JPH06275202A - 放電表示装置及びその放電表示装置の突起部材形成方法 - Google Patents

放電表示装置及びその放電表示装置の突起部材形成方法

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JPH06275202A
JPH06275202A JP5083797A JP8379793A JPH06275202A JP H06275202 A JPH06275202 A JP H06275202A JP 5083797 A JP5083797 A JP 5083797A JP 8379793 A JP8379793 A JP 8379793A JP H06275202 A JPH06275202 A JP H06275202A
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JP
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electrode
discharge
substrate
insulating layer
display device
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JP5083797A
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English (en)
Inventor
Takeshi Oi
健史 大井
Takashi Shimotsuma
隆 下妻
Hironobu Arimoto
浩延 有本
Tadashi Noro
正 野呂
Takayoshi Nagai
孝佳 永井
Takahito Nakanishi
隆仁 中西
Kazuhisa Henmi
和久 逸見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は視認性に優れた放電表示装置を得
るために、簡単な構造で高コントラストな補助放電が可
能であり、さらに所定のセルピッチで高輝度、高効率な
放電表示装置を得ることを目的とする。 【構成】 所定のセルピッチで放電路が長くなるよう
に、第1電極2と第2電極6のいずれか一方を所定の高
さまで立ち上げ、その立ち上がった部分を絶縁層で被覆
することによって突起部材15を設けている。第1電極
2と第2電極6の間の突起部材15のため、表示放電は
突起部材15を迂回し、結果的に放電路が長くなって陽
光柱を形成して発光体積が大きくなる。このことで輝度
が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、放電表示装置及びそ
の放電表示装置の突起部材形成方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】放電表示装置には、モノクロ表示のもの
とカラー表示のものがある。モノクロ表示の場合はNe
の放電による赤橙色発光を、カラー表示の場合は放電か
らの真空紫外光励起による蛍光体の発光をそれぞれ表示
に用いている。表示装置に要求される最も重要な条件は
視認性に優れていることである。視認性の向上には高輝
度化、高コントラスト化の2つのアプローチが考えられ
る。放電表示装置は放電のON,OFFにより表示を行
うが、その放電には実際の表示に用いる表示放電と、表
示放電を確実に行うための補助放電の2種類の放電が必
要である。高輝度化は主に表示放電に、高コントラスト
化は主に補助放電に依存する。
【0003】まず補助放電機構について述べる。放電表
示装置においては表示放電に際して放電開始遅れのばら
つきによる輝度むらや、放電のON,OFFの不確実性
による画面のちらつきを防止するため、通常表示放電に
先だって、表示放電空間内に荷電粒子や励起原子を供給
して放電の開始を容易にする、いわゆるプライミング効
果を得るために補助放電を行う。補助放電は放電表示装
置の高コントラストを確保するため、その発光は表示放
電の発光に比べ、極力微弱であることが要求される。以
下の従来例はそのような補助放電の方法として提案され
たものである。
【0004】図33(a)は、特公平3−50378号
公報に開示された従来の放電表示装置の斜視図で、図に
おいて1は第1基板であり、その第1基板1上に第1電
極(陽極)2が形成されている。第1基板1に対向する
第2基板3上には、第3電極4、絶縁層5、第2電極
(陰極)6が形成されている。第1電極2と第2電極6
は互いに直交するように配置されており、その交点が表
示ドットとなる。7は隔壁である。放電空間にはモノク
ロ表示の場合、Ne−Ar混合ガスが、カラー表示の場
合、He−XeまたはNe−Xe混合ガスが100−5
00Torrの圧力で封入されている。カラー表示の場
合、第1電極2上に蛍光体が塗布される。
【0005】次に動作について説明する。ある第1電極
2と第2電極6が選択されるとその交点において放電が
開始し、表示が行われる。補助放電は第3電極4によっ
て絶縁層5を介して行われる。図33(b)に代表的な
駆動波形、図33(c)に動作の模式図を示す。フェイ
ズ1において、第2電極6と第3電極4との間で補助放
電が起こる(図33(c)の上図)。この放電は絶縁層
5を介して行われるため、絶縁層5上に負電荷を蓄積し
て速やかに消滅する(図33(c)の下図)。このとき
放電空間には荷電粒子や励起原子が浮遊しており、補助
放電が行われなかったセルに比べ放電し易い状態になっ
ている。続いてフェイズ2において、第1電極2に表示
用の電圧が印加されると表示放電が開始する。この方式
の優れている点は、補助放電が瞬時に行われるために目
視されることがほとんどなく、非常に高いコントラスト
比が得られるという点にある。
【0006】次に表示放電について述べる。放電表示装
置において用いる放電はグロー放電と呼ばれる範疇に属
する。現在の放電表示装置の主流は、上記従来例の図3
3(a)に示されているような電極間隔が100−15
0μm程度のもので、セル内での発光領域は負グローの
みのいわゆる負グロー型セルを用いている。この電極間
隔を長くしていけば、発光領域として負グローの他に陽
光柱が現れてくる。
【0007】図34にグロー放電の模式図と典型的な電
極間での電位分布を示す。図において、2は第1電極
(陽極)、6は第2電極(陰極)、8,9がそれぞれ負
グローおよび陽光柱である。図が示すように、陽光柱9
における電位分布は、陰極面から負グロー8にかけての
電位分布に比べその勾配が小さい。これは電極間隔を長
くして陽光柱9を形成することにより放電の発光体積が
例えば2倍になったとしても、電極間での消費エネルギ
ーは2倍よりずっと小さいということを示している。こ
のことから陽光柱9を用いることにより、高輝度、高効
率化が可能と考えられる。そのような陽光柱型セルを用
いた放電表示装置がNHK技研月報、昭和61年7月号
に掲載されている。
【0008】図35にその陽光柱型セルの斜視図を示
す。図において、2は第1電極(陽極)であり、6が第
2電極(陰極)である。また10は細長い形状の放電ユ
ニットであり、その内面に蛍光体11が形成されてい
る。このような構成によって、陽光柱9を形成すること
ができ、高輝度は放電表示装置が実現できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の放電表示装置は
以上のように構成されているので、まず補助放電に関し
ては表示用の第1および第2電極2,6の他に補助放電
用の第3電極4を必要とするため、構造および駆動が複
雑になるなどの問題点があった。また表示放電に関して
は、陽光柱の形成方向が基板面に水平なため、セルピッ
チが大きくなるなどの問題点があった。
【0010】請求項1の発明は上記のような問題点を解
消するためになされたもので、放電を生ずる電極間の一
方の電極の一部を覆って設けられた絶縁層を介して補助
放電を行わせることにより簡単な構成で高コントラスト
を有する放電表示装置を得ることを目的とする。
【0011】請求項2の発明は、対向配設した電極間で
絶縁層を介して補助放電を行わせることにより簡単な構
成で放電が効率よく行われ、高コントラストを有する放
電表示装置を得ることを目的とする。
【0012】請求項3の発明は、放電を行わせる電極を
同一基板上に形成させることにより放電開始電圧や放電
維持電圧等の要因を決定する幾何学的寸法を精度よく決
めることで安定した動作を有する放電表示装置を得るこ
とを目的とする。
【0013】請求項4の発明は、隣合う電極間の絶縁層
を介して補助放電を行うことにより構成が簡素化されて
放電空間を有効に利用できて高コントラストを有する放
電表示装置を得ることを目的とする。
【0014】請求項5の発明は、電極間の放電より、絶
縁層を介しての放電の方が起こりやすいように配設する
ことにより効率よく補助放電から直ちに表示放電を行え
ることを目的とする。
【0015】請求項6の発明は、補助放電を行う電極間
隔をそれ以外より短くしたことにより確実な補助放電を
有する放電表示装置を得ることを目的とする。
【0016】請求項7の発明は、各セル間に格子状隔壁
を設けることにより誤って放電が生じるのを防止する放
電表示装置を得ることを目的とする。
【0017】請求項8の発明は、補助放電の生ずる電極
間にプライミングホールを設けることにより放電が容易
に移行できる放電表示装置を得ることを目的とする。
【0018】請求項9の発明は、放電を生ずる電極間に
放電路を長くする手段を設けることにより陽光柱を形成
して高輝度、高効率を有する放電表示装置を得ることを
目的とする。
【0019】請求項10の発明は、互いに平行に配設さ
れた電極間に突起部材を設けることにより所定のセルピ
ッチにおいて陽光柱を形成でき高輝度、高効率を有する
放電表示装置を得ることを目的とする。
【0020】請求項11の発明は、突起部を有する電極
を補助放電用電極として使用することによりさらに高輝
度、高効率で高コントラストな、すなわち良い視認性を
有する放電表示装置を得ることを目的とする。
【0021】請求項12の発明は、互いに交差する電極
間に突起部材15を配設することにより構成が簡素化さ
れ、かつ放電路を長くして所定の表示セルピッチにおい
て陽光柱が形成でき高輝度、高効率を有する放電表示装
置を得ることを目的とする。
【0022】請求項13の発明は、突起部を有する電極
を補助放電用電極として使用することによりさらに高輝
度、高効率で高コントラストな、すなわち良い視認性を
有する放電表示装置を得ることを目的とする。
【0023】請求項14の発明は、突起部の表面を絶縁
した電極を補助放電用の第3電極として用いることによ
り高輝度、高効率で高コントラストな、すなわち良い視
認性を有する放電表示装置を得ることを目的とする。
【0024】請求項15の発明は、セルを区画するため
のセル区画部材を配設することにより放電の拡りによる
誤放電やクロストークの防止をする放電表示装置を得る
ことを目的とする。
【0025】請求項16の発明は、電極を覆う絶縁層上
にMgO層を形成することにより絶縁層をイオン衝撃か
ら保護し、かつ補助放電の駆動電圧を低減する放電表示
装置を得ることを目的とする。
【0026】請求項17の発明は、補助放電発生領域に
黒色の絶縁体を配設することにより高コントラストを有
する放電表示装置を得ることを目的とする。
【0027】請求項18の発明は、突起部表面の絶縁層
被覆の形成に電気泳動法を用いることにより絶縁層の厚
みを均一にする放電表示装置の突起部材形成方法を提供
することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る放
電表示装置は、所定の電圧が印加される第1および第2
電極の一方の電極の一部を覆って絶縁層を設けたもので
ある。
【0029】請求項2の発明に係る放電表示装置は、第
1基板と第2基板とを対向配設し、第1電極を第1基板
に、第1電極と交差する方向に第2電極を第2基板に配
設して第2電極の一部を覆って絶縁層を設けたものであ
る。
【0030】請求項3の発明に係る放電表示装置は、第
1基板と第2基板とを対向配設し、第1電極と該第1電
極上の絶縁層を介して第1電極と交差する方向に第2電
極を配設して第2電極の一部を覆って絶縁層を設けたも
のである。
【0031】請求項4の発明に係る放電表示装置は、第
1基板と第2基板とを対向配設し、第1電極を第1基板
に、第1電極と平行する方向に第2電極を第2基板に配
設して第2電極の一部を覆って絶縁層を設けたものであ
る。
【0032】請求項5の発明に係る放電表示装置は、電
極間および絶縁層を電極間の放電より絶縁層を介しての
放電の方が起こりやすくなるように配設したものであ
る。
【0033】請求項6の発明に係る放電表示装置は、第
2電極の絶縁層で覆われた部分と第1電極の露出してい
る部分との間隔をそれ以外の間隔より短くしたものであ
る。
【0034】請求項7の発明に係る放電表示装置は、第
2電極とその一部を覆って設けられた絶縁層を分割する
ための格子状の隔壁を第2基板に設けたものである。
【0035】請求項8の発明に係る放電表示装置は、格
子状の隔壁に対向する基板内側にプライミングホールを
設けたものである。
【0036】請求項9の発明に係る放電表示装置は、所
定の電圧が印加される第1および第2電極間に放電路を
長くするための放電路拡張形成手段を設けたものであ
る。
【0037】請求項10の発明に係る放電表示装置は、
第1基板と第2基板とを対向配設し、選択用電極を第1
基板に、選択用電極と交差して互いに平行に第1電極と
第2電極を第2基板に配設して第1電極と第2電極間に
少なくとも表面が絶縁された突起部材を設けたものであ
る。
【0038】請求項11の発明に係る放電表示装置は、
第1基板と第2基板とを対向配設し、選択用電極を第1
基板に、選択用電極と交差して互いに平行に第1電極と
第2電極を第2基板に配設して表面が絶縁された突起部
材を第2電極の一部として構成したものである。
【0039】請求項12の発明に係る放電表示装置は、
第1基板と第2基板とを対向配設し、第1電極と第1電
極上に設けられた絶縁層を介して第1電極と交差して第
2電極とを第2基板に配設して第1および第2電極間に
絶縁層で覆った突起部材を設けたものである。
【0040】請求項13の発明に係る放電表示装置は、
第1基板と第2基板とを対向配設し、第1電極と第1電
極上に設けられた絶縁層を介して第1電極と交差して第
2電極とを第2基板に配設して表面が絶縁された突起部
材を第2電極の一部として構成したものである。
【0041】請求項14の発明に係る放電表示装置は、
突起部材を補助放電用の第3電極としたものである。
【0042】請求項15の発明に係る放電表示装置は、
突起部材間にセル区画部材を配設したものである。
【0043】請求項16の発明に係る放電表示装置は、
絶縁層上にMgO層を設けたものである。
【0044】請求項17の発明に係る放電表示装置は、
基板側内面の補助放電が生ずる領域に黒色の絶縁体を設
けたものである。
【0045】請求項18の発明に係る放電表示装置の突
起部材形成方法は、基板上に電極を形成するめ下地電極
をパターニングし、その上に所定の厚さを有するドライ
フィルムを載せて露光、エッチングを施して、エッチン
グされた部分に電鋳により金属を設けた後、ドライフィ
ルムを剥離して突起部材を形成してその表面に電気泳動
法により絶縁層を形成するものである。
【0046】
【作用】請求項1の発明における放電表示装置は、第1
電極および第2電極に所定の電圧が印加されると第2電
極上の絶縁層を介して補助放電が開始され、この放電は
絶縁層上に電荷を蓄積して瞬時に消滅することにより、
この補助放電開始後、放電領域は直ちに電極の露出部に
移行して表示放電が開始し、従って簡単な構成で高コン
トラストを得る。
【0047】請求項2の発明における放電表示装置は、
対向して配設された第1電極と第2電極間に所定の電圧
が印加されると第2電極上の絶縁層を介して補助放電が
開始され、補助放電は絶縁層を介して行われるため瞬時
に消滅することにより、放電領域は直ちに電極の露出部
に移行して表示放電が開始し、従って簡単な構造で放電
が効率よく行われ、高コントラストを得る。
【0048】請求項3の発明における放電表示装置は、
同一基板に第1電極と該第1電極上に第2電極を絶縁層
を介して積層し、両電極に所定の電圧が印加されると第
2電極上の絶縁層を介して補助放電が開始され、補助放
電は絶縁層を介して行われるため瞬時に消滅することに
より、放電領域は直ちに電極の露出部に移行して表示放
電が行われ、従って放電開始電圧等のパラメータを決め
る幾何学的寸法を精度よく決めることができる。
【0049】請求項4の発明における放電表示装置は、
隣合う第2電極間に所定の電圧が印加されると第2電極
上の絶縁層を介して補助放電が開始され、補助放電は絶
縁層を介して行われるため瞬時に消滅することにより、
放電領域は直ちに電極の露出部に移行して表示放電が行
われ、従って構成が簡素化されて放電空間を有効に利用
できて高コントラストが得られる。
【0050】請求項5の発明における放電表示装置は、
第2電極の一部が絶縁層で覆われており、さらに電圧が
印加されたときに電極の放電空間に露出した部分での放
電より、絶縁層を介しての放電の方が起こり易いように
配置することのより、電極間に電圧が印加されたときに
まず絶縁層を介して放電が起こり、この放電は絶縁層上
に電荷を蓄積して瞬時に消滅し、表示放電は補助放電に
引き続いて電極の露出部間で行われ、従って簡単な構造
で高コントラスト比の放電表示装置が可能となる。
【0051】請求項6の発明における放電表示装置は、
第2電極の端部を第2電極の絶縁層で覆われた部分と露
出している部分との間隔をそれ以外の間隔より短くなる
ように形成することにより補助放電が行われ、従ってよ
り確実に補助放電が行い得る。
【0052】請求項7の発明における放電表示装置は、
格子状隔壁に囲んでセルを設けることにより、セル内で
補助放電に続いて表示放電が行われ、従って誤って放電
の拡りによる誤放電を防ぐ。
【0053】請求項8の発明における放電表示装置は、
放電によって放電空間中に浮遊している励起原子等をプ
ライミングホールを介して隣接する電極に移行すること
により放電が行われ、従って放電が容易に移行できる。
【0054】請求項9の発明における放電表示装置は、
第1電極と第2電極の間に表面が絶縁された放電路拡張
形成手段を設けることにより、第1電極と第2電極との
間での放電は、放電路拡張形成手段のためそれを迂回し
て行われ、従って所定のセルピッチにおいて陽光柱が形
成でき、高輝度、高効率が得られる。
【0055】請求項10の発明における放電表示装置
は、第1基板上に選択用電極を配置し、第2基板上に互
いに平行な第1電極と第2電極とを上記選択用電極と交
差するように配置し、さらに第1電極と第2電極の間に
少なくとも表面が絶縁された突起部材を配置することに
より、選択用電極と第1電極または第2電極のいずれか
一方との間で選択用の放電が生じた後、第1電極と第2
電極間で表示放電が生じ、この放電は第1電極と第2電
極の間に配置された突起部材のため、突起部材を迂回
し、結果的に放電路が長くなって陽光柱が形成され、従
って所定のセルピッチにおいて陽光柱が形成でき、高輝
度、高効率を得る。
【0056】請求項11の発明における放電表示装置
は、第1電極と第2電極間に表面が絶縁された突起部材
を配設し、この突起部材を第2電極の一部として構成す
ることにより、この突起部材が補助用電極として用いら
れて第1電極との間で補助放電が行われ、従って補助放
電電極がある高さまで持ち上げられたので、高輝度、高
効率、高コントラストが得られる。
【0057】請求項12の発明における放電表示装置
は、第2電極を第2基板上の第1電極上に絶縁層を介し
て第1電極と交差する方向に配置し、さらに絶縁層で被
覆された所定の高さの金属からなる突起部材を上記第1
電極と第2電極との間に配置することにより、第1電極
と第2電極間で表示放電が生じると、この放電は第1電
極と第2電極の間に配置された突起部材のため、突起部
材を迂回し、結果的に放電路が長くなって陽光柱が形成
され、従って所定のセルピッチにおいて陽光柱が形成で
き、高輝度、高効率が得られる。
【0058】請求項13の発明における放電表示装置
は、第1電極と第2電極の間に配置された突起部材を第
2電極として、その一部を所定の高さまで立ち上げ、表
面を絶縁層によって被覆することにより構成し、さらに
この突起部材で補助放電を行い、第2電極が絶縁層で被
覆された部分で補助放電を行うことにより、上記絶縁層
で被覆された第3電極を用いた補助放電と同様に、補助
放電は絶縁層に電荷を蓄積して瞬時に消滅し、ほとんど
目視されることなく、従って高輝度、高効率で高コント
ラストな、すなわちよい視認性が得られる。
【0059】請求項14の発明における放電表示装置
は、第1電極と第2電極の間に配置された突起部材を絶
縁層によって表面が被覆された第3電極としたものであ
り、上記第3電極を補助放電に用い、この第3電極は絶
縁層で被覆することにより、第3電極を用いた補助放電
は絶縁層に電荷を蓄積して瞬時に消滅し、ほとんど目視
されることなく、従って高輝度、高効率で高コントラス
トな、すなわちよい視認性が得られる。
【0060】請求項15の発明における放電表示装置
は、第1,第2電極およびその間に設けられた突起部材
から構成される表示セルを土手部材で囲繞して設けるこ
とにより土手部材内で補助放電、表示放電が行われ、従
って放電の拡りによる誤放電やクロストークを防止でき
る。
【0061】請求項16の発明における放電表示装置
は、電極を覆う絶縁層上にMgO層を形成することによ
り補助放電を行い、イオン衝撃から絶縁層を保護し、か
つ補助放電の駆動電圧を低減するものである。
【0062】請求項17の発明における放電表示装置
は、補助放電の発光が観測者から見えないようにするこ
とにより、前面基板側内面の補助放電が発生する領域に
黒色の絶縁体を形成し、従ってより高コントラストを得
る。
【0063】請求項18の発明における放電表示装置の
突起部材形成方法は、第1電極と第2電極の間の突起部
材の製造に際して、突起部材表面の絶縁層の形成に電気
泳動法を用いることにより、金属の表面に厚みの均一な
絶縁層を持つ突起部材を形成できる。
【0064】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1(a),図1(b)および図2(a),図2
(b)は請求項1の発明の一実施例による放電表示装置
の動作を示す模式図であり、図1(a),図1(b)に
おいて、第1電極2と第2電極6とが互いに一定の間を
もって対向して配設されている。第2電極6上にはその
一部を露出して絶縁層5bが設けられている。また、第
1電極2上には絶縁層5aが設けられている。絶縁層5
a,5bは第1および第2電極2,6に設けられている
が、第2電極6のみにその一部を露出して設けてもよ
い。また、第1電極2上の一部を覆って絶縁層5aを設
けるようにしてもよい。
【0065】また、第1電極2および第2電極6上の絶
縁層5a,5bは、両電極の放電空間に露出している部
分の間隔が最も遠くなるように配設されている。一方、
第1電極2と第2電極6との間隔は、両電極間における
絶縁層5bを介しての放電開始電圧が最も小さくなるよ
うに配設されている。12は放電領域を示す(請求項
5)。
【0066】一方、図2(a),図2(b)において、
第1電極2と第2電極6とが同一基板に設けられてい
る。第2電極6上にその一部を露出して絶縁層5が設け
られている。
【0067】次に動作について説明する。第1電極2お
よび第2電極6に電圧が印加されると、絶縁層5b,5
を介して放電が開始する(図1(a),図2(a))。
この放電は、絶縁層5b,5上に電荷を蓄積することで
電界を弱めながら急速に消滅する。この放電空間には荷
電粒子や励起原子が浮遊しており、第1電極2と第2電
極6の露出部間に印加されている電圧が放電開始電圧よ
り小さい値であっても放電が生じる。このようにして第
1電極2と第2電極6の絶縁層との間で補助放電開始
後、放電領域12は電極の露出部に移行して表示放電が
開始する(図1(b),図2(b))。
【0068】この実施例1の構成によれば、第2電極6
の一部を絶縁層5,5bで覆い、第1電極2と第2電極
6の絶縁層5b,5を介して補助放電を行うため、第3
電極や補助セルなどの他の構造物を必要としない簡単な
構造で高コントラストが得られる。
【0069】実施例2.図3(a)は請求項2の発明の
一実施例による放電表示装置の要部を示す斜視図、図3
(b)はその断面図であり、図において、第1基板1上
に第1電極2が例えば0.2mmピッチの一定間隔で備
えられている。ここで、第1電極2は通常のNi等の金
属電極でもよいし、ITO透明電極でもよい。3は第2
基板で、第2基板3上に第2電極6が第1電極2と交差
する方向に例えば0.6mmピッチの一定間隔で備えら
れている。第2電極6は厚膜印刷または蒸着により形成
された金属電極である。5は絶縁層で厚膜印刷または蒸
着により5−10μm程度の厚みで第2電極の一部を露
出するように形成される。7は隔壁で50−200μm
の高さに厚膜印刷により形成される。カラー表示の場
合、絶縁層5a上に蛍光体11を塗布する。第1基板1
と第2基板3との間は真空封止材(ガラスフリット)に
より気密性が保たれており、その中にモノクロ表示の場
合Ne−Ar混合ガスが、カラー表示の場合He−Xe
またはNe−Xe混合ガスが100−500Torrの
圧力で封入されている。なお、蛍光体11は図4に示す
ように絶縁層5aを介さずに直接金属電極2上に設けて
もよい。さらに図5に示すように、第2基板3の絶縁層
5b上に蛍光体11を設けて、反射型にしてもよい。ま
た、第1電極と第2電極上の双方に蛍光体を設けて透過
型と反射型を組み合わせることも可能である。
【0070】また、第1電極2および第2電極6上の絶
縁層5は両電極の放電空間に露出している部分の間隔が
最も遠くなるように配置されており、ガス圧力pと露出
部間隔dの積がパッシェンの最小値(放電開始電圧の最
小値)より大きくなっている(図6)。一方、第1電極
2と第2電極6との間隔は、両電極間における絶縁層5
を介しての放電開始電圧が最も小さくなるように配置さ
れている。すなわち、両電極の電極露出部間での放電開
始電圧をVfe、絶縁層5を介しての放電開始電圧をV
fdとすると、Vfe>Vfdなる関係を満たす(請求
項5)。
【0071】次に動作について説明する。画面の表示は
第2電極6の1番目、2番目、・・・n番目と第2電極
6を線順次に走査し、走査に応じて第1電極2からデー
タを入力して表示セルを選択することにより行う。図7
は駆動電圧波形図である。図7において、V1は第1電
極電位、−V2は第2電極電位を表す。また、補助放電
によってプライミング効果が与えられていない状態での
電極露出部間での放電開始電圧をVfe、絶縁層5を介
しての放電開始電圧をVfdとすると、両者はVfe>
V1+V2>Vfdなる関係を満たす。また、電極露出
部間での放電維持電圧VsはV1+V2>Vs>V2な
る関係を満たす。
【0072】上記の図1(a),図1(b)の動作を示
す模式図において、まず第1電極2にV1、第2電極6
に−V2なる電圧が印加されると、VfeとVfdは上
記のような関係にあるため、絶縁層5bを介して第1基
板の第1電極2との間で放電が開始する(図1
(a))。この放電は絶縁層5b上に正電荷を蓄積する
ことで電界を弱めながら急速に消滅する。このとき放電
空間には荷電粒子や励起原子が浮遊しており、第1電極
2と第2電極6の露出部間に印加されている電圧が上記
放電開始電圧Vfeより小さいV1+V2であっても放
電が生じる。このようにして第1電極2と第2電極6の
絶縁層5b間で補助放電開始後、放電は直ちに第2電極
6の露出部に移行して、表示放電が開始する(図1
(b))。データがなければ、電極間電圧はV2であ
り、放電維持電圧Vsは上記の関係を満たすため、放電
は速やかに消滅する。このような放電表示装置は、ON
状態のセルの発光に比べ、OFF状態のセルの発光は極
めて弱い。
【0073】この実施例2の構成によれば、上下に対向
して配設した第1電極2と第2電極6を上下に対向して
配設し、第2電極6の一部を絶縁層で覆い、第1電極2
と第2電極6の絶縁層5を介して補助放電を行うため簡
単な構成で放電が効率よく行われ、高コントラストが得
られる。
【0074】実施例3.図8(a)は請求項3の発明の
一実施例による放電表示装置の要部を示す斜視図、図8
(b)はその断面図であり、図において、図3(a),
図3(b)に示した相当部分には同一符号を付し、その
説明を省略する。
【0075】該図において、第1基板1には絶縁層を介
さず蛍光体11が一定の間隔で複数設けられている。第
2基板3には、第1電極2と第2電極6とが互いに交差
する方向に配設されている。第2電極6は、第1電極2
上に設けられた絶縁層5を介して設置されている。ま
た、第2電極6上には絶縁層5がその電極6の一部を覆
って設けられている。隔壁7が第1電極2間に第2電極
6を横切って設けられている。
【0076】また、第2基板3の絶縁層5上に蛍光体1
1を設けて反射型にしてもよい。さらに、第1電極2上
と第2電極6上の双方に蛍光体11を設けて透過型と反
射型を組み合わせることも可能である。
【0077】次に動作について説明する。駆動電圧波形
は図7に示される。まず、第1電極2にV1、第2電極
6に−V2なる電圧が印加されると、電極露出部間での
放電開始電圧Vfeと絶縁層を介しての放電開始電圧V
fdとはVfe>V1+V2>Vfdの関係にあるた
め、絶縁層5を介して同一基板上に設けられている第1
電極2との間で放電が開始する(図2(a))。この放
電は、絶縁層5上に正電荷を蓄積することで電界を弱め
ながら急速に消滅する。このようにして、第1電極2と
第2電極6の絶縁層5間で補助放電開始後、放電は第2
電極6の露出部に移行して表示放電が開始する(図2
(b))。
【0078】なお、上記図7の駆動電圧波形に代えて、
図9(a),図9(b)のような駆動電圧波形にして駆
動することもできる。図9(a)の駆動電圧波形につい
て説明する。補助放電においては、第1電極2に−V
1、第2電極6に+V2なる電圧が印加され、電極露出
部間での放電開始電圧Vfeと、絶縁層5を介しての放
電開始電圧Vfdは上記実施例1と同様に、Vfe>V
1+V2>Vfdなる関係を満たすので、まず絶縁層5
を介して放電が生じ、絶縁層5上に負電荷を蓄積して放
電は速やかに消滅する。このとき放電空間内には荷電粒
子や励起原子が浮遊しており、放電し易い状態にある。
引き続き表示放電において、第1電極2が+V1、第2
電極6に−V2となるように電圧が印加されると、印加
電圧による電界と、蓄積した負電荷による電界とが重畳
して、非常に有効なプライミング効果が得られ、表示放
電が開始する。
【0079】次に図9(b)の駆動電圧波形について説
明する。ここではまず、1フレームのブランキング期間
中に、第1電極2に−V1、第2電極6にV2なる電圧
を印加して全セルに補助放電を起こし、第2電極6上の
絶縁層5上に負電荷を蓄積、保持する。しかる後に表示
セルが選択されて、第1電極2、第2電極6に表示用の
電圧V1,−V2が印加されると、絶縁層5上の負電荷
によるプライミング効果によって放電が開始する。
【0080】また、上記実施例において、補助放電で
は、第1電極2をカソード、第2電極6をアノードとし
て動作させ、表示放電では、第1電極2をアノード、第
2電極6をカソードとして動作させていたが、逆に補助
放電では、第1電極2をアノード、第2電極6をカソー
ドとして動作させ、表示放電では、第1電極2をカソー
ド、第2電極6をアノードとして動作させてもよい。こ
のときは絶縁層5上には正電荷が蓄積する。
【0081】この実施例3の構成によれば、第2基板3
上に第1電極2と第2電極6とを互いに交差する方向に
配設して、第2電極6の一部を絶縁層5で覆うため放電
開始電圧や放電維持電圧等の重要なパラメータを決定す
る幾何学的寸法が精度よく決めることができるため安定
した動作が可能となる。
【0082】実施例4.図10は請求項4の発明の一実
施例による放電表示装置の要部を示す斜視図であり、図
において、図3(a)に示した相当部分には同一符号を
付し、その説明を省略する。
【0083】該図において、第1基板1には一定間隔で
複数の第1電極2が配設されている。第1電極2上に蛍
光体11が設けられている。第2基板3には第1電極2
と平行に、一定間隔で複数の第2電極6が配設されてい
る。絶縁層5は、相隣り合う第2電極6間で該電極6に
またがってそれぞれの一部を覆って設けられている。
【0084】次に動作について説明する。図11は駆動
電圧波形図である。図11において、V1Hはデータが
あるときの第1電極電位、V1Lはデータがないときの
第1電極電位を表す。±V2は第2電極電位を表す。表
示放電は第1電極2と第2電極6との間の電位差がV2
+V1Hのときに生じ、V2+V1Lのときには生じな
い。補助放電は隣合う第2電極6間の電位差が2V2の
ときに生じ、また補助放電に際して表示放電が生じない
ようにV1L>V2なる関係を満たす。
【0085】図12は動作の模式図を示す。図12にお
いて、まず第2電極6aに+V2、第2電極6bに−V
2なる電圧が印加され、補助放電が開始する。この放電
は絶縁層5を介しての放電であるため、第2電極6a側
の絶縁層5上に負電荷、第2電極6b側の絶縁層5上に
正電荷を蓄積して速やかに消滅する(図12(a))。
【0086】このとき放電空間中には励起原子等が浮遊
しており、放電が容易な状態にある。従って、引き続き
第2電極6aに−V2、第1電極2にV1Hなる電圧が
印加されると、印加された電圧による電界と、絶縁層5
上に蓄積された負電荷による電界とが重畳して表示放電
が開始する(図12(b))。
【0087】次に第2電極6aに−V2、第2電極6b
に+V2なる電圧が印加され、図13aと逆極性の補助
放電が生じ、第2電極6a上に正電荷、第2電極6b上
に負電荷を蓄積して速やかに消滅する(図12
(c))。
【0088】引き続いて第2電極6bに−V2、第1電
極2にV1Hなる電圧が印加されると、図12(b)と
同様にして表示放電が開始する(図12(d))。
【0089】実施例4の構成によれば、隣合う第2電極
間で絶縁層を介して補助放電を行うことができるため、
構成が簡素化されて放電空間を有効に利用でき、かつ高
コントラストが得られる。
【0090】また、ON状態のセルの発光に比べ、OF
Fのセルの発光は補助放電が瞬時に消滅するため極めて
弱く、高コントラストが得られる。
【0091】実施例5.図13は請求項6の発明の一実
施例による放電表示装置の要部を示す断面図であり、図
14は平面図である。
【0092】図において、図1(b)に示した相当部分
には同一符号を付し、その説明を省略する。第2基板3
上に配設された第2電極6の端部は、第2電極6の絶縁
層5で覆われた部分と、第1電極2の露出している部分
の間隔をそれ以外の間隔より短くなるように凸部30が
形成されている。
【0093】また、動作については実施例1と同じであ
る。この実施例の構成によれば、補助放電を行う部分の
電極間隔がそれ以外の電極間隔より短くなるように第2
電極6の凸部30を形成したので、より確実に補助放電
を行うことができる。
【0094】実施例6.図15,16は請求項7の発明
の一実施例による放電表示装置の要部を示す斜視図であ
り、図において、図3(a)および図8(a)に示した
相当部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0095】これらの図において、隔壁7は第1電極2
と第2電極6とからなる表示セルを囲むように格子状に
形成されている。格子状隔壁7は、第2電極6とその一
部を覆って設けられた絶縁層5a,5bを複数に分割し
ている。
【0096】次に動作について説明する。第1電極2と
第2電極6間の放電は、各セルごとに行われる。この際
に格子状の隔壁7は、該放電が隣接する他のセルの電極
間で行われることを防止する。
【0097】この実施例6の構成によれば、各セル間を
交差するように隔壁7を格子状に形成したので、第1電
極2と隣接する第2電極6との間で誤って放電が生ずる
のを確実に防ぐことができる。
【0098】実施例7.図17,図18は請求項8の発
明の一実施例による放電表示装置の要部を示す断面図で
あり、図において、図3(b)および図8(b)に示し
た相当部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0099】これらの図において、第1基板1、第2基
板3上に絶縁層5a,5bで形成された隔壁7が隣接す
るセル間に配設されている。図17において、第1基板
1上の設けられた隔壁7に対向する第2基板3の第2電
極6,6間にプライミングホール13が形成される。ま
た図18において、第2基板上に設けられた隔壁7に対
向する第1基板1の絶縁層5a,5a間、もしくは蛍光
体11,11間にプライミングホール13が形成され
る。
【0100】次に動作について説明する。第1電極2と
第2電極6との間に電圧を印加して補助放電を開始させ
る。この放電は、絶縁層5を介しての放電であるため、
速やかに消滅する。このとき放電空間中には励起原子等
が浮遊しており、この励起原子等はプライミングホール
13を介して隣りの第2電極6に移動する。
【0101】この実施例7の構成によれば、隣合う電極
間、もしくは絶縁層間にプライミングホール13を設け
ることにより、より補助放電が容易に確実に行うことが
できる。
【0102】実施例8.図19(a),図19(b)は
請求項9の発明の一実施例による放電表示装置の動作を
示す模式図であり、図において、第1基板1上には選択
用電極14が設けられている。第2基板3上には第1電
極2と第2電極6との間に突起部材(放電路拡張形成手
段)15が配設されている。この突起部材15の表面は
絶縁層5で覆われている。
【0103】次に動作について説明する。表示セルを選
択するための選択用電極14と第1電極2または第2電
極6のいずれか一方にそれぞれ正,負の電圧パルスを印
加すると補助放電が生じる(図19(a))。続いて、
第1電極2と第2電極6のうちの他方の電極に正の電圧
パルスを印加すると、放電は第1電極2と第2電極6間
を移行し、表示放電が生じる。このときの放電は、第1
電極2と第2電極6との間に突起部材15があるため、
突起部材15を迂回して生じる(図19(b))。
【0104】この実施例8の構成によれば、放電は第1
電極2と第2電極6との間の突起部材15を迂回して生
じるため放電路が長くなり、陽光柱が形成され高輝度、
高効率が得られる。
【0105】実施例9.図20は請求項10の発明の一
実施例による放電表示装置の要部を示す斜視図であり、
図において、第1基板1上に選択用電極14が例えば
0.2mmピッチの一定間隔で備えられている。ここ
で、選択用電極14は通常のNi等の金属電極でもよい
し、ITO透明電極でもよい。選択用電極14の間には
隔壁7が選択用電極14と平行に配置されている。3は
第2基板で、第2基板3上に第1電極2と第2電極6が
選択用電極14と交差する方向に両電極間隔が0.1か
ら0.4mm程度の間隔で互いに平行に例えば0.6m
mピッチの一定間隔で備えられている。第1電極2およ
び第2電極6は金属電極である。15は少なくとも表面
が絶縁された突起部材で、第1電極2と第2電極6との
間に両電極と平行に配置される。この突起部材15は隔
壁7と同様に第1基板1と第2基板3とを隔てる役割も
果たす。
【0106】カラー表示の場合、選択用電極14上に蛍
光体11を塗布する。第1基板1と第2基板3との間は
ガラスフリットにより気密性が保たれており、その中に
モノクロ表示の場合Ne−Ar混合ガスが、カラー表示
の場合He−XeまたはNe−Xe混合ガスが100−
500Torrの圧力で封入されている。また、突起部
材15並びに隔壁7の表面に蛍光体11を設けて反射型
としてもよい。さらに、突起部材15の表面に絶縁層を
設けず、蛍光体を直接金属表面に形成してもよい。
【0107】次に動作について説明する。表示セルを選
択するために選択用電極14と第1電極2または第2電
極6のいずれか一方にそれぞれ正,負の電圧パルスを印
加すると、放電が生じる(図19(a))。このときに
生じる放電の発光が弱くなるように選択用電極14に印
加する電圧パルス幅は1μs程度に短くする。引き続い
て第1電極2と第2電極6のうちのもう一方の電極に正
の電圧パルスを印加すると、放電は第1電極2と第2電
極6間に移行し、表示放電が生じる(図9(b)。
【0108】この実施例9の構成によれば、第1電極2
と第2電極6との間にある突起部材15のため、放電は
突起部材15を迂回することによって放電路が長くなっ
て、所定のセルピッチにおいて陽光柱が形成される。こ
のようにして高輝度、高効率化が達成できる。
【0109】実施例10.図21は請求項11の発明の
一実施例による放電表示装置の要部を示す斜視図であ
り、該図において、図20に示した相当部分には同一符
号を付し、その説明を省略する。
【0110】図において、第2電極6は表面を絶縁層で
覆われた突起部材15を備え、突起部材15は第2電極
6の一部として構成されている。よって、第2電極6は
所定の高さまで持ち上げられた構成を有する。第1電極
2と第2電極6とは互いに平行に第2基板3上に配設さ
れている。
【0111】次に動作について説明する。画面の表示は
第2電極6を線順次に走査し、走査に応じて選択用電極
14からデータを入力して表示セルを選択することによ
り行う。この場合の駆動電圧波形の例を図22に示す。
まず、表示放電に先立って選択用電極14に+Va、第
2電極6に−V2なる電圧を印加すると選択用電極14
と突起部材15との間で補助放電が生じる。
【0112】ここで、選択用電極14と突起部材15の
間での放電開始電圧をVf1、選択用電極14と第2電
極6が露出している部分の間での放電開始電圧をVf2
とすると、Vf2>Va+V2>Vf1なる関係を満た
す。すなわち、補助放電の際に選択用電極14と第2電
極6が露出している部分の間で放電が生じないように設
定されている。この放電は絶縁層を介しての放電である
ため、突起部材15の絶縁層上に電荷を蓄積して瞬時に
消滅する。
【0113】このとき放電空間内には荷電粒子や励起原
子が浮遊しており、放電し易い状態にある。引き続き表
示放電において、第1電極2が+V1、第2電極6に−
V2となるように電圧が印加されると、直ちに表示放電
が開始する。ここで第1電極2と第2電極6の間での放
電開始電圧をVf、放電維持電圧をVsとすると、Vf
>V1+V2>Vsなる関係を満たす。また、Vs>V
1またはVs>V2なる関係をも満たす。従って、選択
用電極14と突起部材15との間での放電が生じていな
いセルは表示放電が生じない。また、第1電極2または
第2電極6の電圧を切れば放電は停止する。
【0114】また、突起部材15並びに隔壁7の表面に
蛍光体11を設けて反射型としてもよい。さらに、突起
部材15の表面に絶縁層を設けず蛍光体11を直接表面
に形成してもよい。
【0115】また、予め1フレーム内のブランキング期
間の間に、第1電極2と突起部材15の間で全セルに放
電を起こして突起部材15の絶縁層上に負電荷を蓄積、
保持することによってさらに有効な補助放電が可能にな
る。
【0116】また、第1電極2への印加電圧は直流電圧
でもよいし、一定周期のパルス列でもよい。また、第2
電極6へは1ラインあたりの走査時間より長いパルスを
印加して1ラインあたりの走査時間よりも長く放電を維
持することも可能である。このことによってさらに高輝
度化が実現できる。
【0117】この実施例10の構成によれば、突起部材
15を有する第2電極6は、所定の高さに持ち上げられ
て構成されているので、さらに高輝度、高効率で高コン
トラストが得られる。
【0118】実施例11.図23は請求項12の発明の
一実施例による放電表示装置の要部を示す斜視図であ
り、該図において、第1基板1上には隔壁7が例えば
0.2mmピッチの一定間隔で配置されている。3は第
2基板で、第2基板3上に第1電極2が上記第1基板1
上の隔壁7と同じピッチで平行に配置される。第1電極
2上には絶縁層を介して第2電極6が第1電極2と交差
する方向に例えば0.6mmピッチの一定間隔で備えら
れている。15は所定の高さまで立ち上げた金属の表面
を絶縁層で被覆した突起部材で、第2電極6と平行に配
置される。
【0119】この突起部材15は隔壁7と同様に第1基
板1と第2基板3とを隔てる役割も果たす。カラー表示
の場合、第1基板1上の隔壁7の間に蛍光体11を塗布
する。第1基板1と第2基板3との間はガラスフリット
により気密性が保たれており、その中にモノクロ表示の
場合Ne−Ar混合ガスが、カラー表示の場合He−X
eまたはNe−Xe混合ガスが100−500Torr
の圧力で封入されている。また、突起部材15並びに隔
壁7の表面に蛍光体11を設けて反射型としてもよい。
さらに、突起部材15の表面に絶縁層を設けず、蛍光体
を直接金属表面に形成してもよい。
【0120】次に動作について説明する。実施例10と
同じであり、第1電極2と第2電極6との間に電圧を印
加して表示放電を起こすと、放電は第1電極2と第2電
極6との間にある突起部材15のため、突起部材15を
迂回し、結果的に長い放電路を経て放電が行われる。
【0121】この実施例11の構成によれば、第1電極
2と第2電極6との間に設けられた突起部材15を互い
に交差する第1電極2と第2電極6との間に配設したこ
とにより構成が簡素化され、かつ放電は突起部材15を
迂回することによって長い放電路を経て行われるため陽
光柱が形成され、高輝度、高効率化が達成できる。
【0122】実施例12.図24は請求項13の発明の
一実施例による放電表示装置の要部を示す斜視図であ
り、該図において、図23に示した相当部分には同一符
号を付し、その説明を省略する。
【0123】第1電極2と第2電極6の間に配設された
突起部材15は、第2電極6の一部でもって構成されて
おり、所定の高さまで持ち上げられている。突起部材1
5の表面は絶縁層で覆われている。この突起部材15で
補助放電を行うことができる。第1電極2と第2電極6
とは、第2基板3上で互いに交差する方向に配設されて
おり、第2電極6の一部を構成する突起部材15は、絶
縁層5を介して第1電極2上に載置されている。
【0124】次に動作について説明する。動作について
は、実施例10と同じである。この実施例12の構成に
よれば、突起部材を有する第2電極6は所定の高さに持
ち上げられているため、さらに高輝度、高効率で高コン
トラストが得られ、かつ安定した動作が得られる。
【0125】実施例13.図25および図26は請求項
14の発明の一実施例による放電表示装置の駆動電圧波
形を示す図である。
【0126】上記実施例10および12において、第1
電極2と第2電極6との間に配設された突起部材15を
絶縁層5で覆い、この突起部材15を第3電極とし、補
助放電の電力として用いる。
【0127】次に動作について説明する。図25におい
て、表示放電に先立って選択用電極14と突起部材15
の間で補助放電を起こす。この放電は絶縁層を介しての
放電であるため、突起部材15の絶縁層上に電荷を蓄積
して瞬時に消滅する。このとき放電空間内には荷電粒子
や励起原子が浮遊しており、放電し易い状態にある。引
き続き表示放電において、第1電極2が+V1、第2電
極6に−V2となるように電圧が印加されると、直ちに
表示放電が開始する。
【0128】ここで第1電極2と第2電極6の間での放
電開始電圧をVf、放電維持電圧をVsとすると、Vf
>V1+V2>Vsなる関係を満たす。また、Vs>V
1またはVs>V2なる関係をも満たす。従って、選択
用電極14と突起部材15との間での放電が生じていな
いセルは表示放電が生じない。また、第1電極2または
第2電極6の電圧を切れば放電は停止する。
【0129】また、予め1フレーム内のブランキング期
間の間に、第2電極6と突起部材15の間で全セルに放
電を起こして突起部材15の絶縁層上に負電荷を蓄積、
保持することによってさらに有効な補助放電が可能にな
る。
【0130】また、第1電極2への印加電圧は直流電圧
でもよいし、一定周期のパルス列でもよい。また、第2
電極6へは第3電極4の1ラインあたりの走査時間より
長いパルスを印加して1ラインあたりの走査時間よりも
長く放電を維持することも可能である。このことによっ
てさらに高輝度化が実現できる。
【0131】次に図26において、まず表示放電に先立
って、第2電極6に−V2、第3電極4に+V3なる電
圧を印加すると、第2電極6と突起部材15との間で放
電が生じる。この放電は絶縁層を介しての放電であるた
め、突起部材15の絶縁層上に電荷を蓄積して瞬時に消
滅する。このとき放電空間内には荷電粒子や励起原子が
浮遊しており、放電し易い状態にある。引き続き表示放
電において、第1電極2が+V1なる電圧が印加される
と、直ちに表示放電が開始する。
【0132】上記電圧波形に代えて図27に示すような
駆動電圧波形によって駆動することもできる。すなわち
1フレーム内のブランキング期間中に第1電極2に正の
電圧、第3電極4に負の電圧を印加して全セルに放電を
起こし、突起部材15の絶縁層上に正の負電荷を蓄積、
保持する。走査期間にはいって第2電極6が選択され負
の電圧が印加されると、突起部材15の絶縁層上に蓄積
した正の電荷と第2電極6との間で微小な放電が生じ
る。この放電はほとんど目視されることなく、引き続き
第1電極2と第2電極6との間で生じる表示放電に非常
に有効なプライミング効果を与え、表示放電は直ちに開
始する。
【0133】この実施例13の構成によれば、第1電極
2と第2電極6との間に配設された突起部材15を表面
が絶縁層で覆われた第3電極とし、これを補助放電に用
いるため高輝度、高効率で高コントラストを得ることが
できる。
【0134】実施例14.図28は請求項15の発明の
一実施例による放電表示装置の要部を示す斜視図であ
り、該図において、図20に示した相当部分には同一符
号を付し、その説明を省略する。
【0135】図において、第1電極2と第2電極6との
間に表面が絶縁層5bで覆われた突起部材15を備えた
セルが形成されており、該セルを区画するための土手部
材(セル区画部材)16が、該セル間を交差して配設さ
れている。
【0136】また、図29に示すように、突起部材1
5、隔壁7、並びに土手部材16の表面に蛍光体11を
設けて反射型としてもよい。さらに、突起部材15の表
面に絶縁層5bを設けず、蛍光体11を直接金属表面に
形成してもよい。
【0137】次に動作について説明する。第1電極2と
第2電極6間の放電は突起部材15を介してセル内で行
われる。該放電は隣接する他のセルの電極間で行われる
ことは土手部材のため防止される。この実施例14の構
成によれば、セルを区画するための土手部材を配設した
ので、放電の拡りによる誤放電や、クロストークを防止
できる。
【0138】実施例15.図30は請求項16の発明の
一実施例による放電表示装置の要部を示す断面図であ
り、該図において、図16に示した相当部分には同一符
号を付し、その説明を省略する。
【0139】図において、第2基板3上に第2電極6が
配設されており、第2電極6上に絶縁層5がその一部が
露出するように設けられている。この絶縁層5を覆って
MgO層21が0.2−1μmの厚みで蒸着により設け
られている。なお、このMgO層21は、該図32に限
らず、第2基板3上に形成された電極を覆って設けられ
た絶縁層上に設けることも可能である。
【0140】次に動作について説明する。電極間2,6
に所定の電圧が印加されると絶縁層を介して補助放電が
開始する。この後、印加された電圧による電界と絶縁層
5上に蓄積された電荷による電界とが重畳して表示放電
が開始する。この放電に際し絶縁層5はイオン衝撃を受
ける。
【0141】実施例15の構成によれば、絶縁層上にM
gO層21を設けたことで、絶縁層をイオン衝撃から保
護し、さらに放電電圧を低減することができる。
【0142】実施例16.図31は請求項17の発明の
一実施例による放電表示装置の要部を示す斜視図であ
り、図において、図10に示した相当部分には同一符号
を付し、その説明を省略する。
【0143】図において、第1基板1には第1電極2が
所定の間隔をもって複数配設されている。この第1電極
2,2間で第1基板側面内の補助放電が発生する領域に
黒色のガラスペースト等の絶縁体20が設けられてい
る。該領域に絶縁材料を塗布して設けてもよい。なお、
該図に限らず、絶縁体は補助放電が発生する領域に設け
ることもできる。
【0144】次に動作について説明する。補助放電によ
る発光は、表示セル以外の隣合う第2電極6,6の間隙
で生ずる。補助放電が発生する領域に絶縁体を設けて補
助放電の発光を観察者から見えないようにする。
【0145】この実施例16の構成によれば、基板側内
面の補助放電が生ずる領域に黒色の絶縁体20を配設し
たため、高コントラスト化が図れる。
【0146】実施例17.図32(a),図32
(b),図32(c),図32(d)は請求項18の発
明の一実施例による放電表示装置に用いられる突起部材
の形成方法を示すフローチャート図であり、図におい
て、まず、第2基板上に第1電極2、第2電極6および
突起部材15を形成する第3電極4の下地電極17をパ
ターニングする(図32(a))。次に、上記電極のパ
ターニングされた第2基板上に、形成すべき金属の高さ
と同じ厚みを持ったドライフィルムをのせ、さらにその
上にパターンマスク19をのせ露光、エッチングする
(図32(b))。そしてエッチングさた部分に電鋳に
より、金属を所定の高さにまで成長させ、ドライフィル
ムを剥離することにより突起部材15内の第3電極4の
形成が完了する(図32(c))。この第3電極4は幅
が50μmから500μm、高さが100μmから50
0μm程度である。引き続き電気泳動法により第3電極
表面に数μm程度の厚みの絶縁層を形成する(図32
(d))。電気泳動法による絶縁層の形成は以下の手順
で行う。まず、上記第3電極4の形成が完了した基板を
絶縁体が分散している溶液(懸濁液)に浸す。このとき
懸濁液に分散している絶縁体は電解質の正イオンを吸着
して帯電している。この懸濁液に電極を挿入し、この電
極に正の電圧、第3電極4に負の電圧を印加すると、正
に帯電した絶縁体は第3電極4へと移動し、積層する。
所定の厚みまで積層したのち、懸濁液から基板を取り出
し、充分乾燥させる。上記は突起部材について説明した
が、突起部材についても同様な方法で形成できる。ま
た、突起部材15内の金属の形成を厚膜印刷によって形
成することもできる。
【0147】この実施例17の形成方法によれば、突起
部材表面の絶縁層の被覆に電気泳動法を用いたため、幅
が50−500μm、高さが100−500μm程度で
表面の絶縁層の厚みの均一な突起部材を形成できる。
【0148】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、放電を生ずる電極間の一方の電極の一部を覆って絶
縁層を設けて、絶縁層を介して補助放電を行うように構
成したので、簡単な構成で高コントラストが得られる効
果がある。
【0149】請求項2の発明によれば、対向配設した電
極間で絶縁層を介して補助放電を行うように構成したの
で、放電が効率よく行われて高コントラストが得られる
効果がある。
【0150】請求項3の発明によれば、放電を行わせる
電極を同一基板上に形成するように構成したので、安定
した動作が得られる効果がある。
【0151】請求項4の発明によれば、隣合う電極間の
絶縁層を介して補助放電を行うように構成したので、構
成が簡素化されて放電空間を有効に利用できて高コント
ラストが得られる効果がある。
【0152】請求項5の発明によれば、電極間の放電よ
り絶縁層を介しての放電の方が起こりやすいように構成
したので、効率よい補助放電から直ちに表示放電を行う
ことができる効果がある。
【0153】請求項6の発明によれば、補助放電を行う
電極間隔をそれ以外より短くなるように構成してので、
より確実に補助放電を行うことができる効果がある。
【0154】請求項7の発明によれば、各セル間に格子
状隔壁を設けるように構成したので、誤放電が生ずるの
を防ぐことができる効果がある。
【0155】請求項8の発明によれば、補助放電の生ず
る電極間にプライミングホールを設けるように構成した
ので、放電が容易に移行できる効果がある。
【0156】請求項9の発明によれば、電極間に放電路
を長くする手段を設けるように構成したので、陽光柱が
形成でき、高輝度、高効率が得られる効果がある。
【0157】請求項10の発明によれば、互いに平行に
配設された電極間に突起部材を設ける構成にしたので、
所定のピッチにおいて陽光柱が形成でき、高輝度、高効
率が得られる効果がある。
【0158】請求項11の発明によれば、突起部材を補
助用電極として構成したので、さらに高輝度、高効率が
得られる効果がある。
【0159】請求項12の発明によれば、互いに交差す
る電極間に突起部材を設けるように構成したので、構成
が簡素化でき、かつ陽光柱が形成できて高輝度、高効率
が得られる効果がある。
【0160】請求項13の発明によれば、突起部材を補
助用電極として構成したので、さらに高輝度、高効率で
高コントラストなよい視認性が得られる効果がある。
【0161】請求項14の発明によれば、突起部材を第
3電極として補助用電極とするように構成したので、高
輝度、高効率で高コントラストなよい視認性が得られる
効果がある。
【0162】請求項15の発明によれば、セルを区画す
るためのセル区画部材を設ける構成にしたので、誤放電
やクロストークを防止できる効果がある。
【0163】請求項16の発明によれば、電極の絶縁層
上にMgO層を設けるように構成したので、絶縁層をイ
オン衝撃から保護し、かつ補助放電の駆動電圧を低減で
きる効果がある。
【0164】請求項17の発明によれば、補助放電発生
領域に黒色の絶縁体を設けるように構成したので、高コ
ントラストが得られる効果がある。
【0165】請求項18の発明によれば、突起部材を絶
縁層被覆の形成に電気泳動法を用いるように構成したの
で、絶縁層の厚みを均一にできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施例による放電表示装置
の動作を示す模式図である。
【図2】請求項1の発明の一実施例による放電表示装置
の動作を示す模式図である。
【図3】図3(a)は請求項2の発明の一実施例による
放電表示装置の要部を示す斜視図である。図3(b)は
図3(a)の断面図である。
【図4】他の要部を示す断面図である。
【図5】さらに他の要部を示す断面図である。
【図6】放電開始の圧力と電極間隔と圧力の積に対する
依存性を示すグラフ図である。
【図7】駆動電圧波形を示す図である。
【図8】図8(a)は請求項3の発明の一実施例による
放電表示装置の要部を示す斜視図である。図8(b)は
図8(a)の断面図である。
【図9】駆動電圧波形を示す図である。
【図10】請求項4の発明の一実施例による放電表示装
置の要部を示す斜視図である。
【図11】駆動電圧波形を示す図である。
【図12】動作を示す模式図である。
【図13】請求項6の発明の一実施例による放電表示装
置の要部を示す断面図である。
【図14】図13の平面図である。
【図15】請求項7の発明の一実施例による放電表示装
置の要部を示す斜視図である。
【図16】他の実施例による放電表示装置の要部を示す
斜視図である。
【図17】請求項8の発明の一実施例による放電表示装
置の要部を示す断面図である。
【図18】他の実施例による放電表示装置の要部を示す
斜視図である。
【図19】請求項9の発明の一実施例による放電表示装
置の動作を示す模式図である。
【図20】請求項10の発明の一実施例による放電表示
装置の要部を示す斜視図である。
【図21】請求項11の発明の一実施例による放電表示
装置の要部を示す斜視図である。
【図22】駆動電圧波形を示す図である。
【図23】請求項12の発明の一実施例による放電表示
装置の要部を示す斜視図である。
【図24】請求項13の発明の一実施例による放電表示
装置の要部を示す斜視図である。
【図25】請求項14の発明の一実施例による放電表示
装置の駆動電圧波形を示す図である。
【図26】他の駆動電圧波形を示す図である。
【図27】さらに他の駆動電圧波形を示す図である。
【図28】請求項15の発明の一実施例による放電表示
装置の要部を示す斜視図である。
【図29】他の放電表示装置の要部を示す断面図であ
る。
【図30】請求項16の発明の一実施例による放電表示
装置の要部を示す断面図である。
【図31】請求項17の発明の一実施例による放電表示
装置の要部を示す斜視図である。
【図32】請求項18の発明の一実施例による突起部材
の形成方法を示すフローチャート図である。
【図33】図33(a)は従来の放電表示装置の要部を
示す斜視図である。図33(b)は駆動電圧波形を示す
図である。図33(c)は動作を示す模式図である。
【図34】グロー放電を示す模式図および電極間での電
位分布を示す図である。
【図35】陽光柱型セルを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 第1基板 2 第1電極 3 第2基板 5,5a,5b 絶縁層 6 第2電極 7 隔壁 13 プライミングホール 14 選択用電極 15 突起部材(放電路拡張形成手段) 16 土手部材(セル区画部材) 20 黒色絶縁体 21 MgO層 30 凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野呂 正 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社通信機製作所内 (72)発明者 永井 孝佳 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社通信機製作所内 (72)発明者 中西 隆仁 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社通信機製作所内 (72)発明者 逸見 和久 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社通信機製作所内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表示放電を行うための第1及び第2電極
    と、該第2の電極の一部を覆って設けられ、前記第1電
    極との間で補助放電を行うための絶縁層とを備えた放電
    表示装置。
  2. 【請求項2】 第1基板と対向して配設された第2基板
    と、前記第1基板上に所定の間隔で配設された複数の第
    1電極と、前記第2基板上に形成され、前記第1電極と
    交差する方向に所定の間隔で配設された複数の第2電極
    と、前記第2電極の一部を覆って設けられた絶縁層とを
    備えた放電表示装置。
  3. 【請求項3】 第1基板と対向するように配設された第
    2基板と、該第2基板上に所定の間隔で配設された複数
    の第1電極と、該第1電極上の絶縁層を介して第1電極
    と交差する方向に配設された複数の第2電極と、該第2
    電極の一部を覆う絶縁層とを備えた放電表示装置。
  4. 【請求項4】 第1基板と対向するように配設された第
    2基板と、前記第1基板上に所定の間隔で配設された複
    数の第1電極と、前記第2基板上に形成され、前記第1
    電極と平行する方向に配設された複数の第2電極と、隣
    合う該第2電極にまたがって、それぞれの一部を覆って
    設けられた絶縁層とを備えた放電表示装置。
  5. 【請求項5】 前記第1,第2電極及び絶縁層は、電極
    間に電圧が印加されたとき該電極の放電空間に露出した
    部分での放電より絶縁層を介しての放電の方が起こり易
    いように配設されていることを特徴とする請求項1、
    2、3または4いずれか1項記載の放電表示装置。
  6. 【請求項6】 前記第2電極は、該電極の前記絶縁層で
    覆われた部分と、前記第1電極の露出している部分との
    間隔をそれ以外の間隔より短くなるように凸部を備えて
    いることを特徴とする請求項2、3または4いずれか1
    項記載の放電表示装置。
  7. 【請求項7】 前記第2基板は、前記第2電極とその一
    部を覆って設けられた絶縁層を分割するための格子状の
    隔壁を備えることを特徴とする請求項2、3または4い
    ずれか1項記載の放電表示装置。
  8. 【請求項8】 前記格子状の隔壁に対向する基板内側に
    プライミングホールを設けたことを特徴とする請求項7
    記載の放電表示装置。
  9. 【請求項9】 表示放電を行うための第1及び第2電極
    と、該第1及び第2電極との間に配設された放電路を拡
    張するための放電路拡張形成手段と、前記第1または第
    2電極との間で補助放電を行うための選択用電極とを備
    えた放電表示装置。
  10. 【請求項10】 第1基板と対向して配設された第2基
    板と、前記第1基板上に形成された複数の選択用電極
    と、前記第2基板上に形成され、前記選択用電極と交差
    して互いに平行に配設された第1電極及び第2電極と、
    該第1電極と該第2電極との間に配設され、少なくとも
    表面が絶縁された突起部材とを備えた放電表示装置。
  11. 【請求項11】 第1基板と対向して配設された第2基
    板と、前記第1基板上に形成された複数の選択用電極
    と、前記第2基板上に形成され、前記選択用電極と交差
    して互いに平行に配設された第1電極及び第2電極と、
    前記第2電極の一部で構成され、かつその表面を絶縁層
    で覆って形成された所定の高さを有する突起部材とを備
    えた放電表示装置。
  12. 【請求項12】 第1基板と対向して配設された第2基
    板と、前記第2基板上に設けられた第1電極と、該第1
    電極上に設けられた絶縁層を介して該第1電極と交差し
    て配設された第2電極と、前記第1電極と第2電極との
    間に配設され、絶縁層で被覆された突起部材とを備えた
    放電表示装置。
  13. 【請求項13】 第1基板と対向して配設された第2基
    板と、前記第2基板上に設けられた第1電極と、該第1
    電極上に設けられた絶縁層を介して該第1電極と交差し
    て配設された第2電極と、前記第2電極の一部で構成さ
    れ、かつその表面を絶縁層で覆って形成された突起部材
    とを備えた放電表示装置。
  14. 【請求項14】 前記突起部材は、補助放電用の第3電
    極であることを特徴とする請求項10、12または13
    いずれか1項記載の放電表示装置。
  15. 【請求項15】 前記突起部材間にセルを区画するため
    のセル区画部材を配設したことを特徴とする請求項1
    0、11または14いずれか1項記載の放電表示装置。
  16. 【請求項16】 前記絶縁層上にMgO層を設けたこと
    を特徴とする請求項2、3、4、10、11、12また
    は13いずれか1項記載の放電表示装置。
  17. 【請求項17】 前記基板側内面の補助放電が生ずる領
    域に黒色の絶縁体を配設したことを特徴とする請求項
    2、3、4、10、11、12または13いずれか1項
    記載の放電表示装置。
  18. 【請求項18】 基板上に電極を形成するための下地電
    極をパターニングする工程と、該基板上に形成すべき金
    属の高さと同じ厚みを有するドライフィルムを載せ、そ
    の上にパターンマスクを載せ露光、エッチングする工程
    と、該エッチングされた部分に電鋳により金属を所定の
    高さに形成し、前記ドライフィルムを剥離して前記電極
    の突起部材を形成する工程と、該突起部材の表面に電気
    泳動法により絶縁層を形成する工程とを備えた放電表示
    装置の突起部材形成方法。
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