JPH06283179A - 固体電解質型燃料電池の電解質膜製造方法 - Google Patents

固体電解質型燃料電池の電解質膜製造方法

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JPH06283179A
JPH06283179A JP5093644A JP9364493A JPH06283179A JP H06283179 A JPH06283179 A JP H06283179A JP 5093644 A JP5093644 A JP 5093644A JP 9364493 A JP9364493 A JP 9364493A JP H06283179 A JPH06283179 A JP H06283179A
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敏雄 松島
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勲 根本
Toshitaka Yumiba
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 【構成】 安定化剤を添加したジルコニアで作製した粉
末で調整したスラリーを使用を電極基板1上に付着させ
た後に焼結させる電解質層2の形成する第一工程、第一
の工程によって形成された電解質層2に重ねて、電解質
層の表面に生じる細孔4の円径よりも小さい粒径を有す
る、安定化剤を添加したジルコニアを分散させたゾル状
液体を付着させた後に焼結させ電解質ゾル液体焼結層3
を形成することを特徴とする。 【効果】 電解質粉末で調整したスラリーを使用して焼
結法で電解質層を形成し、その後、その電解質層の表面
に電解質粒子を分散させたゾル状液体を塗布して焼結す
ることで最初の工程で作製した電解質膜の細孔を閉塞さ
せている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質型燃料
電池における電解質薄膜の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体電解質型燃料電池(以下、SOFC
と略)は、イオンの選択透過性を有する固体電解質と、
これを挟んで配置した2つの電極(酸化剤極と燃料極)
を基本要素として構成されている。そして、一般的には
酸化剤極に酸素(または空気)を、燃料極に水素を流す
ことで化学反応が進行し、発電が行われる。
【0003】電解質としては、酸素イオンか水素イオン
のどちらかを透過させる材料が使用され、通常、材料的
な点から、酸素イオン透過性を持った物質が使用されて
いる。現在、電解質材料としては、酸化ジルコニアに、
酸化イットリアを添加して結晶構造を立方晶に安定化さ
せた安定化ジルコニア(以下、YSZと略)が使用さ
れ、酸化剤極にはペロブスカイト構造を持ち、ランタン
の一部をアルカリ土類金属で置換したランタンマンガナ
イト(La1-x(M)xyMnO3(M:アルカリ土類金
属)やランタンコバルタイト(La1-x(M)xyCo
3(M;アルカリ土類金属)が、そして燃料電極とし
ては、YSZに所定のNiを混合して調整されたニッケ
ルジルコニアサーメットが用いられている。
【0004】SOFCの構造としては、例えば図4に示
すように、固体電解質31の両面に酸化剤極32と燃料
極33を設けた単セル30を燃料通路37および酸化剤
通路38を有するインタコネクタ34を介して積層した
構造で、電解質に機械的な強度を持たせたものが知られ
ている。また図5に示すように、燃料通路37を有する
燃料電極基板36に固体電解質31および酸化剤極32
を積層した単セル30を、インタコネクタ34が積層さ
れ、酸化剤通路38が形成された酸化剤電極基板35を
介して複数積層する構造のSOFCも知られている。
【0005】すなわち図4に示すように、電解質31に
機械的な強度を持たせて、その両側に2つの電極32、
33を形成するものと、図5に示すような、一方の電極
に機械的な強度を持たせ、その表面に電解質と他の電極
を形成するものがある。
【0006】
【発明が解決する問題点】しかし、SOFCにおける各
部材は、先に示したような材料を高温処理して作製した
セラミックスであり、また、各材料の中で電解質はSO
FCの動作温度である900〜1000℃においても導
電率が小さい。したがって電解質部での電圧降下による
単セルの出力不足を防ぐには電解質の厚みをおさえる必
要がある。
【0007】しかるに、前者のような構造では、電解質
自体にセル全体を支えうるような機械的強度を付与する
必要があるため、極端な薄膜は使用できず、厚みは30
0〜500μm程度となっている。
【0008】一方、後者の構造では、どちらかの電極が
セルの支持体となり、電極材料の導電率は電解質材料の
1000〜10000倍も大きいので支持体の厚みにあ
まりこだわらずに構成でき、この結果、電解質は製造上
許容される厚みまで薄くても良いことになり、単セルと
して非常に高い性能が期待される。しかし、現実には電
極支持体の作製法や構造・形状等による制約があり、こ
のような構造のセルの作製法としては、電極と電解質の
シートを重ねて共焼結する方法や、プラズマ溶射やレー
ザ溶射法、さらにはEVD法によって電解質膜を形成す
る方法が採られている。
【0009】しかし、前者のシートの共焼結による方法
の場合、有機溶剤と有機物バインダを用いたセラミック
粉末シートの作製や、シートの圧着・焼結等に多大な稼
働を要する。特に、異種物質のシートを貼り合わせて一
回の焼結操作によって一体化させるためには、使用する
粉末の粒径やバインダ添加量等と焼結特性の関係を明ら
かにし、焼結時の収縮性が一致したシートの調整が不可
欠であり、このための稼働が大きい。このようなことか
ら、産業上の観点から見ると、試料の形状や大きさにと
らわれない方法が好ましく、溶射法やEVD法が電解質
の作製に採用されている。
【0010】しかし、溶射法は製膜速度が大きい反面、
膜の緻密性が低く、このままではガスの透過が大きいた
めにセルを形成しても理論通りの起電力が得難い膜しか
得られなかった。これは、YSZの融点が約2700℃
と高いために由来するものである。溶射法では高温の溶
射炎中にYSZ粉末を供給して溶融状態とし、溶融した
YSZが固化する前に基板上に融着させるものである
が、溶射法では条件によっては基板に到着する前に固化
するYSZ粒子が発生してしまうこともあり、必ずしも
全てのYSZが充分に溶融した状態で基板に到着すると
は限らない。したがって、一部半融状の粒子が基板上に
付着し、基板表面上のYSZは完全な溶融物にはならな
い。また、例え全ての粒子が溶融した状態で基板に到達
したとしても、基板表面上で急激な固体化が進行するた
めにクラックが発生しやすい状態にある。
【0011】一方、EVD法は緻密な膜の形成には適し
ているが、製膜速度が例えば10μm/hと小さく、さ
らに材料には高価な塩化物を使用するので製膜中に供給
される原料の消費量も考慮すると必ずしもコストの低い
SOFCセルの連続かつ大量製造プロセスに適している
とは言い難い。
【0012】一方、電解質膜の経済的な形成方法として
は、電解質の原料粉末をスラリー状とし、これを直接電
極の基板上に薄膜状に乗せて焼結する手段がある。しか
し、この場合、電解質の粒径と焼結温度、さらには基板
とする多孔性電極の熱劣化の点から適用が困難である。
すなわち、従来使用されてきているYSZの粉末は粒径
が0.5μm以上であり、このような粒子を焼結によっ
て緻密化するためには1400℃以上の温度が必要であ
る。また、スラリーの塗布・焼結においては焼結に際し
て収縮が起こり、焼結したYSZ層に無数のクラックが
発生する。このために、このようなスラリーの塗布・焼
結を複数回行う必要がある。しかし、焼結に必要となる
温度においては基板とする電極の焼結が進行してしまう
ため、電極の多孔性が失われてしまう。一方、焼結温度
を低下させ、基板への熱の影響を低減するには塗布する
YSZの粒径が小さい方が望ましく、本発明で使用する
ような電解質層の表面に生じるクラックの円径よりも小
さい粒径を有するYSZゾル状液体の使用は焼結温度の
観点に限れば好ましいと言える。しかし、多孔質に作製
した電極基板に生じている細孔の径は、0.2〜数μm
であるため、このような微粒径のYSZを直接使用する
と、これらの細孔内にYSZが浸漬し電解質層の形成を
行うことができなかった。
【0013】本発明は上述の問題点に鑑みなされたもの
であり、電極材料によってセル自身を機械的に支える構
造のSOFCにおける電解質膜の製造プロセスに関わる
もので、電極基板上に電解質粉末で調整したスラリー状
溶液を塗布法、キャスト法、噴霧法のいずれかによって
薄い液膜状に形成させた後、焼結し、次にこの表面に電
解質層の表面に生じるクラック(細孔)の円径よりも小
さい粒径を有する、安定化剤を添加したジルコニアを分
散させたゾル状液体を塗布し、これを焼結することで緻
密な電解質膜を効率良く、かつ安価に得る方法を開示し
たものであり、その目的は緻密な電解質膜を効率良く安
価に製造することである。
【0014】
【問題点を解決するための手段】上述の問題点を解決す
るため、本発明による固体電解質型燃料電池の電解質膜
製造方法は、電極基板上に、固体電解質層を形成し、さ
らにこの表面に他の電極層を形成して構成される固体電
解質型燃料電池の固体電解質の形成法であって、安定化
剤を添加したジルコニアで作製した粉末で調整したスラ
リーを使用し、これを電極基板上に付着させた後に焼結
させる電解質層の形成する第一工程、第一の工程によっ
て形成された電解質層に重ねて、電解質層の表面に生じ
るクラックの円径よりも小さい粒径を有する、安定化剤
を添加したジルコニアを分散させたゾル状液体を付着さ
せた後に焼結させることで第一の工程で形成された電解
質層に重ねて電解質ゾル液体焼結層を形成する第二工程
とを有することを特徴とする。
【0015】本発明によれば、電極基板上に緻密な電解
質膜を形成する際、まず第一に電解質粉末から調整した
スラリー状溶液を塗布法、キャスト法、噴霧法のいずれ
かによって形成させた後、焼結し、次にこの表面に、電
解質層の表面に生じるクラックの円径よりも小さい粒径
を有する、安定化剤を添加したジルコニアを分散させた
ゾル状液体を付着させた後に焼結させることによって緻
密な電解質膜を作製することを特徴としている。
【0016】従来、このような膜の形成にあたっては、
溶射法やEVD法が適用されてきているが、前者は製膜
速度が大きい反面、膜の緻密性が低く、このままではガ
ス透過の大きい膜しか得られなかった。一方、後者の方
法は緻密な膜の形成が可能である反面、製膜速度が小さ
く、材料に使用する高価な塩化物の消費量を考慮すると
必ずしもSOFCのセルの作製には適しているとは言い
難かった。これらに対し、電解質のスラリー状液体を塗
布法等によって薄く延ばし、これを焼結する方法があっ
た。しかし、この方法は焼結時に各粉末粒子の凝集が起
こり、クラックが生じるために数回の作業が必要にな
り、このような高温下での焼結処理を施す基板となって
いる電極の焼結も進行し、本来多孔性が要求されている
電極基板が緻密化し、セル特性の悪化が引き起こされる
という重大な欠点があった。
【0017】
【実施例】図1から図3に本発明による電解質薄膜形成
法の概念を示す。1は多孔性の基板、2はスラリーの塗
布・焼結等によって形成した電解質層、そして、3がゾ
ル状液体を塗布して焼結した電解質ゾル液体焼結層、4
が細孔である。本発明による形成法では、まず第一に基
板1上に電解質層2を形成し、次いで、この薄膜の表面
に電解質のゾル状液体を塗布して焼結させ、緻密でガス
不透過性の電解質ゾル液体焼結層3を形成することで燃
料電池セルに適した緻密な固体電解質膜を形成する。
【0018】以下、具体的な実施例として、まず燃料電
極材料によって作製した多孔性電極基板に本発明の方法
で電解質膜を形成した例を示す。
【0019】燃料電極の材料としては、ここでは一般的
に広く使用されているニッケルジルコニアサーメットを
使用した。サーメットの調整に用いた材料は、酸化ニッ
ケル粉末とイットリア安定化ジルコニア粉末(酸化イッ
トリアを8モル%添加したもの:東ソー製、TZ−8
Y)であり、これらを酸化ニッケルが体積比で40体積
%以上含まれるように秤量して混合した。混合物にPV
A系バインダを重量比で2〜10%添加した後プレス成
形し、これを1250〜1500℃で2〜10h焼結し
た。焼結体の多孔度は焼結条件やバインダの添加量で異
なるが、これらの調整によって20〜30%程度の基板
1が得られた。これを水素雰囲気下で900〜1000
℃で処理するとNiOがNiに還元され、還元処理後の
焼結体の細孔は、1μmを中心に0.2〜3μm程度に
分布したものとなった。
【0020】(第一工程)この表面にイットリア安定化
ジルコニア粉末(酸化イットリアを8モル%添加したも
の:東ソー製、TZ−8Y)から作製したスラリーを塗
布した後焼結させ電解質層2を形成した。電解質層2の
形成にあたっては、基板1への熱の影響を極力避けるた
め、1300℃以下の温度で焼結させた。このような温
度は、スラリー調整に使用しているYSZ粉末の緻密化
には充分な温度ではなく、粒子の接触部において融着し
た状態にある。しかし、この工程の後にゾル溶液を塗布
した際にこのような焼結構造が骨材として機能し、この
段階で生じている粒子間の隙間が埋められ、焼結によっ
て一体化された焼結体とすることができる。ここでは、
このスラリーの塗布と焼結を数回繰り返し、50〜10
0μmの厚みの電解質層2を形成した。このとき安定化
剤を添加したジルコニアは、好ましくは粒系が0.5μ
m以下であるのがよい。後述のように燒結温度が低くな
るからである。
【0021】次に、この電解質層の表面に電解質をゾル
状に分散させた水溶液を塗布し以下の工程によって緻密
化処理を施した。
【0022】(第二工程)本発明では第一の工程で作製
した電解質層の細孔内にYSZ微粒子を充填し緻密な状
態とするため、粒径が第一の工程で生じた隙間よりも小
さく平均粒径が0.05〜0.1μmで溶液中に分散さ
せたYSZ電解質のゾル状水溶液を用いた。そして、こ
の液を塗布・乾燥させ細孔内にYSZ微粒子を充填した
後、基板全体に熱処理を施し、YSZ微粒子と最初作製
した電解質層2を一体化させて緻密化し、電解質ゾル液
体燒結層3を形成した。このような緻密化処理は一回で
はなく、数回の処理が有効であった。基板の作製に使用
したYSZ(東ソー製、TZ−8Y)の場合、緻密化す
る焼結温度は1400℃あたりが下限であるが、今回
は、YSZの粒径を平均0.1μm程度に小さくするこ
とではるかに低い温度での焼結・緻密化を行うことがで
きた。なお、熱処理温度は、充填したYSZ粒子が細か
く非常に焼結性に富んでいるため1000〜1100℃
の温度で行うことができた。
【0023】このように使用するYSZ粒径サイズを小
さくすることの利点は2つあり、1つは、最初作製した
電解質層2に生じた細孔4内に入り込み、細孔4の充填
を行える点であり、もう1点は、緻密化の際の焼結温度
が低くなり電極基板1に熱ストレスを与えることなしに
電解質膜の緻密化が行える点である。なお、細孔4に入
り込みにくい場合には塗布面の反対側を減圧とすること
でより良い効果を得ることができる。このようにして作
製した本発明の電解質膜は、図3であり、形成された電
解質膜は表面側から細孔4が埋められたものとなる。
【0024】そして、この電解質膜に重ねて酸化剤電極
層を形成しSOFC単セルを作製した。酸化剤電極層は
スラリー塗布・焼結法によって形成した。すなわち、ラ
ンタンマンガナイト(La0.8Sr0.2MnO3)をポリ
エチレングリコールとエタノールで混合してスラリーを
作成し、これを電解質表面に塗布し、その後1100〜
1300℃の範囲の温度で2〜5時間熱処理して焼き付
けた。本願発明によらずに作製した通常のセルでは開路
電圧が1.0Vに満たないのであるが、本願発明によっ
て作製したセルの開路電圧は1.0〜1.1Vであっ
た。セルの開路電圧は、電解質膜が緻密でガス透過が生
じないほど高く、逆にガス透過性の高い膜では低い。し
たがって、この結果から本発明により電解質の緻密化が
図られていることがわかる。
【0025】なお、本発明の実施例においては、最初に
基板上に作製する電解質膜の作製方法としてスラリーの
塗布法について述べたが、この作製工程は、スラリーの
塗布法だけでなく、これ以外に噴霧法やキャストによっ
ても可能である。
【0026】次に酸化剤極基板を用いて行った、本発明
の他の実施例について述べる。
【0027】酸化剤極を用いた場合も基本プロセスはこ
れまで述べてきたものと同様である。
【0028】ここでは、材料粉末として、SOFCで一
般敵に使用されているランタンマンガナイト(La0.8
Sr0.2MnO3)を使用した。なお、粉末は、平均粒径
が2〜10μmの範囲内に位置する数種の中から適宜選
択して使用した。これらの粉末の焼結特性は、平均粒径
が小さいほど、焼結が進行しやすく緻密化するので、各
粉末の粒径に対応して焼結条件を決定して酸化剤極基板
1を作製した。作製した基板は、燃料電極基板と同様に
PVA系バインダを加えてプレス成形したものである。
作製した酸化剤極基板の物性としては、多孔度が20〜
40%であり、平均の細孔径は、おおよそ1〜2μmで
あった。
【0029】(第一工程)このような試料基板1上に、
先の例と同様にイットリア安定化ジルコニア粉末(酸化
イットリアを8モル%添加したもの:東ソー製、TZ−
8Y)から作製したスラリーを塗布し、この後焼結させ
て電解質層2を形成した。焼結温度は基板への熱の影響
を避けるため、1300℃以下の温度で行った。ここで
は、このスラリーの塗布と焼結を数回繰り返し、50〜
100μmの厚みの電解質層2を形成した。
【0030】(第二工程)次に、このように作製した電
解質層2の表面に電解質をゾル状に分散させた水溶液を
塗布し電解質の粒子間の隙間を埋め、焼結によって一体
化された焼結体とし緻密化を施し電解質ゾル液体燒結層
3を形成した。酸化剤電極はあまり高い温度で焼結させ
ると緻密化してしまい、電極に要求される多孔性が失わ
れていまい、原料の粒径にもよるが、好ましい電極特性
が得られる粒径の原料での焼結温度の上限は、1200
〜1250℃である。しかし、表面に塗布したYSZゾ
ルの焼結はこれをはるかに下回る温度によって可能であ
るので、酸化剤極基板を不必要な高温に暴すことなし
に、電解質表面の細孔を塞ぐことができた。
【0031】そして、このように作製した電解質層の表
面にニッケルジルコニアサーメットからなる燃料電極層
を形成し、単セルを得た。燃料電極の形成にあたって
は、酸化剤極基板(ランタンマンガナイト)の耐熱温度
が約1300℃程度と、ニッケルジルコニアサーメット
の焼結温度以下であるのでスラリー塗布・焼結法は適用
できない。したがって、基板に対する熱ストレスのない
プラズマ溶射法によってサーメット層を形成した。この
ようにして作製したセルの開路電圧も、燃料電極基板を
使用して作製したセルと同様に表面処理を施すことによ
って理論電圧近くまで高めることができた。
【0032】前述のような第一、第二の各々の工程にお
ける、安定化剤を添加したジルコニアで作製したスラリ
ー、ゾル状液体の付着は、塗布、噴霧、キャスト法など
のいずれかによって行うことができ、本発明において基
本的に限定されるものではない。また安定化剤を添加し
たジルコニアは、安定化ジルコニア、部分安定化ジルコ
ニアの単独物もしくは混合物であり、安定化剤はイット
リウム、カルシウム、スカンジウム、イッテルビウム、
ネオジウム、ガドリニウムなどの酸化物を使用すること
ができる。
【0033】以上述べたように本発明によれば、これま
で行われていたスラリーを使用した電解質の作成プロセ
スに準じた方法で、これまでよりも高性能のSOFCセ
ルを得ることができる。しかも、従来の溶射法のプロセ
スそのものは何ら変えることなしに製膜することができ
た。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明ではSOF
Cセルの電解質膜の形成にあたって、電解質粉末で調整
したスラリーを使用して焼結法で電解質層を形成し、そ
の後、その電解質層の表面に電解質粒子を分散させたゾ
ル状液体を塗布して焼結することで最初のプロセスで作
製した電解質層の細孔を閉塞させている。従来、溶射法
やEVD法がSOFCの電解質薄膜形成法として検討さ
れてきたが緻密膜にならないことやプロセスの時間が長
いことに問題があり、安価なプロセスとしてスラリーを
使用する方法の利点が着目されていた。しかし、従来行
われていたスラリーを使用する方法では、緻密な膜が得
難く、数回の焼結が必要になったりするために、電極基
板の緻密化が進行してしまうという問題があった。そこ
で、本発明では最初スラリーを使用して作製した電解質
層に重ね、この表面に電解質層の表面に生じるクラック
の円径よりも小さい粒径を有する電解質粒子を分散させ
たゾル状液体を塗布して焼結し、電解質の細孔を閉塞さ
せることとしており、電解質膜全体としての緻密性を確
保することができる。
【0035】以上述べたように、本発明では、スラリー
を塗布して膜を作る方法を主とし、これと同様の第二の
プロセスを行うことで最初に作製した膜の緻密化が図ら
れ、SOFCに必要な緻密な薄膜状の電解質膜を得るこ
とができる。このように本発明により得られる産業上の
利点は甚大なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解質膜製造工程を示す断面模式図。
【図2】本発明の電解質膜製造工程を示す断面模式図。
【図3】本発明の電解質膜製造工程を示す断面模式図。
【図4】従来の固体電解質型燃料電池の構造例。
【図5】従来の固体電解質型燃料電池の構造例。
【符号の説明】
1 電極基板 2 電解質層 3 電解質ゾル液体焼結層 4 細孔 30 単セル 31 固体電解質 32 酸化剤極 33 燃料極 34 インタコネクタ 35 酸化剤電極基板 36 燃料電極基板 37 燃料通路 38 酸化剤通路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極基板上に、固体電解質層を形成し、さ
    らにこの表面に他の電極層を形成して構成される固体電
    解質型燃料電池の固体電解質の形成法であって、 安定化剤を添加したジルコニアで作製した粉末で調整し
    たスラリーを使用し、これを電極基板上に付着させた後
    に焼結させる電解質層の形成する第一工程、 第一の工程によって形成された電解質層に重ねて、電解
    質層の表面に生じる細孔の円径よりも小さい粒径を有す
    る、安定化剤を添加したジルコニアを分散させたゾル状
    液体を付着させた後に焼結させることで第一の工程で形
    成された電解質層に重ねて電解質ゾル液体焼結層を形成
    する第二工程を有することを特徴とする固体電解質型燃
    料電池の電解質膜製造方法。
JP5093644A 1993-03-29 1993-03-29 固体電解質型燃料電池の電解質膜製造方法 Expired - Lifetime JP2848551B2 (ja)

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