JPH06281751A - 発光指針 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 時計等に使用される軽量化発光指針の提供。 【構成】 指針本体指針部の裏面を、その指針部の肉厚
が薄くなるように、抉り部を設けた。 【効果】 軽量化によりバランス性がよく、しかもムー
ブメントの小型化に対応できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、駅舎又はそのプラッ
トホーム等の天井に吊設又は壁柱に設置される大型掛時
計に組込み使用するに適した発光指針構造に関するもの
である。

【０００２】駅舎又はプラットホーム等の天井に吊設さ
れる従来の掛時計の概略構造としては、例えば図１に示
すようなものがある。

【０００３】すなわち駅構内のプラットホーム等におい
て吊設されている一般的な掛時計は、昼夜問わず、その
時計表示を見ることができるように、図１に示すよう
に、その時計文字板１を透過光可能な板材で構成すると
共に、その文字板１の裏側には、上記文字板を透過照明
せしめるための照明器具２を設備して、昼夜において
は、上記文字板と指針３による時計表示つまり時刻は、
外光からの反射光で目視し、また夜間にあっては、時計
内部に設備されている照明器具を点灯させ、この照明器
具２からの照明で文字板を透過照明せしめて時計を認識
することができるようになっているものである。

【０００４】なお４は時計ムーブメント、５は表示板１
及び指針３の前方に位置されている透明なる時計カバー
を示す。

【０００５】ところが、かかる従来構造の掛時計にあっ
ては、夜間時において、上記文字板１及び指針３を透過
照明せしめるための照明器具を時計内に設備しなければ
ならないことから、時計本体が大型化されてしまうこと
は勿論のこと、この照明器具を動作せしめるための給電
設備が必要となって、設備費が嵩む、さらには、上記時
計の長期使用によって照明球の切れが生じて、その都
度、新たな照明球と交換しなければならず、交換作業の
手間と煩わしさを生じるという問題があった。

【０００６】そこでこの問題点を解消するために、本出
願人は、内部光源を用いることなく、外光のみで有効な
発光表示させることができる発光表示板及び発光指針の
開発を進めており、例えば図２、図３に示すように、蛍
光物質を混入した透明樹脂により平行厚さの指針本体６
を形成し、さらにこの指針本体６の裏面に反射層７を形
成して、外光を受けることで指針本体内部の蛍光物質を
二次発光させ、さらにこの二次発光を反射層で反射せし
めて、指針全体を外光により発光表示せしめる構造の指
針を提供している。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところが、かかる構造
の指針にあっては、指針本体６の端面８が起立面に形成
されていることから、その指針本体６の表面から入射さ
れた光の約４０％がその端面８から漏光されてしまい反
射層７での反射光量が少ないために、輝度に欠けるとい
う問題点があった。また従来の指針本体６にあっては、
その回動バランスを良くするために、例えば図２に示す
ようなバランサー９を指針本体の尾端部に取付ける必要
が生じて、生産性、経済性に欠けるという問題点もあっ
た。

【０００８】本発明は、かかる欠点に着目してなされた
もので、指針本体の表面より、その内部に入射された光
が、指針本体の裏面に形成されている反射層によって効
率良く反射させ、発光輝度を高め得る構造（形状）とな
すと共に、指針のバランス向上をも可能ならしめる指針
本体形状を提供するものである。

【０００９】

【実施例】以下に本発明を図面に示す実施例に基いて詳
細に説明する。

【００１０】図４乃至図６は、本実施例よりなる発光指
針形状を示すものであって、１１は蛍光物質を混入した
透明樹脂材料で形成した指針本体であって、この指針本
体１１の表面形状は、その周面が直線的な起立面となら
ないようにするため、その表面から、周面にかけて曲面
で形成したものである。またこの指針本体１１の裏面、
すなわち、指針本体１１に設けられている指針軸取付孔
１２から、指針先端部１３に亘る指針部１４の裏面に
は、その指針部の軸方向中央に沿って円弧状に湾曲する
抉り部１５を形成する。さらにその指針本体１１の裏面
全体には、その抉り部１５を含めて、例えばアルミ蒸着
あるいは白色塗料等による反射層１６が形成されている
ものである。

【００１１】この実施例のように、指針本体１１の表面
を曲面に形成し、さらにその裏面の指針部１４中央に抉
り部１５を設けてこの抉り部１５を含む指針本体１１の
裏面全体に反射層１６を設けたことにより、該指針本体
１１の表面より指針内部へ導入された光は、その指針本
体１１内部に混入されている蛍光物質１７を発光させ、
さらにこの蛍光物質による二次発光の一部は、直接に反
射層１６に反射されて指針本体１１の表面より放射さ
れ、また上記二次発光の他部は指針本体の表面によって
屈折され、反射層１６により間接的に反射されるもので
ある。

【００１２】このように、本実施例の指針本体形状にあ
っては、その指針部１４の裏側軸線中央部が抉られてい
ることから、その指針部１４が軽量化されるために、例
えば従来では指針本体のバランスを保たせるため、例え
ば図２の従来例で示す如く指針本体の尾端部に取付けて
いたバランサー９の取付作業が不要となり、さらには指
針本体の駆動量の小さいムーブメントの使用が可能であ
ることから経済性が大幅に向上されるものである。

【００１３】なお図８は、指針本体１１における指針部
１４の裏側全面が湾曲する抉り部１５を形成してその指
針部１４の縦断面形状が略三日月形状となるように形成
した本発明の他の実施例である。

【００１４】従ってこの実施例によれば、指針本体指針
部の周縁に高輝度の輝きが生じ、かつその指針部中央
は、質感を有する輝きとなって高品質の発光指針が得ら
れる。

【００１５】

【発明の効果】以上のように本発明は、蛍光物質１７を
混入した透明樹脂により形成され、かつ表面から、周側
面にかけて曲面となしさらに裏面全体に反射層１６が施
された発光指針において、該発光指針に設けた指針軸取
付孔１２より指針先端１３にかけて形成される指針部１
４の裏面に、その指針部１４の肉厚を薄くし軽量化する
と共に指針全体のアンバランス補正量を少なくするため
の抉り部１５を形成した発光指針であるから、これによ
れば、従来例では指針本体のバランスを保たせるため行
なっていたバランサーの取付け作業が不要となり、さら
には指針本体の軽量化によって、駆動力の小さいムーブ
メントの使用が可能であって経済性に優れた発光指針が
提供できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】発光指針を使用する時計の説明図。

【図２】従来の発光指針の縦断面説明図。

【図３】従来の発光指針の横断面拡大説明図。

【図４】本発明実施例の発光指針の平面図。

【図５】本発明の実施例の発光指針の縦断面図。

【図６】本発明実施例の発光指針の裏側斜視図。

【図７】図６におけるＡ−Ａ線断面拡大図。

【図８】本発明の他の実施例を示した夫々の横断面図。

【符号の説明】

１１…指針本体 １２…指針軸取付孔 １３…指針先端部 １４…指針部 １５…抉り部 １６…反射層 １７…発光物質

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 蛍光物質（１７）を混入した透明樹脂に
   より形成され、かつ表面から、周側面にかけて曲面とな
   しさらに裏面全体に反射層（１６）が施された発光指針
   において、該発光指針に設けた指針軸取付孔（１２）よ
   り指針先端（１３）にかけて形成される指針部（１４）
   の裏面に、その指針部（１４）の肉厚を薄くし軽量化す
   ると共に指針全体のアンバランス補正量を少なくするた
   めの抉り部（１５）を形成したことを特徴とする発光指
   針。