JPH05216060A - 空間光変調素子及びその製造方法 - Google Patents

空間光変調素子及びその製造方法

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JPH05216060A
JPH05216060A JP4018988A JP1898892A JPH05216060A JP H05216060 A JPH05216060 A JP H05216060A JP 4018988 A JP4018988 A JP 4018988A JP 1898892 A JP1898892 A JP 1898892A JP H05216060 A JPH05216060 A JP H05216060A
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JP
Japan
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light
layer
film
photoconductive layer
shielding layer
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Application number
JP4018988A
Other languages
English (en)
Inventor
Kuniharu Takizawa
國治 滝沢
Hiroshi Kikuchi
宏 菊池
Yukihisa Osugi
幸久 大杉
Masaji Tange
正次 丹下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 印加電圧に応じて読み出し光の強度、位相又
は進行方向を変調する液晶材料からなる光変調層を備え
た空間光変調素子において、光導電層の側へと読み出し
光が漏れるのを効果的に防止すると共に、読み出し光を
吸収しても素子の解像度が劣化しないようにすることで
ある。 【構成】 光導電層1Aの表面に、透明電極膜2Aと遮光層
3が設けられる。遮光層3の上に誘電体多層膜4、液晶
材料からなる光変調層8、透明電極膜2Bを設ける。光
変調層8においては、光変調層8への印加電圧に応じて
読み出し光の散乱と透過とを選択する。ケイ素、ゲルマ
ニウム及び炭素からなる群より選択される一以上の元素
からなるアモルファス膜で、遮光層3を構成する。光導
電層1Aとしては、Bi12SiO20 単結晶、Bi12GeO20 単結
晶、水素化アモルファスシリコン膜、水素化アモルファ
スシリコンカーバイト膜等が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、投写形ディスプレイに
用いる空間光変調素子及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】投写形ディスプレイの開発には、現在3
種のアプローチがある。このうち、ブラウン管を用いた
投写形ディスプレイは、ブラウン管の輝度に限界があ
り、かつ装置が大型化するという難点があるため、ディ
スプレイの大面積化には限界がある。また、薄膜トラン
ジスタアレーを持つ液晶パネルで構成された液晶投写形
ディスプレイの場合は、液晶パネルの解像度が不足して
いること、液晶パネルの開口率が低いこと、アモルファ
スシリコン薄膜からなる薄膜トランジスタアレーの耐光
性が低いこと等の問題がある。
【0003】このため、空間光変調素子、小形ディスプ
レイ及び光源を拡大投写光学系に組み入れた投写形ディ
スプレイが有望視されている。この方式では、微弱な画
像を一度空間光変調素子に書き込み、この書き込み情報
に従って別の読み出し光を変調し、スクリーンに投写す
る。
【0004】こうしたタイプのディスプレイにおいて
は、光変調層にネマティック液晶を用いた、いわゆる液
晶ライトバルブが一般的である。しかし、このシステム
では、液晶層で位相変調された読み出し光のうちPおよ
びS偏波光成分のうちの一方が、偏向ビームスプリッタ
を通過し、スクリーンに投写される。このため、読み出
し光がランダムな偏波状態であるとき、その光の50%以
上が偏向ビームスプリッタで吸収されてしまう。このた
め、読み出し光の利用率が低くなるし、ビームスプリッ
タが発熱する。
【0005】この問題を解決する方法として、最近、ポ
リマー分散形液晶(PDLC;Polymer −Dipersed Liq
uid Crystal)の光散乱現象を利用した、新しい液晶ライ
トバルブが提案された。PDLCは、アクリル等の透明
ポリマー中に液晶を粒状に分散させてなる液晶材料であ
り、研究が始まってから数年しか経過していない。こう
した新形式の液晶ライトバルブであれば、PDLCに加
える印加電圧によって、読み出し光の透過と散乱とを選
択するので、偏光ビームスプリッタが不要であり、光利
用率が高い。また、液晶層の両側面に配向層を設ける必
要がないので、大面積の空間光変調素子を作製するのが
容易になる。しかも、光変調に複屈折を利用していない
ので、液晶層の厚さに不均一があっても、読み出し光の
空間一様性に大きな影響がない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、こうした空間
光変調素子を用いた場合にも、やはり読み出し光をPD
LCからなる光変調層へと照射する。また、この読み出
し光と反対側から、書き込み光を光導電層へと照射す
る。このため、読み出し光を、光変調層と光導電層との
間で反射させ、読み出し光が光導電層側へと洩れないよ
うにしなければならない。
【0007】この目的で、光導電層とPDLCからなる
光変調層との間に、誘電体多層膜ミラーを設けることが
知られている。しかし、誘電体多層膜は、屈折率の異な
る誘電体膜を多数重ねたものであり、その反射率は高々
九十数〜九十九%程度である。読み出し光は書き込み光
よりも遙かに大きい光強度を有するので、読み出し光の
ごく一部でも光導電層側に洩れれば、光導電層が感光
し、その抵抗が下がる。このため、読み出し光の書き込
み光に対する強度比(増幅率)を向上させるには、誘電
体多層膜を透過した読み出し光を光導電層と光変調層と
の間で効果的に遮断しなければならない。
【0008】本発明の課題は、透明電極と印加電圧に応
じて読み出し光の強度、位相あるいは進行方向を変調す
る液晶材料からなる光変調層と誘電体多層膜と、光導電
層とを備えた空間光変調素子において、光導電層と光変
調層との間で読み出し光を効果的に遮断することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、光導電層と、
この光導電層の一方の面に設けられた一方の透明電極膜
と、前記光導電層の他方の面に設けられた遮光層と、こ
の遮光層上に設けられた誘電体多層膜と、この誘電体多
層膜上に設けられた光変調層と、この光変調層の表面に
設けられた他方の透明電極膜とを少なくとも備えた空間
光変調素子であって、印加電圧に応じて読み出し光の強
度、位相又は進行方向を変調する液晶材料によって前記
光変調層が形成され、実質的にケイ素、ゲルマニウム及
び炭素からなる群より選択される一以上の元素からなる
アモルファス膜によって前記遮光層が構成されている、
空間光変調素子に係るものである。
【0010】液晶材料としては、ネマティック液晶、コ
レステリック液晶、スメクティック液晶、PDLCが好
ましい。光導電層は、Bi12SiO20 単結晶、Bi12GeO20
結晶、GaAs単結晶で形成することが好ましい。または、
光導電層を、GaAs膜、水素化アモルファスシリコン膜、
水素化アモルファスシリコンカーバイト膜、アモルファ
スセレン膜で形成することが好ましい。
【0011】
【実施例】図1〜図5を参照しつつ、本発明の実施例に
係る空間光変調素子12A の製造過程を、順を追って説明
する。この実施例では、光導電層1Aとして、Bi12SiO20
単結晶又はBi12GeO20 単結晶を用いる。
【0012】まず、これらの単結晶からなる光導電層1A
を単結晶のウエハーから切り出し、光導電層1Aの一方の
表面に一方の透明電極膜2Aを設ける(図1)。次いで、
図2に示すように、光導電層1Aの他方の表面に、本発明
に従い、遮光層3を設ける。遮光層3の構成及び製法に
ついては、後述する。次いで、図3に示すように、遮光
層3の表面に誘電体多層膜4を蒸着によって設ける。
【0013】この一方、図4に示すように、ガラス基板
7の表面に、他方の透明電極膜2Bを形成する。誘電体多
層膜4と透明電極膜2Bとを、スペーサーを含むシール材
5を挟んで対向させる。誘電体多層膜4、透明電極膜2B
及びシール材の間に、平板形状の空間6が形成される。
【0014】本実施例では、透明ポリマー中に液晶粒子
を分散させてなる液晶材料である、ポリマー分散形液晶
(PDLC)を用いる。具体的な製法としては、従来の
通常のツイストネマティック液晶と同様に、注入口から
未硬化のネマティック液晶と樹脂マトリクスとの混合物
を注入し、注入口を封止して後、硬化させる。この結
果、図5に示すように、空間6内に、PDLCからなる
光変調層8が形成される。
【0015】なお、シール材を用いない製法もある。即
ち、例えば、透明電極を設けた基板上に未硬化のネマテ
ィック液晶と樹脂マトリクスとの混合物を供給し、その
後、誘電体多層膜及び透明電極を付着した光導電層を重
ねて、光照射等により硬化させることもできる。もちろ
ん、その後、周辺にシール材を塗布して周辺をシールし
てもよい。この製法によれば、単に未硬化のネマティッ
ク液晶と樹脂マトリクスとの混合物をロールコート、ス
ピンコート、印刷、ディスペンサーによる塗布等で供給
すれば良いため、注入工程が簡便であり、生産性が極め
てよい。また、これらの未硬化のネマティック液晶と樹
脂マトリクスとの混合物には、基板間隙制御用のセラミ
ック粒子、プラスチック粒子、ガラス繊維等のスペーサ
ー、顔料、色素、粘度調整剤、その他、液晶の性能に悪
影響を与えない添加剤を添加してもよい。
【0016】次いで、こうした空間光変調素子の動作に
つき、図6の構成例を参照しつつ説明する。微弱な書き
込み光光源10A から発光された書き込み光は、液晶テレ
ビ11を通過して入力画像光となり、この入力画像光がレ
ンズ13A で集光され、空間光変調素子12A に照射され
る。この入力画像光は、透明電極膜2Aを通過し、光導電
層1Aに入射する。この一方、高輝度の読み出し光光源10
B から発光した読み出し光は、レンズ13B で集光され、
ミラー25で反射され、レンズ13C で調節されて、光変調
層8へと入射する。
【0017】次いで、この入射光は、主として誘電体多
層膜4で反射され、光変調層8をもう一度通過し、レン
ズ13C で集光され、レンズ13D を通ってスクリーン14上
に投写される。
【0018】書き込み光には、液晶テレビ11によって明
暗が付けられている。光導電層1Aのうち、光が当たらな
い部分では、一対の透明電極膜2A, 2Bの間の印加電圧
は、ほとんど光導電層1Aに集中する。このため、光変調
層8にかかる印加電圧は、光変調層8のしきい値電圧に
は達さない。一方、光導電層1Aに光が当たると、その部
分では光導電層1Aの電気抵抗が大幅に下がり、光変調層
8に分配される電圧が上昇してそのしきい値を越える。
【0019】PDLCからなる光変調層8の内部では、
該光変調層8に電圧が印加されない場合、液晶分子がポ
リマーと液晶の界面に沿って配列する。液晶粒子の形状
はランダムである。光変調層8への印加電圧が低いとき
は、液晶分子とポリマーの屈折率が大幅に異なるため、
読み出し光は光変調層8内で何度も進行方向を変え、散
乱される。一方、光変調層8への印加電圧がしきい値電
圧を越え、液晶分子が電界の方向へと配向すると、読み
出し光は散乱されずに光変調層8を通過する。
【0020】こうした機構により、入力画像光における
二次元的な強弱の分布が、読み出し光における二次元的
な強弱の分布に変換される。読み出し光の強度を書き込
み光の強度よりも大きくすれば、それだけ信号増幅率が
高くなる。
【0021】既述したように、誘電体多層膜4は、読み
出し光の九十数〜九十九%しか反射しない。このため、
読み出し光の一部が誘電体多層膜4を越えて光導電層1A
の方へと漏れる。読み出し光の強度を、書き込み光の強
度よりも強くすればするほど、上記のように光導電層1A
の方へと漏れる光も強くなり、光導電層1Aが感光する。
【0022】このため、本実施例では、遮光層3を光導
電層1Aと誘電体多層膜4との間に形成し、誘電体多層膜
4から洩れる読み出し光を遮ぎる。しかも、ここで、実
質的にケイ素、ゲルマニウム及び炭素からなる群より選
択される一以上の元素からなるアモルファス膜によっ
て、遮光層3を構成する。「実質的に」とは、不可避的
不純物を含むことを許容することを意味する。本発明者
が発見した所では、こうしたアモルファス膜を遮光層3
として用いると、誘電体多層膜4を通過した読み出し光
を吸収できる。これにより、読み出し光の強度を上げる
ことが可能になる。
【0023】しかも、上記のアモルファス膜を用いる
と、読み出し光を吸収しても、空間光変調素子の解像度
の劣化が極めて小さいことが解った。これは、上記のア
モルファス膜が吸光しても、その比抵抗率の低下が非常
に小さいことによる。
【0024】上記のアモルファス膜を製造するには、プ
ラズマ化学気相成長法(プラズマCVD法)によるのが
好ましい。各種原料ガス流量を変えることで、アモルフ
ァス膜の組成を適宜変更できるからである。
【0025】次に、光導電層を水素化アモルファスシリ
コン膜とした実施例について、図7〜図9を参照しつつ
説明する。まず、図7に示すように、表面を光学研磨し
たガラス基板17に、一方の透明電極膜2Aを設ける。
【0026】次いで、図8に示すように、一方の透明電
極膜2Aの表面に、水素化アモルファスシリコン膜からな
る光導電層1Bを設け、光導電層1Bの表面に遮光層3を設
ける。この後は、図3、図4、図5において説明した手
順に従って、誘電体多層膜4、光変調層8、他方の透明
電極膜2B、ガラス基板7を設ける。こうして、図9に示
す空間光変調素子12B を得る。
【0027】水素化アモルファスシリコン膜からなる光
導電層1Bは、プラズマCVDによって形成することが好
ましい。この際、前記したように、遮光層3もプラズマ
CVDによって形成することにすれば、透明電極膜2A
上に光導電層1Bと遮光層3とを、プラズマCVDによ
って同一装置内で連続的に形成できる。むろん、この
際、材料ガスを適宜変更する必要がある。こうした空間
光変調素子12B の動作は、前記した素子12A の動作と同
じである。
【0028】次に、実際の実験結果について述べる。ま
ず、図1〜図5に示したような手順で、空間光変調素子
12A を作製した。
【0029】ただし、光導電層1AはBi12SiO20 単結晶に
よって形成し、その寸法は、35mm×35mm×0.5mm とし
た。透明電極膜2A, 2Bは、真空蒸着法によって形成し
た。遮光層3は、プラズマCVD法によって形成した。
この条件は、以下の通りである。
【表1】材料ガス流量 SiH4 6.5 sccm GeH4 1.6 sccm C2H4 29.5 sccm 材料ガスの圧力 100 m torr 放電エネルギー 40 W 基板温度 100 ℃ 膜 厚 1 μm
【0030】こうして得たアモルファス膜(遮光層3)
について、分光光度計で光透過率を測定したところ、3.
5 %であった(波長500nm)。また、電流計を発振器とし
た2端子法で抵抗率を測定したところ、108 Ω・cmであ
った。また、このアモルファス膜の組成は、以下の通り
であった。
【表2】Ge 4 % C 70 % Si 26 %
【0031】誘電体多層膜4は、真空蒸着法で形成し
た。誘電体多層膜4は、TiO2薄膜とSiO2薄膜との積層体
であり、交互に合計20層重ねた。そして、以下の材料に
よってPDLCを構成し、厚さ18μm の光変調層8を得
た。
【表3】(ネマティック液晶) シアノビフェニル系の混合液晶 常光屈折率n0 =1.525 異常光屈折率ne =1.748 液晶分子の長軸と平行方向の比誘電率=17.6 液晶分子の長軸と垂直方向の比誘電率= 5.1 (紫外線硬化ポリマー) ウレタン系ポリマー 屈折率nP =1.524 硬化波長域… 350 〜380nm (球状スペーサ剤) 硬質樹脂 直径…18μm
【0032】そして、図6に示すような光学系に、空間
光変調素子12A を組み込み評価した。また、カラー動画
像を実現できるかどうかを確認する場合には、上記の素
子12A を計3枚作り、図10の光学系に組み込んだ。即
ち、上記の素子12A と同じ空間光変調素子20B 、20R 、
20G を作製し、それぞれ図10の光学系に組み込んだ。図
10の光学系においては、液晶パネル21B 、21R 、21G に
よってそれぞれ青色光を変調し、各書き込み光を得る。
これらの各書き込み光が、それぞれレンズ22B 、22R 、
22G を透過し、空間光変調素子20B 、20R 、20G に入射
する。これにより、各素子への書き込みを行う。この一
方、白色光源23から出射した白色光が、レンズ24A によ
ってミラー25に集束する。この反射光のうち、青色光が
ダイクロイックミラー26B によって反射され、素子20B
に入射する。青色光以外の可視光は、ダイクロイックミ
ラー26B を透過する。次いで、赤色光がダイクロイック
ミラー26R によって反射され、素子20R に入射する。緑
色光は、ダイクロイックミラー26R を透過し、素子20G
に入射する。
【0033】これらの各原色光は、光変調層8を通過
し、主として誘電体多層膜4で反射され、再度光変調層
8を通過し、レンズ24B 、24C を通ってスクリーン27上
に投写される。これにより、フルカラー画像が形成され
る。空間光変調素子の駆動電圧は50Vrms、その駆動周波
数は30Hz、書き込み光の波長は380 〜490nm 、読み出し
光の波長は400 〜490nm とした。
【0034】この結果、書き込み光強度で300 μJ/c
m2 、読み出し光強度0.3J/cm2を実現できた。この強度
比は1000倍にすることができた。この結果、対角110 イ
ンチのスクリーンに投影し、明るい室内でも十分に鑑賞
することができた。この時の解像度は空間光変調素子上
で30lP/mm 、画素数にすると1000×1000画素になり、十
分であった。
【0035】一方、比較例として、遮光層3のない空間
光変調素子を作成した。この素子は、遮光層3がない点
を除き、上記の実施例と同様にして作成した。ただし、
光導電層1Aの厚さは0.35mmとした。そして、上記と同様
にして、書き込み光と読み出し光との強度、解像度を測
定した。ただし、読み出し光強度は2m W/cm2 にした。
【0036】そして、各解像度に対応する信号増幅率
(読み出し光強度/書き込み光強度)を求め、その結果
を図11にグラフで示した。図11のグラフから解るよう
に、PDLCの光散乱特性のため、たとえ上記のような
高性能の誘電体多層膜を用いても、解像度に応じて入出
力光特性が変化してしまう。このため、信号増幅率が小
さいし、しかも解像度を高くすると、信号増幅率が急激
に減少する。こうした実験結果から明らかなように、遮
光層3のない空間光変調素子によっては、解像度の高い
画像を、大画面スクリーンに拡大して投写することはで
きない。
【0037】次に、図7〜図9を参照しつつ説明した手
順に従い、空間光変調素子12B を作製した。ただし、各
要素の形成法は、上述の実験例と同様とした。また、水
素化アモルファスシリコン膜(光導電層1B) は、プラズ
マCVDによって形成した。このときの条件は以下の通
りであった。
【表4】材料ガス:GeH4 1.5 sccm SiH4 2.5 sccm H2 500 sccm 材料ガスの圧力:3torr 放電の高周波エネルギー:50W 基板温度:200 ℃ 膜 厚 : 10 μm
【0038】また、遮光層3を成膜するときには、光導
電層1Bを形成したのと同じ装置内で、材料ガスを変えて
成膜した。こうして得た空間光変調素子12B について、
上記の実験例と同じ実験を行った。
【0039】この結果、書き込み光強度50μJ/cm2 、読
み出し光強度100mJ/cm2 を実現できた。また、空間光変
調素子12B 上での解像度は50lP/mm であり、高い解像度
を得た。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、光導電層と誘電体多層
膜との間に遮光層を設け、かつこの遮光層を上記のアモ
ルファス膜で形成しているので、誘電体多層膜を通過し
た読み出し光を効果的に吸収できる。従って、読み出し
光の強度を上げても、この読出出し光が光導電層の側に
洩れにくいので、読み出し光の洩れによる光導電層の感
光が生じにくい。これにより、読み出し光の強度の書き
込み光強度に対する倍率を高くすることができる。しか
も、上記のようなアモルファス膜を用いると、読み出し
光の一部を吸収しても、空間光変調素子の解像度が劣化
しないので、読み出し光の強度を高めつつその解像度も
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光導電層1Aの表面に一方の透明電極膜2Aを形成
した状態を示す断面図である。
【図2】光導電層1Aに遮光層3を設けた状態を示す断面
図である。
【図3】遮光層3の表面に誘電体多層膜4を設けた状態
を示す断面図である。
【図4】誘電体多層膜4と他方の透明電極膜2Bとの間に
シール材5を設置した状態を示す断面図である。
【図5】空間光変調素子12A を示す断面図である。
【図6】投写光学系の一例を示す模式図である。
【図7】ガラス基板17の表面に一方の透明電極膜2Aを設
けた状態を示す断面図である。
【図8】透明電極膜2Aの表面に、光導電層1B、遮光層3
を順次設けた状態を示す断面図である。
【図9】空間光変調素子12B を示す断面図である。
【図10】フルカラー投写光学系の一例を示す模式図で
ある。
【図11】比較例の空間光変調素子を作動させた場合
の、解像度と信号増幅率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1A, 1B 光導電層 2A 一方の透明電極膜 2B 他方の透明電極膜 3 遮光層 4 誘電体多層膜 7,17 ガラス基板 8 液晶材料からなる光変調層 12A, 12B, 20B, 20R, 20G 空間光変調素子 14, 27 スクリーン 21B, 21R, 21G 液晶パネル 23 白色光源 26B, 26R ダイクロイックミラー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】こうして得たアモルファス膜(遮光層3)
について、分光光度計で光透過率を測定したところ、3.
5 %であった(波長500nm)。また、電流計と発振器によ
る2端子法で抵抗率を測定したところ、108 Ω・cmであ
った。また、このアモルファス膜の組成は、以下の通り
であった。
【表2】Ge 4 % C 70 % Si 26 %
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】この結果、書き込み光強度で300 μW/c
m2 、読み出し光強度0.3W/cm2を実現できた。この強度
比は1000倍にすることができた。この結果、対角110 イ
ンチのスクリーンに投影し、明るい室内でも十分に鑑賞
することができた。この時の解像度は空間光変調素子上
で30lP/mm 、画素数にすると1000×1000画素になり、十
分であった。水素化アモルファスシリコン膜を光導電層
に用いた空間光変調素子12B の実験結果についても、明
るさ、解像度とも十分であった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】一方、比較例として光導電層1AをBi12SiO
20 単結晶によって形成し、遮光層3のない空間光変調
素子を作成した。この素子は、遮光層3がない点を除
き、上記の実施例と同様にして作成した。ただし、光導
電層1Aの厚さは0.35mmとした。そして、上記と同様にし
て、書き込み光と読み出し光との強度、解像度を測定し
た。ただし、読み出し光強度は2m W/cm2 にした。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】この結果、書き込み光強度50μW/cm2 、読
み出し光強度100mW/cm2 を実現できた。また、空間光変
調素子12B 上での解像度は50lP/mm であり、高い解像度
を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大杉 幸久 愛知県名古屋市瑞穂区竹田町3丁目9番地 日本ガイシ竹田北社宅13号 (72)発明者 丹下 正次 愛知県名古屋市瑞穂区市丘町2丁目38番地 の2 日本ガイシ市丘寮

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導電層と、この光導電層の一方の面に
    設けられた一方の透明電極膜と、前記光導電層の他方の
    面に設けられた遮光層と、この遮光層上に設けられた誘
    電体多層膜と、この誘電体多層膜上に設けられた光変調
    層と、この光変調層の表面に設けられた他方の透明電極
    膜とを少なくとも備えた空間光変調素子であって、印加
    電圧に応じて読み出し光の強度、位相又は進行方向を変
    調する液晶材料によって前記光変調層が形成され、実質
    的にケイ素、ゲルマニウム及び炭素からなる群より選択
    される一以上の元素からなるアモルファス膜によって前
    記遮光層が構成されている、空間光変調素子。
  2. 【請求項2】 前記光導電層が、Bi12SiO20 単結晶、Bi
    12GeO20 単結晶又はGaAs単結晶によって形成されてい
    る、請求項1記載の空間光変調素子。
  3. 【請求項3】 前記光導電層がGaAs膜、水素化アモルフ
    ァスシリコン膜、水素化アモルファスシリコーンカーバ
    イト膜及びアモルファスセレン膜からなる群より選ばれ
    た一以上の膜からなる、請求項1記載の空間光変調素
    子。
  4. 【請求項4】 前記遮光層が、プラズマ化学気相成長法
    によって形成されたアモルファス膜である、請求項1記
    載の空間光変調素子。
  5. 【請求項5】 前記遮光層が、プラズマ化学気相成長法
    によって形成されたアモルファス膜であり、前記光導電
    層が、プラズマ化学気相成長法によって形成された水素
    化アモルファスシリコン膜である、請求項3記載の空間
    光変調素子。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の空間光変調素子を製造す
    るのに際し、同一の膜形成装置の内部で、プラズマ化学
    気相成長法によって前記遮光層と前記光導電層とを連続
    的に形成することを特徴とする、空間光変調素子の製造
    方法。
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