JP2609323B2 - 高性能ケイ素系セラミック繊維の製造方法 - Google Patents
高性能ケイ素系セラミック繊維の製造方法Info
- Publication number
- JP2609323B2 JP2609323B2 JP1081304A JP8130489A JP2609323B2 JP 2609323 B2 JP2609323 B2 JP 2609323B2 JP 1081304 A JP1081304 A JP 1081304A JP 8130489 A JP8130489 A JP 8130489A JP 2609323 B2 JP2609323 B2 JP 2609323B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- organosilicon polymer
- heated
- gpa
- air
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Inorganic Fibers (AREA)
- Ceramic Products (AREA)
Description
後、直ちに空気中に曝さずに非酸化性雰囲気下で熱処理
して低酸素濃度の不融化有機ケイ素ポリマー繊維に転化
することにより、高性能ケイ素系セラミック繊維を製造
する方法に関する。
化による不融化あるいは放射線照射による不融化を行
い、更に高温焼成によりセラミックス化するケイ素系セ
ラミック繊維の製造方法である。
ケイ素ポリマー中に10wt%以上の酸素が導入され、セラ
ミックス化により得られたケイ素系セラミック繊維中に
大量の酸化物が存在し、セラミック繊維を1300℃以上の
高温で焼成するとその酸化物と熱分解炭素が反応し、CO
ガスが放出され、セラミック繊維の結晶構造や繊維組織
の変化が起こり、急激に機械的特性の低下をもたらす。
特に1500℃以上では引張強度がほとんどゼロになる。又
放射線照射の不融化においても、有機ケイ素ポリマーは
架橋されるが各種のラジカルが生成し、照射後も安定に
存在し、空気中に曝された場合、酸素と直ちに反応し、
3wt%以上の酸素が有機ケイ素ポリマー繊維に導入さ
れ、焼成によりセラミック化した場合に,5wt%以上の酸
素がセラック繊維中に酸化物として存在し、1300℃以上
の高温で、熱酸化不融化の場合と比較して急激ではない
が、徐々に強度低下をもたらす。
後直ちに空気中に曝さずに150−500℃の不活性ガス雰囲
気中で焼成することにより、ラジカルを減少させ、不活
性ガス雰囲気中でセラミック化させることにより1300℃
以上の高温でも強度、ヤング率の低下が観測されない超
耐環境性、高性能セラミック繊維の製造方法である。
イ素ポリマー繊維を非酸化性雰囲気中で放射線架橋させ
後、150−500℃の非酸化性雰囲気中で熱処理することに
より、ラジカルを減少させるとともに低酸素濃度の不融
化有機ケイ素ポリマー繊維に転化し、この不融化有機ケ
イ素ポリマー繊維を不活性雰囲気中で焼成してセラミッ
ク化する高性能ケイ素系セラミック繊維を製造する方法
において、前記有機ケイ素ポリマー繊維を放射線架橋さ
せ後、直ちに空気中に曝さずに非酸化性雰囲気中で熱処
理する方法である。
ス基複合材料の強化繊維として最も期待される。
れた後、500℃までの加熱では、そのほとんどが有機物
の状態で残る。厳密には、400℃を越えた温度から徐々
にセラミック化(無機化)が起こり、500℃から急速に
セラミック化が進行する。一方、放射線照射で不融化し
たポリマー繊維には、照射後に大量の反応性種(ラジカ
ル)が存在しており、真空中または不活性ガス中では20
0℃までは安定である。しかし、このラジカルは空気に
触れると直ちに反応して酸素を多量に取り込む。そこ
で、放射線照射した後、空気に触れさせずに500℃まで
加熱すると、ラジカルは全て消滅してしまい、空気中に
取り出しても酸化反応が起こらなくなる。
する技術においては重要である。放射線を照射すると
き、ポリマー繊維は金属薄板等の支持具に取り付けられ
て加熱されるが、これをそのまま1,000℃の高温まで加
熱することはできない。500℃までの加熱処理で安定化
処理を行い、その後支持具をセラミック製のものに交換
して1,000−1,200℃に加熱して炭化ケイ素繊維に転換す
ることが現実的な製造技術である。
00gとを入れ、窒素ガス気流下でキシレンの沸点まで加
熱し、ジメチルジクロロシラン1を1時間で滴下し
た。滴下終了後、10時間加熱還流し沈殿物を生成させ
た。この沈殿を過し、まずメタノールで洗浄した後、
水で洗浄して、白色粉末のポリジメチルシラン420gを得
た。このポリジメチルシラン250gに、ジフェニルジクロ
ロシラン759gとホウ酸124gを窒素ガス雰囲気下、n−ブ
チルエーテル中、100〜120℃の温度で加熱し、生成した
白色樹脂状物を、さらに真空中400℃で1時間加熱する
ことによって得られたポリボロジフェニルシロキサン8.
27gを添加混合し、還流管を備えた2の石英管中で370
℃まで加熱し6時間重合し、シロキサン結合を一部含む
ポリカルボシランを得た。室温で放冷後ベンゼンを加え
て溶液として取り出し過後、ベンゼンを蒸発させ、14
0gの固体状ポリカルボシランを得た。このポリカルボシ
ランを紡糸装置を用いて335℃に加熱溶融して、300μm
の口金より、500m/minの紡糸速度で空気中で溶融紡糸し
て直径13μの繊維を得た。この繊維を真空中、10MGy電
子線照射を行った。照射後真空中250℃で加熱し、Ar気
流中、室温から1300℃まで100℃/hの速度で昇温し、120
0℃で1時間保持した後室温まで除冷して1wt%以下の酸
素濃度のSiC系繊維を得た。得られた繊維の引張強度は
3.0GPa、ヤング率は200GPaであった。又半導体的特性を
有していたこの繊維を1500℃、1700℃で焼成して徐冷
後、室温で引張試験を行ったが強度の低下は観測されな
かった。しかしヤング率は230,250GPaと向上した。
0gを還流冷却器を備えた3の反応容器に入れる。窒素
気流下で撹拌しながら容器内が450℃になるように徐々
に加熱し、450℃で15時間保持し、反応を行う。冷却
後、反応生成物をキシレン溶液として取り出し、濾過後
140℃に加熱してキシレンを蒸発させ、162gの固体状の
数平均分子量2000のポリカルボシランを得た。このポリ
カルボシランを紡糸装置を用いて、窒素気流中約260℃
に加熱溶融して、300μmの口金より、空気中へ溶融紡
糸する。このポリカルボシラン繊維をHe気流中5MGyの電
子線照射後、He気流中200℃で加熱し、Ar気流中室温か
ら1200℃まで100℃/hの速度で昇温し、1200℃で1時間
保持した後、室温まで徐冷して1wt%以下の酸素濃度のS
iC系繊維を得た。得られた繊維の引張強度は3.5GPa、ヤ
ング率は220GPaであった。この繊維は1500℃でも耐熱、
耐酸化性があり、強度、ヤング率の低下は観測されなか
った。又1700℃でも耐熱性があり、強度の低下はない
が、ヤング率は270GPaであった。さらに1700℃で10時間
放置した後でも繊維の低下は観測されなかった。
た循環式反応装置に、装置内を窒素ガスで置換した後、
テトラメチルシラン100gを入れ、電気炉を加熱し反応筒
が770℃になった後、テトラメチルシラン蒸気(テトラ
メチルシランの沸点は27℃であり、蒸気圧は室温で十分
に高い)を循環ポンプにて繰返し反応筒中へ流し、24時
間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、捕集用
フラスコ内の液状生成物をn−ヘキサン溶液として取り
出し、濾過した後減圧蒸留により、200℃/1mmHgの沸点
までの低分子量成分を除去し、6.8gの赤褐色固体状の数
平均分子量1500のポリカルボシランを得た。
中約260℃に加熱溶融して、300μmの口金より、空気中
へ紡糸する。この時の紡糸速度は150m/minで、得られた
繊維の直径は22μmである。このポリカルボシラン繊維
を真空中20MGyの電子線照射後、He気流中250℃で加熱
し、Ar気流中、室温から1200℃まで100℃/hの速度で昇
温し、1200℃で1時間保持した後、室温まで徐冷して1w
t%以下の酸素濃度のSiC系繊維を得た。得られた繊維を
引張強度は2.7GPa,ヤング率は200GPaであった。この繊
維を1500℃,1700℃で焼成して徐冷後、室温で強度、ヤ
ング率を測定したところ3.0GPa,220GPa,2.7GPa,260GPa
であった。1500℃で100時間、空気中、Ar中で焼成して
も特性の低下は観測されなかった。
ム400gとを入れ、窒素ガス気流下でキシレンの沸点まで
加熱し、ジメチルジクロロシラン1を1時間で滴下し
た。滴下終了後、10時間加熱還流し沈澱物を生成させ
た。この沈澱を濾過し、まずメタノールで洗浄した後、
水で洗浄して、白色粉末のポリジメチルシラン420gを得
た。こうして得られたポリジメチルシラン250gを容量が
1の誘導回転式オートクレーブに入れ真空ポンプで脱
気後1気圧のアルゴンガスを封入する。撹拌しながら、
容器内の温度が470℃になるように加熱し、470℃で14時
間保持する。反応終了後、容器内の圧力は約105kg/cm2
である。その後、室温まで冷却し反応生成物をn−ヘキ
サン溶液として取り出し、濾過後、減圧蒸留によって28
0℃/1mmHgまでの沸点を有する低分子量生成物を除去
し、147gの淡褐色固体状の数平均分子量1800のポリカル
ボシランを得た。
中約330℃に加熱溶融して、300μmの口金より、空気中
へ紡糸する、その時の紡糸速度は500m/minで得られた繊
維の直径は18μmである。この繊維に0.49MPaの張力を
作用させながらHe気流中、5.0MGyの電子線を照射させ
た。その後He中、200℃で焼成した後、Ar気流中1200℃
まで1.0MPaの張力を作用させながら焼成した。室温まで
徐冷した後、引張試験を行った。得られた繊維の強度は
3.7GPa、ヤング率は230GPa、又酸素濃度は1wt%以下で
あった。1700℃においても引張強度の低下は観測され
ず、ヤング率は280GPaに向上した。
に真空封入し、1.0×108Rのγ線を照射した。照射後、
その繊維を空気中に曝さずに真空中で250℃まで加熱し
た。しかる後にAr気流中、1500℃まで焼成して酸素濃度
1wt%以下で、引張強度3.0GPa、ヤング率2.5GPaのSiC系
繊維を得た。この繊維を1700℃でAr中、空気中いずれの
雰囲気で熱処理を行っても、強度の低下は観測されなか
った。
MGyの電子線を照射させた。その後、He中、300℃で焼成
し、Ar気流中1200℃、2.0MPaの張力を作用させながら焼
成し、セラミックス化した。得られたSiC繊維の引張強
度4.0GPa、ヤング率250GPa、酸素濃度は1wt%以下であ
った。1500℃,1700℃で空気中、不活性ガス雰囲気中で
熱処理を行っても特性の低下は観測されなかった。
Claims (1)
- 【請求項1】有機ケイ素ポリマーを熔融紡糸して得た有
機ケイ素ポリマー繊維を非酸化性雰囲気中で放射線架橋
させ後、150−500℃の非酸化性雰囲気中で熱処理するこ
とにより、ラジカルを減少させるとともに低酸素濃度の
不融化有機ケイ素ポリマー繊維に転化し、この不融化有
機ケイ素ポリマー繊維を不活性雰囲気中で焼成してセラ
ミック化することにより高性能ケイ素系セラミック繊維
を製造する方法において、 前記有機ケイ素ポリマー繊維を放射線架橋させ後、直ち
に空気中に曝さずに非酸化性雰囲気中で熱処理すること
を特徴とする方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1081304A JP2609323B2 (ja) | 1989-03-31 | 1989-03-31 | 高性能ケイ素系セラミック繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1081304A JP2609323B2 (ja) | 1989-03-31 | 1989-03-31 | 高性能ケイ素系セラミック繊維の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02259114A JPH02259114A (ja) | 1990-10-19 |
JP2609323B2 true JP2609323B2 (ja) | 1997-05-14 |
Family
ID=13742652
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1081304A Expired - Lifetime JP2609323B2 (ja) | 1989-03-31 | 1989-03-31 | 高性能ケイ素系セラミック繊維の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2609323B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2525286B2 (ja) * | 1990-11-26 | 1996-08-14 | 日本原子力研究所 | 超耐熱性炭化ケイ素繊維の製造方法 |
JP7122833B2 (ja) * | 2018-02-08 | 2022-08-22 | 株式会社Ihiエアロスペース | 炭化ケイ素繊維の製造方法 |
CN114773043B (zh) * | 2022-04-11 | 2023-03-17 | 河北新玻尔瓷业有限公司 | 一种高强度陶瓷材料及加工工艺和高强度陶瓷砖 |
CN115595690B (zh) * | 2022-11-01 | 2024-07-02 | 福建立亚新材有限公司 | 一种低成本高强高模连续碳化硅纤维的制备方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5299319A (en) * | 1976-02-14 | 1977-08-20 | Kanebo Ltd | Production of continuous silicon carbide fiber |
JPH0685066B2 (ja) * | 1985-07-12 | 1994-10-26 | コニカ株式会社 | 写真感光材料 |
-
1989
- 1989-03-31 JP JP1081304A patent/JP2609323B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02259114A (ja) | 1990-10-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4283376A (en) | Method of producing silicon carbide fibers | |
JPS6046131B2 (ja) | ポリカルボシランの製造法 | |
EP0021844B1 (en) | Continuous inorganic fibers and process for their production | |
US4399232A (en) | Continuous inorganic fibers and process for production thereof | |
JPS6353293B2 (ja) | ||
JPH0541727B2 (ja) | ||
US4663229A (en) | Continuous inorganic fibers and process for production thereof | |
CN106521710A (zh) | 一种含钛硼碳化硅基陶瓷纤维的制备方法 | |
JPH09100174A (ja) | セラミック複合材、プレプレグ及び繊維強化セラミックマトリックス複合材の形成方法 | |
JP2609323B2 (ja) | 高性能ケイ素系セラミック繊維の製造方法 | |
US4954461A (en) | High purity and high strength inorganic silicon nitride continuous fiber | |
JP2525286B2 (ja) | 超耐熱性炭化ケイ素繊維の製造方法 | |
JP2003113537A (ja) | 窒化ホウ素層を繊維表面に有する炭化珪素繊維及びその製造方法 | |
JP2904501B2 (ja) | 放射線照射による高性質ケイ素系セラミック繊維の製造方法 | |
US4824918A (en) | Method of producing silicon carbide preceramic vinyl-containing polymers | |
JP2963021B2 (ja) | 炭化ケイ素繊維の製造方法 | |
CA1121971A (en) | Method for preparing silicon carbide | |
WO1987005612A1 (en) | Organopolyarylsilane, process for its production, and fibers prepared therefrom | |
JP2817955B2 (ja) | 高温特性に優れた炭化ケイ素系繊維の製造方法 | |
Clade et al. | A new type of precursor for fibers in the system Si–C | |
JP3279144B2 (ja) | 高耐熱性セラミックス繊維及びその製造方法 | |
JPH0737684B2 (ja) | SiC−C系連続無機繊維およびその製造方法 | |
JPS6249299B2 (ja) | ||
JPH02258870A (ja) | ポリカルボシランの処理方法、それより得られる生成物並びに特に繊維状の炭化けい素セラミック製品の製造への上記処理の使用 | |
JP3381589B2 (ja) | 結晶性炭化ケイ素繊維及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100213 Year of fee payment: 13 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100213 Year of fee payment: 13 |