JP2002313599A - プラズマ処理装置及びプラズマ点灯方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ点灯方法

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JP2002313599A
JP2002313599A JP2001120247A JP2001120247A JP2002313599A JP 2002313599 A JP2002313599 A JP 2002313599A JP 2001120247 A JP2001120247 A JP 2001120247A JP 2001120247 A JP2001120247 A JP 2001120247A JP 2002313599 A JP2002313599 A JP 2002313599A
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plasma
voltage
reaction vessel
electrodes
lighting
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JP2001120247A
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English (en)
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Noriyuki Taguchi
典幸 田口
Koji Sawada
康志 澤田
Keiichi Yamazaki
圭一 山崎
Yukiko Inooka
結希子 猪岡
Yoshiyuki Nakazono
佳幸 中園
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマの点灯が確実に行えて始動が良好で
あり、しかも安価なプラズマ処理装置を提供する。 【解決手段】 片側が吹き出し口1として開放された反
応容器2と複数のプラズマ生成用電極3、4とを具備し
て構成される。反応容器2の最も狭い内寸を1〜20m
mに形成すると共に反応容器2の外面にプラズマ生成用
電極3、4を接触させて設ける。反応容器2にプラズマ
生成用ガスを導入すると共にプラズマ生成用電極3、4
間に電圧を印加することにより大気圧近傍の圧力下で反
応容器2内に放電を発生させてプラズマを生成する。反
応容器2内で生成されたプラズマを吹き出し口1からジ
ェット状に吹き出すプラズマ処理装置に関する。始動時
にプラズマの点灯を補助するための始動補助手段15を
備える。始動補助手段15でプラズマの点灯を補助する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理物の表面に
存在する有機物等の異物のクリーニング、レジストの剥
離、有機フィルムの密着性の改善、金属酸化物の還元、
製膜、表面改質などのプラズマ処理に利用されるプラズ
マを発生させるためのプラズマ処理装置、及びこれを用
いたプラズマ点灯方法に関するものであり、特に、精密
な接合が要求される電子部品の表面のクリーニングに好
適に応用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、大気圧下でプラズマ処理を行
うことが試みられている。例えば、特開平2−1517
1号公報や特開平3−241739号公報や特開平1−
306569号公報には、反応容器内の放電空間に一対
の電極を配置すると共に電極の間に誘電体を設け、放電
空間をHe(ヘリウム)やAr(アルゴン)などの希ガ
スを主成分とするプラズマ生成用ガスで充満し、反応容
器に被処理物を入れると共に電極の間に交流電界を印加
するようにしたプラズマ処理方法が開示されており、誘
電体が配置された電極の間に交流電界を印加することに
より安定的にグロー放電を発生させ、このグロー放電に
よりプラズマ生成用ガスを励起して反応容器内にプラズ
マを生成し、このプラズマにより被処理物の処理を行う
ようにしたものである。
【0003】また、被処理物の特定の部分のみにプラズ
マ処理を行うために、特開平4−358076号公報、
特開平3−219082号公報、特開平4−21225
3号公報、特開平6−108257号公報、特開平11
−260597号公報などに開示されているような、大
気圧下でグロー放電によりプラズマ(特にプラズマの活
性種)を被処理物にジェット状に吹き出してプラズマ処
理することが行われている。このようなプラズマ処理装
置としては、例えば、図12に示すようなものを例示す
ることができる。2は円筒状の反応容器であって、反応
容器2の上端はガス導入口10として開口されていると
共に反応容器2の下端は吹き出し口1として開口されて
いる。また、反応容器2の外周に上下一対のプラズマ生
成用電極3、4が設けられている。一方のプラズマ生成
用電極3には高周波を発生する電源11がインピーダン
ス整合器12を介して接続されている。また、他方のプ
ラズマ生成用電極4は接地されている。インピーダンス
整合器12は、反応容器2内においてプラズマ生成用電
極3、4の間の空間により形成されるプラズマ発生部1
3と電源11との間のインピーダンス整合を得るための
ものであって、可変コンデンサ14とインダクタ(図示
省略)を内蔵しているものである。
【0004】そして、このプラズマ処理装置で被処理物
をプラズマ処理するにあたっては、ガス導入口10から
反応容器2内にプラズマ生成用ガスを導入すると共にプ
ラズマ生成用電極3、4の間に電源11で発生した交流
電界を印加することによって、プラズマ発生部13にプ
ラズマを点灯させて放電を開始させ、この後、プラズマ
生成用電極3、4からプラズマ発生部13に交流電界を
印加し続けることによってプラズマ発生部13でプラズ
マを連続的に生成し、このプラズマをプラズマ発生部1
3から流下させて反応容器2の吹き出し口1から吹き出
し、吹き出したプラズマを被処理物の表面に吹き付ける
ようにするのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなプラズマ
処理装置においては、大気圧近傍の圧力条件下での放電
であるため、始動時にプラズマを点灯させて放電を開始
させるには1kV以上もの高電圧をプラズマ生成用電極
3に印加しなければならない。また、図12のように、
プラズマ生成用電極3、4を反応容器2の外側に設置し
た場合、プラズマ生成用電極3、4に印加した交流電界
の大部分は反応容器2の外部に印加されてしまい、その
結果としてプラズマを点灯させて放電を開始させるため
の放電開始電圧が非常に高くなるものであった。
【0006】また、プラズマ生成用電極3、4の間に印
加する交流電界の周波数も13.65MHzに代表され
るような高周波であるため、電源11とプラズマ発生部
13との間のインピーダンス整合が必要である。従っ
て、プラズマを確実に点灯させてプラズマ処理装置を始
動させるために、高電圧をプラズマ生成用電極3に印加
すると、インピーダンス整合器12内の可変コンデンサ
(通常は空気バリコン)14内でアークが発生してしま
い、プラズマが点灯せずにプラズマ処理装置の始動不良
が発生することがあった。また、この問題を解決する手
法の一つとしては、インピーダンス整合器12で使用す
る可変コンデンサ14を、いわゆる、真空バリコンのよ
うな高耐圧バリコンにすれば良いが、装置コストが高く
なると言った問題があった。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、プラズマの点灯が確実に行えて始動が良好であ
り、しかも安価なプラズマ処理装置を提供することを目
的とするものである。
【0008】また本発明は、プラズマの点灯が確実に行
えて始動が良好なプラズマ点灯方法を提供することを目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
プラズマ処理装置は、片側が吹き出し口1として開放さ
れた反応容器2と複数のプラズマ生成用電極3、4とを
具備して構成され、反応容器2の最も狭い内寸sを1〜
20mmに形成すると共に反応容器2の外面にプラズマ
生成用電極3、4を接触させて設け、反応容器2にプラ
ズマ生成用ガスを導入すると共にプラズマ生成用電極
3、4間に電圧を印加することにより大気圧近傍の圧力
下で反応容器2内に放電を発生させてプラズマを生成
し、反応容器2内で生成されたプラズマを吹き出し口1
からジェット状に吹き出すプラズマ処理装置において、
始動時にプラズマの点灯を補助するための始動補助手段
15を備えて成ることを特徴とするものである。
【0010】本発明の請求項2に係るプラズマ処理装置
は、請求項1の構成に加えて、始動補助手段15とし
て、パルス電圧を発生させるための高電圧パルス発生装
置5と、このパルス電圧を反応容器2に導入されたプラ
ズマ生成用ガスに印加するための点灯用電極6とを備え
て成ることを特徴とするものである。
【0011】本発明の請求項3に係るプラズマ処理装置
は、請求項2の構成に加えて、点灯用電極6を吹き出し
口1の下流側に設けて成ることを特徴とするものであ
る。
【0012】本発明の請求項4に係るプラズマ処理装置
は、請求項2又は3の構成に加えて、プラズマを点灯さ
せる時のみに、点灯用電極6を吹き出し口1の下流側に
位置させるための移動手段7を備えて成ることを特徴と
するものである。
【0013】本発明の請求項5に係るプラズマ処理装置
は、請求項2の構成に加えて、点灯用電極6をプラズマ
生成用電極3、4間またはプラズマ生成用電極3、4に
対して吹き出し口1と反対側に設けて成ることを特徴と
するものである。
【0014】本発明の請求項6に係るプラズマ処理装置
は、請求項5の構成に加えて、点灯用電極6を反応容器
2の外面に接触させて設けて成ることを特徴とするもの
である。
【0015】本発明の請求項7に係るプラズマ処理装置
は、請求項2乃至6の構成に加えて、パルス電圧が、プ
ラズマ生成時にプラズマ生成用電極3、4間に印加する
電圧の3倍以上であることを特徴とするものである。
【0016】本発明の請求項8に係るプラズマ処理装置
は、請求項1の構成に加えて、始動補助手段15とし
て、プラズマ生成用電極3、4間に電圧を印加した状態
で、反応容器2内に光を照射するための光源部16を備
えて成ることを特徴とするものである。
【0017】本発明の請求項9に係るプラズマ処理装置
は、請求項8の構成に加えて、光源部16が紫外光を発
生するものであることを特徴とするものである。
【0018】本発明の請求項10に係るプラズマ処理装
置は、請求項8又は9の構成に加えて、プラズマ生成用
電極3、4間に印加される電圧が高周波電圧であって、
プラズマ生成用電極3、4に高周波電圧を供給すること
で発生するプラズマ生成用電極3、4からの漏れ電波に
より光源部16を点灯可能に形成して成ることを特徴と
するものである。
【0019】本発明の請求項11に係るプラズマ処理装
置は、請求項1乃至10のいずれかに記載のプラズマ処
理装置において、始動補助手段15を用いることにより
反応容器2内にプラズマを点灯させることを特徴とする
ものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0021】図1に実施の形態の一例を示す。このプラ
ズマ処理装置は複数(一対)のプラズマ生成用電極3、
4を反応容器2の外周に接触させて設けると共にプラズ
マ生成用電極3、4を上下に対向させて配置することに
よって形成されており、反応容器2内においてプラズマ
生成用電極3、4の間の空間がプラズマ発生部13とし
て形成されている。
【0022】反応容器2は高融点の絶縁材料(誘電体材
料)で円筒状に形成されるものであって、その上端面は
ガス導入口10として開口されていると共に反応容器2
の下端面は吹き出し口1として開口されている。反応容
器2を形成する絶縁材料として、石英、アルミナ、イッ
トリア部分安定化ジルコニウムなどのガラス質材料やセ
ラミック材料などを例示することができる。また、本発
明において反応容器2の最も狭い内寸sは1〜20mm
に形成されている。反応容器2は上記のような絶縁材料
で形成されているために、最も狭い内寸sが1mm未満
になるように形成することは難しく、仮に、最も狭い内
寸sが1mm未満の反応容器2が形成できたとしても、
吹き出し口1の開口寸法が均一にならず、均一なプラズ
マ処理が行えなくなる恐れがある。また、反応容器2の
最も狭い内寸sが20mmより大きくなると、始動補助
手段15を用いてもプラズマが点灯しにくくなることが
あり、また、プラズマ発生部13の体積が大きくなり過
ぎてプラズマ発生部13に均一で安定なプラズマを生成
させることができず、均一なプラズマ処理が行えなくな
る恐れがある。従って、プラズマの点灯を確実に行うこ
とができ、しかも、均一なプラズマ処理が行えるよう
に、反応容器2の最も狭い内寸sは1〜20mmに形成
するのである。図1のものでは反応容器2が円筒状に形
成されているので、反応容器2の内径が最も狭い内寸s
となる。
【0023】プラズマ生成用電極3、4は、例えば、
銅、アルミニウム、真鍮、耐食性の高いステンレス鋼
(SUS304など)などの導電性の金属材料で形成す
ることができる。また、プラズマ生成用電極3、4は円
環状(リング状)に形成されており、その内周面を反応
容器2の外周面に接触させて反応容器2を囲うようにそ
れぞれ挿着されている。一対のプラズマ生成用電極3、
4のうち、上側に配置される一方のプラズマ生成用電極
3は、高周波電圧を発生する電源11とインピーダンス
整合器12を介して接続されており、このプラズマ生成
用電極3が高電圧が印加される高圧電極として形成され
ている。また、下側に配設される他方のプラズマ生成用
電極4は接地されて低電圧となる接地電極として形成さ
れている。プラズマ生成用電極3、4の間隔はプラズマ
を安定に生成するために3〜20mmに設定するのが好
ましい。
【0024】上記のように反応容器2の外側にプラズマ
生成用電極3、4を設けることによって、プラズマ生成
用電極3、4がプラズマによるスパッタリングや腐食作
用を受けないようにすることができ、プラズマ生成用電
極3、4のスパッタリングにより生じる汚染物質で被処
理物が汚染されないようにすることができると共にプラ
ズマ生成用電極3、4の長寿命化を図ることができるも
のである。また、プラズマ生成用電極3、4の内周面を
反応容器2の外周面に全周に亘って接触させることによ
って、プラズマ生成用電極3、4を反応容器2の外周面
に全周に亘って接触させない場合に比べて、プラズマ生
成用電極3、4と反応容器2の接触面積が大きくなって
接触性を向上させることができ、プラズマ生成用電極
3、4間に電圧を印加した際にプラズマ発生部13に放
電が発生しやすくなってプラズマの生成効率を高めるこ
とができるものである。
【0025】本発明は、その始動時にプラズマ発生部1
3で放電を開始させてプラズマを点灯させる際の補助手
段として始動補助手段15を備えている。図1に示すも
のでは始動補助手段15として高電圧パルス発生装置5
と点灯用電極6とを反応容器2の外部に設けている。高
電圧パルス発生装置5は高電圧のパルス電圧を発生させ
るためのものであって、例えば、図2に示すような回路
を内蔵するものである。この回路はブロッキングオシレ
ータ又は一石インバータと称されるものであって、次の
ような動作によりパルス電圧を発生させるものである。
【0026】まず、スイッチSWをオンにすることによ
って、トランジスタQのベースに起動回路(図示省略)
を介してベース電流が流れ、これによりトランジスタQ
がオンし、このオンにより発振トランスT1の一次側巻
線N1にコレクタ電流が流れると共にこのコレクタ電流
により発振トランスT1の二次側巻線であるトランジス
タQのベース巻線Nbには相互インダクタンスによって
誘起電圧が生じる。この誘起電圧はベースを順方向にバ
イアスする極性となっている。従って、この誘起電圧に
よってベース電流が流れてコレクタ電流が以前よりも増
加される。このようにコレクタ電流が増加すればベース
巻線Nbの誘導電圧もさらに増加し、コレクタ電流は増
加の一途をたどる。しかし、トランジスタQの飽和抵抗
や巻線抵抗によりコレクタ電流が増加できなくなると、
今度はベース巻線Nbの誘導電圧も減少し始める。ベー
ス巻線Nbで誘起電圧が減少するとコレクタ電流も減少
し、以前とは逆方向の作用でトランジスタQは一気にオ
フする。この一気の電流のオフのために一次側巻線N1
には大きな起電力が発生し、一次側巻線N1の分布容量
Csが充電される。
【0027】この結果、ベース巻線Nbには分布容量C
sの充電によって生じる振動電圧が発生し、負の半周期
が終わり正の半周期が始まると、ベース巻線Nbは順方
向にバイアスされ、再びコレクタに電流が流れ始めてト
ランジスタQが導通する最初の状態に戻る。この動作を
繰り返すことによって発振トランスT1の二次側巻線で
ある出力側巻線N2に交流が出力される。出力側巻線N
2に出力された交流の電力は、ダイオードDによって整
流され、この整流された電流によってコンデンサCは図
2に示す極性に充電され、コンデンサCの端子電圧が上
昇していくことになる。コンデンサCの充電が十分に行
われ、この充電電圧がブレークダウン素子BDのブレー
クダウン電圧にまで達すると、ブレークダウン素子BD
がオンし、図2に矢印で示すような放電ループが形成さ
れる。この時、このコンデンサCに蓄えられたエネルギ
ーが電流となって放出されてトランスT2の一次側L1
を流れる。そしてトランスの一次側L1に電流が流れる
ことによりトランスT2の二次側L2にも電流が流れ、
トランスT2の二次側L2に接続された出力端子20に
高電圧が発生する。このようにして高電圧パルス発生装
置5にてパルス電圧を発生させることができる。
【0028】点灯用電極6は先端が尖った金属製の棒で
形成されるものであって、プラズマ生成用電極3、4と
同様の金属材料で形成することができる。この点灯用電
極6は高電圧パルス発生装置5の出力端子20に接続さ
れており、上記のようにして生成されたパルス電圧が点
灯用電極6に供給されるようになっている。そして、点
灯用電極6はその先端が反応容器2の吹き出し口1の下
流側(下側)に位置するように配設されている。
【0029】上記のように形成されるプラズマ処理装置
では、プラズマ生成用ガスとして不活性ガス(希ガス)
あるいは不活性ガスと反応ガスの混合気体を用いる。不
活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリ
プトンなどを使用することができるが、放電の安定性や
経済性を考慮すると、アルゴンやヘリウムを用いるのが
好ましい。また反応ガスの種類は処理の内容によって任
意に選択することができる。例えば、被処理物の表面に
存在する有機物のクリーニング、レジストの剥離、有機
フィルムのエッチングなどを行う場合は、酸素、空気、
CO2、N2Oなどの酸化性ガスを用いるのが好ましい。
また反応ガスとしてCF4などのフッ素系ガスも適宜用
いることができ、シリコンなどのエッチングを行う場合
にはこのフッ素系ガスを用いるのが効果的である。また
金属酸化物の還元を行う場合は、水素、アンモニアなど
の還元性ガスを用いることができる。反応ガスの添加量
は不活性ガスの全量に対して10体積%以下、好ましく
は0.1〜5体積%の範囲である。反応ガスの添加量が
0.1体積%未満であれば、処理効果が低くなる恐れが
あり、反応ガスの添加量が10体積%を超えると、放電
が不安定になる恐れがある。
【0030】そしてプラズマ処理装置を用いてプラズマ
処理を行うにあたっては、次のようにして行う。まず、
ガス導入口10から反応容器2の内部にプラズマ生成用
ガスを上から下に向かって流して導入すると共にインピ
ーダンス整合器12を介してプラズマ生成用電極3に電
源11から電圧を供給してプラズマ生成用電極3、4間
に高周波電圧等の電圧を印加し、これにより、反応容器
2内のプラズマ発生部13に電界を発生させる(印加す
る)。この時、プラズマ生成用電極3、4間に印加する
電圧はプラズマ点灯後にプラズマ発生部13でプラズマ
を連続的に生成するのに必要な電圧であって、0.5〜
1kVである。また、プラズマ生成用電極3、4間に印
加する電圧は、交番する電圧あるいはパルス状の電圧で
あり、これにより、プラズマ発生部13に発生する電界
も交番する電界あるいはパルス状の電界となる。
【0031】次に、高電圧パルス発生装置5でパルス電
圧を発生させ、このパルス電圧を点灯用電極6からプラ
ズマ発生部13を介して接地されたプラズマ生成用電極
4に放電させる。この時のパルス電圧の大きさは上記の
プラズマ生成用電極3、4間に印加する電圧、すなわ
ち、プラズマを連続的に生成するのに必要な電圧の3倍
以上にするのが好ましい。パルス電圧がプラズマを連続
的に生成するのに必要な電圧の3倍未満であれば、プラ
ズマを短時間(1秒以下)で確実に点火させることが難
しく、プラズマ処理装置の始動が不良になる恐れがあ
る。パルス電圧は大きいほど好ましいので、特に上限は
設定されないが、通常はプラズマを連続的に生成するの
に必要な電圧の40倍以下である。
【0032】このようにしてプラズマ発生部13に高電
圧のパルス電圧を印加すると、プラズマ発生部13の空
間中に予備電離プラズマが発生する。この後、予備電離
プラズマがプラズマ生成用電極3、4間に印加された電
圧(本来であれば、反応容器2内を絶縁破壊させること
のできない低い電圧)によって増幅され、反応容器2内
のプラズマ発生部13にプラズマが生成される。この
後、プラズマ生成用電極3、4間に印加された高周波電
圧により大気圧近傍の圧力下(93.3〜106.7k
Pa(700〜800Torr))でプラズマ発生部1
3にグロー状の放電が発生し、グロー状の放電でプラズ
マ生成用ガスをプラズマ化してプラズマ活性種を含むプ
ラズマが連続的に生成される。そして、このようにして
生成されたプラズマを吹き出し口1から下方にジェット
状(連続的)に流出させて吹き出し口1の下側に配置さ
れた被処理物の表面にプラズマを吹き付けるようにす
る。このようにして被処理物のプラズマ処理を行うこと
ができる。
【0033】尚、プラズマを連続的に安定して生成する
ために、プラズマ生成用電極3、4間に印加する電圧は
周波数(プラズマ発生部13に印加される電界の周波
数)が1kHz〜200MHzの高周波電圧にするのが
好ましい。また、プラズマを連続的に安定して生成する
ために、プラズマ発生部13に供給される印加電力の密
度は20〜3500W/cm3に設定するのが好まし
い。印加電力の密度(W/cm3)は、(印加電力/プ
ラズマ発生部13の体積)で定義される。
【0034】上記の実施の形態では、パルス電圧を発生
させるための高電圧パルス発生装置5と、このパルス電
圧を反応容器2に導入されたプラズマ生成用ガスに印加
して反応容器2内にプラズマを点灯させるための点灯用
電極6とを備えるので、高電圧パルス発生装置5で発生
させたパルス電圧を点灯用電極6から放電して反応容器
2に導入されたプラズマ生成用ガスに印加することによ
って、プラズマ生成用電極3、4間に高電圧をかけなく
ても反応容器2内にプラズマを点灯させることができ、
インピーダンス整合器12の可変コンデンサ14にアー
クが発生するのを防止してプラズマの点灯が確実に行え
て始動が良好になるものであり、しかも、インピーダン
ス整合器12の可変コンデンサ14を真空バリコンのよ
うな高耐圧バリコンにする必要が無く、プラズマ処理装
置を安価することができるものである。また、点灯用電
極6を吹き出し口1の下流側に設けるので、点灯用電極
6とプラズマ生成用電極4の間に生成される予備電離プ
ラズマを反応容器2内のプラズマ発生部13に生成する
ことができ、プラズマ生成用電極3、4に印加するプラ
ズマ生成用の電圧を低くしてもプラズマの点灯及び生成
が可能となるものである。
【0035】図3に他の実施の形態を示す。このプラズ
マ処理装置は図1のものに、さらに点灯用電極6の移動
手段7を設けたものである。移動手段7はエアシリンダ
25と電極支持具26とで形成されている。エアシリン
ダ25は反応容器2を覆うカバー28に突設された固定
片27に固定されており、コンプレッサー29と接続さ
れている。また、電極支持具26には連結片30と電極
把持部31が形成されており、連結片30がエアシリン
ダ25のロッド32と連結されていると共に電極把持部
31に点灯用電極6の後端部を把持させることによっ
て、電極支持具26に点灯用電極6が取り付けられてい
る。その他の構成は図1と同様に形成されている。
【0036】このようなプラズマ処理装置でプラズマ処
理を行うにあたっては、まず、コンプレッサー29の動
作でエアシリンダ25のロッド32を突出させて電極支
持具26及び点灯用電極6を反応容器2に近づくように
移動させることによって、点灯用電極6の先端を吹き出
し口1の下流側に位置させる。次に、上記と同様にし
て、高電圧パルス発生装置5で発生させたパルス電圧を
点灯用電極6から放電して反応容器2に導入されたプラ
ズマ生成用ガスに印加することによって、反応容器2内
のプラズマ発生部13にプラズマを点灯させる。次に、
コンプレッサー29の動作でエアシリンダ25のロッド
32を引っ込めて電極支持具26及び点灯用電極6を反
応容器2から遠ざけるように移動させることによって、
点灯用電極6の先端を吹き出し口1の下流側に位置させ
ないようにする。そして、この後、上記と同様にして、
プラズマを吹き出し口1から下方にジェット状(連続
的)に流出させて吹き出し口1の下側に配置された被処
理物の表面にプラズマを吹き付けるようにする。
【0037】この実施の形態では、点灯用電極6の先端
が吹き出し口1の下流側に位置する状態と吹き出し口1
の下流側に位置しない状態との間で移動するように、点
灯用電極6を移動させるための移動手段7を設けたの
で、点灯用電極6の先端を始動時(プラズマ点灯時)の
みに吹き出し口1の下流側に位置させ、プラズマを点灯
させた後、点灯用電極6の先端を吹き出し口1の下流側
に位置させないようにすることができ、始動を確実に行
うために点灯用電極6を設けたにもかかわらず、点灯用
電極6がプラズマ処理の妨げとならないようにすること
ができるものである。
【0038】図4に他の実施の形態を示す。このプラズ
マ処理装置は反応容器2の下部を下側ほど小径となるよ
うに絞り込んだ集束部35として形成したものである。
このような集束部35を設けることによって、プラズマ
発生部13の体積を小さくすることなく吹き出し口1か
ら吹き出されるジェット状のプラズマの流速を加速する
ことができ、短寿命のラジカルなどの活性種(反応性ガ
ス活性粒子)が消滅する前に、プラズマを被処理物に到
達させることができて被処理物のプラズマ処理を効率よ
く行うことができるものである。また、このプラズマ処
理装置では金属製の棒を点灯用電極6として用いずに、
プラズマ生成用電極3、4の間において反応容器2の外
周に電線等の導体を巻き付けて設け、この導体を点灯用
電極6として用いたものである。その他の構成は図1と
同様である。
【0039】この実施の形態では、点灯用電極6をプラ
ズマ生成用電極3、4の間において反応容器2の外周面
に接触させて設けたので、点灯用電極6を吹き出し口1
の下流側に常に位置させないようにすることができ、始
動を確実に行うために点灯用電極6を設けたにもかかわ
らず、点灯用電極6がプラズマ処理の妨げとならないよ
うにすることができるものであり、しかも、図2に示す
ような点灯用電極6の移動手段7が必要でなく、構造を
簡素化することができるものである。尚、この実施の形
態の場合、図1、3のものに比べてパルス電圧の大きさ
を約1.5倍にすると、プラズマの点灯を確実に行うこ
とができる。
【0040】図5に他の実施の形態を示す。このプラズ
マ処理装置では反応容器2が対向する一対の幅広側壁2
aと、対向する一対の幅狭側壁2bとで扁平形状で角形
筒状に形成されている。そして、対向する幅広側壁2a
の間隔が最も狭い内寸sとして1〜20mmに形成され
ている。また、反応容器2の上面にはガス導入口10が
全面にわたって形成されていると共に反応容器2の下面
にはスリット状の吹き出し口(図示省略)が反応容器2
の水平方向における長手方向と略平行に長く形成されて
いる。また、プラズマ生成用電極3、4は反応容器2の
外形形状に合わせて、平面視で略ロ字状の角形環状に形
成されている。その他の構成は図1と同様に形成されて
いる。
【0041】このプラズマ処理装置では上記と同様にし
てプラズマ点灯やプラズマ処理を行うことができるが、
吹き出し口1が水平方向に長く形成されているので、プ
ラズマを帯状(カーテン状)に吹き出すことができ、被
処理物の広い面積を一度のプラズマ処理することができ
るものである。尚、この実施の形態においても図3に示
す移動手段7を備えるのが好ましい。
【0042】図6(a)(b)(c)に他の実施の形態
を示す。この実施の形態では図5のプラズマ処理装置に
おいて、反応容器2の上部に反応容器2よりも厚い箱状
のガス導入部65が一体に形成されている。ガス導入部
65の上面にはガス供給口30を設けたガス管部61が
突設されていると共にガス導入部65の下部は下側ほど
厚みが小さくなる絞り部62として形成されており、ガ
ス導入部65の下端である絞り部62の下端が反応容器
2のガス導入口10の開口縁部に接合されている。ま
た、点灯用電極6は吹き出し口1の下流側に設けられて
おらず、プラズマ生成用電極3、4に対して吹き出し口
1と反対側に設けられている。つまり、点灯用電極6は
ガス導入部65(絞り部62の部分)内に差し込まれて
ガス導入口10の上流側(上側)に配置されており、こ
れにより、点灯用電極6と吹き出し口1の間にプラズマ
生成用電極3、4が位置するものであり、従って、点灯
用電極6は、プラズマ生成用電極3、4間に電圧を印加
することによりグロー状の放電が発生する放電部分(プ
ラズマ発生部13)の上流側に設けられることになる。
その他の構成は図5のものと同様である。尚、図6
(a)(c)においては、図6(b)におけるプラズマ
生成用電極3、4と電源11の図示を省略している。そ
して、この実施の形態では、ガス導入部65を介してプ
ラズマ生成用ガスを反応容器2に供給するのである。す
なわち、ガス供給口30からガス導入部65内にプラズ
マ生成用ガスを導入し、プラズマ生成用ガスをガス導入
口10まで下流させ、この後、ガス導入口10から反応
容器2内にプラズマ生成用ガスを導入するのである。
【0043】この実施の形態では、上記と同様にしてプ
ラズマ点灯やプラズマ処理を行うことができるが、プラ
ズマ発生部13の上流側に点灯用電極6を設けるので、
点灯用電極6を吹き出し口1の下流側に常に位置させな
いようにすることができ、始動を確実に行うために点灯
用電極6を設けたにもかかわらず、点灯用電極6がプラ
ズマ処理の妨げとならないようにすることができるもの
であり、しかも、図2に示すような点灯用電極6の移動
手段7が必要でなく、構造を簡素化することができるも
のである。
【0044】図7に他の実施の形態を示す。このプラズ
マ処理装置には反応容器2の外側に始動補助手段15と
して光源部16が設けられている。光源部16は反応容
器2内のプラズマ発生部13に光を照射するためのもの
であって、例えば、ランプで形成することができる。ま
た、光源部16は水平方向に長い円柱状に形成されるも
のであって、プラズマ生成用電極3、4の間に形成され
る間隙と対向するように反応容器2の幅広方向(水平方
向における長手方向)と平行に配置されている。また、
反応容器2は光源部16からの光が通過可能なように透
明であることが好ましい。その他の構成は図6に示すも
のと同様に形成されている。
【0045】このようなプラズマ処理装置を用いてプラ
ズマ処理を行うにあたっては、次のようにして行う。ま
ず、ガス導入口10から反応容器2の内部にプラズマ生
成用ガスを上から下に向かって流して導入すると共にイ
ンピーダンス整合器12を介してプラズマ生成用電極3
に電源11から高周波電圧を供給してプラズマ生成用電
極3、4間に高周波電圧を印加する。この時、プラズマ
生成用電極3、4間に印加する電圧はプラズマ生成用ガ
スの組成などの条件によって異なるが、通常は4〜20
kVである。
【0046】次に、プラズマ生成用電極3、4間に高周
波電圧を印加した状態で、光源部16から光を発生さ
せ、プラズマ生成用電極3、4の間隙及び反応容器2を
通してプラズマ発生部13に光源部16からの光を到達
させ、プラズマ発生部13に光を照射する。このように
してプラズマ生成用電極3、4間に高周波電圧を印加す
ると共にプラズマ発生部13に光を照射すると、大気圧
近傍の圧力下でプラズマ発生部13に上記通常の電圧よ
りも低い印加電圧でグロー状の放電が発生し、この放電
でプラズマ生成用ガスがプラズマ化されてプラズマ活性
種を含むプラズマがプラズマ発生部13で連続的に生成
される。そして、プラズマ発生部13で生成されたプラ
ズマを吹き出し口1から下方にジェット状(連続的)に
流出させて吹き出し口1の下側に配置された被処理物の
表面にプラズマを吹き付けるようにすることによって、
被処理物のプラズマ処理を行うことができる。尚、プラ
ズマ生成用電極3、4間に印加する電圧の周波数やプラ
ズマ発生部13に供給される印加電力の密度は上記と同
様にすることができる。
【0047】本発明では、プラズマ生成用電極3、4間
に高周波電圧を印加した状態でプラズマ発生部13に光
を照射して放電を開始させるための光源部16を備える
ので、プラズマ生成用電極3、4間に高電圧をかけなく
てもプラズマ発生部13で絶縁破壊を起こして放電を発
生させ、プラズマを容易に点灯させることができる。
【0048】電極間に電圧を印加することにより起こる
気体の絶縁破壊は次のような過程で生じる。まず、空間
に存在する偶存電子が電極間に印加された電圧によって
加速され、空間中の原子や分子と衝突し、この原子や分
子を電離させる(α作用)。次に、このα作用により新
たに発生した電子が電極間に印加された電圧により加速
され、α作用を繰り返し、空間中の電子数が増加し、あ
る条件(火花条件)が成立した時点(状態)で絶縁破壊
(全路破壊)が生じる。
【0049】以上のことから、空間中に偶存電子がなけ
れば、非常に高い電圧を電極間に印加し、電極そのもの
から電子を空間中に引き出すか、高電界によって空間の
原子や分子を電離させなければならず、絶縁破壊が非常
に困難になる。逆に、空間に偶存電子が多ければ、低い
電圧でα作用が進展し、火花条件が成立するために、絶
縁破壊が容易になる。
【0050】そこで本発明では、光源部16からプラズ
マ発生部13に光を照射するようにしたものであり、こ
れにより、プラズマ発生部13中の原子や分子を光電離
や光解離、光脱離させたり、プラズマ発生部13を形成
している反応容器2の内面から光電子を出させたりして
プラズマ発生部13中の偶存電子を増加することが可能
となって、放電を容易に開始させてプラズマを点灯する
ことができるものである。特に、図7のような反応容器
2の外面に接するようにプラズマ生成用電極3、4を配
置した場合、プラズマ生成用電極3、4間に印加した電
圧はプラズマ発生部13よりもそれ以外の空間に印加さ
れる割合が大きいので、光源部16が無いと、通常の大
気圧放電プラズマよりも放電開始電圧が高くなってしま
うが、本発明では光源部16を用いてプラズマ発生部1
3に光を照射して偶存電子を増加させているので、通常
の大気圧放電プラズマよりも放電開始電圧が高くならな
いようにすることができる。従って、プラズマ生成用電
極3、4間に非常に大きな電圧を印加する必要がなくな
るので、インピーダンス整合器12の可変コンデンサ1
4にアークが発生するのを防止してプラズマの点灯が確
実に行えて始動が良好になるものであり、しかも、イン
ピーダンス整合器12の可変コンデンサ14を真空バリ
コンのような高耐圧バリコンにする必要が無く、プラズ
マ処理装置を安価にすることができるものである。
【0051】そして、本発明の放電開始時にプラズマ生
成用電極3、4間に印加する電圧は、通常の方法(光の
照射や高電圧パルスの印加等の補助的な始動補助手段1
5が無い場合)の放電開始時の電圧に対して、下記実施
例に示すように大幅に低減することができる。例えば、
被処理物の表面の有機物の除去や金属酸化物の還元など
を行なう場合、上記のようにプラズマ生成用ガスとし
て、ヘリウムとアルゴンの混合気体に酸素あるいは水素
を含有させたものを用いるが、このようなプラズマ生成
用ガスを用いた場合、通常の方法では4kV(電圧のピ
ーク値)以上もの高電圧をプラズマ生成用電極3、4間
に印加しなければならないが、本発明のように光源部1
6からプラズマ発生部13に光を照射することによっ
て、3kV程度の電圧をプラズマ生成用電極3、4間に
印加すれば放電が開始されてプラズマを点灯させること
ができ、放電開始電圧を1kV程度(25%程度)低下
させることができるものである。
【0052】また、図1などに示すもののように、高電
圧のパルス電圧を印加してプラズマを点灯する場合で
は、点灯用電極6に大きな消耗が生じるが、この実施の
形態では光源部16に消耗がほとんど生じないので、光
源部16を頻繁に交換する必要がなく、メンテナンスに
かかる手間を低減することができるものである。さら
に、高電圧のパルス電圧を印加してプラズマを点灯する
場合では、プラズマ点灯後に点灯用電極6を移動させる
必要があるが、この実施の形態では光源部16を反応容
器2の側方に配置しているので、プラズマ点灯後に光源
部16を移動させる必要が無く、光源部16を移動させ
る手段が不要となってプラズマ処理装置を安価にするこ
とができるものであり、また、光源部16を移動させる
工程も不要となってプラズマ点灯後に直ぐにプラズマ処
理を開始することができるものである。
【0053】光源部16としては紫外光を発生するもの
であるのが好ましく、これにより、プラズマ発生部13
に波長の短い紫外光を照射することができ、波長の長い
光を照射する場合に比べて、プラズマ発生部13中の原
子や分子を光電離や光解離、光脱離させたり、プラズマ
発生部13を形成している反応容器2の内面から光電子
を出させたりする能力を高くすることができ、放電をよ
り容易に開始させてプラズマを点灯することができるも
のである。
【0054】上記のプラズマ処理装置において、プラズ
マが点灯していない状態でプラズマ生成用電極3、4間
に電圧を印加すると、プラズマ生成用電極3、4の周り
に図10に示すような電気力線20が形成される。プラ
ズマ生成用電極3、4には13.56MHzに代表され
るような高周波電圧が印加されることが多く、このよう
な高周波電圧が印加されると、プラズマ生成用電極3、
4がアンテナと同様の作用をしてプラズマ生成用電極
3、4の周囲に電波を放射するのである。このようにプ
ラズマ発生部13以外の空間に放射される電波はプラズ
マ生成のために使用されないものであり、これを漏れ電
波と呼ぶ。そして、このような高周波電波が存在してい
る空間中に放電ランプを設置すると、放電ランプが高周
波電波を吸収して特別な点灯回路や放電ランプへ給電す
るための電源を用いなくても自発的に点灯する。
【0055】そこで、本発明では光源部16として紫外
光を放射する放電ランプ(例えば、殺菌灯)を用い、図
9に示すように、この光源部16をプラズマ生成用電極
3、4の近傍で漏れ電波が放射される位置に配設するこ
とによって、プラズマ生成用電極3、4からの漏れ電波
で光源部16を自発的に点灯させることができ、プラズ
マ生成用電極3、4間への高周波電圧の印加とほぼ同時
に光源部16を点灯させて紫外光をプラズマ発生部13
に照射することができるものであり、特別な点灯回路や
光源部16へ給電するための電源を用いなくてもプラズ
マを容易に点灯させることができるものである。また、
光源部16は放電開始後(プラズマ点灯後)もプラズマ
生成用電極3、4からの漏れ電波を吸収して点灯しつづ
けるので、放射ノイズとなる漏れ電波を光の形に変換し
て消費することができ、機器の誤作動の原因となる放射
ノイズを低減することができるものである。
【0056】尚、反応容器2の形状は図8に示すように
円筒状であってもよい。
【0057】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
る。
【0058】(実施例1)図1に示すプラズマ処理装置
を用いた。このプラズマ処理装置の反応容器2は外径が
5mm、内径が3mmで石英で形成されている。反応容
器2の外面にはプラズマ生成用電極3、4を吹き出し口
1に対して上下に配置しており、一方のプラズマ生成用
電極3が電源11と接続されて高電圧が印加される高圧
電極として、他方のプラズマ生成用電極4が接地される
接地電極として形成されている。高周波を発生する電源
11としては13.56MHzの周波数の電圧を発振す
るものを用いた。
【0059】そして反応容器2にヘリウムを0.3リッ
トル/分、アルゴンを1.5リットル/分、酸素を0.
02リットル/分で導入し、100Wの電力にてプラズ
マを生成しようとした場合、図12の従来例のように始
動補助手段15を備えないと、プラズマ生成用電極3、
4間に5kV以上もの電圧を印加しなければならず、イ
ンピーダンス整合器12の内部の可変コンデンサ14の
内部で毎回アークが発生し、始動させることができな
い。そこで、高電圧パルス発生装置5に接続した点灯用
電極6を、反応容器2の吹き出し口1の下流側に設置
し、約15kVの高圧パルス電圧を印加すると、プラズ
マ生成用電極3、4間に印加する電圧が1kV以下でも
プラズマを生成することが可能となった。
【0060】(実施例2)図4に示すプラズマ処理装置
を用いた。このプラズマ処理装置の反応容器2は、先端
(下部)が集束部35としてテーパー状に絞られたもの
であって、外径が16mm、内径が13mmで石英で形
成されている。反応容器2の外面にはプラズマ生成用電
極3、4を吹き出し口1に対して上下に配置しており、
一方のプラズマ生成用電極3が電源11と接続されて高
電圧が印加される高圧電極として、他方のプラズマ生成
用電極4が接地される接地電極として形成されている。
高周波を発生する電源11としては13.56MHzの
周波数の電圧を発振するものを用いた。
【0061】そして反応容器2にヘリウムを1リットル
/分、アルゴンを3リットル/分、酸素を0.06リッ
トル/分で導入し、300Wの電力にてプラズマを生成
しようとした場合、図12の従来例のように始動補助手
段15を備えないと、プラズマ生成用電極3、4の間に
2kV以上もの電圧を印加しなければならず、時として
インピーダンス整合器12の内部の可変コンデンサ14
の内部でアークが発生し、始動不良が発生していた。そ
こで、高電圧パルス発生装置5に接続した点灯用電極6
を反応容器2の外周に巻き付け、この点灯用電極6に約
10kVの高圧パルス電圧を印加すると、プラズマ生成
用電極3、4の間に印加する電圧が1kV以下でもプラ
ズマを生成することが可能となった。
【0062】(実施例3)図5に示すプラズマ処理装置
を用いた。このプラズマ処理装置の反応容器2は内側寸
法が55mm×1mmで石英で形成されている。従っ
て、最も狭い内寸sは1mmである。反応容器2の外面
にはプラズマ生成用電極3、4を吹き出し口1に対して
上下に配置しており、一方のプラズマ生成用電極3が電
源11と接続されて高電圧が印加される高圧電極とし
て、他方のプラズマ生成用電極4が接地される接地電極
として形成されている。高周波を発生する電源11とし
ては13.56MHzの周波数の電圧を発振するものを
用いた。
【0063】そして反応容器2にヘリウムを2リットル
/分、アルゴンを10リットル/分、酸素を0.4リッ
トル/分で導入し、760Wの電力にてプラズマを生成
しようとした場合、図12の従来例のように始動補助手
段15を備えないと、プラズマ生成用電極3、4の間に
5kV以上もの電圧を印加しなければならず、インピー
ダンス整合器12の内部の可変コンデンサ14の内部で
毎回アークが発生し、始動させることができない。そこ
で、高電圧パルス発生装置5に接続した点灯用電極6
を、反応容器2の吹き出し口1の下流側に設置し、約1
8kVの高圧パルス電圧を印加すると、プラズマ生成用
電極3、4間に印加する電圧が1kV以下でもプラズマ
を生成することが可能となった。
【0064】(実施例4)図7に示すプラズマ処理装置
を形成した。反応容器2は内側寸法が56mm×1.2
mmで外側寸法が58mm×3.2mmで石英により角
筒状に形成した。従って、最も狭い内寸sは1.2mm
である。この反応容器2の外側にはプラズマ生成用電極
3、4を吹き出し口1に対して上下に配置して設け、一
方のプラズマ生成用電極3が高圧電極、他方のプラズマ
生成用電極4が接地電極となるように、インピーダンス
整合器12を介して高周波電圧を発生する電源11とプ
ラズマ生成用電極3、4とを接続した。この電源11と
しては13.56MHzの周波数の電圧を発振するもの
を用いた。
【0065】そして、大気圧下において、反応容器2に
プラズマ生成用ガスとしてヘリウムを2リットル/分、
アルゴンを10リットル/分、酸素を0.4リットル/
分で導入し、400Wの電力にてプラズマを生成しよう
とした場合、図12の従来例のように始動補助手段15
を備えないと、プラズマ生成用電極3、4間に5kV以
上もの電圧を印加しなければならず、インピーダンス整
合器12の内部の可変コンデンサ14の内部で毎回アー
クが発生し、始動させることができなかった。
【0066】しかし、プラズマ生成用電極3、4の近傍
に殺菌灯を配設すると、プラズマ生成用電極3、4間に
高周波電圧(高周波電力)を印加するのとほぼ同時に殺
菌灯が自発的に点灯し、プラズマ生成用電極3、4間に
印加する電圧が約3kV(40%の電圧低下)で放電を
開始させてプラズマを点灯させることができ、この後連
続的にプラズマを生成することができた。
【0067】上記のような高周波電圧の印加から放電開
始に至るまでにどのような現象が生じているかを図11
を用いて説明する。尚、この図におけるタイムチャート
は放電開始時において非常に短時間に起こっている現象
を説明するための模式図であり、実際はほとんど同じタ
イミングで発生していると見なすことができる。
【0068】まず、電源11よりプラズマ生成用電極
3、4間に電圧が印加されてプラズマ発生部13に電力
が供給された(a)の後に、プラズマ生成用電極3、4
近傍の殺菌灯が点灯し(b)、次に、殺菌灯からの紫外
線がプラズマ発生部13に照射されて(c)、これに伴
って、放電空間中の偶存電子が増加し(d)、偶存電子
の数がプラズマ生成用電極3、4間に印加している電圧
に対して火花条件を満たす(図11にaで示す時点)ま
で増加すると、全路破壊が生じて放電が開始し(e)、
プラズマが点灯するのである。
【0069】(実施例5)図8に示すプラズマ処理装置
を形成した。このプラズマ処理装置の反応容器2は外径
が5mm、内径が3mmで石英により円筒状に形成され
ている。反応容器2の外面にはプラズマ生成用電極3、
4を吹き出し口1に対して上下に配置しており、一方の
プラズマ生成用電極3が電源11と接続されて高電圧が
印加される高圧電極として、他方のプラズマ生成用電極
4が接地される接地電極として形成されている。高周波
電圧を発生する電源11としては13.56MHzの周
波数の電圧を発振するものを用いた。
【0070】そして、大気圧下において、反応容器2に
プラズマ生成用ガスとしてヘリウムを0.3リットル/
分、アルゴンを1.5リットル/分、酸素を0.02リ
ットル/分で導入し、100Wの電力にてプラズマを生
成しようとした場合、図12の従来例のように始動補助
手段15を備えないと、プラズマ生成用電極3、4間に
5kV以上もの電圧を印加しなければならず、インピー
ダンス整合器12の内部の可変コンデンサ14の内部で
毎回アークが発生し、始動させることができなかった。
【0071】しかし、プラズマ生成用電極3、4の近傍
に殺菌灯を配設すると、プラズマ生成用電極3、4間に
高周波電圧(高周波電力)を印加するのとほぼ同時に殺
菌灯が自発的に点灯し、プラズマ生成用電極3、4間に
印加する電圧が約3kV(40%の電圧低下)で放電を
開始させてプラズマを点灯させることができ、この後、
連続的にプラズマを生成することができた。
【0072】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1の発明
は、片側が吹き出し口として開放された反応容器と複数
のプラズマ生成用電極とを具備して構成され、反応容器
の最も狭い内寸を1〜20mmに形成すると共に反応容
器の外面にプラズマ生成用電極を接触させて設け、反応
容器にプラズマ生成用ガスを導入すると共にプラズマ生
成用電極間に電圧を印加することにより大気圧近傍の圧
力下で反応容器内に放電を発生させてプラズマを生成
し、反応容器内で生成されたプラズマを吹き出し口から
ジェット状に吹き出すプラズマ処理装置において、始動
時にプラズマの点灯を補助するための始動補助手段を備
えるので、始動補助手段でプラズマの点灯を補助するこ
とによって、プラズマ生成用電極間に高電圧をかけなく
ても反応容器内にプラズマを点灯させることができ、プ
ラズマの点灯が確実に行えて始動が良好になるものであ
り、しかも、インピーダンス整合器の可変コンデンサを
真空バリコンのような高耐圧バリコンにする必要が無
く、プラズマ処理装置を安価することができるものであ
る。
【0073】また、本発明の請求項2の発明は、始動補
助手段として、パルス電圧を発生させるための高電圧パ
ルス発生装置と、このパルス電圧を反応容器に導入され
たプラズマ生成用ガスに印加するための点灯用電極とを
備えるので、高電圧パルス発生装置で発生させたパルス
電圧を点灯用電極から放電して反応容器に導入されたプ
ラズマ生成用ガスに印加することによって、プラズマ生
成用電極間に高電圧をかけなくても反応容器内にプラズ
マを点灯させることができ、プラズマの点灯が確実に行
えて始動が良好になるものであり、しかも、インピーダ
ンス整合器の可変コンデンサを真空バリコンのような高
耐圧バリコンにする必要が無く、プラズマ処理装置を安
価にすることができるものである。
【0074】また、本発明の請求項3の発明は、点灯用
電極を吹き出し口の下流側に設けるので、点灯用電極と
プラズマ生成用電極との間に生成される予備電離プラズ
マを反応容器内に生成することができ、プラズマ生成用
電極に印加するプラズマ生成用の電圧を低くしてもプラ
ズマの点灯及び生成が可能となるものである。
【0075】また、本発明の請求項4の発明は、プラズ
マを点灯させる時のみに、点灯用電極を吹き出し口の下
流側に位置させるための移動手段を備えるので、点灯用
電極の先端を始動時のみに吹き出し口の下流側に位置さ
せ、プラズマを点灯させた後、点灯用電極の先端を吹き
出し口の下流側に位置させないようにすることができ、
始動を確実に行うために点灯用電極を設けたにもかかわ
らず、点灯用電極がプラズマ処理の妨げとならないよう
にすることができるものである。
【0076】また、本発明の請求項5の発明は、点灯用
電極をプラズマ生成用電極間またはプラズマ生成用電極
に対して吹き出し口と反対側に設けるので、点灯用電極
が吹き出し口の下流側に常に位置しないようにすること
ができ、点灯用電極を移動させる手段が必要でなく、構
造を簡素化することができるものである。
【0077】また、本発明の請求項6の発明は、点灯用
電極を反応容器の外面に接触させて設けるので、点灯用
電極が吹き出し口の下流側に常に位置しないようにする
ことができ、点灯用電極を移動させる手段が必要でな
く、構造を簡素化することができるものである。また、
点灯用電極と反応容器の接触面積が大きくなって接触性
を向上させることができ、点灯用電極とプラズマ生成用
電極との間に電圧を印加した際に反応容器内に放電が発
生しやすくなってプラズマが点灯しやすくなるものであ
る。
【0078】また、本発明の請求項7の発明は、パルス
電圧が、プラズマ生成時にプラズマ生成用電極間に印加
する電圧の3倍以上であるので、プラズマを短時間で確
実に点火させることができ、始動を速くて良好にするこ
とができるものである。
【0079】また、本発明の請求項8の発明は、始動補
助手段として、プラズマ生成用電極間に電圧を印加した
状態で、反応容器内に光を照射するための光源部を備え
るので、光源部から反応容器内に光を照射することによ
って、反応容器内の原子や分子を光電離や光解離、光脱
離させたり、反応容器の内面から光電子を出させたりし
て反応容器内の偶存電子を増加することができ、電極間
に高電圧をかけなくても反応容器内で絶縁破壊を起こし
て放電を容易に開始させてプラズマを確実に点灯させる
ことができて始動が良好になるものである。また、高電
圧のパルス電圧を印加する場合のようにプラズマ点灯用
の電極の消耗がなく、メンテナンスにかかる手間を少な
くすることができるものである。さらに、高電圧のパル
ス電圧を印加する場合のように、プラズマ点灯用の電極
を移動させる手段が不要となり安価に形成することがで
きると共にプラズマ点灯用の電極を移動させる工程も不
要となってプラズマ点灯後直ぐにプラズマ処理を開始す
ることができるものである。
【0080】また、本発明の請求項9の発明は、光源部
が紫外光を発生するものであるので、反応容器内の原子
や分子を光電離や光解離、光脱離させたり、反応容器の
内面から光電子を出させたりする能力を高くすることが
でき、プラズマを容易に点灯させて放電をより容易に開
始させることができ、良好に始動することができるもの
である。
【0081】また、本発明の請求項10の発明は、プラ
ズマ生成用電極間に印加される電圧が高周波電圧であっ
て、プラズマ生成用電極に高周波電圧を供給することで
発生するプラズマ生成用電極からの漏れ電波により光源
部を点灯可能に形成するので、プラズマ生成用電極から
の漏れ電波を利用して光源部を自発的に点灯させること
ができ、プラズマ生成用電極間への高周波電圧の印加と
ほぼ同時に自動的に光源部を点灯させて紫外光を反応容
器内に照射することができるものであり、特別な点灯回
路や光源部へ給電するための電源を用いなくてもプラズ
マを容易に点灯させることができるものである。また、
光源部は放電開始後もプラズマ生成用電極からの漏れ電
波を吸収して点灯しつづけるので、放射ノイズとなる漏
れ電波を光の形に変換して消費することができ、機器の
誤作動の原因となる放射ノイズを低減することができる
ものである。
【0082】本発明の請求項11の発明は、請求項1乃
至10のいずれかに記載のプラズマ処理装置において、
始動補助手段を用いることにより反応容器内にプラズマ
を点灯させるので、プラズマ生成用電極間に高電圧をか
けなくても反応容器内にプラズマを点灯させることがで
き、プラズマの点灯が確実に行えて始動が良好になるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略図であ
る。
【図2】同上の高電圧パルス発生装置の一例を示す回路
図である。
【図3】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図であ
る。
【図4】同上の他の実施の形態の一例を示す概略図であ
る。
【図5】同上の他の実施の形態の一例を示す概略の斜視
図である。
【図6】同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は
正面の概略図、(b)は側面の概略図、(c)は底面の
概略図である。
【図7】同上の他の実施の形態の一例を示す概略の斜視
図である。
【図8】同上の他の実施の形態の一例を示す概略の正面
図である。
【図9】同上の一部の断面図である。
【図10】同上の一部の断面図である。
【図11】同上の反応容器内における高周波電力の印加
から放電開始に至るまでの変化を示し、(a)〜(e)
はタイムチャートである。
【図12】従来例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 吹き出し口 2 反応容器 3 プラズマ生成用電極 4 プラズマ生成用電極 5 高電圧パルス発生装置 6 点灯用電極 7 移動手段 15 始動補助手段 16 光源部 s 最も狭い内寸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 圭一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 猪岡 結希子 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 中園 佳幸 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4G075 AA30 AA62 BA05 BD14 BD30 CA16 CA33 CA48 EB43 EB44 EC21 4K057 DA01 DB06 DD01 DE08 DM02 DM40 DN01 5F004 AA14 BA03 BB13 BC08 DA01 DA26 DA28

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片側が吹き出し口として開放された反応
    容器と複数のプラズマ生成用電極とを具備して構成さ
    れ、反応容器の最も狭い内寸を1〜20mmに形成する
    と共に反応容器の外面にプラズマ生成用電極を接触させ
    て設け、反応容器にプラズマ生成用ガスを導入すると共
    にプラズマ生成用電極間に電圧を印加することにより大
    気圧近傍の圧力下で反応容器内に放電を発生させてプラ
    ズマを生成し、反応容器内で生成されたプラズマを吹き
    出し口からジェット状に吹き出すプラズマ処理装置にお
    いて、始動時にプラズマの点灯を補助するための始動補
    助手段を備えて成ることを特徴とするプラズマ処理装
    置。
  2. 【請求項2】 始動補助手段として、パルス電圧を発生
    させるための高電圧パルス発生装置と、このパルス電圧
    を反応容器に導入されたプラズマ生成用ガスに印加する
    ための点灯用電極とを備えて成ることを特徴とする請求
    項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 点灯用電極を吹き出し口の下流側に設け
    て成ることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理
    装置。
  4. 【請求項4】 プラズマを点灯させる時のみに、点灯用
    電極を吹き出し口の下流側に位置させるための移動手段
    を備えて成ることを特徴とする請求項2又は3に記載の
    プラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 点灯用電極をプラズマ生成用電極間また
    はプラズマ生成用電極に対して吹き出し口と反対側に設
    けて成ることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処
    理装置。
  6. 【請求項6】 点灯用電極を反応容器の外面に接触させ
    て設けて成ることを特徴とする請求項5に記載のプラズ
    マ処理装置。
  7. 【請求項7】 パルス電圧が、プラズマ生成時にプラズ
    マ生成用電極間に印加する電圧の3倍以上であることを
    特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載のプラズマ
    処理装置。
  8. 【請求項8】 始動補助手段として、プラズマ生成用電
    極間に電圧を印加した状態で、反応容器内に光を照射す
    るための光源部を備えて成ることを特徴とする請求項1
    に記載のプラズマ処理装置。
  9. 【請求項9】 光源部が紫外光を発生するものであるこ
    とを特徴とする請求項8に記載のプラズマ処理装置。
  10. 【請求項10】 プラズマ生成用電極間に印加される電
    圧が高周波電圧であって、プラズマ生成用電極に高周波
    電圧を供給することで発生するプラズマ生成用電極から
    の漏れ電波により光源部を点灯可能に形成して成ること
    を特徴とする請求項8又は9に記載のプラズマ処理装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
    プラズマ処理装置において、始動補助手段を用いること
    により反応容器内にプラズマを点灯させることを特徴と
    するプラズマ点灯方法。
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