JPH062818B2 - オルガノポリアリ−ルシランとその製造方法 - Google Patents

オルガノポリアリ−ルシランとその製造方法

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JPH062818B2 JP5139786A JP5139786A JPH062818B2 JP H062818 B2 JPH062818 B2 JP H062818B2 JP 5139786 A JP5139786 A JP 5139786A JP 5139786 A JP5139786 A JP 5139786A JP H062818 B2 JPH062818 B2 JP H062818B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は芳香環を主鎖中に含有するオルガノポリアリー
ルシラン、詳しくはポリシランとピッチとの共熱分解縮
合物とその製造方法に関する。
(従来の技術) ポリシランとは骨格がSi-Si結合により構成される化合
物であり、有機基を有するものは熱分解により骨格にSi
-C結合を有する重合体に変わり、さらに無機物であるSi
Cに転換することから、SiCの原料として用いられ、ま
た、ピッチは炭素材料の各種原料として用いられてい
る。
従来知られているオルガノポリシランなどの有機ケイ素
化合物からSiCを合成する方法の中に、いわゆる重合体
を合成してそれを焼成するという前駆体法がある。この
方法は、繊維、各種セラミックスのバインダー、フィル
ム、塗料、含浸剤の原料として有機ケイ素化合物を利用
する場合非常に有利な方法である。そのためにポリシラ
ン、あるいはポリシランを熱分解縮合させたポリカルボ
シランが合成され、例えばセラミックス・ブリティン(C
eram.Bull.)第62巻(1983年),899頁にポリシランにつ
いて、また特開昭51−126300号、同52−74000号、同52
−112700号、同54−61299号、同57−16029号および同58
−136626号各公報にポリシランを熱分解縮合させて得ら
れるポリカルボシランについて述べられている。これら
の有機ケイ素重合体即ちオルガノポリシランは主として
SiCより成る無機物の前駆体として用いられるが、その
場合必ず生成無機物中に過剰の炭素が残存する。この炭
素は得られた無機物の特性に重大な影響を及ぼすにもか
かわらず、従来これらの重合体を用いる場合、この炭素
量をあらゆる希望する値に制御することは不可能であっ
た。一方、ピッチを前駆体として得られる炭素材料は、
炭素繊維に代表されるように優れた特性を有するが耐空
気酸化性が低く、この欠点を改良するために、炭素とセ
ラミックスとの複合化が盛んに研究されている。
(発明が解決しようとする問題点) このような状況にもかかわらず、現在まで焼成により炭
素量が制御されたSiC−炭素複合材となる前駆体がなか
ったのは、ポリシランやポリカルボシランとピッチとが
相溶性に乏しいためであり、このような複合材の合成は
無機物の粉末を用いる方法に頼らざるを得なかった。
本発明者らは、上記の問題点を克服するために、鋭意研
究を行った結果、任意に制御された炭素量を有するSiC
−炭素複合材の前駆体を比較的短時間で高収率で合成で
きる方法を見出し本発明を完成した。
(問題点を解決するための手段) 本発明方法は、ポリシランと有機溶媒に可溶なピッチを
混合し、不活性雰囲気下で加熱して共熱分解縮合させる
ことを特徴とし、かゝる発明方法により、骨格部分が主
として芳香族縮合環構造よりなる芳香環セグメントと、
骨格部分が主としてカルボシランおよびポリシラン構造
よりなるオルガノシランセグメントとが、ケイ素−炭素
連結基を介してランダム結合してなり且つ有機溶媒に可
溶であることを特徴とするオルガノポリアリールシラン
が提供される。
以下に本発明をより詳細に説明する。
本発明方法において使用する出発原料の一つは、 なる構造を有するポリシランであるが、環状あるいは分
岐状ポリシランであってもよい。n≧2ならばよく、ま
た、R1およびR2は、それぞれ水素、ハロゲン、炭素数6
個までのアルキル基あるいは炭素数12個までのアリール
基であり、特に好適なポリシランは、R1およびR2の50%
以上がメチル基であるか、ポリシランの混合物を用いる
場合は、全てのR1およびR2の50%以上がメチル基である
ポリシランである。これらのポリシランは任意の公知方
法により合成される。
本発明方法において使用するもう一つの出発原料である
ピッチは、通常の石炭、石油等の有機物を熱分解した時
に得られる、芳香族縮合環を主に骨格としている固体あ
るいは半固体のもので、例えば石炭系ピッチや石油系ピ
ッチを用いることができる。ピッチは通常の有機溶媒、
例えばベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフ
ラン等に溶解するものが好ましい。勿論溶媒に不溶の成
分を含むピッチも用いることができるが、合成後生成し
た重合体から溶媒不溶の不純物を除去する際、溶媒に不
溶のピッチ中の成分から生成した溶媒不溶の生成物も不
純物と共に除去される。また後述する如く合成の収率が
この不溶成分により低下する。また、ピッチ類似物とし
て芳香族縮合環を有する化合物、例えば室温で液状のタ
ール等も用いることができる。また単離された芳香族化
合物も用いることができるが経済的ではない。
本発明方法においては、前記ポリシラン類の少なくとも
一種の100重量部に対して前記ピッチを2〜500重量部混
合し、その混合物を反応に対して不活性な雰囲気におい
て加熱して共熱分解縮合させる。
本発明方法の最も好ましい態様は、混合物を共熱分解縮
合させる方法として、液相と気相の両方で反応を行なわ
せることである。すなわち反応装置は液相で反応を行な
わせる反応容器と、反応容器中で生成した混合物の蒸気
および混合物の熱分解により生じた低沸点成分の蒸気
を、反応容器中の反応温度以上に保持又は加熱して気相
で反応を行なわせる反応塔より成り、反応塔を通過した
蒸気および生成物は冷却されて再び反応容器にもどされ
る。
すなわち本発明の製造方法においては、液相および気相
の両方で熱分解縮合を行なわせるために、反応が速やか
に進行すると同時に、従来のポリシランの熱分解縮合に
より行なわれていたポリカルボシランの合成の際の低分
子量の気相部分の存在による重合体の低収率という問題
を解決し、ピッチの添加量の少ない場合にも高収率でオ
ルガノポリアリールシラン重合体が得られる。
本発明方法においては、共熱分解縮合を反応に不活性な
ガス雰囲気下において行なうことが必要であり、例えば
窒素、アルゴン等が好適である。また反応は常圧のガス
気流下で行なうことが好ましく、温度上昇や反応中に生
成する例えば水素のようなガスによる圧力上昇を防ぐた
めの配慮が望まれる。
本発明方法における加熱温度は、反応容器中、すなわち
液相で反応する部分では300〜500℃であり、300℃以下
では原料の熱分解縮合がほとんど進行しないし、500℃
以上では生成物の熱分解やゲル化が起こり好ましくな
い。また反応塔の温度は300〜800℃であり、この温度は
原料の種類により異なり、ポリシランあるいはポリシラ
ンの熱分解物の沸点が低いもの程高くしなければならな
いが、一般に800℃以上では反応塔内で無機物が生成
し、300℃以下では冷却による還流が起こるだけで有効
な熱分解が起こらないばかりか、反応容器中の温度を低
下させてしまうので好ましくなく、少なくとも反応容器
中の温度以上に保つことが望ましい。
また、本発明方法における反応時間は通常所定の温度に
達してから1〜10時間の如き比較的短時間で完了する
が、原料によってはさらに長時間を要する場合がある。
以上のような共熱分解縮合により得られた重合体は溶媒
に溶かして濾過により不溶物を除去し、その後溶媒を除
去して精製することができ、必要ならば常圧あるいは減
圧下で低分子量成分を蒸留により除去するか、溶媒によ
り分別して分子量を調節することができる。
かくして得られる本発明オルガノポリアリールシランの
重要且つ新規な特徴は、本来相溶性に乏しいカルボシラ
ンやポリシラン骨格を有するオルガノシラン重合体セグ
メントと、芳香族縮合環を骨格とするピッチの芳香環セ
グメントとを、共熱分解縮合という方法で1分子中にラ
ンダム結合して包含させたことである。前述した如く、
ポリカルボシランやピッチは無機材料の有用な前駆体で
あるにもかかわらず、それぞれ欠点を有している。本発
明における重合体はそれぞれの欠点をカバーし、さらに
新しい機能を出現させる為に期待される。以下に本発明
方法の作用と共にそれにより得られる重合体について説
明する。
(作 用) 本発明方法の1つの出発原料であるポリシランは通常20
0℃以上で熱分解が始まり、低分子量のポリシラン類を
経てカルボシラン骨格を有する重合体へ変化する。この
熱分解は低分子量のポリシラン程高温で起こり、例えば
ヘキサメチルジシランでは約600℃を必要とする。一
方、ピッチは300〜400℃程度で芳香族化やその環数の増
加がみられる。従ってポリシランとピッチとを混合し加
熱した場合両者の熱分解温度が一致した時反応は進行す
る。その反応は分解により生成した中間物間の反応であ
るが、この反応はポリシランの熱分解物によって促進さ
れると考えられる。なぜならば、例えば石油系ピッチの
トルエン可溶分のみを400℃に加熱しても、芳香族化や
その環数の増加は起こるが、結局トルエン不溶分の増加
となりトルエン可溶分の分子量や環数の増加は起こって
いないのに対し、そこにポリシランが存在すると分子量
の増加および環数の増加が起こり、しかもトルエン不溶
分は殆んど生成しないからである。ただし、ポリシラン
100部に対してピッチを500重量部以上加えるとピッチの
みの重合により不溶分の生成が著しくなる。またピッチ
が2重量部以下では、ピッチ成分の縮合芳香環を含まな
いオルガノポリシラン重合体が生成しはじめるので、前
述した如くポリシラン100重量部に対してピッチは2〜5
00重量部の添加量が望ましい。
ポリシランの熱分解物のどの部分とピッチが反応するか
は、必ずしも明確ではないが、本発明の重合体とポリシ
ランのみの熱分解縮合物との赤外吸収スペクトルの比較
は、ポリシランの熱分解によって生成すべきSi-H結合の
量が本発明の重合体の方が少ないことを示し、従ってピ
ッチの存在しない時には なる反応が起きていたのに対しピッチ(Ar-H、Arは芳香
族縮合環)が存在すると なる反応が起こることを示唆する。ポリシランとの共熱
分解縮合ではピッチ部分の環数の増加が抑えられている
ことが紫外吸収スペクトルから明らかであり、本発明の
重合体がSi-Ar結合を形成しながら生成することがわか
った。しかし前述したようにポリシランは熱分解により
低沸点成分を多量に生成するし、またピッチ中にも低沸
点成分が含まれているので、本発明の共熱分解縮合は混
合物を加熱するだけではその速度が小さく、反応に長時
間を要するか、生成した低沸点成分への溶解性の違いか
ら不均一反応となったり、低沸点成分の除去により収率
が低下したりする。本発明方法の最も好ましい態様にお
いてはこのような低沸点成分も共熱分解縮合させるため
の、前述した反応塔を用いているために、上述の問題点
を完全に解決し、高温の反応塔で気相で反応を行なわ
せ、ある程度分子量が増加したものを液相の反応容器に
もどすことにより、あらゆる分子量のポリシランおよび
ピッチを原料として用いることに成功したものである。
次に本発明の重合体の構造について説明する。得られた
重合体の赤外吸収スペクトルはSi-CH2-Si結合(1020cm
-1)を示し、カルボシラン結合を有することを示す。ま
た核磁気共鳴スペクトルよりSi-Si結合すなわちポリシ
ラン結合の存在が示される。カルボシラン結合とポリシ
ラン結合を構成するケイ素原子比は反応温度によって決
まるが、カルボシラン結合を構成するケイ素原子が100
〜20%であり、反応温度が低いほど少なくなる。このカ
ルボシラン結合とポリシラン結合を主としてなる骨格部
分を有するオルガノシランセグメントの構造は環構造と
鎖状構造の混合した平面的な構造であることが粘度測定
から確認された。またこの部分の分子量はピッチの割合
が多くなるほど小さくなり、60〜10,000程度に変化す
る。たとえ60程度でも本発明の重合体の場合重要な意味
をもち、たとえばピッチ分子相互間の縮合によってピッ
チの分子量が増加し溶媒不溶となるのに対し、ピッチ分
子相互が例えば-SiMe2-によって架橋された構造である
と分子量は増加しても溶媒可溶のままである。
一方、本発明におけるピッチ成分から生成する重合体中
のセグメント骨格は赤外吸収スペクトルや核磁気共鳴ス
ペクトルから顕著な構造変化は認めらない。紫外吸収ス
ペクトルは、ピッチ成分の割合が多くなると、徐々に吸
収末端が長波長側へ移動し吸収強度も大きくなることか
ら、芳香族化やその環数の増加していることがわかっ
た。しかし上述したように、そのためにピッチのみの熱
分解縮合で起きたような溶媒不溶分の増加は見られず、
従ってポリシランの熱分解物との縮合が起こっているこ
とを示す。またポリシラン100重量部に対してピッチ200
重量部まではピッチ成分相互間の縮合は顕著ではない。
しかしながら、原料のピッチとして溶媒不溶の成分を含
むピッチを用いた場合、得られた重合体中にやはり溶媒
不溶分が生成し、なおかつ反応の収率は原料ピッチ中の
不溶分を差引いた以上に低下することから、この溶媒不
溶のピッチはポリシランの分解物と反応するが、その反
応によって溶媒不溶とはならないことを示し、本発明の
重合体を構成する芳香族セグメントは有機溶媒に可溶な
ピッチから誘導されたものであることは明らかである。
以上により本発明方法において得られる重合体の構造は
芳香族縮合環を主としてなる骨格部分を有する芳香環セ
グメントとカルボシランおよびポリシラン結合を主とし
てなる骨格部分を有するオルガノシランセグメントとが
ケイ素−炭素連結基を介して結合した構造であり、芳香
環セグメントは有機溶媒に可溶なピッチから誘導された
ものである。また本発明の重合体の数平均分子量は500
〜10,000好ましくは600〜4,000で、しかも非酸化性雰囲
気中で焼成した場合の残留率が高く、加熱により溶融
し、あるいは、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラ
ヒドロフラン等の溶媒に溶解するので前駆体法によるセ
ラミックス合成の前駆体として用いることができる。本
発明の重合体は、ピッチの有効利用、新しい機能を有す
るセラミックスの合成に有望である。
(実施例) 以下実施例によって本発明を説明する。
実施例1 ジクロロジメチルシランをキシレン中、金属Naで脱塩素
縮合させて得られたポリ(ジメチルシラン)に、石油系
ピッチのトルエン可溶分(数平均分子量320、炭素含有
量92.1%)を第1表に示す割合で混合し、反応塔の温度
を575℃とし、反応容器中の温度(反応温度)と反応時
間を、やはり第1表に示した各値として合成を行った。
反応終了後トルエン溶液として、濾過により不溶物を除
去し、その後300℃まで窒素雰囲気中で加熱して低分子
量成分を蒸留により除去し重合体を得た。
各々の重合体の収率、数平均分子量(n)、紫外吸収
スペクトルにおける300nmでの重合体1g当りの吸光係
数K300(/g・cm)、吸収末端λend(nm)および炭素含
有量を第1表に示す。また比較のためポリジメチルシラ
ンおよびピッチのみを反応させた結果についても示す。
また原料ピッチはK300=69、λend=630である。
上記第1表中、試料番号3、4、6および7の重合体の
分子構造は、それぞれ次式のように推定される。
[試料番号3] [試料番号4] [試料番号6] [試料番号7] 等はオルガノシランセグメントを表す。
実施例2 実施例1で用いたポリ(ジメチルシラン)70gとヘキサ
メチルジシラン10gに、実施例1で用いたピッチを20g
混合し、反応塔の温度を680℃として反応温度400℃で10
時間反応を行った。反応終了後トルエン溶液として濾過
により不溶物を除去し、その後300℃まで窒素雰囲気
中で加熱して低分子量成分を蒸留により除去し重合体を
65.0g得た。この重合体はn=1920、K300=25、λ
end=660で炭素含有量は55.2%であった。
実施例3 エチルメチルジクロロシランをキシレン中で金属Naで脱
塩素縮合させて得られたポリシラン50gに実施例1で用
いたピッチ50gを混合し、反応塔の温度を400℃とし、
反応温度400℃で5時間反応を行った。反応終了後ベン
ゼン溶液として濾過により不溶物を除去し、その後300
℃まで窒素雰囲気中で加熱して低分子量成分を蒸留によ
り除去し、重合体を81.1gを得た。この重合体はn=
920、K300=52、λend=720で炭素含有量は77.1%であ
った。
実施例4 実施例1で用いたポリ(ジメチルシラン)100gに石油
系ピッチ(炭素含有量94.5%、トルエン不溶分59.1%)
を第2表の割合で混合し、反応塔の温度を575℃として
5時間、第2表に示す反応器の温度で反応した。反応終
了後、トルエン溶液として濾過により不溶物を除去し、
その後300℃まで窒素雰囲気中で加熱して低分子量成分
を蒸留により除去し重合体を得た。結果を第2表に示
す。この結果は、本発明の重合体の芳香族縮合環を主と
してなる骨格部分が有機溶媒に可溶なピッチから誘導さ
れ、また有機溶媒に不溶なピッチは本発明の重合体の収
率を低下させ、ポリシランに対する混合量の少ない時に
のみ用いることができることを示すものである。
実施例5 ジクロロジメチルシランにジフェニルジクロロシランを
30mol%添加し、キシレン中で金属Naで脱塩素縮合させ
て得られたポリシラン20gに石炭系ピッチのトルエン可
溶分(数平均分子量280、炭素含有量91.5%)を80g混
合し、反応塔の温度を600℃とし、反応温度350℃で10時
間反応を行った。反応終了後トルエン溶液として濾過し
て不溶物を除去し、その後300℃まで窒素雰囲気中で加
熱して低分子量成分を蒸留により除去し重合体を72.1g
得た。この重合体はn=1830、K300=150、λend=79
0で炭素含有量は90.2%であった。
(発明の効果) 従来、ポリシランの熱分解により多量に生成する低沸点
成分およびピッチ中に含まれる低沸点分画がこの種の反
応収率を著しく低下させる要因となっていたのに対し、
本発明方法によれば、これら低沸点成分を気相で反応さ
せ、液相系へ還流させることにより、収率低下を防止し
得るから、頗る高収率を以って効率良く目的とするオル
ガノポリアリールシランを取得することができると共
に、あらゆる分子量のポリシランおよびピッチを原料と
して用いることに成功したものであり、ピッチの有効利
用に資する所大なるものがある。
また本発明方法においては、ポリシランとピッチそれぞ
れの熱分解生成物間の反応におけるポリシランの作用を
巧みに利用して、ピッチ成分の分子量や環数増加が生じ
ても、それを有機溶媒可溶性を失わない程度に抑制し得
るから、溶媒不溶分の生成が少なく、従って上述と同様
収率低下を防ぐことができる。
更に生成物である縮合芳香環含有のオルガノポリアリー
ルシランは、有機溶媒に可溶であると共に熱溶融性であ
り、且つ非酸化性雰囲気中で焼成しても残留率が高いた
め、炭素セラミックス複合体の前駆体として使用するこ
とができ、出発物質混合量等の適宜な選択により炭素量
を任意に制御し得るから、これを前駆体として製造した
最終製品には各種の新規機能と、用途分野開拓とが大き
く期待される。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】骨格部分が主として有機溶媒に可溶なピッ
    チから誘導された芳香族縮合環構造よりなる芳香環セグ
    メント2〜500重量部と骨格部分が主としてカルボシ
    ランおよび一般式、 〔但し上式中、n≧2の整数であり、またR1およびR
    2は、それぞれ水素、ハロゲン、炭素数6個までのアル
    キル基、あるいは炭素数12個までのアリール基を示
    す。〕 で表される主鎖構造を有する線状、環状または分岐状ポ
    リシラン構造よりなり、上記カルボシランのケイ素原子
    比が100〜20%で上記ポリシランのケイ素原子比が
    0〜80%であるオルガノシランセグメント100重量
    部とがケイ素−炭素連結基を介してランダム結合してな
    り、且つ500〜10,000の数平均分子量を有し有
    機溶媒に可溶であることを特徴とするオルガノポリアリ
    ールシラン。
  2. 【請求項2】前記有機溶媒が、ベンゼン、トルエン、キ
    シレンおよびテトラヒドロフランよりなる群から選ばれ
    た少なくとも1種の芳香族系溶媒である特許請求の範囲
    第1項記載のオルガノポリアリールシラン。
  3. 【請求項3】数平均分子量が600〜4,000である
    特許請求の範囲第1項または第2項記載のオルガノポリ
    アリールシラン。
  4. 【請求項4】ポリシランと有機溶媒に可溶なピッチとを
    混合し、不活性雰囲気下で加熱して共熱分解縮合させる
    ことを特徴とするオルガノポリアリールシランの製造方
    法。
  5. 【請求項5】ポリシランが一般式、 〔但し上式中、n≧2の整数であり、またR1およびR
    2は、それぞれ水素、ハロゲン、炭素数6個までのアル
    キル基、あるいは炭素数12個までのアリール基を示
    す。〕 で表される主鎖構造を有する線状、環状または分岐状重
    合体である特許請求の範囲第4項記載のオルガノポリア
    リールシランの製造方法。
  6. 【請求項6】前記ポリシランは、そのR1およびR2の少な
    くとも50%がメチル基である特許請求の範囲第5項記
    載のオルガノポリアリールシランの製造方法。
  7. 【請求項7】ポリシラン100重量部に対してピッチを
    2〜500重量部混合する特許請求の範囲第4項乃至第
    6項の何れかに記載のオルガノポリアリールシランの製
    造方法。
  8. 【請求項8】共熱分解縮合反応が液相と気相の両相で行
    われる特許請求の範囲第4項乃至第7項の何れかに記載
    のオルガノポリアリールシランの製造方法。
  9. 【請求項9】前記液相反応を300〜500℃で、また
    気相反応を300〜800℃で行う特許請求の範囲第8
    項記載のオルガノポリアリールシランの製造方法。
  10. 【請求項10】共熱分解縮合反応を常圧で行う特許請求
    の範囲第4項乃至第9項の何れかに記載のオルガノポリ
    アリールシランの製造方法。
  11. 【請求項11】前記有機溶媒が、ベンゼン、トルエン、
    キシレンおよびテトラヒドロフランよりなる群から選ば
    れた少なくとも1種の芳香族系溶媒である特許請求の範
    囲第4項乃至第10項の何れかに記載のオルガノポリア
    リールシランの製造方法。
JP5139786A 1986-03-11 1986-03-11 オルガノポリアリ−ルシランとその製造方法 Expired - Lifetime JPH062818B2 (ja)

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