JPH06279389A - アミジノフェニルエーテル誘導体 - Google Patents

アミジノフェニルエーテル誘導体

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JPH06279389A
JPH06279389A JP7255493A JP7255493A JPH06279389A JP H06279389 A JPH06279389 A JP H06279389A JP 7255493 A JP7255493 A JP 7255493A JP 7255493 A JP7255493 A JP 7255493A JP H06279389 A JPH06279389 A JP H06279389A
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JP7255493A
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Hiromasa Kohama
弘昌 小濱
Shinichi Kaneda
伸一 金田
Naoya Mikami
直哉 三上
Kazuhiro Shimizu
一浩 清水
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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  • Peptides Or Proteins (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】下記化1に示す化学構造式(式中、R1はオル
ト、メタ、またはパラ置換したアミジノ基もしくは保護
されたアミジノ基、Aは適当な置換基を1個以上有して
いてもよい低級アルキレン基、またはフェニレン基を1
個以上有していてもよいアルキレン基、Bは−CONH
−または−CH2−、R2はカルボキシル基、エステル
基、アミド基またはアルキルスルホンイミド基、R3
水素、アルキル基、カルボキシル基、適当な置換基を有
していてもよいカルボン酸エステル基、適当な置換基を
有していてもよいカルボン酸アミド基)で示される新規
アミジノフェニルエーテル誘導体およびその塩類。 【化1】 【効果】GPIIbIIIa受容体拮抗作用を有し抗血栓剤
として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なアミジノフェニル
エーテル誘導体またはその塩類に関するものであり医薬
の分野に有用である。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】血栓形成および血液凝
固に血小板の凝集は重要な役割をしている。血小板の凝
集過程の最終段階に、血小板表面上のGPIIbIIIa受
容体(GP;Glycoprotein(糖蛋白))を活性化し、つ
いでその受容体がフィブリノーゲンと結合する過程があ
る。従って、GPIIbIIIaとフィブリノーゲンのよう
な接着蛋白質との結合を防止する阻害剤は、血栓形成お
よび血液凝固を防止するうえで有用であると考えられて
いる。GPIIbIIIaにフィブリノーゲンが結合する時
に、フィブリノーゲン上のArg−Gly−Asp−S
er(RGDS)がその活性部位であるとされている。
そのために、RGDS類縁体がGPIIbIIIa受容体拮
抗薬として開発されており、経口投与で有効な、高活性
な拮抗薬が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】本発明の目的はG
PIIbIIIa受容体拮抗作用を有し血小板凝集阻害作用
並びに抗血栓作用を有する新規アミジノフェニルエーテ
ル誘導体またはその塩類及びそれらの化合物を有効成分
として含有する経口で有効な抗血栓剤を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】経口投与で有効にするた
めに、ペプチド結合を減らし、さらに脂溶性の部位を組
み入れることによって、多くの新規なアミジノフェニル
エーテル誘導体またはその塩類を合成し、それらの薬理
活性を鋭意検討した結果、特定の誘導体が、強いGPII
bIIIa受容体拮抗作用を有することを見出した。上記
目的に沿う本発明は、下記に示す化I(式中、R1はオル
ト、メタ、またはパラ置換したアミジノ基もしくは保護
されたアミジノ基、Aは置換基を1個以上有していても
よい低級アルキレン基、またはフェニレン基を1個以上
有していてもよいアルキレン基、Bは−CONH−また
は−CH2−、R2はカルボキシル基、エステル基、アミ
ド基またはアルキルスルホンイミド基、R3は水素、ア
ルキル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、置
換基を有していてもよいカルボン酸アミド基)で示され
る新規アミジノフェニルエーテル誘導体およびその塩類
である。
【0005】
【化2】
【0006】本発明において「保護されたアミジノ基」
とは、アルキルオキシカルボニル基で置換されたアミジ
ノ基、またはイミダゾリニル基等を示し、「置換基を1
個以上有していてもよい低級アルキレン基」における置
換基とは、アルキル、アリール、アリールアルキル、ハ
ロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルア
ミノ、アリールアミノ、アシル、アシルオキシ、アシル
アミノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミ
ド、フルオロ、クロロ、ブロモ等を示し、「置換基を有
していてもよいカルボン酸アミド基」とは、アルキルア
ミン、アリールアミン、アリールアルキルアミン、ハロ
アルキルアミン、またはアミノ酸等のアミノ基等と形成
されるカルボン酸アミドを示す。
【0007】本発明のアミジノフェニルエーテル誘導体
は、対応するシアノフェニルエーテル誘導体からアルコ
ール溶媒中で塩化水素を反応させた後で、塩化アンモニ
ウムまたはアンモニアを反応させる事によって合成でき
る。本発明のアミジノフェニルエーテル誘導体は、GP
IIbIIIa受容体拮抗剤、すなわちGPIIbIIaとフィ
ブリノーゲン等の接着蛋白質が結合することによって起
こる疾患等に有用な薬剤、例えば血小板凝集阻害剤、抗
血栓剤として使用され、投与量は症状により異なるが、
一般に成人1日量10〜600mg、好ましくは10〜2
00mgであり、症状に応じて必要により1〜3回に分け
て投与するのがよい。投与方法は投与に適した任意の形
態をとることができ、特に経口投与が望ましいが静注も
可能である。本発明の化合物は有効成分または有効成分
のひとつとして単独もしくは通常の方法で製剤担体また
は賦形剤等と混合され、錠剤、糖衣錠、散剤、カプセル
剤、顆粒剤、懸濁剤、乳剤、注射液等に製剤化された種
々の形態で適用できる。担体または賦形剤の例として
は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、でんぷん、ブ
ドウ糖、乳糖、デキストリン、アルギン酸、マンニトー
ル、タルク、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられ
る。次に実施例および試験例を示して本発明をさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるも
のではない。
【0008】
【実施例】
(実施例1) (1−1)8-ブロモオクタン酸3.00gおよびエタノール2
0mlの混合物に触媒量の硫酸を加え、3時間加熱還流しな
がら撹拌する。反応混合物に水とジエチルエーテルを加
えて分液を行ない、エーテル層を分取し、飽和食塩水で
洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下エーテル
を留去して8-ブロモオクタン酸エチル3.31gを得る。
【0009】(1−2)8―ブロモオクタン酸エチル1.0
0g,4-シアノフェノール0.47g,炭酸カリウム1.38gおよ
びアセトン40mlを20時間加熱還流下撹拌する。反応混合
物に水とジエチルエーテルを加えて分液を行ない、エー
テル層を分取し、飽和食塩水で洗浄する。硫酸マグネシ
ウム上で乾燥し、エーテルを減圧下留去して8-(4-シア
ノフェノキシ)オクタン酸エチル1.07gを得る。
【0010】(1−3)8-(4-シアノフェノキシ)オク
タン酸0.93gおよびメタノール40mlの混合物に-20℃で10
分間塩化水素ガスを吹き込み、0℃で18時間撹拌する。
減圧下メタノールと塩酸を留去した後、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液を加えて残留する塩酸を中和する。ジエ
チルエーテルで抽出後、硫酸マグネシウムで乾燥し、エ
ーテルを減圧下留去して8-[4-(メトキシイミノメチル)
フェノキシ]オクタン酸メチル0.88gを得る。
【0011】(1−4)8-[4-(エトキシイミノメチル)
フェノキシ]オクタン酸メチル0.88g,塩化アンモニウ
ム0.17g,メタノール20mlおよび水5mlを混合し、還流下
17時間撹拌する。減圧下乾固させた後、メタノールとジ
エチルエーテルから再結晶して8-(4-アミジノフェノキ
シ)オクタン酸エチル塩酸塩0.85gを得る。
【0012】(1−5)8-(4-アミジノフェノキシ)オク
タン酸エチル塩酸塩0.85g,水20mlおよび塩酸20mlを混
合し、加熱還流下3時間撹拌する。減圧下乾固させた
後、メタノールとジエチルエーテルから再結晶して8-(4
-アミジノフェノキシ)オクタン酸塩酸塩0.49gを得る。
このものの分光学的データは、下記の化IIの構造式を支
持する。
【0013】
【化3】
【0014】1H NMR(DMSO−d6) δ:9.30
(s,2H),9.14(s,2H),7.89(d,2H,J=8.6Hz),7.14(d,2H),4.
08(t,2H,J=5.6Hz),2.21(t,2H,J=5.9Hz),1.82-1.36(m,10
H)
【0015】(実施例2) (2−1)窒素雰囲気下、0℃に冷却したβ-アラニンエ
チルエステル塩酸塩1.00gとトリエチルアミン1.45gのク
ロロホルム溶液に、4-クロロブタノイルクロライド0.93
gを加え、室温で24時間撹拌する。10%クエン酸水溶液を
加え、塩化メチレンで2回抽出し、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。溶
媒を減圧留去し、3―(4―クロロブタノイルアミノ)プロ
ピオン酸エチル1.27gを得る。
【0016】(2−2)窒素雰囲気下、0℃に冷却した
水素化ナトリウム(純度60%)0.25gのN,N-ジメチルホルム
アミド懸濁液10mlに、4-シアノフェノール0.69gを加
え、室温で2時間撹拌し、3―(4―クロロブタノイルアミ
ノ)プロピオン酸エチル1.27gのN,N-ジメチルホルムアミ
ド溶液5mlを加え、70℃で4時間撹拌する。10%クエン酸
水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、2回水で洗い、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチ
ル-ヘキサン(3:1 V/V)溶出画分より3-[4-(4-シアノフ
ェノキシ)ブタノイルアミノ]プロピオン酸エチル0.23g
を得る。
【0017】(2−3)-20℃に冷却した3-[4-(4-シア
ノフェノキシ)ブタノイルアミノ]プロピオン酸エチル
0.23gのメタノール溶液(20ml)に、塩化水素ガスを1時間
吹き込み、0℃で18時間撹拌する。減圧下メタノールと
塩酸を留去した後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え
て、中和する。酢酸エチルで抽出後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、溶媒を減圧留去して、3-{4-[4-(メトキ
シイミノメチル)フェノキシ]ブタノイルアミノ}プロ
ピオン酸メチル0.24gを得る。
【0018】(2−4)3-{4-[4-(メトキシイミノメ
チル)フェノキシ]ブタノイルアミノ}プロピオン酸メ
チル0.24gのメタノール溶液に、塩化アンモニウム50mg
の水溶液(1ml)を加え、12時間加熱還流する。減圧下乾
燥させた後、メタノールを加え溶かし、ジエチルエーテ
ルを加え沈澱物を得る。沈澱物をジエチルエーテルで洗
い、3-[4-(4-アミジノフェノキシ)ブタノイルアミノ]
プロピオン酸メチル塩酸塩0.20gを得る。
【0019】(2−5)3-[4-(4-アミジノフェノキシ)
ブタノイルアミノ]プロピオン酸メチル塩酸塩0.20gの
メタノール溶液(20ml)に水酸化ナトリウムのメタノール
溶液(1規定)2.3mlを加え、8時間加熱還流する。室温ま
で冷却した後に、ジエチルエーテルを加え、結晶を析出
させる。結晶を濾取し、順に水、アセトンで洗い、減圧
下乾燥させ、3-[4-(4-アミジノフェノキシ)ブタノイル
アミノ]プロピオン酸ナトリウム38mgを得る。分光学的
データ測定のために、メタンスルホン酸塩に誘導した。
このものの分光学的データは、下記の化IIIの構造式を
支持する。
【0020】
【化4】
【0021】1H NMR(DMSO−d6) δ:9.15
(s,2H),8.90(s,2H),7.80(d,2H,J=9Hz),7.10(d,2H),4.10
(t,2H,J=5Hz),3.20(m,2H),2.7-1.8(m,6H),2.50(s,3H)
【0022】(実施例3) (3−1)窒素雰囲気下、0℃に冷却したβ-アラニンエ
チルエステル塩酸塩0.99gとトリエチルアミン1.45gのク
ロロホルム溶液に、5-クロロペンタノイルクロライド1.
02gを加え、室温で24時間撹拌する。10%クエン酸水溶液
を加え、塩化メチレンで2回抽出し、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。
溶媒を減圧留去し、3―(5-クロロペンタノイルアミノ)
プロピオン酸エチル1.57gを得る。
【0023】(3−2)窒素雰囲気下、0℃に冷却した
水素化ナトリウム(純度60%)0.28gのN,N-ジメチルホルム
アミド懸濁液10mlに、4-シアノフェノール0.77gを加
え、室温で2時間撹拌し、3―(5-クロロペンタノイルア
ミノ)プロピオン酸エチル1.57gのN,N-ジメチルホルムア
ミド溶液5mlを加え、70℃で4時間撹拌する。10%クエン
酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、2回水で洗い、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エ
チル-ヘキサン(3:1 V/V)溶出画分より3-[5-(4-シアノ
フェノキシ)ペンタノイルアミノ]プロピオン酸エチル
1.10gを得る。
【0024】(3−3)-20℃に冷却した3-[5-(4-シア
ノフェノキシ)ペンタノイルアミノ]プロピオン酸エチ
ル0.51gのメタノール溶液(20ml)に、塩化水素ガスを1時
間吹き込み、0℃で18時間撹拌する。減圧下メタノール
と塩酸を留去した後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え
て、中和する。酢酸エチルで抽出後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、溶媒を減圧留去して、3-{5-[4-(メトキ
シイミノメチル)フェノキシ]ペンタノイルアミノ}プ
ロピオン酸メチル0.52gを得る。
【0025】(3−4)3-{5-[4-(メトキシイミノメ
チル)フェノキシ]ペンタノイルアミノ}プロピオン酸
メチル0.52gのメタノール溶液に、塩化アンモニウム0.1
0gの水溶液(2ml)を加え、12時間加熱還流する。減圧下
乾燥させた後、メタノールを加え溶かし、ジエチルエー
テルを加え沈澱物を得る。沈澱物をジエチルエーテルで
洗い、3-[5-(4-アミジノフェノキシ)ペンタノイルアミ
ノ]プロピオン酸メチル塩酸塩0.51gを得る。
【0026】(3−5)3-[5-(4-アミジノフェノキシ)
ペンタノイルアミノ]プロピオン酸メチル塩酸塩0.51g
のメタノール溶液(20ml)に水酸化ナトリウムのメタノー
ル溶液(1N)5.7mlを加え、8時間加熱還流する。室温まで
冷却した後に、ジエチルエーテルを加え、結晶を析出さ
せる。結晶を濾取し、順に水、アセトンで洗い、減圧下
乾燥させ、3-[5-(4-アミジノフェノキシ)ペンタノイル
アミノ]プロピオン酸ナトリウム0.28gを得る。分光学
的データ測定のために、メタンスルホン酸塩に誘導し
た。このものの分光学的データは、下記の化IVの構造式
を支持する。
【0027】
【化5】
【0028】1H NMR(DMSO−d6) δ:9.12
(s,2H),8.90(s,2H),7.82(d,2H,J=9Hz),7.12(d,2H),4.25
-3.95(m,2H),3.40-3.05(m,8H),2.60-1.50(m,8H),2.50
(s,3H)
【0029】(実施例4) (4−1)窒素雰囲気下、4-シアノフェノール1.82g、3
-(ブロモメチル)安息香酸メチル5.05gのアセトン溶液(4
0ml)に、炭酸カリウム6.30gを加え、16時間加熱還流す
る。室温まで冷却した後、水を加え、塩化メチレンで抽
出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去
し粗生成物を得る。塩化メチレン-ヘキサンから再結晶
し、3-(4-シアノフェノキシメチル)安息香酸メチル1.53
gを得る。
【0030】(4−2)3-(4-シアノフェノキシメチル)
安息香酸メチル1.21gのメタノール溶液(50ml)に炭酸カ
リウム0.98gの水溶液(6ml)を加え、18時間加熱還流す
る。室温まで冷却した後、10%クエン酸水溶液を加え中
和し、結晶を析出させ、結晶を濾取し、水で洗い、減圧
下乾燥させ3-(4-シアノフェノキシメチル)安息香酸1.09
gを得る。
【0031】(4−3)窒素雰囲気下、3-(4-シアノフ
ェノキシメチル)安息香酸1.09gに塩化チオニル5mlを加
え、24時間室温で撹拌した後、減圧下塩化チオニルを留
去し、3-(4-シアノフェノキシメチル)安息香酸クロライ
ドを得る。得られた酸クロライドのDMF溶液(6ml)を窒素
雰囲気下0℃に冷却した、β-アラニンエチルエステル塩
酸塩0.67g、トリエチルアミン0.92gのN,N-ジメチルホル
ムアミド懸濁液(6ml)に加え、室温で17時間撹拌する。
水を加え、酢酸エチルで抽出し、順に、10%クエン酸水
溶液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗い、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに付し塩化メチレン
溶出画分より3-[3-(4-シアノフェノキシメチル)ベンゾ
イルアミノ]プロピオン酸エチル1.23gを得る。
【0032】(4−4)-20℃に冷却した、3-[3-(4-シ
アノフェノキシメチル)ベンゾイルアミノ]プロピオン
酸エチル1.23gのメタノール溶液(20ml)に塩化水素ガス
を1時間吹き込み、0℃で15時間撹拌する。減圧下、メタ
ノールと塩酸を留去した後、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液を加え中和する。酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して3-{3-[4-(メ
トキシイミノメチル)フェノキシメチル]ベンゾイルア
ミノ}プロピオン酸エチル1.19gを得る。
【0033】(4−5)3-(3-(4-(メトキシイミノメチ
ル)フェノキシメチル)ベンゾイルアミノ)プロピオン酸
エチル1.19gのメタノール溶液(30ml)に、塩化アンモニ
ウム0.22gの水溶液(1ml)を加え、6時間加熱還流する。
減圧下乾燥させた後、メタノールを加え、溶かし、ジエ
チルエーテルを加え沈澱物を得る。沈澱物をジエチルエ
ーテルで洗い、3-[3-(4-アミジノフェノキシメチル)ベ
ンゾイルアミノ]プロピオン酸メチル塩酸塩1.25gを得
る。
【0034】(4−6)3-[3-(4-アミジノフェノキシ
メチル)ベンゾイルアミノ]プロピオン酸メチル塩酸塩
1.25gのメタノール溶液50mlに水酸化ナトリウムのメタ
ノール溶液(1規定)12.8mlを加え、8時間加熱還流する。
室温まで冷却した後に、ジエチルエーテルを加え、結晶
を析出させる。結晶を濾取し、順に水、アセトンで洗
い、減圧下乾燥させ、3-[3-(4-アミジノフェノキシメ
チル)ベンゾイルアミノ]プロピオン酸ナトリウム0.82g
を得る。分光学的データ測定のために、メタンスルホン
酸塩に誘導した。このものの分光学的データは、下記の
化Vの構造式を支持する。
【0035】
【化6】
【0036】1H NMR(DMSO−d6) δ:9.20
(s,2H),9.00(s,2H),800-7.50(m,6H),7.22(d,2H,J=9Hz),
5.32(s,2H),3.70-3.30(m,2H),2.70-2.40(m,2H),2.50(s,
3H)
【0037】(実施例5) (5−1)-20℃に冷却した、3-(4-シアノフェノキシメ
チル)安息香酸メチル1.50gのメタノール溶液(20ml)に、
塩化水素ガスを1時間吹き込み、0℃で13時間撹拌す
る。減圧下メタノールと塩酸を留去した後、飽和炭酸ナ
トリウム水溶液を加えて、中和する。酢酸エチルで抽出
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し
て、3-[4-(メトキシイミノメチル)フェノキシ]安息香
酸メチル0.94gを得る。
【0038】(5−2)3-[4-(メトキシイミノメチル)
フェノキシ]安息香酸メチル0.94gのメタノール溶液30m
lに、塩化アンモニウム0.20gの水溶液(1ml)を加え、12
時間加熱還流する。減圧下乾燥させた後、メタノールを
加え、溶かし、ジエチルエーテルを加え沈澱物を得る。
沈澱物をジエチルエーテルで洗い、3-(4-アミジノフェ
ノキシ)安息香酸メチル塩酸塩0.86gを得る。
【0039】(5−3)3-(4-アミジノフェノキシ)安息
香酸メチル塩酸塩0.86gのメタノール溶液20mlに水酸化
ナトリウムのメタノール溶液(1N)20mlを加え、8時間加
熱還流する。室温まで冷却した後に、ジエチルエーテル
を加え、結晶を析出させる。結晶を濾取し、順に水、ア
セトンで洗い、減圧下乾燥させ、3-(4-アミジノフェノ
キシ)安息香酸ナトリウム0.64gを得る。
【0040】(5−4)窒素雰囲気下、3-(4-アミジノ
フェノキシ)安息香酸ナトリウム0.26gのテトラヒドロフ
ラン懸濁液3mlの中に塩化チオニル3mlを加え、室温で24
時間撹拌した後、減圧下テトラヒドロフラン及び塩化チ
オニルを留去し,3-(4-アミジノフェノキシ)安息香酸ク
ロライドを得る。得られた酸クロライドの塩化メチレン
懸濁液(3ml)をN-〔3-(ter-ブトキシカルボニル)-L-
アラニル〕-3-フェニル-L-アラニン ter-ブチルエステ
ル0.35gの塩化メチレン10ml、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液3ml混液中に加え、室温で3時間撹拌する。飽和
炭酸ナトリウム水溶液1mlを加え、ついでジ-ter-ブチル
―ジカーボネート0.24gの塩化メチレン溶液(1ml)を
加え、室温で18時間撹拌した後に、塩化メチレンで抽出
し無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メ
チレンーメタノール(100:1 v/v)溶出画分よ
りN-{3-(ter―ブトキシカルボニル)-N-{3-{4-[N-
(ter―ブトキシカルボニル)アミジノ]フェノキシ}ベ
ンゾイル}―L―アラニル}―3―フェニル―L―アラ
ニン ter―ブチルエステル0.37gを得る。
【0041】(5−5)N-{3-(ter―ブトキシカルボニ
ル)-N-{3-{4-[N-(ter―ブトキシカルボニル)アミジ
ノ]フェノキシ}ベンゾイル}―L―アラニル}―3―
フェニル―L―アラニン ter―ブチルエステル0.24gの
塩化メチレン溶液(4ml)に、トリフルオロ酢酸2mlを加
え、室温で5時間撹拌した後に、減圧下溶媒を留去し残
渣を塩化メチレンおよび水で洗い、N-{N-[3-(4-アミ
ジノフェノキシ)ベンゾイル]-L-α-アスパルチル}-3-
フェニル-L-アラニン トリフルオロ酢酸塩0.15gを得
る。このものの分光学的データは、下記の化VIの構造式
を支持する。
【0042】
【化7】
【0043】1H NMR(DMSO−d6) δ:9.10
(s,4H),8.05-7.00(m,13H),5.30(s,2H),4.90(m,1H),4.40
(m,1H),3.5-2.4(m,4H)m.p. 209-212℃
【0044】(試験例)ヒト洗浄血小板を用いたフィブリノーゲン凝集抑制作用
の測定 (1)洗浄血小板の調製 3.8%クエン酸ナトリウムを10%添加したヒト全血(ヒト
の肘静脈から採血)を135×g(1100rpm)で10分間遠心分
離した後、上清を多血小板血漿(platelet rich plasma;
PRP)として分取した。これを0.5%BSA(牛血清アルブミ
ン),5.5mMglucose(グルコース)含有HEPES buffer(2-[4-
(2-ヒドロキシエチル-1-ピペラジニル)]エタンスルホン
酸緩衝液)(pH 7.4)で平衡化したSepharose(セファロー
ス) CL-2Bカラム(ファルマシア社製)で分離し、ボイ
ドボリュウム(void volume)に溶出される分画を洗浄
血小板浮遊液とした。
【0045】(2)フィブリノーゲン凝集 洗浄血小板にα―キモトリプシンを終濃度10U/mlとなる
よう加えて室温で30分間反応させた。その後、トリプシ
ン―キモトリプシン インヒビター(0.5mg/ml)を加えて
プロテアーゼ活性を止め、0.5%BSA,5.5mMglucose含有HE
PES buffer(pH7.4)で洗浄し CaCl2 ,MgCl2 をそれぞれ2
mM,PGE1を1μMとなるよう加えた後、フィブリノーゲン
(0.4mg/ml)の添加によって起こる凝集反応をアグリゴメ
ーター(NBS HEMATRACER VI)で測定した。まず血小板浮
遊液 0.2mlをアグリゴメーター用のキュベットに入れ、
25μlの被験薬物溶液または生理食塩液(control) を加
えて37℃で5分間撹拌(1000rpm) しながらインキュベー
ションした。その後、精製フィブリノーゲン溶液25μl
を添加し、その凝集により生じた透過光強度の変化を経
時的に記録した。洗浄血小板浮遊液および 0.5%BSA,5.5
mMglucose含有HEPESbuffer(pH 7.4)の透過光度をそれぞ
れ 0および100%として凝集惹起物質添加時の洗浄血小板
液の最大透過光度を最大凝集率とした。生理食塩液添加
時の最大凝集率に対する薬物添加時の最大凝集率をパー
セントで表わし、凝集の50%阻害濃度(IC50) を算出し
た。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】(急性毒性)ICR系雄性マウス(5週
齢)を用いて、経口投与による急性毒性試験を行なっ
た。本発明のアミジノフェニルエーテル誘導体のLD50
値はいずれも300mg/Kg以上であり、高い安全性が確
認された。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば新規なアミジノフェニル
エーテル誘導体が提供される。本発明の新規なアミジノ
フェニルエーテル誘導体は試験例に示されるように、フ
ィブリノーゲン凝集抑制作用を有するため、フィブリノ
ーゲン等の粘着蛋白質がGPIIbIIIa受容体に結合す
ることによって起こる血小板の凝集が関与する疾患の予
防剤および治療薬として有効である。特に、抗血栓剤と
して有効である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/165 9283−4C 31/215 9283−4C (72)発明者 清水 一浩 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記に示す化I(式中、R1はオルト、メ
    タ、またはパラ置換したアミジノ基もしくは保護された
    アミジノ基、Aは置換基を1個以上有していてもよい低
    級アルキレン基、またはフェニレン基を1個以上有して
    いてもよいアルキレン基、Bは−CONH−または−C
    2−、R2はカルボキシル基、エステル基、アミド基ま
    たはアルキルスルホンイミド基、R3は水素、アルキル
    基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、置換基を
    有していてもよいカルボン酸アミド基)で示される新規
    アミジノフェニルエーテル誘導体およびその塩類。 【化1】
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003523328A (ja) * 2000-01-12 2003-08-05 ベーリンガー インゲルハイム ファルマ コマンディトゲゼルシャフト アリール−イミノメチル−カルバミノ酸エステルの調製方法
JP2004521862A (ja) * 2000-09-06 2004-07-22 エミスフェアー・テクノロジーズ・インク シアノフェノキシカルボン酸化合物および活性薬剤送達用組成物

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