本発明は、プラズマ発生装置に関し、より詳細には、大気圧下で安定した低温グロー放電プラズマを提供することができる大気圧大面積プラズマ発生装置に関する。
プラズマ(plasma)は、イオン化した気体であって、プラズマを構成する粒子は、気体、液体、固体などのエネルギー障壁を容易に乗り越えて原子及び分子の鎖を切り、新しい分子及び原子を再結合することができる。従って、プラズマは、他の方法で到達しがたい化学反応特性と物理反応特性を容易に提供することができる。また、プラズマの特性に因って、プラズマを用いた加工は、いろいろな産業分野において広く使用されている。
実際、現代産業において、プラズマの応用技術は、高機能、高強度、高加工性を要求する物質から、各種素材の表面処理、イオン注入、有機−無機膜蒸着及び除去、洗浄作業、毒性物質の除去、殺菌など尖端材料や電子、環境産業に至るまで多くの分野において試みられている。また、プラズマ加工技術は、従来の機械加工技術の限界を容易に克服することができるので、微細パターンが必要な半導体、LCD、MEMSなどの分野において製品及び部品を製造する核心装備として使用されている。
しかしながら、従来のプラズマは、高温及び真空の雰囲気下で生成されなければならないので、プラズマ加工技術を実際に応用するのに多くの困難がある。
一旦、プラズマを生成するために、周辺温度を高温で調節すれば、低い温度下で処理されなければならないポリマーなどの物質に悪い影響を及ぼすことができ、温度の影響を最小化するために、短時間に処理されなければならない工程では、その処理条件を制御することが難しいという短所がある。
また、プラズマを真空で生成するためには、クローズドシステムを形成しなければならないが、クローズドシステムでは、物質が移動しながら行われるべき連続工程や自動化工程で具現化することが難しいという短所がある。また、真空チャンバーを形成するための高価の装備を購入し且つ維持しなければならないという負担もある。
従って、低温プラズマを真空でなく大気圧下で連続工程で使用することができれば、既存の真空低温プラズマのクローズドシステムで具現することが難しかった連続工程及び自動化工程を実現することができ、プラズマ加工を具現するシステム自体が単純化され、産業的に無限に応用されることができる。また、大気圧低温プラズマ加工が産業ラインに含まれることによって、実時間でプラズマ加工を行うことができ、これにより、生産性を顕著に高めることができると期待される。
一例として、情報技術、MEMS、半導体、ナノ、バイオ技術などを具現するにあたって、更に高機能性、高強度、高メモリ、高集積度を有する部品が要求されている。このような部品を製造するにあたって、基礎工程としての洗浄は、これ以上周辺技術でなく核心技術として位置付けられるようになった。しかしながら、洗浄のために化学薬品、超音波、水噴射(water jet)などを利用する既存のウェット洗浄方法は、環境汚染を引き起こすことができ、貴重な水を相当量消費するしかないという大きな問題点を有している。
このようなウェット洗浄の問題点を解決するために、いろいろな紫外線(UV)、オゾン、二酸化炭素、大気圧低温プラズマなどのドライ処理方案が最近提示されている。UVやオゾンプラズマ処理を行う場合、環境汚染物質の過多排出、処理速度の限界、処理機能の制限、維持補修の困難性などのような問題点がある。また、極低温二酸化炭素処理の場合、高価の装備、処理速度の限界、処理機能の限界という難しさがある。これより、大気圧低温プラズマは、このようなウェット処理の問題点を解決できると共に、既存のドライ処理の難しさをも解決できる強力な加工方法として登場している。
大気圧低温プラズマの大気圧放電において、システムの気圧増加は、電子自由運動距離(mean free path)の顕著な減少を伴い、これにより、電気放電条件の極端化を要求する。従って、既存の技術による大気圧電気放電は、非常に強い電場を要求するので、真空放電に比べて極めて大きい電圧を必要とする問題を引き起こす。従って、大気圧で容易に安価で且つ大量でプラズマを生産するための技術が必要となっている。
このような要求に対応して、現在開発中の大気圧低温プラズマ発生装置の大部分がDBD(Dielectric Barrier Discharge)放電法を使用している。DBD放電法は、1つ以上の誘電体(Dielectric Barrier)を電極に密着させてプラズマを放電させる方法であって、真空状態で可能なグロー(glow)放電を生成することができるという長所がある。参考として、本明細書において、大気圧とは、科学定義による大気圧以外にも、それと類似な大気圧付近の圧力をも含むと言える。
図1は、従来のDBD放電法を説明するための概略図である。
図1を参照すれば、プラズマ発生装置10は、電源極20及び接地極30を含み、接地極30に対向する電源極20の表面には、誘電体膜40が形成されている。電源極20に、所定の周波数を有するRF電源を印加することによって、大気圧下でも電源極20と接地極30との間に低温プラズマが生成されることができ、電源極20と接地極30との間に、非活性ガスを含む反応ガスを提供することによって、オゾン及びラジカルなどのように活性が高い粒子を容易に大量で生成することができる。この際、生成されるプラズマは、被処理物の熱変形を起こさない程度に温度が低いため、金属ばかりでなく、プラスチック及びガラスなどの材質なども処理することができ、電源極20と接地極30との間を通過する被処理物の表面上に洗浄や酸化膜形成などを行うことができる。
また、DBD放電法によるプラズマ発生装置10は、大気圧で放電できるため、真空放電によるプラズマ発生装置に比べて一層安価であり、空間に対する制約をほとんど受けず、実時間(in-line)連続工程又は自動化工程にも適用することができるなどその適用可能分野がさらに広くなる。
DBD放電法によるプラズマを生成するために、一般的に、電源極20には、約400KHz以下の低周波電源が印加される。低周波電源を使用する場合、同じパワー条件で低周波電源の電圧が高周波電源の電圧より高いため、低周波電源でプラズマがさらに容易に発生する。しかしながら、低周波電源を使用する場合には、電流が小さく、生成されるプラズマの密度が低いため、処理速度が遅いという問題点がある。また、被処理物が金属である場合には、アーク(Arc)及び試料の電荷蓄積による試料損傷(charge damage)が発生するという問題があり、大気圧下でも、オープン空間では、グロープラズマを具現することが難しいという短所がある。
低周波電源に比べて約13.56MHz以上の高周波電源では、同一のパワー条件で相対的に低い電圧を維持するようになり、電流が低周波電源に比べて10〜100倍以上流れるようになる。従って、高周波電源を使用する場合には、低周波電源を使用する場合より相対的に高い密度のプラズマを生成することができ、プラズマを利用した加工技術の処理速度をも顕著に増加させることができる。
しかしながら、高周波電源を使用する場合、小さい面積でもプラズマ発生に必要な電力消耗が大きく、プラズマが発生しても、発生したプラズマが不安定なので、被処理物が移送される途中に、プラズマがオフとなるという問題が発生する。また、金属材質の被処理物を加工する場合には、高パワーに起因して、アークが発生する恐れがかなり高いという問題がある。
図2は、グロープラズマの特性を説明するための電流−電圧特性曲線を示すグラフである。
図2を参照すれば、正常的なグロープラズマを生成する場合の電流−電圧特性曲線は、2つの地点B、Eでピーク(peak)を有し、両ピーク間の電流差が大きいほど安定したグロープラズマを生成することができると言える。初期状態Aからパワーを徐々に増加させると、電圧及び電流が増加するようになり、一番目のピークBを通過しつつグロープラズマが発生し始まる。これにより、電極間の電圧は、急激に低下するようになり、一定の区間の間は、パワーを増加させても、電流C−Dのみ増加し、電圧が一定に維持される。このように電圧が一定の区間で正常的なグロープラズマが生成され、この区間が広いほど導体物質が電極間を通過するなどの変化環境があっても、アークが発生することなく、安定したプラズマを生成することができる。そして、一定以上のパワーが供給されると、非正常のグロープラズマが生成され(D−E)、2番目のEを通過しつつ電圧が減少するようになり、アークが発生するようになる。
図2に示された電流−電圧特性曲線は、理想的な曲線であって、真空状態でグロープラズマを生成する場合に該当し、周辺の変化要因が多い大気圧下では、グロープラズマを生成することが難しい。
表1は、真空でのグロープラズマを形成する時と、大気圧下でグロープラズマを形成する時とを比較できるように、各々の電流−電圧特性曲線をまとめたものである。表1にまとめたように、従来の大気圧プラズマを形成する電流−電圧の特性曲線は、真空での条件とは異なって、大部分1つのピークを有し、正常的なグロープラズマを形成する区間を見出すことが難しい。たとえ、正常的なグロープラズマを形成する区間があると言っても、その領域が非常に狭いため、安定したグロープラズマを形成することが難しく、金属材の被処理物が通過すれば、直ちにアークが発生し、プラズマ加工処理が難しくなる。
前述したように、従来の大気圧プラズマ加工技術は、グロープラズマの具現、プラズマの不安定性、金属被処理物に対するアーク発生、大面積プラズマ具現の難しさ、処理速度の制限、高密度プラズマの生成などの問題点を有している。特に、被処理物が金属である場合には、プラズマの安定性は、金属材料の表面粗さ、形状、パターンの大きさなどによって大きく左右される。
本発明の目的は、グロープラズマを安定に生成するためのプラズマ発生装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、プラズマの生成及び消滅を自由に制御することができるプラズマ発生装置を提供することにある。
また、本発明のさらに他の目的は、大面積のプラズマ生成が容易なプラズマ発生装置を提供することにある。
また、本発明のさらに他の目的は、非金属はもちろん、金属表面の処理時にも、グロープラズマが被処理物に直接当接することができるようにするプラズマ発生装置を提供することにある。
また、本発明のさらに他の目的は、大気圧のオープン空間で設置条件の制約をあまり受けないプラズマ発生装置を提供することにあり、本発明によれば、実時間の連続工程を通じてプラズマ洗浄、アッシング、エッチング、蒸着及びその他の加工処理を迅速に行うことができる。
前記目的を達成するために、本発明の一実施例によれば、プラズマ発生装置は、電源極、第1誘電体膜、補助プラズマ接地極、第2誘電体膜、ガス流入部及び電源コントローラを含む。
電源極及び被処理物は、所定の間隔をもって離隔して配置されており、電源極に十分なパワーのRF電源が印加される時、電源極と被処理物との間にメインプラズマ(main plasma)が発生することができる。一般的に、被処理物が導電体である場合には、別のメインプラズマ接地極が無くても、メインプラズマを生成することができるが、被処理物が導電体ではない場合には、別のメインプラズマ接地極を設けることによって、メインプラズマを生成することができる。また、導体でない被処理物を処理する時にも、メインプラズマ接地極は、被処理物に接触されることができるが、所定の間隔をもって離隔した状態を維持することもできる。
電源極と被処理物との間には、シリコン、ポリイミドなどの耐熱性ポリマー又はアルミナ(A12O3)、石英(SiO2)などの酸化物で構成される第1誘電体膜が提供される。第1誘電体膜は、電源極と被処理物との間に介在されることによって、被処理物を通じてアークが発生することを最小化し、グロープラズマが安定に生成されるように補助する機能をする。しかしながら、第1誘電体膜が介在されるといって、アークの発生を完全に遮断することができるわけではなく、金属の被処理物が通過する場合には、依然としてアークが発生するという問題点がある。
従って、本発明に係るプラズマ発生装置は、補助プラズマを用いて金属の被処理物でもアーク無しに安定したプラズマを発生させることができる。このために、補助プラズマ接地極が電源極に隣接して配置され、電源極と補助プラズマ接地極との間に第2誘電体膜が提供される。電源極と補助プラズマ接地極間の間隔が狭いか、面積が小さいため、補助プラズマは、メインプラズマより一層少ないパワーによっても生成されることができる。
プラズマ発生装置が作動する間には、電源極に低パワーのRF電源を提供しても、補助プラズマがオンとなる状態を常に維持することができる。従って、電源コントローラがメインプラズマを形成するために、高パワーのRF電源を提供する場合、電源極と被処理物との間にメインプラズマが発生し、この際、補助プラズマからプラズマ状態が容易に転移され、メインプラズマが迅速に生成されることができる。
実験によれば、本発明に係るプラズマ発生装置は、補助プラズマを使用することによって、図2に示されたような電流−電圧特性曲線を生成することができる。従って、真空でグロープラズマを生成することと同様に、大気圧でも2つのピークを有し且つ広いグロープラズマ領域を生成するようになる。すなわち、本発明に係るプラズマ発生装置は、安定したグロープラズマを形成することができ、金属の被処理物を使用する場合にも、アーク無しにプラズマが被処理物に直接当接することができるように、電源極と被処理物間の距離を近く維持することができる。
特に、約13.56MHzの高周波電源を使用する場合には、高密度のプラズマを生成することができるので、処理速度を高めることができるが、メインプラズマの状態が非常に不安定なので、途中にオフとなる場合がしきりに発生することができる。しかし、本発明のように、低パワーの補助プラズマを維持する場合には、補助プラズマからプラズマ状態を容易に転移することができるので、メインプラズマがオフとならないように維持しつつ、均一なプラズマを提供することができる。
また、補助プラズマを用いて安定したメインプラズマを維持することができるので、従来のプラズマ発生装置に比べてメインプラズマを維持するためのパワーもやはり最小値に維持することができる。従って、本発明に係るプラズマ発生装置は、メインプラズマを維持するためのパワーも従来より低いレベルに使用することができ、エネルギー消費を最小化することができる。
補助プラズマを維持する間、ガス流入部を通じて電源極と補助プラズマ接地極との間にプラズマ生成のための混合ガスが供給される。プラズマのための混合ガスは、ヘリウム、アルゴンなどの非活性ガスだけで構成されることかでき、非活性ガス以外にも、酸素、窒素などのような微量の混合反応ガスを含むことができる。このように混合ガスを供給することによって、活性ラジカルの量が極大化されることができる。
前述したように、電源コントローラは、電源極に印加されるRF電源を制御する。すなわち、メインプラズマを発生しなくても、補助プラズマを発生できる程度の低パワーの電源を常に提供し、電源のパワーを増加させて、被処理物を処理できるメインプラズマを発生する。電源コントローラは、RF電源を供給すること以外に、他の機能を含むことができる。例えば、約13.56MHz以上の高周波電源を使用する場合には、マッチングボックス又はそれと類似な機能を含めて安定した電源を提供することができる。
従来の大気圧低温プラズマでは、金属の被処理物を処理する時、アークが発生する問題点があり、これを解決するために、金属の被処理物から電源極を遠く離間してプラズマを発生させている(remote plasma)。しかし、この際、発生するプラズマは、直接被処理物に当接せず、プラズマにより生成されるラジカルなどの粒子のみが被処理物に到達するため、その処理速度が顕著に遅いという短所がある。しかし、本発明に係るプラズマ発生装置は、金属の被処理物が通過しても、アークの発生を抑制することができ、被処理物が電源極を近く通過するようにして、金属の被処理物にプラズマが直接当接することができるようにする。プラズマが直接被処理物を加工するので、高加工性の被処理物をも処理することができ、処理速度をも顕著に増加させることができる。
前述のような目的を達成するために、本発明の好ましい他の実施例によれば、プラズマ発生装置は、複数の電源極、複数の補助プラズマ接地極、誘電体膜、ガス流入部及び電源コントローラを含む。複数の電源極及び補助プラズマ接地極が交互に配置され、各々の補助プラズマ接地極を通じて補助プラズマを生成するものの、電源極と補助プラズマ接地極の電圧差により補助プラズマが生成され、この際、補助プラズマは、メインプラズマより低いパワーで生成されることを特徴とする。
電源極及び接地極が交互に配置され、被処理物又は被処理物が通過する通路上には、各々複数のプラズマソースが生成されることができ、各プラズマソースを用いて各電源極と被処理物との間には、大面積のプラズマを発生させることができる。
一般的に、電源極及び接地極は、各々平板型で製作され、交互に配置され、電源極又は接地極の周辺に誘電体膜が形成され、大気圧でグロープラズマを生成することができるようにする。このような電源極及び接地極からなるプラズマ発生ユニットを相互並列で配置することによって、十分な量のプラズマを供給することができ、大気圧プラズマを大面積にわたって提供することができる。このような並列配置型プラズマ発生装置は、1つのメインプラズマ接地極を共通に使用することができ、被処理物そのものを接地として使用することができる。
前述の目的を達成するために、本発明の一実施例によれば、プラズマ発生装置は、柱状の電源極、誘電体膜、補助プラズマ接地極、ガス流入部及び電源コントローラを含む。誘電体膜は、柱状の電源極の周辺を取り囲む構造を有することができる。柱状の電源極は、製造することが容易であり、誘電体膜により構造的に支持されるので、別の支持部材が無くても、容易に固定させることができる。また、電源極を簡単で且つ完全に絶縁することができ、電源極を通じて強い電場を印加しても、絶縁破壊が生じることなく、相対的に多量の反応ガスを供給し、十分な量のプラズマを発生させることができる。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。しかしながら、本発明の権利範囲が下記の実施例に限定されるものではない。
図3は、本発明の第1実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための構成図であり、図4は、第1実施例に係るプラズマ発生装置のプラズマ発生メカニズムを説明するための構成図である。
図3を参照すれば、第1実施例に係るプラズマ発生装置100は、電源極110、誘電体膜120、メインプラズマ接地極140、補助プラズマ接地極130、ガス流入部150及び電源コントローラ160を含む。誘電体膜120は、電源極110とメインプラズマ接地極140との間に介在される第1誘電体膜122と、電源極110と補助プラズマ接地極130との間に介在される第2誘電体膜124とに分けられる。
電源極110は、ステンレススチル又はアルミニウム合金などの金属であり、電源コントローラ160に電気的に連結される。電源コントローラ160により電源極110にRF電源が印加されることができ、使用条件によって、電源コントローラ160に印加されるRF電源は、低周波電源又は高周波電源となることができる。図示のように、電源コントローラ160では、基本的に補助プラズマ(Auxiliary Plasma;AP)を生成できる程度の低いパワーの電源が供給されており、電源極110と補助プラズマ接地極130間の間隔が非常に狭く、且つ面積が小さいため、低パワーの電源で容易に補助プラズマAPを維持することができる。
第1誘電体膜122および第2誘電体膜124は、アルミナ、石英、シリコン又はセラミックよりなり、1つに連結されて誘電体膜120を構成する。誘電体膜120は、電源極110の周辺に沿って形成された絶縁体であって、電源極110と周辺接地極との直接的な接触を遮断し、電源極と周辺接地極との間にアークが発生することを抑制することができる。ここで、誘電体膜120は、約0.1〜10mmの厚さで形成される。
補助プラズマ接地極130は、誘電体膜120により覆われた電源極110の側面下段に隣接して位置し、第2誘電体膜124は、補助プラズマ接地極130と電源極110との間に配置される。補助プラズマ接地極130は、低パワーの電源が電源極110に印加されても、補助プラズマAPを生成できなければならないし、このために、電源極110から約0.1〜20mm程度の間隔で隣接して配置される。また、補助プラズマ接地極130は、電源極110と並んで配置され、狭い面積を通じて互いに対向するので、低パワーで容易に補助プラズマAPを生成することができ、この際、生成される補助プラズマAPは、電源極110に沿って長く形成される。従って、補助プラズマAPがメインプラズマMPに転移される時にも、全区間にわたって迅速に転移されることができる。
多量のラジカル及びイオンを形成するために、混合ガスが電源極110と補助プラズマ接地極130との間に供給される。混合ガスは、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)などの非活性ガスを含み、これら非活性ガスに微量で混合された酸素、窒素などのような反応ガスを含む。また、反応ガスには、炭素、水素、塩素、アンモニア、メタンなどが含まれることによって、プラズマ処理の際、表面の化学的性質を改造するための用途として使用されることができる。混合ガスは、ガス流入部150を通じて外部から電極間に供給され、電源極110と補助プラズマ接地極130との間に沿って全体的に均一に供給される。電源極110と補助プラズマ接地極130との間に供給された混合ガスは、強い電場により解離され、このような過程を通じてプラズマが生成される。
メインプラズマ接地極140は、電源極110の下部に位置し、電源極110から所定の距離をもって離隔して配置される。メインプラズマ接地極140は、電源極110のRF電源に対応してメインプラズマMPを生成するためのものであって、電源極110に印加される電源が一定のパワー以上に増加する場合、メインプラズマMPが生成されることができる。被処理物が金属である場合には、メインプラズマ接地極140が無くてもメインプラズマを形成することができるが、被処理物が非金属である場合には、電場を形成できるように、メインプラズマ接地極140が配設されなければならない。また、メインプラズマ接地極140は、非金属である被処理物と接触を維持することが好ましいが、場合によっては、メインプラズマ接地極140と被処理物とが小さい間隔をもって離隔して互いに当接しない場合もあり得る。
メインプラズマ接地極は、電場を形成するためのものであって、電源極に対応する接地を形成することができるものなら、接地形態や接地位置に対する厳格な制限がないと言える。例えば、本発明の他の実施例によれば、被処理物が加工処理される間に持続的に動く場合には、コンベヤーベルト自体がメインプラズマ接地極として使用されることができ、コンベヤーベルトは、接地状態を維持することによって、有効な接地極としての機能をすることができる。
図4を参照すれば、被処理物Mが電源極110とメインプラズマ 接地極 140との間に位置している。この際、電源コントローラ160は、増加されたパワーのRF電源を電源極110に印加し、RF電源のパワーが増加するにつれて、電源極110と被処理物Mとの間には、グロープラズマが生成される。
電源極110と補助プラズマ接地極130との間には、常に補助プラズマAPが形成されている。従って、メインプラズマMPが生成される時、補助プラズマAPのプラズマ状態がメインプラズマMPに容易に転移されることができ、本実施例に係るプラズマ発生装置100は、従来のプラズマ発生装置に比べて、一層安定し且つ電力の損失が少ないプラズマを生成することができる。
メインプラズマMPを維持できる電力に比べて補助プラズマAPを維持する電力は僅かなので、被処理物Mを加工している間にも、補助プラズマAPは、オフとならずに、安定にプラズマ状態を維持することができる。従って、供給される電源が不安定で、メインプラズマMPの状態が不安定になっても、安定した補助プラズマAPからプラズマ状態がメインプラズマMPに随時転移されることができ、メインプラズマMPもオフとならずに安定した状態を維持することができる。
図5は、第1実施例と類似な本発明の他の実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための構成図である。
図5を参照すれば、第1実施例のプラズマ発生装置100に比べて、本実施例に係るプラズマ発生装置101は、キャパシタンス接地極132及びキャパシタンス接地極132に形成される第3誘電体膜126をさらに含む。キャパシタンス接地極132は、電源コントローラ150から供給されるRF電源に対応してキャパシタンスを形成し、RF電源により安定したプラズマを形成するように補助する機能をする。
キャパシタンス接地極132は、補助プラズマ接地極130及びキャパシタンス接地極132が相互一体に形成され、1つの接地胴体を構成することができ、電源極110及び接地胴体は、共に平板型で形成され、平板型のプラズマ発生装置を構成することができる。
図6は、本発明の第2実施例に係るプラズマ発生装置を示す断面図であり、図7は、第2実施例に係るプラズマ発生装置を示す斜視図であり、図8は、第2実施例に係るプラズマ発生装置の接地胴体を示す部分切開図である。
図6乃至図8を参照すれば、第2実施例に係るプラズマ発生装置200は、電源極210、誘電体膜220、メインプラズマ接地極240、補助プラズマ接地極230、キャパシタンス接地極232、ガス流入経路250及び電源コントローラ260を含む。補助プラズマ接地極230及びキャパシタンス接地極232は、ステンレススチル又はアルミニウム合金で構成され、一体化され、1つの接地胴体235を形成する。
接地胴体235の下段には、補助プラズマ接地極230が位置し、補助プラズマ接地極230の端部は、誘電体膜220が形成された電源極210から小さい間隔をもって離隔している。補助プラズマ接地極230と電源極210間の離隔された空間は、狭い面積を有し、被処理物Mの移送経路に垂直となるように形成されている。従って、補助プラズマAPは、被処理物Mの幅全体を覆うことができる程度に、広く形成されている。
被処理物Mは、移送ローラにより電源極210とメインプラズマ接地極240間を連続的に通過し、プラズマ発生装置200は、被処理物Mのうちプラズマで処理されるべき部分が通過する時、メインプラズマを生成して、プラズマ加工処理を連続的に又は非連続的に行うことができる。
電源極210は、平板型で形成され、ステンレススチル又はアルミニウム合金などの金属で構成される。電源極210は、同軸ケーブル端子212を通じて電源コントローラ260に電気的に連結され、電源コントローラ260により電源極210にRF電源が印加される。
電源コントローラ260は、インピダンスマッチングボックス262を含み、高周波電源は、前記マッチングボックス262を通じて電源極210に伝達される。電源コントローラ260では、基本的に、補助プラズマAPを生成できる程度の電源が供給されており、電源極210と補助プラズマ接地極230間の間隔が非常に狭く、且つ面積も小さいため、低パワーの電源で容易に補助プラズマAPを維持することができる。
次に、表2は、プラズマが生成される面積及び長さによって補助プラズマAPを維持するための放電維持電力と、メインプラズマMPを維持するための放電維持電力をまとめたものである。下記の条件は、いずれもグロープラズマを生成するための条件であって、その結果によれば、補助プラズマは、メインプラズマを維持するための電力の50%以下の電力で十分に維持することができる。
誘電体膜220は、アルミナ、石英、シリコン又はセラミックよりなり、誘電体膜220は、電源極210の周辺に沿って形成された絶縁体であって、電源極210と周辺接地極との直接的な接触を遮断する。ここで、誘電体膜220は、約0.1〜10mmの厚さで形成される。誘電体膜220は、前記実施例での第1乃至第3誘電体膜122〜126が一体に形成されたものに該当し、電源極210を誘電体膜220に挿入したり、誘電体膜220を電源極210の表面に塗布又は蒸着することによって得られる。
接地胴体235は、電源極210に対応して平板型で形成され、補助プラズマAPを生成するための補助プラズマ接地極230及びキャパシタンスを形成するためのキャパシタンス接地極232を含む。また、接地胴体235の内部には、ガス流入経路250が形成され、プラズマ発生のために外部から流入された混合ガスは、ガス流入経路250を通過して補助プラズマ接地極220と電源極210の間に均一に分散される。接地胴体235は、電源極210に装着されることによって、1つのプラズマ発生ユニットを形成する。
ガス流入経路250は、外部から混合ガスが流入される第1流入路252、第1流入路252に連結され、電源極210と並んで形成される第2流入路254、電源極210と補助プラズマ接地極220との間に形成される流入チャンバー256、及び第2流入路254と流入チャンバー256とを連結する複数のオリフィス(orifice)258を含む。図示のように、第1流入路252及び第2流入路254は、接地胴体235にホールを形成することによって、接地胴体235内に形成されることができ、第2流入路254に沿って接地胴体235を切削することによって、流入チャンバー256を形成することができる。また、第2流入路254と流入チャンバー256とを連結するオリフィス258を形成することによって、混合ガスがオリフィス258を通じて流入チャンバー256に均一に分散されるようにすることができる。
従って、混合ガスは、第1流入路252を通じて接地胴体235の内部に進入し、第2流入路254を経てオリフィス258に均一に分布される。オリフィス258を通過した混合ガスは、流入チャンバー256を通じて電源極210と補助プラズマ接地極230との間に沿って全体的に分散され、分散された混合ガスは、各々の位置で補助プラズマAP又はメインプラズマMPの生成を補助する。
前述したように、補助プラズマ接地極230は、低パワーの電源で補助プラズマAPを生成できなければならないので、電源極210に約0.1〜20mm程度の間隔で近く配置され、上下の幅も狭くて小さい面積で当接することがよろしい。また、補助プラズマ接地極230と電源極210が互いに並んで配置されているので、補助プラズマAPがメインプラズマMPに転移される時にも、全区間にわたる大面積で迅速に転移されることができる。
メインプラズマ接地極240は、電源極210の下部に位置し、電源極210から所定の間隔をもって離隔して配置される。メインプラズマ接地極240は、電源極210のRF電源に対応してメインプラズマMPを生成するためのものであって、電源極210に印加される電源が常に一定のパワー以上に増加する場合、電源極210とメインプラズマ接地極240との間に強い電場が形成され、強い電場によりメインプラズマMPが生成されることができる。
図9は、第2実施例によりプラズマ発生装置が作動する過程を説明するための断面図である。
図9を参照すれば、電源極210とメインプラズマ接地極240との間にメインプラズマMPが形成されている。もちろん、メインプラズマMPと共に、電源極210と補助プラズマ接地極230との間には、補助プラズマAPが形成されている。
メインプラズマMPは、グロープラズマであって、被処理物は、電源極210及びメインプラズマ接地極240を通過しながら広い面積に対して洗浄又は酸化膜生成などのプラズマ加工処理が施される。また、補助プラズマAPは、常に形成されているので、メインプラズマMPに容易にプラズマ状態を転移することができ、メインプラズマMPを始めて生成するか、持続的に維持するにあたって、安定的で且つ決定的な助けになる。
従って、プラズマ加工を行う作業者は、所望の時点にメインプラズマを生成及び消滅することができ、これは、このような調節を自由に行うことで、精密なプラズマ加工が大気圧及び常温で可能であることを意味する。メインプラズマMPが生成される時、補助プラズマAPのプラズマ状態が容易に転移されることができるので、一層安定し且つ電力の損失が少ないプラズマを生成することができる。
図10は、本発明の第3実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための断面図である。
図10を参照すれば、第3実施例に係るプラズマ発生装置300は、電源極310、誘電体膜320、メインプラズマ接地極340、補助プラズマ接地極330、キャパシタンス接地極332、ガス流入経路350及び電源コントローラ360を含む。電源極310及び誘電体膜320は、平板型プラズマ発生装置300の前後両側に形成され、電源極310の間には、補助プラズマ接地極330及びキャパシタンス接地極332を含む接地胴体335が介在され、電源極310と結合される。接地胴体335は。ステンレススチル又はアルミニウム合金で構成され、その内部には、ガス流入経路350が形成される。
接地胴体335の下段両側には、補助プラズマ接地極330が各々形成され、補助プラズマ接地極330の端部は、誘電体膜320が形成された電源極310から小さい間隔をもって離隔されている。従って、補助プラズマAPは、1つの接地胴体335の下段の両側で広く形成され、被処理物Mの幅全体を二重で覆える程度に、広く形成されることができる。
電源極310は、平板型で形成され、接地胴体335の両側に提供される。電源極310は、ステンレススチル又はアルミニウム合金などの金属で構成され、同軸ケーブル端子312を通じて電源コントローラ360に電気的に連結され、電源コントローラ360により電源極310にRF電源が印加される。
電源コントローラ360では、基本的に補助プラズマAPを生成できる程度の電源が供給されており、電源極310と補助プラズマ接地極330間の間隔が非常に狭くて且つ面積が小さいため、低パワーの電源で容易に補助プラズマAPを維持することができる。もちろん、補助プラズマAPを形成していても、RF電源のパワーが十分に増加しなければ、メインプラズマMPが形成されない。これについては、表2にまとめたように、補助プラズマは、メインプラズマを維持するための電力の50%以下の電力で十分に維持することができた。
誘電体膜320は、アルミナ、石英、シリコン又はセラミックよりなり、誘電体膜320は、電源極310の周辺に沿って形成された絶縁体であって、電源極310と周辺接地極との直接的な接触を遮断する。
接地胴体335の内部には、ガス流入経路350が形成され、外部から流入された混合ガスは、ガス流入経路350を通過して両側の補助プラズマ接地極320と電源極310の間に均一に分散される。ガス流入経路350は、外部から混合ガスが流入される第1流入路352、第1流入路352に連結され、電源極310と並んで接地胴体335の両側に形成される第2流入路354、電源極310と補助プラズマ接地極320との間に各々形成される流入チャンバー356、及び第2流入路354と流入チャンバー356とを連結する複数のオリフィス358を含む。図示のように、第1流入路352は、接地胴体335の内部で両側の第2流入路354に向かって分岐され、第2流入路354に沿って接地胴体335の両側に流入チャンバー356を形成することができる。そして、第2流入路354と流入チャンバー356とを連結するオリフィス358を形成することによって、混合ガスがオリフィス358を通じて流入チャンバー356に均一に分散されるようにすることができる。
従って、混合ガスは、第1流入路352を通じて接地胴体335の内部に進入し、第2流入路354を経てオリフィス358に均一に分布される。オリフィス358を通過した混合ガスは、流入チャンバー356を通じて電源極310と補助プラズマ接地極330との間に沿って全体的に分散され、分散された混合ガスは、各々の位置で補助プラズマAP又はメインプラズマMPの生成を補助する。
メインプラズマ接地極340は、電源極310の下部に位置し、電源極310から所定の間隔をもって離隔して配置される。メインプラズマ接地極340は、電源極310のRF電源に対応してメインプラズマMPを生成するためのものであって、電源極310に印加される電源が常に一定のパワー以上に増加する場合、電源極310とメインプラズマ接地極340との間に強い電場が形成され、補助プラズマAPのプラズマ状態が迅速に転移され、メインプラズマMPが直ちに生成されることができ、安定したプラズマ状態を維持することができる。
図11は、本発明の第4実施例に係るプラズマ発生装置を示す断面図であり、図12は、第4実施例に係るプラズマ発生装置においてメインプラズマが作動する過程を説明するための断面図である。図11に示されたプラズマ発生装置201は、第2実施例で説明されたプラズマ発生装置200において電源極210と接地胴体235を並列で配置したものであって、電源極210と接地胴体235についての説明は、前記実施例の説明と図面を参照することができる。従って、本実施例において、前記実施例の説明と重複される部分を省略する。
図11を参照すれば、第4実施例に係るプラズマ発生装置201は、2つの電源極210、各電源極210の表面に形成された誘電体膜220、電源極210に隣接して各々配置される接地胴体235、接地胴体235に形成されたガス流入経路250、及び電源コントローラ260を含む。また、接地胴体235は、補助プラズマ接地極230及びキャパシタンス接地極232を含み、両接地極230、232は、一体に形成され、相互電気的に連結される。
電源極210は、平板型で形成され、ステンレススチル又はアルミニウム合金などの金属で構成される。電源極210は、同軸ケーブル端子を通じて電源コントローラ260に電気的に連結され、電源コントローラ260により電源極210にRF電源が印加される。電源コントローラ260では、基本的に、補助プラズマAPを生成できる程度の電源が供給されており、電源極210と補助プラズマ接地極230間の間隔が非常に狭く、且つ面積も小さいため、低パワーの電源で容易に補助プラズマAPを維持することができる。また、補助プラズマ接地極230と電源極230が互いに並んで配置されているので、補助プラズマAPがメインプラズマMPに転移される時にも、全区間にわたる大面積で迅速に転移されることができる。
接地胴体235も、電源極210に対応して平板型で形成され、接地胴体235の内部には、ガス流入経路250が形成される。外部から流入された混合ガスは、ガス流入経路250を通過して補助プラズマ接地極220と電源極210の間に均一に分散される。
電源極210及び接地胴体235が交互に(alternately)並列で配置され、補助プラズマAPを形成する補助プラズマ接地極230と電源極210間の間隔も複数の列を形成しながら並列で配置される。電源コントローラ260により電源極210に供給される電源のパワーが増加する場合には、電源極210と被処理物との間にメインプラズマが形成され、この際、メインプラズマは、補助プラズマAPからプラズマ状態を転移され、迅速に広がる。
図12を参照すれば、電源極210が複数の列を形成しながら交互に配置され、各電源極210でメインプラズマMPを形成するため、プラズマ加工に必要なプラズマの供給量を増加させることができると同時に、多重の被処理物にプラズマ反応を起こすことができる。
図11及び図12では、電源極210と接地胴体235が一対をなし、2列で配置されているが、本発明の他の実施例によれば、被処理物の種類やサイズによって電源極210と接地胴体235の列数がさらに増加することができる。
図13は、第4実施例と類似な本発明の他の実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための断面図である。
図13を参照すれば、補助プラズマ接地極230で混合ガスの反応ガスがプラズマ状態に転移するためには、プラズマ加工の初期に反応ガスを点火させる工程が必要である。このためには、補助プラズマ接地極230と誘電体膜220との間に設けられる放電プローブ270と、放電プローブ270に電気的に連結されるイグナイタ275とを含む。また、放電プローブ270とイグナイタ275とを連結する導線は、所定の間隔をもって離隔されたギャップ272を含む。
イグナイタ275を利用することによって、放電プローブ270に瞬間的な高電圧を印加させることができ、放電プローブ270及びイグナイタ275を用いて加工初期にプラズマを生成するための電圧差を形成することができる。瞬間的な高電圧により反応ガスが点火され、反応ガスの点火により補助プラズマAPが生成される。従って、プラズマ発生装置において電源コントローラは、高い開始電圧を負担する必要が無く、低い消費電力を維持することができる。
放電プローブ270とイグナイタ275は、ギャップ272により所定の間隔をもって離隔するように連結されるが、放電プローブ270は、白金やタングステンなどのように、導電性が良好で且つ耐アーク性に優れた金属材質で製作される。電源極210と補助プラズマ接地極230との間には、誘導起電力が発生するようになるが、ギャップ272は、放電プローブ270とイグナイタ275との間に形成され、放電プローブ270からイグナイタ275まで誘導起電流が逆バイアスされることを防止するためのものである。
図14は、本発明の第5実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための構成図であり、図15は、第5実施例に係るプラズマ発生装置のプラズマ発生メカニズムを説明するための構成図である。
図14を参照すれば、第5実施例に係るプラズマ発生装置400は、電源極410、誘電体膜420、メインプラズマ接地極440、補助プラズマ接地極430、ガス流入部450、及び電源コントローラ460を含む。
電源極410は、円筒型で形成されたステンレススチル又はアルミニウム合金などの金属であり、電源コントローラ460に電気的に連結されている。電源コントローラ460により電源極410にRF電源が印加される。ユーザの意図によって低周波電源または高周波電源が印加されることができる。図示のように、電源コントローラ460では、基本的に、補助プラズマAPを生成できる程度の電源が供給されており、電源極410と補助プラズマ接地極430間の間隔が非常に狭く、且つ面積も小さいため、低パワーの電源で容易に補助プラズマAPを維持することができる。
本実施例によれば、電源極410は、円筒型であって、その軸中心が直線型でまっすぐに形成される。しかし、電源極は、被処理物の形状によって凹形状または凸形状に湾曲されることができ、被処理物の形状によって、部分的に平面でなく曲面を含む表面を有することができる。曲面処理された表面を有するために、電源極を覆う誘電体膜は、シリコン又はポリイミドのように伸縮性があり且つ軟らかい材質で構成されることができる。
電源極410の周りには、アルミナ、石英、シリコン又はセラミックで構成された誘電体膜420が形成される。誘電体膜420は、電源極410の周辺に沿って形成された絶縁体であって、電源極410と周辺接地極との直接的な接触を遮断する。また、誘電体膜420は、メインプラズマMPを生成する間にも、アーク発生を抑制し、電源極410と被処理物Mとの間にグロー放電がなされるように補助する機能をもすることができる。ここで、誘電体膜420は、約0.1〜10mmの厚さで形成される。
補助プラズマ接地極430は、誘電体膜420により覆われた電源極410の側面下段に隣接して位置する。補助プラズマ接地極430は、低パワーの電源が電源極410に印加されても、補助プラズマ AP を生成できなければならないし、このために、電源極410から約0.1〜20mm程度の間隔で隣接して配置される。また、補助プラズマ接地極430は、電源極410と並んで配置されているため、補助プラズマAPも電源極410に沿って長く形成される。従って、補助プラズマAPがメインプラズマMPに転移される時にも、全区間にわたって迅速に転移されることができる。
多量のオゾン及びラジカルイオンを形成するために、反応ガスが電源極410と補助プラズマ接地極430との間に供給される。これらの反応ガスは、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)などの非活性ガスであるか、これら非活性ガスに微量の酸素又は窒素が混合された反応ガスである。これらの反応ガスは、ガス流入部450を通じて外部から電極間に供給され、電源極410と補助プラズマ接地極430との間に沿って全体的に均一に供給される。電源極410と補助プラズマ接地極430との間に供給された反応ガスは、強い電場により解離され、このような過程を通じて反応ガスからプラズマを生成する。
メインプラズマ接地極440は、電源極410の下部に位置し、電源極410から所定の距離をもって離隔して配置される。メインプラズマ接地極440は、電源極410のRF電源に対応してメインプラズマMPを生成するためのものであって、電源極410に印加される電源が一定のパワー以上に増加する場合、メインプラズマMPが生成されることができる。被処理物が金属である場合には、メインプラズマ接地極440が無くてもメインプラズマを形成することができるが、被処理物が非金属である場合には、電場を形成できるように、メインプラズマ接地極440が配設されなければならない。メインプラズマ接地極は、電場を形成するためのものであって、電源極に対応する接地を形成できるものなら、接地形態や接地位置に対する厳格な制限がないと言える。例えば、本発明の他の実施例によれば、被処理物が加工処理される間に持続的に動く場合には、コンベヤーベルト自体がメインプラズマ接地極として使用されることができ、コンベヤーベルトは、接地状態を維持することによって、有効な接地極としての機能をすることができる。
図15を参照すれば、被処理物Mが電源極410とメインプラズマ接地極440との間に位置している。この際、電源コントローラ460は、増加されたパワーのRF電源を電源極410に印加し、RF電源のパワーが増加するにつれて、電源極410と被処理物Mとの間には、グロープラズマが生成される。
電源極410と補助プラズマ接地極430との間には、常に補助プラズマAPが形成されている。従って、メインプラズマMPが生成される時、補助プラズマAPのプラズマ状態がメインプラズマMPに容易に転移されることができ、本実施例に係るプラズマ発生装置400は、従来のプラズマ発生装置に比べて、一層安定し且つ電力の損失が少ないプラズマを生成することができる。
メインプラズマMPを維持できる電力に比べて補助プラズマAPを維持する電力は僅かなので、被処理物Mを加工している間にも、補助プラズマAPは、オフとならずに、安定にプラズマ状態を維持することができる。従って、供給される電源が不安定で、メインプラズマMPの状態が不安定になっても、安定した補助プラズマAPからプラズマ状態がメインプラズマに随時転移されることができ、メインプラズマMPもオフとならずに安定した状態を維持することができる。
図16は、第1実施例と類似な本発明の他の実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための構成図である。
図16を参照すれば、第1実施例のプラズマ発生装置400に比べて本実施例に係るプラズマ発生装置401は、キャパシタンス接地極432をさらに含む。キャパシタンス接地極432は、電源コントローラ450から供給されるRF電源に対応してキャパシタンスを形成し、RF電源により安定したプラズマを形成するように補助する機能をする。
キャパシタンス接地極432は、電源極410及び誘電体膜420を収容することによって、電源極410及び誘電体膜420を装着する胴体となることができ、補助プラズマ接地極430及びキャパシタンス接地極432は、相互一体に形成され、1つの接地胴体を構成することができる。
図17は、本発明の第6実施例に係るプラズマ発生装置を示す断面図であり、図18は、第6実施例に係るプラズマ発生装置が作動する過程を説明するための断面図である。
図17及び図18を参照すれば、第6実施例に係るプラズマ発生装置500は、電源極510、誘電体膜520、メインプラズマ接地極540、補助プラズマ接地極530、キャパシタンス接地極532、ガス流入経路550、及び電源コントローラ560を含む。補助プラズマ接地極530及びキャパシタンス接地極532は、ステンレススチル又はアルミニウム合金で構成され、一体をなし、1つの接地胴体535を形成する。接地胴体535の下段には、被処理物Mの移送経路に垂直となるように円筒型のホールが形成され、前記ホールの下段部は、部分的に開放され、電源極510及び誘電体膜520が共にホール内に挿入される時、誘電体膜520の一部が接地胴体535の下段から露出される。従って、電源極510によりメインプラズマMPが形成される時にも、広い面積にわたって均一に形成されることができる。
被処理物Mは、移送ローラRにより接地胴体535とメインプラズマ接地極540との間を連続的に通過し、プラズマ発生装置500は、所要の地点でメインプラズマを形成し、プラズマ加工処理を連続的に行うことができる。
電源極510は、円筒型で形成され、ステンレススチル又はアルミニウム合金などの金属で構成される。電源極510は、電源コントローラ560に電気的に連結されており、電源コントローラ560により電源極510にRF電源が印加されることができる。
電源コントローラ560は、インピダンスマッチングボックス562を含み、高周波電源は、前記マッチングボックス562を通じて電源極510に伝達される。電源コントローラ560では、基本的に、補助プラズマAPを生成できる程度の電源が供給されており、電源極510と補助プラズマ接地極530間の間隔が非常に狭く、且つ面積も小さいため、低パワーの電源で容易に補助プラズマAPを維持することができる。
前記表2にまとめた通り、補助プラズマは、メインプラズマを維持するための電力の50%以下の電力で十分に維持することができる。
誘電体膜520は、アルミナ、石英、シリコン又はセラミックよりなり、誘電体膜520は、電源極510の周辺に沿って形成された絶縁体であって、電源極510と周辺接地極との直接的な接触を遮断する。ここで、誘電体膜520は、約0.1〜10mmの厚さで形成される。
誘電体膜520は、中空の円筒型で成形製作され、円筒型の電源極510を誘電体膜520に挿入したり、誘電体膜220を電源極510の表面に塗布又は蒸着することによって得られる。これにより、従来の板型電源極とは異なって、円筒型の誘電体膜520は、別途の支持部材無しに、誘電体膜520が電源極510を取り囲む簡単な構造により、電源極510を完全に絶縁することができるという長所がある。従って、電源極510を通じて強い電場を印加しても、絶縁破壊が生じることなく、相対的に多量の反応ガスを供給し、充分な量のプラズマを発生することができる。
接地胴体535は、1つの接地極として、補助プラズマAPを生成するために電源極510に隣接して配置された補助プラズマ接地極530と、電源極510を部分的に収容しながらキャパシタンスを形成するキャパシタンス接地極532とを含む。また、接地胴体535の内部には、ガス流入経路550が形成され、外部から流入された反応ガスは、ガス流入経路550を通過して、補助プラズマ接地極520と電源極510との間に均一に分散される。
ガス流入経路550は、外部から混合ガスが流入される第1流入路552、第1流入路552に連結され、電源極510と並んで形成される第2流入路554、電源極510と補助プラズマ接地極520との間に形成される流入チャンバー556、及び第2流入路554と流入チャンバー556とを連結する複数のオリフィス558を含む。反応ガスは、第1流入路552を通じて接地胴体530の内部に進入し、第2流入路554を経てオリフィス558に均一に分布される。オリフィス558を通過した反応ガスは、流入チャンバー556を通じて電源極510と補助プラズマ接地極530との間に沿って全体的に分散され、分散された反応ガスは、各々の位置で補助プラズマAP又はメインプラズマMPの生成を補助する。
前述したように、補助プラズマ接地極530は、低パワーの電源で補助プラズマAPを生成できなければならないので、電源極510に約0.1〜20mm程度の間隔で近く配置される。また、補助プラズマ接地極530と電源極510が互いに並んで配置されているので、補助プラズマAPがメインプラズマMPに転移される時にも、全区間にわたる大面積で迅速に転移されることができる。
メインプラズマ接地極540は、電源極510の下部に位置し、電源極510から所定の間隔をもって離隔して配置される。メインプラズマ接地極540は、電源極510のRF電源に対応してメインプラズマMPを生成するためのものであって、電源極510に印加される電源が常に一定のパワー以上に増加する場合、電源極510及びメインプラズマ接地極540との間に強い電場が形成され、強い電場によりメインプラズマMPが生成されることができる。
図18を参照すれば、電源極510とメインプラズマ接地極540との間にメインプラズマMPが形成されている。もちろん、メインプラズマMPと共に、電源極510と補助プラズマ接地極530との間には、補助プラズマAPが形成されている。
メインプラズマMPは、グロープラズマであって、被処理物は、電源極510及びメインプラズマ接地極540を通過しながら広い面積に対して洗浄又は酸化膜生成などのプラズマ加工処理が施される。また、補助プラズマAPは、常に形成されているので、メインプラズマMPに容易にプラズマ状態を転移することができ、メインプラズマMPを始めて生成したり、持続的に維持するにあたって、安定的で且つ決定的な助けになる。
従って、プラズマ加工を行う作業者は、所望の時点にメインプラズマを生成及び消滅することができ、これは、このような調節を自由に行うことで、精密なプラズマ加工が大気圧及び常温で可能であることを意味する。メインプラズマMPが生成される時、補助プラズマAPのプラズマ状態を容易に転移されることができるので、一層安定し且つ電力の損失が少ないプラズマを生成することができる。
図19は、第6実施例と類似な本発明の他の実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための断面図である。
図19を参照すれば、1つの接地胴体535が被処理物の移送方向に長く延長され、接地胴体535内に複数の円筒ホールが並列で形成された後、各ホールに電源極510及び誘電体膜520が挿入される。そして、各電源極510を中心として補助プラズマ接地極530、キャパシタンス接地極532及びガス流入経路550が形成される。これは、大容量プラズマを処理するためのもので、広い面積に対して安定したプラズマ加工処理が可能となる。また、各々の電源極に流入される反応ガスを異ならしめることによって、各々の電源極で行われるプラズマ加工処理の性格を異ならしめることができる。
図20及び図21は、第6実施例と類似な本発明の他の実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための断面図である。
図20を参照すれば、2つの接地胴体535が上下に互いに対向して配置され、第6実施例と同様に、各々の接地胴体535には、電源極510及び誘電体膜520が挿入され、電源極510を中心として補助プラズマ接地極530、キャパシタンス接地極532及びガス流入経路550が形成される。
このように2つのプラズマ発生装置が上下に配置されるため、それら間を通過する被処理物の両面に対してプラズマ加工処理を行うことができる。もちろん、前述したように、両面に対するプラズマ処理過程を異ならしめることによって、両面に互いに異なる加工処理を行うことができる。
図21を参照すれば、図19に示されたプラズマ発生装置が上下に互いに対向して配置されており、それら間を通過する被処理物の両面に対してプラズマ加工処理を同時に行うことができる。
図22は、本発明の第7実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための断面図である。
図22を参照すれば、第7実施例に係るプラズマ発生装置600は、電源極610、誘電体膜520、メインプラズマ接地極540、補助プラズマ接地極530、キャパシタンス接地極532、ガス流入経路550、及び電源コントローラ560を含む。補助プラズマ接地極530及びキャパシタンス接地極532は、ステンレススチル又はアルミニウム合金で構成され、一体をなし、1つの接地胴体535を形成する。本実施例において、電源極610を除いた他の構成要素は、前記実施例の構成要素と実質的に同一であり、前記実施例の説明及び図面を参照することができる。
電源極610の外径は、誘電体膜520の内径より小さく形成されており、電源極610と誘電体膜520との間に間隔が提供される。このような構造によれば、作動中に、電源極610が熱膨張しても、誘電体膜520間の間隔により誘電体膜520がこれを収容して、電源極610の膨張による誘電体膜520の破損を防止することができる。
図23は、第7実施例と類似な本発明の他の実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための断面図である。
図23を参照すれば、円筒型電源極610の表面に長手方向に形成された溝612が形成され、溝612により提供される凹凸は、被処理物に向かうように配向されている。このような凹凸は、同一の条件での凹凸の端部に電荷が集中されるようにすることで、電場の形成を促進・強化させることになる。
図24は、第7実施例と類似な本発明の他の実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための断面図である。
図24を参照すれば、補助プラズマ接地極530と誘電体膜520との間に設けられた放電プローブ670と、放電プローブ670に電気的に連結されるイグナイタ675とを含む。また、放電プローブ670とイグナイタ675とを連結する導線は、所定の間隔をもって離隔されたギャップ672を含む。
イグナイタ675により放電プローブ670に瞬間的な高電圧を印加させることによって、工程点火をすべき初期に、イグナイタ675を用いて反応ガスを点火させることができる。イグナイタ675を通じて点火を行うので、電源コントローラにより供給される高周波電源で高い開始電圧を負担する必要が無く、消費電力をも抑えることができる。
また、放電プローブ670とイグナイタ675は、ギャップ672により所定の間隔をもって離隔するように連結されるが、これは、電源極610と補助プラズマ接地極630との間に発生された誘導起電力により、放電プローブ670からイグナイタ675まで誘導起電流が逆バイアスされることを防止するためのものである。
図25は、本発明の第8実施例に係るプラズマ発生装置を示す断面図である。
図25を参照すれば、第8実施例に係るプラズマ発生装置は、電源極510、誘電体膜520、メインプラズマ接地極540、補助プラズマ接地極530、キャパシタンス接地極532、ガス流入経路550、及び電源コントローラ560を含み、電源極510の両側に各々補助プラズマ接地極530及びガス流入経路550が配置されていることを特徴とする。また、補助プラズマ接地極530及びキャパシタンス接地極532は、ステンレススチル又はアルミニウム合金で構成され、一体をなし、1つの接地胴体535を形成する。
両側の補助プラズマ接地極530が1つの電源極510を共有しており、パワーが片寄ることなく、プラズマ発生装置を使用することができる。また、前後に流入されるガスの流れが互いに反対なので、特定の方向に処理すべき被処理物に対して容易に対応することができる。
電源極510は、円筒型で形成され、ステンレススチル又はアルミニウム合金などの金属で構成される。電源極510は、電源コントローラ560に電気的に連結されており、電源コントローラ560により電源極510にRF電源が印加されることができる。
電源コントローラ560では、基本的に、補助プラズマAPを生成できる程度の電源が供給されており、低パワーの電源で容易に補助プラズマAPを維持することができる。
誘電体膜520は、中空の円筒型で成形製作され、円筒型の電源極510を誘電体膜520に挿入したり、誘電体膜520を電源極510の表面に塗布又は蒸着することによって得られる。これにより、従来の板型電源極とは異なって、円筒型の誘電体膜520は、別途の支持部材無しに、誘電体膜520が電源極510を取り囲む簡単な構造により、電源極510を完全に絶縁することができるという長所がある。従って、電源極510を通じて強い電場を印加しても、絶縁破壊が生じることなく、相対的に多量の反応ガスを供給し、充分な量のプラズマを発生することができる。
以上説明したように、本発明によれば、プラズマ発生装置は、大気圧下で低温プラズマを生成することができ、補助プラズマを利用することによって、安定したプラズマを提供することができる。特に、試料の移送又は外部ガスの流入などによりプラズマ放電維持が均一でなく、不安定の高周波電源を使用する場合にも、補助プラズマが安定したプラズマソースとして機能するので、試料の移送及び人為的でない外部ガスの流入でも、均一で且つ大面積に適用できる安定したグロープラズマを生成することができる。
また、補助プラズマを使用することによって、メインプラズマの生成や消滅を作業者の意図によって迅速に転換することができ、これにより、精密なプラズマ加工処理を行うことができる。
また、本発明に係るプラズマ発生装置は、大気圧のオープン空間で設置条件の制約をあまり受けないので、実時間の連続工程を通じてプラズマ洗浄及びその他の加工処理を迅速に行うことができる。
一方、複数の電源極及び補助プラズマ接地極を形成することができるので、プラズマ発生装置の容量を容易に増大させることができ、左右の幅に対して幅の調節が非常に自由である。
また、誘電体膜の内径を電源極の外径より大きくして、電源極の熱膨張を安全に収容することができ、電源極の周り部に凹凸を形成することによって、同一の条件下で電場の形成を促進・強化することができる。また、補助プラズマ接地極での初期点火のために、電源極と接地極との間に放電プローブを配置し、これにイグナイタを連結することによって、初期点火時に消費される電力を顕著に低減することができる。
このように、大気圧低温プラズマは、金属や非金属に関係なく、例えば、半導体ウェーハ、LCDガラス、リードフレーム、PCB、金属シート、導光板、繊維、シリコン、ゴム、ポリマーなどの洗浄、アッシング、エッチング、蒸着及びその他の加工に大きく貢献することができる。また、プラズマの活性を利用する場合、試料の有機物成分を実時間(in-line)で処理することができ、プラズマの低温特性を用いて、被処理物の熱変形を起こさずに、製品の品質を高める新環境的な工程を導入することができる。
ひいては、大気圧低温プラズマの技術は、今後半導体及びPCB産業発展のみならず、プラスチック及びガラス製品の表面処理技術、医療機器及び食料品などの雑菌、消毒技術などに適用することができると予想される。
以上において説明した本発明は、本発明が属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形及び変更が可能であるので、上述した実施例及び添付された図面に限定されるものではない。
従来のDBD放電法を説明するための構成図である。
グロープラズマの特性を説明するための電流−電圧特性曲線を示すグラフである。
本発明の第1実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための構成図である。
第1実施例に係るプラズマ発生装置のプラズマ発生メカニズムを説明するための構成図である。
第1実施例と類似な本発明の他の実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための構成図である。
本発明の第2実施例に係るプラズマ発生装置を示す断面図である。
第2実施例に係るプラズマ発生装置を示す斜視図である。
第2実施例に係るプラズマ発生装置の接地胴体を示す部分切開図である。
第2実施例によりプラズマ発生装置が作動する過程を説明するための断面図である。
本発明の第3実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための断面図である。
本発明の第4実施例に係るプラズマ発生装置を示す断面図である。
第4実施例に係るプラズマ発生装置においてメインプラズマが作動する過程を説明するための断面図である。
第4実施例と類似な本発明の他の実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための断面図である。
本発明の第5実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための構成図である。
第5実施例に係るプラズマ発生装置のプラズマ発生メカニズムを説明するための構成図である。
第5実施例と類似な本発明の他の実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための構成図である。
本発明の第6実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための断面図である。
第6実施例に係るプラズマ発生装置が作動する過程を説明するための断面図である。
第6実施例と類似な本発明の他の実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための断面図である。
第6実施例と類似な本発明のさらに他の実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための断面図である。
第6実施例と類似な本発明のさらに他の実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための断面図である。
本発明の第7実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための断面図である。
第7実施例と類似な本発明の他の実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための断面図である。
第7実施例と類似な本発明のさらに他の実施例に係るプラズマ発生装置を説明するための断面図である。
本発明の第8実施例に係るプラズマ発生装置を示す断面図である。