JPH062803U - 誘電体フィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単で、特性調整の容易な有極形の誘
電体フィルタを提供する。 【構成】 誘電体フィルタ１は入力端子６と出力端子７
間がコンデンサで結合されてなる有極形のフィルタであ
る。実装時に前記入出力端子６，７が接続される基板１
１の電極Ｄ１と電極Ｄ２間には電極を櫛形に対向させて
コンデンサ１２が形成されている。誘電体フィルタ１が
基板１１に実装されると、前記入出力端子６，７間が前
記コンデンサ１２により結合され、有極形のフィルタ回
路が構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、複数の誘電体同軸共振器を相互結合するとともに、入出力端子間を コンデンサで結合してなる有極形の誘電体フィルタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

誘電体フィルタは、セラミックス等からなる筒状の誘電体の内外周面を導電部 材で被覆してなる複数の誘電体同軸共振器を、結合回路が形成された結合基板を 介して縦続接続して構成され、通常、結合基板の両端部に入力端子と出力端子と が設けられている。

【０００３】 例えばバンドパスフィルタ（以下、ＢＰＦという）においては、帯域両側の減 衰量を大きくするために入出力端子間をコンデンサで結合して有極形の回路構成 にされるが、かかる有極形の回路構成を有する誘電体フィルタでは、従来、前記 結合基板に前記コンデンサを形成したり、或いは、前記結合基板とは別に前記コ ンデンサを構成している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の有極形の回路構成を有する誘電体フィルタでは、構造的に離れて形成さ れる入出力端子間にコンデンサを形成しなければならず、結合基板にこのコンデ ンサを形成する場合は結合回路が複雑となる。また、結合基板とは別に前記コン デンサを形成する場合、フィルタの構造が大型化する欠点がある。 また、所望の減衰特性を得るために前記コンデンサの容量値を微調整する場合 もその調整作業が困難である。

【０００５】 本考案は、上記課題に鑑みてなされたもので、構造が簡単で特性調整を容易に 行なうことのできる誘電体フィルタを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案は、複数の誘電体同軸共振器を相互結合す るとともに、入力端子と出力端子間をコンデンサで結合してなる有極形の誘電体 フィルタであって、前記コンデンサは前記誘電体フィルタが実装される基板の前 記入力端子の接続部と前記出力端子の接続部間に設けられるようになされている である。

【０００７】

【作用】

上記構成の誘電体フィルタは、基板に実装されると、該基板側に設けられたコ ンデンサが誘電体フィルタの入力端子と出力端子間に接続され、入出力端子間が コンデンサで結合された有極形のフィルタ回路となる。

【０００８】

【実施例】

図２は、本考案に係る誘電体フィルタの一実施例の構造を示す一部切欠き斜視 図である。同図に示す誘電体フィルタ１は、図３に示す誘電体同軸共振器θ１， θ２がコンデンサＣ２を介して縦続接続された２段構成のＢＰＦで、入力端及び 出力端にはそれぞれ外部結合コンデンサＣ１，Ｃ３が設けられている。また、入 力端と出力端間は、後述する実装基板に設けられたコンデンサＣ４で結合される ようになされ、これにより有極形のＢＰＦとなっている。

【０００９】 誘電体同軸共振器θ１，θ２は終端ショートの１／４波長同軸共振器で、中心 軸上に孔３が穿設された、例えば２．５mm角の角柱状のセラミックス等からなる 誘電体２の、一方端面を除く外周面及び前記孔３の内周面を銀、銅等の導電部材 ４（点描部分）で被覆して構成されている。

【００１０】 前記コンデンサＣ１〜Ｃ３は、結合基板５の表裏面に相互に結合させて形成さ れた電極ｄにより構成されている。そして、前記誘電体同軸共振器θ１，θ２は それぞれ中心導体（孔３内の導電部材４）を結合端子Ｔ１，Ｔ２で対応する電極 ｄに接続することにより結合基板５に接続され、この結合基板５を介して縦続接 続されている。

【００１１】 また、端子６，７が前記結合基板５の両端部の裏面電極（不図示）に接続され 、上記誘電体同軸共振器θ１，θ２、結合基板５及び端子６，７により誘電体フ ィルタ１の内部フィルタユニットが構成されている。そして、両側部にアース端 子９が突設されたケース８とカバー１０からなる金属箱体にこの内部フィルタユ ニットを収納して誘電体フィルタ１が構成されている。

【００１２】 図１は、前記誘電体フィルタ１を基板１１に実装した状態を示す平面図である 。基板１１の誘電体フィルタ１の端子６，７及びアース端子９が載置される位置 には電極Ｄ１，Ｄ２，Ｄ３が形成されている。また、端子６に対応する電極Ｄ１ と端子７に対応する電極Ｄ２間には櫛形に電極を対向させて前記コンデンサＣ４ に相当するコンデンサ１２が形成されている。なお、コンデンサ１２は、対向電 極の形状により任意の容量値に設定することができる。

【００１３】 誘電体フィルタ１は、前記端子６，７及びアース端子９と対応する電極Ｄ１〜 Ｄ３とを半田付け等により接続することにより基板１１に実装される。そして、 誘電体フィルタ１を基板１１に実装することにより入出力端子６，７間にコンデ ンサ１２（Ｃ４）が接続され、図３に示す有極形のＢＰＦ回路が完成される。

【００１４】 図６は上記誘電体フィルタ１の通過特性を示す概略図で、入出力端子間がコン デンサ１２（Ｃ４）により結合されることにより通過帯域の両側に一対の減衰極 Ｐが形成される。この減衰極Ｐの減衰量は、コンデンサＣ４の容量値により変化 し、前記基板１１に形成されたコンデンサ１２の容量値を調整することにより所 望の減衰量に設定することができる。

【００１５】 上記実施例では、基板１１に形成される前記コンデンサＣ４に相当するコンデ ンサを電極パターンで形成していたが、図４に示すように単体のコンデンサ１３ を電極Ｄ１と電極Ｄ２間に接続するようにしてもよい。なお、コンデンサ１２， １３は、基板１１の裏面側に形成するようにしてもよい。

【００１６】 また、図５に示すように、基板１１を多層基板で構成し、前記コンデンサＣ４ に相当するコンデンサを多層基板内部に形成した層状の電極Ｄ４，Ｄ５で形成し てもよい。

【００１７】 なお、上記実施例では、２段構成の誘電体フィルタについて説明したが、本考 案は３段以上の任意の段数の誘電体フィルタに適用することができる。また、Ｂ ＰＦに限定されるものではなく、入出力端子間がコンデンサで結合された有極形 の誘電体フィルタであれば、その他のタイプのものにも適用することができる。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、入出力端子間がコンデンサで結合され た誘電体フィルタであって、前記コンデンサを誘電体フィルタが実装される基板 の前記入力端子の接続部と出力端子の接続部間に設けるようしたので、誘電体フ ィルタの構造が簡単になり、コスト低減に寄与する。また、基板側のコンデンサ の容量値を調整することにより誘電体フィルタのフィルタ特性の微調整を容易に 行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る誘電体フィルタを基板に実装した
状態を示す平面図である。

【図２】本考案に係る誘電体フィルタの一実施例の構造
を示す一部切欠き斜視図である。

【図３】本考案に係る誘電体フィルタの回路構成を示す
図である。

【図４】入力端子の接続部と出力端子の接続部間に単体
のコンデンサが設けられた基板に本考案に係る誘電体フ
ィルタを実装した状態を示す要部平面図である。

【図５】入力端子の接続部と出力端子の接続部間に層状
の電極によりコンデンサが形成された多層基板に本考案
に係る誘電体フィルタを実装した状態を示す要部断面図
である。

【図６】本考案に係る誘電体フィルタの通過特性の一例
を示す概略図である。

【符号の説明】

１ 誘電体フィルタ ２ 誘電体 ３ 孔 ４ 導電部材 ５ 結合基板 ６，７ 端子 ８ ケース ９ アース端子 １０ カバー １１ 基板 Ｃ１〜Ｃ４，１２，１３ コンデンサ Ｄ１〜Ｄ５ 電極 θ１，θ２ 誘電体同軸共振器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の誘電体同軸共振器を相互結合する
   とともに、入力端子と出力端子間をコンデンサで結合し
   てなる有極形の誘電体フィルタであって、前記コンデン
   サは前記誘電体フィルタが実装される基板の前記入力端
   子の接続部と前記出力端子の接続部間に設けられるよう
   になされていることを特徴とする誘電体フィルタ。