JPH06281383A - プレート式熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 伝熱プレートにガスケットを簡単、かつ、確
実に固定することができるプレート式熱交換器を提供す
る。 【構成】 複数枚の伝熱プレートをその周縁部の全周に
亘って設けたガスケット溝４に装着したガスケット５を
介して積層してなるプレート式熱交換器において、ガス
ケット溝に嵌装されるガスケット本体１３の側面に適宜
の間隔をおいて係止片４４を一体に突設したガスケット
と、伝熱プレートのガスケット溝に近接した非接液側の
適所にガスケットの係止片４４に対応させて配置固定さ
れ、かつ、ガスケットの係止片と係合可能な固定片４５
とからなり、ガスケットの係止片を固定片に係脱可能に
係止させたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、接着剤を使用すること
なく伝熱プレートにガスケットを装着可能なプレート式
熱交換器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、プレート式熱交換器は、図５に
示すように、伝熱面（１）の四隅に流体通路孔（２）を
設けた伝熱プレート（３）を、その周縁部の全周に亘っ
て設けたガスケット溝（４）に嵌装したガスケット
（５）を介して交互に上下に反転させて所要枚数積層
し、その隣接する伝熱プレート（３）間に異種の熱媒体
が流れる第１流路と第２流路とを交互に配置したもので
ある。

【０００３】ところで、従来、接着剤を使用しないで伝
熱プレート（３）にガスケット（５）を固定するプレー
ト式熱交換器としては、特表昭60-501568号公報、特開
昭64-28495号公報及び特公昭63-56477号公報に記載のも
のがあり、これを図６乃至図12に示す。

【０００４】第１の従来例は、図６及び図７に示すよう
に、伝熱プレート（３）のガスケット溝（４）の外周縁
を波形状に形成して、凹部（11）と固定壁部（12）とを
交互に設けると共に、ガスケット溝（４）に嵌装される
ガスケット本体（13）の外周側面に、両側に伝熱プレー
ト（３）の固定壁部（12）の下方に潜入係止する係止片
（14）（14）を櫛状に設けた突出片（15）を一体に突設
したもので、伝熱プレート（３）のガスケット溝（４）
にガスケット本体（13）を嵌装し、かつ、その突出片
（15）を伝熱プレート（３）の凹部（11）に嵌め込むと
同時に、係止片（14）（14）を外周縁の固定壁部（12）
の下方に潜入係止させて、伝熱プレート（３）にガスケ
ット（５）を固定するようにしたものである。

【０００５】また、第２の従来例は、図８に示すよう
に、ガスケット本体（13）の外周側面に突出片（21）を
適宜の間隔で形成し、かつ、この突出片（21）を伝熱プ
レート（３）の外周端縁部（3a）の表面に重ね合せると
共に、断面コ字形状のクリップ（22）により、重ね合せ
た外周端縁部（3a）と突出片（21）とを挾持固定するよ
うにしたものである。

【０００６】第３の従来例は、図９に示すように、上記
第２の従来例の突出片（21）及び伝熱プレート（３）の
外周端縁部（3a）に貫通孔（26）（27）を対応させて形
成し、この貫通孔（26）（27）に固定ピン（28）を貫通
して伝熱プレート（３）にガスケット（５）を固定する
ようにしたものである。

【０００７】第４の従来例は、図10乃至図12に示すよう
に、ガスケット本体（13）の外周側面に、下面に突起
（31）を突設した突出片（32）を適宜の間隔に設けると
共に、伝熱プレート（３）の外周端縁部（3a）に上記突
出片（32）の突起（31）に対応させて貫通孔（33）を形
成し、この貫通孔（33）に突出片（32）の突起（31）を
貫通係止させることにより伝熱プレート（３）にガスケ
ット（５）を固定するようにしたものである。

【０００８】上記ガスケット本体（13）は、図５に示す
ように、伝熱面（１）の流体流路をシールする流路ガス
ケット部（16）と伝熱プレート（３）の一側縁両端隅部
の所定の流体通路孔（２）をシールする通路孔ガスケッ
ト部（17）とで構成されており、所定の流体通路孔
（２）と流体流路とを流路ガスケット部（16）の通路孔
側シール部（18）と通路孔ガスケット部（17）の流路側
シール部（19）とでシールして２重シール部（20）を形
成したものである。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】第１及び第２の従来例
は、ガスケット（５）の突出片（15）（21）を、突出片
（15）に一体に設けた係止片（14）（14）もしくはクリ
ップ（22）で伝熱プレート（３）の外周端縁部（3a）に
係止固定する構造であるため、ガスケット本体（13）と
その係止固定部分との距離が大きくなって、ガスケット
本体（13）を伝熱プレート（３）に固定するための固定
力が小さくなる。このためガスケット本体（13）をガス
ケット溝（４）内に確実に位置決め固定することが困難
で、ガスケット（５）が位置ずれしやすく、シール性能
が低下するという問題があった。また、伝熱プレート
（３）が大型になると、２重シール部（20）を構成する
流路ガスケット部（16）の通路孔側シール部（18）を固
定することが必要であるが、２重シール部（20）には外
周端縁部（3a）が存在しないため、２重シール部（20）
の固定には、第１及び第２の従来例は適用できなかっ
た。

【００１０】第３及び第４従来例は、伝熱プレート
（３）に貫通孔（27）（33）を形成しなければならない
ため、別途に孔明け加工用の設備並びに孔明け工程を必
要とし、作業性が悪いと共に、製作コストが高くつくと
いう問題があった。また、流路ガスケット部（16）の通
路孔側シール部（18）を固定するためには、２重シール
部（20）に貫通孔（27）（33）を形成しなければならな
いが、貫通孔（27）（33）を設けると、交互に配置され
た第１流路と第２流路を流れる２種の熱媒体が混合し、
２重シール部（20）には適用できなかった。

【００１１】本発明は、上記問題点に鑑み提案されたも
ので、伝熱プレートにガスケットを簡単、かつ、確実に
固定することができるプレート式熱交換器を提供するこ
とを目的としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、複数枚の伝熱プレートをその周縁部の全
周に亘って設けたガスケット溝に嵌装固定したガスケッ
トを介して積層してなるプレート式熱交換器において、
上記ガスケット溝に嵌装されるガスケット本体の側面に
適宜の間隔をおいて係止片を一体に突設したガスケット
と、伝熱プレートのガスケット溝に近接した非接液側の
適所にガスケットの係止片に対応させて配置固定され、
かつ、ガスケットの係止片と係合可能な固定片とからな
り、上記ガスケットの係止片を固定片に係脱可能に係止
させたものである。

【００１３】

【作用】ガスケット本体の係止片と伝熱プレートの適所
に配置固定された固定片とを近接させることができ、ガ
スケットを固定するのに十分な固定力を得ることができ
ると共に、２重シール部にも適用することが可能であ
る。

【００１４】

【実施例】以下本発明に係るプレート式熱交換器の実施
例を図１乃至図４を参照しながら説明すると次の通りで
ある。尚、図５乃至図12に示したものと同一物には同一
符号を付して説明を省略する。

【００１５】［実施例１］

【００１６】図１及び図２に示すように、伝熱プレート
（３）のガスケット溝（４）より外側の非接液側の外周
端縁部（3a）に、ガスケット溝（４）に開口する凹状の
ガスケット固定溝（41）を適宜の間隔をおいて形成す
る。上記ガスケット本体（13）の非接液側に位置する外
周側面（42）に、先部に断面Ｌ字形状の係止突起（43）
を外側方向に向けて突出形成した係止片（44）を伝熱プ
レート（３）のガスケット固定溝（41）に対応させて、
かつ、ガスケット溝（41）内の底面にそって配置可能に
一体に突設する。上記伝熱プレート（３）のガスケット
固定溝（41）内の外側部分で、かつ、ガスケット溝（4
1）の近接位置には、ガスケット本体（13）を伝熱プレ
ート（３）に固定するための固定片（45）を配置固定し
てある。上記固定片（45）は、先部に上記ガスケット
（５）の係止片（44）の係止突起（43）を係合可能な断
面Ｌ字形状の固定突起（46）を内側方向に向けて庇状に
突出形成してある。また、上記固定片（45）は、合成ゴ
ム、合成樹脂あるいは金属等の適宜のものを使用すると
共に、接着剤、溶接あるいはロー付け等の適宜の方法に
より伝熱プレート（３）に固定する。

【００１７】そうして、伝熱プレート（３）にガスケッ
ト（５）を装着する場合は、伝熱プレート（３）のガス
ケット溝（４）に、ガスケット本体（13）を嵌装すると
共に、ガスケット（５）の係止片（44）の係止突起（4
3）を伝熱プレート（３）のガスケット固定溝（41）内
に配置して固定片（45）の固定突起（46）の下方に潜入
させて、係止突起（43）と固定突起（46）を係脱可能に
係合させる。するとガスケット（５）の係止片（44）は
ガスケット（５）の近接位置に配置された固定片（45）
で押圧され、ガスケット（５）は上記固定片（45）によ
りガスケット溝（４）内に位置決めされる。このとき固
定片（45）はガスケット（５）の近接位置に配置されて
いるため、ガスケット（５）の係止片（44）には固定片
（45）の大きな固定力が作用し、ガスケット（５）は位
置ずれすることなく確実に位置決め保持され、シール性
能が低下することがない。

【００１８】図示していないが、流路ガスケット部（1
6）の通路孔側シール部（18）においても本実施例を適
用することができる。

【００１９】［実施例２］

【００２０】本実施例は、図３及び図４に示すように、
上記ガスケット本体（13）の非接液側に位置する外周側
面（42）に、先部に突片（51）を庇状に形成した係止片
（52）を伝熱プレート（３）の凹状の固定溝（41）内に
配置可能に一体に突設し、上記突片（51）の下面に係止
突起（53）を突設する。また、上記伝熱プレート（３）
のガスケット固定溝（41）内の外側部分には、ガスケッ
ト本体（13）を伝熱プレート（３）に固定するための固
定片（54）を配置固定してある。上記固定片（54）に
は、ガスケット本体（13）の係止突起（53）が嵌入係止
する係止孔（55）を形成してある。

【００２１】そうして、伝熱プレート（３）にガスケッ
ト（５）を装着する場合は、伝熱プレート（３）のガス
ケット溝（４）に、ガスケット本体（13）を嵌装すると
共に、係止片（52）を伝熱プレート（３）のガスケット
固定溝（41）内に配置し、係止片（52）の係止突起（5
3）を固定片（54）の係止孔（55）に嵌入係止させて、
突片（51）を固定片（54）上に被着させる。するとガス
ケット（５）は、上記固定片（54）により伝熱プレート
（３）に確実に固定され、ガスケット溝（４）内で位置
ずれするのを確実に防止することができる。

【００２２】図示していないが、流路ガスケット部（1
6）の通路孔側シール部（18）においても本実施例を適
用することができる。

【００２３】

【発明の効果】本発明によれば、ガスケットに一体に設
けた係止片を、伝熱プレートの適所にガスケットに近接
して配置固定した固定片に係脱可能に係止させる構造で
あるので、ガスケットに大きな固定力が作用し、ガスケ
ットを伝熱プレートのガスケット溝の正規の位置に確実
に位置決め保持することができ、シール性能が低下する
のを防止することができる。また、ガスケットを伝熱プ
レートに簡単、かつ、迅速に固定することができる、装
着に手間がかからず、装着作業の作業性がきわめて良好
である。また、ガスケットの全周だけでなく、２重シー
ル部にも適用することができてガスケットをより確実に
固定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るプレート式熱交換器の実施例１を
示す要部平面図。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図。

【図３】実施例２を示す要部平面図。

【図４】図３のＢ−Ｂ線断面図。

【図５】従来のプレート式熱交換器を示す概略平面図。

【図６】プレート式熱交換器におけるガスケット固定要
領の第１従来例を示した部分平面図。

【図７】図６のＣ−Ｃ線断面図。

【図８】ガスケット固定要領の第２の従来例を示した部
分縦断面図。

【図９】ガスケット固定要領の第３の従来例を示した部
分縦断面図。

【図10】ガスケット固定要領の第４の従来例に使用する
ガスケットの部分平面図。

【図11】図10のＤ−Ｄ線断面図。

【図12】図11に示したガスケットが固定される伝熱プレ
ートの部分縦断面図。

【符号の説明】

３ 伝熱プレート ４ ガスケット溝 ５ ガスケット 44、52 係止片 45、54 固定片

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数枚の伝熱プレートをその周縁部の全
   周に亘って設けたガスケット溝に嵌装固定したガスケッ
   トを介して積層してなるプレート式熱交換器において、 上記ガスケット溝に嵌装されるガスケット本体の側面に
   適宜の間隔をおいて係止片を一体に突設したガスケット
   と、伝熱プレートのガスケット溝に近接した非接液側の
   適所にガスケットの係止片に対応させて配置固定され、
   かつ、ガスケットの係止片と係合可能な固定片とからな
   り、上記ガスケットの係止片を固定片に係脱可能に係止
   させたことを特徴とするプレート式熱交換器。