JPH06278889A - 給紙機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷用紙が重送された状態のとき、印刷用紙
の戻しを破損することなく正確なタイミングで戻すこと
ができ、部品点数が少なく構成できること。 【構成】 給紙機構３のピックアップローラと対設する
サバキ部材１は、用紙戻しカム５ｂにより給紙機構３か
ら離れる方向に移動する。同時に用紙戻しカム５ａは用
紙戻しレバー４を回動させ重送状態の印刷用紙Ｐを給紙
台１１上に戻す。これら用紙戻しカム５ａ，５ｂは同一
の用紙戻しモータ７で駆動され、簡単かつ正確なタイミ
ングで印刷用紙Ｐを戻すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は印刷装置に対し印刷用紙
を給紙する給紙機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば複写装置や印刷装置には、該装置
本体一部に収納された未記録の印刷用紙を給紙信号に応
じて記録部に供給するための給紙機構が設けられてい
る。かかる給紙機構のひとつとして、図７に示すように
サバキ板７１とピックアップローラ７２とから成る重送
防止部材により、給紙台７３上に積載された印刷用紙Ｐ
の最上部の１枚のみを送り出すものが知られている。

【０００３】このような給送機構７０はピックアップロ
ーラ７２と印刷用紙Ｐ，印刷用紙Ｐ同志，及び印刷用紙
Ｐとサバキ板７１のそれぞれ間の摩擦係数μ１，μ２，
μ３の違いを利用し、すなわち、μ２＜μ３＜μ１と設
定することにより印刷用紙束Ｐから重送されてきた印刷
用紙Ｐを捌き、１枚のみを取り出すことができるのであ
る。また、重送検知スイッチ７４はこの重送を検知す
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記のような給紙機構
７０では、給紙動作が停止した際、サバキ板７１とピッ
クアップローラ７２との間に印刷用紙Ｐが挟持されたま
ま残留するという状態となることがある。これは次なる
給紙動作においてジャム発生や印刷用紙Ｐの破損などの
問題の原因となる。

【０００５】それを防止するための用紙戻し機構は、特
開平３−２７２９４０号などで提案されている。該機構
は、図８に示され、給紙台７３の下降に連動して、サバ
キ板７１に接続されたソレノイドなどによりピックアッ
プローラ７２との圧接を解放し、サバキ板７１、ピック
アップローラ７２の近傍に設けられ一端を回転軸に固設
された用紙戻し手段７５を別の駆動手段により印刷用紙
Ｐの給送径路を通って往復回転させることで、挟持され
た印刷用紙Ｐを積載された印刷用紙束に戻すものであ
る。

【０００６】このような用紙戻し機構では、サバキ板７
１、ピックアップローラ７２の圧接解放と、用紙戻し手
段７５の駆動が別の駆動手段にて行なわれるため、部品
点数が多くなりコストアップにつながるばかりでなく、
駆動のタイミングを合わせるための調整が必要なため手
間がかかったり信頼性が低下するなどの問題があった。
また、用紙戻し手段の回転軸が駆動手段に直結している
ため、かなりの力が加わり印刷用紙を破損するおそれが
あった。

【０００７】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、部品点数が少なく印刷用紙の戻しタイ
ミングを正確にでき、印刷用紙を破損することがない給
紙機構を提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的は、ピックアッ
プ部材及び該ピックアップ部材に対向圧接するサバキ部
材から成る重送防止部材により、給紙台上に積載された
印刷用紙束より一枚ずつ印刷用紙を給送する給紙機構に
おいて、非給紙時に、前記サバキ部材の前記ピックアッ
プ部材に対する圧接を解除する解除手段と、該解除手段
の動作に伴って前記サバキ部材と前記ピックアップ部材
との間にある印刷用紙を前記印刷用紙束上に戻す用紙戻
し手段と、を備える給紙機構により達成することができ
る。

【０００９】

【作用】給紙動作が停止すると、用紙戻しモータが回転
し、複数の歯車を介して３つのカムが回転する。それに
より、まず自己保持スイッチがＯＮされる。次にサバキ
板とピックアップローラの圧接状態が解除され、その後
用紙戻し手段が往復回転駆動される。一連の用紙戻し動
作が終了すると、つまり、モータ駆動手段が所定量駆動
すると自己保持用スイッチがＯＦＦされ用紙戻しモータ
の回転が停止する。

【００１０】

【実施例】以下図面に基づいて実施例について述べる。
図５は本発明の給紙機構が印刷装置に採用された一実施
例を示す斜視図である。印刷装置Ｉは給紙機構Ｓを具備
する画像形成装置である。給紙機構Ｓは上記サバキ板及
びピックアップローラなどから構成されている。

【００１１】また、該印刷装置Ｉには、印刷用紙（Ｐ
１，Ｐ２）をカセットによる給紙を行うカセット給紙モ
ードと、給紙台による給紙を行う多枚数給紙モードの２
通りの給紙モードの設定が可能な給紙装置１２が接続可
能となっている。これらのモードの設定は、図示しない
操作パネル（印刷装置Ｉ側に設けられていても、給紙装
置１２側に設けられていてもよい）により行うことがで
きる。

【００１２】該給紙装置１２は、図５および図６
（ａ），（ｂ）の正面図に示すように、前記給紙機構Ｓ
に対し上下動自在とされ少枚数の印刷用紙Ｐ１が収納さ
れたカセットＫが上部に載置される給紙ユニット２０
と、前記給紙ユニット２０の下部に該給紙ユニット２０
に対して上下動自在となるよう設けられ、多枚数の印刷
用紙Ｐ１が載置される給紙台１１とを具備している。

【００１３】給紙ユニット２０は前記カセット台１３，
台板１４，側板１５とから成っている。給紙ユニット２
０の上部には、前記給紙ユニット２０が上下動する際に
前記給紙機構Ｓを通過させるための切欠き部１６が形成
されている。また、前記カセットＫは上部のカセット台
１３上に載置される。

【００１４】多枚数給紙モード時には、図６（ａ）に示
すように、給紙ユニット２０を上昇させて上方の位置に
設定する。給紙ユニット２０が上下動する際には給紙機
構Ｓはカセット台１３の切欠き部１６を通り抜けるため
給紙ユニット２０の動作に干渉することがない。そし
て、給紙台１１上の印刷用紙Ｐ１を給紙機構Ｓによって
印刷装置Ｉに送り出す。

【００１５】また、カセット給紙モード時には図６
（ｂ）に示すように給紙ユニット２０を下降させ、給紙
ユニット２０上のカセット台１３上にカセットＫを設置
した後、給紙ユニット２０を上昇させ、カセットＫ内の
印刷用紙Ｐ２を給紙機構Ｓによって印刷装置Ｉに送り出
す。

【００１６】ここで、本発明による用紙戻し機構（解除
手段，用紙戻し手段）が駆動されるのは、カセット給
紙モードにおいてカセット台１３が下降する場合、多
枚数給紙モードにおいて給紙台１１が下降する場合、
多枚数給紙モードからカセット給紙モードに切り換える
場合である。なお、〜の下降動作は図示しないクラ
ッチの切り換えにより一つの給紙台モータ（不図示）で
行っている。

【００１７】つまり、給紙装置１２のうちではカセッ
ト台１３のみが、では給紙台１１のみが、では給紙
ユニット２０全体（カセット台１３，台板１４及び側板
１５）と給紙台１１とが互いの位置関係を保って下降す
る。，の場合には、印刷装置Ｉから印刷終了信号や
用紙無し信号あるいはジャム信号などを受けて給紙台モ
ータが駆動され、用紙戻し動作が行われる。一方、の
モード切り換え時においては、図示しない操作パネルに
よりモード切り換えが指示されると、前記給紙機構Ｓの
サバキ板及びピックアップローラの間に印刷用紙が挟持
されたままの状態で給紙ユニット２０が下降する。

【００１８】この時、前記給紙機構Ｓのサバキ板及びピ
ックアップローラの間に印刷用紙が挟持されたままだ
と、給紙ユニット２０の上部にはカセット台１３がある
ためにその状態が確認できず、その後カセットＫが設置
され次なる給紙が開始されると、挟持された印刷用紙Ｐ
とカセットＫより給紙された印刷用紙Ｐ２とが一緒にな
り、ジャムが発生してしまう。そこで、この多枚数給紙
モードからカセット給紙モードへのモード切り換え時に
も、その切り換え信号をもらって給紙台モータを駆動さ
せ、用紙戻し動作を行う。

【００１９】この実施例では、印刷装置Ｉに給紙装置１
２を接続した場合について記載したが、接続しない場合
において、つまり印刷装置Ｉに設けられた給紙台単体の
下降に連動させても同様の効果が得られる。

【００２０】次に、本発明の要部である用紙戻し動作の
詳細を述べる。図１は、要部の拡大正面図、図２は同部
分側断面図、図３は図２の裏面図である。図２に示すよ
うに、通常の給紙動作時はサバキ板１はサバキバネ２の
弾性力により給紙機構Ｓのピックアップローラ３に押し
当てられている。また、用紙戻しレバー４の下部は用紙
戻しカム５ａより、用紙戻しバネ６の弾性力に抗して給
紙方向遅れ側に位置している。

【００２１】印刷装置Ｉ本体からの給紙台下降信号が入
力されると、用紙戻しモータ７の駆動が開始される。用
紙戻しモータ７の下方に位置する板金内の図示しない複
数の歯車を介して用紙戻しカム５ａ，５ｂが図２にて時
計周り方向に回転する。自己保持スイッチ用カム８は図
３の裏面図に示すように、反時計周りに回転し、自己保
持スイッチ（マイクロスイッチ）９が自己保持スイッチ
用カム８の外周上に位置している間ＯＮされる。サバキ
板１の下方にはサバキ解除板１０が設けられている。

【００２２】サバキ解除板１０の一端１０ａが用紙戻し
カム５ｂに当接することにより、用紙戻しカム５ｂの時
計周り回転によりサバキ板１は下方に下げられ、ピック
アップローラ３との圧接を解除される。このときサバキ
板１とピックアップローラ３との間の用紙Ｐの先端は挟
持を解かれる（上記解除手段の解除動作）。

【００２３】同時に、用紙戻しカム５ａの回転により、
図２に示されるごとくサバキ板１とピックアップローラ
３の圧接解除より少し遅れて用紙戻しレバー４の下部は
カム５ａの直線部分５ａａに当接し、用紙戻しバネ６の
付勢力により用紙戻しレバー４の回転軸４ａを中心に図
１にて奥方向、図２にて時計周り方向に回動する。

【００２４】そして用紙戻しレバー４は、依然サバキ板
１上に残留している印刷用紙Ｐの先端を押し、給紙台１
１の印刷用紙束上に戻す（上記用紙戻し手段の用紙戻し
動作）。このとき用紙戻しレバー４の用紙戻しバネ６の
付勢力による上記方向への移動はカム５ａがあるために
規制され、勢いがついて挟持された印刷用紙Ｐを破損す
ることはない。

【００２５】更に用紙戻しモータ７は回転を続け、自己
保持スイッチのアクチュエータ９ａが自己保持スイッチ
用カム８の凹部８ａに位置すると、つまり、自己保持ス
イッチ用カム８が一回転したことが検知されるとサバキ
板１はピックアップローラ３との圧接位置に復帰すると
同時に、自己保持スイッチ９がＯＦＦし用紙戻しモータ
７の駆動が停止する。

【００２６】次に、図４のタイミングチャートを参照
し、用紙戻しのタイミングについて述べる。まず、印刷
装置Ｉ本体からの印刷終了信号あるいは用紙無しの信
号，ジャム信号あるいはモード切り換え信号などをう
け、図示しない給紙台モータが駆動を開始すると、給紙
台１１（またはカセット台１３あるいは給紙ユニット２
０）は給紙位置から下方へ移動を開始する。

【００２７】給紙台１１が予め定められた印刷用紙Ｐを
戻すのに好ましい高さまで下がると（この高さは、所定
時間を計測することにより検知してもよいし、レベルセ
ンサなどで検知してもよい。）、用紙戻しモータ７が駆
動する。そして、用紙戻しモータ７の駆動により上述の
ごとく自己保持スイッチ９がＯＮされ、用紙戻し動作が
行われ、また、自己保持スイッチ９のＯＦＦで用紙戻し
モータ７の駆動が停止される。

【００２８】また、他の実施例として、用紙戻し動作に
関する上記〜の動作を行わせるために、印刷装置Ｉ
または給紙装置１２に設けられた給紙台（またはカセッ
ト台あるいは給紙ユニット）下降ボタンを押下するよう
構成してもよい。

【００２９】

【発明の効果】サバキ板とピックアップローラとの圧接
を解除する解除手段の作動と、用紙戻し手段の作動及び
それらの駆動手段を所定量駆動した後停止させるための
自己保持用スイッチの入切を一つの駆動手段で行えるの
で、部品点数が少なくてすむ、印刷用紙の戻しタイミン
グを正確に設定することができる。また、印刷用紙の戻
し自体はバネの付勢力とカムだけで行っているため印刷
用紙に作用する力は一定で小さく、印刷用紙を破損した
りすることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の給紙機構の要部を示す拡大正面図。

【図２】同給紙機構の拡大側断面図。

【図３】図２の裏面図。

【図４】用紙戻しの動作タイミングを示すタイミングチ
ャート。

【図５】本発明の給紙機構が採用される印刷装置と給紙
装置との接続状態を示す一実施例を示す図。

【図６】（ａ），（ｂ）は、それぞれ給紙装置の多枚数
給紙モード及びカセット給紙モードを示す概要図。

【図７】従来の給紙装置を示す図。

【図８】従来の用紙戻し機構を示す図。

【符号の説明】

１…サバキ板、２…サバキバネ、３…ピックアップロー
ラ、４…用紙戻しレバー、４ａ…用紙戻しレバー回転
軸、５ａ，５ｂ…用紙戻しカム、６…用紙戻しバネ、７
…用紙戻しモータ、８…自己保持スイッチ用カム、９…
自己保持スイッチ、９ａ…自己保持スイッチアクチュエ
ータ、１０…サバキ解除板、１１…給紙台、１２…給紙
装置、１３…カセット台、１４…台板、１５…側板、１
６…切欠き部、Ｉ…印刷装置、Ｓ…給紙機構、Ｐ１，Ｐ
２…印刷用紙。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ピックアップ部材及び該ピックアップ部
   材に対向圧接するサバキ部材から成る重送防止部材によ
   り、給紙台上に積載された印刷用紙束より一枚ずつ印刷
   用紙を給送する給紙機構において、非給紙時に、前記サ
   バキ部材の前記ピックアップ部材に対する圧接を解除す
   る解除手段と、該解除手段の動作に伴って前記サバキ部
   材と前記ピックアップ部材との間にある印刷用紙を前記
   印刷用紙束上に戻す用紙戻し手段と、を備えた給紙機
   構。