JPH06275123A - カプセル型導電性接着剤用導電性フィラー - Google Patents

カプセル型導電性接着剤用導電性フィラー

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JPH06275123A
JPH06275123A JP5899093A JP5899093A JPH06275123A JP H06275123 A JPH06275123 A JP H06275123A JP 5899093 A JP5899093 A JP 5899093A JP 5899093 A JP5899093 A JP 5899093A JP H06275123 A JPH06275123 A JP H06275123A
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JP
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conductive
metal
fine particles
resin
conductive filler
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Withdrawn
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JP5899093A
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English (en)
Inventor
Yuuko Hozumi
有子 穗積
Makoto Usui
誠 臼居
Hitoaki Date
仁昭 伊達
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
    • H05K3/32Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits
    • H05K3/321Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by conductive adhesives

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カプセル型導電性接着剤用の導電性フィラー
を提供する。製造工程が簡便化され、接着剤に配合した
後の接合に際して導通抵抗及び絶縁抵抗が安定で信頼性
が高く、また導電性微粒子の表面にシリコーン熱硬化性
樹脂を容易に短時間でコーティングさせる。 【構成】 導電性微粒子の表面を絶縁性樹脂でコーティ
ングしたカプセル型導電性接着剤用導電性フィラーにお
いて、前記導電性微粒子が樹脂球状体中に金属フィラー
を含む芯物質と芯物質の表面を覆う金属膜から構成する
か、又は導電性金属微粒子の表面にシリコーンモノマを
反応結合させた後重合してシリコーン熱硬化性樹脂を被
覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は端子を有するチップと基
板との接合のように導電性接合が必要な場合に用いられ
るカプセル型導電性接着剤用導電性フィラーに関する。
【0002】近年、半田接合に代わる接合技術として、
接着剤中の樹脂中に導電性粒子を分散させた導電性接着
剤への要求が高まっている。その中で、導電性金属微粒
子表面を絶縁性の樹脂でコーティングしたマイクロカプ
セル(MC)型導電フィラーを、導電性金属微粒子のかわり
に使用すると様々なメリットが期待できる。本発明はか
かるマイクロカプセル型導電性接着剤に配合される導電
性フィラーに関する。
【0003】
【従来の技術】例えば端子を有するチップと基板との接
合のように、導電性が必要な接着方法においては、従
来、ハンダ付けか溶接などが行われていたため、耐熱性
の面で適応素材が限定されていた。これに対して、合成
樹脂を主体としたバインダと金属粉を主体とした導電性
フィラーとからなる有機材料と無機材料の複合体である
導電性接着剤を使用する方法は、接着工法、適用素材、
使用方法などにおいて広範な適用性を有するという特長
がある。このため、導電性接着剤は、たとえば、適用素
材として従来ハンダ付けができなかったプラスチック類
(エポキシ、フェノール樹脂など)の導電接着や液晶表
示管に使用するネサガラスの接着、マイクロモータに使
うリン青銅とカーボンブラシの接着、水晶振動子、 sdc
メータなどのリード線接着などの接着に欠くことのでき
ない材料となっている。
【0004】また、ファインピッチ化されたICまたは
LSIチップをプリント基板にハンダで接続するような
場合に、チップと基板との熱膨張係数の違いから、ハン
ダにクラックが生じて導通不良の原因となり、ハンダを
使用するのは好ましくない。しかしながら、ハンダのか
わりに導電性接着剤を使用すると、樹脂により応力が緩
和され、クラックなどの心配はなくなるという利点もあ
る。
【0005】半導体工業における最近の発展は特にめざ
ましく、IC、LSIなどが次々に開発され、量産化さ
れ続けている。これらの半導体チップ(シリコンウエ
ハ)のリードフレームへの接着には、従来Au−Si共
晶による方法がとられていたが、低コスト化、生産性向
上を目的として、エポキシ樹脂に銀粉を混練した導電性
接着剤が多用されるようになってきた。
【0006】この導電性接着剤の樹脂バインダには、一
般的にエポキシ樹脂が用いられているが、これ以外には
ポリイミド系、フェノール系、ポリエステル系なども一
部使用されている一方、導電フィラーには金、銀、銅な
どの金属の微粉末や無定形カーボン、グラファイト粉が
用いられ、そのほか、一部ではあるが、金属酸化物も使
用されている。しかし、この中で、価格、信頼性、実績
などから、銀粉が最も多く使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記したように導電性
接着剤は従来のハンダ付けや溶接に比べると様々な面で
メリットがあるが、依然としていくつかの問題がある。
たとえば、導電性接着剤をLSIチップと部品搭載用パ
ターン基板との接合に用いた場合を考えてみると、図1
に示すように、導電性接着剤の導電微粒子の量が増加す
ると絶縁抵抗が低くなり、隣接するパターン同士が導通
してしまう可能性が大きくなる。逆に、導電微粒子の量
を少なくするとLSIとパターン間の導通が満足できな
くなる。このように、導電性接着剤は、使用する導電微
粒子の量を厳密に制御しなければならず、また、大量の
導電微粒子の使用が不可能となり、特にファインピッチ
導電接続に対応できないという問題があった。
【0008】そこで、この問題を解決するためには、導
電微粒子の表面を絶縁性樹脂で被覆したマイクロカプセ
ル(MC)型導電微粒子を接着剤中に分散させたマイクロカ
プセル型導電性接着剤を製造し、これをIC、LSIチ
ップの寸法大または基板全面に塗布した後、チップとパ
ターン間に圧力をかけてカプセルのコーティング層を破
壊して導通をとり、隣接するパターン間にはカプセル化
された導電性微粒子のままで存在させて絶縁を保つとい
う方法が提案されている。
【0009】この方法においては、導電性微粒子とし
て、金属微粒子又は樹脂ボール表面に金属めっきを施し
たものが使用されるが、接着剤との混合後の導電性微粒
子の沈降を回避して、良好な分散性を確保するという点
から、一般的には金属微粒子より比重の小さい樹脂ボー
ル(球状体)表面に金属めっきを施したもののほうが望
ましい。
【0010】しかし、樹脂ボール表面に金属めっきを施
すには、予め樹脂ボールに増感処理や活性化処理等の前
処理を行わなければならず工程的にも手間がかかり、製
造性が悪いという欠点がある。
【0011】また、更に、樹脂ボールの表面に金属めっ
きを施したものをマイクロカプセル型導電性接着剤に使
用した場合には、図2に示すように、電極1の間に樹脂
ボール2の表面に金属めっき(例えばAuめっき)3及
びその表面の絶縁性樹脂被覆4を施したマイクロカプセ
ル型導電性微粒子を含む接着剤5で接合しようとする
と、接合時にかかる圧力で樹脂ボール2の表面の金属め
っき3が剥がれ、基板−チップ間の導通がとれなくなる
現象も発生するため、前記カプセル型導電性接着剤を実
際に使用するには、前述した製造性の問題と共に、この
圧力による金属めっきの剥がれによる導通不良の問題に
ついても解決する必要がある。
【0012】更に、厳格に言えば、マイクロカプセル型
導電性接着剤には、この絶縁性の樹脂に熱可塑性樹脂を
用いて導電性微粒子を大量使用すると、例えばチップと
基板との熱圧着の際に樹脂が溶融して満足する絶縁性が
得られにくい場合があり、熱可塑性樹脂は電気絶縁性や
耐吸湿性などが従来の熱硬化性樹脂に比べて劣るので、
接合後の信頼性が必ずしも充分でないことがある。従っ
て絶縁性の樹脂としては、熱硬化性樹脂を用いるのが好
ましい。しかし、現在、粒径が50μm以下の小さな導電
性フィラーをコーティングする方法としては、スプレー
ドライ法のように、樹脂を溶剤に溶解させて噴霧乾燥さ
せるものが大部分のため、熱硬化性樹脂を使用すること
は困難である。また、この熱硬化性樹脂のコーティング
方法には、例えば特開平4−96981号公報が金属微
粒子表面をカップリング剤で予め処理しておくことによ
り、あるモノマを金属微粒子表面に保持させ、これを、
他のモノマを溶融させた水又は油中に分散させた後、熱
や触媒を加えることにより両モノマを反応させ、金属微
粒子をポリマーでコーティングすると述べているが、こ
の方法には、その作製工程にカップリング処理や2種類
のモノマを使用することなどが必要なため、作製工程が
複雑であるという問題がある。
【0013】従って、本発明は、導電性接着剤の製造の
際に導電性微粒子から成る導電性フィラーが沈降しやす
かったり、導電性フィラーの製造に前処理工程などを必
要とせず、より実用的なマイクロカプセル型導電性接着
剤用導電性フィラーを提供することを目的とする。
【0014】本発明は、また、接合時の金属めっきの剥
がれによる導通不良の問題の起こらない、短時間で容易
に製造できるマイクロカプセル型導電性接着剤用導電性
フィラーを提供することを目的とする。
【0015】
【問題を解決するための手段】本発明に従えば、導電性
微粒子の表面を絶縁性樹脂でコーティングしたカプセル
型導電性接着剤用導電性フィラーにおいて、前記導電性
微粒子が樹脂球状体中に金属フィラーを含む芯物質と該
芯物質の表面を覆う金属膜から構成されるカプセル型導
電性接着剤用導電性フィラーが提供される。
【0016】本発明に従えば、また、導電性金属微粒子
の表面を絶縁性樹脂でコーティングしたカプセル型導電
性接着剤用導電性フィラーにおいて、前記絶縁性樹脂コ
ーティングが、シリコーンモノマ中に金属微粒子を分散
させて金属微粒子表面にシリコーンモノマを反応させ、
次にこのシリコーンモノマを反応させた金属微粒子を水
中に分散させて懸濁液とし、これを加熱してシリコーン
モノマを重合させて成るものであることを特徴とするカ
プセル型導電性接着剤用導電性フィラーが提供される。
【0017】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明の第一の態様に従えば、図3に示すように、
樹脂球状体(真球のみならず、擬似球、球状不定形体な
どを含む、以下、単にボールという)作製時に溶融混合
法、粉砕法を用いて樹脂ボール6の内部にめっき開始剤
7(例えばパラジウム粒子、カーボン粒子など)を含ま
せると、樹脂ボールの一部分がめっき液に対して活性に
なるので、次工程のめっき時の前処理が不要になる。さ
らにここで、めっき開始剤として金属微粒子8(例えば
Au粒子、Ag粒子など)を用いると、電極9間の接合
時にかかる圧力により金属めっき10(例えばAu、Ag
等)が剥がれても、図4に示すように、樹脂ボール6中
の金属微粒子8を介して基板−チップ間の導通が取れる
という特長がある。図4において、11は絶縁性樹脂(例
えばエポキシ樹脂)を示し、12は接着剤を示す。
【0018】本発明の第三の態様によれば、3官能もし
くは4官能性のメトキシシリコーンモノマに金属微粒子
を分散させ金属微粒子表面のOH基とシコーンモノマと
を反応させ、金属微粒子表面にシリコーンモノマを保持
させる。次にこの金属微粒子を水中に分散させて懸濁液
とし、これに熱を加えてシリコーンモノマを重合させる
ことにより金属微粒子表面を熱硬化性樹脂で容易に被覆
することができる。このように、シリコーンモノマはそ
れ自身がカップリング剤の役割を担っているため、従来
のようにカップリング剤を使用する必要はない。また、
このシリコーンモノマは低温で水と容易に反応するため
に、他のモノマを添加する必要もない。このように、本
発明の第二の態様のコーティング方法を用いれば、熱硬
化性樹脂を容易に金属微粒子表面に被覆することができ
る。
【0019】
【作用】前述の如く、本発明の第一の態様に従って、樹
脂ボール中に金属微粒子を含有させる手法を用いると、
樹脂ボール表面への金属めっき時の前処理工程が簡便化
され、更に、仮に接合時に金属めっきが剥がれたとして
も、樹脂ボール内の金属微粒子を介して基板−チップ間
の導通が取れるので常に安定した接合を得られ、従来技
術よりも信頼性が高い接合を行うことができる。
【0020】本発明の第三の態様に従って、導電性金属
微粒子の表面をコーティングすると、従来技術では困難
であった導電性微粒子への熱硬化性樹脂のコーティング
が可能となり、さらに、コーティングのための工程が従
来より著しく簡略化される。
【0021】
【実施例】以下、実施例により説明するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。実施例1 本発明の第一の態様に従ったカプセル型導電性接着剤用
導電性フィラーの製造は、内部に金属フィラーを含む樹
脂ボールを作製する工程と、樹脂ボール表面を金属膜で
覆う工程と、金属膜の表面を更に絶縁性の樹脂でコーテ
ィングしてカプセル型導電フィラーを作製する工程の3
工程から成り、更にこのカプセル型導電性フィラーを樹
脂中に分散させてカプセル型導電性接着剤を製造するこ
とができる。本例においては、以下に示す方法でカプセ
ル型導電性接着剤を作製し、チップと基板の接合を行っ
た。
【0022】 (1)内部に金属フィラーを含む樹脂ボールの作製 樹脂ボール材料として、主剤(エポキシ樹脂〔固体〕)
及び硬化剤(フェノール系〔固体〕)を用い、まためっ
き開始剤としてAu微粒子(平均粒径lμm)を用い
た。まず、エポキシ樹脂とフェノール系硬化剤と金属微
粒子をボールミル法により混練し、溶融混合を行い、そ
の後、得られた混練物を硬化させ、硬化物の粗粉砕を凍
結粉砕法を用いて行った。次に、粉砕物を気流中粉砕法
により球状にし、分級を行い、平均粒径8μmの金属フ
ィラー含有樹脂ボールを作製した。
【0023】ここで、この樹脂ボール粒径については、
図5(a)に示すように、端子(電極)9の幅に比べて
カプセル型導電性フィラー13の粒径が小さいと粒子の大
きさよりパターン高さの誤差の方が大きくなり、上下の
端子間の導通が取れなくなるおそれがあり、また、図5
(b)のように、逆に粒径が大きいと隣接する端子9間
で導通を取り、ショートを起こしてしまうおそれがあ
る。そこで、この最適な粒径範囲を知るために、以下の
検討を行った。端子(電極)9の幅に対する粒径の大き
さが異なる5種類のカプセル型導電性接着剤を作製し、
実際に基板とチップを接合し、接合後の各端子間の導通
抵抗および絶縁抵抗の測定を行った。表1に端子幅に対
する粒径の大きさと各端子間の接合抵抗、絶縁抵抗の結
果を示す。これより、端子幅に対する粒径が20〜80%の
ときが良好であることがわかった。
【0024】
【表1】
【0025】更に、粒径分布については、カプセル型導
電性フィラー13の粒径のばらつきが大きいと図6に示す
ように上下の端子(電極)9に接触するものとしないも
のができ、導通不良が生じる。これについて、粒径のば
らつきを変化させたときの上下端子間の導通抵抗の測定
を行って検討した。表2に粒径分布と上下端子間の導通
抵抗についての結果を示したが、表2の結果より、粒径
分布は20%以下が適していることがわかった。
【0026】
【表2】
【0027】 (2)作製した樹脂ボールの形状および粒径の観察 上で作製した樹脂ボールの形状および粒径の観察を画像
解析装置を用いて行ったところ、平均粒径8± 0.5μm
で形状は球状であった。
【0028】(3)内部に金属フィラーを含む樹脂ボー
ル表面への金属膜の作製 芯物質として、(1)で作製した球状樹脂ボール(金属
微粒子分散品、平均粒径8μm)を用い、これにめっき
液として無電解Auめっき液を用いて、以下のようにし
てめっきした。
【0029】めっき方法 市販の無電解Auめっき液を用い、樹脂ボール中の金属
微粒子をめっき開始剤として表面に1μmのAuめっき
層を形成した。以下の表3に、この際のめっき液の組成
および浴条件を示す。
【0030】
【表3】
【0031】めっき層の厚さについてはあまり薄いと導
電性が悪くなり、逆に厚すぎると樹脂ボールとの剥離が
起こりやすくなってしまう。また、めっき層が厚くなる
と、めっき時間も当然増加し、製造性が低下してしま
う。以下、これについて、めっき厚さとめっき状態の関
係を検討した。結果を表4に示す。この結果から、めっ
き厚さは 0.1〜3μmが望ましい。
【0032】
【表4】
【0033】(4)無電解Auめっき層の断面観察 Auめっきを施した樹脂ボールをエポキシ樹脂に包埋
し、ミクロトームで切断を行い、顕微鏡により、断面観
察を行った。その結果は図7に模式的に示したように、
樹脂ボール6の表面がAuめっき層10で均一に被覆され
ていた。
【0034】(5)カプセル型導電フィラーの作製 以下の公知の技術方法を用いて、カプセル型導電フィラ
ーを作製した。即ち、水20ml中にポリビニルアルコール
12gと乳化剤 1.5g、TEPA(テトラエチレンペンタミ
ン)10gを溶解させ水相を作製した。一方、酢酸エチル
15mlに BPA(ビスフェノールA形エポキシ樹脂)10gを
溶解させ、さらに、上記(3)で作製した導電性微粒子
7g加えて油相を作製した。この油相を15分超音波照射
することにより、凝集している導電性微粒子を均一に分
散させ、次に、ホモジナイザで水相を 3000rpmで攪拌し
ながら油を徐々に滴下し、銀粉の表面に油相が存在する
懸濁液を作製した。この懸濁液を60℃に保って、スリー
ワンモータで180rpmで6時間攪拌した。このようにし
て、導電性微粒子の表面を絶縁性の有機物でコーティン
グした。
【0035】 (6)カプセル型導電性微粒子の断面観察 作製したフィラーをエポキシ樹脂中に埋包し、硬化さ
せ、これをミクロトームで切断して、カプセル型導電性
微粒子の断面を観察した。その結果は図8に示すよう
に、表面に金属めっき10を施した樹脂ボール6からなる
導電性微粒子の全表面に絶縁性樹脂が均一にコーティン
グされている様子が確認できた。
【0036】 (7)カプセル型導電性微粒子の絶縁の確認 作製したカプセル型導電性微粒子を凝集させた状態にし
て、任意の点を絶縁抵抗器を用いて測定したところ、い
ずれの点も1×1012Ω以上の高い絶縁性を示した。
【0037】(8)カプセル型導電性接着剤の作製 エポキシ系接着剤に(4)で作製したカプセル型導電性
微粒子を体積比で20%混入して、カプセル型導電性接着
剤を作製した。なお、エポキシ系接着剤として、エピコ
ート828(シェル石油)とイミダゾールの混合物を用
いた。
【0038】(9)チップと基板の接合 図9に示すようなガラスエポキシ基板に、(8)で作製
した導電性接着剤を塗布し、これと図10に示すようなガ
ラスチップ(128ピン、 300μmピッチ、電極間隔 100μ
m) にスタッドバンプを作製したものを、 175℃×30秒
×20g/バンプの条件で熱圧着した。
【0039】(10)導通試験、絶縁試験 (9)で接合したサンプルに対して、図11及び12に示す
測定箇所の導通抵抗を4端子法で、絶縁抵抗をハイレジ
スタンスメータ(絶縁抵抗器)で測定した。導通抵抗は
いずれも1接続点あたり 0.2Ω以下と良好で、隣接する
パターン間は、1×1011Ωと良好な絶縁性を示した。
【0040】(11)接合後のサンプルの断面観察 接合後のサンプルをエポキシ樹脂に埋包し、硬化させ、
これをバフ研磨にて断面研磨し、顕微鏡で断面の観察を
行った。その結果は、チップ14と基板15は、図14(a)
又は(b)に示すように、接合されており、樹脂ボール
6の表面の金属めっき10により基板15とチップ14間の導
通を取っている箇所〔(a)図参照〕と、金属めっき10
が剥がれ樹脂ボール6中の金属微粒子8を介して基板15
とチップ14間の導通を取っている箇所〔(b)図参照〕
が見られた。
【0041】実施例2 実施例1のめっき層をAgにした以外はすべて同様の検
討を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0042】実施例3 (1)MC型導電性フィラーの製造 水200ml 、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル(POEAPE)(乳化剤)5g及びポリビニルアルコール
(PVA)(増粘剤)12.0g、トリメトキシシラン(TMS)モ
ノマ5g及び金属微粒子(Ag/Cu)(Cu表面にAgを被覆、
擬似球形、粒径5μm)を用い、以下のようにして、金
属微粒子表面にシリコンモノマTMS を反応させ、これを
懸濁させ、次にシリコンモノマを加熱して重合させ、表
面のシリコンモノマを重合させた金属微粒子、即ちマイ
クロカプセル型導電性フィラーを作製した。このように
して得られたMC型導電性フィラーの断面観察を行い、
金属微粒子表面のポリマーの観察を行った。
【0043】なお、使用する金属微粒子の粒径は50μm
以下でまた、形状は真球状、擬似球形もしくは不定形で
あるのが好ましい。これは、金属微粒子の粒径が50μm
を超えると、導電性接着剤として用いた場合に隣接する
電極間がショートするおそれがあるため、微細接合に適
用できなくなる。また、形状が鱗片状であると、これも
導電性接着剤として用いた場合に、バンプの高さのばら
つきを吸収することができず、導通不良の原因になるお
それがあるので好ましくない。
【0044】先ず、TMS 5gにAg/Cu 10gを添加し、こ
れに超音波を30分照射して、 Ag/Cu表面にTMS を保持さ
せて、金属微粒子表面へシリコーンモノマを保持させ
た。一方、水200ml にPOEAPE 1.5g及びPVA 12gを溶解
させて水相を作製した。この水相をホモジナイザで4000
rpm で攪拌しながら別途調製したTMS およびAg/Cu を徐
々に添加し、サスペンジョンを作製した。次に、このサ
スペンジョンをスリーワンモータで150rpmで攪拌しなが
ら50℃で1時間保持してシリコーンモノマを金属微粒子
表面でポリマー化した。
【0045】次に、上で製造したMC型導電性フィラー
をエポキシ樹脂中に包埋して硬化させ、この断面をミク
ロトームで切断し、MC型導電性フィラーの断面観察を
行った。その結果、 0.1μm程度の薄いポリマーがAg/
Cu球状微粒子の表面を均一にコーティングした構造を有
していた。上で作製したMC型フィラーを凝集状態にし
て、これの任意の点にテスタをあてることにより、絶縁
の確認をした。テスタ試験はいずれの点においても1011
〜1013Ωと高い絶縁性を示した。
【0046】実施例4 シリコーンモノマとしてトリメトキシシランからテトラ
メトキシシランに変えた以外は、実施例3と同一の方法
でMC型フィラーを製造し、同一の評価を行った。製造
したMC型導電性フィラーの断面構造は実施例3とほぼ
同一で、また、テスタ試験も実施例3と同一の結果を得
た。
【0047】実施例5 シリコーンモノマとしてトリメトキシシランからジフェ
ニルテトラメトキシシロキサンに変えた以外は、実施例
3と同一の方法でMC型導電性フィラーを製造し、同一
の評価を行った。製造されたMC型導電性フィラーの断
面構造は実施例3とほぼ同一で、また、テスタ試験も実
施例3と同一の結果を得た。
【0048】実施例6 シリコーンモノマとしてトリメトキシシランからトリエ
トキシシランに変えた以外は、実施例3と同一の方法で
MC型導電性フィラーを製造し、同一の評価を行った。
製造されたMC型導電性フィラーの断面構造は実施例3
とほぼ同一で、また、テスタ試験も実施例3と同一の結
果を得た。
【0049】実施例7 サスペンジョン製造時のホモジナイザの回転数を300, 5
00, 10000, 20000及び22000rpmにした以外は、実施例3
と同一の方法でMC型フィラーを製造し、同一の評価を
行った。実験結果を表5に示す。これより、ホモジナイ
ザの回転数は 500〜20000rpmとするのが好ましいことが
明らかである。
【0050】
【表5】
【0051】実施例8 シリコーンモノマ反応時のサスペンジョンの攪拌速度を
30, 50, 180, 250及び300rpmとした以外は、実施例3と
同一の方法でMC型導電性フィラーを製造し、同一の評
価を行った。実験結果を表6に示す。表6の結果からシ
リコーンモノマ反応時の攪拌速度は50〜250rpmにするの
が好ましいことが明らかである。
【0052】
【表6】
【0053】実施例9 水相の粘度を1, 10, 100, 1000, 10000及び11000cpsと
変化させた以外は、実施例3と同一の材料および方法で
MC型導電性フィラーを製造し、サスペンジョン形成状
態を観察した。表7にそれぞれの粘度で作製した結果を
示す。これより、水相の粘度は10〜10000cpsにするのが
好ましいことが明らかである。
【0054】
【表7】
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第一の態
様によれば、導電性微粒子作製時の工程が簡便化され、
接合においても安定した導通抵抗が確実に得ることが可
能となり信頼性が高く、実用的なカプセル型導電性接着
剤を与えることができるカプセル型導電性フィラーを得
ることができる。本発明の第二の態様によれば、熱硬化
性樹脂による導電性微粒子表面へのコーティングが容易
に短時間で行えるため、実用的なマイクロカプセル型導
電性フィラーを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】導電性接着剤を用いてLSIチップと部品搭載
用パターン基板とを接合する場合の導電性微粒子量と絶
縁抵抗、導電性との関係を示すグラフ図である。
【図2】マイクロカプセル型導電性接着剤を用いて基板
−チップ間の接続をとる場合の接合部断面図である。
【図3】本発明の第一の態様の樹脂ボールの構造を模式
的に示す図面である。
【図4】本発明のカプセル型導電性フィラーを配合した
カプセル型導電性接着剤を用いて電極間を接合した接合
部の構造を模式的に示した図面である。
【図5】本発明の導電性フィラーの粒径と端子(電極)
幅との関係を模式的に示す図面であり、(a)は粒径が
小さすぎる場合、(b)は粒径が大きすぎる場合を表わ
す。
【図6】本発明の導電性フィラーの粒径分布が広いとき
の問題点を示す図面である。
【図7】本発明の実施例1で得られた樹脂ボールの断面
構造を模式的に示した断面図である。
【図8】本発明の実施例1で得られたカプセル型導電性
フィラーの断面構造を模式的に示した断面図である。
【図9】本発明の実施例1で用いたガラスエポキシ基板
の構成を示す図面である。
【図10】本発明の実施例1で用いたガラスチップの構
成を示す図面である。
【図11】本発明の実施例1で接合したサンプルの導通
抵抗の測定箇所を示す図面である。
【図12】本発明の実施例1で接合したサンプルの絶縁
抵抗の測定箇所を示す図面である。
【図13】本発明の実施例1で接合したチップと基板と
の接合部の断面の構造を示す図面であり、図13(a)は
金属めっきで導通させた箇所を示し、図13(b)は樹脂
ボール中の金属微粒子で導通させた箇所を示す図面であ
る。
【符号の説明】
1…電極 2…樹脂ボール 3…金属めっき 4…絶縁性樹脂 5…接着剤 6…樹脂ボール 7…めっき開始剤 8…金属微粒子 9…電極 10…金属めっき 11…絶縁樹脂 12…接着剤

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性微粒子の表面を絶縁性樹脂でコー
    ティングしたカプセル型導電性接着剤用導電性フィラー
    において、前記導電性微粒子が樹脂球状体中に金属フィ
    ラーを含む芯物質と該芯物質の表面を覆う金属膜から構
    成されることを特徴とするカプセル型導電性接着剤用導
    電性フィラー。
  2. 【請求項2】 前記金属膜がAuである請求項1に記載
    の導電性フィラー。
  3. 【請求項3】 前記金属膜の厚さが 0.1〜3μmである
    請求項1又は2に記載の導電性フィラー。
  4. 【請求項4】 前記導電性微粒子の芯物質の粒径のばら
    つきが粒径の20%以下である請求項1、2又は3に記載
    のカプセル型導電性接着剤。
  5. 【請求項5】 導電性金属微粒子の表面を絶縁性樹脂で
    コーティングしたカプセル型導電性接着剤用導電性フィ
    ラーにおいて、前記絶縁性樹脂コーティングが、シリコ
    ーンモノマ中に金属微粒子を分散させて金属微粒子表面
    にシリコーンモノマを反応させ、次にこのシリコーンモ
    ノマを反応させた金属微粒子を水中に分散させて懸濁液
    とし、これを加熱してシリコーンモノマを重合させて成
    るものであることを特徴とするカプセル型導電性接着剤
    用導電性フィラー。
  6. 【請求項6】 前記シリコーンモノマがアルコキシ基を
    有する請求項5に記載の導電性フィラー。
  7. 【請求項7】 前記シリコーンモノマがアルコキシ基を
    3個以上有する請求項6に記載の導電性フィラー。
  8. 【請求項8】 前記金属微粒子の平均粒径が50μm以下
    である請求項5、6又は7に記載の導電性フィラー。
JP5899093A 1993-03-18 1993-03-18 カプセル型導電性接着剤用導電性フィラー Withdrawn JPH06275123A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6806581B2 (en) * 2001-08-21 2004-10-19 Au Optronics Corporation Bonded anisotropic conductive film
WO2009070504A3 (en) * 2007-11-26 2009-07-23 3M Innovative Properties Co Adhesive sheet and method for manufacturing same

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