JPH06279380A - 芳香族アミド類の製造法 - Google Patents
芳香族アミド類の製造法Info
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- JPH06279380A JPH06279380A JP25059893A JP25059893A JPH06279380A JP H06279380 A JPH06279380 A JP H06279380A JP 25059893 A JP25059893 A JP 25059893A JP 25059893 A JP25059893 A JP 25059893A JP H06279380 A JPH06279380 A JP H06279380A
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Abstract
カルボン酸クロリドをo−アミノフェノールの塩酸塩と
アミド化縮合させることによるシアンカプラー芳香族ア
ミド化合物の製造法。 【効果】本発明の方法によれば、酢酸溶媒やキノリンを
用いることなく簡便な方法で品質の優れたシアンカプラ
ー芳香族アミド化合物が収率よく得られる。
Description
プラーとして用いられる芳香族アミド類の製造法に関す
る。
される芳香族アミド類の製造法としては、O−アミノフ
ェノール類を酢酸中で、酢酸ソーダの存在下、酸クロリ
ド類と縮合反応させる方法(特開昭62-73258号公報) あ
るいはo−アミノフェノール類の塩酸塩をアセトン溶媒
中、キノリンの存在下に酸クロリド類と反応させる方法
(米国特許公報第2801171号公報)が知られてい
る。
化反応に酢酸のような酸性の溶媒やキノリンと言った汎
用性の比較的低い試剤が必要とされ、尚かつ得られる芳
香族アミド類の収率が十分なものではないと言う問題点
があった。
ーを工業的に有利に得るための方法について検討した結
果、本発明者らは、酢酸やキノリンと言った試剤を用い
ることなく中性の有機溶媒を用いて硫黄分の含量(カル
ボン酸クロリド重量基準)が0.8%以下のカルボン酸
クロリドをo−フェノール類の塩酸塩とアミド化縮合反
応させることにより収率よく芳香族アミド化合物が得ら
れることを見いだし本発明を完成した。
(1) (式中、R1 は低級アルキル基を表わす)
塩を、式(2) (式中、R2 〜R4 は水素原子または低級アルキル基を
表わす)
クロリド類の重量基準)の酸クロリド類と不活性溶媒中
で縮合反応させることを特徴とする式(3) (式中、R1 〜R4 は前記と同じ意味を表わす)で示さ
れる芳香族アミド類の製造法に関する。
されるo−アミノフェノール類の塩酸塩について説明す
る。式(1)のo−アミノフェノール類の塩酸塩の置換
基であるR1 としては例えば、メチル、エチル、n-プロ
ピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルなどの低級
アルキル基が挙げられる。具体化合物としては、例えば
2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−メチルフェノ−
ル、2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−エチルフェノ
−ル、2−アミノ−4,6−ジクロロー5−n−プロピ
ルフェノ−ル、2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−イ
ソプロピルフェノ−ル、2−アミノ−4,6−ジクロロ
−5−n−ブチルフェノ−ル、2−アミノ−4,6−ジ
クロロ−5−sec −ブチルフェノ−ルの塩酸塩が例示さ
れる。これらの化合物は、通常の還元方法で対応するニ
トロ化合物を還元して得られるo−アミノフェノール類
を常法に従って塩酸塩化して得られる。
(2)の酸クロリド類について説明する。本発明のアミ
ド化縮合反応では、硫黄分の酸クロリド重量基準でみた
量が多くなるとアミド化反応の収率が低下するため硫黄
含量が0.8%以下、より好ましくは0.5%以下の式
(2)のカルボン酸クロリド類がアミド化縮合反応に用
いられる。
黄分を含まないホスゲンや塩化オキザリル等をカルボン
酸に反応せしめる方法等でも得られる。また、酸クロリ
ド類(1)としては、カルボン酸に塩化チオニルを反応
させて得られた酸クロリド類の硫黄分を上記の水準まで
減らすため蒸留精製して硫黄分含量が0.8%以下、よ
り好ましくは0.5%以下としたものを用いてもよい。
のような酸クロリド類の蒸留を行うことなく例えば、式
(4) (式中、R2 〜R4 は水素原子または低級アルキル基を
表わす)
反応せしめ、得られた反応混合物を硫黄分含量が0.8
%以下または0.5%以下となるよう濃縮して得られる
式(2)のカルボン酸クロリド類を式(1)のo−アミ
ノフェノール類の塩酸塩と反応させる態様でも本発明は
実施することができる。この態様では、蒸留工程を省略
できるので簡便で蒸留による酸クロリド類の収率ロスも
なくなることから蒸留酸クロリド類を使用する場合より
有利である。
置換基R2 、R3 、R4 としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−アミ
ル基、i−アミル基、s−アミル基、t−アミル基、n
eo−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−ヘキシル基、
3−ヘキシル基、t−ヘキシル基等の低級アルキル基ま
たは水素原子があげられる。
フェノキシ酢酸、4−エチルフェノキシ酢酸、α−(2
−イソプロピルフェノキシ)酪酸、α−(3,5−ジイ
ソプロピルフェノキシ)酪酸、α−(2−t−アミル−
4−メチルフェノキシ)酪酸、α−(2,4−ジ−t−
アミルフェノキシ)酪酸、α−(2,4−ジ−t−アミ
ルフェノキシ)吉草酸等が例示される。
ルボン酸クロリド類を得る反応において、カルボン酸に
対する塩化チオニルの使用量は1〜6モル倍であり、好
ましくは1〜2モル倍である。反応溶媒としては、通常
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が使用され、
その使用量はカルボン酸に対して0.1〜5重量倍であ
るが、反応溶媒の使用は必ずしも必須ではない。反応は
通常窒素等の不活性ガス雰囲気下、40〜80℃で実施
され、反応促進のためピリジン、ピコリン、キノリン等
のアミン類やN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチ
ルピロリドンなどのアミド類を添加して行うこともでき
る。その使用量は原料カルボン酸に対して5モル%まで
である。
ニルを作用せしめ、得られた酸クロリドを濃縮すること
によって硫黄分の含量が調整され、例えば、65℃で3
0mmHgの減圧下またはそれ以上の温度、減圧度まで
濃縮することにより最終的にはカルボン酸類(4)から
所望の酸クロリド類が高収率で得られる。ここで酸クロ
リド類と塩化チオニルとの反応に溶媒を使用した場合
は、濃縮後の反応溶媒の残存量は通常濃縮前の50重量
%以下、好ましくは20重量%以下に調整される。
3 、R4 としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s
−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、i−アミル
基、s−アミル基、t−アミル基、neo−ペンチル
基、n−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル
基、t−ヘキシル基等の低級アルキル基または水素原子
があげられる。
フェノキシ酢酸クロリド、4−エチルフェノキシ酢酸ク
ロリド、α−(2−イソプロピルフェノキシ)酪酸クロ
リド、α−(3,5−ジイソプロピルフェノキシ)酪酸
クロリド、α−(2−t−アミル−4−メチルフェノキ
シ)酪酸クロリド、α−(2,4−ジ−t−アミルフェ
ノキシ)酪酸クロリド、α−(2,4−ジ−t−アミル
フェノキシ)吉草酸クロリド等のα−置換脂肪族カルボ
ン酸クロリド類が例示される。
(1)のo−アミノフェノール類の塩酸塩とアミド化縮
合反応させる工程について以下説明する。酸クロリド類
の使用量は、式(2)のo−アミノフェノールの塩酸塩
に対して通常、1〜1.5モル倍であり、より好ましく
は1〜1.35モル倍である。
され、不活性溶媒としてはアセトニトリルまたはプロピ
オニトリル等の低級アルキルニトリル類、トルエンまた
はキシレン等の芳香族炭化水素類あるいはアセトン等の
低級アルキルケトン類等の中性の不活性有機溶媒が例示
され、その使用量はo−アミノフェノール類の塩酸塩に
対して通常3〜30重量倍、好ましくは3〜25重量倍
である。
反応は通常、o−アミノフェノール類の塩酸塩スラリー
の中に酸クロリドを滴下するか、40℃以下で両試剤を
仕込んでから加熱昇温して実施される。アミド化縮合
は、通常、空気中で行うこともできるが、雰囲気中の酸
素が反応に影響を及ぼすため、芳香族アミド類をより収
率よく得るには、該反応は好ましくは酸素濃度5%以
下、さらにより好ましくは酸素濃度1%以下の窒素等の
不活性ガス雰囲気下で実施される。
が、必ずしも脱酸剤を用いる必要はなく、両試剤だけで
も円滑に反応は進行する。脱酸剤を用いることにより反
応をより容易に行い、かつ溶媒量を削減することもでき
る。このときの溶媒量は、o−アミノフェノール塩酸塩
に対して3〜25倍量である。使用できる脱酸剤として
は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭
酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアル
カリ金属重炭酸塩などの無機塩基類があげられる。その
使用量は、二酸塩基を用いたときはo−アミノフェノー
ル類の塩酸塩に対して通常1.5モル倍程度までであ
り、一酸塩基を用いたときは、3モル倍程度までであ
る。
浄、分液または濾過した後、濃縮して芳香族アミド化合
物を取り出し、得られた粗芳香族アミド化合物を再結晶
することもできるが、本発明の方法では、上記のような
煩雑な操作を行うことなく、縮合反応後の反応液はその
ままあるいは脱酸剤を用いた場合は必要により洗浄、分
液または濾過操作の後、次の工程に供試することもでき
るし、晶析工程に供し目的物である高品質の芳香族アミ
ド化合物を収率よく取り出すこともできる。
反応溶媒を適宜留去、添加するか、または必要により水
を添加することによって調節される。溶媒の量は、原料
であるo−アミノフェノール類の塩酸塩に対して通常3
〜15重量倍であり、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素溶媒またはアセトニトリルを縮合アミド化工程で
用いた場合は溶媒量を上記の範囲内に調節するだけで晶
析を行うことができる。縮合工程でアセトン溶媒を用い
た場合は、縮合反応後の反応溶液に水を添加し、その溶
媒組成を10〜40%の含水アセトンとなるよう調節し
て晶析を行う。晶析は反応溶液の温度を通常40〜10
0℃から5〜10℃に冷却して行われる。析出した結晶
は濾過、洗浄し乾燥することによって残存溶媒や水分の
除かれた芳香族アミド化合物として得られる。
化合物としては、2−(2,4−ジ−t−アミルフェノ
キシ)−N−(3,5−ジクロロ−4−エチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)ブタンアミド、2−(2,4−ジ−
t−アミルフェノキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4
−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタンアミド、2
−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)−N−(3,
5−ジクロロ−4−エチル−2−ヒドロキシフェニル)
酢酸アミド、2−(2,4−ジ−t−アミルフェノキ
シ)−N−(3,5−ジクロロ−4−メチル−2−ヒド
ロキシフェニル)酢酸アミド、2−(2−t−アミル−
4−メチルフェノキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4
−エチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタンアミド、2
−(2−t−アミル−4−メチルフェノキシ)−N−
(3,5−ジクロロ−4−メチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)ブタンアミド、2−(2−t−アミル−4−メチ
ルフェノキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4−エチル
−2−ヒドロキシフェニル)酢酸アミド、2−(2−t
−アミル−4−メチルフェノキシ)−N−(3,5−ジ
クロロ−4−メチル−2−ヒドロキシフェニル)酢酸ア
ミド、2−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)−N
−(3,5−ジクロロ−4−エチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)吉草酸アミド、2−(2,4−ジ−t−アミル
フェノキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4−メチル−
2−ヒドロキシフェニル)吉草酸アミド等が例示され
る。
リド類とアミノフェノールの塩酸塩から式(4)の芳香
族アミド類が収率よく簡便な方法で得られ、その品質は
HPLC分析で純度99.6%以上と高く、該芳香族アミド
類は優れた画像を形成するシアンカップラーとなる。
明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるも
のではない。
テルの合成 2,4−ジ−t−アミルフェノール 668.6g、トルエン
1450.9g、95%苛性ソーダ 119.4gを5リットルの
フラスコに仕込み、共沸脱水により系内の水分を400
ppm 以下にし、α−ブロモ酪酸エチルエステル585g
を50℃で3時間かけて滴下し、更に50℃に9時間保
温することにより反応を完結せしめた。この反応液に4
0℃で濃塩酸 325.3g及び水1337.2gを添加攪拌し、水
層を分液後、油層を水 668.6gで洗浄した。その後油層
を理論段数7段の充填塔を用い100−3mmHgの減圧
下、温度60−250℃にて蒸留精製し、純度99%の
α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)酪酸エチル
エステルを2,4−ジアミルフェノールに対して収率7
0%で得た。
シ)酪酸の合成 上記α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)酪酸エ
チルエステル 317.9g及び27%苛性ソーダ水 401.4g
を3リットルのフラスコに仕込み、98℃に6時間保温
することにより加水分解反応を完結せしめた。反応後4
0%硫酸水 349.9g及び水250gを添加してpH2以
下にしてからトルエン 317.9gを添加して抽出操作を行
い、水層を分液後、トルエン層を水 317.9gで洗浄し
た。その後トルエン層の濃縮を常圧蒸留により行い、ト
ルエンを回収した。分析の結果、このトルエン濃縮液 3
57.6g中には原料エステルに対して収率99%相当の目
的とするカルボン酸が含まれていた。
(3,5−ジクロロ−4−エチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)ブタンアミドの製造 参考例1−で得られたカルボン酸の濃縮液と同様の組
成の濃縮液85.5g およびN,N −ジメチルホルムアミド0.
08g を1 リットルのフラスコに仕込み、窒素雰囲気下、
68℃で塩化チオニル30.54 gを1 時間で滴下し、さら
に同温度で4 時間保温して反応を完結せしめた。反応
後、30mmHgの減圧下、温度65℃で残存塩化チオニルお
よびトルエン溶液の一部を3.0 時間かけて留去した。得
られた酸クロリドの濃縮物74.51gは分析の結果、カルボ
ン酸からの酸クロリドの収率は99%であり、酸クロリド
を基準として0.07% の硫黄分を含んでいた。このように
して得られた酸クロリド30.8gと6−アミノ−2,
4−ジクロロ−3−エチルフェノール塩酸塩20.7g
( 含量97.5%)およびアセトニトリル207gをフラスコ
中に仕込み、酸素濃度1%以下の窒素雰囲気下で3時間
加熱還流した。反応終了後、反応液を10℃まで冷却
し、さらに10℃で1時間保温してアミド化合物を晶析し
た。結晶を濾過し、さらにアセトニトリルで洗浄後、乾
燥して目的物39.9gを得た。(mp145−146
℃、純度99.8%、アミド化工程の収率94.1% )
めてアミド化合物の純度は液体クロマトグラフィー分析
装置( LC6A,島津製作所製)を用いた分析により得
られるクロマトグラムにおけるアミド化合物の面積百分
率である。なお分析条件はつぎのとおりである。カラ
ム:スミパックODS A212;移動相:0.1%ト
リフルオロ酢酸−10%含水アセトニトリル;測定温度
40℃。硫黄分の分析は、試料を酸素炎燃焼の前処理を
して硫酸イオンとした後、イオンクロマトグラフィーに
より定量した。得られたこの値を硫黄に換算して酸クロ
リド重量を基準とした値で表した。
(3,5−ジクロロ−4−エチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)ブタンアミドの製造 参考例1−で得られたカルボン酸の濃縮液と同様の組
成の濃縮液85.5g およびN,N −ジメチルホルムアミド0.
08g を1 リットルのフラスコに仕込み、窒素雰囲気下、
68℃で塩化チオニル30.54 gを1 時間で滴下し、さら
に同温度で4 時間保温して反応を完結せしめた。反応
後、30mmHgの減圧下、温度65℃で残存塩化チオニルお
よびトルエン溶液の一部を2 時間かけて留去した。得ら
れた酸クロリドの濃縮物75.26g中には分析の結果、カル
ボン酸からの酸クロリドの収率は99% であり、酸クロリ
ドを基準として0.13% の硫黄分を含んでいた。この酸ク
ロリド31.1g(硫黄分0.13%)を用いる以外は
実施例1と同様に反応を行い、アミド化工程収率94.6%
で目的物を得た。( mp145−146℃、純度99.7
%)
(3,5−ジクロロ−4−エチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)ブタンアミドの製造 参考例1−で得られたカルボン酸のトルエン濃縮液 3
00.6g及びN,N−ジメチルホルムアミド0.25gを1L
フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、温度68℃に保温し
て塩化チオニル107.34gを1時間で滴下し、更に4時間
保温攪拌することにより反応を完結せしめた。反応後3
0−300mmHgの減圧下温度を65℃に加温して残存塩
化チオニル及びトルエン溶液の一部を留去した。分析の
結果、濃縮液270g中には硫黄分が 0.4%、原料カル
ボン酸に対して収率99%相当の目的とする酸クロリド
が含まれていた。この酸クロリド33.8g(硫黄分
0.40%)を用いる以外は実施例1と同様に同様に反
応を行い目的物をアミド化工程収率93.5% で得た。( m
p145−146℃、純度99.6%)
(3,5−ジクロロ−4−エチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)ブタンアミドの製造 α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)酪酸を含
有する上記参考例1−のトルエン濃縮液と同様の組成
の濃縮液 300.6g及びN,N−ジメチルホルムアミド0.
25gを1リットルのフラスコに仕込み、窒素雰囲気下、
温度68℃に保温して塩化チオニル107.34gを1時間で
滴下し、更に4時間保温攪拌することにより反応を完結
せしめた。反応後30−300mmHgの減圧下温度を65
℃に加温して残存塩化チオニル及びトルエン溶液の一部
を留去した。分析の結果、濃縮液270g中には硫黄分
が 0.4%、原料カルボン酸に対して収率99%相当の目
的とする酸クロリドが含まれていた。 このカルボン酸クロリドの濃縮液100gを減圧蒸留し、
精製品76.8g(bp.139〜140 ℃/ 1 mmHg) を得た。カルボ
ン酸クロリドの蒸留回収率は81.4% 、硫黄分は0.01
%以下であった。
トロフェノール20g(純度98.4%)をメタノール
80gに溶解し、これにラネーニッケル 0.8g、活性炭
0.2gを加え、40〜45℃、水素圧4kg/cm2 にて水
素吸収がなくなるまで水素を通じた。反応終了後、空気
中でラネーニッケルを除去し、塩酸17.7gを滴下し
20℃に冷却すると結晶が析出した。これを濾過しアセ
トン28gで洗浄、乾燥し2,4−ジクロロ−3−エチ
ル−6−アミノフェノール塩酸塩16.2gを得た。空
気中でこの塩酸塩に、上記の蒸留精製した酸クロリド2
3.4gを加えアセトニトリル162g中、2時間加熱
還流した。反応終了後、反応液を10℃まで冷却し、析
出した結晶を濾過した。さらにアセトニトリル16gで
洗浄後、乾燥し、目的のアミド30.1gを得た。(mp
145−146℃、純度98.9%) ついでこの結晶全量をアセトニトリル150gで再結晶する
と純度99.3% の結晶28.2g が得られた。(アミド化工程
収率82.2% )
ノキシ)酪酸が含まれる濃縮液57g及びN,N−ジメ
チルホルムアミド0.05gを1リットルのフラスコに仕込
み、窒素雰囲気下、温度68℃に保温して塩化チオニル
20.36gを1時間で滴下し、更に4時間保温攪拌するこ
とにより反応を完結せしめた。反応後300−50mmHg
の減圧下温度を65℃に加温して残存塩化チオニル及び
トルエン溶液の一部を留去した。分析の結果、濃縮液 5
1.98g中には硫黄分が 0.8%、原料カルボン酸に対して
収率99%相当の目的とする酸クロリドが含まれてい
た。
の酸クロリドを使用する以外は同様の操作を行った。そ
の結果、2−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)−
N−(3,5−ジクロロ−4−エチル−2−ヒドロキシ
フェニル)ブタンアミド33.6gを得た。(mp 145
−146℃、純度99.5%、アミド化工程収率79.0% )
様の操作を行った。その結果、2−(2,4−ジ−t−
アミルフェノキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4−エ
チル−2−ヒドロキシフェニル)ブタンアミド37.4gを
得た。(mp 145−146℃、純度99.6%、アミド
化工程収率88.0% )
(3,5−ジクロロ−4−エチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)ブタンアミドの製造 6−アミノ−2,4−ジクロロ−3−エチルフェノール
塩酸塩20.7g( 含量97.5%)およびアセトン140g
および炭酸水素ナトリウム14.0gをフラスコ中に仕
込み、酸素濃度1%以下の窒素雰囲気に保った中に、実
施例3で得られた酸クロリド33.8g(硫黄分0.4
0%)を滴下し、2時間加熱還流した。反応終了後、反
応液中の不溶分を濾別し、不溶分を少量のアセトンで洗
浄した。集めた濾液およ洗液に水4.3gおよびアセト
ン24.2gを加えてから30℃まで冷却し、結晶が析
出した後さらにこの中に水38.8gを滴下した。さら
に冷却し温度を10℃まで下げ結晶を濾集した。濾集し
た結晶を25%含水アセトン64.4gで洗浄後、乾燥
して目的のアミド化合物38.1gを得た。(mp14
5−146℃、純度99.7%、アミド化工程収率89.6%))
(3,5−ジクロロ−4−エチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)ブタンアミドの製造 脱酸剤として炭酸水素ナトリウムを用いる代わりに炭酸
ナトリウム17.6g を使用する以外は実施例4 と同様の操
作を行い目的のアミド化合物34.1g を得た。( mp14
5−146℃、純度99.7%、アミド化工程収率80.2%)
(3,5−ジクロロ−4−エチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)ブタンアミドの製造 参考例1-で用いられたのと同じ組成のカルボン酸の
濃縮液85.5g およびN,N −ジメチルホルムアミド0.08g
を1 リットルのフラスコに仕込み、窒素雰囲気下、68
℃で塩化チオニル30.54 gを1 時間で滴下し、さらに同
温度で4 時間保温して反応を完結せしめた。反応後、3
0mmHgの減圧下、温度65℃で残存塩化チオニルおよびト
ルエン溶液の一部を3.0 時間かけて留去した。得られた
酸クロリドの濃縮物74.51gは分析の結果、カルボン酸か
らの酸クロリドの収率は99% であり、酸クロリド重量を
基準として0.07% の硫黄分を含んでいた。上記のカルボ
ン酸クロリドの濃縮液100gを減圧蒸留し、精製品76.8g
(bp.139〜140 ℃/ 1 mmHg) を得た。カルボン酸クロリ
ドの蒸留回収率は81.4% であった。
トロフェノール20g(純度98.4%)をメタノール
300ccに溶解し、これにラネーニッケルを触媒量加
え常圧にて水素吸収がなくなるまで水素を通じた。反応
終了後、空気中でラネーニッケルを除去し、溶媒を留去
した。得られた粗2,4−ジクロロ−3−エチル−6−
アミノフェノールと16.7gの酢酸ソーダを500c
cの氷酢酸に溶解し、この中に上記の蒸留精製した酸ク
ロリド29.4gを酢酸70ccに溶解した液として3
0分で滴下した。さらに30分間攪拌後、反応液を氷水
に注入した。生成した沈殿を濾過乾燥後、アセトニトリ
ルで2回再結晶を行い、乾燥して目的物31.7gを得
た。(mp.145−146℃、純度99.4%、o −ニト
ロフェノールからの収率74.3%)
ーを工業的に有利に得るための方法について検討した結
果、本発明者らは、酢酸やキノリンと言った試剤を用い
ることなく不活性溶媒中で硫黄分の含量(カルボン酸ク
ロリド重量基準)が0.8%以下のカルボン酸クロリド
をo−アミノフェノール類の塩酸塩とアミド化縮合反応
させることにより収率よく芳香族アミド化合物が得られ
ることを見いだし本発明を完成した。
とアミノフェノールの塩酸塩から式(4)の芳香族アミ
ド類が簡便な方法で収率よく得られ、該芳香族アミド類
は優れた画像を形成するシアンカップラーとなる。
(3,5−ジクロロ−4−エチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)ブタンアミドの製造 参考例1-で用いられたのと同じ組成のカルボン酸の
濃縮液85.5g およびN,N −ジメチルホルムアミド0.08g
を1 リットルのフラスコに仕込み、窒素雰囲気下、68
℃で塩化チオニル30.54 gを1 時間で滴下し、さらに同
温度で4 時間保温して反応を完結せしめた。反応後、3
0mmHgの減圧下、温度65℃で残存塩化チオニルおよびト
ルエン溶液の一部を3.0 時間かけて留去した。得られた
酸クロリドの濃縮物74.51gは分析の結果、カルボン酸か
らの酸クロリドの収率は99% であり、酸クロリド重量を
基準として0.07%の硫黄分を含んでいた。上記のカルボ
ン酸クロリドの濃縮液100gを減圧蒸留し、硫黄分の含量
0.01%以下の精製品76.8g(bp.139〜140 ℃/ 1 mmHg) を
得た。カルボン酸クロリドの蒸留回収率は81.4% であっ
た。
トロフェノール20g(純度98.4%)をメタノール
300ccに溶解し、これにラネーニッケルを触媒量加
え常圧にて水素吸収がなくなるまで水素を通じた。反応
終了後、空気中でラネーニッケルを除去し、溶媒を留去
した。得られた粗2,4−ジクロロ−3−エチル−6−
アミノフェノールと16.7gの酢酸ソーダを500c
cの氷酢酸に溶解し、この中に上記の蒸留精製した酸ク
ロリド29.4gを酢酸70ccに溶解した液として3
0分で滴下した。さらに30分間攪拌後、反応液を氷水
に注入した。生成した沈殿を濾過乾燥後、アセトニトリ
ルで2回再結晶を行い、乾燥して目的物31.7gを得
た。(mp.145−146℃、純度99.4%、o −ニト
ロフェノールからの収率74.3%)
リンを用いることなく簡便な方法で品質の優れたシアン
カプラー芳香族アミド化合物が収率よく得られる。
Claims (8)
- 【請求項1】式(1) (式中、R1 は低級アルキル基を表す。)で示されるo
−アミノフェノール類の塩酸塩を式(2) (式中、R2 〜R4 は水素原子または低級アルキル基を
表わす)で示される硫黄分含量が0.8%以下(酸クロ
リド類の重量基準)の酸クロリド類と不活性溶媒中で縮
合反応させることを特徴とする式(3) (式中、R1 〜R4 は前記と同じ意味を表わす)で示さ
れる芳香族アミド類の製造法。 - 【請求項2】式(4) (式中、R2 〜R4 は水素原子または低級アルキル基を
表わす)で示されるカルボン酸類に塩化チオニルを反応
せしめ、得られた反応混合物を濃縮して、硫黄分含量を
0.8%以下(酸クロリド類の重量基準)とした式
(2)の酸クロリド類を用いる請求項1記載の製造法。 - 【請求項3】硫黄分含量が0.5%以下(酸クロリド類
の重量基準)の式(2)の酸クロリド類を用いる請求項
1または2記載の製造法。 - 【請求項4】縮合反応を酸素濃度が5%以下の不活性ガ
ス雰囲気下で行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の
製造法。 - 【請求項5】縮合反応を酸素濃度が1%以下の不活性ガ
ス雰囲気下で行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の
製造法。 - 【請求項6】アミド化反応の溶媒がトルエン、キシレン
またはアセトニトリルであり、アミド化縮合反応終了
後、該反応液から式(3)で表される芳香族アミド類を
晶析する請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造法。 - 【請求項7】アミド化反応の不活性溶媒がアセトンであ
り、アミド化縮合反応終了後、該反応液に水を添加して
式(3)で表される芳香族アミド類を晶析する請求項1
〜5のいずれか1項に記載の製造法。 - 【請求項8】脱酸剤の存在下に縮合反応を行う請求項1
〜7のいずれか1項に記載の製造法。
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DE69404486T DE69404486T3 (de) | 1993-01-29 | 1994-01-28 | Verfahren zur Herstellung von aromatischen Amiden für die Verwendung als Cyan-Kuppler in der Farbphotographie |
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JP (1) | JP3765837B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003026630A (ja) * | 2001-07-13 | 2003-01-29 | Taoka Chem Co Ltd | カラーカプラー中間体用カルボン酸クロリド類の製造法 |
-
1993
- 1993-10-06 JP JP25059893A patent/JP3765837B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2003026630A (ja) * | 2001-07-13 | 2003-01-29 | Taoka Chem Co Ltd | カラーカプラー中間体用カルボン酸クロリド類の製造法 |
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