JPH06276751A - 電力変換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】交流または直流電力を定電圧制御して出力する
電力変換装置を使用した電源システムにおいて、出力電
流変動により、電力変換装置の出力端から負荷入力端ま
での接続線の電圧降下が発生しても、負荷入力端電圧変
動を抑制すること。 【構成】電力変換装置１００の出力端電圧検出器６の他
に負荷入力端電圧検出器１０を設け、出力端電圧検出器
６の出力信号と負荷入力端電圧検出器１０の出力信号と
の差を演算器１１により演算する電圧降下検出器９を設
け、負荷との接続線３の電圧降下を検出し、電圧降下検
出器９の出力信号を出力電圧補正信号として出力電圧制
御回路５に加え、電力変換装置１００を定電圧制御する
ことにより、負荷４の入力端電圧の変動を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、交流または直流電力を
定電圧制御して出力する電力変換装置に係り、電力変換
装置の出力端から負荷入力端までの接続線による電圧降
下を補正する電圧制御に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の交流または直流電力を定電圧出力
する電力変換装置は、「定電圧装置設計ハンドブック，
日刊工業新聞社刊，昭和４２年３月２５日初版発行，５
ページ１.１.２ 安定化電源の構成」に記載のように、
電力変換装置の出力端電圧を検出し、この検出された電
圧信号に帰還して定電圧制御している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、定
電圧制御のための出力電圧の検出点は、電力変換装置の
出力端の１点のみであるため、電力変換装置の出力端か
ら負荷入力端までの接続線による電圧降下が発生する
と、負荷入力端で所定の電圧が得られなくなる。そこ
で、負荷が接続された状態で負荷入力端電圧が最適値に
なるように電力変換装置の出力電圧は負荷との接続線に
よる電圧降下を見込んだ電圧になるように電圧設定器を
電圧降下分だけ高く設定していたが、出力電流が小さい
とき接続線による電圧降下が小さいため、負荷入力端電
圧が高くなり、また、出力電流が変動すると負荷入力端
電圧も同様に変動するという課題があった。

【０００４】また、出力電流による負荷入力端電圧変動
を最小限に抑えるためには、接続線の電圧降下を小さく
すれば可能であるが、負荷との接続線に必要以上に太い
電線を使用しなければならず、コスト面，構造面での損
失が極めて大きいと言う課題があった。

【０００５】本発明の目的は、出力電流が変動したとき
でも、経済的な方法で、負荷入力端に安定した所定の電
圧が得られるように電力変換装置の出力を定電圧制御す
ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
には、負荷入力端電圧を検出する電圧検出器を設け、こ
の電圧検出器の出力信号と電力変換装置の出力電圧を検
出した電圧検出器の出力信号との差を演算器により演算
する電圧降下検出器を設け、電力変換装置の出力端から
負荷入力端までの接続線による電圧降下を検出し、電圧
降下検出器の出力信号を出力電圧補正信号として出力電
圧制御回路に加えることにより達成される。

【０００７】また、負荷入力端電圧の検出信号と電力変
換装置の出力電圧の検出信号を切替える切替スイッチを
設け、負荷機器接続時、切替スイッチを負荷入力端電圧
検出信号側に切替え、切替スイッチの出力信号を電圧検
出器に供給し、この電圧検出器の出力信号を出力電圧補
正信号として出力電圧制御回路に加えることにより達成
される。

【０００８】さらに、出力電流を検出する電流検出器，
接続線の電圧降下を演算する演算器を設け、電力変換装
置の出力端から負荷入力端までの接続線による電圧降下
を演算器により演算し、演算器の出力信号を出力電圧補
正信号として出力電圧制御回路に加えることにより達成
される。

【０００９】

【作用】上記手段により、電力変換装置の出力電圧と電
力変換装置の出力端から負荷入力端までの接続線の電圧
降下を加算して得られる負荷入力端電圧が電力変換装置
の定電圧制御に必要な出力電圧信号として出力電圧制御
回路に帰還され、電力変換装置は定電圧制御されるた
め、出力電流が変動した時、負荷との接続線による電圧
降下が発生しても、負荷入力端で安定した所定の電圧が
得られる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を説明する。

【００１１】図５に、従来の定電圧制御機能を有する電
力変換装置（この実施例では以下インバータ装置と略
す）１００と負荷４からなる電源システムの構成図を示
す。

【００１２】直流電源１を入力電源として動作するイン
バータ装置１００とインバータ装置１００から出力電源
が供給される負荷４及びインバータ装置１００と負荷４
を接続する接続線３から構成される。

【００１３】又、インバータ装置１００の内部構成は直
流を交流に変換するインバータ２，インバータ２の出力
電圧を一定に制御する出力電圧制御回路５，出力電圧制
御回路５に指令値を出す電圧設定器８，インバータ２の
出力電圧を検出する電圧検出器６、及び電圧設定器８の
出力と電圧検出器６の出力を演算する演算器７から構成
されており、演算器７の出力を出力電圧制御回路５に供
給する。

【００１４】この演算器７の信号と出力電圧制御回路５
によりインバータの出力電圧は、常に一定に制御されて
いる。

【００１５】しかし、負荷電流が流れることによりイン
バータ装置１００から負荷４までの接続線３のインピー
ダンスにより電圧降下が発生するとインバータ装置１０
０の出力電圧は一定に制御されているが、電圧降下によ
り負荷入力端電圧が低下してしまう問題がある。

【００１６】さらに、電圧降下は負荷電流により定まる
ため、負荷電流の変動により負荷入力端電圧が変動して
しまう問題がある。

【００１７】本発明は、この問題点を解決するために電
圧降下を補正する出力電圧制御方法に着眼し図１に示す
ように電圧降下検出器９を設けた。電圧降下検出器９は
負荷入力端電圧を検出する電圧検出器１０及び、電圧検
出器６と電圧検出器１０の出力を演算する演算器１１で
構成されており、演算器１１により電圧検出器６と電圧
検出器１０の出力の差の演算を行うことで負荷４までの
接続線３による電圧降下を検出し、この信号を出力電圧
補正信号として出力電圧制御回路に加えることにより定
電圧制御を行うものである。

【００１８】負荷電流が零のときは、接続線３による電
圧降下も零であるため電圧検出器６と電圧検出器１０の
入力電圧は同じであり出力の差も零となり電圧検出器６
の出力によりインバータ２の出力は所定の電圧に定電圧
制御される。

【００１９】次に、負荷電流が流れインバータ２から負
荷までの接続線３に電圧降下が生じると電圧検出器６の
入力電圧より電圧検出器１０の入力電圧が低くなり、そ
れぞれの電圧検出器６，１０の出力に差が生じる。この
差が接続線３による電圧降下であり、この信号を演算器
７により電圧設定器８の出力及び電圧検出器６の出力と
共に演算を行い、出力電圧制御回路５に電圧指令値を送
りインバータ２の出力電圧を高くする様に制御を行うこ
とで負荷入力端電圧を一定に制御出来る。

【００２０】又、他の実施例を図２，図３，図４により
説明する。

【００２１】図２は、電圧検出器６の入力を負荷入力端
電圧と、インバータ２の出力電圧に切替える切替スイッ
チ１２を設けたもので他の回路構成とその動作は図１と
同じである。負荷接続時は切替スイッチ１２を負荷入力
端電圧側とし電圧検出器６と電圧設定器８の出力を演算
し出力電圧制御回路５に電圧指令値を送り、この信号に
よりインバータ２の出力電圧を制御することにより、負
荷入力端電圧を一定電圧に制御できる。

【００２２】図３は、前記図２の回路に負荷電流を検出
する電流検出器１３と切替スイッチを駆動する駆動回路
１４を設けたもので他の回路構成とその動作は図２と同
じである。負荷電流が大きくなり接続線３の電圧降下で
負荷４の入力電圧が許容値以下になったとき、自動的に
切替スイッチ１２を負荷入力端電圧側に切替える。

【００２３】これにより前記図２と同様に負荷入力端電
圧を一定電圧に制御できる。

【００２４】さらに、図４は、電流検出器１３と負荷電
流値から接続線３の電圧降下を演算する演算器１５を設
けたもので他の回路構成とその動作は図１と同じであ
る。

【００２５】この演算器１５の出力信号を演算器７によ
り電圧検出器６及び、電圧設定器８の出力と共に演算を
行い出力電圧制御回路５に電圧指令値を送りインバータ
２の出力電圧を制御することにより負荷入力端電圧を一
定電圧に制御できる。

【００２６】

【発明の効果】本発明によれば、出力電流の変動に伴い
電力変換装置の出力端から負荷入力端までの接続線によ
る電圧降下が発生しても、出力電圧は補正制御され負荷
入力端電圧は安定した所定の電圧が得られる。

【００２７】さらに、負荷との接続線の電圧降下を補正
されるから、接続線には必要以上に太い電線を使用する
必要も無くなり、経済的な電線の選定が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】電圧降下検出器９をインバータ装置に適用した
場合の実施例を示す図である。

【図２】切替スイッチ１２をインバータ装置に適用した
場合の実施例を示す図である。

【図３】切替スイッチ１２と電流検出器１３及び駆動回
路１４をインバータ装置に適用した場合の実施例を示す
図である。

【図４】電流検出器１３と演算器１５をインバータ装置
に適用した場合の実施例を示す図である。

【図５】従来の定電圧機能を有するインバータ装置を示
す図である。

【符号の説明】

１…直流電源、２…インバータ、３…接続線、４…負
荷、５…出力電圧制御回路、６…電圧検出器、７…演算
器、８…電圧設定器、９…電圧降下検出器、１０…電圧
検出器、１１…演算器、１２…切替スイッチ、１３…出
力電流検出器、１４…駆動回路、１５…演算器。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】交流または直流電源を入力し、出力電圧を
   検出する電圧検出器，出力電圧を設定する電圧設定器，
   出力電圧を定電圧制御する出力電圧制御回路を備えた、
   交流または直流電力を出力する電力変換装置と接続線に
   より接続された負荷機器とからなる電源システムにおい
   て、電力変換装置の出力端から負荷入力端までの接続線
   による電圧降下を検出する電圧降下検出器を設け、前記
   電圧降下検出器の出力信号を出力電圧補正信号として出
   力電圧制御回路に供給し、負荷入力端電圧を定電圧制御
   することを特徴とした電力変換装置。
2. 【請求項２】請求項１の電源システムにおいて、負荷入
   力端電圧の検出信号と電力変換装置の出力電圧の検出信
   号を切替える切替スイッチを設け、負荷機器接続時、切
   替スイッチを負荷入力端電圧検出信号側に切替え、切替
   スイッチの出力信号を前記電圧検出器に供給し、前記電
   圧検出器の出力信号を出力電圧補正信号として前記出力
   電圧制御回路に供給し、負荷入力端電圧を定電圧制御す
   ることを特徴とした電力変換装置。
3. 【請求項３】請求項１の電源システムにおいて、負荷入
   力端電圧の検出信号と電力変換装置の出力電圧の検出信
   号を切替える切替スイッチ，出力電流を検出する電流検
   出器，電流検出器の出力信号により切替スイッチを駆動
   する駆動回路を設け、出力電流が流れた時、駆動回路に
   より切替スイッチを負荷入力端電圧検出信号側に切替
   え、切替スイッチの出力信号を前記電圧検出器に供給
   し、前記電圧検出器の出力信号を出力電圧補正信号とし
   て前記出力電圧制御回路に供給し、負荷入力端電圧を定
   電圧制御することを特徴とした電力変換装置。
4. 【請求項４】請求項１の電源システムにおいて、出力電
   流を検出する電流検出器，接続線の電圧降下を演算する
   演算器を設け、電力変換装置の出力端から負荷入力端ま
   での接続線による電圧降下を演算器により演算し、演算
   器の出力信号を出力電圧補正信号として前記出力電圧制
   御回路に供給し、負荷入力端電圧を定電圧制御すること
   を特徴とした電力変換装置。