JPH0829800A - 光書き込み型液晶ライトバルブ - Google Patents

光書き込み型液晶ライトバルブ

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JPH0829800A
JPH0829800A JP16118094A JP16118094A JPH0829800A JP H0829800 A JPH0829800 A JP H0829800A JP 16118094 A JP16118094 A JP 16118094A JP 16118094 A JP16118094 A JP 16118094A JP H0829800 A JPH0829800 A JP H0829800A
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JP
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light
liquid crystal
layer
light valve
writing
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JP16118094A
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English (en)
Inventor
Takashi Nojima
孝志 野島
Mariko Ban
眞理子 伴
Akitsugu Hatano
晃継 波多野
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光導電体層に隣接して書き込み光の反射層を
設けることにより、光導電体層を透過した書き込み光を
光導電体層に再反射させるので、書き込み光に対する光
感度が向上できる。 【構成】 光書き込み型液晶ライトバルブにおいて、光
導電体層と隣接して読み出し光側に、書き込み光を反射
させる誘電体多層膜ミラーを形成することにより、光導
電体層を透過した書き込み光を光導電体層に再反射させ
るので、書き込み光に対する光感度が向上できる。この
光誘電体多層膜ミラーは単層の構造でもよい。また、従
来に比べて、光導電体層の膜厚を薄くすることができる
ので、膜剥離や膜厚分布やコストなど製造時の諸問題を
大幅に改善することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静止画像や動画像を大
画面に高輝度、高精細度で表示することを可能にする大
画面表示装置や、光演算装置に用いられる光書き込み型
液晶ライトバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、大画面表示投射型ディスプレイ、
中でも光書き込み型液晶ライトバルブは、高輝度・高精
細の点からかなり活発に開発が行われている。図10に
光書き込み型液晶ライトバルブの従来技術の構成を示
す。以下、図面を参照して、従来の光書き込み型液晶ラ
イトバルブの作製方法を説明する。
【0003】まず、ガラス基板101および102上
に、ITOまたはSnO2 等の透明電極103および1
04をそれぞれ形成し、次に一方の透明電極103上に
非晶質水素化ケイ素(a−Si:H)からなる光導電体
層105を形成する。この水素化ケイ素(a−Si:
H)からなる光導電体層105の形成は、シラン(Si
4 )ガスを原料としてプラズマCVD法(化学的気相
反応法)を用いて行う。
【0004】次に、光導電体層105上に遮光層106
を形成し、遮光層106の上にSiO2 およびTiO2
の積層からなる書き込み光に対する誘電体多層膜ミラー
107を電子ビーム蒸着法により形成する。誘電体多層
膜ミラー107と、他方の透明電極104とに、スピン
コートによってポリイミド膜を塗布し焼成することによ
り、配向膜108および109をそれぞれ形成し、これ
らの表面にラビングによる分子配向処理を施した後、ガ
ラス基板101および102をシール部材110を介し
て貼り合わせる。この間にカイラル材料を添加した混合
ネマチック液晶を注入し封止することにより、液晶層1
11が形成され、光書き込み型液晶ライトバルブが形成
される。
【0005】このような構成の液晶ライトバルブの透明
電極103および104間には、交流電源112によっ
て電圧が印加される。ガラス基板101側からレーザー
ビーム等の書き込み光113が走査され、画像が書き込
まれる。即ち、書き込み光113が入射されると、光の
当たった領域(明状態)では、光導電体層105のイン
ピーダンスが減少し、交流電源112によって印加され
た電圧は液晶層111に加わる。一方、光の当たらない
領域(暗状態)では、光導電体層105のインピーダン
スは減少せず、液晶が駆動するのに充分な電圧が液晶層
111に加わらない。従って、この明状態と暗状態とに
おける光導電体層105のインピーダンスの変化によ
り、画像を形成することができる。
【0006】こうして画像が形成された液晶ライトバル
ブに、読み出し光114がガラス基板102側から入射
すると、画像に対応した部分の液晶層111の配向変化
により入射光の有する偏光状態が変調され、その反射光
に基づいて液晶ライトバルブに形成された画像を映し出
すことができる。
【0007】液晶ライトバルブを用いた投影型画像表示
装置の構成を図11に示す。以下、図面を用いて、投影
型画像表示装置の光学系を説明する。
【0008】書き込み光92がレンズ93を介して液晶
ライトバルブ91に入射されると画像が形成される。そ
うして画像が形成された液晶ライトバルブ91に、ラン
プ94からの光がレンズ95および偏光ビームスプリッ
タ97を介して入射する。この入射光は、液晶ライトバ
ルブ91に設けられた誘電体ミラーによって反射され
る。このうち液晶層を透過した反射光のうちで、電気光
学効果によって偏光方向が変化した表示部分は、偏光ビ
ームスプリッタ97を透過することができる。この反射
光は、レンズ98によって拡大され、これによって液晶
ライトバルブ91に形成された画像は、スクリーン96
に投影される。
【0009】この液晶ライトバルブの動作モードとして
は、ツイスティドネマティック(TN)モード、ハイブ
リッド電界効果(HFE)モード、ゲストホスト(G
H)モードおよび相転移モード等を用いることができ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一般に、書き込み光の
波長帯は光導電体層の感度が良好な領域に設定される
が、両者の整合がとれていても、光導電体層に吸収され
ないで通過してしまう透過光が存在する。書き込み光が
レーザー光のような単波長の場合はなおさらである。こ
のため、書き込み光に対する光感度は悪くなり、通常の
光書き込み型液晶ライトバルブの場合、例えばテレビジ
ョン学会技術報告(VOL.17,NO.10,PP1
1−15,1993年1月)で報告されているように書
き込み光感度は100μW/cm2 程度である。
【0011】上記の問題を解決するために、光導電体層
の膜厚を厚くすることが考えられるが、このことは膜剥
離が起こりやすくなったり、膜厚むらが増加したり、コ
ストが上昇するなど、製造時の問題が多く発生する。
【0012】一方、特開平5−273578号公報に記
載されているように、液晶層に隣接する誘電体ミラーと
さらにその隣の遮光層をなくし、読み出し光の反射光を
光導電体層に噴出させることで液晶層にかかる電圧を微
小な書き込み光に対しても変化できるよう電圧設定する
という提案がある。しかし、読み出し光が良好な状態で
反射し、明るく高コントラストな表示が得られるかどう
か疑問である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、電極を有する
一対の透光性基板間に、光導電体層と液晶層とを形成し
てなる光書き込み型液晶ライトバルブにおいて、書き込
み光を反射する反射層を、上記光導電体層と上記液晶層
との間に形成したことを特徴とする。
【0014】また、本発明は、書き込み光を反射する反
射層が、少なくとも1層の誘電体膜から形成されている
ことを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明は、光導電体層と隣接して読み出し光側
に、書き込み光を反射させる光誘電体ミラーを作成する
ことにより、光導電体層を透過した書き込み光を光導電
体層に再反射させるので、書き込み光に対する光感度を
向上させることができる。また、従来に比べて、光導電
体層の膜厚を薄くすることができるので、膜剥離や膜厚
分布やコストなど製造時の諸問題を大幅に改善すること
ができる。
【0016】
【実施例】
(実施例1)本発明の第1の実施例である光書き込み型
液晶ライトバルブの構成を図1に示す。以下図面を用い
て詳細な説明を行う。まず、透光性基板であるガラス基
板1および2上に、ITOまたはSnO2 等の透明電極
3および4をスパッタ法でそれぞれ形成し、次に一方の
透明電極3上に非晶質水素化ケイ素(a−Si:H)か
らなる光導電体層5を形成する。この非晶質水素化ケイ
素(a−Si:H)からなる光導電体層5の形成はシラ
ン(SiH4 )ガスを原料としてプラズマCVD法(化
学的気相反応法)を用いて行う。次に、光反射層とし
て、SiO2 膜20aおよびTiO2 膜20bの誘電体
膜を交互に4層積層した誘電体多層膜ミラー20を電子
ビーム蒸着法により形成する。
【0017】この時の光学膜厚(nd)は数式1で表さ
れる。
【0018】(数式1) nd=kλ/4 ここで、nは屈折率、dは膜厚、λは中心波長、kは定
数で奇数の整数1、3、5・・・である。
【0019】この関係から光学膜厚20a、20bをそ
れぞれ138nmとした。その上に遮光層6として非晶
質水素化シリコンゲルマニウム(a−SiGe:H)を
プラズマCVD法により形成する。
【0020】この遮光層6までを形成した基板に書き込
み光を入射させて反射率を測定した実験結果を図2に示
す。本実施例の結果はaで表され、光導電層5を通過し
た透過光のうち約55%の光が光反射層である誘電体多
層膜ミラー20により、再び光導電層に反射されている
ことがわかる。誘電体多層膜ミラー20の無い場合の結
果はbで表され、この場合、光はほとんど反射されず
に、そのまま透過することがわかる。
【0021】次に、読み出し光に対する誘電体多層膜ミ
ラー7をSiO2 およびTiO2 を交互に積層させ電子
ビーム蒸着法により形成する。反射層7上と他方の透明
電極4上とに、SiOを蒸発源とし抵抗加熱による斜方
蒸着を行い、SiO膜15および16を成膜し、この上
に垂直配向膜(例えば、DMOAP:東レシリコン製)
をスピンコート法により50nm塗布した後、150℃
で焼成することにより配向膜8および9をそれぞれ形成
する。
【0022】ガラス基板1および2を5μmのスペーサ
を含むシール材10を介して貼り合わせ、負の誘電率異
方性を有するネマティック液晶であるメルク社製ZLI
−4788−000を注入し封止することにより、液晶
層11を形成する。この液晶層11は、垂直配向性のE
CB(電界制御型複屈折)モードを用いた。これによ
り、光書き込み型液晶ライトバルブが形成される。
【0023】次に動作説明をする。図1の液晶ライトバ
ルブの透明電極3および4間には、交流電源12によっ
て電圧が印加される。ガラス基板1側からレーザービー
ム等の書き込み光13が走査され、画像が書き込まれ
る。
【0024】即ち、光のあたった領域(明状態)では、
光導電体層5のインピーダンスが減少し、印加された電
圧は液晶層11に加わる。一方、光の当たらない領域
(暗状態)では、光導電体層5のインピーダンスは減少
せず、液晶が駆動するのに充分な電圧が液晶層11に加
わらない。従って、この明状態と暗状態とにおける光導
電体層5のインピーダンスの変化により、画像を形成す
ることができる。
【0025】そして、液晶ライトバルブに読み出し光1
4がガラス基板2側から入射すると、画像に対応した部
分の液晶層11の配向変化により入射光の有する偏光状
態が変調され、その反射光に基づいて液晶ライトバルブ
に形成された画像を映し出すことができる。
【0026】ここで、書き込み光の光強度を変化させて
画像の明るさを測定した結果を図3に示す。従来の構造
において光導電層の膜厚は6μmであり、その構造での
結果はdで表される。既に説明したように、光導電体層
を透過した光はほとんど反射されないため、画像の明る
さ80%のとき、液晶ライトバルブの光感度としては9
5μW/cm2 であった。
【0027】本実施例の構造においては光導電層の膜厚
は4μmであり、その構造での結果はcで表される。画
像の明るさ80%のとき、液晶ライトバルブの光感度と
しては従来の約半分の45μW/cm2 になることがわ
かった。
【0028】また、画像の明るさが同じであれば、書き
込み光の光強度が小さければよく、光の利用効率を大幅
に向上できることがわかった。
【0029】さらに、光導電層の膜厚を従来の6μmか
ら4μmに薄くしても光感度が向上することがわかっ
た。
【0030】また、本実施例で光導電体層と遮光層との
間に誘電体多層膜ミラーを設けたが、誘電体多層膜ミラ
ーの代わりに、パターンニングを施したAlやMo等の
メタルを設けても良い。
【0031】また、書き込み光を反射する反射層が光導
電体層に密接していなくても、本実施例と同じ効果が得
られる。
【0032】この液晶ライトバルブの動作モードとして
は、ツイスティドネマティック(TN)モード、ハイブ
リッド電界効果(HFE)モード、ゲストホスト(G
H)モードおよび相転移モード等を用いることができ
る。
【0033】(実施例2)本発明の第2の実施例である
光書き込み型液晶ライトバルブの構成を図4に示す。以
下図面を用いて詳細な説明を行う。まず、透光性基板で
あるガラス基板21および22上に、ITOまたはSn
2 等の透明電極23および24をスパッタ法でそれぞ
れ形成し、次に一方の透明電極23上に非晶質水素化ケ
イ素(a−Si:H)からなる光導電体層25を形成す
る。この非晶質水素化ケイ素(a−Si:H)からなる
光導電体層25の形成はシラン(SiH4 )ガスを原料
としてプラズマCVD法(化学的気相反応法)を用いて
行う。次いで、書き込み光の光反射層40として、Si
2 の誘電体膜をEB蒸着による真空蒸着法によって形
成する。
【0034】この時の光学膜厚(nd)は上記実施例1
の数式1で表され、この関係からSiO2 の光学膜厚を
128nmとした。
【0035】この光反射層40までを形成した基板に書
き込み光を入射させて反射率を測定した実験結果を図5
に示す。本発明の結果はeで表され、光導電体層25を
通過した透過光のうち約49%の光が光反射層である誘
電体単層膜ミラー40により、再び光導電体層に反射さ
れていることがわかる。誘電体単層膜ミラー40の無い
場合の結果はfで表され、この場合、光はほとんど反射
されずに、そのまま透過することがわかる。
【0036】次に、読み出し光に対する誘電体多層膜ミ
ラー27として、TiO2 27aおよびSiO2 27b
の誘電体膜を交互に4層積層した誘電体多層膜ミラー2
7を電子ビーム蒸着法により形成し、この上にポリイミ
ド系樹脂(例えばSE−150:日産化学)をスピンコ
ート法により50nm塗布した後、150℃で焼成する
ことにより配向膜28および29をそれぞれ形成する。
【0037】ガラス基板21および22を5μmのスペ
ーサを含むシール材30を介して貼り合わせ、ネマティ
ック液晶を注入し封止することにより、液晶層31を形
成する。液晶層31は、HFE(ハイブリッド電界効
果)モードを用いた。これにより、光書き込み型液晶ラ
イトバルブが形成される。
【0038】以上のような構造にすることにより、書き
込み光の反射層が単層の場合には、シミュレーション結
果から屈折率が1.5以下の低屈折率を有する誘電体膜
を利用することで、反射特性を向上させることができ
る。本実施例では、誘電体膜にSiO2 を用いたが、こ
れに限定されるものではなく、MgF2 やCaF2 を用
いてもよい。
【0039】(実施例3)本発明の第3の実施例である
光書き込み型液晶ライトバルブの構成を図6に示す。以
下図面を用いて詳細な説明を行う。透光性基板であるガ
ラス基板41および42上に、透明電極43および44
としてZnOをスパッタ法を用いて形成し、次に一方の
透明電極43上にBi1 2SiO2 0 (BSO)を使用
して膜厚10μmの光導電体層45を形成する。このB
SOからなる光導電体層45の形成は、電子サイクロト
ロン共鳴スパッタ(ECR−SP)法を用い、BiとS
iをモザイク状に配置したスパッタターゲットを使っ
て、Arガスを10sccm、O2 ガスを10sccm
の流量で圧力0.2Pa、マイクロ波(2.45GH
z)、電力300W、ターゲットDCバイアス電力20
0Wの条件で形成する。
【0040】次に、書き込み光の光反射層60として、
Ta25 膜60aおよびSiO2膜60bの誘電体膜
を交互に積層した誘電体多層膜ミラーを形成する。この
反射層60の形成は、スパッタ法を用い、Ta25
SiO2 のスパッタターゲットをArガスとO2 ガスの
混合ガスにより交互にスッパタし、10層積層した。こ
の時の光学膜厚(nd)は上記実施例1の数式1で表さ
れ、この関係から光学膜厚をそれぞれ113nmとし
た。
【0041】その上に遮光層46として、有機顔料であ
るカーボンブラックを分散させたアクリル系樹脂をスピ
ンナーを用いて塗布し、露光により光重合させた後、2
20℃で1時間焼成することにより形成し、その膜厚は
1.6μmである。この上に、読み出し光を反射するた
めの誘電体多層膜ミラーからなる反射層47としてSi
2 、Ta25 をスパッタ法を用いて交互に積層し、
16層形成した。反射層47と他方の透明電極44上と
に、SiOを蒸発源とし抵抗加熱による斜方蒸着を行
い、SiO膜55および56を成膜し、この上に垂直配
向膜(例えば、DMOAP:東レシリコン製)をスピン
コート法により50nm塗布した後、150℃で焼成す
ることにより配向膜48および49をそれぞれ形成し
た。ガラス基板41および42を5μmのスペーサを含
むシール材50を介して貼り合わせ、負の誘電率異方性
を有するネマティック液晶であるメルク社製ZLI−4
788−000を注入し封止することにより、液晶層5
1を形成する。液晶層51は、垂直配向性のECB(電
界制御型複屈折)モードを用いた。これにより、光書き
込み型液晶ライトバルブが形成される。
【0042】書き込み光の反射層が無い従来の構造で
は、光導電体層を透過した光はほとんど反射されないた
め光感度は350μW/cm2 であったが、本発明の構
造では、書き込み光の反射層60を設けることにより、
書き込み光の反射層を設けない場合と比べて書き込み光
の利用効率を向上することができ、光書き込み型液晶ラ
イトバルブの光感度を120μW/cm2 にでき、光感
度が向上することがわかった。
【0043】(実施例4)本発明の第4の実施例である
光書き込み型液晶ライトバルブの構成を図7に示す。以
下図面を用いて詳細な説明を行う。透光性基板であるコ
ーニング社製7059のガラス基板61および62上
に、透明電極63および64としてITOをスパッタ法
を用いて形成し、次に一方の透明電極63上にCdSか
らなる膜厚9μmの光導電体層65を形成する。このC
dSからなる光導電体層65の形成は、マグネトロンス
パッタ法を用い、CdSのスパッタターゲットを使っ
て、Arガスを導入し圧力5Pa、高周波電力700
W、基板温度200℃の条件で形成する。CdS形成
後、Arガス雰囲気下、500℃で30分間熱処理を行
った。次いで、書き込み光の光反射層80として、Al
3 の誘電体膜を抵抗加熱による真空蒸着法によって形
成する。
【0044】この時の光学膜厚(nd)は上記実施例1
の数式1で表され、この関係からAlF3 の光学膜厚を
138nmとした。
【0045】その上に遮光層66として、CdTeの半
導体超微粒子をSiO2 中に分散させた半導体超微粒子
分散ガラス膜を形成する。これはマグネトロンスパッタ
法を用い、SiO2 とCdTeをモザイク状に構成した
ターゲットを使い、Arガスを導入して圧力2Pa、高
周波電力500W、基板温度200℃の条件で形成す
る。膜厚は1.2μmである。この上に、読み出し光を
反射するための誘電体多層膜ミラーからなる反射層67
としてSiO2 、TiO2 をスパッタ法を用いて交互に
積層し、20層形成した。
【0046】次に、反射層67が形成されたガラス基板
61と透明電極64が形成されたガラス基板62を7μ
mのスペーサを含んだシール材70を介して貼り合わ
せ、BDH社製の液晶(E8)4g,ウレタンアクリレ
ートオリゴマーとn−ブチルアクリレートの混合物1
g,チバガイギー製UV硬化剤(Irgacure18
4)0.15gを80℃で均一に混合した液晶とポリマ
ーの混合物を注入し封止する。そしてガラス基板62側
よりUV照射が30mW/cm2 になるように高圧水銀
灯でUV照射し上記混合物を重合しポリマー中から液晶
滴を相分離により析出させ、ポリマー分散型液晶からな
る液晶層71を形成する。これにより、液晶層にポリマ
ー分散型液晶を用いた光書き込み型液晶ライトバルブが
形成される。書き込み光の反射層が無い従来の構造で
は、光導電体層を透過した光はほとんど反射されないた
め光感度は600μW/cm2 であったが、本発明の構
造では、書き込み光の反射層80を設けることにより、
書き込み光の反射層を設けない場合に比べて書き込み光
の利用効率を向上することができ、光書き込み型液晶ラ
イトバルブの光感度を500μW/cm2 にでき、光感
度が向上することがわかった。
【0047】(実施例5)上記のように、実施例1から
4では反射型の液晶ライトバルブに関する説明である
が、本発明は透過型の光書き込み型液晶ライトバルブに
も適用できるため、下記に、本発明の第5の実施例であ
る透過型の光書き込み型液晶ライトバルブの構成を図8
に示す。
【0048】実施例3と同じ方法で、光導電体層125
と書き込み光の光反射層140を形成する。この書き込
み光の光反射層140までを形成した基板に書き込み光
を入射させて反射率を測定した実験結果を図9に示す。
BSOの感度が良好な波長領域である400〜500n
mの光を反射し、600〜700nmの波長領域の光は
透過させていることがわかる。
【0049】次に、実施例3と同様にしてガラス基板を
貼合せ、液晶を注入し、透過型の光書き込み型液晶ライ
トバルブが形成される。
【0050】このとき、波長400〜500nmの信号
光λ1と波長600〜700nmの一定強度の読み出し
光λ2を合わせた光を書き込み光(λ1+λ2)として
用い、液晶ライトバルブを動作させて、透過してきた読
み出し光を検出することができる。
【0051】本実施例により、書き込み光に対する反射
層を形成することによって、微小な書き込み光でも空間
変調素子として動作することが確認できた。
【0052】
【発明の効果】本発明のように、光導電体層と隣接して
読み出し光側に、書き込み光を反射させる光誘電体ミラ
ーを作成することにより、光導電体層を透過した書き込
み光を光導電体層に再反射させることができるので、書
き込み光に対する光感度を向上させることができる。
【0053】また、従来に比べて、光導電体層の膜厚を
薄くすることができるので、膜剥離や膜厚分布やコスト
など製造時の諸問題を大幅に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1の光書き込み型液晶ライ
トバルブの構成を示す図である。
【図2】実施例1の液晶ライトバルブにおける書き込み
光の波長と反射率との関係を示す図である。
【図3】実施例1の液晶ライトバルブにおける書き込み
光の光強度と画像の明るさとの関係を示す図である。
【図4】本発明に係る実施例2の光書き込み型液晶ライ
トバルブの構成を示す図である。
【図5】実施例2の液晶ライトバルブにおける書き込み
光の波長と反射率との関係を示す図である。
【図6】本発明に係る実施例3の光書き込み型液晶ライ
トバルブの構成を示す図である。
【図7】本発明に係る実施例4の光書き込み型液晶ライ
トバルブの構成を示す図である。
【図8】本発明に係る実施例5の光書き込み型液晶ライ
トバルブの構成を示す図である。
【図9】実施例5の液晶ライトバルブにおける書き込み
光の波長と反射率との関係を示す図である。
【図10】従来の光書き込み型液晶ライトバルブの構成
を示す図である。
【図11】液晶ライトバルブを用いた投影型画像表示装
置の光学系の構成を示す図である。
【符号の説明】
1、21、41、61、101、121 ガラス基板 2、22、42、62、102 122 ガラス基板 3、23、43、63、103 123 透明電極 4、24、44、64、104 124 透明電極 5、25、45、65、105 125 光導電体層 6、46、66、106 遮光層 7、27、47、67、107 読み出し光の誘電体ミ
ラー 8、28、48、108 128 配向膜 9、29、49、109 129 配向膜 10、30、50、70、110 130 シール部材 11、31、51、71、111 131 液晶層 12、32、52、72、112 132 交流電源 13、33、53、73、113 133 書き込み光 14、34、54、74、114 134 読み出し光 20、40、60、80 140 書き込み光の誘電体
ミラー 15、55 SiO2 16、56 SiO2 91 光書き込み型液晶ライトバルブ 92 書き込み光 93、95、98 レンズ 94 光源 96 スクリーン 97 偏光ビームスプリッタ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を有する一対の透光性基板間に、光
    導電体層と液晶層とを形成してなる光書き込み型液晶ラ
    イトバルブにおいて、 書き込み光を反射する反射層を、上記光導電体層と上記
    液晶層との間に形成したことを特徴とする光書き込み型
    液晶ライトバルブ。
  2. 【請求項2】 書き込み光を反射する反射層が、少なく
    とも1層の誘電体膜から形成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の光書き込み型液晶ライトバルブ。
JP16118094A 1994-07-13 1994-07-13 光書き込み型液晶ライトバルブ Pending JPH0829800A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1332243C (zh) * 2003-08-18 2007-08-15 浙江大学 柱状结构纳米硅/非晶硅碳复合光导层液晶光阀及制备方法

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