JPH06278002A - 研磨装置 - Google Patents

研磨装置

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JPH06278002A
JPH06278002A JP6006365A JP636594A JPH06278002A JP H06278002 A JPH06278002 A JP H06278002A JP 6006365 A JP6006365 A JP 6006365A JP 636594 A JP636594 A JP 636594A JP H06278002 A JPH06278002 A JP H06278002A
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JP
Japan
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polishing
microstructured
tape
workpiece
polishing tape
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JP6006365A
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English (en)
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Robert J Jantschek
ロバート・ジョゼフ・ジャンチェック
Forrest J Rouser
フォレスト・ジョーサイア・ロウサー
Mark L Sterner
マーク・ローレンス・スターナー
Theodore J Testen
セオドア・ジェイムズ・テステン
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3M Co
Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Publication date
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    • B24B9/00Machines or devices designed for grinding edges or bevels on work or for removing burrs; Accessories therefor
    • B24B9/02Machines or devices designed for grinding edges or bevels on work or for removing burrs; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of materials specific to articles to be ground
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  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 研磨テープ22を支持手段18に対して剥離
自在に位置決めし、滑り止めコーティングを使用するこ
となく、研磨テープ22と支持手段16とが滑るのを防
止する研磨装置を提供する。 【構成】 研磨面28と、その反対側の裏面29に第1
ミクロ構造面30を有する研磨テープ22を備え、か
つ、研磨テープ22を支持する圧接面18を有するサポ
ートシュー16を備えている。圧接面18は、第1ミク
ロ構造面30とかみ合って係合する第2ミクロ構造面3
0Aを有している。サポートシュー16によって、研磨
テープ22は工作物に対して押し付けられる。さらに、
工作物とサポートシュー16の一方をその他方に対して
回転させる回転手段を備えている。工作物とサポートシ
ュー16が相対的に回転すると、研磨面28によって、
工作物の外周面から材料が磨き落とされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、研磨材に関し、特に、
回転研磨時に工作物の外周面と研磨テープとが接触する
際に研磨テープとサポートシューの位置関係がずれるの
を防止するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】研磨材は、工作物に所望の
表面仕上を施すために種々の状況で使用される。ミクロ
仕上の分野では、研磨材は、所定パラメータを満たして
表面を仕上げるように、工作物から特定量の材料を磨き
落とすために使用される。例えば自動車の分野では、内
燃機関用のカム軸やクランク軸等のジャーナルを、形状
寸法と表面仕上に関する厳格な規格に合わせなければな
らない。カム軸やクランク軸のサイズあるいは表面仕上
が不適当であると、摩耗が不均一なパターンで生じ、そ
の部材もしくは内燃機関内の他の部材の損傷にもつなが
りかねない。
【0003】本発明は、主として、図1にカム軸として
示しているジャーナルの軸受け面等の、工作物の外周面
の研磨に関する。このような外周面にミクロ仕上を行う
1つの方法は、サポートシューが有する圧接面に研磨シ
ート又は研磨テープを配置して、テープの研磨面を工作
物の外周面に接触させ、工作物をサポートシューに対し
て回転させることである。研磨テープは、例えば、塗布
タイプの研磨材であっても、重ね合わせタイプの研磨材
であっても、あるいは、不織布タイプの研磨材であって
もよい。これらの研磨材には、平均粒子サイズが、0.
1未満〜200マイクロメートル、好ましくは約5〜1
25マイクロメートルの範囲内にある微細砥粒を用いる
ことが好ましい。サポートシューは、研磨という過酷な
工程に十分耐えうるものであればいかなる材料からでも
形成することができる。圧接面の一般的な材料として、
それらに限られはしないが、ウレタン、インディアスト
ーン材、金属、あるいは金属に硬質コーティングを施し
たものなどが挙げられる。圧接面は、一体的に形成され
たものであっても、複数の部分に分かれていてそれらを
組み合わせることによって工作物の外周面の形状に一致
する外形が形成されるようなものであってもよい。
【0004】図1,2に、工作物12の個々の外周面を
研磨する研磨装置10を示している。サポートシュー1
4,16は圧接面18,20を有している。圧接面18,
20は、概略凹状をなしており、研磨される工作物12
の外周面に要求される外形に一致している。図に示す実
施例では、2つの半円筒形の圧接面18,20によっ
て、工作物12の表面24に対して研磨テープ22が押
し付けられる。工作物12が回転すると、その外周面に
対して圧接面18,20から圧力がかけられ、研磨テー
プ22により工作物の外周面が研磨される。さらに、工
作物12が回転するときに、圧接面18,20を、図1
に矢印15で示すように工作物12の外周面に対して横
方向に移動させることもできる。圧接面18,20のこ
の横方向の移動によって、工作物12の表面にはあらゆ
る方向へのスクラッチパターンが形成される。これが望
ましいとされる場合もある。カム軸あるいはクランク軸
にミクロ仕上を行う場合、すなわち表面から材料をごく
少量磨き落とす場合には、複数の外周面を同時に研磨す
ることができる。カム軸及びクランク軸のミクロ仕上
は、ジャッジ(Judge)氏らによる米国特許第4,682,444
号明細書及びやはりジャッジ氏らによる米国特許第4,99
3,191号明細書に示されている。
【0005】摩滅した粒子を、工作物の表面と研磨テー
プとの間の研磨面から除去し、工作物からの放熱性を良
くするために、その研磨面にミネラルシールオイル等の
潤滑剤を供給する場合もある。この潤滑剤は、研磨部分
を容易に洗浄できるように、水溶性であることが好まし
い。しかし、研磨テープには、研磨中に、回転方向の剪
断力がかかり、さらに工作物が図1の矢印15に示すよ
うに横方向に移動する場合には横方向の剪断力がかかる
ので、潤滑剤を用いると研磨テープと圧接面とが滑りや
すくなる。研磨テープを圧接面に対して所定位置に保持
するのは重要なことであるので、研磨テープが圧接面に
対してずれる原因ともなりうるこのような滑りは望まし
いことではない。
【0006】さらに、圧接面に対する研磨テープのずれ
が相当量に達すると、テープを圧接面に対して適切に位
置決めしておくことができず、工作物の表面にはスクラ
ッチが無秩序に形成され、場合によっては、研磨テープ
が研磨装置から外れたり裂けたりすることにもなりかね
ない。また、研磨工程はオートメーション化されること
もあるので、テープがずれたり破れたりすると、その時
点で研磨されている工作物だけではなく、その後に続
く、時に何十にも及ぶいくつかの工作物にも、そのよう
な異常が発見されるまでは、損傷が生じる虞れがある。
研磨テープが破れてしまうと、テープは工作物の周囲に
巻き付き、製造ラインが停止する原因となる場合があ
る。これは時間の浪費であり望ましいことではない。一
方、研磨テープが破れると、全製造ラインを止めてテー
プを研磨装置にかけ直さなければならない。これは費用
の嵩むことであり、やはり望ましい作業とは言えない。
【0007】研磨テープの下側にある圧接面に対して研
磨テープが滑るのを抑える1つの方法は、研磨テープの
裏面に滑り止めコーティングを形成することである。例
えば、アメリカ合衆国ミネソタ州、セント・ポールに住
所を有するミネソタ・マイニング・アンド・マニュファ
クチュアリング・カンパニー(Minnesota Mining andMa
nufacturing Company)は、262Lもしくは272L
インペリアル・ミクロフィニッシング(Imperial Micro
finishing)フィルム製品S型、及び、263Lもしく
は273Lインペリアル・ミクロフィニッシングフィル
ム製品Q型を販売している。各フィルムは、その裏面
に、高分子結合剤の中に無機粒子が分散した滑り止めコ
ーティングを有している。この滑り止めコーティングに
よって、研磨テープと圧接面とが滑るのを軽減すること
ができ、その結果、上記の場合よりも満足のいく研磨工
程を実施できる。
【0008】このような滑り止めコーティングは研磨テ
ープの滑りをある程度抑えることはできるが、このコー
ティングを使用することによって別の不都合な問題が生
じることもある。例えば、接着剤等の滑り止めコーティ
ングであると、それがサポートシューに付着してしまう
可能性がある。こうなると、研磨テープによる研磨にむ
らが生じる場合がある。滑り止めコーティングがわずか
に付着しただけでもサポートシューの有効高さが増し、
工作物が過度に研磨される虞れが生じる。従って、オー
トメーション化された環境では、滑り止めコーティング
が一定時間にわたって少しずつ付着し、各工作物がミク
ロ仕上後に異なった寸法になる場合もある。これは、コ
ーティングによる滑り止め特性を得るのと引き替えにミ
クロ仕上の均一性と正確性とを犠牲にしたことになる
が、好ましいことではない。
【0009】従って、工作物を研磨するために研磨テー
プをサポートシューの上に剥離自在に位置決めし、滑り
止めコーティングを使用することなく、研磨テープとサ
ポートシューとが研磨の際に滑るのを抑制することが望
ましい。
【0010】また、研磨シート及び研磨テープには一定
の有効使用期間があり、この使用期間が切れると機能が
低下し始め、工作物のミクロ仕上が不規則になる。従っ
て、研磨テープを定期的に前進させ、新しい研磨面が工
作物に接するようにすることが望ましい。研磨テープを
前進させることは、当該技術分野では、「割り出し」と
いう表現で知られている。テープは、所定表面を仕上げ
た後、一般的に1/8インチ〜8インチで、より一般的
には1/2インチ〜1インチで、割り出される。従っ
て、研磨テープを定期的に割り出すことのできる工作物
研磨方法及びその装置を提供することが望ましい。
【0011】
【発明の要旨】本発明によって、工作物の外周面を研磨
する装置が提供される。この装置は、研磨面と、その反
対側の裏面に第1ミクロ構造面を有する研磨テープを備
えている。さらに、本装置は、研磨テープを支持する圧
接面を有する支持手段を備えている。この圧接面は、第
1ミクロ構造面とかみ合って係合する第2ミクロ構造面
を有している。この支持手段によって、研磨テープは工
作物に対して押し付けられる。さらに、本装置は、工作
物と支持手段の一方をその他方に対して回転させる回転
手段を備えている。工作物と支持手段が相対的に回転す
ると、研磨面によって、工作物の外周面から材料が磨き
落とされる。
【0012】さらに、本発明によって、以下のようなサ
ポートシューが提供される。すなわち、このサポートシ
ューは、サポートシューと工作物の一方が他方に対して
回転するときに研磨テープを工作物に対して支持するの
に使用できるものである。サポートシューは、研磨テー
プを支持する圧接面を有している。さらにこの圧接面
は、研磨テープの裏面に設けられた相対するミクロ構造
面とかみ合って係合して研磨テープを圧接面に固定する
ミクロ構造面を有している。
【0013】さらに、本発明によって、ジャーナルの外
周面を研磨する装置が提供される。この装置は、研磨面
と、第1ミクロ構造面を含む裏面と有する研磨テープを
備えている。さらに、本装置は、研磨テープを支持する
圧接面を有する少なくとも1つのサポートシューを備え
ている。この圧接面は、第1ミクロ構造面とかみ合って
係合する第2ミクロ構造面を有している。この少なくと
も1つのサポートシューによって、研磨テープはジャー
ナルの外周面に対して押し付けられる。ジャーナルが支
持手段すなわちサポートシューに対して回転するとき、
研磨面によって、外周面から材料が磨き落とされる。
【0014】さらに、本発明は、工作物の表面の研磨に
使用するための研磨テープに関している。この研磨テー
プは、研磨面と、ミクロ構造面を含む裏面とを有してお
り、このミクロ構造面は、相対するミクロ構造面と係合
し、向かい合う表面に対するテープの位置ずれを防止す
るようになっている。
【0015】さらに、本発明によって、工作物の外周面
を研磨する方法が提供される。この方法は、研磨面と、
第1ミクロ構造面を含む裏面とを有する研磨テープを供
給するステップと、研磨テープを支持するための圧接面
であって第1ミクロ構造面とかみ合って係合する第2ミ
クロ構造面を含む圧接面を有するサポートシューを供給
するステップと、第1,2ミクロ構造面を係合させて研
磨テープを圧接面上で支持するステップと、工作物の外
周面を研磨テープと接触させるステップと、工作物とサ
ポートシューとを相対的に回転させて工作物の外周面か
ら材料を磨き落とすステップとを有している。
【0016】
【実施例】以下に、添付図面に示した本発明の実施例に
ついて詳細に説明する。各図中、同じ構成要素には同じ
符号を付けている。
【0017】本発明は、ジャーナル等の工作物を研磨す
るための装置に関する。簡単に言うと、本装置は、その
裏面にミクロ構造面を有する研磨テープと、この研磨テ
ープを支持する露出した圧接面にミクロ構造面を有する
サポートシューとを備えている。これら2つのミクロ構
造面がかみ合って、工作物を回転研磨する際の研磨テー
プの相対的な位置ずれを阻止する。通常、固定したサポ
ートシューに対して工作物を回転させるが、工作物を固
定してサポートシューを回転させたり、あるいは、これ
ら2つの部材を反対方向に同時に回転させることもでき
る。従って、本発明は、回転研磨全般に利用できるもの
であると理解すべきである。さらに、ここでは研磨材を
「テープ」としているが、この用語は、本発明に用いら
れる研磨部材の相対的サイズあるいは構造を制限するも
のではない。また、本発明は、カム軸やクランク軸等の
ジャーナル、すなわち、両端が軸受で支持される機械的
シャフトの研磨に特に適用性を有しているが、他の用途
で使用することもできる。
【0018】本発明には支持手段が設けられている。こ
の支持手段は、図1,2に示す実施例にはサポートシュ
ー14,16として表されている。サポートシュー14,
16は、研磨すべき工作物の表面に合った圧接面18,
20をそれぞれ有している。例えば、図2では、工作物
の円筒状部分24は、半円筒状の圧接面18,20を有
するサポートシュー14,16に対して回転するように
なっている。他の実施例では、図3に示すように、サポ
ートシュー14'に、カム形状部分24'と接触するよう
に研磨テープ22を差し向ける1つ以上の凸形圧接面1
8',20'を設けることもできる。他の構造を有するサ
ポートシュー及び圧接面も考えられ、それらは、当該技
術分野において周知のごとく選択することができる。
【0019】本発明は、大略的には、図4に示すような
研磨テープ22を提供するものである。つまり、この研
磨テープ22は支持体26を有し、支持体26の研磨面
28には研磨用のコーティングすなわち仕上面が設けら
れており、その裏面29にはミクロ構造面30が設けら
れている。この「ミクロ構造面」とは、本発明に関する
限り、相対するミクロ構造面とかみ合って係合するよう
になっている複数のテーパー構造体が上方に突出した表
面を意味する。このようなテーパー構造体は、本明細書
の詳しく記すところであるが、それらには、平頭の角
錐、円錐、あるいは平行かつ交互に配置されたうねのよ
うな隆起と溝などが含まれる。相対するミクロ構造面
は、以下に詳しく記載するように類似していても非類似
であってもよいが、相互にかみ合って係合できるように
なっていなければならない。
【0020】ミクロ構造面は、比較的強い剪断力を受け
ても係合し続ける一方、比較的弱い引張力を受けるだけ
でその係合が外れるように選択することが好ましい。こ
のようなミクロ構造面であれば、研磨テープは、回転す
る工作物から研磨中に強い剪断力を受けてもサポートシ
ューに堅く固定されたままとなり、サポートシューに対
して滑ることはない。しかし、研磨テープの割り出しが
必要なときには、研磨テープをサポートシューから剥が
すことによってミクロ構造面を分離することができる。
【0021】ミクロ構造面は、金属、もしくは、ポリ塩
化ビニルなどの熱可塑性材料、熱硬化性材料、及び放射
線硬化性ポリマー等のプラスチックより形成することが
できる。ミクロ構造面は、研磨中にそのパターンが工作
物の表面仕上にそれほど影響しないように、比較的薄い
ことが好ましい。例えば、後に説明する実験例において
示すように、高さ約0.0635cm(0.025インチ)
の複数のテーパー構造体を有するミクロ構造面であれば
有用であることが分かっている。
【0022】ミクロ構造面30は、接着層32などによ
って研磨テープ22に接着することができ、あるいは、
図5に示すように、研磨テープ22に一体的に形成して
接着層を省くこともできる。相対するミクロ構造面30
Aもまた、接着層34によってサポートシュー16の圧
接面18に貼り付けるかあるいは圧接面18に一体的に
形成し、ミクロ構造面30とかみ合うように構成されて
いる。ミクロ構造面30と30Aがかみ合うと、研磨テ
ープ22は研磨中にサポートシュー16に対して位置決
めされかつ保持される。
【0023】ミクロ構造面の代表的な構造的特徴とし
て、図6に示すように、平行かつ交互に配置された一連
のうねのような隆起と溝とがある。この構造は、本出願
の出願人に譲渡された、アップルドルン(Appledorn)
氏による米国特許第4,875,259号明細書に示されてお
り、その内容は本明細書にも組み込まれている。ミクロ
構造面36は複数のテーパー部材40を有しており、そ
れらは、図7(A),(B),(C)に示すように、相対するミ
クロ構造面38のテーパー部材40Aと係合するように
なっている。テーパー部材40,40Aをかみ合わせる
と、隣接する部材間の摩擦力とねじれ力とによって、そ
れらの部材を、特に剪断力がかかっても互いに接合させ
ておくことが容易となる。テーパー部材を研磨テープの
長さ方向に沿って、もしくはその幅方向に横断させて、
もしくは所望する他のいかなる方向に並べても、剪断力
に対する滑り抵抗が得られるという点が、この構造の長
所である。ミクロ仕上工程中のこのような力は、剥離作
用よりもむしろ剪断作用中に生じる傾向にあるので、上
記米国特許第4,875,259号明細書に示されるようなミク
ロ構造は、本発明に十分に適したものと言える。
【0024】第2の代表的ミクロ構造面が図8に示され
ており、これもやはり上記米国特許第4,875,259号明細
書に開示されている。このミクロ構造面は、概して、複
数の平頭角錐50を有しており、これら平頭角錐50
は、相対する複数の同様の角錐とかみ合ってミクロ構造
面を互いに固定する。必要であれば、うねのような隆起
と溝とが平行かつ交互に配置された構造の上記ミクロ構
造面を適当な平頭角錐のミクロ構造面とかみ合わせるこ
ともでき、また、他の多くの変形例を作ることもでき
る。図9に示す他の実施例では、複数の6角構造体60
が、向かい合うミクロ構造面を互いに固定すべく、相対
する複数の6角構造体とかみ合うようになっている。
【0025】他の代表的ミクロ構造面を図10に示して
いる。複数のテーパー構造体すなわち平頭角錐70,7
0Aが各ミクロ構造面72,74から突出しており、そ
れらは、ミクロ構造面を互いに固定すべくかみ合うよう
になっている。前記のミクロ構造面とは対照的に、一方
のミクロ構造面を他方のミクロ構造面に対して意図的に
ずらしている。これにより、剪断力を受けてもミクロ構
造面の係合が外れないようにより強い抵抗力が働き、さ
らにその他いくつかの利点が得られる。この構成は、本
出願の出願人に譲渡された、ルーザー(Rouser)氏らに
よる同時係属中の米国特許出願第875,186号明細書にさ
らに詳しく示されており、その内容は本明細書に組み込
まれている。本実施例では、少なくとも一方のミクロ構
造面は変形自在のポリマー材料より形成される。このよ
うな構造であると、ミクロ構造面を互いに完全には位置
合わせしなくてもかみ合わせることができるので、それ
らをすばやく係合させることができるという利点もあ
る。
【0026】図11に、本発明に利用することのでき
る、かみ合ったミクロ構造面の他の実施例を示してい
る。第1ミクロ構造面90は、平行かつ交互に並んだう
ねのような隆起98と溝94とをそれぞれ複数有してい
る。第2ミクロ構造面96は、図10の70Aに示すよ
うな、突出した複数の平頭角錐92を有している。図1
1に示す実施例は、第1,2ミクロ構造面を係合させる
前に通常は互いに対してずらすという点と、少なくとも
一方のミクロ構造面は弾性ポリマー材料より形成すべき
であるという点において、図10に示す実施例と類似し
ている。
【0027】ここに挙げたミクロ構造面は、例として示
されているだけであって制限を加えるものではないの
で、本発明は、現在知られているもしくは後に開発され
るいかなるミクロ構造面を用いても、それが適している
ならば使用できると理解すべきである。
【0028】本発明は、以下に記すような手順に従って
実験を行ったいくつかの例を参照することにより、より
明瞭に理解されるであろう。研磨テープの裏面を、クラ
ンク軸の仕上作業に一般的に使用されるタイプのサポー
トシューの圧接面に押し当てることにより、滑り試験を
行った。サポートシューの幅は約3cm(1.2インチ)
であり、研磨テープは幅約1.9cm(0.75インチ)長
さ約18cm(7.1インチ)であった。研磨テープの露
出した研磨面に金属プレートを接触させ、サポートシュ
ーに対して金属プレートの方向に約10.3kg(27.9
ポンド)の圧縮力を加えた。サポートシューは所定位置
に保持し、金属プレートは研磨テープとともに移動でき
るようにした。
【0029】アメリカ合衆国マサチューセッツ州キャン
トンに住所を有するインストロン・コーポレイション
(Instron Corporation)より入手することのできる型
番1123の引張試験機を使用して、研磨テープの一端
に取り付けた2つのあご状部材に引張力を加えた。この
とき、研磨テープに対して、サポートシューの表面と平
行に、2.2×10-4m/s(6.9×10-4フィート/s,
0.5インチ/min)の速度で引張力を加えた。試験中、
研磨テープにかける力を、テープがサポートシューに対
して滑るまで徐々に強めた。従って、下表に記録してい
る引張力の最大値は、テープが滑る直前に生じた値であ
る。このような方法で、潤滑しない場合(第1列)と潤
滑する場合(第2列)とに分けて試験を行った。後者の
場合には、試験に先立って、研磨テープとサポートシュ
ーとをミネラルシールオイルに浸した。
【0030】実験例 比較例として本発明に係るミクロ構造面ではなく滑り止
めコーティングをその裏面に有する研磨テープを用い
た。この比較例には、連続面を有するストーンインサー
トを含むサポートシューを使用し、この連続面に対して
研磨テープを金属プレートによって押圧した。研磨テー
プが接触するサポートシューの面積は、約1.9cm×1.
9cm(0.75インチ×0.75インチ)、すなわち、約
3.63cm2(0.56平方インチ)であった。
【0031】本発明に係る3種類のミクロ構造面を有す
る研磨テープを例1,2,3として用いた。これらのミク
ロ構造面は、全て、ポリ塩化ビニルを種工具で圧縮成形
することによって形成した。これらのミクロ構造面を、
ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリ
ング・カンパニー(Minnesota Mining and Manufacturi
ng Company)より購入することのできる3M468ハイ
パフォーマンス(Hi Performance)感圧接着テープとい
う商品名の感圧接着剤によって、金属シューに薄板状に
被覆した。比較例では石の圧接面を使用し、例1〜3で
は金属の圧接面を使用したが、これら2タイプの圧接面
による性能の差異は無視できるものである。この点を除
くと、各試験シーケンス中の試験パラメータは実質的に
同一であった。
【0032】比較例 この比較例では、アメリカ合衆国ミネソタ州セント・ポ
ールに住所を有する上記ミネソタ・マイニング・アンド
・マニュファクチュアリング・カンパニーより購入可能
の、厚さ30マイクロメートルの研磨面を有する、厚さ
5ミルの、3M272L・S型インペリアルブランド
(Type S IMPERIAL Brand)酸化アルミニウムミクロ仕
上フィルムを、研磨テープに使用した。この研磨テープ
の裏面には、炭酸カルシウムからなる滑り止めコーティ
ングが設けられていた。
【0033】例1 比較例に使用した研磨テープの裏面に、図8に示すもの
と同様のミクロ構造面を取り付け、同じミクロ構造面を
上記感圧接着剤によってサポートシューに取り付けた。
各ミクロ構造面は、高さ約0.0635cm(0.025イ
ンチ)の複数のテーパー構造体を有していた。
【0034】例2 この例では、研磨テープの裏面に取り付けるミクロ構造
面には、図6に示すような、うねのような隆起と溝とが
平行かつ交互に配置された構造のものを使用した。うね
のような隆起は、研磨テープの長手方向すなわちウェブ
に沿った方向に沿って並んでおり、その高さは約0.0
635cm(0.025インチ)であった。
【0035】サポートシューに取り付けるミクロ構造面
には、図8に示すような、4側面の平頭角錐パターンを
有するものを使用し、これを上記感圧接着剤によって金
属シューに薄板状に被覆した。平頭角錐の高さは約0.
0635cm(0.025インチ)であった。
【0036】例3 この例では、うねのような隆起と溝とが平行かつ交互に
配置された図6に示すタイプのミクロ構造面を研磨テー
プに取り付けた。ミクロ構造面のうねのような隆起は研
磨テープの横断方向すなわちウェブを横切る方向に延在
しており、その高さは約0.0635cm(0.025イン
チ)であった。
【0037】図8に示す平頭角錐パターンのミクロ構造
面を上記感圧接着剤によってサポートシューに接着し
た。このミクロ構造面の複数のテーパー構造体の高さは
約0.0064cm(0.0025インチ)であった。
【0038】結果 比較例及び例1〜3の試験結果を下表に示してい
る。()内の数字は、比較例の効果に対する例1〜3の
効果の改善率を表している。
【表1】 力の値が大きい方が、サポートシューに対する研磨テー
プの滑り抵抗が大きいということを示している。従っ
て、表に示すデータから、本発明を利用すると、裏面に
滑り止めを有する研磨テープよりも、研磨テープとサポ
ートシュー間の相対的な位置ずれを容易に抑制できるこ
とが分かる。尚、上記試験及び試験結果は単に例として
示しているだけであって予測できるものではなく、試験
の手順を変えると異なる結果が生じると考えられる。
【0039】本発明では、さらに、新しい研磨面を工作
物に接触させるため、研磨テープの定期的な割り出しに
ついても考慮している。使用時には、サポートシュー1
4,16によって研磨テープ22を工作物に対して一定
時間押し付け、その後サポートシュー14,16を工作
物から離す。このとき、図2に概略的に示す割り出し手
段80,82によって2つのミクロ構造面を互いに離
し、その後、研磨テープと支持手段すなわちサポートシ
ューの少なくともどちらか一方を他方に対して割り出
す。つまり、所定長さの研磨テープを工作物と接触して
いる部分から退避させ、その部分に同じ長さの新しい研
磨テープを引き寄せて工作物と接触させるのである。本
発明の長所は、研磨テープを比較的弱い引張力でサポー
トシューから離せるので、研磨テープを容易に割り出す
ことができるという点である。研磨テープが十分に前進
したとき、サポートシューが工作物を取り囲むように閉
じられ、2つのミクロ構造面が互いにかみ合って研磨テ
ープが圧接面に対して保持される。その後研磨工程を再
び開始できる。
【0040】以上、本発明をいくつかの実施例を参照し
ながら記載した。当該技術分野において通常の知識を有
する者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく上
記実施例に多くの変形を加えることが可能であるのは明
らかである。例えば、本発明は、カム軸やクランク軸等
のジャーナルにミクロ仕上を行なうことに対して特に役
立つものであるが、カムの突出部や超仕上、及びIDチ
ューブのホーニング仕上等他の状況や工作物に対しても
使用できるものである。従って、本発明の範囲は、ここ
に記載した構造に限定されるべきではなく、特許請求の
範囲に記した構造及びその同等物のみに定義されるべき
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る工作物研磨装置の側
面図である。
【図2】 図1の研磨装置のサポートシューと研磨テー
プ、及び工作物の横断面図である。
【図3】 本発明に係る研磨装置のサポートシューの変
形例を示す図である。
【図4】 本発明の一実施例に係る研磨装置のサポート
シューと研磨テープの境界部分の横断面図である。
【図5】 本発明に係る研磨装置の、裏面にミクロ構造
面を有する研磨テープの変形例の横断面図である。
【図6】 本発明の一実施例に係る研磨装置に使用され
るミクロ構造面の斜視図である。
【図7】 (A),(B),(C)図は、相対するミクロ構造面
が互いにかみ合って係合する状態を連続的に示す図であ
る。
【図8】 本発明に係る研磨装置に使用されるミクロ構
造面の変形例の平面図である。
【図9】 本発明に係る研磨装置に使用されるミクロ構
造面の変形例の平面図である。
【図10】 本発明に係る研磨装置に使用されるミクロ
構造面の変形例の斜視図である。
【図11】 本発明に係る研磨装置に使用されるミクロ
構造面の変形例の斜視図である。
【符号の説明】
10 研磨装置 12 工作物 14,16,14' サポートシュー 15 圧接面移動方向 18,20,18',2
0' 圧接面 22 研磨テープ 24 円筒状部分 24' カム形状部分 26 支持体 28 研磨面 29 裏面 30,30A,36,38,72,74,90,96 ミクロ
構造面 32,34 接着層 40,40A,98 隆
起(テーパー部材) 50,70,70A,92 平頭角錐 60 6角構造体 80,82 割り出し
手段 94 溝
フロントページの続き (72)発明者 フォレスト・ジョーサイア・ロウサー アメリカ合衆国55144−1000ミネソタ州セ ント・ポール、スリーエム・センター(番 地の表示なし) (72)発明者 マーク・ローレンス・スターナー アメリカ合衆国55144−1000ミネソタ州セ ント・ポール、スリーエム・センター(番 地の表示なし) (72)発明者 セオドア・ジェイムズ・テステン アメリカ合衆国55144−1000ミネソタ州セ ント・ポール、スリーエム・センター(番 地の表示なし)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)研磨面(28)と、その反対側の裏
    面(29)に第1ミクロ構造面(30)を有する研磨テ
    ープ(22)と、 b)上記研磨テープ(22)を支持する圧接面(18)
    を有する支持手段とを備え、 上記圧接面(18)は、上記第1ミクロ構造面(30)
    とかみ合って係合する第2ミクロ構造面(30A)を有
    し、 上記支持手段によって、上記研磨テープ(22)は工作
    物に対して押し付けられ、 さらに、 c)上記工作物と上記支持手段の一方を該工作物と該支
    持手段の他方に対して回転させる回転手段を備え、 上記工作物と上記支持手段が相対的に回転すると、上記
    研磨面(28)によって、上記工作物の外周面から材料
    が磨き落とされることを特徴とする、上記工作物の外周
    面を研磨するための研磨装置。
  2. 【請求項2】 上記支持手段はサポートシュー(14)
    を有することを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
  3. 【請求項3】 上記支持手段の圧接面(18)は凹状で
    あることを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
  4. 【請求項4】 上記支持手段の圧接面(18)は凸状で
    あることを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
  5. 【請求項5】 さらに、 d)上記研磨テープ(22)を上記圧接面(18)に対
    して定期的に割り出す割り出し手段(80,82)を有
    することを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
  6. 【請求項6】 上記第1,2ミクロ構造面(30,30
    A)の少なくとも一方は、平行かつ交互に配置されたう
    ねのような隆起と溝をそれぞれ複数有することを特徴と
    する請求項1記載の研磨装置。
  7. 【請求項7】 上記第1,2ミクロ構造面(30,30
    A)の少なくとも一方は、複数の平頭角錐を有すること
    を特徴とする請求項1記載の研磨装置。
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