JPH062821U - 電子部品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 断線して抵抗値が変わるのを防ぎ、付加価値
を高め、コルピッツ形発振回路を容易に形成して実装密
度を高めることができる圧電共振子に抵抗を内蔵させた
チップ型の電子部品を提供することを目的とする。 【構成】 圧電基板の上下の両主面に対向した振動電極
が設けられ、該振動電極に導通して引出し電極が設けら
れてなる圧電共振子と、上記振動電極の表面に空間を形
成して圧電共振子を保護する保護部材と、各引出し電極
に導通した外部電極と、該外部電極に接続した抵抗とを
備えてなる電子部品において、上記保護部材を両端が開
放した筒状のケースで構成し、該ケースの少なくとも内
周面に外部電極に接続する抵抗を設け、ケース内に圧電
共振子を収容して開放した両端を金属キャップで封鎖す
るとともに該金属キャップで外部電極を形成したことを
特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、圧電共振子と抵抗を一体化して複合化した電子部品に関し、例えば 、コルピッツ形発振回路を構成するための回路を形成する帰還抵抗を内蔵した発 振子からなるチップ型の電子部品に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、発振子と内蔵抵抗からなる複合型の電子部品として、図４に示すよ うな電子部品が知られている。 この電子部品１は、圧電共振子２を円筒状のケース３内に収容し、両開放端を 金属製のキャップ４で密封するとともに、導電性接着剤５を塗布硬化させて、キ ャップ４で構成した外部電極と圧電共振子２の振動電極７とを導通させ、円筒の 外周面に形成した抵抗９をキャップ４に接続している。この圧電共振子２は、短 冊状の圧電基板６の上下面にそれぞれ対向して振動電極７が形成され、この振動 電極７に導通した引出し電極８が反対方向に延びてなっている。 このように抵抗を内蔵して構成した電子部品１は、１つの部品で、図５に示す ようなコルピッツ形発振回路で、点線で示すような回路を構成している。 その他、保護基板で圧電共振子を挟んで封止し、外部に形成した外部電極間に 抵抗を形成した電子部品も知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の電子部品は、抵抗を外面に形成しているので、断線して抵抗値が変 わる等の問題があった。

【０００４】 本考案は、上記従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、断線し て抵抗値が変わるのを防ぎ、付加価値を高め、コルピッツ形発振回路を容易に形 成して実装密度を高めることができる圧電共振子に抵抗を内蔵させたチップ型の 電子部品を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る電子部品は、圧電基板の上下の両主面に対向した振動電極が設け られ、該振動電極に導通して引出し電極が設けられてなる圧電共振子と、上記振 動電極の表面に空間を形成して圧電共振子を保護する保護部材と、各引出し電極 に導通した外部電極と、該外部電極に接続した抵抗とを備えてなる電子部品にお いて、上記保護部材を両端が開放した筒状のケースで構成し、該ケースの少なく とも内周面に外部電極に接続する抵抗を設け、ケース内に圧電共振子を収容して 開放した両端を金属キャップで封鎖するとともに該金属キャップで外部電極を形 成したことを特徴とする。 また、本考案においては、上記保護部材を箱状のケースと蓋体で構成し、ケー スの外面に外部電極を形成し、蓋体の少なくとも内面側に外部電極に接続する抵 抗を設け、ケース内に圧電共振子を収容して蓋体でケースの開放端を封止しても よい。 また、上記保護部材を板状基板で形成し、板状基板間に圧電共振子を挟んで張 りつけて一体化し、板状基板の外面に外部電極を形成し、板状基板の少なくとも 内面側に外部電極に接続する抵抗を設けることもできる。 さらに、上記空間を、板状基板に凹部を設けることにより形成し、この凹部に 抵抗を設けることができる。

【０００６】

【作用】

本考案に係る電子部品は、圧電基板の上下の両主面に対向した振動電極が設け られ、振動電極に導通して引出し電極が設けられてなる圧電共振子の、振動電極 の表面部に振動空間を形成して保護部材により圧電共振子を保護してこれらを一 体化し、この保護部材の外側に外部電極を形成し、保護部材の内面側に抵抗を形 成し、この抵抗を外部電極に接続して圧電共振子と並列に接続して構成する。こ の保護部材として、両端が開放した筒状のケース、箱状のケースと蓋体、又は板 状基板で構成し、保護部材の外部に外部電極を形成し、この外部電極に導通させ て抵抗を保護部材の少なくとも内側面に外部電極に接続するように設ける。保護 部材を筒状のケースで構成する場合に、圧電共振子をケースに収容し、開放した 両端を金属キャップで封鎖するとともに該金属キャップで外部電極を形成する。 保護部材を箱状のケースと蓋体で構成する場合に、蓋体の内面側に抵抗を設け、 圧電共振子を箱状のケースに収容し、開放端を蓋体で封鎖し、ケース外面に外部 電極を抵抗及び振動電極に導通させて形成する。また、保護部材を板状基板で構 成する場合は、板状基板の少なくとも内面側に抵抗を設け、板状基板間に圧電共 振子を挟んで張りつけて一体化し、板状基板の外面に抵抗及び振動電極に導通さ せて外部電極を形成する。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は、本考案の第１実施例による電子部品を説明するための断面図で、図４ の従来例と同一の部分には同一符号を付している。 本実施例の電子部品１は、短冊状の圧電共振子２を筒状の保護部材（円筒）３ 内に収容し、両開放端を金属製のキャップ４で密封するとともに、導電性接着剤 ５を塗布硬化させて、キャップ４で構成した外部電極と圧電共振子２の振動電極 ７とを引出し電極８を介して導通し、円筒内周面に形成した抵抗１０をキャップ ４に接続している。 円筒状の保護部材３は、アルミナ等のセラッミクスからなり、圧電共振子２を その内部に振動空間を保持して収容し、導電性接着剤５をキャップ４と引出し電 極８及び抵抗１０とが導通するように塗布し、キャップ４を開放端に被せて硬化 させ、圧電共振子２を密封するとともに電極を接続している。 本実施例では、キャップ４で外部電極を形成し、１つの部品で、図５に示すよ うなコルピッツ形発振回路で、点線で示すような回路を構成する。また、電子部 品の内蔵抵抗は内面に形成しているので、抵抗が断線する等の損傷がなくなり、 抵抗値を安定させることができる。

【０００８】 図２は、本考案の第２実施例による電子部品を説明するための断面図で、従来 例と同一の部分には同一符号を付している。 本実施例の電子部品１は、短冊状の圧電共振子２を箱状のケース１１及び蓋体 １２からなる保護部材３内に収容し、保護部材３両端部の表面に外部電極１３， １３を形成し、導電接着剤１４により、蓋体１２の内面側に形成した抵抗１５を 外部電極１３に接続するとともに、圧電共振子の引出し電極８とも導通させてい る。 ケース１１の内部には段部１６が設けられており、この段部１６からケース１ １の上端面に延びて内部電極１７，１７が設けられている。 上記のようにしてなるケース１１の段部１６に圧電共振子２を載置し、振動電 極７の周囲には振動空間１８を形成し、導電接着剤を接続部に塗布し、蓋体１２ を被せ、硬化させ外部電極１３と抵抗１５及び内部電極１７を接続する。

【０００９】 図３は、本考案の第３実施例による電子部品を説明するための分解斜視図であ る。 本実施例による電子部品１は、ほぼ矩形をした圧電共振子１９の上下面に、振 動空間を形成して板状基板（保護部材）２０，２０を積層し、接着して一体化し 、圧電共振子１９を封止し、外面に外部電極２２，２２を形成してなっている。 上記一方の板状基板２０の内面側に形成した抵抗２３を外部電極２２，２２に接 続している。 本実施例の圧電共振子１９は、矩形の圧電基板２４の上下面の中央部に基板２ ４を挟んで対向して振動電極２５が形成され、対向する辺側に引出し電極２６が 形成され、各振動電極２５と引出し電極２６とを接続してリード電極２７が設け られている。 この圧電共振子１９の上下面に積層する板状の板状基板２０の上記の振動電極 ２５に対向する部分には、振動空間を形成する凹部２１が形成されている。下側 に積層する板状基板２０の内側面には、抵抗２３が全面に形成されている。 本実施例における、振動空間は、圧電共振子１９と各板状基板２０，２０との 間に接着剤層を設け、この接着剤層の厚さにより形成してもよい。

【００１０】 上記抵抗は、内面側の全面に形成したものでも、一部に形成したものでもよい し、抵抗ペーストを塗布し焼き付けて形成しても、めっき、真空蒸着、スパッタ リング等により形成してもよく、厚膜又は薄膜形成によるとを問わない。抵抗の 幅、厚さ、材質等により抵抗値を変える。

【００１１】 本考案の電子部品によれば、抵抗を内面側に設けて内蔵させることにより、コ ルピッツ形発振回路を形成する複数の電子部品を一体化して１チップに形成して いるので、付加価値を高めることができ、小型になり、実装密度を高めることが でき、実装の生産性も向上することができる。抵抗を内面側に形成しているので 断線等により抵抗値が変わるのを防げる。

【００１２】 なお、上記実施例において抵抗のみを保護部材の内側に形成する例について説 明したが、保護部材として誘電性の材料を使用し電極をコンデンサを形成するよ うに形成してコンデンサと抵抗を内蔵した複合型の電子部品としてもよい。また 、圧電共振子も厚み縦振動、厚みすべり振動等その振動モードは問わないととも に、振動電極の構成も上記例に限らない。その他本考案は上記実施例に限られる ものではなく、要は少なくとも内側に形成された抵抗がある複合型の電子部品と するもであればよい。

【００１３】

【考案の効果】

上述のように本考案に係る電子部品によれば、圧電共振子の内側に抵抗を形成 して１チップにしているので、断線等により抵抗値が変わることを防げ、小型な 複合部品とすることができ、付加価値を高めることができ、実装密度を向上させ ることができる。また、コルピッツ形発振回路を容易に形成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る電子部品の第１実施例を説明する
ための断面図で、（ａ）は縦断面図、（ｂ）は（ａ）の
Ａ−Ａ線に沿う断面図である。

【図２】本考案に係る電子部品の第２実施例を説明する
ための分解斜視図である。

【図３】本考案に係る電子部品の第３実施例を説明する
ための分解斜視図である。

【図４】従来例を説明するための部分断面図である。

【図５】コルピッツ形発振回路の等価回路図である。

【符号の説明】

１ 電子部品 ２ 圧電共振子 ３ 円筒（保護部材） ４ キャップ（外部電極） ７ 振動電極 ８ 引出し電極 １０ 抵抗 １１ ケース １２ 蓋体 １３，２２ 外部電極 １５，２５ 抵抗 ２０ 保護部材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧電基板の上下の両主面に対向した振動
   電極が設けられ、該振動電極に導通して引出し電極が設
   けられてなる圧電共振子と、上記振動電極の表面に空間
   を形成して圧電共振子を保護する保護部材と、各引出し
   電極に導通した外部電極と、該外部電極に接続した抵抗
   とを備えてなる電子部品において、上記保護部材を両端
   が開放した筒状のケースで構成し、該ケースの少なくと
   も内周面に外部電極に接続する抵抗を設け、ケース内に
   圧電共振子を収容して開放した両端を金属キャップで封
   鎖するとともに該金属キャップで外部電極を形成したこ
   とを特徴とする電子部品。
2. 【請求項２】 請求項１の電子部品において、上記保護
   部材を箱状のケースと蓋体で構成し、該蓋体の少なくと
   も内面側に外部電極に接続する抵抗を設け、ケース内に
   圧電共振子を収容して蓋体でケースの開放端を封止し、
   ケースの外面に外部電極を形成したことを特徴とする電
   子部品。
3. 【請求項３】 請求項１の電子部品において、上記保護
   部材を板状基板で形成し、該板状基板の少なくとも内面
   側に外部電極に接続する抵抗を設け、板状基板間に圧電
   共振子を挟んで張りつけて一体化し、板状基板の外面に
   外部電極を形成したことを特徴とする電子部品。