JPH06283305A - 自己電流制限機能素子 - Google Patents

自己電流制限機能素子

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Publication number
JPH06283305A
JPH06283305A JP6808893A JP6808893A JPH06283305A JP H06283305 A JPH06283305 A JP H06283305A JP 6808893 A JP6808893 A JP 6808893A JP 6808893 A JP6808893 A JP 6808893A JP H06283305 A JPH06283305 A JP H06283305A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
sample
inorganic
current
limiting function
Prior art date
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Pending
Application number
JP6808893A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Fujii
一宏 藤井
Morihito Yasumura
守人 安村
Masaki Shibuya
昌樹 渋谷
Toshihiko Abu
俊彦 阿武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度、低抵抗であり、かつ300℃以上の
高温において自己電流制限機能を有する素子を提供す
る。 【構成】 Si、C、M(ただし、MはTiまたはZr
を示す。)およびOからなる無機質体の少なくとも一方
の端部に銀電極を付けた構造からなる自己電流制限機能
素子に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無機質体に電極を付けた
構造の高温において使用できる自己電流制限機能素子に
関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】一般に自己電流制限機能を
有する抵抗素子として、異種金属を貼り合わせたバイメ
タルやチタン酸バリウム等からなるセラミックス系のP
TC素子が知られている。しかし、従来公知のバイメタ
ルは、機械的な動作に起因する問題点として耐久性や、
制御速度の限界やノイズ等の問題があり、また発熱体と
の複合化ができないので発熱体を別個に取り付ける必要
があり、さらに高温での使用にも問題があった。
【0003】一方、セラミックスPTC素子は、バイメ
タルの場合の問題点を大幅に克服しているが、低抵抗
化、素子強度および動作温度の高温化の点では未だ十分
ではなかった。また、何らかの原因で動作温度を超えて
高い温度に素子が加熱された場合、通常のPTC素子で
は高温において再度低抵抗化する特性を有するため熱暴
走する恐れがあった。
【0004】
【本発明の目的】本発明は、上記問題点を解決した高強
度、低抵抗であり、300℃以上の高温においても自己
電流制限機能を有する抵抗素子の提供を目的とするもの
である。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明は、Si、C、
M(ただし、MはTiまたはZrを示す。)およびOか
らなる無機質体の少なくとも一方の端部に銀電極を付け
た構造からなる自己電流制限機能素子に関する。
【0006】本発明における無機質体としては、Si、
C、M(ただし、MはTiまたはZrを示す。)および
Oからなる結晶質セラミックスや非晶質セラミックスの
成型体を使用することができる。
【0007】本発明において無機質体として使用される
結晶質セラミックスとしては、特開平2−74571号
公報に記載されているようなセラミックス焼結体、例え
ば塊状、フレーク状または針状のSiC結晶の少なくと
も1種と、SiCおよびTiC(またはZrC)の超微
粒子結晶とからなる繊維形状を保持した結晶集合体を挙
げることができる。
【0008】上記繊維形状を保持した結晶集合体は、連
続繊維または連続繊維を切断したチョップ状短繊維とし
て使用してもよく、連続繊維から編織された平織物、三
次元織物、不織布として使用してもよく、さらに連続繊
維を一方向に引き揃えたシート状物として使用してもよ
い。
【0009】前記セラミックス焼結体の一例として、ポ
リチタノカルボシランを製造した後、溶融紡糸、不融
化、焼成して得られる無機質連続繊維を挙げることがで
きる。例えば、Si−C−Ti−Oからなるセラミック
焼結体はホットプレス等により成型体とされるが、詳細
には次のような方法により製造される。
【0010】ポリジメチルシランとポリボロジフェニル
シロキサンとを加熱重合して得られるポリカルボシラン
に、テトラブトキシチタンを添加した後、重合してポリ
チタノカルボシランを得、このポリチタノカルボシラン
を溶融紡糸した後、不融化、焼成することにより無機質
連続繊維を得ることができる。この無機質連続繊維から
なる平織物を積層し、積層物をホットプレスすることに
よりSi−C−Ti−Oからなるセラミック焼結体が得
られる。
【0011】また、本発明において無機質体として使用
される非晶質セラミックスとしては、特願平3−288
202号に記載されているような無機繊維焼結体、例え
ば実質的にSi、Ti、CおよびOからなる非晶質物
質、あるいは実質的にSi、Zr、CおよびOからなる
非晶質物質を挙げることができる。上記実質的にSi、
Ti、CおよびOからなる非晶質物質はホットプレス等
により成型体とされるが、詳細には例えば次のような方
法により製造される。
【0012】チラノ繊維(宇部興産(株)製、登録商
標)を加熱処理して原料無機繊維を得、この繊維からな
る平織物を積層してシート状積層物を作成し、この積層
物をホットプレスすることにより実質的にSi、Ti、
CおよびOからなる非晶質物質が得られる。
【0013】なお、本発明で用いる無機質体として、焼
結密度や抵抗値を調整するために構成要素以外にB、A
l、N、Ca、Y等が添加されても良い。
【0014】本発明の自己電流制限機能素子は、ホット
プレス等により成型して得られる前記無機質体の少なく
とも一方の端部にAg電極を付けることにより得られ
る。Ag電極用材料としては、特定されずAgまたはA
gを主成分とするものでもよい。また、電極の取付けも
特に限定されず一般的な方法を採用することができる。
例えば、Agペーストを塗布して焼き付ける方法や、溶
射法やメッキ法および真空中で蒸着する方法またはスパ
ッタリング法等を素子の使用条件により任意に選択する
ことができる。
【0015】本発明の自己電流制限機能素子は、特性の
発現温度以下では通常の抵抗器や発熱体であるが、何ら
かの条件により温度が上昇したり、電源電圧が上昇して
発熱する条件となったような場合、高抵抗化して電流の
制限が行われ、装置の保護素子として利用できる。例え
ば、適当な電圧を印加しておくと一定の発熱温度が得ら
れるので、家庭用の電気ヒータや加熱料理器等に応用す
ることができる。さらに、パルス状電圧を与えるなどの
工夫により試料の自己発熱による温度の上昇を防ぎ、抵
抗の変化を測定することで高感度の高温の温度センサー
として利用することもできる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について詳細に
説明する。
【0017】実施例1 市販の繊維径8.5μmのチラノ繊維(宇部興産(株)
製、登録商標)を空気中1100℃で30分間加熱処理
して原料無機繊維を得た。繊維表面に形成された表面層
の厚さは200nmであった。この原料無機繊維からなる
平織物を積層して50mm×100mm×100mmのシート
状積層物を作成し、この積層物をカーボンダイス中にセ
ットして、アルゴン気流下600kg/cm2 の圧力下に1
600℃で0.5時間ホットプレスして焼結体を製造し
た。
【0018】得られた焼結体を切り出して両端部に電極
として銀を主成分とするペースト(昭栄(株)製、H−
5993)を塗布し、850℃、15分で焼き付けて試
料を作製した。試料サイズは、断面積1cm2 、電極間距
離2mmであり、電極部も高温となるようにした。この試
料は、電流0〜100mAの電流範囲で、オーミックな特
性を有することを確認した。比抵抗は0.1Ω・cmであ
った。本試料に任意の電圧を印加し試料の電流および温
度を測定した。なお、温度はK熱電対を電極面に接触さ
せて測定した。
【0019】電圧を高くするにつれて、電流は上昇する
が、約1.0A以上流れないことがわかった。電圧を更
に高くしても電流は抑えられ、15Vで約0.2Aとな
り、電流が制限された。この結果、試料の発熱も抑えら
れ、一定の温度で安定することがわかる。本試料は、印
加電圧を高くするに伴い約360℃まで単調に増加する
が、この温度以上にはならないことがわかる。図1は、
印加電圧を電流および電極面での温度の関係を示す。
【0020】次に試料が低温の状態で急激に高電圧を印
加した場合や強制的に試料を冷却した場合の温度変化を
示す。室温の試料に10V印加して試料を発熱させた場
合と2時間放置した後、直接水冷してみた。図2はこの
ときの試料温度の時間変化を示したものである。ます、
電圧を印加したとき、急激に電流が増加し、電源の電流
制限値である5Aに到達したため、電流値は測定できな
かったが、本来の比抵抗値程度に対応する電流が流れる
と思われる。この後、急激に温度が減少して一定となっ
た。この間2〜5分である。この後2時間ほとんど温度
変化しなかった。次にこの試料を、強制的に水冷した。
一旦試料についた水が蒸発する間は約100℃を保持し
ていた。このとき、やはり5A以上の電流が流れてい
た。その後450℃付近まで急激に上昇して、次いで温
度は降下して最終的に300℃付近で一定となった。こ
の詳細な温度変化の様子を図3に示した。
【0021】比較例1 実施例1と同一の試料に電極としてAlを主成分とする
ペーストを850℃、15分で焼き付けて電圧を印加し
た場合、電圧印加5分後に2.5Vで2.5A、試料温
度302℃となり、また、4.5Vで5A、試料温度5
13℃となった。この後さらに試料温度の上昇とともに
電流の増加が認められ、通常の半導体的に温度上昇とと
もに抵抗が減少し、電流の制限や温度制限は認められな
かった。
【0022】実施例2 SiC系のシリコニット(シリコニット高熱工業(株)
製、商品名、形式A10−5)の中央部を切り出した試
料を用い、実施例1と同様に銀を主成分とする導電性の
ペーストを塗布し、850℃、15分焼き付けて試料を
作製した。試料サイズは、断面積0.66cm2 、電極間
距離2.5cmであった。この場合、完全なオーミックで
はないが、ほぼ直線に近いものが得られた。本試料はポ
ーラスであり、比抵抗は測定場所により異なるが、ほぼ
2〜3Ω・cmであった。本試料に電圧を印加したときの
電流値および銀電極面で測定した温度の関係を示す。実
施例1と同様に、電圧を一定値以上印加しても電流が抑
えられ、試料温度の上昇も抑えられていた。本試料は、
約4Vまで電流が増加し2A程度流れるがこれ以上の電
圧でも1.5Aで一定であった。その結果、試料の発熱
も350〜300℃程度で安定した。
【0023】
【発明の効果】本発明におけるSi、C、M(ただし、
MはTiまたはZrを示す。)およびOからなる無機質
体の少なくとも一方の端部に銀電極を付けた構造からな
る抵抗素子は、高強度、低抵抗であり、かつ300℃以
上の高温において自己電流制限機能を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自己電流制限機能素子の印加電圧と電
流および電極面での温度との関係を示す図である。
【図2】本発明の自己電流制限機能素子の10V印加し
たときの試料温度の経時変化を示す図である。
【図3】本発明の自己電流制限機能素子の10V印加し
たときの試料温度の経時変化を示す図である。
【図4】本発明の別の態様の自己電流制限機能素子に関
する印加電圧の電流および温度依存性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿武 俊彦 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社無機材料研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si、C、M(ただし、MはTiまた
    はZrを示す。)およびOからなる無機質体の少なくと
    も一方の端部に銀電極を付けた構造からなる自己電流制
    限機能素子。
JP6808893A 1993-03-26 1993-03-26 自己電流制限機能素子 Pending JPH06283305A (ja)

Priority Applications (1)

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JP6808893A JPH06283305A (ja) 1993-03-26 1993-03-26 自己電流制限機能素子

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6808893A JPH06283305A (ja) 1993-03-26 1993-03-26 自己電流制限機能素子

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JPH06283305A true JPH06283305A (ja) 1994-10-07

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JP6808893A Pending JPH06283305A (ja) 1993-03-26 1993-03-26 自己電流制限機能素子

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