JPH062777B2 - プロピレンの連続気相重合方法 - Google Patents

プロピレンの連続気相重合方法

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JPH062777B2
JPH062777B2 JP19037684A JP19037684A JPH062777B2 JP H062777 B2 JPH062777 B2 JP H062777B2 JP 19037684 A JP19037684 A JP 19037684A JP 19037684 A JP19037684 A JP 19037684A JP H062777 B2 JPH062777 B2 JP H062777B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はポリプロピレンの製造方法に関し、更に詳しく
は、改良された予備重合処理をされた触媒を用いたプロ
ピレンの連続気相重合方法に関する。
従来技術とその問題点 三塩化チタン組成物および有機アルミニウム化合物を含
有する触媒を用い連続気相法によりポリプロピレンを製
造するに際し、反応器中に大量の気体あるいは液体のプ
ロピレンを注入し、このプロピレンの顕熱あるいは潜熱
によって反応熱を除去する方法が工業的に好ましく行わ
れており、重合器内の大量の未反応プロピレンガスは重
合器の外に抜き出され、冷却され、時にはその一部が液
化されて重合器に循環される。この場合、生成したプロ
ピレン重合体あるいは触媒の一部、中でも微粉のものが
前記未反応プロピレンガスに同伴されて反応器から流出
し、プロピレン循環系の配管や冷却器等の機器内に沈着
し、ついには系を閉塞させる等のトラブルの原因にな
る。閉塞にまで到らなくても、沈着した微粉が剥がれて
重合器に循環されることがあり、このようにして得られ
た重合体はフイッシュアイやブツブツの多い成形品しか
与えないため商品価値の乏しいものとなる。このような
フイッシュアイやブツブツは流出した微粉のうち極少量
が反応器に循環されただけで発生することから、微粉の
流出は極力阻止する必要がある。一般に触媒粒子の大き
さが小さいほど微粒ポリマーが発生し易く、粒径が1ミ
クロン以下の触媒は皆無であることが望ましいが現実に
はそのような触媒を経済的に得ることは困難であり、粒
径が1ミクロン以下の粒子を0.01wt%以上含有する
触媒を使いこなす必要がある 一方、プロピレンの重合に際し得られる重合体の立体規
則性の向上や触媒の粒子形状および活性の向上のため、
触媒に予め少量のプロピレンを接触させる所謂予備重合
処理はよく知られている。予備重合は不活性溶媒中に懸
濁させた触媒に適量のプロピレンを吹込む溶媒法や液化
プロピレン中に触媒を添加するバルク法のいずれによっ
ても可能であるが、気相法によるポリプロピレンの製造
の場合には不活性溶媒の存在は好ましくないためバルク
法が採用される。バルク法による予備重合を回分式で実
施すると、予備重合器内のスラリー濃度は時間の経過と
共に増加し、後工程の気相重合器への触媒の連続仕込が
不可能となる。バルク法による予備重合を連続式で行う
と上記回分式での問題は回避できるが、この連続式予備
重合を攪拌槽(Continuous Stired Tank Reactor)1個を
用いて実施したのでは後工程のプロピレンの連続気相重
合時に前記の微粉の流出という問題は解決されなかっ
た。
問題を解決するための手段 本発明者らはプロピレンの連続気相重合法における微粉
の流出防止について鋭意研究の結果、粒径が1ミクロン
以下の粒子を0.01wt%以上含有する下記(イ)、(ロ)も
しくは(ハ)で示されるチタン含有組成物((イ)四塩化チタ
ンを有機アルミニウム化合物で還元し、(ロ)四塩化チタ
ンをエーテル化合物の存在下有機アルミニウム化合物で
還元し、もしくは(ハ)Mgx2を含む組成物担体上に四塩化
チタンを担持させて得られたもの)と有機アルミニウム
化合物とを主成分とする触媒を液化プロピレンと接触さ
て連続予備重合処理し、引き続いてプロピレンの連続気
相重合に使用するに際し、 (A)平均粒径(メジアン径;dc)が7ないし100ミ
クロンであるようなチタン含有組成物を用い、 (B)連続予備重合帯でのチタン含有組成物の粒子の滞留
時間分布を、t/≦0.4の粒子が25wt%以下(こ
こで、t:チタン含有組成物粒子の滞留時間、:チタ
ン含有組成物全粒子の平均滞留時間)となるようにに
し、かつ、 (C)連続予備重合処理における触媒効率(チタン含有組
成分1g当りの重合体g数)を10〜2000とするこ
とにより所期の目的が達せられることを知り本発明を完
成するに到った。
作用 本発明で使用する触媒はプロピレンの立体規則性重合反
応に一般的に使用される触媒であり、チタン含有組成物
と有機アルミニウム化合物、更に必要に応じ電子供与性
化合物とから構成される。ここでチタン含有組成物とし
ては四塩化チタンを種々の方法で還元したもの、これ
らをさらに粉砕して活性化したもの、あるいはの
組成物を電子供与性化合物と共粉砕したもの、四塩化
チタンをエーテル化合物の存在下で有機アルミニウム化
合物で還元したもの、三塩化チタン組成物を錯化剤で
処理しさらに四塩化チタンで活性化処理したもの、ま
た四塩化チタンをマグネシウム化合物上に担持させたも
の等を例示することができる。
従来一般に市販ないし製造されている上記チタン含有組
成物には粒径が1ミクロン以下の微粉が0.01〜0.
5wt%含有されており、プロピレンの気相重合時のトラ
ブルの原因となっていた。本発明では平均粒径(メジア
ン径)が7〜100ミクロン、好ましくは12〜70ミ
クロンの上記チタン含有組成物を使用する。この範囲の
チタン含有組成物を使用することにより上記微粉に因る
トラブルを解消することが出来る。平均粒径が7ミクロ
ン未満のものではプロピレンの連続気相重合時に触媒や
重合体の微粒子の流出によるトラブルを防ぐことができ
ない。また、平均粒径が100ミクロンを超えると、上
記微粉流出トラブルは減少するが触媒の活性が著しく低
下し、得られる重合体の物性も劣ったものとなるので好
ましくない。チタン含有組成物が粒径1ミクロン以下の
微粉の含有量が0.01wt%に達しないものであれば微
粉流出のトラブルがほとんど発生しないので本発明を利
用する必要がない。
有機アルミニウム化合物としては、一般式AlRmX8-m(R
=水素または炭素数1〜10の炭化水素基、特にアルキ
ル基、X=ハロゲンまたは炭素数1〜12のアルコキシ
ル基、1≦m≦3)で表わされる化合物が適当であり、
具体的には、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロ
ピルアルミニウム、トリ−iso−ブチルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムクロライド、ジ−iso−ブチルア
ルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムアイオダ
イドなどがあり、これらは混合物で用いることもでき
る。これら有機アルミニウム化合物はチタン含有組成物
1g当り1〜500mmolの割合で使用するが、後述の
予備活性化工程、予備重合工程あるいは気相連続重合工
程のうち最初の工程で全量を使用することも各工程に分
割使用することも可能である。
本発明では触媒の性能向上を図るため必要に応じて各種
の電子供与性化合物を予備活性化工程、予備重合工程あ
るいは連続気相重合工程のいずれかのあるいは全ての工
程において使用することができる。そのような電子供与
性化合物としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、ギ酸メチル、メタクリル酸メチル
等のカルボン酸エステル類、メチルエチルケトン、アセ
トフエノン等のケトン類、アセトアルデヒド、ベンズア
ルデヒド等のアルデヒド類、ジエチルアミン、アニリ
ン、アセトニトリル、アクリルアミド、テトラメチル尿
素等の窒素化合物、トリフェニルホスフィン、トリフェ
ニルホスファイト、トリフェニルホスフェート等のリン
化合物、二硫化炭素、メチルフェニルスルホン等の硫黄
化合物、トリフェニルメトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン等のシラン類等が挙げられる。これら電子
供与性化合物はチタン含有組成物1g当り10−3〜1
mmolの割合で使用される。
上記チタン含有組成物、有機アルミニウム化合物および
必要に応じて使用される電子供与性化合物は精製された
不活性溶媒、例えば液化プロパン、液化イソブタンある
いはn−ヘキサン等の中で、通常チタン含有組成物の濃
度が0.1〜10wt%の触媒に調製される。得られた触
媒(懸濁液)はそのまゝ連続予備重合器に供給されるこ
とが出来るが、その前に触媒活性を向上させるための予
備活性化処理することも出来る。予備活性化処理は上記
触媒懸濁液に少量のエチレンあるいはプロピレンを供給
し、チタン含有組成物1g当り10g程度以下の重合物
を生成させることで達成される。
上記予備活性化処理を受けたあるいは受けない触媒は一
基又は二基以上の反応器から成る連続予備重合器に供給
され液化プロピレンによる連続予備重合処理される。連
続予備重合は連続予備重合帯でのチタン含有組成物の滞
留時間分布を、t/≦0.4の粒子が25wt%以下、
好ましくは19wt%以下、さらに好ましくは0wt%(こ
こで、t:粒子の滞留時間、:全粒子の平均滞留時
間)となるように行なう。t/≦0.4の粒子が25
wt%を超すような条件で予備重合を行なうと、このよう
にして得られた予備重合触媒を用いた連続気相重合にお
いて重合器からの微粉の流出を阻止することが出来ず、
本発明の目的が達成されない。連続予備重合帯は連続予
備重合器の入口から出口までと実質的に一致する。
一般に反応器内の流体は押出し流れと完全混合流れとの
間の挙動を示し、反応器の混合特性に応じて滞留時間分
布が変化する。反応器の混合特性を知る方法としては、
反応器入口でトレーサーを注入し、出口での濃度変化を
経時的に測定すれば良く、これにはステップ応答法とパ
ルス応答法とがあることは化学工学の教える所であり
(岩波全書255「化学工学III第6章」、「化学便
覧」改訂四版第20章等)、本発明におけるチタン含有
組成物の連続予備重合帯における滞留時間分布を上記範
囲に納めることは反応器の型式、攪拌の程度等を変化さ
せながらその混合特性を実測することにより達成でき
る。
連続予備重合器の好ましい例として等しい容積の攪拌槽
型反応器あるいは管型反応器を複数個直列に用いた重合
器(第1図、B〜L)を示すことができる。また1個の
攪拌槽型反応器を用い、流出する予備重合触媒スラリー
を液化プロピレンによる向流洗浄塔あるいは液体サイク
ロンで処理し、該スラリー中の微粒子を分離し元の反応
器に還流させる方法も好ましく用いることができる。連
続予備重合器として管型反応器を用いる場合には、予備
重合触媒スラリーの沈降を防ぐために、管内の液化プロ
ピレンの線速度を20cm/sec以上、好ましくは30cm
/sec以上に保つことが好ましい。連続予備重合器が管
型反応器のみから成る場合には、該反応器の長さと直径
の比(L/D)を100以上とすることが好ましい。L
/Dが100未満では、上記の液化プロピレンの線速度
では予備重合に必要な滞留時間が得られるず、かつ、液
化プロピレンの使用量が増大し、後工程の連続気相重合
器に必要以上の液化プロピレンが供給されることになり
気相重合の実施が困難となるので好ましくない。
本発明では液化プロピレンによる触媒の連続予備重合処
理は触媒効率(チタン含有組成物1g当りの重合体のg
数)が10〜2000の範囲、好ましくは50〜150
0の範囲で行われる。連続予備重合処理における触媒効
率が10未満では後工程のプロピレンの連続気相重合工
程における未反応ガス流への微粉の流出を阻止すること
ができない。触媒効率が2000を超すと、微粉の流出
防止効果は充分であるが、連続予備重合工程での触媒の
滞留時間を増大させねばならず、反応器の大形化を招
き、大量の液化プロピレンを取扱わねばならなくなる等
の不都合を生ずる。
液化プロピレンによる連続予備重合の温度、圧力および
時間には臨界的な制限はなく、20〜80℃、15〜4
0kg/cm3・G、30秒〜30分間の範囲で実施するこ
とができる。また連続予備重合器から排出されるプロピ
レン重合体を含有する触媒のスラリー濃度は3〜55重
合%、なかでも5〜40重量%の範囲から選定すること
が取扱い易く好適である。連続予備重合に際し、水素を
添加して重合体の分子量を制御することが可能であり、
エチレン、ブテン−1等の他のα−オレフィンを5重量
%以下含有する液化プロピレンを用いることも可能であ
る。連続予備重合によって得られる重合体の量は、後工
程の連続気相重合終了時の重合体量の20%以下、更に
は10%以下とすることが好ましい。予備重合体の量が
全体の20%を超すと予備重合の設備が大型化し過ぎて
好ましくない。
液化プロピレンによる連続予備重合処理を受けた触媒は
プロピレンの連続気相重合器に連続的に供給される。連
続気相重合器への供給は、予備重合触媒スラリーを重合
器内にスプレーする方法、あるいは予備重合触媒スラリ
ーを連続的に加熱および/または減圧することにより液
化プロピレンの全量を気化させ気−固混相流として重合
器に供給する方法が使用できる。特に後者の方法によれ
ばチタン含有組成物に対する有機アルミニウム化合物の
添加量を大巾に低下させても気相重合における充分な触
媒活性が得られるので好ましい実施態様である。
プロピレンの連続気相重合器としては、触媒や重合体粉
体を機械的に攪拌する攪拌機付反応器あるいは流動床式
反応器を使用することができ、複数の反応器を直列に結
合して使用することも可能である。
本発明に係る連続気相重合法によって得られる重合体
は、プロピレンの単独重合体の他プロピレンを主成分と
しエチレンおよび炭素数4〜8のα−オレフィンから選
ばれた共重合成分とから成る二元系あるいは三元系のラ
ンダム共重合体およびブロック共重合体が挙げられる。
重合温度は5〜90℃、好ましくは40〜80℃、さら
に好ましくは50〜75℃であり、重合圧力としては1
〜40kg/cm3・G、重合時間は10分間〜10時間、
好ましくは30分間〜5時間である。重合器に水素を供
給することにより重合体の分子量をMFR=0.01〜1000
の範囲に制御することができる。重合器に供給されるモ
ノマーは液状またはガス状のいずれでも良い。反応熱は
モノマーの顕熱あるいは蒸発潜熱により除去することが
可能であり、反応器にジャケットを設けて冷却すること
もできる。重合器から流出した未反応モノマーは加圧、
冷却後重合器にリサイクルされるが、部分的に凝縮させ
る場合には気相部と液相部を別々のルートで重合器にリ
サイクルすることが好ましい態様である。重合器内で生
成した重合体は小量の未反応モノマーを同伴して減圧槽
に抜出され次工程に送られる。
以下、実施例、比較例により本発明を説明する。
実施例、比較例にて使用するチタン含有組成物の調製は
つぎのように行なった。調製はいずれも窒素雰囲気下で
行い、得られたチタン含有組成物は窒素雰囲気下に保存
した。
チタン含有組成物(A)の調製 容量15のかくはん機付き反応器(回転数200rp
m)の内部を窒素雰囲気に保ち、ノルマルヘキサン2.
7と四塩化チタン0.69を投入し、0℃に冷却し
た。つづいてn−ヘキサン3.4とジエチルアルミニ
ウムクロライド(以下DEACと略す)0.78を0℃で
4時間にわたり添加した。その後1時間かきまぜ、さら
に65℃で1時間攪拌して反応を行った後、室温まで冷
却して静置した。上層の液相部を分離し沈降層の固体を
n−ヘキサンで5回洗浄した。つぎに該固体にn−ヘキ
サン9.8およびジイソアミルエーテル1.37を加え、
35℃で100分間攪拌して反応させた。反応後静置し
て上澄液を分離して残った沈降層の固体生成物をn−ヘ
キサンで洗浄した後、n−ヘキサン3.9および四塩化
チタン1.0を60分間にわたり加え、65℃で2時間
攪拌し、静置後上澄液を除き、得られた沈殿物をn−ヘ
キサンで洗浄し、減圧下に乾燥させてチタン含有組成物
(A)1kgを得た。
チタン含有組成物(B)の調製 窒素置換されたガラス製200反応器に四塩化チタン
40グラムモル(以下単にモルであらわす)を入れ加熱
して35℃に保持した。この四塩化チタンに、つぎの反
応液すなわちn−ヘキサン6.0、DEAC5モルおよ
びジイソアミルエーテル12モルの混合物を25℃で1
分間で混合し、さらに5分間反応させた反応生成物(ジ
イソアミルエーテル/DEACモル比:2.4/1)を3
5℃で30分間滴下しながら添加した。その四塩化チタ
ンの反応混合物は、その後30分35℃に保ち、ついで
75℃に昇温させて1時間反応させ、固体の沈殿物を生
じた。該混合物を室温(20℃)まで冷却して静置し、
沈殿物と上澄液に分離させ、反応器を傾斜させて上澄液
を除去した。ついで上澄液除去後の沈殿物にn−ヘキサ
ン40を加えて10分間攪拌混合後デカンテーション
により上澄液を除く操作を4回繰り返した。かかる処理
後の該沈殿物を、共存するn−ヘキサンを減圧蒸発乾固
させて固体生成物1.9kgを得た。ついで、この固体生
成物の全量をガラス製200反応器に入れ、n−ヘキ
サン30に加えて攪拌して懸濁させ、20℃でジイソ
アミルエーテル1.6kgと四塩化チタン35gを加えて
65℃で1時間反応させた。この反応後室温まで冷却
し、静置して沈殿物(以下第2沈殿物)を分離させた上
澄液を傾斜させて除去した。ついで上澄液除去後の第2
沈殿物にn−ヘキサン40を加えて10分間攪拌混合
後デカンテーションにより上澄液を除く操作を4回繰返
した。ついで、この固体生成物を減圧下で乾燥させチタ
ン含有組成物(B)1.5kgを得た。
チタン含有組成物(F)の調製 攪拌機付反応器(容量100)にn−ヘキサン30
、無水塩化マグネシウム4.8kg、無水塩化アルミニ
ウム470gおよび2−エチル−1−ヘキサノール1
9.4kgを投入し、130℃に加熱しながら1時間攪拌
して溶解させた。この溶液を70℃に冷却し、安息香酸
エチル3.2kgを加え1時間反応させた後、攪拌しなが
ら四塩化ケイ素52kgを2時間かけて添加し、更に1時
間攪拌した。析出した固体生成物(I)を別し、n−ヘ
キサン各100で5回洗浄し、別して固体生成物(I
I)を得た。この固体生成物(II)の全量に対し1,2−ジ
クロルエタン50に溶かした四塩化チタン50mlを加
え、攪拌しながら80℃で2時間反応させた後、別
し、n−ヘキサン各100で5回洗浄し、3時間真空
乾燥してチタン含有組成物(F)約4kgを得た。
予備活性化処理 実施例1〜13および比較例1〜8の全ての例で、使用
する触媒はプロピレンによる回分式の予備活性化処理を
した。攪拌機付10オートクレープに精製液化イソブ
タン6を仕込み、この中に第1表に示した有機アルミ
ニウム化合物、電子供与性化合物および予め粒度分布を
測定したチタン含有組成物をこの順序で投入した。各成
分の比率は第1表に示した供給量の比率と同じである
が、イソブタン中のチタン含有組成物の濃度は1重量%
に調整した。得られた触媒スラリーに、チタン含有組成
物1g当り3gのプロピレンを攪拌下、室温で3時間か
けて供給し、その後更に3時間そのまゝ保持した。
連続予備重合 予備活性化処理した触媒スラリーを、第1図に示された
各種の型式の連続予備重合器に液化プロピレンと共に供
給し、第1表に示した処理条件でそれぞれ連続予備重合
処理をした。連続予備重合器から排出される触媒スラリ
ーの一部をサンプリングしてスラリー濃度、触媒効率お
よびMFRを測定し、残余は次工程の連続気相重合器に
送った。なお、それぞれの連続予備重合器の平均滞留時
間分布は連続予備重合処理と同一の攪拌条件下でトレー
サーを用いたパルス法により予め測定した。
連続気相重合 攪拌羽根を有する横型重合器(L/D=6、内容積10
0、回転数40rpm)を用いてプロピレンの連続気相
重合を行った。第2図に反応系の概略を示す。液化プロ
ピレンによる連続予備重合処理を受けた触媒スラリーは
予備重合器1より配管2を経て重合器5内にスプレーさ
れた。但し、実施例7の場合には該スラリーを加熱器3
により液化プロピレンの全量を気化させて気−固混合相
流として重合器に供給した。プロピレンガスを重合器の
下部の多数の吹込口6から供給して攪拌羽根4による粉
体床の流動化を助けると共に、液化プロピレンを重合器
の上部の多数の注入口7から供給してその気化熱により
反応熱を除した。重合器より流出する未反応プロピレン
は同伴する微粉をサイクロン8で除去した後、圧縮機
(図示せず)で加圧し、凝縮器9で冷却してその一部を
凝縮させた。セパレーター10で分離された凝縮部は重
合器上部へ、非凝縮部は重合器下部へそれぞれ再供給し
た。得られた重合体は重合体抜出口11より連続的に抜
き出した。重合体の分子量は気相中の水素濃度によっ
て、重合時間(平均滞留時間)は粉体床の深さによって
それぞれ制御した。
実施例1〜7および比較例1〜7はプロピレンの単独重
合を行った。実施例8、9はプロピレンとエチレンの、
実施例10、11はプロピレン・エチレン・ブテン−1
のそれぞれランダム共重合を行った。実施例12、13
はプロピレンとエチレンのブロック共重合を行った。ブ
ロック共重合では、第1段として前記の横型重合器(L
/D=6、内容積100)でプロピレンの単独重合を
行い、得られた重合体を攪拌羽根を有する横型重合器
(L/D=6、内容積50、回転数40rpm)(図示
せず)に移してエチレンとプロピレンの連続気相共重合
を行った。
これら実施例および比較例における反応条件、微粉の流
出量ならびに重合体の性状を第2表に示した。なお第1
表および第2表中に示されたデータの測定方法ならびに
用語、記号の定義を以下に示す。
有機アルミニウム化合物(Org.Al): DEAC=ジエチルアルミニウムクロライド TEA=トリエチルアルミニウム TIBA=トリイソブチルアルミニウム TEA=トリエチルアルミニウム 電子供与性化合物(Elec.Donner): G=ジエチレングリコールジメチルエーテル H=メチルメタクリレート I=エチルパラアニセート J=硫化水素/γ・コリジン(モル比1/1混合物) K=ジフェニル・ジメトキシ・シラン チタン含有組成物の粒度分布:セイシン企業(株) 製のミクロンフォトサイザーを用いて測定した。
連続予備重合器内の滞留時間分布:トレーサー を用いたバルス応答試験により測定した。
触媒効率:チタン含有組成物1kg当りの重合体収量(kg) MFR:ASTM D1238(230℃)による流動
指数 水素濃度:重合器気相部の濃度、ガスクロマトグラフで
測定した。
微粉生成量:全生成重合体量に対するサイクロン8で捕
集された重合体の量 FE:得られた重合体を厚さ40ミクロンのフィルムと
し、1m3当りに出現するフイッシュアイの数 共重合体組成:赤外分光光度法により測定した。
発明の効果 上記各表に示されたデータからも明らかなように、本発
明の方法を実施することにより、1ミクロン以下の粒子
を0.01wt%以上含有するようなチタン含有組成物を
触媒成分として用いても連続気相重合器からの微粉の流
出を防ぐことができ、このような微粉の流出に起因する
プロセス上のトラブルを解消して長期間の安定した運転
が可能となった。本発明の第2の効果は、フイッシュア
イやブツの少い優れた成形品を与える重合体を得ること
が可能になった。本発明の第3の効果は、連続予備重合
処理を受けた触媒を気−固混合相流として連続気相重合
器に供給することにより、有機アルミニウム化合物の使
用量を大巾に低下させることを可能とした。
【図面の簡単な説明】
第1図は連続予備重合に用いた各種型式の重合器の模式
図。第2図は連続気相重合装置の系統図。第3図は本発
明の方法を説明するための製造工程図(フローシート)
である。 1:予備重合器、3:加熱器、5:重合器、8:サイク
ロン、10:セパレーター、11:重合体抜出口

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒径が1ミクロン以下の粒子を0.01wt
    %以上含有する下記(イ)、(ロ)もしくは(ハ)で示されるチ
    タン含有組成物((イ)四塩化チタンを有機アルミニウム
    化合物で還元し、(ロ)四塩化チタンをエーテル化合物の
    存在下有機アルミニウム化合物で還元し、もしくは(ハ)
    MgX2を含む組成物担体上に四塩化チタンを担持させ
    て得られたもの)と有機アルミニウム化合物とを主成分
    とする触媒を液化プロピレンと接触させて連続予備重合
    処理し、引き続いてプロピレンの連続気相重合に使用す
    るに際し、 (A)平均粒径(メジアン径;dc)が7ないし100ミ
    クロンであるようなチタン含有組成物を用い、 (B)連続予備重合帯でのチタン含有組成物の粒子の滞留
    時間分布を、t/≦0.4の粒子が25wt%以下(ここ
    で、t:チタン含有組成物粒子の滞留時間、:チタン
    含有組成物全粒子の平均滞留時間)となるようににし、
    かつ、 (C)連続予備重合処理における触媒効率(チタン含有組
    成物1g当たりの重合体のg数)を10〜2000とす
    ることを特徴とするプロピレンの連続気相重合方法。
  2. 【請求項2】チタン含有組成物の平均粒径(メジアン
    径)が12〜70ミクロン出有り、該チタン含有組成物
    の連続予備重合帯での滞留時間分布がt/≦0.4の
    粒子が19wt%以下であり、かつ、該連続予備重合処理
    仁尾蹴る触媒効率が50〜1500である特許請求の範
    囲第1項記載の連続気相重合方法。
  3. 【請求項3】チタン含有組成物の連続予備重合帯での滞
    留時間分布がt/≦0.4の粒子が実質的に零である
    特許請求の範囲第1項もしくは第2項記載の連続気相重
    合方法。
  4. 【請求項4】触媒の連続予備重合処理をL/D(長さ/
    直径)が100以上の管状重合器を用い、かつ、液化プ
    ロピレンの線速度が20cm/sec以上で行う特許請求の
    範囲第3項記載の連続気相重合方法。
  5. 【請求項5】触媒を連続予備重合処理して得られるスラ
    リーを共存する液化プロピレンの実質的に全量を気化さ
    せた後連続気相重合に供する特許請求の範囲第1項記載
    の連続気相重合方法。
  6. 【請求項6】触媒の連続予備重合処理時のスラリー濃度
    g5〜40wt%である特許請求の範囲第5項記載の連続
    気相重合方法。
  7. 【請求項7】触媒の連続予備重合処理時のプロピレンの
    重合量が、全重合量(後工程の連続気相重合工程を含め
    た、触媒の単位重量当たりの重合体の重量)の10%以
    下である特許請求の範囲第1項記載の連続気相重合方
    法。
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