JPH0627483A - 液晶空間光変調器 - Google Patents

液晶空間光変調器

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JPH0627483A
JPH0627483A JP20301692A JP20301692A JPH0627483A JP H0627483 A JPH0627483 A JP H0627483A JP 20301692 A JP20301692 A JP 20301692A JP 20301692 A JP20301692 A JP 20301692A JP H0627483 A JPH0627483 A JP H0627483A
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voltage
spatial light
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JP20301692A
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Inventor
Takashi Hagiwara
隆 萩原
Ichiro Kawamura
一朗 河村
Shinichi Takahashi
信一 高橋
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Showa Shell Sekiyu KK
Original Assignee
Showa Shell Sekiyu KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、平行配向した液晶セルのセ
ル厚方向で自発分極が上向きに一様にそろった状態と下
向きに一様にそろった状態の2状態の外に、セル厚に垂
直な方向の一層ごとに自発分極が交互に上向きと下向き
になる1状態以上を持つ即ち、直交した偏光板の間に置
いた時に少なくとも3つ以上の消光状態を示す反強誘電
性液晶を用い、液晶光変調器のコントラストを向上さ
せ、かつ入力光強度に応じた3値の出力光制御を実現す
ることにある。 【構成】 (a)透明基板とその上に形成された透明電
極層、(b)透明基板、その上に順次形成された透明電
極層、光伝導層およびミラー電極層、(c)前記透明基
板を外側にして対向させた内側に、印加電圧に対して少
なくとも3つの安定状態を有する液晶を封入した、液晶
空間光変調素子及び該液晶空間光変調素子を用いる液晶
駆動方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明電極間に液晶と光
伝導層を挟み込んだ液晶空間光変調素子と、それをm×
n個2次元的に配列し、入力光パターンに並列光演算処
理を施して読み出すことを可能にした液晶空間光変調器
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶空間光変調器はネマチック液
晶を用いており、ネマチック液晶の電界に対する応答速
度が数ミリ秒と遅いため、入力光に対する応答速度が十
分でなかった。また、ネマチック液晶の電界に対する応
答のしきい値が明確でないため、入力光のデジタル処理
が困難であった。特開昭56−10726号公報に基づ
いて強誘電性液晶が従来のネマチック液晶にくらべて高
速応答性としきい値特性を有することに着目し、これら
の特性を有効に活用して、高速応答性を有し、入力光に
よるONとOFFのデジタル処理が可能な液晶空間光変
調器の開発が試みられてきた。ところで、強誘電性液晶
では、理想的には特開昭56−10726号公報で記述
されているように強誘電性液晶の自発分極がセル厚方向
で一様に上向きの状態(前述のONまたはOFFに相
当)と一様に下向きの状態(前述のOFFまたはONに
相当)が存在し、液晶空間光変調器に用いた場合にデジ
タル処理を行う際に必要なしきい値特性を有するはずで
ある。しかし、現実の強誘電性液晶では、例えばJP
N.J.APPL.PHYS.VOL26,NO1,1
987,P1〜4に示されたように自発分極がセル厚方
向で一様な2つの状態の外に、強誘電性液晶の自発分極
が上下基板上で互いに逆方向を向き、かつセル厚方向で
自発分極をスメクチック面に投影したものが180度ね
じれるツイストの状態が4状態存在することが明らかと
なってきた。このような反転機構を用いた液晶光変調器
では、ツイスト状態の介在によるコントラストの低下と
しきい値特性の悪化等の問題点が観察されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は前述
したような不具合に対処すべく、平行配向した液晶セル
のセル厚方向で自発分極が上向きに一様にそろった状態
と下向きに一様にそろった状態の2状態の外に、セル厚
に垂直な方向の一層ごとに自発分極が交互に上向きと下
向きになる1状態以上を持つ即ち、直交した偏光板の間
に置いた時に少なくとも3つ以上の消光状態を示す反強
誘電性液晶を用い、液晶光変調器のコントラストを向上
させ、かつ入力光強度に応じた3値の出力光制御を実現
することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、(a)
透明基板とその上に形成された透明電極層、(b)透明
基板、その上に順次形成された透明電極層、光伝導層お
よびミラー電極層、(c)前記透明基板を外側にして対
向させた内側に、印加電圧に対して少なくとも3つの安
定状態を有する液晶を封入した、液晶空間光変調素子に
関する。本発明の第二は、前記液晶空間光変調素子を任
意数2次元的に配列してなる液晶空間光変調器に関す
る。本発明の第三は、(i)前記(a)の透明電極と前
記(b)のミラー電極の間に直流電圧を印加し、(ii)
一方、前記(a)の透明電極と前記(b)の透明電極と
の間に前記(i)と逆向きの直流電圧を印加し、(ii
i) 前記(i)と(ii)の電圧が印加されている状態
で、前記(b)の透明基板の側から光を照射し、入射光
の強度に応じて光伝導層の抵抗値が変化することにより
液晶に加わる電圧が変化し、それにより前記液晶の3つ
の安定状態間のスイッチングを発生させ、これを前記
(a)の透明基板の側から読み取ることを特徴とする液
晶駆動方法に関する。
【0005】このように構成した本発明において、前記
反強誘電性液晶が入射光に対して前述のような出力光−
入射光強度特性をもつように前記両電極基板の少なくと
も一方の内表面を配向処理することにより、液晶空間光
変調器の入射光に対する出力光の制御を3値にするとと
もに、コントラストを向上させ、機械的ショックに対し
ても配向がこわれにくくすることができた。前記「3つ
の安定状態を示す」とは、第一の電極基板と所定の間隙
を隔てて配置されている第二の電極基板の間に反強誘電
性液晶が挾まれてなる液晶電気光学装置において、前記
第一及び第二の電極基板に電界形成用の電圧が印加され
るよう構成されており、図9Aで示される三角波として
電圧を印加したとき、図9Dのように前記反強誘電性液
晶が、無電界時に分子配向が第一の安定状態(図9Dの
2)を有し、かつ、電界印加時に一方の電界方向に対し
分子配向が前記第一の安定状態とは異なる第二の安定状
態(図9Dの1)を有し、さらに他方の電界方向に対し
前記第一及び第二の安定状態とは異なる第三の分子配向
安定状態(図9Dの3)を有することを意味する。な
お、この3つの安定状態を利用する液晶電気光学装置に
ついては、本出願人は特願昭63−70212号として
出願し、特開平2−153322号として公開されてい
る。3つの安定状態を示す反強誘電性液晶の特徴をさら
に詳しく説明する。クラーク/ラガウェル(Clark
−Lagawall)により提案された表面安定化強誘
電性液晶素子では、S*C 相において強誘電性液晶分子
が図10(a),(b)のように一方向に均一配向した
2つの安定状態を示し、印加電界の方向により、どちら
か一方の状態に安定化され、電界を切ってもその状態が
保持される。しかしながら実際には、強誘電性液晶分子
の配向状態は、液晶分子のダイレクターが捩れたツイス
ト二状態を示したり、層がくの字に折れ曲ったシエブロ
ン構造を示す。シエブロン層構造では、スイッチング角
が小さくなり低コントラストの原因になるなど、実用化
へ向けて大きな障害になっている。一方、“反”強誘電
性液晶は3つの安定状態を示すS*(3)相では、上記液
晶電気光学装置において、無電界時には、図11(a)
に示すごとく隣り合う層毎に分子は逆方向に傾き反平行
に配列し、液晶分子の双極子はお互に打ち消し合ってい
る。したがって、液晶層全体として自発分極は打ち消さ
れている。この分子配列を示す液晶相は、図9Dのに
対応している。さらに、(+)又は(−)のしきい値よ
り充分大きい電圧を印加すると、図11(b)および
(c)に示す液晶分子が同一方向に傾き、平行に配列す
る。この状態では、分子の双極子も同一方向に揃うため
自発分極が発生し、強誘電相となる。すなわち、“反”
強誘電性液晶のS*(3)相においては、無電界時の
“反”強誘電相と印加電界の極性による2つの強誘電相
が安定になり、“反”強誘電相と2つの強誘電相間を直
流的しきい値を持って3つの安定状態間スイッチングを
行うものである。このスイッチングに伴う液晶分子配列
の変化により図12に示すダブル・ヒステリシスを描い
て光透過率が変化する。このダブル・ヒステリシスに、
図12の(A)に示すようにバイアス電圧を印加して、
さらにパルス電圧を重畳することによりメモリー効果を
実現できる特徴を有する。さらに、電界印加により強誘
電相は層がストレッチされ、ブックシエルフ構造とな
る。一方、第三安定状態の“反”強誘電相では類似ブッ
クシエルフ構造となる。この電界印加による層構造スイ
ッチングが液晶層に動的シエアーを与えるため駆動中に
配向欠陥が改善され、良好な分子配向が実現できる。そ
して、“反”強誘電性液晶では、プラス側とマイナス側
の両方のヒステリシスを交互に使い画像表示を行なうた
め、自発分極に基づく内部電界の蓄積による画像の残像
現象を防止することができる。以上のように、“反”強
誘電性液晶は、1)高速応答が可能で、2)高いコント
ラストと広い視野角および3)良好な配向特性とメモリ
ー効果が実現できる、非常に有用な液晶化合物と言え
る。“反”強誘電性液晶の3つの安定状態を示す液晶相
については、1)A.D.L.Chandani et
al.,Japan J.Appl.Phys.,28,
L−1265(1989)、2)H.Orihara
etal.,Japan J.Appl.Phys.,2
9,L−333(1990)に報告されており、“反”
強誘電的性質にちなみS*CA 相(Antiferro
electric Smectic C*相)と命名し
ている。本発明者らは、この液晶相が3つの安定状態間
のスイッチングを行なうためS*(3)相と定義した。3
つの安定状態を示す“反”強誘電相S*(3)を相系列に
有する液晶化合物は、本発明者の出願した特開平1−3
16367号、特開平1−316372号、特開平1−
316339号、特開平2−28128号及び市橋等の
特開平1−213390号公報があり、また3つの安定
状態を利用した液晶電気光学装置としては本出願人は特
開平2−40625号、特開平2−153322号、特
開平2−173724号において提案されている。
【0006】前記透明基板としては、ガラス、石英、合
成樹脂などを例示することができる。前記透明電極とし
ては、ITO、SnO2、ZnOなどを例示することが
できる。前記光伝導層としては、a−Si、GaAs、
CdSなどを例示することができる。前記ミラー電極
は、反射膜の働きをする電極であり、その材料として
は、Ti、Al、Ni、Agなどを例示することができ
る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。基板は、a−Siを蒸着しその上にTiを蒸着した
もの、およびネサガラス(ITO基板)の2枚を用い、
その間の空間に反強誘電性液晶を注入する。2組の直流
電源をバイアス電圧VBとして用いる。a−Siは、逆
バイアス状態における明抵抗(Ra-Si:photo)と暗(R
a-Si:dark)の抵抗率の差を利用したフォトセンサとし
て用いる。バイアス抵抗RBはRa-Si:photoとRa-Si:da
rkの間になるように設定し、これにより書き込み光の入
力強度により、RBでの電圧降下が0(V)から2VB
(V)の間で変換され、すなわち液晶層にかかる電圧は
+VB(V)から−VB(V)の間の値を取るようにす
る。反強誘電性液晶は印加電圧の極性によって3つの状
態を取り得るので、結果として書き込み光の入力強度に
より、3値の光強度を制御しうる。読みだし光はTiの
反射膜を通して読み出す。この素子を駆動させる際の光
学系を図2に図示する。
【0008】実験で使用した反強誘電性液晶は、
【化1】 の混合物で
【表1】 のような相転移を示した。
【0009】反強誘電性液晶で3つの安定状態を作り出
すには液晶分子を均一に配向させなければならない。そ
のため、ポリイミドラビング(rubbing)法で液
晶を配向させた。この反強誘電性液晶の電圧応答につい
て知るために透過型素子を作製し、その透過光強度につ
いて測定した。素子は2枚の透明電極(ITO:ind
iumtinoxide)基板の間に液晶を注入したも
のであり、液晶層の厚さは約1.5〜2μmである。液
晶を配向させるために、ITO表面にポリイミドをコー
ティングしラビング処理を行った。ラビングは片面およ
び両面について行った。本発明の空間光変調素子の作製
の際は、片面はa−Si基板であるから熱処理を伴うポ
リイミドラビングは片面についてしか行うことができな
い。このセルについての透過光強度測定の結果を図3に
示す。3状態を観察するために、一方の極性に十分に高
い電圧を印加した状態で、そのときに透過光強度が最小
になるように偏光板を調整した。なお、SmCA・相に
あっても温度が低い場合には、中間状態における透過光
強度がフラットにならない。このため、測定は3状態を
明確に出現させるために、SmCA・相の高温側(約5
0℃)で行っている。透過光強度が最大のときと最小の
ときのコントラスト比は100以上であり、中間のとき
強度は最大の強度のほぼ半分であった。また、ダブル・
ヒステリシスも観察され、その幅は約2Vであった。
【0010】液晶は、等方液体相を示し、またa−Si
の不純物が拡散を起こさないような、100℃におい
て、毛細管効果を利用して注入した。この後SmA相に
おいてラビング方向に沿った液晶の層構造を成長させる
ために徐冷し、特にIso相からSmA相への転移温度
近辺においては、−0.1℃/minという慎重な徐冷
を行った。この素子の動作原理を図4の等価回路を用い
て示す。逆バイアス状態にあるa−Siに書込み光を入
射しその抵抗率を変化させることで、バイアス電圧VB
をa−Siとバイアス抵抗RBの間で分圧する。それに
より液晶層に係る電圧VLCは、+VBから−VBの間の値
になる。反強誘電性液晶は印加電圧の極性により3値の
出力光強度を作り出すので、結果的に書き込み光強度に
より3段階の光出力を取り出すことができる。
【0011】図1の構造の空間光変調器の等価回路も図
4で示される。液晶層は誘電体であるので抵抗と容量の
並列接続で表すことができる。ここでは、 液晶層の抵抗がa−Siの暗抵抗に比べて十分大き
い (RLC >> Ra−Si:暗) a−Siの暗抵抗がバイアス抵抗に比べて十分大き
い (Ra−Si:暗 >> RB) a−Siの明抵抗はバイアス抵抗に比べて十分小き
い (Ra−Si:明 << RB) という条件で素子を設計するので、この条件を用いて等
価回路を簡略化すると図5となる。液晶層にかかる電圧
は、 1) 暗状態(Ra−Si:暗 >> RB) ⇒ VLC=+VB 2) 中間状態(Ra−Si:中間=RB) ⇒ VLC= 0 3) 明状態(Ra−Si:明 << RB) ⇒ VLC=−VB となり、a−Siへの書き込み光の強度により、3段階
に制御できる。これで反強誘電性液晶の3つの安定状態
を作り出すことができる。これは、つまりバイアス電圧
がa−Si(Ra−Si)とバイアス抵抗(RB)とで
分圧されることを意味するが、この関係は図6に示すa
−SiのI−V特性とバイアス抵抗の負荷直線から理解
することができる。図6において液晶層にかかる電圧は
つぎのとおりである。 暗状態では動作点はDであり、バイアス電圧がa−Si
に対して逆バイアスになるようにかかり、液晶層にはプ
ラスの電界がかかる。明状態ではa−Siは光電流を生
じるから動作点はPになり、バイアス電圧はバイアス抵
抗にかかり、液晶層にはマイナスの電界がかかる。書込
み光強度がその中間にあるときは、a−SiのIV曲線
は真中の線のようになり、バイアス電圧はa−Siとバ
イアス抵抗とで等分される。また、負荷直線の傾き、す
なわちバイアス抵抗RBは、短絡光電流をIscとし
て、近似的に(2VB/Isc)と設定すればよいこと
が分かる。
【0012】図1の構造の反射型の素子において、液晶
層に電圧を印加していった場合の反射光強度は図7のよ
うになる。3安定状態を測定するに、一方の極性でしき
い電圧よりも十分に高い電圧を印加し、完全に液晶分子
を応答させた状態において、反射光強度が最小になるよ
うに偏光板の角度を調節した。反強誘電性液晶をスイッ
チングさせるには、しきい値電圧が約24Vであること
が分かる。また、そのときの反射光強度の比は、1:
5:10程度の値であるが、完全に配向したセルを作れ
ば、図3で得られた透過型セルの出力光強度のコントラ
スト比の値にも近づく。
【0013】光書込みによって反強誘電性液晶をスイッ
チングさせるには、図7の結果より、光照射の有無によ
って液晶層にかかる電圧を正負ともにしきい電圧の24
V以上にしなければならない。そこでバイアス電圧VB
がどの程度必要になるかを測定したのが図8である。こ
れよりVBを26V以上与えると、反強誘電性液晶をス
イッチングさせられることが分かる。ただし、a−Si
の耐圧から30〜40V以上の電圧を印加すると、素子
が破壊されてしまうおそれがある。なお、このときのバ
イアス抵抗RBは67.2kΩである。書込み光強度に
対する出力光の強度を測定した。バイアス電圧VBを2
6〜27V以上与えると、反強誘電性液晶が3状態を生
じていることが分かる。中間状態を読み出すためには、
書込み光にフィルタをかけて光強度を調整し、液晶層に
かかる電圧が0Vになるように調整した。これにより、
光書込みによる3段階の出力光制御を実現できた。3状
態が出現したときの出力光強度は、図7で測定したとき
の反射光強度とほぼ同じであった。なお、このときのバ
イアス抵抗RBは67.2kΩ、測定温度は約50℃で
ある。光書込みにより反強誘電性液晶の3状態を得るた
めには、バイアス抵抗RBを最適な値に設定しなければ
ならない。図5の等価回路による解析結果より、RB
は、2VB/Iscに設定すべきであった。これによれ
ば、VB=30V、Isc=0.5mAを代表値として
代入した場合には、RB=120kΩとなる。この値
は、RLC >> Ra-Si:Dark、Ra-Si:Dark >> R
B、Ra-Si:Photo<< RB とおいた場合の近似値であ
った。実際に作製した素子においては、RBの最適値は
60〜80kΩであった。反強誘電性液晶の正電圧から
負電圧へのスイッチング速度は数十〜数百μsであり、
強誘電性液晶に匹敵するものである。この素子の光書込
みによる応答速度は、バイアス電圧を32Vにした場合
で2.5msであった。反強誘電性液晶の応答速度(数
十〜数百μsec)よりはるかに遅い理由として、この
素子の場合、液晶の電界に対する応答時間に加えて光伝
導層の光アドレス時間を考慮に入れねばならないからで
ある。反強誘電性液晶の応答速度は液晶層にかかる電界
の大きさに比例すると考えられるが、a−Siの耐圧と
の関係からこれ以上のバイアス電圧を印加することがで
きない。より一層の応答速度の向上のためにはa−Si
の耐圧を上げる必要がある。
【0014】
【発明の効果】電子による論理演算は、空間的にディジ
タルにしろアナログにしろ、扱うデータそのものは
“0”と“1”の2値表現となっているのが普通であ
る。従来のコンピュータも、いうまでもなく2値論理を
基礎とし、いわゆるブール代数のもとに成り立ってい
る。しかし、空間的な並列性で高速情報処理を行うこと
を考えると、より情報密度を高くできる多値論理を採用
することがよいのも事実である。一般に2のm乗値論理
では、2値論理に比べて情報密度はm倍となる。半導体
素子の場合では接続数や配線数を減少することができ、
光演算の場合には画素数が減少させられ、または使用す
る空間を少なくできる。2入力系を考えると、2値論理
の演算は全部で16種類である。一方多値論理の場合に
は、p論理でpのp×p乗の種類存在し、3値論理でも実
に19683種類にもなる。このすべての論理関数を実
現するのは非現実的であり、そこで否定と論理積だけで
すべての演算が表現できる完全系を利用するのがよい。
ここで、表1のように論理和とリテラルのみで多値論理
演算の完全系が構成できる。なお、表1は完全系を構成
する演算を含んだ基本演算である。本実施例で作製した
反強誘電性液晶を用いた空間光変調器では、図7より1
入力での“補”が実現できる。書込み光を2入力にした
ときには同様に“論理積”が実現でき、また、その状態
で検光子を90°回転させることのみによって“論理
積”を実現することもできる。さらに反強誘電性液晶の
偏光性を利用することで他の論理演算を実現することも
できる。
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる液晶空間光変調素子の構造を示
す図である。
【図2】液晶空間光変調素子における光学系を示す図で
ある。
【図3】反強誘電性液晶の光透過率と印加電圧との関係
を示す図である。
【図4】液晶空間光変調素子の等価回路を示す図であ
る。
【図5】液晶空間光変調器の書き込み光に対する抵抗値
の変化を示す図である。
【図6】a−SiのI−V特性とバイアス抵抗の負荷直
線を示す図である。
【図7】出力光の相対強度とバイアス電圧との関係を示
す図である。
【図8】液晶層に加わる電圧とバイアス電圧との関係を
示す図である。
【図9】Aは印加される三角波を、Bは市販のネマチッ
ク液晶の、Cは二状態液晶の、Dは三状態液晶の、それ
ぞれの光学応答特性を示す。
【図10】クラーク/ラガウエルにより提案された強誘
電液晶分子の二つの安定した配向状態を示す。
【図11】本発明の“反”強誘電液晶分子の三つの安定
した配向状態を示す。
【図12】“反”強誘電液晶分子が印加電圧に対応して
ダブルヒステリシスを描いて光透過率が変化することを
示す印加電圧−光透過率特性図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)透明基板とその上に形成された透
    明電極層、 (b)透明基板、その上に順次形成された透明電極層、
    光伝導層およびミラー電極層、 (c)前記透明基板を外側にして対向させた内側に、印
    加電圧に対して少なくとも3つの安定状態を有する液晶
    を封入した、液晶空間光変調素子。
  2. 【請求項2】 前記液晶空間光変調素子を任意数2次元
    的に配列してなる液晶空間光変調器。
  3. 【請求項3】 (i)前記(a)の透明電極と前記
    (b)のミラー電極の間に直流電圧を印加し、 (ii)一方、前記(a)の透明電極と前記(b)の透明
    電極との間に前記(i)と逆向きの直流電圧を印加し、 (iii) 前記(i)と(ii)の電圧が印加されている状
    態で、前記(b)の透明基板の側から光を照射し、入射
    光の強度に応じて光伝導層の抵抗値が変化することによ
    り液晶に加わる電圧が変化し、それにより前記液晶の3
    つの安定状態間のスイッチングを発生させ、これを前記
    (a)の透明基板の側から読み取る、ことを特徴とする
    液晶駆動方法。
JP20301692A 1992-07-07 1992-07-07 液晶空間光変調器 Pending JPH0627483A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5781267A (en) * 1994-05-02 1998-07-14 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Anti-ferroelectric liquid crystal with black display in one frame, white in other and ratio giving grey scale

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5781267A (en) * 1994-05-02 1998-07-14 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Anti-ferroelectric liquid crystal with black display in one frame, white in other and ratio giving grey scale

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