JPH06283595A - 静電吸着ステージおよびその使用方法 - Google Patents

静電吸着ステージおよびその使用方法

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JPH06283595A
JPH06283595A JP9384993A JP9384993A JPH06283595A JP H06283595 A JPH06283595 A JP H06283595A JP 9384993 A JP9384993 A JP 9384993A JP 9384993 A JP9384993 A JP 9384993A JP H06283595 A JPH06283595 A JP H06283595A
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JP
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plasma
auxiliary
wafer
voltage
substrate
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JP9384993A
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Tetsuya Tatsumi
哲也 辰巳
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラズマ・チャンバ内における主プラズマの
有無と無関係に単極式静電吸着機構を動作させ、ウェハ
の十分な予備冷却や吸脱着を行う。 【構成】 内部電極2を内蔵する誘電体ブロック1を貫
通しウェハ載置面1aに開口する絶縁シリンダ8を設
け、この中にHe等の補助プラズマ生成用ガスを導入
し、該絶縁シリンダ8内に収容された補助電極9にRF
電力を印加してウェハWの裏面との間で補助プラズマP
1 を生成させる。この補助プラズマP1 を介してアース
からウェハWへの電荷蓄積(矢印D1 )、またはウェハ
Wからアースへの残留電荷の放電を行う。従来の単極式
静電吸着機構と異なり、主プラズマが存在しなくても対
向アースをとれるので、ウェハW表面に既に形成された
パターンの異方性形状が劣化したり、下地選択性が低下
する虞れがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体プロセス等にお
いてプラズマ・チャンバ内で基板(ウェハ)を保持する
ための静電吸着ステージおよびその使用方法に関し、特
にプラズマ・チャンバ内に生成するプラズマ(以下、主
プラズマと称する。)に依存しない単極式静電吸着機構
の動作を実現することにより、主プラズマに起因する基
板表面へ影響を回避しながらウェハの温度制御や吸脱着
を可能とする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の集積度や性能の向上に伴
い、各種のプラズマ・プロセスに対する要求水準も一段
と厳しさを増している。特に近年のドライエッチング分
野では、高速性、高異方性、低汚染性、低ダメージ性等
の互いに取捨選択の関係にある諸々のエッチング特性を
いずれも高いレベルで満足させる技術が切望されてい
る。
【0003】低温エッチングは、かかる背景から有望視
されている技術のひとつである。これは、ウェハの温度
を通常0℃以下に保持することにより、深さ方向のエッ
チング速度をイオン・アシスト効果により実用レベルに
維持したまま、等方的なラジカル反応を抑制し、入射イ
オン・エネルギーの比較的低い領域で高異方性を達成し
ようとする技術である。ウェハの冷却は、一般にこれを
載置するウェハ・ステージに内蔵された冷却配管に適当
な冷媒を循環させることにより行われる。
【0004】低温エッチングでは、ウェハ・ステージと
ウェハとの間の熱伝達をウェハ面内で均一化し、エッチ
ング速度の面内バラつきを最小限に抑制することがエッ
チングの成否を左右する鍵となる。このため、低温エッ
チングにおける静電吸着機構の採用は、ほぼ必須の条件
と認識されている。静電吸着機構とは、絶縁部材中に埋
設された内部電極に直流電圧を印加し、この絶縁部材と
その上に載置されたウェハとの間に発現するクーロン力
を利用してウェハを吸着固定させる機構である。これに
より、ウェハとウェハ・ステージ間の密着性が向上して
両者間の熱伝導が促進され、ウェハ温度の面内分布が均
一化されるわけである。
【0005】ところで、静電吸着機構にはウェハが導
体,半導体,誘電体のいずれであるか、またウェハをア
ースするか否かにより幾つかの異なる方式が知られてい
るが、近年主流となりつつあるのは単極式と呼ばれる方
式である。これは、ウェハが導体または半導体である場
合に、絶縁部材中の単一の内部電極に所定の極性の直流
電圧を印加する方式であり、対向アースはプラズマ・チ
ャンバ内に生成するプラズマ、すなわち主プラズマを経
由し、該プラズマ・チャンバの壁を通じてとられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の単極式静電吸着
機構は、MOSデバイスのゲート酸化膜の耐圧劣化を生
じにくいという重要なメリット故に、近年広く用いられ
るようになった。しかし、対向アースをプラズマ・チャ
ンバの壁を通じてとる方式であるため、原理上、主プラ
ズマが生成していないとウェハの吸着/脱着を可能とす
る電荷の授受を行うことができない。このことは、具体
的には次のような問題点として現れる。
【0007】まず、エッチングを行う前にウェハをウェ
ハ・ステージに密着させることができないため、エッチ
ング前にウェハを十分に冷却することができない。した
がって、設定温度によってはウェハ面に温度勾配が残っ
た状態でエッチングを開始せざるを得ず、エッチングの
面内均一性が劣化する虞れがある。あるいは、エッチン
グの初期にラジカル反応を十分に抑制することができ
ず、異方性が劣化することも考えられる。つまり、予備
冷却の不足により低温エッチングのメリットが十分に活
かされないケースが生ずるわけである。
【0008】この予備冷却不足の問題を解決するため
に、後工程のエッチングには関与しない予備放電用ガス
をプラズマ・チャンバ内に導入し、イオンを加速しない
条件下で予備放電を行うことも提案されている。しか
し、このことにより別の問題が生ずる場合がある。たと
えば、予備放電用ガスとして広く利用されるO2 を導入
すると、プラズマ中でランダムに運動するO* が優勢と
なり、エッチング前にレジスト・マスクの異方性形状が
劣化してしまう虞れがある。
【0009】一方、エッチングを終了した後にも問題が
生ずる。すなわち単極式静電吸着機構の場合、内部電極
への直流電圧の印加を停止しても電荷が残留するため、
ウェハをウェハ・ステージから脱着するためにはエッチ
ングに用いたプラズマを消滅させた後、残留ガスを利用
するかもしくはエッチングには関与しないガスをプラズ
マ・チャンバ内に導入し、同様にイオンを加速しない条
件下で後放電を行う必要がある。
【0010】しかし、たとえば3層レジスト・プロセス
において酸素系ガスを含むエッチング・ガスを用いて下
層レジスト層のエッチングを終了した後、残留ガスを利
用して後放電を行った場合、折角形成された下層レジス
ト・パターンの異方性形状がランダムに運動するO*
寄与により劣化してしまう虞れがある。あるいは、フル
オロカーボン系ガスを用いてホール(接続孔)加工を行
った後にO2 を導入すると、フルオロカーボン系ガスの
残留分の解離がO* により促進され、生成した大量のF
* の作用で下地のSi基板が浸触されてしまうといった
不都合も生ずる。
【0011】そこで本発明は、主プラズマを用いて予備
放電あるいは後放電を行うことに起因するウェハ表面へ
の悪影響を防止しながら、ウェハの十分な温度制御や吸
脱着を行うことを可能とする静電吸着ステージ、および
その使用方法を提案することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の目的を達
成するために提案されるものである。まず、本発明の静
電吸着ステージは、基板を載置するための誘電体ブロッ
クと、この誘電体ブロックに埋設された単一の内部電極
に接続される直流電圧印加手段と、絶縁壁材により前記
内部電極から絶縁され、一端が前記誘電体ブロックの基
板載置面に開口される中空部と、この中空部内に補助プ
ラズマ生成用ガスを導入するガス導入手段と、前記中空
部内において前記基板載置面から所定の距離を隔てた位
置に設置される補助電極と、この補助電極に放電開始電
圧以上の電圧を印加する電圧印加手段とを備え、前記基
板載置面に載置される基板の裏面と前記補助電極との間
で前記補助プラズマ生成用ガスを放電解離させて補助プ
ラズマを生成するようになされたものである。
【0013】本発明の静電吸着ステージはまた、前記補
助電極が前記中空部の断面にわたって配設され、該補助
電極の内部を通過して導入された補助プラズマ生成用ガ
スの一部を用いて基板を裏面から冷却するようになされ
たものである。
【0014】本発明の静電吸着ステージはさらに、前記
誘電体ブロックが基板を冷却するための冷却ブロックに
接触されてなるものである。
【0015】本発明の静電吸着ステージの使用方法は、
前記静電吸着ステージの前記誘電体ブロックの基板載置
面に基板を載置し、前記内部電極に直流電圧を印加する
段階と、前記中空部内に補助プラズマ生成用ガスを導入
すると共に、前記補助電極に前記電圧印加手段を用いて
放電開始電圧以上の電圧を印加し、該中空部内に補助プ
ラズマを生成させる段階と、前記補助電極への電圧印加
を停止する段階とを経ることにより、前記補助プラズマ
を通じた電荷蓄積を行って基板を前記誘電体ブロック上
に吸着させるものである。
【0016】本発明の静電吸着ステージの使用方法はさ
らに、プラズマ・チャンバ内において前記静電吸着ステ
ージの前記誘電体ブロック上に吸着された基板に対して
所定のプラズマ処理を終了した後、該プラズマ・チャン
バ内のプラズマを消滅させる段階と、前記内部電極への
直流電圧印加を停止する段階と、前記中空部内に補助プ
ラズマ生成用ガスを導入すると共に、前記補助電極に前
記電圧印加手段を用いて放電開始電圧以上の電圧を印加
し、該中空部内に補助プラズマを生成させる段階と、前
記補助電極への電圧印加を停止する段階とを経ることに
より、前記補助プラズマを通じた電荷放出を行って基板
を前記誘電体ブロックから脱着するものである。
【0017】
【作用】本発明のポイントは、単極式静電吸着機構を有
する静電吸着ステージに半導体ウェハを保持した場合の
対向アースを、ウェハの裏面に生成させた補助プラズマ
を通じてとることにより、チャンバ内の主プラズマの有
無とは無関係に上記機構を動作させる点にある。
【0018】本発明の静電吸着ステージにおいて、上記
補助プラズマはウェハの裏面に向けて開口する中空部の
内部に生成される。この中空部は絶縁壁材に囲撓される
ことにより誘電体ブロックに埋設された内部電極から絶
縁されており、内部に補助電極を収容し、かつ補助プラ
ズマ生成用ガスが導入されるようになされている。この
補助電極とウェハの裏面との間の距離(ギャップ長)と
ガス圧で決まる電圧が該補助電極に印加されると、中空
部内に補助プラズマを生成させることができる。この補
助プラズマの生成は、主プラズマの生成とは全く独立で
ある。
【0019】ここで、上記補助電極としては、もちろん
ごく一般的な平板状のものを用いることもできるが、前
記中空部の断面にわたって配設され、自身の構造の内部
を補助プラズマ生成用ガスを通過させるようなものを用
いても良い。この場合、補助プラズマ生成用ガスの一部
を中空部の開口を介して常にウェハの裏面へ向けて流出
させれば、ウェハの冷却を支援することもできる。
【0020】本発明の静電吸着ステージは、上述のよう
に補助プラズマを通じて電荷の授受を行うことができる
ので、主プラズマの生成に先立ってウェハの温度制御を
十分にかつ均一に行いたい場合に極めて有効である。特
に、低温エッチングを想定して前記誘電体ブロックが基
板を冷却するための冷却ブロックに接触されている場合
には、効果的な予備冷却が行えるわけである。
【0021】ここで、所定のプラズマ処理を開始する前
にウェハを静電吸着ステージ上に吸着させるには、まず
ウェハを載置した誘電体ブロックの内部電極に直流電圧
を印加して該誘電体ブロックに電荷を誘起させ、次に補
助電極に放電開始電圧以上の電圧を印加して中空部内に
補助プラズマを生成させる。これにより、補助プラズマ
と補助電極を通じてアースからウェハへ電荷が蓄積され
る。ウェハにある程度の電荷が蓄積されたところで補助
プラズマを消滅させれば、ウェハはアースから絶縁され
た(フローティング)状態となり、静電吸着ステージ上
に吸着される。
【0022】一方、所定のプラズマ処理を終了した後に
ウェハを静電吸着ステージから脱着するためには、まず
主プラズマを消滅させ、誘電体ブロックの内部電極への
直流電圧の印加を停止し、さらに補助電極に放電開始電
圧以上の電圧を印加して中空部内に補助プラズマを生成
させる。これにより、補助プラズマと補助電極を通じて
ウェハからアースへ残留電荷が放電される。放電が終了
したところで補助プラズマを消滅させれば、ウェハを静
電吸着ステージから脱着することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0024】実施例1 本実施例では、補助プラズマ生成用に円盤状の補助電極
を用いた静電吸着ステージの構成について説明する。本
実施例の静電吸着ステージの構成例を、図1に示す。こ
のステージの主な構成要素は、単極式静電吸着機構、冷
却機構、および補助プラズマ生成機構である。
【0025】まず、単極式静電吸着機構は、円柱状の誘
電体ブロック1とこれに埋設された円盤状の内部電極2
を主体とする機構である。上記誘電体ブロック1の上面
はウェハ載置面1aであり、その中央には後述の冷却ガ
ス供給管5の一端が開口部5aとして開口され、さらに
この開口部5aを中心とした放射状および同心円状の溝
部6が冷却ガスの流路として刻設されている。
【0026】内部電極2からは、絶縁スリーブ7に囲撓
された接続ピン2aが後述の冷却ブロック3中を貫通す
る形で導出されており、この接続ピン2aに直流電源
(図2の符号12参照。)がスイッチ(図2の符号11
参照。)を介して接続される。
【0027】冷却機構は、上記誘電体ブロックの直下に
接触され、導電材料から構成される円柱状の冷却ブロッ
ク3と、この内部を貫通して矢印A1 ,A2 方向に適当
な冷媒を循環させるための冷却配管4、および冷却ガス
供給管5を主体とする機構である。ここで、図1では便
宜上、上記冷却配管4を冷却ブロック3中に挿通される
パイプ状部材のごとく描いてあるが、実際には冷却ブロ
ック3が上下に2分割され、半ブロックの各々に冷却配
管4のパターンに応じた溝が形成され、これらを重ね合
わせることにより冷媒の流路が形成されているのが一般
的である。
【0028】冷却ステージ3は、中央部を脚部3aに支
持されている。上記冷却ガス供給管5は、この脚部3a
の中心を通り、さらに冷却ブロック3、内部電極2、誘
電体ブロック1を貫通してウェハ載置面1aの中央部に
開口されている。ウェハ載置面1aにウェハ(図2の符
号W参照。)が吸着された状態でこの冷却ガス供給管5
に矢印B方向からHe等の冷却ガスを導入すると、冷却
ガスは開口部5aから放出されて溝部6とウェハWの裏
面との間に形成された微細な空間内に行き渡る。この冷
却ガスにより、冷却ブロック3とウェハWとの間の熱的
接触状態が良好に維持される。
【0029】なお、本実施例の静電吸着ステージをたと
えばRFバイアス印加型の有磁場マイクロ波プラズマ・
エッチング装置に適用する場合には、上記脚部3aにバ
イアス印加用のRF電源を接続すれば、ウェハ面への入
射イオン・エネルギーを制御することが可能である。
【0030】本発明のポイントである補助プラズマ生成
機構は、絶縁シリンダ8、この絶縁シリンダ8の内部に
収容される補助電極9、およびこの絶縁シリンダ8内に
補助プラズマ生成用ガスを供給する補助プラズマ生成用
ガス供給管10を主体とする機構である。上記絶縁シリ
ンダ8は、上記誘電体ブロック1、内部電極2、および
冷却ブロック3を貫通し、上端はウェハ載置面1aに開
口している。つまり、この上端は、ウェハ載置面1aに
ウェハWが載置された場合に該ウェハWの裏面により閉
鎖される。反対側の底面には、補助プラズマ生成用ガス
供給管10がバルブ(図2の符号13参照。)を介して
接続されており、このバルブ13の開閉に応じて矢印C
方向から補助プラズマ生成用ガスが供給される。
【0031】上記補助電極9は小型の円盤状の導電部材
である。補助電極9はその中央部を脚部9aに支持され
ている。この脚部9aは、絶縁シリンダ8の底面を貫通
して外部へ導出されており、脚部9aにRF電源(図2
の符号16参照。)がブロッキング・コンデンサ(図2
の符号15参照。)、スイッチ(図2の符号14参
照。)等を介して接続される。
【0032】かかる静電吸着ステージにおいて、補助プ
ラズマ〔図2(b)の符号P1 参照。〕は絶縁シリンダ
8内の補助電極9とウェハWの裏面との間に生成する。
このとき生成した補助プラズマP1 がウェハWの裏面に
接触することにより、この補助プラズマP1 および補助
電極9を通じたウェハWへの電荷蓄積あるいは放電が行
われるわけである。なお、ウェハWの裏面と補助電極9
との間のギャップ長は、補助プラズマ生成用ガスのガス
圧、および補助電極9に印加される電圧の値に応じて制
御することが可能である。
【0033】実施例2 本実施例では、実施例1で上述した静電吸着ステージを
用いてウェハWを予備冷却するための操作手順、および
低温エッチング中の使用状態について、それぞれ図2お
よび図3を参照しながら説明する。これらの図面の参照
符号は、図1と一部共通である。
【0034】まず図2(a)に示されるように、冷却配
管4に冷媒を矢印A1 ,A2 方向に循環させることによ
り冷却ブロック3を所定の温度に冷却しておき、また冷
却ガス供給管5にも一例としてHeガスを矢印B方向か
ら流した状態で、ウェハWをウェハ載置面1aに置い
た。図2(a)ではウェハWがウェハ載置面1aから浮
いた様に描かれているが、これは未だ静電吸着が行われ
ていない状態を便宜的にこのように表現したのである。
【0035】ここで、スイッチ11をONとし、直流電
源12からたとえば−500Vの電圧を内部電極2に印
加すると、誘電体ステージ1のウェハ載置面1aには分
極による電荷が誘起された。これと同時に、補助プラズ
マ生成用ガス供給管10のバルブ13を開き(OPE
N)、絶縁シリンダ8の内部に矢印C方向から補助プラ
ズマ生成用ガスを導入した。このときの条件は、たとえ
ばHeガスを10Pa程度のガス圧にて導入する条件と
した。
【0036】この状態で図2(b)に示されるように補
助電極9に接続されるスイッチ14をONとし、補助電
極9に所定のRF電力を印加して補助プラズマ生成用ガ
スを放電させた。このときの放電条件は、たとえばRF
電力密度10mW/cm2 、RF周波数13.56MH
z、放電時間20秒とした。この放電により、該補助電
極9とウェハWの裏面との間に補助プラズマP1 が生成
した。これにより、矢印D1 で示されるようにアースか
らウェハWへの電荷の蓄積が起こった。
【0037】この後、図2(c)に示されるようにバル
ブ13を閉じて(CLOSE)Heガスの供給を停止
し、かつスイッチ14をOFFとしてRF電力印加を停
止して補助プラズマP1 を消滅させた。この結果、ウェ
ハWは電荷を保持したままアースから絶縁された状態
(フローティング)となり、ウェハ載置面1aに静電吸
着された。
【0038】この状態では、冷却ブロック3の冷却状態
が誘電体ブロック1を介してウェハWに良好に伝達さ
れ、低温エッチングを開始する前に十分かつ均一にウェ
ハWを所定の温度まで冷却することができた。ここまで
の操作において、ウェハWの表面側では主プラズマを生
成させていないため、たとえば従来問題となっていたレ
ジスト・パターンの形状劣化等の不都合は、何ら生じな
かった。
【0039】このようにウェハWが十分に冷却されたと
ころで、プラズマ・チャンバ内に低温エッチング用のエ
ッチング・ガスを導入し、図3に示されるように主プラ
ズマとしてたとえばECR放電によりECRプラズマP
2 を生成させた。エッチング中の静電吸着ステージの対
向アースは、ECRプラズマP2 とプラズマ・チャンバ
壁17を介してとられている。
【0040】なお、この低温エッチング中には、冷却ブ
ロック3の脚部3aを通じてRFバイアス電力を印加
し、入射イオン・エネルギーを制御するようにしても良
い。
【0041】実施例3 本実施例では、実施例2で上述した低温エッチングを行
った後、ウェハWをウェハ載置面1aから分離するため
の操作手順について、図4を参照しながら説明する。図
4の参照符号も、図1と一部共通である。
【0042】まず、図4(a)に示されるように、主プ
ラズマであるECRプラズマP2 を消滅させ、またスイ
ッチ11をOFFとして内部電極2への直流電圧の印加
も停止した。これにより、ウェハWは再び電荷を蓄積し
たまま、フローティング状態となった。次に、図4
(b)に示されるようにバルブ13を開き(OPE
N)、補助プラズマ生成用ガス供給管10から絶縁シリ
ンダ8内にHeガスを導入し、スイッチ14をONとし
て補助電極9にRF電力を印加した。これにより、補助
電極9とウェハWとの間の空間に補助プラズマP1 が生
成し、矢印D2 で示されるように、この補助プラズマP
1 と補助電極9を通じてウェハWに蓄積された電荷がア
ースへ向けて放電された。
【0043】さらに、放電がほぼ終了したところで図4
(c)に示されるようにバルブ13を閉じ(CLOS
E)、かつスイッチ14をOFFとして補助プラズマP
1 を消滅させると、ウェハWを容易にウェハ載置面1a
から分離することができた。ここまでの操作において、
ウェハWの表面側では主プラズマが既に消滅しているた
め、たとえば先の低温エッチングにより折角達成されて
いた異方性形状が劣化したり、下地選択性が低下すると
いった不都合は、何ら生じなかった。
【0044】実施例4 本実施例では、上述の静電吸着ステージの変形例とし
て、補助プラズマ生成用にメッシュ状の補助電極を用
い、従来の冷却ガス供給管が絶縁シリンダを兼ねた構成
について説明する。また、補助プラズマの生成方法につ
いても簡単に説明する。
【0045】本実施例の静電吸着ステージの構成例を、
図5に示す。このステージの主な構成要素もやはり、単
極式静電吸着機構、冷却機構、および補助プラズマ生成
機構である。
【0046】この静電吸着ステージにおいて、誘電体ブ
ロック21、これに埋設された内部電極22、ウェハ載
置面21a、およびここに刻設された溝部26、冷却ブ
ロック23、これを支持する脚部23a、冷却ブロック
23中に挿通される冷却配管24、内部電極22から導
出される接続ピン22a、これを被覆する絶縁スリーブ
27等の構成および機能については、実施例1でほぼ上
述したとおりである。上記接続ピン22aには、直流電
源(図6の符号33参照。)がスイッチ(図6の符号3
2参照。)を介して接続されている。
【0047】本実施例の実施例1との大きな相違点は、
内部で補助プラズマP2 を生成させるための絶縁シリン
ダ25が脚部23aの中心部を貫通し、その一端がウェ
ハ載置面21aの中央に開口部25aとして開口されて
いる点である。上記絶縁シリンダ25の内部には、メッ
シュ状の補助電極29が嵌合されている。この補助電極
29は、絶縁シリンダ25の内径に合致させた導電性の
円筒形の枠部29bと、この枠部29bの上下に装着さ
れた導電性のメッシュ部29aから構成される。したが
って、図中矢印F方向から絶縁シリンダ25内に導入さ
れた補助プラズマ生成用ガスは、この補助電極29のメ
ッシュ部29aを通過することができる。
【0048】枠部29bからは、絶縁スリーブ31に囲
撓された接続ピン30が冷却ブロック23中を貫通する
形で導出されており、この接続ピン30にRF電源(図
6の符号36参照。)がブロッキング・コンデンサ(図
6の符号35参照。)およびスイッチ(図6の符号34
参照。)を介して接続される。
【0049】かかる静電吸着ステージにおいて、補助プ
ラズマ(図6の符号P3 参照。)は絶縁シリンダ25内
の補助電極29とウェハ載置面21aに載置されるウェ
ハW(図6の符号W参照。)の裏面との間に生成する。
このとき生成した補助プラズマP3 がウェハWの裏面に
接触することにより、この補助プラズマP3 および補助
電極29を通じたウェハWへの電荷蓄積あるいは放電が
行われるわけである。
【0050】さらに、補助プラズマ生成用ガスの一部は
開口部25aから放出され、ウェハWの裏面と溝部26
とにより形成される微細な空間内に行き渡り、冷却ブロ
ック23とウェハWとの間の熱伝導を仲介する。
【0051】かかる静電吸着ステージの低温エッチング
開始前後における操作手順は、基本的には実施例2およ
び実施例3で上述したとおりなので、ここでは低温エッ
チング開始前に補助プラズマP3 を生成させた状態につ
いて、図6を参照しながら簡単に説明する。ここでは、
冷却配管24を通じて矢印E1 ,E2 方向に冷媒を循環
させることにより、冷却ブロック23は予め所定の温度
に冷却されている。この状態でスイッチ32をONとし
て内部電極22に直流電圧を印加し、さらにスイッチ3
4をONとして補助電極29にRF電力を供給すること
により、補助プラズマP3 を生成させる。本実施例で
は、補助プラズマ生成用ガスが冷却ガスを兼ねているた
め、補助プラズマ生成用ガスは常に矢印F方向から供給
されており、補助プラズマP3 の生成・消滅にはもっぱ
らスイッチ34のON/OFFが関与しているわけであ
る。
【0052】なお、低温エッチング終了後に補助プラズ
マP3 を生成させた状態は、図6のスイッチ32をOF
Fとした状態と考えれば良い。
【0053】以上、本発明を4例の実施例にもとづいて
説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。たとえば、補助プラズマ生成用ガスとし
ては、上述のHeの代わりに他の希ガスやN2 等の不活
性ガス、さらにはウェハの裏面をエッチングしない限り
において主プラズマ生成用ガスの成分の一部を利用する
ことができる。
【0054】補助電極に放電開始電圧を印加する電圧印
加手段としては、上述のようなRF電源に替えて直流電
源を用いることもできる。実施例4では、補助プラズマ
生成用ガスを通過させ得るメッシュ状の補助電極を用い
たが、かかる補助電極のガス通過部は上述のようなメッ
シュではなく、パンチメタルや多数の細孔を有する導電
性部材等により構成されていても良い。
【0055】この他、単極式静電吸着機構の内部電極に
印加される直流電圧の極性、静電吸着ステージの細部の
構成、補助プラズマ生成のための放電条件等が適宜変更
可能であることは、言うまでもない。
【0056】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば主プラズマの生成とは無関係に単極式静電吸
着機構を動作させることが可能である。これにより、ウ
ェハ表面に主プラズマに起因する異方性形状劣化や選択
性劣化等を何ら惹起させることなく、プラズマ処理前の
ウェハの予備冷却やプラズマ処理後のウェハの脱着等を
行うことができる。特に、本発明は低温エッチングのメ
リットを最大限に活かす上で、極めて重要な意義を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電吸着ステージの一構成例を一部破
断して示す概略斜視図である。
【図2】図1に示す静電吸着ステージを用いた予備冷却
手順を段階を追って示す概略断面図であり、(a)は誘
電体ブロック上にウェハを置き、内部電極に直流電圧を
印加する段階、(b)は補助プラズマを生成させアース
からウェハへの電荷蓄積を行う段階、(c)は補助プラ
ズマを消滅させ、ウェハを静電吸着させる段階をそれぞ
れ表す。
【図3】図1に示す静電吸着ステージ上にウェハを吸着
させ、主プラズマを用いて低温エッチングを行っている
状態を示す概略断面図である。
【図4】図1に示す静電吸着ステージからウェハを脱着
する手順を段階を追って示す概略断面図であり、(a)
は主プラズマを消滅させ、内部電極への直流電圧印加を
停止する段階、(b)は補助プラズマを生成させウェハ
からアースへの残留電荷の放電を行う段階、(c)は補
助プラズマを消滅させ、ウェハを脱着する段階をそれぞ
れ表す。
【図5】本発明の静電吸着ステージの他の構成例を一部
破断して示す概略断面図である。
【図6】図5に示す静電吸着ステージにおいて、低温エ
ッチング開始前に補助プラズマP3 を生成させた状態を
示す概略断面図である。
【符号の説明】
1,21 ・・・誘電体ブロック 1a,21a・・・ウェハ載置面 2,22 ・・・内部電極 3,23 ・・・冷却ブロック 9,24 ・・・冷却配管 5 ・・・冷却ガス供給管 8,25 ・・・絶縁シリンダ 9,29 ・・・補助電極 10 ・・・補助プラズマ生成用ガス供給管 11,32 ・・・(直流電源12の)スイッチ 12,33 ・・・直流電源 13 ・・・バルブ 14,34 ・・・(RF電源16の)スイッチ 16,36 ・・・RF電源 17 ・・・チャンバ壁 29a ・・・メッシュ部 29b ・・・枠部 W ・・・ウェハ P1 ,P3 ・・・補助プラズマ P2 ・・・ECRプラズマ(主プラズマ)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を載置するための誘電体ブロック
    と、 前記誘電体ブロックに埋設される単一の内部電極に接続
    される直流電圧印加手段と、 絶縁壁材により前記内部電極から絶縁され、一端が前記
    誘電体ブロックの基板載置面に開口される中空部と、 前記中空部内に補助プラズマ生成用ガスを導入するガス
    導入手段と、 前記中空部内において前記基板載置面から所定の距離を
    隔てた位置に設置される補助電極と、 前記補助電極に放電開始電圧以上の電圧を印加する電圧
    印加手段とを備え、 前記基板載置面に載置される基板の裏面と前記補助電極
    との間で前記補助プラズマ生成用ガスを放電解離させて
    補助プラズマを生成するようになされた静電吸着ステー
    ジ。
  2. 【請求項2】 前記補助電極が前記中空部の断面にわた
    って配設され、該補助電極の内部を通過して導入された
    補助プラズマ生成用ガスの一部を用いて基板を裏面から
    冷却するようになされた請求項1記載の静電吸着ステー
    ジ。
  3. 【請求項3】 前記誘電体ブロックが基板を冷却するた
    めの冷却ブロックに接触されてなる請求項1または請求
    項2に記載の静電吸着ステージ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    に記載の静電吸着ステージの前記誘電体ブロックの基板
    載置面に基板を載置し、前記内部電極に直流電圧を印加
    する段階と、 前記中空部内に補助プラズマ生成用ガスを導入すると共
    に、前記補助電極に前記電圧印加手段を用いて放電開始
    電圧以上の電圧を印加し、該中空部内に補助プラズマを
    生成させる段階と、 前記補助電極への電圧印加を停止する段階とを経ること
    により、 前記補助プラズマを通じた電荷蓄積を行って基板を前記
    誘電体ブロック上に吸着させることを特徴とする静電吸
    着ステージの使用方法。
  5. 【請求項5】 プラズマ・チャンバ内において請求項1
    ないし請求項3のいずれか1項に記載の静電吸着ステー
    ジの前記誘電体ブロック上に吸着された基板に対して所
    定のプラズマ処理を終了した後、該プラズマ・チャンバ
    内のプラズマを消滅させる段階と、 前記内部電極への直流電圧印加を停止する段階と、 前記中空部内に補助プラズマ生成用ガスを導入すると共
    に、前記補助電極に前記電圧印加手段を用いて放電開始
    電圧以上の電圧を供給し、該中空部内に補助プラズマを
    生成させる段階と、 前記補助電極への電圧印加を停止する段階とを経ること
    により、 前記補助プラズマを通じた電荷放出を行って基板を前記
    誘電体ブロックから脱着することを特徴とする静電吸着
    ステージの使用方法。
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