JPH0628032Y2 - 収納庫 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、電子冷却素子等を用いた除湿装置を組み込
んだ収納庫に関するものである。

〔背景技術〕

近時、洋服ダンス等の収納庫内の除湿を行うために、電
子冷却素子等を用いた除湿装置を組み込んだ収納庫が多
く提供されている。

この従来の収納庫に組み込まれた除湿装置は、吸気口と
排気口とを設けたケーシングと，前記排気口に取付けた
強制排気用のファンと、前記ケーシング内に前記吸気口
から前記排気口への通風方向に沿って配置された冷却体
および放熱体とから構成され、空気を前記冷却体で冷却
して除湿するものであり、収納庫の台輪等に組込んで収
納庫内の除湿を行うものである。

通常、このような除湿装置では冷却体に結露した結露水
を受けるために結露水受けが設けられているが、結露水
受けに溜った水をその都度捨てる必要があり、手間がか
かり大変面倒であった。また、結露水を捨てるのを忘れ
た場合には、結露水が溢れたり、あるいは除湿運転が自
動的に停止して除湿されないという問題があった。

〔考案の目的〕

この考案の目的は、除湿装置に溜った結露水をその都度
排出する必要のない収納庫を提供することである。

〔考案の開示〕

この考案の収納庫は、筐体の底板の下に設けた台輪内に
除湿装置を組み込んだ収納庫において、除湿装置が、筐
体の底板に設けた開口に落とし込まれ筐体内部に向けて
開口した吸気口および排気口を設けたケーシングと、こ
のケーシング内に吸気口から排気口への風路を加熱ルー
トと除湿ルートに仕切るように配置された伝熱板と、こ
の伝熱板の加熱ルート側の面に設けられ加熱ルートを通
過する空気を加熱する放熱体と、伝熱板の除湿ルート側
の面に発熱面を密着した電子冷却素子と、この電子冷却
素子の冷却面に設けられ除湿ルートを通過する空気を除
湿する冷却体と、この冷却体に結露した結露水を受ける
結露水受けと、この結露水受けと結露水通過口を介して
連接され超音波振動子により結露水を台輪の前面に設け
た蒸気排出口から蒸発させる蒸発部とからなることを特
徴とする。

このように、この考案の構成によれば、除湿装置に、結
露水受けと結露水通過口を介して連接され超音波振動子
により結露水を蒸気排出口から蒸発させる蒸発部を設け
ていることにより、超音波振動子により結露水を蒸発さ
せて蒸気とし、発生した蒸気を蒸気排出口から外部に排
出することができる。

このため、結露水受けに溜った結露水をその都度捨てる
面倒がなくなり大変使い勝手がよくなる。また、結露水
受けから結露水が溢れたり除湿運転が停止するなどのト
ラブルを防止することができる。

また、ケーシング内の吸気口から排気口への風路が伝熱
板により加熱ルートと除湿ルートに仕切られ、加熱ルー
トを通過する空気は放熱体により加熱され、除湿ルート
を通過する空気は冷却体に接触して除湿される。除湿ル
ートを通過して除湿された空気は、加熱ルートを通過し
て加熱された空気と混合されて排気口から吹き出される
ため、吹出空気の温度が上がり相対湿度が下がって、除
湿効率が向上する。

また、吸気口および排気口を設けたケーシングを筐体の
底板に設けた開口に落とし込むとともに、蒸発部の蒸気
排出口を台輪の前面に設けることにより、筐体内のスペ
ースが大きく確保され、多量の収納物を除湿状態にて収
納できる。

実施例 この考案の一実施例を第１図および第２図に基づいて説
明する。第１図はこの考案の一実施例の収納庫の要部断
面図、第２図は同収納庫の斜視図である。

この収納庫１４は、筐体の底板１２の下に設けた台輪１
３内に除湿装置を組み込んだ収納庫である。除湿装置の
主要な構成は、筐体の底板１２に設けた開口に落とし込
まれ筐体内部に向けて開口した吸気口２および排気口３
を設けたケーシング１と、このケーシング１内に吸気口
２から排気口３への風路を加熱ルートと除湿ルートに仕
切るように配置された伝熱板８と、この伝熱板８の加熱
ルート側の面に設けられ加熱ルートを通過する空気を加
熱する放熱体９と、伝熱板８の除湿ルート側の面に発熱
面を密着した電子冷却素子１０と、この電子冷却素子１
０の冷却面に設けられ除湿ルートを通過する空気を除湿
する冷却体４と、この冷却体４に結露した結露水を受け
る結露水受け５と、この結露水受け５と結露水通過口１
６を介して連接され超音波振動子６により結露水を台輪
１３の前面に設けた蒸気排出口７から蒸発させる蒸発部
１７とからなる。

以下、さらに詳しく説明する。

この収納庫１４に組み込む除湿装置は、第１図に示すよ
うに、前記吸気口２および排気口３はケーシング１の上
面にそれぞれ設けられ、排気口３には強制排気用のファ
ン１１が設けられている。吸気口２から排気口３への通
風方向に沿って伝熱板８が配置され、伝熱板８の上面に
はフィン状の放熱体９が、伝熱板８の下面には冷却体４
に接触して除湿された空気を昇温させるための放熱体
９′がそれぞれ配置されている。また、伝熱板８の下面
には吸気口２の近傍において電子冷却素子１０がその発
熱面を伝熱板８に密着して取付けられ、その冷却面には
冷却体４が取付けられている。すなわち、放熱体９の設
けられた伝熱板８の上側が加熱ルートとなり、冷却体４
の設けられた伝熱板８の下側が除湿ルートとなる。さら
に、冷却体４の下方には冷却体４で結露した結露水を受
ける結露水受け５が配置される。

ケーシング１の側部には仕切板１５を介してケーシング
１内部と分離されるとともに底部に結露水受け５と連通
した結露水通過口１６を形成した蒸発部１７が設けら
れ、この蒸発部１７の底部に超音波振動子６が設けられ
る。また、この蒸発部１７の上部に当たるケーシング１
の前面には発生した蒸気を外部に排出するための筒状の
蒸気排出口７が設けられる。この場合、蒸気排出口７に
蒸気を強制的に室内に排出するファン（図示せず）を設
けるのが望ましい。

前記超音波振動子６としては、たとえば円板形，円筒
形，角板形等のセラミック超音波振動子（村田製作所
（株）製の登録商標ピエゾタイト）等が使用可能であ
る。かかる超音波振動子６は超音波加湿器等の噴霧器に
使用されているものであって、その圧電セラミックに電
圧を印加すると、ひずみによる振動を生じ、この振動に
よって低圧となり水中にキャビテーション現象が発生
し、水から蒸発が起こる。つまり、水は超音波により微
粒子となって室内に吹き出されるのである。

なお、超音波振動子６は、結露水受け５内に設けた水位
センサ（図示せず）によって結露水受け５内に結露水が
設定値以上に溜った状態で自動的に作動し、水位が設定
値以下に下がると自動的に停止するように構成するのが
好ましい。

第２図に示すように、かかる除湿装置を収納庫１４の台
輪１３内に収容する場合、収納庫１４の底板１２に設け
た開口にケーシング１を落とし込むとともに蒸気排出口
７を台輪１３の前面に配置させるようにする。

このように構成された結果、第１図および第２図に示す
ように、吸気口２から吸入された収納庫１４内の湿り空
気の一部は上部の放熱体９で加温されて排出口３へ導か
れる一方、残りの空気は冷却体４で結露して除湿され、
発生した結露水は下方の結露水受け５内に滴下し結露水
受け５内に溜る。除湿された乾燥空気は放熱体９′によ
り昇温されて排気口３に導かれ、上部の放熱体９で加温
された空気と共に収納庫１４内に吹き出される。一方、
結露水受け５に滴下した結露水は結露水受け５に連通し
た蒸発部１７内に侵入する。結露水がある程度溜まると
超音波振動子６が作動して結露水は蒸気となり、蒸気排
出口７より室内へ排出される。

このように、結露水が蒸気となって自動的に室内に排出
されるため、結露水受け５に溜った結露水をその都度捨
てる面倒がなくなる。そのため、結露水受け５から結露
水が溢れて除湿装置内が水びたしになったり除湿運転が
停止するなどのトラブルを防止することができる。

また、ケーシング１内の吸気口２から排気口３への風路
が伝熱板８により加熱ルートと除湿ルートに仕切られ、
除湿ルートを通過して冷却体４と接触して除湿された空
気は、加熱ルートを通過して放熱体９により加熱された
空気と混合されて排気口３から吹き出されるため、吹出
空気の温度が上がり相対湿度か下がって、除湿効率が向
上する。

また、ケーシング１を筐体の底板１２に設けた開口に落
とし込むとともに、蒸発部１７の蒸気排出口７を台輪１
３の前面に設けることにより、筐体内のスペースが大き
く確保され、多量の収納物を除湿状態にて収納すること
ができる。

なお、この実施例ではケーシング１内部と蒸発部１７と
を底部に結露水通過口１６を形成した仕切板１５で分割
したが、蒸発部をケーシング外に設けて蒸発部と結露水
受けとをパイプを介して接続するように構成してもよ
い。本願の実用新案登録請求の範囲における「結露水通
過口」とはかかるパイプをも含む概念である。

〔考案の効果〕

この考案の収納庫は、除湿装置に、結露水受けと結露水
通過口を介して連接され超音波振動子により結露水を蒸
気排出口から蒸発させる蒸発部を設けていることによ
り、超音波振動子によって結露水を蒸発させて蒸発とし
かつ発生した蒸気を蒸気排出口から外部に排出すること
ができる。

このため、結露水受けに溜った結露水をその都度捨てる
面倒がなくなり大変使い勝手がよくなる。また、結露水
受けから結露水が溢れて除湿装置内が水びたしになった
り除湿運動が停止するなどのトラブルを防止することが
できるという効果がある。

また、ケーシング内の吸気口から排気口への風路が伝熱
板により加熱ルートと除湿ルートに仕切られ、加熱ルー
トを通過する空気は放熱体により加熱され、除湿ルート
を通過する空気は冷却体に接触して除湿される。除湿ル
ートを通過して除湿された空気は、加熱ルートを通過し
て加熱された空気と混合されて排気口から吹き出される
ため、吹出空気の温度が上がり相対湿度が下がって、除
湿効率が向上する。

また、吸気口および排気口を設けたケーシングを筐体の
底板に設けた開口に落とし込むとともに、蒸発部の蒸気
排出口を台輪の前面に設けることにより、筐体内のスペ
ースが大きく確保され、多量の収納物を除湿状態にて収
納できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の収納庫の要部断面図、第
２図は同収納庫の斜視図である。 １……ケーシング、２……吸気口、３……排気口、４…
…冷却体、５……結露水受け、６……超音波振動子、７
……蒸発排出口、８……伝熱板、９，９′……放熱体、
１０……電子冷却素子、１２……底板、１３……台輪、
１５……仕切板、１６……結露水通過口、１７……蒸発
部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】筐体の底板の下に設けた台輪内に除湿装置
   を組み込んだ収納庫において、 前記除湿装置は、前記筐体の底板に設けた開口に落とし
   込まれ前記筐体内部に向けて開口した吸気口および排気
   口を設けたケーシングと、このケーシング内に前記吸気
   口から前記排気口への風路を加熱ルートと除湿ルートに
   仕切るように配置された伝熱板と、この伝熱板の加熱ル
   ート側の面に設けられ前記加熱ルートを通過する空気を
   加熱する放熱体と、前記伝熱板の除湿ルート側の面に発
   熱面を密着した電子冷却素子と、この電子冷却素子の冷
   却面に設けられ前記除湿ルートを通過する空気を除湿す
   る冷却体と、この冷却体に結露した結露水を受ける結露
   水受けと、この結露水受けと結露水通過口を介して連接
   され超音波振動子により結露水を前記台輪の前面に設け
   た蒸気排出口から蒸発させる蒸発部とからなることを特
   徴とする収納庫。