JPH06279637A - 着色樹脂組成物 - Google Patents

着色樹脂組成物

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JPH06279637A
JPH06279637A JP6796393A JP6796393A JPH06279637A JP H06279637 A JPH06279637 A JP H06279637A JP 6796393 A JP6796393 A JP 6796393A JP 6796393 A JP6796393 A JP 6796393A JP H06279637 A JPH06279637 A JP H06279637A
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JP
Japan
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thermoplastic polyester
polymer
resin composition
reaction product
styrene
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Application number
JP6796393A
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English (en)
Inventor
Toyoji Ohashi
豊史 大橋
Yukako Ooya
由佳子 大家
Toshiaki Ishibashi
敏明 石橋
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 マトリクス相を構成するスチレン系重合体
(A)、分散相を構成する熱可塑性ポリエステル(B)
及び分子鎖片末端に水酸基を有すスチレン系重合体と分
子鎖片末端にカルボキシル基を有する熱可塑性ポリエス
テルとの反応によって得られる高分子反応生成物(C)
とを含有し、着色剤の実質的に全量を分散相の熱可塑性
ポリエステル中に含有している着色樹脂組成物。 【効果】 上記共重合反応生成物の使用によって、スチ
レン系重合体に熱可塑性ポリエステルが均一微細に分散
し、かつ着色剤が熱可塑性ポリエステルに封じ込められ
ているため、着色剤含有による樹脂組成物の表面特性の
低下がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、着色剤を分散相に含有
させることにより、着色剤の含有によって生ずる樹脂組
成物の諸特性の悪化を防止し、かつ均一に着色された樹
脂組成物に関し、更に詳しくは、着色剤が均一微細に分
散され、かつブリードアウト等着色剤に起因する諸特性
の低下が防止された、好適な着色樹脂組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】ポリエステルは、電気特性、透明性、接着
特性等が優れた、塗料、インキ、接着剤、コーティング
剤、FRP改良剤等広範囲の分野に使用されている。
【0003】一方、スチレン系樹脂は、剛性、耐熱性、
成形加工性等ポリエステルとは異なった性能を持ち各種
分野で使用されている。
【0004】したがって、両者をブレンドすることによ
り双方の性質をバランスさせた実用的な樹脂組成物が開
発されれば、利用価値が高く利用範囲も拡大される。更
に、この樹脂組成物の適用の広さから着色を必要とする
分野も少なくなく、かつ着色することにより、より多く
の応用が期待される。
【0005】その際の着色操作は、単純混合によるよう
なできるだけ簡単な操作が望まれる。しかしながら、ス
チレン系樹脂とポリエステルの相溶性が悪いため、着色
剤をブレンドしたときは、不均一分散による斑模様やひ
どいときにはブリードを起こしたり、あるいは着色剤の
存在により樹脂組成物が本来持つ性質、例えば表面特性
として帯電特性、塗装性、耐薬品性、成形特性などが著
しく損なわれたりする場合がある。したがって、両者を
バランスよくブレンドし、かつ均一に着色できる手段が
切望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
樹脂組成物を着色するときの問題点、すなわち斑模様の
ような不均一な分散と、スチレン系樹脂とポリエステル
との樹脂組成物の表面特性の悪化とを一挙に解決するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための課題】本発明はこの問題点に対
し、着色剤の機能と樹脂組成物の機能を明確に区別する
べく、両者を組成物中のマトリクス連続相と分散相へ振
り分け、着色剤を分散相に封じ込めてマトリクス相への
影響を防ぎ、かつマトリクス相と分散相の両重合体に相
溶性のある高分子反応生成物を用いることにより、分散
相をより微細かつ均一に分散させることによって、表面
特性の悪化防止及び着色の均一性が得られることを見出
し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、マトリクス相を構成
するスチレン系重合体(A)と、分散相を構成する熱可
塑性ポリエステル(B)と、分子鎖片末端に水酸基を有
するスチレン系重合体と分子鎖片末端にカルボキシル基
を有する熱可塑性ポリエステルとの反応によって得られ
る高分子反応生成物(C)とを含有し、着色剤の実質的
に全量を分散相の熱可塑性ポリエステル中に含有してい
ることを特徴とする着色樹脂組成物である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】<スチレン系重合体(A)>本発明で、マ
トリクス相を構成するスチレン系重合体(A)として
は、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エ
チルスチレン、イソプロピルスチレン、クロロメチルス
チレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等のスチ
レン系単量体の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
また、含有量が50重量%以下であればアクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、無水
マレイン酸等の重合性モノマーと上記スチレン系単量体
との共重合体であってもよい。更に、上記重合体の混合
物であってもよい。
【0011】スチレン系重合体のガラス転移温度は30
〜110℃が好ましく、数平均分子量は3,000〜5
00,000が好ましく、5,000〜300,000
のものがより好ましい。
【0012】<熱可塑性ポリエステル(B)>一方、本
発明で分散相を構成する熱可塑性ポリエステル(B)と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、p−オキシ安息
香酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等から選ばれた1種
若しくは2種以上のジカルボン酸とエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール又はジエチレングリコ
ール等から選ばれた1種若しくは2種以上のジオールと
を縮重合して得られるポリエステルが挙げられ、これら
は単独でも又は2種以上のポリエステル混合物でもよ
い。
【0013】本発明の効果が著しく発揮される熱可塑性
ポリエステルとしては、非晶性又は低結晶性のものであ
り、特にX線解析による結晶化度が10%未満のものが
好ましい。
【0014】熱可塑性ポリエステルのガラス転移温度は
20〜120℃が好ましく、30〜100℃のものがよ
り好ましく、数平均分子量は500〜50,000が好
ましく、1,000〜30,000のものがより好まし
い。
【0015】<高分子反応生成物(C)>本発明で使用
する共重合反応生成物(C)は、分子鎖片末端に水酸基
を有するスチレン系重合体と分子鎖片末端にカルボキシ
ル基を有する熱可塑性ポリエステルとの反応生成物であ
る。
【0016】分子鎖片末端に水酸基を有するスチレン系
重合体は、スチレン系単量体をアニオン重合又はラジカ
ル重合させ、停止剤として酸化エチレン、酸化プロピレ
ン、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール等
を用いるか、あるいはラジカル開始剤としてアゾビス
[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等の水
酸基を有するものを用いてラジカル重合することによっ
て製造される。
【0017】スチレン系単量体としては、スチレン、メ
チルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、イ
ソプロピルスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチ
ルスチレン、クロロスチレン等が挙げられる。また、含
有重量が50重量%以下であればアクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、無水マレイ
ン酸等の重合性モノマーと上記スチレン系単量体との混
合物を用いてもよい。
【0018】分子鎖片末端に水酸基を有するスチレン系
重合体の数平均分子量は3,000〜150,000が
好ましく、5,000〜100,000がより好まし
い。
【0019】分子鎖片末端にカルボキシル基を有する熱
可塑性ポリエステルは、両末端に水酸基を有する熱可塑
性ポリエステルの片末端水酸基に酸無水物を結合させる
ことによって製造される。
【0020】この酸無水物の具体例としては、無水コハ
ク酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、無水トリメリッ
ト酸等が挙げられる。
【0021】両末端に水酸基を有する熱可塑性ポリエス
テルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、p−オキ
シ安息香酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ナフタレ
ンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等から選ばれ
た1種若しくは2種以上のジカルボン酸とエチレングル
コール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチレングルコ
ール、シクロヘキサジメタノール又はジエチレングリコ
ール等から選ばれた1種若しくは2種以上のジオールと
をジオール過剰の条件下で縮重合させて得られるポリエ
ステルが挙げられる。その際、結晶化度が高いポリエス
テルは溶剤に溶けにくいので、非晶性又は低結晶性の熱
可塑性ポリエステルが好ましく、更にX線解析による結
晶化度が10%未満のものがよい。数平均分子量は50
0〜50,000のものが好ましく、1,000〜3
0,000のものがより好ましい。
【0022】上記の両末端に水酸基を有する熱可塑性ポ
リエステルと酸無水物との反応は、通常のアルコールと
酸無水物との反応条件に準じ、酢酸ナトリウム、ピリジ
ン等の塩基性触媒を用いることができる。
【0023】高分子反応生成物(C)は、上記の方法に
よって得られた片末端に水酸基を有するスチレン系重合
体と片末端にカルボキシル基を有する熱可塑性ポリエス
テルとの反応によって製造される。
【0024】分子鎖片末端に水酸基を有するスチレン系
重合体と分子鎖片末端にカルボキシル基を有する熱可塑
性ポリエステルとの反応割合は、水酸基当量とカルボキ
シル基当量が等しくなるように仕込むことが望ましい。
【0025】反応は加熱さえすれば容易に進行するが、
より効率よく反応させるためには触媒を用いることが望
ましい。触媒としては、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド;三フッ化ホウ素類;ピリジン、トリエチルアミン等
のアミン類;トリフェニルホスフィン等のリン系触媒が
挙げられる。
【0026】反応溶媒としては、分子鎖片末端に水酸基
を有するスチレン系重合体及び分子鎖片末端にカルボキ
シル基を有する熱可塑性ポリエステルを溶解させる溶
媒、例えば、塩化メチレン、トルエン、キシレン、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。
【0027】反応温度としては20〜150℃が好まし
く、30〜120℃がより好ましい。反応時間としては
1〜15時間が好ましく、2〜10時間がより好まし
い。
【0028】高分子反応生成物の分離法としては、反応
混合液を高分子反応生成物貧溶媒、例えばメタノール、
エタノール等のアルコールに注ぎ、高分子反応生成物を
析出させ、ろ別又は遠心分離し、更にアルコールにて洗
浄し、ろ別、乾燥させる。このとき貧溶媒の量として
は、反応混合液の5〜20倍量が好ましい。
【0029】本発明における高分子反応生成物(C)
は、上記反応方法に従えば、分子鎖片末端に水酸基を有
するスチレン系重合体と分子鎖片末端にカルボキシル基
を有する熱可塑性ポリエステルとの反応によって得られ
るブロック共重合体、未反応の分子鎖片末端に水酸基を
有するスチレン系重合体及び未反応の分子鎖片末端にカ
ルボキシル基を有する熱可塑性ポリエステル等の混合物
である。分子鎖片末端に水酸基を有するスチレン系重合
体及び分子鎖片末端にカルボキシル基を有する熱可塑性
ポリエステルの反応率は、それぞれ10%以上が好まし
く、20%以上がより好ましく、最も好ましくは30%
以上である。高分子反応生成物(C)中の上記ブロック
共重合体の含有量は10重量%以上が好ましく、20重
量%以上がより好ましく、最も好ましくは30重量%以
上である。
【0030】<着色剤>本発明で用いる着色剤は、少な
くとも次の二つの要件を備えたものである。
【0031】1)分散相を構成する熱可塑性ポリエステ
ルの中に入り込む性質を有していること。したがって、
マトリクス相を構成するスチレン系重合体に対するより
も、熱可塑性ポリエステルに対してより大きい親和性を
有している着色剤が好ましい。上記の性質を有していな
い着色剤は、これを他の成分で処理することにより、上
記性質を付与してもよい。換言すれば、着色剤が、それ
自体として又は他の成分で処理等されることによって、
スチレン系重合体に対するよりも熱可塑性ポリエステル
に対してより大きな親和性を有していること。
【0032】2)着色剤分散粒子の大きさ(平均分散
径)は、分散相粒子の大きさより小さいこと。本発明で
用いることのできる着色剤は、具体的には、カーボンブ
ラック等の黒系着色剤;ベンジジン誘導体、フォロイン
イエロー、アセト酢酸アニリド系不溶性アゾ顔料、モノ
アゾ顔料、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロ
ー154、カドミウムイエロー等のイエロー系着色剤;
キサンテン系マゼンタ染料、キナクリドン系顔料、アン
トラキノン系染料、ナフトール系アゾ顔料、ローダミン
系顔料又は染料、チオインジゴ系顔料、ピグメントレッ
ド48、ピグメントレッド122、カドミウムレッド等
のマゼンタ系着色剤;フタロシアニン系顔料、インダン
スレンブルー、モリブドタングストリン酸系、ピグメン
トブルー15等のシアン系着色剤が挙げられる。
【0033】<着色樹脂組成物>本発明の着色樹脂組成
物は、上記のスチレン系重合体(A)、熱可塑性ポリエ
ステル(B)、高分子反応生成物(C)及び着色剤を通
常のブレンド方法、例えば押出機、ニーダー、オープン
ロール等を使用して溶融混練することによって容易に得
られる。着色樹脂組成物を得る好ましい方法は、ヘンシ
ェルミキサー等を用いて混合した後、押出機等を用いて
加熱溶融混練して押出し、これをペレット状にカットす
る方法である。
【0034】マトリクス相のスチレン系重合体と分散相
の熱可塑性ポリエステルとの比率は55/45〜95/
5が好ましく、55/45〜80/20がより好まし
い。
【0035】上記樹脂組成物に対する高分子反応生成物
の割合は、樹脂組成物100重量部に対して高分子反応
生成物1〜30重量部が好ましく、1〜20重量部がよ
り好ましい。1重量部未満では相溶化の効果が不十分で
あり、30重量部を超えるとコスト的に不利となるため
好ましくない。
【0036】着色剤の配合割合は、樹脂組成物100重
量部に対して着色剤0.01〜20重量部が好ましく、
0.5〜15重量部がより好ましい。
【0037】着色樹脂組成物中の分散相の平均粒径は、
5μm 以下が好ましく、2μm 以下がより好ましい。
【0038】
【作用】本発明の着色樹脂組成物においては、着色剤の
機能と樹脂組成物の機能を明確に区別すべく、両者を組
成物中のマトリクス連続相と分散相へ振り分けたもので
ある。すなわち、分散相に着色剤を封じ込めてマトリク
ス相への影響を防ぎ、更に、ポリスチレン単位とポリエ
ステル単位の双方の樹脂が効率よく結合した高分子反応
生成物を用いることにより、分散相の熱可塑性ポリエス
テルは均一かつ微細に分散・混和されるととともに、こ
れらマトリクス相、分散相の界面は強固に接着される。
【0039】したがって、本発明によれば、着色剤を含
有することによって生ずる表面特性の悪化及び着色の不
均一性を防止し、更にスチレン系樹脂の具備する優れた
寸法安定性、電気的性質、耐水性、低コスト性等と、熱
可塑性ポリエステルの具備する優れた耐候性、耐油性、
耐薬品性、耐熱性、機械的強度を兼ね備えた着色樹脂組
成物を得ることができる。
【0040】
【実施例】以下に、実施例及び比較例並びに参考例を示
し、本発明を更に具体的に説明する。
【0041】参考例 <高分子反応生成物の合成>分子鎖片末端に水酸基を有
するスチレン重合体(分子量:20,000、ガラス転
移温度(Tg):68℃、水酸基当量:2.8mgKOH/g)
262g 、分子鎖片末端にカルボキシル基を有する熱可
塑性ポリエステル(非晶性、分子量:8,000、T
g:72℃、酸価:7mgKOH/g)104.8g 、ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド2.7g を塩化メチレン5リッ
トルに溶解し、撹拌下、25℃、5時間反応させた。そ
の後、反応混合液をろ過し、ろ液を50リットルのメタ
ノールに注ぎ高分子反応生成物を析出させた。遠心分離
によって高分子反応生成物を取り出し、更にメタノール
7リットルで洗浄し、50℃、10時間熱風乾燥して高
分子反応生成物354g を得た。高分子反応生成物の酸
価は0.2mgKOH/g あり、これは分子鎖片末端に水酸基
を有するスチレン系重合体及び分子鎖片末端にカルボキ
シル基を有する熱可塑性ポリエステルの反応率がそれぞ
れ90%であることを示す。
【0042】実施例1 市販のスチレン系重合体(商品名:ダイヤナールBR−
52、三菱レイヨン社製)650g 、熱可塑性ポリエス
テル(商品名:バイロン200、東洋紡績社製)350
g 、参考例で合成した高分子反応生成物40g 及びC.
Iベイシックバイオレット15g を、2軸押出機を用い
て、樹脂温度130℃で溶融ブレンドして得たストラン
ドを冷却の後、切断してペレット状の着色樹脂組成物と
した。得られたペレットを80℃で真空乾燥機で5時間
乾燥後、プレスシートを作成し、試片断面を、イオンエ
ッチング処理して走査型電子顕微鏡により分散相を観察
した。分散相は平均粒径1.2μm で均一微細に分散し
ていた。また、ホットプレス上でスライドガラスとカバ
ーガラスとの間に着色樹脂組成物試片を挟み、熱溶融さ
せて薄膜とし、透過型光学顕微鏡により着色剤の充填状
態を観察したところ、着色剤は分散相に含有されている
ことがわかった。
【0043】実施例2 着色剤に銅フタロシアニン14g を用いた以外は、実施
例1と同様に実施した。得られた組成物中の着色剤は分
散相に含有され、かつ分散相は1μm の平均粒径で微細
に分散されていることが観察された。
【0044】実施例3 高分子反応生成物の量を80g とし、着色剤にカーボン
ブラック13g を用いた以外は、実施例1と同様に実施
した。得られた組成物中の着色剤は分散相に含有され、
かつ分散相は0.6μm の平均粒径で微細に分散されて
いることが観察された。
【0045】実施例4 着色剤に銅フタロシアニン14g を用いた以外は、実施
例3と同様に実施した。得られた組成物中の着色剤は分
散相に含有され、かつ分散相は0.6μm の平均粒径で
微細に分散されていることが観察された。
【0046】比較例 着色剤に銅フタロシアニン14g を用い、高分子反応生
成物を使用しなかった以外は、実施例1と同様に実施し
て着色樹脂組成物を得た。得られた組成物中の分散相は
5〜21μm の粒径で不均一に分散し、着色剤も分散相
だけでなく、マトリクス相にも含有されていることがわ
かった。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の着色樹脂組
成物は、高分子反応生成物の使用によって、マトリクス
相であるスチレン系重合体に、分散相の熱可塑性ポリエ
ステルが均一微細に分散し、かつ着色剤が分散相に封じ
込められているため、着色剤含有による樹脂組成物の表
面特性の低下がない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリクス相を構成するスチレン系重合
    体(A)と、分散相を構成する熱可塑性ポリエステル
    (B)と、分子鎖片末端に水酸基を有するスチレン系重
    合体と分子鎖片末端にカルボキシル基を有する熱可塑性
    ポリエステルとの反応によって得られる高分子反応生成
    物(C)とを含有し、着色剤の実質的に全量を分散相の
    熱可塑性ポリエステル中に含有していることを特徴とす
    る着色樹脂組成物。
JP6796393A 1993-03-26 1993-03-26 着色樹脂組成物 Pending JPH06279637A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8598291B2 (en) 2007-05-30 2013-12-03 Asahi Glass Company, Limited Antifouling composition, method for its production and article treated therewith

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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