製造できるようにすることである。 【構成】 光導電層と、この光導電層の一方の面に設け
られた一方の透明電極膜と、前記光導電層の他方の面に
設けられた遮光層と、この遮光層上に設けられた誘電体
多層膜と、この誘電体多層膜上に設けられた光変調層
と、この光変調層の表面に設けられた他方の透明電極膜
とを少なくとも備えた空間光変調素子を製造する。アモ
ルファス膜によって遮光層を構成し、プラズマ化学気相
成長法によって、高周波電力密度を制御することによ
り、好ましくは4.8×10-2W/cm2 以下の高周波電力
密度で前記アモルファス膜を作製する。このアモルファ
ス膜は、12.5〜35原子%のゲルマニウムと25〜8
2.5原子%の炭素と5〜62.5原子%のケイ素とから実
質的に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、投写形ディスプレイに
用いる空間光変調素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】投写形ディスプレイの開発には、現在3
種のアプローチがある。このうち、ブラウン管を用いた
投写形ディスプレイは、ブラウン管の輝度に限界があ
り、かつ装置が大型化するという難点があるため、ディ
スプレイの大面積化には限界がある。また、薄膜トラン
ジスタアレーを持つ液晶パネルで構成される液晶投写形
ディスプレイの場合は、液晶パネルの解像度が不足して
いること、液晶パネルの開口率が低いこと、アモルファ
スシリコン薄膜からなる薄膜トランジスタアレーの耐光
性が低いこと等の問題がある。
【0003】このため、空間光変調素子、小形ディスプ
レイ及び光源を拡大投写光学系に組み入れた、投写形デ
ィスプレイが有望視されている。この方式では、微弱な
画像を一度空間光変調素子に書き込み、この書き込み情
報に従って別の読み出し光を変調し、スクリーンに投写
する。
【0004】即ち、画像情報を荷った書き込み光を光導
電層へと照射し、書き込み光よりも強度の大きい読み出
し光を、書き込み光とは反対側から光変調層へと照射す
る。このため、光導電層と光変調層との間に誘電体多層
膜ミラーを設け、読み出し光を反射させている。
【0005】しかし、誘電体多層膜は、屈折率の異なる
誘電体膜を多数重ねたものであり、その反射率は高々九
十数〜九十九%程度である。読み出し光は書き込み光よ
りも遙かに大きい光強度を有するので、読み出し光のご
く一部でも光導電層側に洩れれば、光導電層が感光し、
その抵抗が下がる。このため、読み出し光の書き込み光
に対する強度比(増幅率)を向上させるには、誘電体多
層膜を透過した読み出し光を、光導電層と光変調層との
間で効果的に遮断しなければならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このため、本発明者
は、光導電層と誘電体多層膜との間に遮光層を設け、光
変調層及び誘電体多層膜を透過した読み出し光を、遮光
層で吸収する技術を開発した。しかし、この技術につい
て更に検討を進めると、特に製造プロセスに困難な問題
のあることが判った。
【0007】即ち、空間光変調素子におけるデバイス特
性、特に解像度は、遮光層の抵抗率と光透過率とに大き
く依存する。まず、遮光層の抵抗率が下がると、画像の
コントラストが下がり、解像度が下がる。また、遮光層
の光透過率が大きくなると、読み出し光の強度が一定で
あっても、光透過量が多くなる。遮光層を透過した読み
出し光は、光導電層にホトキャリアを生じさせ、光導電
層の全体に亘って電気抵抗を低下させる。この結果、画
像のコントラストが低下し、素子の解像度が下がる。逆
に言えば、遮光層の光透過率が大きくなると、解像度を
一定にするためには、読み出し光の強度を小さくするこ
とが必要である。
【0008】しかし、遮光層の抵抗率と光透過率とは、
互いに相反する特性である。即ち、遮光層の光透過率を
下げるには、光の吸収能力を上げる必要がある。ところ
が、読み出しの吸収能力が高い遮光層においては、吸収
した光エネルギーの影響によって、抵抗率が著しく下が
る。こうなると、空間光変調素子の解像度が急激に劣化
し、投射画像が不鮮明になる。
【0009】本発明の課題は、空間光変調素子(SL
M)の遮光層を形成するのに際し、抵抗率が高くかつ光
透過率の低い遮光層を安定して製造できるようにするこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、光導電層と、
この光導電層の一方の面に設けられた一方の透明電極膜
と、前記光導電層の他方の面に設けられた遮光層と、こ
の遮光層上に設けられた誘電体多層膜と、この誘電体多
層膜上に設けられた光変調層と、この光変調層の表面に
設けられた他方の透明電極膜とを少なくとも備えた空間
光変調素子を製造するのに際し、12.5〜35原子%の
ゲルマニウムと25〜82.5原子%の炭素と5〜62.5
原子%のケイ素とから実質的に構成されているアモルフ
ァス膜からなる前記遮光層をプラズマ化学気相成長法に
よって高周波電力密度を制御することにより作製するこ
とを特徴とする、空間光変調素子の製造方法に係るもの
である。
【0011】上記において、高周波電力密度とは、プラ
ズマ化学気相成長(CVD)法において、アノードとカ
ソードとの間に加える高周波電力を、アノード、カソー
ドの面積で除した値である。そして、本発明において望
ましくは、この高周波電力密度を4.8×10-2W/cm2
以下とした時に、良好な膜を作製できる。
【0012】本発明者は、ゲルマニウム、炭素及びケイ
素を含有するアモルファス膜からなる遮光層を、プラズ
マCVD法によって、4.8×10-2W/cm2 以下の高周
波電力密度で成膜すれば、抵抗率が大きく、かつ光透過
率の小さい、バランスのとれた遮光層が得られることを
見出した。具体的には、高周波電力密度を低下させる
と、遮光層の抵抗率は増大し、光透過率が低下すること
が、判明した。
【0013】そして、高周波電力密度を4.8×10
-2(W/cm2 )以下とすれば遮光層の光透過率が0.8%
以下となり、抵抗率が3.0×109 Ω・cm以上となり、
空間光変調素子の解像度が17 lp /mm以上になること
が判明した。この空間光変調素子をプロジェクターとし
て使用した場合、空間光変調素子の解像度が17 lp /
mm未満になると、画像が急激に劣化し、不明瞭になっ
た。これは、投写画像上で画素が不足しているためであ
る。
【0014】また、アモルファス膜の組成については、
12.5〜35原子%のゲルマニウムと25〜82.5原子
%の炭素と5〜62.5%のケイ素とから実質的に構成す
ると、素子の解像度が良好になった。「実質的に」と
は、不可避的不純物は許容されることを意味する。
【0015】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に説明する。光変
調層を構成する液晶材料としては、ネマティック液晶、
コレステリック液晶、スメクティック液晶、ポリマー分
散型液晶が好ましい。光導電層は、Bi12SiO20単結
晶、Bi12GeO20単結晶、GaAs単結晶で形成する
ことが好ましい。または、光導電層を、GaAs膜、水
素化アモルファスシリコン膜、水素化アモルファスシリ
コンカーバイト膜、アモルファスセレン膜で形成するこ
とが好ましい。
【0016】図1〜図5を参照しつつ、本発明の実施例
に係る空間光変調素子12Aの製造過程を、順を追って
説明する。この実施例では、光導電層1Aとして、Bi12
SiO20単結晶、Bi12GeO20単結晶又はGaAs単
結晶を用いる。
【0017】まず、Bi12SiO20,Bi12GeO20
およびGaAsの単結晶からなる光導電層1Aを単結晶
のウエハーから切り出し、光導電層1Aの一方の表面に
一方の透明電極膜2Aを設ける(図1)。次いで、図2
に示すように、光導電層1Aの他方の表面に、本発明に
従い、遮光層3を設ける。遮光層3の組成及び製法につ
いては、後述する。次いで、図3に示すように、遮光層
3の表面に誘電体多層膜4を蒸着によって設ける。
【0018】この一方、図4に示すように、ガラス基板
7の表面に、他方の透明電極膜2Bを形成する。誘電体多
層膜4と透明電極膜2Bとを、スペーサーを含むシール
材5を挟んで対向させる。誘電体多層膜4、透明電極膜
2B及びシール材5の間に、平板形状の空間6が形成さ
れる。
【0019】本実施例では、透明ポリマー中に液晶粒子
を分散させてなる液晶材料である、ポリマー分散形液晶
(PDLC: Polymer-Dispersed Liquid Crystal)を
用いる。具体的な製法としては、従来の通常のツイスト
ネマティック液晶と同様に、注入口から未硬化のネマテ
ィック液晶と樹脂マトリクスとの混合物を注入し、注入
口を封止して後、硬化させる。この結果、図5に示すよ
うに、空間6内に、PDLCからなる光変調層8が形成
される。
【0020】なお、シール材を用いない製法もある。即
ち、例えば、透明電極を設けた基板上に未硬化のネマテ
ィック液晶と樹脂マトリクスとの混合物を供給し、その
後、誘電体多層膜及び透明電極を付着した光導電層を重
ねて、光照射等により硬化させることもできる。もちろ
ん,その後、周辺にシール材を塗布して周辺をシールし
てもよい。この製法によれば、単に未硬化のネマティッ
ク液晶と樹脂マトリクスとの混合物をロールコート、ス
ピンコート、印刷、ディスペンサーによる塗布等で供給
すれば良いため、注入工程が簡便であり、生産性が極め
てよい。
【0021】また、未硬化のネマティック液晶と樹脂マ
トリクスとの混合物には、基板間隙制御用のセラミック
粒子、プラスチック粒子、ガラス繊維等のスペーサー、
顔料、色素、粘度調整剤、その他、液晶の性能に悪影響
を与えない添加剤を添加してもよい。
【0022】なお、投写型ディスプレイにおいては、光
変調層をネマティック液晶によって形成した、いわゆる
液晶ライトバルブが一般的である。しかし、このシステ
ムでは、液晶層で位相変調された読み出し光のうちPお
よびS偏波光成分のうちの一方が、偏光ビームスプリッ
タを通過し、スクリーンに投写される。このため、読み
出し光がランダムな偏波状態であるとき、その光の50
%以上が偏光ビームスプリッタで吸収されてしまう。こ
のため、読み出し光の利用率が低くなるし、ビームスプ
リッタが発熱する。
【0023】一方、ポリマー分散形液晶は、アクリル等
の透明ポリマー中に粒状液晶を分散させた液晶材料であ
る。このPDLCによって光変調層8を構成した場合に
は、PDLCに加える印加電圧によって、読み出し光を
透過もしくは散乱させるので、偏光ビームスプリッタが
不要であり、光の利用率が高い。また、液晶層の両側面
に配向層を設ける必要がないので、大面積の空間光変調
素子を作製するのが容易になる。しかも、光変調に複屈
折を利用していないので、液晶層の厚さに不均一があっ
ても、読み出し光の空間一様性に大きな影響がない。
【0024】次に、光導電層を水素化アモルファスシリ
コン膜とした実施例について、図6〜図8を参照しつつ
説明する。まず、図6に示すように、表面を光学研磨し
たガラス基板17に、一方の透明電極膜2Aを設ける。
【0025】水素化アモルファスシリコン膜からなる光
導電層1Bは、透明電極膜2Aの表面にプラズマ化学気
相成長法によって形成することが好ましい。この場合
は、後述するように遮光層3はプラズマ化学気相成長法
を用いて作成するため、透明電極膜2A上に、光導電層
1Bと遮光層3とを、同一の膜形成装置内で連続的に形
成することができる。むろん、この際は、成膜用ガスを
経時的に変更する必要がある。
【0026】図7に示すように、一方の透明電極膜2A
の表面に、水素化アモルファスシリコン膜からなる光導
電層1Bを設け、光導電層1Bの表面に遮光層3を設け
る。この後は、図3、図4、図5において説明した手順
に従って、誘電体多層膜4、光変調層8、他方の透明電
極膜2B、ガラス基板7を設ける。こうして、図8に示す
空間光変調素子12Bを得る。
【0027】次いで、こうした空間光変調素子の動作に
つき、図9の構成例を参照しつつ説明する。微弱な書き
込み光光源10Aから発光された書き込み光は、液晶テ
レビ11を通過して入力画像光となり、この入力画像光
がレンズ13Aで集光され、空間光変調素子12A,1
2Bに照射される。この入力画像光は、透明電極膜2A
を通過し、光導電層1A,1Bに入射する。この一方、
高輝度の読み出し光光源10Bから発光した読み出し光
は、レンズ13Bで集光され、ミラー25で反射され、
レンズ13Cで調節されて、光変調層8へと入射する。
【0028】次いで、この入射光は、主として誘電体多
層膜4で反射され、光変調層8をもう一度通過し、レン
ズ13Cで集光され、レンズ13Dを通ってスクリーン
14上に投写される。
【0029】書き込み光には、液晶テレビ11によって
明暗が付けられている。光導電層1A,1Bのうち、光
が当たらない部分では、一対の透明電極膜2A,2Bの
間の印加電圧は、ほとんど光導電層1A,1Bに集中す
る。このため、光変調層8にかかる印加電圧は、光変調
層8のしきい値電圧には達しない。一方、光導電層1
A,1Bに光が当たると、その部分では光導電層1A,
1Bの電気抵抗が大幅に下がり、光変調層8に分配され
る電圧が上昇してそのしきい値を越える。
【0030】PDLCからなる光変調層8の内部では、
光変調層8に電圧が印加されない場合は、液晶分子がポ
リマーと液晶の界面に沿って配列する。液晶粒子の形状
はランダムである。光変調層8への印加電圧が低いとき
は、液晶粒子とポリマーの屈折率が大幅に異なるため、
読み出し光は光変調層8内で何度も進行方向を変え、散
乱される。一方、光変調層8への印加電圧がしきい値電
圧を越え、液晶分子が電界の方向へと配向すると、読み
出し光は散乱されずに光変調層8を通過する。
【0031】こうした機構により、入力画像光における
二次元的な強弱の分布が、読み出し光における二次元的
な強弱の分布に変換される。読み出し光の強度を書き込
み光の強度よりも大きくすれば、それだけ信号増幅率が
高くなる。
【0032】また、上記の空間光変調素子を使用し、カ
ラー動画像を投写することもできる。この場合、素子1
2A,12Bを3枚用意し、例えば図10に示す光学系
に組み込む。
【0033】図10の光学系においては、液晶パネル2
1B、21R、21Gによってそれぞれ書き込み光を変
調し、各書込み光画像を得る。これらの各書込み光画像
が、それぞれレンズ22B、22R、22Gを透過し、
空間光変調素子20B、20R、20Gに入射する。こ
れにより、各素子への画像の書込みを行う。この一方、
白色光源23から出射した白色光が、レンズ24Aによ
ってミラー25に集束する。この反射光のうち、青色光
がダイクロイックミラー26Bによって反射され、素子
20Bに入射する。青色光以外の可視光は、ダイクロイ
ックミラー26Bを透過する。次いで、赤色光がダイク
ロイックミラー26Rによって反射され、素子20Rに
入射する。緑色光は、ダイクロイックミラー26Rを透
過し、素子20Gに入射する。
【0034】これらの各原色光は、光変調層8を通過
し、主として誘電体多層膜4で反射され、再度光変調層
8を通過し、レンズ24B、24Cを通ってスクリーン
27上に投写される。これにより、フルカラー画像が形
成される。
【0035】(遮光層の組成)上記の遮光層3を、本発
明に従って、ゲルマニウム、炭素及びケイ素を含有する
アモルファス膜によって形成し、かつプラズマ化学気相
成長法によって4.8×10-2W/cm2 以下の高周波電力
密度で作製する。この際には、少なくとも、ゲルマニウ
ム化合物、炭素化合物及びケイ素化合物を含む混合ガス
を用いる。
【0036】特に、モノシラン、水素化ゲルマニウム及
び、メタン、エタン又はエチレンの混合ガスを、成膜用
ガスとして用いることが好ましい。モノシラン、水素化
ゲルマニウム、メタン、エタン又はエチレンの流量を変
更すれば、遮光層の組成を任意に、簡単に変更できるか
らである。
【0037】(遮光層の実験例)まず、基板の表面にプ
ラズマCVD法によって遮光層を形成した。モノシラン
の流量を6.5sccmとし、水素化ゲルマニウムの流
量を2.4sccmとし、エチレンの流量を29.5s
ccmとした。材料ガスの圧力を100mtorrおよび基
板の温度を200℃の条件で、膜厚3.5μmの遮光層
を形成した。こうして得た遮光層の組成は、炭素が56
原子%、ケイ素が18原子%、ゲルマニウムが26原子
%であった。この組成比は、オージエ電子分光装置によ
る定量分析によって求めた。
【0038】高周波電力密度を、表2に示すように変更
し、各遮光層の抵抗率を2端子法で、波長550nmの光
に対する光透過率を分光光度計でそれぞれ測定した。こ
の測定結果を表2及び図11に示す。
【0039】(空間光変調素子の実験例)まず、図1〜
図5に示したような手順で、空間光変調素子12Aを作
製した。ただし、光導電層1AはBi12SiO20単結晶
によって形成し、その寸法は、35mm×35mm×0.5mm
とした。透明電極膜2A,2Bは、真空蒸着法によって
形成した。
【0040】遮光層3は、プラズマCVD法によって形
成した。この条件は、上記と同じであり、遮光層の組成
も上記と同じである。むろん、高周波電力密度は、表2
に示すように変更した。
【0041】誘電体多層膜4は、真空蒸着法で形成し
た。誘電体多層膜4は、TiO2 薄膜とSiO2 薄膜と
の積層体であり、交互に合計20層重ねた。そして、以
下の材料を混合してPDLCを構成し、厚さ18μm の光
変調層8を得た。
【0042】
【表1】 (ネマティック液晶) シアノビフェニル系の混合液晶 常光屈折率n0 =1.525 異常光屈折率ne =1.748 液晶分子の長軸と平行方向の比誘電率=17.6 液晶分子の長軸と垂直方向の比誘電率=5.1 (紫外線硬化ポリマー) ウレタン系ポリマー 屈折率np =1.524 硬化波長域----350〜380nm (球状スペーサ剤) 硬化樹脂 直径----------18μm
【0043】表2に示す条件で作製した空間光変調素子
12Aを図9又は図10の光学系にセットし、画像を表
示し、解像度を測定した。素子12Aの駆動電圧は50
rm s とし、駆動周波数は30Hzとし、書き込み光の
波長は380〜490nmとし、読み出し光の波長は45
0〜570nmとした。書き込み光の強度は300μW/
cm2 とし、読み出しの強度は300mW/cm2 とした。
光増幅率は103 倍である。測定結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2、図11から解るように、高周波電力
密度を低下させると、抵抗率が増大し、光透過率が減少
している。特に、高周波電力密度が4.8×10-2以下で
あると、抵抗率が3×109 Ω・cm以上となり、光透過
率が0.8%以下となり、この結果、解像度が17 lp /
mm以上になった。これより解像度が悪いと、投写画面上
で画素数が不足し、画面が不明瞭になった。
【0046】高周波電力密度を3.5×10-2W/cm2
下とすると更に解像度が顕著に向上し、1.6×-210W
/cm2 以下とすると更に好ましい。ただし、高周波電力
密度が1.0×10-4W/cm2 未満になると、プラズマ
が不安定になる。
【0047】(実験2)実験1と同様にして、遮光層の
抵抗率、波長550nmの光に対する光透過率及び空間光
変調素子の解像度を測定した。ただし、遮光層を形成す
る際の高周波電力密度は、4.8×10-2または1.6
×10-2W/cm2 にした。また、モノシラン、水素化ゲ
ルマニウム、エタンの各流量を調節し、遮光層の組成
を、表3,表4に示すように変更した。この結果を表
3,表4に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】表3,表4から解るように、特にゲルマニ
ウムの比率が12.5〜35原子%であり、炭素の比率が
25原子%以上であり、ケイ素の比率が5原子%以上で
ある場合に、解像度が17 lp /mm以上となり、鮮明な
画像が得られた。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、抵
抗率が大きく、かつ光透過率の小さい、バランスのとれ
た遮光層を製造できる。この結果、空間光変調素子のコ
ントラスト、解像度が向上し、鮮明な投写画像を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光導電層1Aの表面に一方の透明電極膜2Aを形
成した状態を示す断面図である。
【図2】光導電層1Aに遮光層3を設けた状態を示す断
面図である。
【図3】遮光層3の表面に誘電体多層膜4を設けた状態
を示す断面図である。
【図4】誘電体多層膜4と他方の透明電極膜2Bとの間に
シール材5を設置した状態を示す断面図である。
【図5】空間光変調素子12Aを示す断面図である。
【図6】ガラス基板17の表面に一方の透明電極膜2Aを
設けた状態を示す断面図である。
【図7】透明電極膜2Aの表面に、光導電層1B、遮光
層3を順次設けた状態を示す断面図である。
【図8】空間光変調素子12Bを示す断面図である。
【図9】投写光学系の一例を示す模式図である。
【図10】フルカラー投写光学系の一例を示す模式図で
ある。
【図11】高周波電力密度と、光透過率及び抵抗率との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1A,1B 光導電層 2A 一方の透明電極膜 2B 他方の透明電極膜 3 遮光層 4 誘電体多層膜 7,17 ガラス基板 8 液晶材料からなる光変調層 12A,12B, 20B,20R,20G 空間光変調
素子 14 スクリーン 21B,21R,21G 液晶パネル 23 白色光源 26B,26R ダイクロイックミラー
フロントページの続き (72)発明者 近藤 順悟 愛知県愛知郡日進町大字藤島字大根72−7 (72)発明者 大杉 幸久 愛知県名古屋市瑞穂区竹田町3丁目9番地 日本ガイシ竹田北社宅13号 (72)発明者 丹下 正次 愛知県名古屋市天白区表山3丁目150番地 日本ガイシ八事寮

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導電層と、この光導電層の一方の面に
    設けられた一方の透明電極膜と、前記光導電層の他方の
    面に設けられた遮光層と、この遮光層上に設けられた誘
    電体多層膜と、この誘電体多層膜上に設けられた光変調
    層と、この光変調層の表面に設けられた他方の透明電極
    膜とを少なくとも備えた空間光変調素子を製造するのに
    際し、12.5〜35原子%のゲルマニウムと25〜82.
    5原子%の炭素と5〜62.5原子%のケイ素とから実質
    的に構成されているアモルファス膜からなる前記遮光層
    をプラズマ化学気相成長法によって高周波電力密度を制
    御することにより作製することを特徴とする、空間光変
    調素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 4.8×10-2W/cm2 以下の高周波電
    力密度で前記アモルファス膜を作製する、請求項1記載
    の空間光変調素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記遮光層の波長550nmの光に対する
    光透過率が0.8%以下であり、抵抗率が3.0×109 Ω
    ・cm以上である、請求項1又は2記載の空間光変調素子
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 解像度が17 lp /mm以上である空間光
    変調素子を得る、請求項3記載の空間光変調素子の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 モノシラン、水素化ゲルマニウム及びメ
    タンの混合ガスを成膜用ガスとして用いる、請求項1又
    は2記載の空間光変調素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 モノシラン、水素化ゲルマニウム及びエ
    タンの混合ガスを成膜用ガスとして用いる、請求項1又
    は2記載の空間光変調素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 モノシラン、水素化ゲルマニウム及びエ
    チレンの混合ガスを成膜用ガスとして用いる、請求項1
    又は2記載の空間光変調素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 同一の膜形成装置の内部で、プラズマ化
    学気相成長法によって前記遮光層と前記光導電層とを連
    続的に形成することを特徴とする、請求項1又は2記載
    の空間光変調素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記光導電層が水素化アモルファスシリ
    コン膜又はアモルファスシリコンカーバイト膜である、
    請求項8記載の空間光変調素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記光導電層がBi12SiO20単結
    晶、Bi12GeO20単結晶又はGaAs単結晶によって
    形成されていることを特徴とする、請求項1又は2記載
    の空間光変調素子の製造方法。
JP5067897A 1993-03-26 1993-03-26 空間光変調素子の製造方法 Expired - Lifetime JP2798865B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5067897A JP2798865B2 (ja) 1993-03-26 1993-03-26 空間光変調素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5067897A JP2798865B2 (ja) 1993-03-26 1993-03-26 空間光変調素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06283731A true JPH06283731A (ja) 1994-10-07
JP2798865B2 JP2798865B2 (ja) 1998-09-17

Family

ID=13358154

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5067897A Expired - Lifetime JP2798865B2 (ja) 1993-03-26 1993-03-26 空間光変調素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2798865B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004078221A (ja) * 2002-08-16 2004-03-11 Eastman Kodak Co ディスプレイ

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2647779B2 (ja) 1992-02-04 1997-08-27 日本放送協会 空間光変調素子及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004078221A (ja) * 2002-08-16 2004-03-11 Eastman Kodak Co ディスプレイ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2798865B2 (ja) 1998-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6166791A (en) Reflection-type liquid crystal displaying device having anistropic scattering film
US7057684B2 (en) Liquid crystal display with varying thickness
US5245453A (en) Liquid crystal modulator having a photoconductor and/or a dielectric mirror composed of hydrogenated amorphous silicon carbide
US5471331A (en) Spatial light modulator element with amorphous film of germanium, carbon and silicon for light blocking layer
JP2000305074A (ja) 反射型液晶ディスプレイ
US5420706A (en) Electro-optical device having improved light shielding and method for forming the same
US5305129A (en) Liquid crystal display device of optical writing type having a carbon dispersed light absorbing layer and a cholesteric reflector
JPH049925A (ja) 光書き込み型液晶表示素子
JP2798865B2 (ja) 空間光変調素子の製造方法
JP2647779B2 (ja) 空間光変調素子及びその製造方法
JP2647780B2 (ja) 空間光変調素子及びその製造方法
JP3137435B2 (ja) 液晶パネルおよびそれを用いた液晶投写型テレビ
JP2870826B2 (ja) アクティブマトリクス液晶表示素子及び投射型アクティブマトリクス液晶表示装置
JPH05216060A (ja) 空間光変調素子及びその製造方法
JPH07181460A (ja) 液晶パネルおよびその製造方法および投写型表示装置
JPH0618869A (ja) 液晶パネルおよびそれを用いた液晶投写型テレビ
JPH06102499A (ja) 電極基板と液晶パネルおよびそれを用いた液晶投写型テレビ
JP2786564B2 (ja) 空間光変調素子の製造方法
JP3073657B2 (ja) 液晶ライトバルブ及びそれを用いた投射型液晶表示装置
JP3276238B2 (ja) 比抵抗傾斜型空間光変調素子
JP3276237B2 (ja) 比抵抗傾斜型空間光変調素子
JPH11190849A (ja) カラー液晶素子
JPH0829800A (ja) 光書き込み型液晶ライトバルブ
JP2013117637A (ja) 電気光学装置および電子機器
JPH0545635A (ja) 投射型液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980602