JPH0627730A - 現像剤およびその製造方法 - Google Patents

現像剤およびその製造方法

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JPH0627730A
JPH0627730A JP4207314A JP20731492A JPH0627730A JP H0627730 A JPH0627730 A JP H0627730A JP 4207314 A JP4207314 A JP 4207314A JP 20731492 A JP20731492 A JP 20731492A JP H0627730 A JPH0627730 A JP H0627730A
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JP
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carrier
developer
toner
acid
polyester resin
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JP4207314A
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English (en)
Inventor
Tokuhiro Hayashi
徳広 林
Masayuki Maruta
将幸 丸田
Hideyo Nishikawa
英世 西川
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】キャリアーと無機微粒子を混合することにより
キャリアー表面に無機微粒子を付着させた後、該キャリ
アー表面にトナーを静電的に混合付着させる現像剤の製
造方法であって、該トナーの結着樹脂の主成分が、3価
以上の多官能化合物の少なくとも1種を構成単位として
有する、酸価5KOH mg/g以下、水酸基価60KOHmg/g
以下のポリエステル樹脂であることを特徴とする現像剤
の製造方法、並びに、該製造方法により得られる現像
剤。 【効果】本発明によると、従来法とは異なり、現像剤の
生産性を損なう事なく得られた現像剤は比電荷の変動が
改良され、現像剤ライフ全般に渡って、初期使用時から
帯電量を安定に維持できる。また流動性も改善され、ブ
ロッキングも生じることなく、長期に渡って高画質を維
持することができる。更に、本発明によると特に地汚れ
の低減が達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真法、静電記録
法、静電印刷等に用いられる、トナーとキャリアーから
構成される二成分系乾式現像剤およびその製造方法に関
し、より詳しくは、磁性体粒子の粉末と表面処理用無機
微粒子の粉末とを混合付着させた後、トナーを加え付着
させてなる現像剤およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】従来、電
子写真法としては米国特許第2221776号、第22
97691号、第2357809号等の明細書に記載さ
れている如く、光導電性絶縁層を一様に帯電させ(帯電
工程)、次いでその層を露光せしめ(露光工程)、露光
された部分の電荷を消散させる事によって静電気的な潜
像を形成し、更に該静電潜像にトナーと称される着色さ
れた荷電した微粉末を付着せしめる事によって可視化さ
せ(現像工程)、得られた可視像を転写紙等の転写材に
転写せしめた(転写工程)後、加熱、圧力あるいはその
他の適当な手段によって永久定着せしめる(定着工程)
工程からなる方法が行われてきた。
【0003】これらの電子写真法に適用される現像方法
としては、大別して乾式現像法と湿式現像法とがある。
前者は、更に一成分系現像剤を用いる方法と、二成分系
現像剤を用いる方法とがあり、本発明は二成分系乾式現
像剤の製造方法に関する。二成分系乾式現像剤を用いる
方法に属するものには、トナーを搬送するシステムの種
類により、磁性粉キャリアーを用いる磁気ブラシ現像
法、幾分粗いビーズキャリアーを用いるカスケード現像
法等がある。カラー現像剤を用いる場合も基本的には前
記した電子写真法により、〔帯電〕→〔露光〕→〔現
像〕→〔転写〕の工程を複数回繰り返した後、定着する
ことによりカラー画像形成が行われる。但し露光工程に
おいて、色分解フィルターにより露光する、あるいはス
キャナーで読み取った像をレーザー等で書き込むことに
より露光する点が異なる。
【0004】これらの現像法に適用するトナーとして
は、従来、天然あるいは合成された熱可塑性樹脂の中に
染料・顔料等の着色剤を分散させた微粉末が一般に使用
されてきた。合成樹脂系としては例えば、スチレン−ア
クリル共重合系(ポリスチレン系)樹脂、ポリエステル
系樹脂、エポキシ系樹脂等の結着樹脂中に着色剤、荷電
制御剤、ワックス等の各種機能性添加剤を混合分散させ
たものを、1〜30μm程度に粉砕した粒子がトナーと
して用いられている。このようなトナーとキャリアーか
ら構成される二成分系現像剤には、一般的にロングライ
フ性、すなわち連続現像における画像画質の安定性、維
持性が求められている。その為には、トナーとキャリア
ー粒子間の帯電量及び現像剤の抵抗を適性範囲内に維持
させねばならず、初期の帯電量が、ロングラン後期にお
いても変化しない事が最も望ましい。
【0005】これら現像剤の帯電量及び抵抗を安定に維
持する目的で従来から、トナー側からは、結着樹脂、荷
電制御剤、その他の添加剤の設計及び選択が検討されて
きた。一方、キャリアー側からも鉄粉の酸化処理法ある
いはフェライト、マグネタイト等の構成材料、更にそれ
らの磁性粉表面形状、表面コーティング材料およびその
処理法等が種々検討されて来た。最近では、例えばキャ
リアーの表面コーティング方法として、溶液法により表
面コーティングされたキャリアー(特開昭62−806
69号公報)や乾式法によるもの(特開昭62−235
959号公報)が、トナーへの摩擦帯電能を長期に渡っ
て維持する目的で提案されている。しかし、これらの技
術は、何れもロングライフ性すなわち長期的な連続現像
における画像画質の安定性改善に関するものであり、現
像剤使用開始時の初期的な電荷変動や抵抗変動を改善し
たり、現像剤の流動性の安定性を改善するものではな
い。
【0006】すなわち、トナーとキャリアーを混合して
調製しただけの現像剤をプリンターや複写機の現像ユニ
ットにセットして、実際の現像を開始すると、使用開始
後数分もしないうちに、あるいは数百回の現像後にキャ
リアー粒子表面の変化により「初期ライフ電荷変動」と
呼ばれる現像剤の帯電量レベルの急激な変化と、それに
伴う現像剤の抵抗及び画質の好ましくない変化が発生す
るという問題が指摘されている。このような事情から、
現像剤を作製する前のキャリアー粒子を予備調製するこ
とによる改善方法が提案されている(米国特許第3,9
70,571号明細書)。即ち、トナーとキャリアーを
混合攪拌して現像剤を製造する前に、あらかじめキャリ
アー粒子を荷電制御剤と結着樹脂からなる予備調製用ト
ナーで攪拌混合し、現像剤使用初期におけるトナーのキ
ャリアー表面の細孔への充填やスカミング及びキャリア
ー表面の摩損を意図的にもたらし、次いで過剰の予備調
製用トナーを除去した後、トナーと混合して現像剤を製
造する方法である。このようなキャリアー粒子の予備調
製を経て製造された現像剤は「初期ライフ電荷変動」を
低減する効果が期待されている。
【0007】しかし、この技術では、初期ライフ電荷変
動を低減できるものの予備調製時に必要以上にキャリア
ーのコーティング剤がはがれ、逆にロングライフ性を減
少させてしまう点や、補給用トナーとは別に予備調製用
の粒度分布の異なるトナーの製造を行なう必要がある点
や、更にその予備調製時間が数時間にも及ぶ為、現像剤
の生産性が著しく低下してしまう点などの大きな問題が
あった。更に、この様な現像剤用キャリアーの機械的プ
レコンディショニング処理を必要とすることなく、現像
剤の帯電量を現像剤ライフに渡って安定に維持する方法
も提案されている(米国特許第4,828,956号明
細書)。しかしながら、この方法では第1現像剤用トナ
ーと第2現像剤用トナーの2種類のトナーを別々に製造
しなければならない点や、それぞれの現像剤の摩擦帯電
積を測定した場合にその値の相関が不明である点で製造
上の問題が解決されたとは言えない。
【0008】一方、以上のような帯電特性の改善に関す
る提案以外に、定着性の改善を目的としたトナーの改善
に関する提案も多数行われている。例えば、特開昭63
−148271号公報、特開昭63−163469号公
報等には、トナーの結着樹脂の主成分として、3価以上
の多官能化合物の少なくとも1種を構成単位として有す
る、酸価5KOH mg/g以下、水酸基価60KOH mg/g以下
のポリエステル樹脂を用いることにより、低温定着性に
優れる現像剤が提案されている。このようなトナーは、
広いオフセット域および低温定着性を確保するため樹脂
の分子量分布を広げているため、低分子量成分が存在す
る。そしてこの低分子量成分が、長期に渡る複数回の現
像の繰り返しによって発生する熱や圧力によって、高温
・高湿時の連続使用時にキャリアー表面にスペント(融
着して低分子量成分の層を形成すること)したり、それ
らスペント部の間にトナーを巻き込んだ形でキャリアー
とキャリアーを強固に粘着させ、現像剤のブロッキング
を引き起こすなどの問題があった。
【0009】本発明は以上の事情に基づいてなされたも
のであって、その目的は、特に低温定着性に優れるトナ
ーを用いた場合にも、現像剤の生産性を損なう事なくそ
の帯電量および流動性を現像剤ライフ全般に渡って、初
期使用時から安定に維持できるような現像剤およびその
製造方法を提供する事にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決することを目的として種々の研究を重ね、キャリ
アー表面に無機微粒子を混合付着させた後、トナーを加
えキャリアー表面に静電的に混合付着させて現像剤を製
造する事により、現像剤をプリンター、複写機等の実機
で使用した場合にも初期の電荷変動を認めず、現像剤の
生産性を大きく損なう事なく、ロングラン性を確保でき
ることを見い出し、更に研究を重ねて本発明を完成し
た。
【0011】即ち、本発明の要旨は、(1)キャリアー
と無機微粒子を混合することによりキャリアー表面に無
機微粒子を付着させた後、該キャリアー表面にトナーを
静電的に混合付着させる現像剤の製造方法であって、該
トナーの結着樹脂の主成分が、3価以上の多官能化合物
の少なくとも1種を構成単位として有する、酸価5KOH
mg/g以下、水酸基価60KOH mg/g以下のポリエステル
樹脂であることを特徴とする現像剤の製造方法、並び
に、(2)キャリアー表面に無機微粒子を付着させてな
るキャリアーとトナーからなる現像剤において、該トナ
ーの結着樹脂の主成分が、3価以上の多官能化合物の少
なくとも1種を構成単位として有する、酸価5KOH mg/
g以下、水酸基価60KOH mg/g以下のポリエステル樹脂
であって、該トナーをキャリアー100重量部に対して
1〜15重量部含有することを特徴とする現像剤に関す
る。
【0012】本発明の製造方法では、まずキャリアーと
無機微粒子を混合することによりキャリアー表面に無機
微粒子を付着させる。このようなキャリアー表面の処理
に用いられる無機微粒子としては、従来より電子写真用
に用いられる事が知られている全てのものを使用する事
が可能である。
【0013】具体的には、例えばシリカ、アルミナ、そ
して酸化チタンおよび酸化スズとその表面がアンチモン
などにより導電化処理されたもの、チタン酸バリウム、
チタン酸マグネシウム、チタン酸カルウシム、チタン酸
ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケ
イ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベン
ガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジル
コニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができ
る。特にシリカでも表面のシラノール基が、ヘキサメチ
ルジシラザンやジメチルジクロロシラン等で疎水化処理
された物が好ましい。
【0014】これらの無機微粒子の粒径は、用いるキャ
リアー及びトナーの粒径により左右されるので一概には
特定できないが、一般に使用するトナーの平均粒径の1
0分の1以下のものを用いる事ができる。より好ましく
はその一次平均粒子径が10000分の1〜100分の
1のものが、より効果的である。平均粒径がトナー粒径
の10分の1より大きいものを使用すると感光体表面を
傷つける傾向が現れるようになり、また10000分の
1未満のものは非常に飛散し易く取扱いが困難になる。
具体的には、無機微粒子の一次平均粒子径が通常0.0
01〜0.1μm、好ましくは0.005〜0.05μ
mのものが使用される。本発明では以上の無機微粒子
は、後述するトナーの表面処理に用いられているものと
同一であってもよく、また異なっていてもよい。また、
これらは単独で、あるいは二種以上組み合わせて用いて
もよい。
【0015】また本発明において用いられるキャリアー
は、種々の多孔性又は非多孔性の材料から選択すること
ができ、通常20〜500μm、好ましくは55〜16
0μmの平均粒径を有するものが用いられる。具体的に
は、例えばガラスビーズ、無機塩の結晶、硬質樹脂粒
子、金属微粒子等が用いられる。更に、本発明では磁性
キャリアー粒子を使用する事もでき、例えば、鉄粉、ニ
ッケル粉、フェライト粉などが挙げられる。これらの磁
性キャリアー粒子の表面はスチレンアクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンアクリル樹
脂、あるいはフッ素系樹脂として種々のフッ化炭素、例
えばカイナー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ
化ビニリデンそしてフッ化ビニルとテトラフルオロエチ
レンの共重合体やその混合物を含む樹脂でコートされて
いても良い。
【0016】本発明において、これらのキャリアーに無
機微粒子を混合付着させる際の無機微粒子の添加量は、
混合装置あるいは混合条件に左右されるため一概に特定
することはできないが、耐刷使用初期における帯電的な
変動を充分に抑制でき、かつブラックスポット等の問題
の発生を認めない範囲であることが必要であり、通常キ
ャリアー100重量部に対し、0.001〜0.5重量
部、好ましくは0.005〜0.3重量部が用いられ
る。この場合、添加量が0.001重量部より少ないと
キャリアー表面や細孔へのコーティング又はスカム効果
が小さく、初期的な帯電量の変化の低減に有効な効果が
得られず好ましくない。また、添加量が0.5重量部を
超えると、遊離の無機微粒子が増え、トナー表面に移行
してかえってトナーの帯電性を変化させたり、あるいは
それらの2次凝集体が生成し、感光体にブラックスポッ
トの核となる傷をつけるおそれがあり好ましくない。
【0017】ここで、ブラックスポットとは、感光体へ
のフィルミングの一種で、可視画像上に黒斑点として現
れるものである。これは、無機微粒子が相当に硬いもの
であるため、感光体がセレン−テルル系物質、有機感光
体のように比較的硬度の小さいものである場合に顕著で
あり、更に、比較的硬いとされているが機械的衝撃に対
して脆いセレン−ヒ素系物質よりなる場合にも同様の問
題が生じていた。
【0018】また、混合に用いる装置としては特に限定
されることはなく、例えば水平円筒形、V型、W型の容
器回転型混合機、ナウターミキサー、コンテナーミキサ
ー等の一般的に使用される混合装置が用いられる。上記
混合装置のうち、例えば、容器回転型混合機を使用する
場合、キャリアーと無機微粒子との混合における回転の
周速は、それらの混合容量にもよるが20〜100m/
分の範囲にある事が好ましい。回転周速が100m/分
を超えると、混合効果が必要以上に大きくなり、キャリ
アー表面の摩耗、無機微粒子の再凝集化が進み好ましく
ない。又、回転周速が20m/分より低い場合は、無機
微粒子が均一にキャリアー表面に付着されず、付着の効
果が小さくなってしまう。
【0019】本発明の現像剤の製造方法では、以上のよ
うにして無機微粒子を用いてキャリアー表面の処理を行
うが、本発明ではこのように処理されたキャリアーにさ
らにトナーを静電的に混合付着させる。トナーを混合付
着させる方法としては、通常の二成分系現像剤の調製に
用いられるいずれの方法でもよく、例えば前記のキャリ
アー表面の処理の場合と同様の方法が挙げられる。この
場合、前記の混合装置等を用いることができる。また、
これらの混合装置を用いた混合の条件も、特に限定され
ることなく通常の条件で行えばよい。このとき、トナー
の添加量は上記キャリアー100重量部に対して、通常
1〜15重量部、好ましくは2〜10重量部である。
【0020】トナーは、一般に結着樹脂、並びに荷電制
御剤、着色剤、流動性向上剤、クリーニング向上剤、離
型剤等の添加剤等から構成されるが、本発明に用いられ
るトナーは、トナーの結着樹脂の主成分が、3価以上の
多官能化合物の少なくとも1種を構成単位として有す
る、酸価5KOH mg/g以下、水酸基価60KOH mg/g以下
のポリエステル樹脂であるトナーである。またトナーの
粒径は、キャリアー粒子の大きさにもよるが、通常6〜
15μm、好ましくは8〜13μmのものが使用され
る。また、本発明に用いられるトナーは正帯電性、負帯
電性のいずれのものも用いることができる。
【0021】本発明に用いられるトナーは、上記のポリ
エステル樹脂を結着樹脂の主成分として含有するため広
いオフセット域及び低温定着性を有するが、該ポリエス
テル樹脂は以下のアルコールモノマーと酸モノマー(カ
ルボン酸、カルボン酸エステル、もしくはカルボン酸無
水物)の縮重合により得られるものである。
【0022】本発明におけるポリエステル樹脂を構成し
ているモノマーのうちアルコールモノマーとしては、3
価以上の多官能モノマーも含めて、例えばエチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,2 −プロピレングリコール、1,3 −プロピレング
リコール、1,4 −ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,4 −ブテンジオール、1,5 −ペンタンジオー
ル、1,6 −ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェ
ノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシプロ
ピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキ
レンオキサイド付加物、その他の二価のアルコール、又
はソルビトール、1,2,3,6 −ヘキサンテトロール、1,4
−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4 −ブタン
トリオール、1,2,5 −ペンタントリオール、グリセロー
ル、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、
2−メチル−1,2,4 −ブタントリオール、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5 −トリヒド
ロキシベンゼン、その他の3価以上の多価アルコールを
挙げることができる。
【0023】これらのモノマーのうち特に、ビスフェノ
ールAアルキレンオキサイド付加物が主成分モノマーと
して好適に用いられる。ビスフェノールAアルキレンオ
キサイド付加物を構成モノマーとして用いた場合、ビス
フェノールA骨格の性質上比較的高めのガラス転移点の
ポリエステル樹脂が得られ、耐ブロッキング性が良好と
なる。また、ビスフェノールA骨格の両側のアルキル基
がポリマー中でソフトセグメントとして働くため、低温
定着性が良好となる。
【0024】本発明におけるポリエステル樹脂を構成し
ているモノマーのうち、酸モノマーとしては3価以上の
多官能モノマーも含めて、例えば、マレイン酸、フマー
ル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジ
カルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼ
ライン酸、マロン酸、又はn−ドデセニルコハク酸、n
−ドデシルコハク酸等のアルケニルコハク酸類もしくは
アルキルコハク酸類、これらの酸の無水物、アルキルエ
ステル、その他の二価のカルボン酸、そして、1,2,4 −
ベンゼントリカルボン酸、2,5,7 −ナフタレントリカル
ボン酸、1,2,4 −ナフタレントリカルボン酸、1,2,4 −
ブタントリカルボン酸、1,2,5 −ヘキサントリカルボン
酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレン
カルボキシプロパン、テトラ (メチレンカルボキシル)
メタン、1,2,7,8 −オクタンテトラカルボン酸、エンポ
ール三量体酸、及びこれらの無水物、アルキルエステ
ル、アルケニルエステル、アリールエステル、その他の
3価以上のカルボン酸を挙げることができる。
【0025】ここで述べているアルキル基、アルケニル
基またはアリール基を有するエステルの具体例として
は、1,2,4 −ベンゼントリカルボン酸を例に取れば、、
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリメチル、1,2,4 −
ベンゼントリカルボン酸トリエチル、1,2,4 −ベンゼン
トリカルボン酸トリn-ブチル、1,2,4 −ベンゼントリカ
ルボン酸トリイソブチル、1,2,4 −ベンゼントリカルボ
ン酸トリn-オクチル、1,2,4 −ベンゼントリカルボン酸
トリ2−エチルヘキシル、1,2,4 −ベンゼントリカルボ
ン酸トリベンジル、1,2,4 −ベンゼントリカルボン酸ト
リス(4−イソプロピルベンジル)等が挙げられる。
【0026】これらのモノマーのうち、3価以上のカル
ボン酸又はその無水物を多量に用いた場合、酸価を5KO
H mg/g以下に保持しようとすれば、樹脂製造時に、ゲ
ル化等の危険性が生じるため、注意を要する。また、モ
ノマーのうち、特に一般式(1)
【0027】
【化3】
【0028】(式中、nは3又は4であり、Rは炭素数
1〜18のアルキル基、アルケニル基又はアリール基で
ある。)で表されるモノマーを併用することが好まし
い。即ち、一般式(1)のモノマーはエステル交換反応
により反応が進行するので、樹脂の酸価とは無関係に
(即ち低酸価のままでも)高分子量化及び架橋構造の導
入が可能となる。一般式(1)のモノマーの配合割合は
酸成分の構成単位中2〜50モル%が良好である。2モ
ル%未満では充分な架橋構造が得られず、耐オフセット
性が改善されなくなる。50モル%より多くなると、樹
脂製造時にゲル化等の危険性が生じる。
【0029】本発明におけるポリエステル樹脂は、その
性質上、酸価を5KOH mg/g以下にする必要があり、5
KOH mg/gを超える場合は、樹脂そのものの負の荷電性
が強くなり、単独で正の荷電性を持ったトナーへの使用
が困難となる。また、水酸基価が60KOH mg/gを超える
場合は必然的に低分子量となり、耐オフセット性、耐ブ
ロッキング性等に支障をきたすようになる。
【0030】次にトナーの重要な要求特性である熱特性
を満たすためには、それに用いられる樹脂は、少なくと
も1種の3価以上の多官能モノマーを用いて架橋構造と
し、高化式フローテスター軟化点が90〜150℃、流
出開始温度と軟化点との温度差が15〜50℃であるこ
とが好ましい(ここで用いた高化式フローテスターと
は、樹脂等の溶融挙動が各温度で簡単に再現性良く測定
でき、トナー用バインダー樹脂の評価には非常に有効な
装置である)。3価以上の多官能モノマー、即ち、架橋
剤を用いなければ、耐オフセット性に支障をきたす。ま
た、軟化点が90℃未満では耐オフセット性、耐ブロッ
キング性に、また150℃を超えると低温定着性に支障
をきたす。また、同様に流出開始温度と軟化点との温度
差が15℃未満では耐オフセット性、耐ブロッキング性
に、また50℃を超えると低温定着性に支障をきたす。
【0031】本発明におけるポリエステル樹脂は通常の
方法にて合成することができる。具体的には反応温度1
70〜250℃、反応圧力5mmHg〜常圧にて反応を行い
(最適温度、圧力はモノマーの反応性等で決める)、所
定の物性になった時点で反応を終了すればよい。
【0032】次に、本発明におけるトナーの調製に用い
られる各種の添加剤について説明する。荷電制御剤につ
いては特に制限はなく、負帯電性トナーとしては、従来
電子写真用に用いられることが知られている全ての負帯
電性の荷電制御剤から1種又は2種類以上が用いられ
る。例示すれば、含金属アゾ染料、例えば「バリファー
ストブラック3804」、「ボントロンS−31」、
「ボントロンS−32」、「ボントロンS−34」、
「ボントロンS−36」(以上、オリエント化学社
製)、「アイゼンスピロンブラックTVH」(保土ヶ谷
化学社製)等、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のア
ルキル誘導体の金属錯体、例えば「ボントロンE−8
5」(オリエント化学社製)、四級アンモニウム塩、例
えばCopy Charge NX VP434(ヘキ
スト社製)等を挙げることができる。
【0033】また、正帯電性トナーとしては、従来電子
写真用に用いられる事が知られている全ての正帯電性の
荷電制御剤から、1種又は2種類以上が用いられる。具
体例としては、イミダゾール誘導体、例えば「PLZ−
2001」、「PLZ−8001」(以上、四国化成
(株)社製)、トリフェニルメタン誘導体、例えばCO
PY BLUE PR(ヘキスト社製)、四級アンモニ
ウム塩化合物、例えば「ボントロンP−51」(オリエ
ント化学社製)、Copy Charge PXVP4
35(ヘキスト社製)、セチルトリメチルアンモニウム
ブロミド等、ポリアミン樹脂、例えば、「AFP−B」
(オリエント化学社製)等を挙げることができる。ま
た、正帯電性トナーを得る他の方法としては、前記のア
ミノ基を含有する共重合性モノマーを共重合してなるス
チレン−アクリル系樹脂を他の結着樹脂と混合して用い
ることができる。また、必要ならばこの系に前記の正帯
電性の荷電制御剤を1種又は2種類以上の使用をしても
良い。
【0034】また、主荷電制御剤と逆極性の荷電制御剤
との併用も可能であり、逆帯電性の荷電制御剤の使用量
を主帯電性の荷電制御剤の使用量の1/2以下とすれば
5万枚以上連続して現像を行っても、濃度の低下もな
く、良好な可視画像を得ることができる。以上の荷電制
御剤は結着樹脂に対して、0.1〜8.0重量%、好ま
しくは0.2〜5.0重量%含有される。
【0035】着色剤は有彩色の染料またはカーボンブラ
ック、カーボンブラックの表面を樹脂で被覆しているグ
ラフト化カーボンブラックのような顔料が用いられる
が、公知のものがすべて使用可能であり、特に限定され
るものではない。
【0036】例えば、イエローにはC.I.ソルベント
イエロー21、C.I.ソルベントイエロー114、
C.I.ソルベントイエロー77、C.I.ピグメント
イエロー12、C.I.ピグメントイエロー14、C.
I.ディスパースイエロー164等が挙げられる。マジ
ェンタにはC.I.ソルベントレッド49、C.I.ソ
ルベントレッド128、C.I.ピグメントレッド1
3、C.I.ピグメントレッド48・2、C.I.ディ
スパースレッド11等が挙げられる。シアンにはC.
I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー
94、C.I.ピグメントブルー15・3等を挙げるこ
とができる。
【0037】本発明におけるトナーには、必要に応じ
て、流動性向上剤、クリーニング性向上剤などを用いる
ことができる。流動性向上剤としては、例えばシリカ、
アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マ
グネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチ
ウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケ
イソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸
化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、
硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケ
イ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。特にシリ
カの微粉末が好ましい。
【0038】なお、シリカの微粉末は、Si−O−Si
結合を有する微粉末であり、乾式法及び湿式法で製造さ
れたもののいずれであってもよい。また、無水二酸化ケ
イ素のほか、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、
ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛など
いずれであってもよいが、SiO2 を85重量%以上含
むものが好ましい。また、シラン系カップリング剤、チ
タン系カップリング剤、シリコンオイル、側鎖にアミン
を有するシリコンオイルなどにより表面処理されたシリ
カの微粉末などを用いることができる。
【0039】クリーニング性向上剤としては、ステアリ
ン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高
分子量体の微粒子粉末およびシリコーン樹脂微粒子など
がある。
【0040】また、本発明におけるトナーには必要に応
じて、ヒートローラー定着における耐オフセット性を改
善する目的で、離型剤を用いることができる。例えばポ
リオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、部分ケ
ン化脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール、パ
ラフィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコール
エステル、シリコンワニス、脂肪族フロロカーボン、シ
リコンオイル等のオフセット防止剤を任意の一種以上含
有せしめても良い。
【0041】前記ポリオレフィンとしては、例えばポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の樹脂であっ
て、軟化点が80〜160℃のものである。前記脂肪酸
金属塩としては、例えばマレイン酸と亜鉛、マグネシウ
ム、カルシウム等との金属塩;ステアリン酸と亜鉛、カ
ドミウム、バリウム、鉛、鉄、ニッケル、コバルト、
銅、アルミニウム、マグネシウム等との金属塩;二塩基
性ステアリン酸鉛;オレイン酸と亜鉛、マグネシウム、
鉄、コバルト、銅、鉛、カルシウム等との金属塩;パル
ミチン酸とアルミニウム、カルシウム等との金属塩:カ
プリル酸塩;カプロン酸鉛:リノール酸と亜鉛、コバル
ト等との金属塩;リシノール酸カルシウム;リシノレイ
ン酸と亜鉛、カドミウム等との金属塩及びこれらの混合
物等が挙げられる。前記脂肪酸エステルとしては、例え
ばマレイン酸エチルエステル、マレイン酸ブチルエステ
ル、ステアリン酸メチルエステル、ステアリン酸ブチル
エステル、パルミチン酸セチルエステル、モンタン酸エ
チレングリコールエステル等が挙げられる。前記部分ケ
ン化脂肪酸エステルとしては、例えばモンタン酸エステ
ルのカルシウム部分ケン化物等が挙げられる。前記高級
脂肪酸としては、例えばドデカン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、
リノール酸、リシノール酸、アラキン酸、ベヘン酸、リ
グノセリン酸、セラコレイン酸等及びこれらの混合物を
挙げることができる。前記高級アルコールとしては、例
えばドデシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリス
チルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルア
ルコール、アラキンアルコール、ベヘニルアルコール等
を挙げることができる。前記パラフィンワックスとして
は、例えば天然パラフィン、マイクロワックス、合成パ
ラフィン、塩素化炭化水素等が挙げられる。前記アミド
系ワックスとしては、例えばステアリン酸アミド、オレ
イン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリル酸アミ
ド、ベヘニン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、
エチレンビスステアロアミド等が挙げられる。前記多価
アルコールエステルとしては、例えばグリセリンステア
レート、グリセリンリシノレート、グリセリンモノベヘ
ネート、ソルビタンモノステアレート、プロピレングリ
コールモノステアレート、ソルビタントリオレート等が
挙げられる。前記シリコンワニスとしては、例えばメチ
ルシリコンワニス、フェニルシリコンワニス等が挙げら
れる。前記脂肪族フロロカーボンとしては、例えば四フ
ッ化エチレン、六フッ化プロピレンの低重合化合物ある
いは特開昭53−124428号公報記載の含フッ素界
面活性剤等が挙げられる。
【0042】本発明におけるトナーには、これらの他に
さらに種々の添加剤を用いることができる。例えば、現
像性を調整するための添加剤、例えばメタクリル酸メチ
ルエステルの重合物の微粒子粉末などを用いてもよい。
更に調色、抵抗調整などのために少量のカーボンブラッ
クを用いてもよい。カーボンブラックとしては従来公知
のもの、例えばファーネスブラック、チャネルブラッ
ク、アセチレンブラックなどの種々のものを用いること
ができる。
【0043】本発明の現像剤は、現像剤用キャリアーの
表面に、粒子径の細かい無機微粒子を意図的に物理的付
着力もしくは静電的な付着力により、あらかじめ付着さ
せる処理を行い、次いで前記のような樹脂を結着樹脂の
主成分とするトナーを加えてキャリアーに静電的に付着
させることにより得られるものであり、ロングラン使用
初期に一般に発生するキャリアー表面へのトナーの表面
処理剤の移行や、微粉トナーの付着の影響を低減させる
事ができる。ここで言う物理的付着力とはファンデルワ
ールス力や鏡像力を意味している。
【0044】これに対し、キャリアーの表面に本発明に
おけるような処理を予め施さない場合は、トナーと混合
して現像剤を製造した直後においては、キャリアー表面
にはトナー粒子以外に付着しているものが少なく、現像
剤としては、高帯電性を保持している。しかし、一度プ
リンターや複写機の現像槽にセットされ、現像が開始さ
れると機械的な攪拌やそれらの摩擦によって発生する熱
の為に、トナー表面に施された表面処理剤や微小トナー
が、キャリアーの表面又は細孔中に付着又は融着を始
め、これによりキャリアーの帯電付与有効面積が急激に
減少し、大きな帯電変動を伴ってしまう。即ち、例えば
仮にトナーの帯電極性が正極性であり、キャリアー又は
キャリアー表面のコート材の帯電極性が負極性であると
すると、トナーの粉砕時にその界面に存在していた正帯
電性の荷電制御剤等が、耐刷時に多数回にわたる負極性
キャリアー表面との接触によって静電的にキャリアー表
面に移行し、実質上、キャリアー表面の負極性を中和し
てしまう。このため、キャリアーのトナーに対する正帯
電付与能力が低下し、大きな帯電量の変動を伴ってしま
う。
【0045】本発明においては前記のように、キャリア
ー表面に無機微粒子が予め付着され、使用初期からキャ
リアーの帯電付与能力が適度に低減されているため、た
とえ耐刷初期に、キャリアー表面がトナーの表面処理剤
の移行やトナー微粒子の付着による汚染を受けても、帯
電量の変動を少なくする事ができ、その為現像剤の抵抗
をも安定にする事ができる。
【0046】また、本発明では前述のようなキャリアー
表面へのスペント、現像剤のブロッキングが生じ易い低
温定着性に優れるトナーを用いているにもかかわらず、
キャリアー表面に無機微粒子を静電的に比較的自由に付
着させる事によって、正確にはわからないが、それらの
微粒子があたかもキャリアー表面上で「ころ」のような
働きをしてトナー中の低分子量成分のスペントを防ぐと
共に、現像剤の流動性を向上させ、現像剤のブロッキン
グを長期に渡って防ぐ事が可能となる。このキャリアー
表面上の無機微粒子の「スペーサー」としての働きが、
低温定着でかつ10万枚以上のライフを有する現像剤を
可能とした。
【0047】本発明の製造方法により得られる現像剤
は、種々の現像方法に適用されうる。例えば、磁気ブラ
シ現像方法、カスケード現像方法、導電性磁性トナーを
用いる方法、高抵抗磁性トナーを用いる方法、ファーブ
ラシ現像方法、パウダークラウド法、インプレッション
現像方法などがある。
【0048】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。但し、本発明は以下の実施例により何ら限定さ
れるものではない。又、以下に示す組成割合の部数は、
特に明記しない限り重量部で表わすものとする。尚、本
発明に用いる結着樹脂及びトナーの製造例、並びに本発
明で特に好適なコートキャリアーの製造例も併せて以下
に示す。
【0049】樹脂製造例1 ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4 −ヒドロキシ
フェニル)プロパン 740g 、ポリオキシエチレン(2.2)-
2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン300g 、
テレフタル酸ジメチル 466g 、イソドデセニル無水コハ
ク酸80g 、1,2,4 −ベンゼントリカルボン酸トリn-ブチ
ル 114g を通常のエステル化触媒と共にガラス製2リッ
トルの4つ口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪
拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取りつけ、
電熱マントルヒーター中で窒素気流下、前半210 ℃常
圧、後半210 ℃減圧にて攪拌しつつ反応を進めた。得ら
れた樹脂は、酸価2.3KOHmg/g、水酸基価28.0KOHmg/g 、
高化式フローテスター軟化温度135.7 ℃、流出開始温度
102 ℃であった。当該樹脂を結着樹脂(1)とする。
【0050】樹脂製造例2 ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス (4-ヒドロキシフ
ェニル) プロパン1225g、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2
-ビス (4-ヒドロキシフェニル) プロパン 165g、テレフ
タル酸 500 g、イソドデセニル無水コハク酸 130 g、1,
2,4-ベンゼントリカルボン酸トリイソプロピル 170 gを
通常のエステル化触媒と共に樹脂製造例1と同様の装
置、同様の処方にて反応を進めた。得られた樹脂は、酸
価0.5KOHmg/g、水酸基価28.4KOHmg/g 、高化式フローテ
スター軟化温度127.4 ℃、流出開始温度81.4℃であっ
た。当該樹脂を結着樹脂(2)とする。
【0051】トナー製造例1 結着樹脂(1) 88部 カーボンブラック「リーガル400R」(キャボット社製) 8部 負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」 2部 (保土ヶ谷化学社製) ワックス「ビスコールNP−105」(三井石油化学工業社製) 2部 上記の原料をヘンシェルミキサーでよく混合した後、バ
レル冷却装置を備えた2軸押し出し機で混練し、冷却、
粗砕化した後、ジェットミルによって粉砕し、更に風力
分級機を用いて分級し、平均粒径11μmの微粉末を得
た。この微粉末1000gに対し、疎水性シリカ「AE
ROSIL R−972」(日本アエロジル株式会社
製)を3.0g加え、ヘンシェルミキサーを用いて混合
付着させ、負帯電性トナー1を得た。
【0052】トナー製造例2 結着樹脂(2) 88部 カーボンブラック「リーガル330R」 7部 正帯電性荷電制御剤「ボントロンN−07」 2部 (オリエント化学社製) 正帯電性荷電制御剤「TP−415」(保土ヶ谷化学社製) 1部 ワックス「Luwax ES9675」(BASF社製) 2部 上記原料をトナー製造例1と同様の方法で混練、粉砕、
分級し、11μmの微粉末を得た。この微粉末1000
gに対し、疎水性シリカ「HVK−2115」(Wac
ker Chemie社製)を3.0g加え、ヘンシェ
ルミキサーを用いて混合付着させ、正帯電性トナー2を
得た。
【0053】コートキャリアー製造例 パウダーテック社製のフェライトキャリアーF−100
(平均粒径100μm)1000部を流動床で流動化さ
せながら60℃に昇温・保持し、トルエンで5%に溶解
したシリコーンアクリル系樹脂(東芝シリコーン社製、
TSR−171)10部(樹脂分換算)をスプレーし、
更に20分間かけて乾燥した後、電気炉中で200℃、
30分間熱処理してコートキャリアーを得た。
【0054】実施例1 パウダーテック社製のモノメチルシリコンコートフェラ
イトキャリアーF96−100(平均粒径100μm)
960gに無機微粒子として疎水性シリカ「CAB−O
−SIL TS−530(平均粒径0.02μm)」
(キャボット社製)28.8mg(0.003重量部)
を2等分し、キャリアー層中にサンドイッチ状にはさみ
込まれるような状態で仕込み、V型ブレンダーV−10
(徳寿工作所製混合機)を用いて回転周速40m/分で
15分間混合しキャリアー表面上にこの無機微粒子を均
一に付着させた。次に、この予備調製キャリアーに負帯
電性トナー1を40g加え、15分間同条件で混合し、
現像剤1を得た。
【0055】実施例2 実施例1のキャリアーの表面処理に用いる無機微粒子を
アモルファス酸化チタン「チタニアIT−UD(平均粒
径0.02μm)」(出光興産株式会社製)に変更する
以外は実施例1と全く同じ方法で現像剤2を得た。
【0056】実施例3 実施例1のキャリアーの表面処理に用いる無機微粒子を
3モル%の酸化イットリウムを含有している酸化ジルコ
ニウム「NS−3Y(平均粒径0.02μm)」(日本
触媒社製)に変更する以外は実施例1と全く同じ方法で
現像剤3を得た。
【0057】実施例4 コートキャリアー製造例で得られたコートキャリアー9
60gに無機微粒子として疎水性シリカ「AEROSI
L R−972(平均粒径0.02μm)」(日本アエ
ロジル株式会社製)28.8mg(0.003重量部)
を2等分し、キャリアー層中にサンドイッチ状にはさみ
込まれるような状態で仕込み、Wコーンブレンダー(徳
寿工作所製混合機)を用いて回転周速30m/分で10
分間混合し、キャリアー表面上にこの無機微粒子を均一
に付着させた。次に、この予備調製キャリアーに正帯電
性トナー2を40g加え、10分間同条件で混合し、現
像剤4を得た。
【0058】実施例5 実施例4の無機微粒子をアモルファス酸化チタン「チタ
ニアIT−UD(平均粒径0.02μm)」(出光興産
株式会社製)に変更する以外は、実施例4と全く同じ方
法で現像剤5を得た。
【0059】実施例6 実施例4の無機微粒子を3モル%の酸化イットリウムを
含有している酸化ジルコニウム「NS−3Y(平均粒径
0.02μm)」(日本触媒社製)に変更する以外は、
実施例4と全く同じ方法で現像剤6を得た。
【0060】比較例1 パウダーテック社製のモノメチルシリコンコートフェラ
イトキャリアーF96−100(平均粒径100μm)
960gをV型ブレンダーV−10(徳寿工作所製混合
機)に仕込み、前記のような無機微粒子を用いた処理を
することなく、負帯電性トナー1を40g加え、回転周
速40m/分で15分間混合し、比較現像剤1を得た。
【0061】比較例2 コートキャリアー製造例で得られたコートキャリアー9
60gをWコーンブレンダー(徳寿工作所製混合機)に
仕込み、前記のような無機微粒子を用いた処理をするこ
となく、正帯電性トナー2を40g加え、回転周速30
m/分で10分間混合し、比較現像剤2を得た。
【0062】試験例1 (1)帯電量の評価 実施例1〜6並びに比較例1〜2で製造した現像剤につ
いて、現像剤1〜3、比較現像剤1については東芝株式
会社製複写機「BD−9240」の改造機を通常の標準
設定条件で使用し、現像剤4〜6、比較現像剤2につい
ては、シャープ株式会社製複写機「SF−8800」の
改造機を通常の標準設定条件で使用し、通常環境(23
℃、50%RH)において帯電量の評価試験を行った。
帯電量の測定は、初期、並びに千枚、1万枚および10
万枚印刷後に現像剤をサンプリングし、各現像剤につい
て、以下のようにして行った。また比電荷の初期変動を
初期と千枚印刷後の比電荷の差として求めた。用いた装
置は、ブローオフ式帯電量測定装置であり、この装置は
ファラデーケージとコンデンサー、エレクトロメーター
を備えた比電荷測定装置である。測定方法は、325メ
ッシュ(キャリアー粒子の通過しない大きさに適宜変更
可能)のステンレスメッシュを備えた真ちゅう製の測定
セルに、調製した現像剤をW(g)(約3.0g)入れ
た。次に吸引口から、流量計が3リットル/minを示
す圧力で90秒間吸引を行ない、トナーのみをセル中か
ら除去した。この吸引開始から90秒後の電位計の電圧
をV(volt)とした。ここでコンデンサーの電気容
量をC(μF)とするとこのトナーの比電荷Q/mは下
式の如く求められる。 Q/m(μc/g)=C×V/m ここで、mはW(g)中の現像中に含まれるトナーの重
量であるが、現像剤中のトナーの重量をT(g)、現像
剤の重量をD(g)とした場合、試料のトナー濃度はT
/D×100(%)と表され、mは下式の如く求められ
る。 m(g)=W×T/D その結果を併せて表1に示す。
【0063】(2)画像の評価 上記の帯電量の評価試験と同じ評価機器を用いて、通常
の標準設定条件で通常環境(23℃、50%RH)にお
いて耐刷試験を行った。評価は画像濃度、地汚れについ
て以下の方法で行った。画像濃度の評価に関しては、上
記の各装置を使用して10万枚印刷中において、マクベ
ス反射濃度計RD−914を使用して画像濃度を測定す
ることにより行った。地汚れの評価に関しては、初期、
1000枚、10万枚印刷後において、測色色差計Z−
1001DP(日本電色工業社製)を使用して未使用の
紙の表面の白色度および現像後の非画像部の白色度を測
定し、その値の差を地汚れの相対比較値として求めた。
これらの結果を表1に示す。
【0064】(3)ブロッキングの評価 現像剤のブロッキングの評価に関しては、上記の画像評
価において10万枚印刷後の現像剤を現像槽より抜き出
し、それを白色のプレートに拡げて目視及び手で実際に
触れて比較することにより行った。その結果を併せて表
1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】表1の結果が示すように、実施例1〜6で
製造した現像剤1〜6は初期から10万枚印刷後まで安
定した比電荷を示し、画像濃度は良好で、地汚れも少な
く、ブロッキングもみられなかった。これに対し比較例
1〜2で製造した比較現像剤1,2は比電荷の大幅な初
期変動がみられ、初期の画像濃度が低下し、1000枚
及び10万枚印刷後に地汚れが発生し、ブロッキングも
生じた。
【0067】
【発明の効果】本発明の現像剤の製造方法によると、従
来法とは異なり、現像剤の生産性を損なう事なく得られ
た現像剤は比電荷の変動が改良され、現像剤ライフ全般
に渡って、初期使用時から帯電量を安定に維持できる。
また本発明の現像剤は低温定着性に優れるトナーを用い
ているにもかかわらず、表面処理の効果により流動性も
改善されるため、ブロッキングも生じることなく、長期
に渡って高画質を維持することができる。更に、本発明
によると特に地汚れの低減が達成できる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリアーと無機微粒子を混合すること
    によりキャリアー表面に無機微粒子を付着させた後、該
    キャリアー表面にトナーを静電的に混合付着させる現像
    剤の製造方法であって、該トナーの結着樹脂の主成分
    が、3価以上の多官能化合物の少なくとも1種を構成単
    位として有する、酸価5KOH mg/g以下、水酸基価60KO
    H mg/g以下のポリエステル樹脂であることを特徴とす
    る現像剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリエステル樹脂が、ビスフェノールA
    アルキレンオキサイド付加物であるジオール成分と、一
    般式(1)で示される化合物とを必須の構成単位とする
    ものである請求項1記載の製造方法。 【化1】 (式中、nは3又は4であり、Rは炭素数1〜18のア
    ルキル基、アルケニル基又はアリール基である。)
  3. 【請求項3】 一般式(1)で表される化合物の配合割
    合が酸成分の構成単位中2〜50モル%である請求項2
    記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリエステル樹脂の高化式フローテスタ
    ーによる軟化温度が、90〜150℃、流出開始温度と
    軟化温度との温度差が、15〜50℃である請求項1記
    載の製造方法。
  5. 【請求項5】 キャリアーの平均粒径が55〜160μ
    mである請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 キャリアー表面に無機微粒子を付着させ
    てなるキャリアーとトナーからなる現像剤において、該
    トナーの結着樹脂の主成分が、3価以上の多官能化合物
    の少なくとも1種を構成単位として有する、酸価5KOH
    mg/g以下、水酸基価60KOH mg/g以下のポリエステル
    樹脂であって、該トナーをキャリアー100重量部に対
    して1〜15重量部含有することを特徴とする現像剤。
  7. 【請求項7】 ポリエステル樹脂が、ビスフェノールA
    アルキレンオキサイド付加物であるジオール成分と、一
    般式(1)で示される化合物とを必須の構成単位とする
    ものである請求項6記載の現像剤。 【化2】 (式中、nは3又は4であり、Rは炭素数1〜18のア
    ルキル基、アルケニル基又はアリール基である。)
  8. 【請求項8】 一般式(1)で表される化合物の配合割
    合が酸成分の構成単位中2〜50モル%である請求項7
    記載の現像剤。
  9. 【請求項9】 ポリエステル樹脂の高化式フローテスタ
    ーによる軟化温度が、90〜150℃、流出開始温度と
    軟化温度との温度差が、15〜50℃である請求項6記
    載の現像剤。
  10. 【請求項10】 キャリアーの平均粒径が55〜160
    μmである請求項6〜9いずれか記載の現像剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007156168A (ja) * 2005-12-06 2007-06-21 Kao Corp イエロートナー

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